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多孔質研磨工具及びその製造方法 - 特開2008−30194 | j-tokkyo
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【発明の名称】 多孔質研磨工具及びその製造方法
【発明者】 【氏名】ラマナス,スリニバサン

【氏名】ブルジャン,セルゲイ−トミスラブ

【氏名】ウィルソン,ジェイソン アール.

【氏名】イケダ,ジェリー アン エス.

【要約】 【課題】セグメント型研削砥石用のセグメントとして有用な連通気孔約40〜約80体積%含有する研磨用品とその製造方法を提供する。

【構成】砥粒、結合材料、及び約40〜約80体積%の分散質粒子の混合物を混和する工程を含む方法とする。一実施形態においてこの混合物は分散質粒子約50〜約80体積%含有する。別の実施形態においてこの混合物は有機質結合材料及び約40〜約80体積%の分散質粒子を含有する。次いでこの粉末混合物をプレス加工して研磨材の充填された複合材料にし、熱処理する。冷却の後、この複合材料を溶媒中に浸漬して実質的に全ての分散質粒子を溶解し、その結果、高度多孔質の結合型研磨用品が残る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)砥粒約0.5〜約25体積%、結合材約19.5〜約49.5体積%、及び分散質粒子約50〜約80体積%を含有する混合物を混和すること、
(b)前記混合物をプレス加工して研磨材の充填された複合材料にすること、
(c)前記複合材料を熱処理すること、
(d)実質的に全ての前記分散質粒子を溶解するのに適した一定の時間にわたって、前記複合材料を、前記分散質粒子を溶解する溶媒に浸漬すること、
を含み、前記砥粒及び前記結合剤が前記溶媒に対して実質的に不溶性である、少なくとも50体積%の連通気孔を有する研磨用品の製造方法。
【請求項2】
前記プレス加工(b)及び前記熱処理(c)を実質的に同時に行う、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記混合物を、約370〜約795℃の範囲の温度及び約20〜約33MPaの範囲の圧力で少なくとも5分間にわたってプレス加工する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記混合物中の分散質粒子の体積分率が、
約50体積%又はそれよりも大きく、且つ
約70体積%又はそれ未満、
の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記結合材がメタルボンドである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記メタルボンドが、銅約35〜約85重量%及びスズ約15〜約65重量%含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記メタルボンドが更に、リン約0.2〜約1.0重量%を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記結合材が有機結合材である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記有機結合材がフェノール樹脂を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記砥粒が、ダイヤモンド及び立方晶系窒化ホウ素からなる群より選択される超砥粒を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記砥粒がダイヤモンドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記砥粒が、
約0.5μm又はそれよりも大きく、且つ
約300μm又はそれ未満、
の範囲の平均粒径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記砥粒が、
約0.5μm又はそれよりも大きく、且つ
約75μm又はそれ未満、
の範囲の平均粒径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記分散質が水溶性の塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記分散質が、糖、デキストリン、多糖オリゴマー、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、及びこれらの混合物からなる群の一員である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記分散質が塩化ナトリウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記分散質が糖を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記分散質が、
約25μm又はそれよりも大きく、且つ
約500μm又はそれ未満、
の範囲の粒径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記分散質が、
約74μm又はそれよりも大きく、且つ
約210μm又はそれ未満、
の範囲の粒径分布を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記分散質が、
約210μm又はそれよりも大きく、且つ
約300μm又はそれ未満、
の範囲の粒径分布を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記分散質が糖を含み、
約150μm又はそれよりも大きく、且つ
約500μm又はそれ未満、
の範囲の粒径分布を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記溶媒が水を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記溶媒が沸騰水を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記熱処理(c)の後であって前記浸漬(d)の前に、前記複合材料の少なくとも一方の面を研磨する、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
1水柱インチ当たり1秒当たり約0.2cm又はそれよりも大きい透過率を有する研磨用品を生産する、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
請求項1に記載の方法によって製造される研磨用品。
【請求項27】
セグメント型研削砥石用の研磨セグメントであって、
前記セグメントが、一緒に焼結された複数の超砥粒とメタルボンド基質とを含有する複合材料を含み、
前記複合材料が、その中に配置された複数の相互に連通した気孔を有し、且つ砥粒約0.5〜約25体積%、メタルボンド約19.5〜約49.5体積%、連通気孔約50〜約80体積%を有し、
前記メタルボンド基質が、銅約35〜約70重量%、スズ約30〜約65重量%、及びリン約0.2〜約1.0重量%を含有し、
前記複数の超砥粒が、ダイヤモンド及び立方晶系窒化ホウ素からなる群から選択され、且つ約300μm未満の平均粒径を有する、
セグメント型研削砥石用の研磨セグメント。
【請求項28】
前記複合材料が、約370〜約795℃の範囲の温度で焼結可能である、請求項27に記載の研磨セグメント。
【請求項29】
前記複合材料が、約50体積%又はそれよりも多く、且つ約70体積%又はそれ未満の連通気孔を有する、請求項27に記載の研磨セグメント。
【請求項30】
前記複数の相互に連通した気孔が、
約25μm又はそれよりも大きく、且つ
約500μm又はそれ未満、
の範囲の平均孔径を有する、請求項27に記載の研磨セグメント。
【請求項31】
前記複数の相互に連通した気孔が、
約74μm又はそれよりも大きく、且つ
約210μm又はそれ未満、
の範囲の平均孔径分布を有する、請求項27に記載の研磨セグメント。
【請求項32】
前記複数の相互に連通した気孔が、
約210μm又はそれよりも大きく、且つ
約300μm又はそれ未満、
の範囲の平均孔径分布を有する、請求項27に記載の研磨セグメント。
【請求項33】
前記複数の超砥粒が、
約0.5μm又はそれよりも大きく、且つ
約75μm又はそれ未満、
の範囲の平均粒径を有する、請求項27に記載の研磨セグメント。
【請求項34】
前記連通気孔を、
(a)複合材料を焼結する前に、分散質を前記砥粒及びメタルボンドに加え、且つ
(b)前記焼結した複合材料を溶媒中に浸漬し、前記分散質を溶解すること、
によって形成する、請求項27に記載の研磨セグメント。
【請求項35】
透過率が1水柱インチ当たり1秒当たり約0.2cm又はそれよりも大きい、請求項27に記載の研磨セグメント。
【請求項36】
コアと、
請求項27に記載の複数のセグメントを有する研磨リムと、
前記コアと前記複数のセグメントのそれぞれとの間の、熱的に安定な結合材と、
を備えている、セグメント型研削砥石。
【請求項37】
最低比強度2.4MPa−cm/g及びコア密度0.5〜8.0g/cmであり、且つ円形の外周を有するコアと、
複数のセグメントを有する研磨リムであって、前記セグメントのそれぞれが一緒に焼結した複数の砥粒とメタルボンド基質とを有する複合材料を含み、前記複合材料がその中に配置された複数の相互に連通した気孔を有し、前記複合材料が連通気孔を約50〜約80体積%有する、研磨リムと、
前記コアと前記複数のセグメントのそれぞれとの間の、熱的に安定な結合材と、
を備えている、セグメント型研削砥石。
【請求項38】
前記複合材料が約370〜約795℃の範囲の温度で焼結可能である、請求項37に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項39】
前記メタルボンドが、銅約35〜約85重量%及びスズ約15〜約65重量%を含む、請求項37に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項40】
前記メタルボンドが更にリン約0.2〜約1.0重量%含む、請求項37に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項41】
前記砥粒が、ダイヤモンド及び立方晶系窒化ホウ素からなる群から選択される超砥粒を含む、請求項37に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項42】
前記砥粒がダイヤモンドを含む、請求項37に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項43】
前記砥粒が、
約0.5μm又はそれよりも大きく、且つ
約300μm又はそれ未満、
の範囲の平均粒径を有する、請求項37に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項44】
前記複数の相互に連通した気孔が、
約25μm又はそれよりも大きく、且つ
約500μm又はそれ未満、
の範囲の平均孔径を有する、請求項37に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項45】
前記複数の相互に連通した気孔が、
約74μm又はそれよりも大きく、且つ
約210μm又はそれ未満、
の範囲の孔径分布を有する、請求項37に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項46】
前記複数の相互に連通した気孔が、
約210μm又はそれよりも大きく、且つ
約300μm又はそれ未満、
の範囲の孔径分布を有する、請求項37に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項47】
前記連通気孔が、
(a)焼結する前に、分散質を、前記複数の各セグメントの前記砥粒及びメタルボンドに加え、
(b)前記複数の各セグメントを溶媒中に浸漬し、分散質を溶解すること、
によって形成され、
前記複数の各セグメントが、実質的に分散質粒子を含まない、請求項37に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項48】
前記各セグメントの透過率が、1水柱インチ当たり1秒当たり約0.2cm又はそれよりも大きい、請求項37に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項49】
前記熱的に安定な結合材が、エポキシ接着性結合材、金属性結合材、機械的な結合材、拡散による結合材、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項37に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項50】
前記熱的に安定な結合材がエポキシ接着性結合材である、請求項37に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項51】
前記メタルボンドが、銅約35〜約85重量%、スズ約15〜約65重量%、リン約0.2〜約1.0重量%を含み、
前記砥粒が、約0.5〜約300μmの粒径を有するダイヤモンドを含み、
前記複数の相互に連通した気孔が、約25〜約500μmの範囲の平均孔径を有する、
請求項37に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項52】
(a)砥粒約0.5〜約25体積%、非金属性結合材料約19.5〜約65体積%、及び分散質粒子約40〜約80体積%を含有する混合物を混和すること、
(b)前記混合物をプレス加工して、研磨材の充填された複合材料にすること、
(c)前記複合材料を熱処理すること、
(d)実質的に全ての前記分散質粒子を溶解するのに適した一定の時間にわたって、前記複合材料を、前記分散質粒子を溶解する溶媒中に浸漬すること、
を含み、前記砥粒及び非金属性結合材が前記溶媒に実質的に不溶である、約40〜約80体積%の連通気孔を有する研磨用品の製造方法。
【請求項53】
前記非金属性結合材料が有機質結合材料を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記有機質結合材料が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、シアナート樹脂、メラミンポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択される樹脂を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記有機質結合材料がフェノール樹脂を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記有機質結合材料がフェノールノボラック樹脂を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項57】
前記有機質結合材料がフェノールレゾール樹脂を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項58】
前記砥粒が、
約0.5μm又はそれよりも大きく、且つ
約300μm又はそれ未満、
の範囲の平均粒径を有するダイヤモンドを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項59】
前記分散質粒子が実質的に非イオン性である、請求項53に記載の方法。
【請求項60】
前記分散質粒子が糖を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項61】
前記プレス加工(b)が、約100〜約200℃の範囲の温度及び約20〜約33MPaの範囲の圧力で、少なくとも5分間にわたってプレス加工することを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項62】
前記熱処理(c)を前記浸漬(d)の後に行い、また前記熱処理が、約100〜約200℃の範囲の温度で少なくとも1時間にわたって焼成することを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項63】
前記複合材料の少なくとも一方の面を、前記浸漬(d)の前に研磨する、請求項53に記載の方法。
【請求項64】
セグメント型研削砥石用の研磨セグメントであって、
一緒に硬化された複数の超砥粒と非金属性結合材基質とを有する複合材料を含み、
前記複合材料が、その中に配置された複数の相互に連通した気孔を有し、且つ砥粒約0.5〜約25体積%、非金属性結合材約19.5〜約65体積%、及び連通気孔約40〜約80体積%を有し、且つ
前記複数の超砥粒が、ダイヤモンド及び立方晶系窒化ホウ素からなる群から選択され、約300μm未満の平均粒径を有する、
セグメント型研削砥石用の研磨セグメント。
【請求項65】
前記複合材料が、約100〜約200℃の範囲の温度で硬化可能である、請求項64に記載の研磨セグメント。
【請求項66】
前記複数の超砥粒がダイヤモンドを含み、
約0.5μm又はそれよりも大きく、且つ
約75μm又はそれ未満、
の範囲の平均粒径を有する、請求項64に記載の研磨セグメント。
【請求項67】
前記連通気孔を、
(a)複合材料を硬化する前に、分散質を粒子及び非金属性結合材に加え、そして
(b)硬化した前記複合材料を溶媒中に浸漬し、分散質を溶解すること、
によって形成し、前記研磨セグメントが実質的に分散質粒子を含まない、請求項64に記載の研磨セグメント。
【請求項68】
前記分散質が糖を含み、前記溶媒が水を含み、且つ前記非金属性結合材がフェノール樹脂を含む、請求項67に記載の研磨セグメント。
【請求項69】
最低比強度2.4MPa−cm/g及びコア密度0.5〜8.0g/cmであり、且つ円形の外周を有するコアと、
複数のセグメントを有する研磨リムであって、前記セグメントのそれぞれが、一緒に硬化した砥粒及び非金属性結合材基質の複合材料を含み、前記複合材料が、その中に配置された複数の相互に連通した気孔を有し、前記複合材料が、連通気孔約40〜約80体積%を有する、研磨リムと、
前記コアと前記複数のセグメントのそれぞれとの間の、熱的に安定な接着性結合材と、
を備えている、セグメント型研削砥石。
【請求項70】
前記複合材料が、約100〜約200℃の範囲の温度で硬化可能である、請求項69に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項71】
前記非金属性結合材基質が有機結合材基質を含む、請求項69に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項72】
前記有機結合材基質がフェノール樹脂基質を含む、請求項71に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項73】
前記連通気孔を、
(a)前記複合材料を硬化する前に、分散質を前記砥粒及び有機結合材に加え、そして
(b)硬化した前記複合材料を溶媒中に浸漬し、分散質を溶解すること、
によって形成し、前記研磨セグメントが実質的に分散質粒子を含まない、請求項71に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項74】
前記分散質が糖を含み、前記溶媒が水を含み、且つ有機結合材がフェノール樹脂を含む、請求項73に記載のセグメント型研削砥石。
【請求項75】
前記有機結合材基質が、フェノール樹脂を含み、
前記砥粒が、約0.5〜約300μmの範囲の平均粒径を有するダイヤモンドを含み、
前記熱的に安定な結合材が、エポキシ接着性結合材を含み、且つ
複合材料を硬化し、硬化した複合材料を水溶媒中に浸漬し、分散質を溶解するのに先立って、顆粒状の糖の分散質を砥粒及び有機結合材に加えることによって、前記連通気孔が形成される、請求項71に記載のセグメント型研削砥石。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的には硬い及び/又は脆い材料の表面の研削及び研磨に適した研磨材及び研磨工具に関する。本発明はより詳細には、相互に連通した多孔構造を有する高度多孔質結合型研磨用品、及びその製造方法に関する。本発明の研磨材は、一般に電子構成部品の製造に用いられるシリコン、アルミナ−炭化チタン、及び炭化ケイ素ウェハの裏面研削などの高性能研削作業に有用である。
【背景技術】
【0002】
機械的研削プロセスを改善するために多孔質研磨材を使用することが一般によく知られている。気孔は一般に冷却液及び潤滑剤などが研削材に接触することを可能にする。これは、より効率的な切削を促進し、冶金学的損傷(例えば表面の焼け)を最小限に抑え、工具の寿命を最大限にする傾向がある。気孔はまた、被研削対象物から除去される材料(例えば切粉又は削りくず)の逃げを可能にする。これは被研削対象物が比較的柔らかい場合、又は表面仕上げの要求基準が厳しい場合に(例えばシリコンウェハの裏面研削)、特に重要である。
【0003】
気孔を有する研磨用品及び/又は工具を製造する以前の試みは、一般に二つのカテゴリーのいずれかに分類することができる。第一のカテゴリーでは多孔構造は、研磨用品中に、気孔を生じさせる有機媒体(例えば砕いたクルミの殻)を加えることによって作り出される。これらの媒体は、焼結時に熱的に分解し、硬化した研磨工具中に空隙又は気孔を残す。このカテゴリーの例は、Carmen等の特許文献1、Wuの特許文献2、Grotoh等の特許文献3、Satoh等の特許文献4である。第二のカテゴリーでは多孔構造は、気泡アルミナなどの独立気泡材料を研磨用品中に加えることによって作り出すことができる。例えばSheldon等の特許文献5を参照されたい。
【0004】
別のアプローチでは、特許文献6及び7においてWu等は、長さ対直径のアスペクト比が少なくとも5:1の繊維状の砥粒を含有する研磨用品及びその製造方法を開示している。これらの各特許は参照により全て本明細書に組み込まれる。細長い砥粒は充填特性が劣る結果、必然的に高い気孔率及び透過率を伴い、比較的高性能の研削に適した研磨用品がもたらされる。
【特許文献1】米国特許第5,221,294
【特許文献2】米国特許第5,429,648
【特許文献3】特開平3−161273
【特許文献4】特開平3−281174
【特許文献5】米国特許第5,203,886
【特許文献6】米国特許第5,738,696
【特許文献7】米国特許第5,738,697
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エンジン、耐熱性の装置、及び電子デバイス(例えば、シリコン及び炭化ケイ素ウェハ、磁気ヘッド、ディスプレーウィンドー)などの製品における高精度部品に対する市場の需要が増大するにつれて、セラミック及び他の比較的硬い及び/又は脆い材料の精巧な研削及び研磨のための改良型研磨工具に対する必要性が増大している。当業界で周知の研磨工具は、上記の必要性に関して完全に満足なものであることが立証されていない。従って改良型研磨用品及び研磨工具、特に比較的高度の気孔率を伴うそれらに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様には研磨用品の製造方法が含まれる。この方法は、砥粒、結合材、及び分散質粒子の混合物を混和する工程を含み、この混合物は砥粒約0.5〜約25体積%、結合材約19.5〜約49.5体積%、分散質粒子約50〜約80体積%を含有する。この方法は更に、この混合物をプレス加工して研磨材の充填された複合材料にすること、この複合材料を熱処理すること、及び実質的に全ての分散質粒子を溶解するのに適した一定の時間にわたって、分散質粒子が可溶な溶媒に、この複合材料を浸漬する工程を含む。更に、砥粒及び結合材はこの溶媒に実質的に不溶である。この態様の1つの変形形態では結合材は、銅約35〜約85重量%、スズ約15〜約65重量%、及びリン約0.2〜約1.0重量%含有する。この態様の別の変形形態では、分散質粒子には顆粒状塩化ナトリウムが含まれ、また溶媒には沸騰水が含まれる。
【0007】
別の態様において本発明には、セグメント型研削砥石用の研磨セグメントが含まれる。この研磨セグメントは、約370〜約795℃の範囲の温度で一緒に焼結された複数の超砥粒とメタルボンド基質とを含有する複合材料を含み、この複合材料はその中に配置された複数の相互に連通した気孔を有し、砥粒約0.5〜約25体積%、メタルボンド約19.5〜約49.5体積%、連通気孔約50〜約80体積%を含む。メタルボンド基質は、銅約35〜約70重量%、スズ約30〜約65重量%、リン約0.2〜約1.0重量%含有する。この複数の超砥粒は、ダイヤモンド及び立方晶系窒化ホウ素からなる群から選択され、平均粒径が約300μm未満である。
【0008】
別の態様において本発明にはセグメント型研削砥石が含まれる。この研削砥石には、最低比強度2.4MPa−cm/g及びコア密度0.5〜8.0g/cmで円形の外周を有するコアが組み込まれる。この研削砥石には更に、複数のセグメントを組み込んだ研磨リムが含まれ、各セグメントが、約370〜約795℃の範囲の温度で一緒に焼結された複数の砥粒とメタルボンド基質とを含有する複合材料を含み、且つ複合材料が、その中に配置された複数の相互に連通した気孔を有し、連通気孔約50〜約80体積%を有する。この研削砥石は更に、上記コアと上記複数のセグメントのそれぞれとの間に熱的に安定な結合材を有する。
【0009】
更に別の態様において本発明には、連通気孔約40〜約80体積%を有する研磨用品の製造方法が含まれる。この方法は、砥粒、有機又は他の非金属性の結合材料、及び分散質粒子の混合物を混和する工程を含み、この混合物は砥粒約0.5〜約25体積%、有機質結合材料約19.5〜約65体積%、分散質粒子約40〜約80体積%を含有する。この方法は更に、この混合物をプレス加工して研磨材の充填された複合材料にすること、この複合材料を熱処理すること、及び分散質粒子が可溶な溶媒に、実質的に全ての分散質粒子を溶解するのに適した一定の時間にわたって、この複合材料を浸漬する工程を含む。この態様の1つの変形形態では、分散質粒子には顆粒状の糖が含まれ、また溶媒には沸騰水が含まれる。
【0010】
更に別の態様において本発明には、セグメント型研削砥石用の研磨セグメントが含まれる。この研磨セグメントは、一緒に硬化された複数の超砥粒と非金属性結合材基質とを含有する複合材料を含み、この複合材料はその中に配置された複数の相互に連通した気孔を有し、砥粒約0.5〜約25体積%、非金属性結合材約19.5〜約65体積%、及び連通気孔約40〜約80体積%を含有する。この複数の超砥粒は、ダイヤモンド及び立方晶系窒化ホウ素からなる群から選択され、平均粒径が約300μm未満である。
【0011】
更に別の態様において本発明には、セグメント型研削砥石が含まれる。この研削砥石には、最低比強度2.4MPa−cm/g及びコア密度0.5〜8.0g/cmで円形の外周を有するコアが組み込まれる。この研削砥石には更に、複数のセグメントを組み込んだ研磨リムが含まれ、セグメントのそれぞれが、一緒に硬化された砥粒と非金属性結合材基質との複合材料を含み、この複合材料が、その中に配置された複数の相互に連通した気孔を有し、約40〜約80体積%の連通気孔を含む。この研削砥石は更に、上記コアと上記複数のセグメントのそれぞれとの間に、熱的に安定な結合材を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明には、精密研削、研磨又は切削用途で有用な可能性のある多孔質研磨用品が含まれる。本発明の研磨用研削砥石の一例は、セグメント型研削砥石100用の研磨セグメント10である(例えば図1及び2を参照されたい。これらは実施例1について下記で更に詳細に述べる)。本発明の研磨用品の一実施形態は、連通気孔約50〜約80体積%を含む。本発明の研磨用品の別の実施形態は、有機質結合材料(例えばフェノール樹脂)などの非金属性結合材を含み、また連通気孔約40〜約80体積%を含む。本発明にはまた、多孔質研磨用品の製造方法が含まれる。1又は複数の本発明の研磨用品(例えばセグメント10)を組み込んだ研削砥石(例えば研削砥石100)は、シリコンウェハ、炭化ケイ素、アルミナ−炭化チタンなどの硬い及び/又は脆い材料の鏡面仕上げ研削にとって有利である可能性がある。これらの研削砥石は、上記材料の鏡面仕上げ研削の間に、研削砥石の研削面をドレッシング(さもなければ調整)する必要性をなくすことができる点で更に有利である。本発明の他の潜在的な利点は、下記の考察及び実施例で明らかになるはずである。
【0013】
本発明の一態様は、従来の知識(例えばIshiharaの特公昭60−118,469(JP60−118,469)参照)とは反対に、50体積%超、特に約50〜約80体積%の連通気孔を含む研磨用品は、硬い及び/又は脆い材料を研削する場合に、その研磨用品の機械的完全性を実質的に犠牲にすることなく、優れた研削性能を実現できることが分かったことである。従って本発明の研磨用品の実施形態は、少なくとも50体積%の連通気孔と、有効量の少なくとも1種類の砥粒及び結合材とを含有する。この研磨用品は、更に任意選択で、繊維、潤滑剤及び当業技術者には周知の他の成分を含有することができる。この研磨用品は、好ましくは連通気孔約50〜約80体積%、最も好ましくは約50〜約70体積%含む。
【0014】
実質的に任意の砥粒を、本発明の研磨用品に用いることができる。従来の研磨材にはこれらには限らないが、粒度が約0.5〜約5000μm、好ましくは約2〜約300μmの範囲のアルミナ、シリカ、炭化ケイ素、ジルコニア−アルミナ、ガーネット及びエメリーを含めることができる。また、これらには限らないが、金属コーティング有り又は無しのダイヤモンド及び立方晶系窒化ホウ素(CBN)のような超砥粒であって、従来の粒子とほぼ同じ粒度を有する超砥粒を用いることもできる。砥粒のサイズ及び種類の選択は典型的に、その加工物の性質及び研削法のタイプ次第で変わる。精密仕上げ(すなわち「鏡面仕上げ」)研削の場合、超砥粒が比較的小さい粒径、例えば約0.5〜約120μm、又は約0.5〜約75μmの粒径を有することが望ましいことがある。一般に精密研削及び表面仕上/研磨作業のためには、比較的小さい(すなわち比較的細かい)粒子サイズが好ましく、一方で形削り、薄肉加工(thinning)及び比較的大量の材料除去が必要な他の作業のためには、比較的大きい(すなわち比較的粗い)粒子サイズが好ましい。
【0015】
本発明の研磨用品の基質材料としては、結合型研磨用品の製造に一般に用いられる実質的に任意の種類の結合材を用いることができる。例えば金属性、有機質、樹脂質又はガラス質結合材(必要な場合は適切な硬化剤と一緒に)を用いることができ、一般には金属性結合材が望ましい。破壊靱性が約1.0〜約6.0MPa・m1/2の範囲のメタルボンドが一般に望ましく、破壊靱性が約1.0〜約3.0MPa・m1/2の範囲のメタルボンドがより好ましい。破壊靱性に関する更なる詳細については、Ramanath他の米国特許第6,093,092号及び第6,102,789号中に記され、これらは参照により本明細書にそっくり組み込まれ、またこれらは以後Ramanathの特許と呼ぶ。
【0016】
メタルボンド基質において有用な材料には、これらには限らないが、青銅、銅及び亜鉛合金(例えばブラス)や、コバルト、鉄、ニッケル、銀、アルミニウム、インジウム、アンチモン、チタン、ジルコニウム、及びこれらの合金や、これらの混合物がある。一般には銅及びスズの混合物が望ましいメタルボンド基質組成物であることが分かった。銅約35〜約85重量%及びスズ約15〜約65重量%含有する組成物が、本発明の研磨用品に適していることがある。銅約35〜約70重量%、スズ約30〜約65重量%、及び任意選択でリン約0.2〜約1.0重量%含有する組成物(銅リン合金の場合など)が好ましい。これらの結合材料は任意選択で、チタン又は水素化チタン、クロム、あるいは選択された焼結条件下で粒子/結合材の部位を強化するように粒子と粒子の表面の結合材との間に炭化又は窒化化学結合を形成することができる他の周知の超砥粒用反応性材料と一緒に用いることができる。強い粒子/結合材の相互作用は一般に、加工物を損傷し、また工具寿命を縮める傾向のある粒子の「脱出」を低減させる。
【0017】
好適な有機結合材の例は熱硬化性樹脂であるが、他の種類の樹脂も用いることもできる。好ましくはこの樹脂はエポキシ樹脂又はフェノール樹脂のいずれかであり、液体又は粉末の形態で用いることができる。好適な熱硬化性樹脂の具体的な例には、フェノール樹脂(例えばノボラック及びレゾール)、エポキシ、不飽和ポリエステル、ビスマレイミド、ポリイミド、シアン酸エステル、メラミン等などがある。
【0018】
本発明の研磨用品の実施形態は、平均孔径が約25〜約500μmの範囲の連通気孔約50〜約80体積%を含有する。この連通気孔は、比較的高い割合の分散質粒子が成形した研磨用品中で他の分散質粒子と接触することを確実にするようにして(焼結の前及び後に)、十分な量の分散質粒子を粒子と結合材の混合物に加えることによって、製作の間に形成される。
【0019】
望ましい多孔性の一実施形態は、約370〜約795℃の範囲の温度及び約20〜約33MPaの範囲の圧力で一緒に焼結した超研磨材約0.5〜約25体積%とメタルボンド基質約30.5〜約49.5体積%を含有する。このメタルボンド基質は、銅約35〜約70重量%、スズ約30〜約65重量%、及びリン約0.2〜約1.0重量%を含有する。この超研磨材は、粒径が約0.5〜約300μm(また特別な実施形態では約0.5〜約75μm)の範囲のダイヤモンドを含む。
【0020】
他の望ましい多孔性の実施形態は、平均孔径が約150〜約500μmの範囲の連通気孔約40〜約80体積%含有する。これらの実施形態は更に、約100〜約200℃の範囲の温度(又はポリイミド樹脂の場合は400〜約450℃)及び約20〜約33MPaの範囲の圧力で一緒に硬化させた超研磨材約0.5〜約25体積%と有機結合材約19.5〜約65体積%を含有する(連通気孔約40〜約50体積%を得るには望ましくは、針状の形態、例えばアスペクト比が2又はそれよりも大:1の分散質を用いることができる)。本発明の研磨用品は、従来の粉末冶金/ポリマー製造プロセスを用いて製造することができる。適切なサイズ及び組成の研磨材、結合材、及び分散質の粉末を十分に混合し、適切な形状に成形し、比較的高い温度及び圧力で焼結/硬化して比較的高密度の、好ましくは理論密度の少なくとも95%の密度(典型的には理論密度の約98〜99%)の複合材料を得る。メタルボンド基質を含有する研磨用品の場合、粉末は一般には約370〜約795℃の範囲の温度において、約20〜約33MPaの範囲の圧力で焼結される。例えば一実施形態においては、粉末混合物をまず401℃で20分間加熱する。次いでこの粉末を温度401℃及び圧力22.1MPaで10分間焼結する。冷却後、分散質を選択的に除去(すなわち溶解)するために、互いに実質的に接触している分散質を含む研磨材充填複合材料を溶媒に浸漬する。得られる研磨用品は、研磨材と結合材基質の混合物を含有し、且つ事実上不規則に分布した連通気孔(すなわち分散質が溶解してなくなった空隙)の網目組織を有する、気泡状構造を有する。
【0021】
水、アルコール、アセトンなど溶媒に容易に溶解することができる実質的に任意の分散質を用いることができる。一般には水溶性の分散質、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、ケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウムなど、並びにそれらの混合物が好ましい。いくつかの研削用途(例えばシリコンウェハ及び他の電子機器部品)で使用する場合、糖、デキストリン、多糖オリゴマー類などの非イオン(すなわち非塩)分散質が望ましいことがある。塩化ナトリウム又は糖などの、水に対して比較的高い溶解度を有し、且つ比較的大きな溶解速度を有する分散質が最も好ましい。好ましい分散質はまた、焼結プロセスに耐えるように比較的高い融点(mp)を示すことができる。例えば塩化ナトリウムは約800℃の融点を有する。きわめて高い焼結温度を必要とする研磨用品の場合、ケイ酸ナトリウムアルミニウム(mp1650℃)、硫酸マグネシウム(mp1124℃)、リン酸カリウム(mp1340℃)、ケイ酸カリウム(mp976℃)、メタケイ酸ナトリウム(mp1088℃)、またこれらの混合物を用いることができる。
【0022】
分散質の粒径は一般に約25〜約500μmの範囲である。望ましい一実施形態では分散質は、約74〜約210μmの粒径分布(すなわち70米国メッシュ(標準ふるい)より細かく、且つ200米国メッシュより粗い分散質粒子を含む)を有する。別の望ましい実施形態では分散質は、約210〜約300μmの粒径分布(すなわち50米国メッシュより細かく、且つ70米国メッシュより粗い分散質粒子を含む)を有する。糖を分散質として用いる更に別の望ましい実施形態では、約150〜約500μmの範囲にわたる粒径分布(すなわち35米国メッシュより細かく、且つ100米国メッシュより粗い分散質粒子を含む)を用いることができる。
【0023】
上記で述べた研磨用品は、実質的に任意のタイプの研磨工具を製造するために用いることができる。一般に望ましい工具には、正面研削砥石(例えばANSI Type 2A2T又は2A2TS砥石とType 1A及び1A1砥石)、及びカップ砥石(例えばANSI Type 2又はType 6砥石あるいはType 119V鐘形カップ砥石)がある。研磨用研削砥石は、研削機に砥石を取り付けるための穴が中心にあるコア(例えば図2A〜2Cのコア20)を有することができ、このコアはその外周に沿って配置される多孔質の研磨用リムを支えるように設計される(例えば、実施例1に関して下記でより詳細に考察する図2Aの研削砥石100を参照されたい)。砥石のこれら2つの部分は一般に、研削条件下で熱的に安定な接着性結合材と組み合わさって保持され、この砥石及びその構成部品は、少なくとも80m/秒までの砥石の周速、望ましくは160m/秒又はそれよりも大きい周速で生じる応力に耐えるように設計される。
【0024】
一実施形態においてコアは、形が実質的に円形である。このコアは、最低比強度が2.4MPa−cm/g、より望ましくは約40〜約185MPa−cm/gの範囲の実質的に任意の材料を含むことができる。このコア材料は、密度が0.5〜8.0g/cm、好ましくは約2.0〜約8.0g/cmである。好適な材料の例は、鋼、アルミニウム、チタン、青銅、これらの複合材料及び合金、並びにこれらの組合せである。規定の最低比強度を有する強化プラスチックもまた、このコアを組み立てるために用いることができる。一般に複合材料及び強化コア材料は、初めに粉末の形態で供給されることが多い金属又はプラスチックの基質の連続相を含み、それに不連続相として、より硬い、より弾性的な、及び/又はより低濃度の繊維又は粒子又は粒の材料を加える。本発明の工具のコアに用いるのに適した強化材料の例には、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、セラミック粒及び粒子、並びに中空充填材料、例えばガラス、ムライト、アルミナ及びZ−Lightの球などがある。一般に望ましい金属コア材料にはANSI 4140鋼と、アルミニウム合金2024、6065、7178がある。好適なコア材料、特性などに関する更なる詳細については、Ramanathの特許に記されている。
【0025】
研削砥石(例えば図2Aに示す研削砥石100)は、本明細書で前述したようにしてまず、予め設定した寸法、組成、及び気孔率の個々のセグメントを形成することによって製造することができる(例えば図1に示すセグメント10参照、これは実施例1に関して下記でより詳細に考察する)。研削砥石は、当業界で周知の様々な方法によって、成形し、そして焼結、焼成又は硬化することができる。これらの方法には、熱間プレス(圧力約14〜28MPa)、冷間プレス(圧力約400〜500MPa又はそれよりも大きい)、及び鋼製鋳型中での高温圧印(圧力約90〜110MPa)がある。当業技術者は、冷間プレス(また比較的小さな範囲の高温圧印)が、高圧縮強度(すなわち破砕に対する抵抗)を有する分散質粒子に対してのみ有用であることを容易に認めるはずである。メタルボンド研磨用品については、ホットプレス(約350〜500℃及び22MPa)が好ましい。糖を含有する分散質を用いる有機結合材研磨用品については、冷間又は「温間」圧縮(温度約160℃未満)が好ましいことがある。成形及び熱処理技術に関する更なる詳細については、米国特許第5,827,337号に記されており、この特許は参照により本明細書にそっくり組み込まれる。
【0026】
成形、熱処理、及び溶媒への浸漬に続いて、セグメントを一般にはビトリファイド研削砥石又は超硬切削砥石を用いた研削又は切削によるなど、従来の技術によって仕上げ加工して、所望の寸法及び精度を有する研磨リムセグメントを得る。次いでこれらのセグメントを、適切な接着剤により、コアの周縁部に取り付けることができる(例えば図2A〜2C参照、これもまた下記で考察する)。望ましい接着剤としては、樹脂と硬化剤の重量比が10:1のエポキシ樹脂353−NDT(EPO−TEK社, Billerica, MA)及び樹脂約100重量部に対して硬化剤約19重量部の比で混合したエポキシ樹脂Technodyne(登録商標)HT−18 (Taoka Chemicals, JPから入手した)とその変性アミン硬化剤がある。接着剤、それらの特性、及びメタルボンド研削砥石へのそれらの応用に関する更なる詳細については、Ramanathの特許に記されている。
【0027】
代替の研削砥石の製造法は、研磨材、結合材、及び分散質の粉末混合物のセグメント前駆物質単位を形成すること、コアの周りを取り囲んでこのセグメント単位を成形すること、及び熱と圧力を加えてその場所でセグメントを作り且つ取り付ける(すなわちコアとリムを共焼結する)工程を含む。共焼結の後、リムから分散質を溶解して除くための選択された溶媒に研削砥石を浸漬し、高度多孔質研磨リムを得る(さきに述べたとおり)。この代替の方法では、コア材料がアルミニウム又はアルミニウム合金(例えば合金7075)を含む場合、塩化物イオンが存在するとアルミニウム合金を点食する恐れがあるので、塩化物イオン(例えば塩化ナトリウム)を含有しない分散質を用いることが望ましいことがある。
【0028】
本発明の研磨用品及び工具(例えば図2Aに示す研削砥石100、これについては後で詳細に述べる)は、様々な酸化物、炭化物、窒化物及びケイ化物、例えば窒化ケイ素、二酸化ケイ素、及びオキシ窒化ケイ素や、安定型ジルコニア、酸化アルミニウム(例えばサファイア)、炭化ホウ素、窒化ホウ素、二ホウ化チタン、窒化アルミニウム、及びこれらセラミックの複合材料や、焼結炭化物などのある種の金属基質複合材料や、多結晶ダイヤモンドや、多結晶立方晶系窒化ホウ素を含めたセラミック材料の研削にとって望ましい。単結晶又は多結晶セラミックを、これらの研磨工具を用いて研削することができる。更に本発明の研磨用品及び工具は、シリコンウェハ(半導体の製造に用いられる)、アルミナ−炭化チタン(磁気ヘッドの製造に用いられる)、及び他の基板材料などのエレクトロニクス用途に用いられる材料を研削するのに特に適している。
【0029】
上記で述べた本発明の様々な態様に対する変形形態は単に例示に過ぎない。当業界の普通の技術者には、この例示的実施形態に対する他の変形形態が容易に思いつくであろうことが分かる。このような変形形態及び多様性は、全て特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲及び精神の範囲内にあると考えられる。
【0030】
下記実施例は、単に本発明の物品及び方法の様々な実施形態を例示するに過ぎない。本発明の範囲は、本明細書で述べる特定の実施形態によって限定されるのではなく、特許請求の範囲によって規定されると考えるべきである。別段の指定がない限り、実施例中の全ての部数及び割合は重量を基準とする。
【実施例】
【0031】
[実施例1]
本発明の原理による研磨砥石100は、下記の材料及び方法を用いて、タイプ2A2TSメタルボンドダイヤモンド砥石の形に調製した。
【0032】
粉末状合金(下記で定義する)を、非ヨウ素添加食塩(Shaw’s, Inc., Worcester, MAから入手した)と、合金:食塩の重量比65:35で混合した。この比は合金:食塩の体積比31.56:68.44に相当する。食塩(主に塩化ナトリウム)はSpex(商標)Mill(Spex Company, Metuchen, NJ製)で粉砕し、ふるい分けして、約74〜約210μm(すなわち200米国メッシュより粗く、70米国メッシュより細かい)の範囲にわたる粒径分布を得た。
【0033】
粉末状合金は、銅粉末(Dendritic FS等級、粒径−325メッシュで、Sintertech International Marketing Corp., Ghent, NYから入手した)43.74重量%、リン/銅粉末(等級1501、粒径−325メッシュで、New Jersey Zinc Company, Palmerton, PAから入手した)6.24重量%、及びスズ粉末(等級MD115、粒径−100/+325メッシュ、0.5%最大で、Alcan Metal Powders, Inc., Elizabeth, NJから入手した)50.02重量%の配合物を含有していた。
【0034】
粒径分布約3〜約6μmの微細ダイヤモンド研磨用粉末を、この合金/食塩の配合物に加え(ダイヤモンド2.67gを、合金/食塩の配合物61.29gに加えた)、この組み合わせを、Turbula(商標)式ミキサー(Glen Mills Inc., Clifton NJ製)を用いて均質に混和するまで完全に混合した。得られた混合物は、ダイヤモンド約5体積%、メタルボンド基質約30体積%、及び食塩約65体積%を含有していた。成分の分離防止の助けとなるように、混合に先立って、この配合物にミネラルスピリットDL42(商標)(Worcester Chemical, Worcester, MAから入手した)3滴を加えた。次いでこの混合物を16等分に分けた(それぞれが、砥石100に用いられる16個の研磨セグメント10のうちの1つに対応する)。各部分をグラファイト鋳型中に配置し、理論密度の95%を超える目標密度を有する基質が形成されるまで、22.1MPa(3200psi)において407℃で10分間ホットプレス加工した。冷却の後、塩を除去するために、セグメント10を比較的大量(例えば0.5L)の沸騰水に45分間浸漬した。次いでセグメント10を、脱イオン水(DI)で十分に洗浄した。このプロセスを繰り返して、塩の完全な除去を確実にした。次の減量及びエネルギー分散X線(EDX)測定により、実質的に全ての食塩がセグメントから除去されたことを確かめた。
【0035】
図1を参照して、1個のセグメント10の概略図を示す。機械加工したアルミニウムコア20(図2A〜2Cに示す砥石タイプ2A2TS)の周囲に合致するように、各セグメント10を必要な寸法及び精度に研削した。セグメント10は、外側の曲率半径11が127mm(5インチ)、また内側の曲率半径12が124mm(4.9インチ)の精密な輪郭を有する。前(又は後ろ)から見た場合、セグメント10は、長さ寸法13が47mm(1.8インチ)、また幅寸法14が6.3mm(0.25インチ)である。
【0036】
セグメント10は、図2Aに示すように、タイプ2A2TS面研削型研削砥石100を組み立てるために用いられる。研削砥石100は、アルミニウムコア20と結合した16個の対称的に間隔を空けて配置されたセグメント10を含み、約282mm(11.1インチ)の外径102及び溝のついたリム104を有する研削砥石100が得られる。110で示すように、セグメントに分かれたリムは、アルミニウムコア20の表面から約3.9mm(0.16インチ)の距離112突き出ている。研磨セグメント10及びアルミニウムコア20は、エポキシ樹脂/アミン硬化剤接合システム(Technodyne HT−18接着剤、Taoka Chemicals, JPから入手した)で組み立て、16個の研磨セグメント10からなる溝付きのリム104を有する研削砥石を作製した。コア及びセグメント10の接触面は、十分な接着を確実にするために、脱脂及びサンドブラストした。
【0037】
[実施例2]
研削性能の評価:
上記実施例1の方法により製作したメタルボンド型セグメントからなる一つの砥石(砥石2−A)を、シリコンウェハの仕上げ裏面研削性能について試験した。シリコンウェハの仕上げ裏面研削に推奨されている樹脂結合材が同じ濃度で且つ粒度が同じ市販の一つの研削砥石(砥石仕様D3/6MIC−IN. 656−BX623、Saint Gobain Abrasives, Inc., Worcester, MAから入手した)を、比較用砥石として用い、本発明の砥石と一緒に試験した。この比較用砥石は、ダイヤモンド研磨材約5体積%、中空ガラス球約62体積%、樹脂約12体積%、及び気孔約21体積%含有した。このガラス球は、ガラスの殻約15体積%含有した。従ってこの比較用砥石は、ガラスの殻約9.3体積%及び非連通気孔約73.7体積%(すなわち気孔約21体積%に加えて中空ガラス球の中空内部約52.7体積%)含有すると考えることができる。
【0038】
研削試験条件は次のとおりであった。
研削試験条件:
装置: Strasbaugh 7AF Model
砥石仕様: 粗砥石軸:Norton #3−R1B69
精密砥石軸:D3/6MIC−IN. 656−BX623(比較)
砥石2−A
砥石サイズ: タイプ2A2TSSA
280×29×229mm(11×(1+1/8)×9インチ)
研削方式: 二段研削(粗研削とその後に続く精密研削)
【0039】
精密研削プロセス:
砥石速度: 4,350rpm
冷却液: 脱イオン水
冷却液の流量: 3ガロン/分(11L/分)
加工材料: シリコンウェハ、N型100配向、直径150mm(6インチ)、初期厚さ0.66mm(0.026インチ)(Silicon Quest社, CAから入手した)
除去される材料:工程1;10μm、工程2;5μm、工程3;5μm、リフト;2μm
送り速度: 工程1;1μm/秒、工程2;0.7μm/秒、工程3;0.5μm/秒、リフト;0.5μm/秒
加工物速度: 699rpm(一定)
ドウェル: 100回転
【0040】
粗研削プロセス:
砥石速度: 3,400rpm
冷却液: 脱イオン水
冷却液の流量: 3ガロン/分(11L/分)
加工材料: シリコンウェハ、N型100配向、直径150mm(6インチ)、初期厚さ0.66mm(0.026インチ)(Silicon Quest社, CAから入手した)
除去される材料:工程1;10μm、工程2;5μm、工程3;5μm、リフト;10μm
送り速度: 工程1;3μm/秒、工程2;2μm/秒、工程3;1μm/秒、リフト;5μm/秒
加工物速度: 590rpm(一定)
ドウェル: 50回転
【0041】
研磨工具が形直し及びドレッシングを必要とした場合、この試験用に設けた条件は次のとおりであった。
形直し及びドレッシング作業:
粗砥石: なし
精密砥石: 直径150mm(6インチ)のStrasbaugh粗ドレッシングパッドを用いた
砥石速度: 1200rpm
ドウェル: 25回転
除去される材料:工程1;150μm、工程2;10μm、リフト;20μm
送り速度: 工程1;5μm/秒、工程2;0.2μm/秒、リフト;2μm/秒
加工物速度: 50rpm(一定)
【0042】
実施例2の研削試験の結果を下記の表1に示す。樹脂結合型の比較用砥石及び本発明の多孔質砥石(砥石2−A)を用いて、50枚のウェハの精密研削を行った。表1に示すように、少なくとも50枚のウェハについては、対比用砥石及び発明の砥石の両方ともが比較的安定したピーク垂直力を示した。また、各砥石はほぼ同じピーク垂直力を必要とした。これらの比較的小さい力の定常状態が加工品に対する熱的及び機械的損傷を最小限にするので、このタイプの研削性能はシリコンウェハの裏面研削においてきわめて望ましい。
【0043】
更に本発明の多孔質砥石は、少なくとも50枚のウェハについては砥石のドレッシングを必要とせずに、上記のきわめて望ましい研削性能を与えた。
【0044】
要約すると実施例2は、本発明の砥石が(メタルボンド砥石としては)予想外に比較用の樹脂結合型砥石よりも小さい電力で、シリコンウェハに対してきわめて望ましい裏面研削性能を与えることを示す。
【0045】
【表1】


【0046】
[実施例3]
研削性能の評価:
上記実施例1の方法により製作したメタルボンド型セグメントからなる一つの砥石(砥石3−A)を、エッチングしたシリコンウェハの精密仕上げ裏面研削性能について試験した。シリコンウェハの仕上げ裏面研削に推奨されている上記実施例2により詳細に記した市販の一つの研削砥石を比較用砥石として用い、本発明の砥石と一緒に試験した。
【0047】
研削試験条件は下記のようなものであった。
研削試験条件:
装置: Strasbaugh 7AF Model
砥石仕様: 粗砥石軸:なし
精密砥石軸:D3/6mic−20BX623C(比較)
砥石3A
砥石サイズ:タイプ2A2TSSA:
280×29×229mm(11×(1+1/8)×9インチ)
研削方式: 一段研削(精密砥石軸のみを使用)
【0048】
精密研削プロセス:
砥石速度: 4,350rpm
冷却液: 脱イオン水
冷却液の流量: 3ガロン/分(11L/分)
加工材料: シリコンウェハ、N型100配向、直径150mm(6インチ)、初期厚さ0.66mm(0.026インチ)(Silicon Quest社, CAから入手した)
除去される材料:工程1;10μm、工程2;5μm、工程3;5μm、リフト;2μm
送り速度: 工程1;1μm/秒、工程2;0.7μm/秒、工程3;0.5μm/秒、リフト;0.5μm/秒
加工物速度: 699rpm(一定)
ドウェル: 100回転
【0049】
研磨工具が形直し及びドレッシングを必要とした場合、この試験用に設けた条件は次のとおりであった。
形直し及びドレッシング作業:
精密砥石: 直径150mm(6インチ)のStrasbaugh粗ドレッシングパッドを用いた
砥石速度: 1200rpm
ドウェル: 25回転
除去される材料: 工程1;150μm、工程2;10μm、リフト;20μm
送り速度: 工程1;5μm/秒、工程2;0.2μm/秒、リフト;2μm/秒
加工物速度: 50rpm(一定)
【0050】
実施例3の研削試験の結果を下記の表2に示す。樹脂結合型の比較用砥石を用いて、55枚のエッチングされたシリコンウェハの精密仕上げ裏面研削を行った。エッチングされたシリコンウェハの裏面研削では、エッチングしたシリコンの表面が比較的滑らかなので、粗研削工程は用いない。表2に示すようにピーク垂直力は、多くの部分が研削されるにつれて連続的に増大し、ついに研削機の運転が停止する値まで増大する。本発明の多孔質砥石を用いて、75枚のエッチングしたシリコンウェハが研削された。表2に示すように、ピーク垂直力は実験全体の過程にわたって、低く且つ安定したままである。これらの結果は、明らかに本発明の砥石の自己ドレッシング性を実証している。
【0051】
これらの比較的小さい力の定常状態は加工品の熱的及び機械的損傷を最小限にするので、このタイプの研削性能はシリコンウェハの裏面研削においてきわめて望ましい。更に本発明の砥石の自己ドレッシング性は、研削砥石をドレッシングする(又は別の条件を設ける)必要のない裏面研削作業を可能にすることができる。従って、本発明の砥石は処理量を増し、コストを低減し、また従来の研削砥石を用いる場合よりも均一な研削結果を達成することができる。
【0052】
要約すると実施例3は、本発明の砥石が砥石のドレッシングの必要性を実質的になくして、エッチングしたシリコンウェハに対してきわめて望ましい裏面研削性能を与えることを示す。本発明の砥石の性能は、この用途では従来の樹脂固定砥石よりも実質的にすぐれている。
【0053】
【表2】


研削機は垂直力が機械の限界を超えたため、運転停止した。
【0054】
[実施例4]
研削性能の評価:
上記実施例1の方法と同様のやり方で作製した2種類のメタルボンド型のセグメントからなる砥石の研削性能を試験した。砥石は両方とも、粒径分布が約63〜約74μm(すなわち200米国メッシュより細かく、230米国メッシュより粗い粒子)のダイヤモンド研磨材約14体積%含有していた。これら砥石は更に、メタルボンド(実施例1で述べた組成を有する)約21体積%、及び連通気孔約65体積%を含有していた。第一の砥石(砥石4−A)は、実施例1で述べたようにして−70/+200米国メッシュの食塩分散質を用いて製作され、おそらく約74〜約210μmの範囲の孔径が得られている(この孔径は除去される食塩分散質の直径とほぼ同じであると考えられる)。第二の砥石(砥石4−B)は、−50/+70米国メッシュの食塩を用いて作製され、おそらく約210〜約300μmの範囲の孔径が得られている。測定はしていないが、より大きい孔径を有する砥石はまた、より大きなメタルボンドフィラメントのサイズを有すると予想される。用語「フィラメント」は、当業者によく知られている普通の用法に従って用いられ、連通気孔間に配置される結合用基質材(すなわち多孔構造の骨格)を意味する。
【0055】
上記2種類の研削砥石を用いて、4.5インチ平方のAlTiCウェハを粗研削した。研削試験条件は次のとおりであった。
研削試験条件:
装置: Strasbaugh 7AF Model
砥石仕様: 粗砥石:砥石4−A及び砥石4−B
精密砥石:なし
砥石サイズ: Type 2A2TSSA: 280.16×28.90×228.65mm(11×(1+1/8)×9インチ)
研削方式: 一段研削(粗研削のみ)
【0056】
粗研削プロセス:
砥石速度: 2,506rpm
冷却液: 脱イオン水
冷却液の流量: 3ガロン/分(11L/分)
加工材料: アルミナ−炭化チタン3M−310ウェハ、114.3mm平方(4.5インチ)、初期厚さ2.0mm(0.8インチ)(Minnesota Mining and Manufacturing Corporation, Minneapolis, MNから入手した)
除去される材料:工程1;100μm、工程2;100μm、工程3;100μm、リフト;20μm
送り速度: 工程1;0.7μm/秒、工程2;0.7μm/秒、工程3;0.7μm/秒、リフト;0.5μm/秒
加工物速度: 350rpm(一定)
ドウェル: 0回転
【0057】
研磨工具が形直し及びドレッシングを必要とした場合、この試験用に設けた条件は次のとおりであった。
形直し及びドレッシング(目直し)作業:
粗砥石: 直径150mm(6インチ)のStrasbaugh粗ドレッシングパッドを使用
砥石速度: 1200rpm
ドウェル: 25回転
除去される材料:工程1;150μm、工程2;10μm、リフト;20μm
送り速度: 工程1;5μm/秒、工程2;0.2μm/秒、リフト;2μm/秒
加工物速度: 50rpm(一定)
【0058】
実施例4の研削試験の結果を下記の表3に示す。これらの砥石は両方とも、AlTiCウェハをうまく研削するのが観察され、時間に関して比較的安定なピーク垂直力及び十分な研削量を示す。比較的細かい孔径(及びおそらく比較的小さいメタルボンドフィラメントサイズ)を有する第一の砥石を用いて、約25分間(1500秒間)にわたってAlTiCウェハを研削した。約35Nの比較的安定なピーク垂直力が観察され、AlTiC約1150μmがウェハから除去された(研削速度約46μm/分)。この砥石では約488μmの摩耗が観察された(材料除去/砥石摩耗の比は約2.4)。比較的粗い孔径(及びおそらく比較的大きいメタルボンドフィラメントサイズ)を有する第二の砥石を用いて、約7分間(420秒間)にわたってAlTiCウェハを研削した。約94Nの比較的安定なピーク垂直力が観察され、AlTiC約2900μmがウェハから除去された(研削速度約414μm/分)。この砥石では約18μmの摩耗が観察された(材料除去/砥石摩耗の比は約160)。
【0059】
要約すると実施例4は、本発明の高度多孔質砥石がAlTiCウェハの研削に十分に適することを示している。更にこの実施例は、研磨用品の相対的孔径を調整することによって、本発明の砥石の耐摩耗性及び自己ドレッシング特性を調節できることを示している。特定の理論に限定されるつもりはないが、比較的細かい気孔を有する砥石の砥石摩耗が増大することは、メタルボンドフィラメントのサイズが小さくなるに従ってメタルボンドが弱くなることと関係があると考えられる。それにもかかわらずこの実施例は、その相対孔径を調整することによって、砥石の特性を特定の用途に合わせて設計できることを示している。
【0060】
【表3】


【0061】
[実施例5]
研削性能の評価:
上記実施例1の方法により作製したメタルボンド型セグメントからなる一つの砥石(砥石5−A)の仕上げ裏面研削性能を、50mm(2インチ)単結晶炭化ケイ素ウェハに関して試験した。シリコンウェハの仕上げ裏面研削用に推奨されている上記実施例2により詳細に記した市販の一つの研削砥石を、比較用砥石として用い、本発明の砥石と一緒に試験した。
【0062】
研削試験条件は次のとおりであった。
研削試験条件:
装置: Strasbaugh 7AF Model
砥石仕様: 粗砥石:ASDC320−7.5MXL2040(S.P.)
精密砥石:D3/6MIC−20BX623C(比較)及び砥石5−A
砥石サイズ: Type 2A2TSSA: 280.16×28.90×228.65mm(11×(1+1/8)×9インチ)
研削方式: 二段研削(粗研削とその後に続く精密研削)
【0063】
精密研削プロセス:
砥石速度: 4,350rpm
冷却液: 脱イオン水
冷却液の流量: 3ガロン/分(11L/分)
加工材料: 炭化ケイ素ウェハ、単結晶、直径50mm(2インチ)、初期厚さ300μm(0.0075インチ)(CREE Research, Inc.から入手した)
除去される材料:工程1;15μm、工程2;15μm、リフト;5μm
送り速度: 工程1;0.5μm/秒、工程2;0.2μm/秒、リフト;1.0μm/秒
加工物速度: 350rpm(一定)
ドウェル: 150回転
【0064】
粗研削プロセス:
砥石速度: 3,400rpm
冷却液: 脱イオン水
冷却液の流量: 3ガロン/分(11L/分)
加工材料: 炭化ケイ素ウェハ、単結晶、直径50mm(2インチ)、初期厚さ300μm(0.0075インチ)(CREE Research, Inc.から入手した)
除去される材料:工程1;10μm、工程2;10μm、リフト;5μm
送り速度: 工程1;0.7μm/秒、工程2;0.3μm/秒、リフト;1.0μm/秒
加工物速度: 350rpm(一定)
ドウェル: 0回転
【0065】
形直し作業:
粗砥石: なし
精密砥石: 直径150mm(6インチ)のStrasbaugh粗ドレッシングパッドを用いた
砥石速度: 1200rpm
ドウェル: 25回転
除去される材料: 工程1;150μm、工程2;10μm、リフト;20μm
送り速度: 工程1;5μm/秒、工程2;0.2μm/秒、リフト;2μm/秒
加工物速度: 50rpm(一定)
【0066】
実施例5の研削試験の結果を下記の表4に示す。市販の樹脂結合型砥石は、極端に小さい研削速度によって示されるように、事実的に炭化ケイ素ウェハを研削することができない。一方、本発明の高度多孔質砥石は、きわめて硬く且つ脆い炭化ケイ素ウェハをうまく研削した。それぞれ48分間の作業の間に約15μmが除去され、平均研削速度は0.31μm/分であった。更に本発明の多孔質砥石は、表面粗さを著しく低減させることが分かった(Zygo(登録商標)白色光干渉計、Zygo Corporation, Middlefield, CT製により測定)。表4に示すように本発明の砥石による研削は、平均表面粗さ(Ra)を、始めの100Åを超える値から約40Å未満まで一貫して減らした(1つの例外を除いて)。
【0067】
要約すると実施例5は、本発明の砥石が、硬く且つ脆い炭化ケイ素ウェハに対して望ましい研削性能を実現することを示す。本発明の砥石の性能は、この用途における従来の樹脂結合型砥石よりもかなりすぐれている。
【0068】
【表4】


【0069】
[実施例6]
多孔性媒質に関する圧力と流速の関係に適用されるダルシーの法則に基づく透過性試験によって、多孔性媒質の解放性の定量測定を行い、それによって本発明の砥石を評価した。使用した透過率測定装置及び方法は、米国特許第5,738,697号の実施例6においてWu等が記述しているものとほぼ同じ、すなわち多孔性試験試料の平らな面に加圧した空気を適用することによる。
【0070】
多孔質試料は実施例1の方法とほぼ同様のやり方で作製され、3/6μmダイヤモンド研磨材を5体積%含有する。食塩とメタルボンドとの相対量を変え、それによって連通気孔約0〜約80体積%を有する試料を得た。直径1.5インチ及び厚さ0.5インチの試料を、405℃及び圧力3200psiでホットプレス加工した。冷却した後で、その表面の気孔を開口させるために、炭化ケイ素研磨材のスラリー(グリットサイズ180)を用いて、試料を手でラップ仕上げした。次いで実施例1で述べたのと同様に、試料を沸騰水に浸漬した。各気孔率の値に対して4個の試料を調製した。平均透過率の結果を下記の表5に示す。
【0071】
透過率の値は、単位圧力(P(水柱インチ))当たりの、単位時間当たりの空気の体積の単位(Q(cc/秒))で記録され、直径1.5インチ(37.5mm)及び厚さ0.5インチ(12.7mm)の試料の厚さ方向に通過させて測定した。予想したとおり、透過率の値は、実質的に連通気孔がない試料では低かった。透過率は、気孔率が増すに従って著しく高くなるのが観察された。特に約50%を超える連通気孔を有する試料では、気孔率が約50体積%を超えて増加したとき、1水柱インチ当たり1秒当たり約0.2cmを超える透過率の値を有することを特徴とした。
【0072】
【表5】


【0073】
[実施例7]
それぞれ16個のセグメントを有するセグメント型研削砥石を、実施例1(上記)で述べたものとほぼ同様の方法で組み立てた。しかしながらこれらのセグメントは、有機結合材(実施例1で述べたメタルボンドとは異なり)を含有し、下記に述べるように作製された。
【0074】
顆粒状の糖(Shaw’s Inc., Worcester, MAから入手した)の鋭利な角及び縁を砕くことによって糖の顆粒を事実上「丸くする」ために、これを1ガロンの塗料缶中に入れ、塗料振とう機(Red Devil(登録商標), Inc., Union, NJ製)を用いて約2時間にわたって振とうした。次いでこの顆粒状の糖をふるい分けて、約250〜約500μmの粒径分布(すなわち−35/+60米国メッシュ)を得た。
【0075】
凝集粒子を除去するために、200米国メッシュふるいを通して粉末状樹脂結合材の予備ふるい分けを行った。Amplex(登録商標)Corporation(Olyphant, Pennsylvania)からRB3/6として入手した粒径分布約3〜約6μmの細かいダイヤモンド研磨材の微粉を、粉末樹脂に加え、実質的に均質になるまで混合した。樹脂約80体積%及び研磨材約20体積%を含有するこの混合物を、165米国メッシュのふるいを3回通してふるい分けし、次いで顆粒状の糖(上記のようにして調製した)に加えた。次いでこの樹脂/研磨材/糖の混合物を実質的に均質になるまで混合し、24米国メッシュふるいを2回通してふるい分けした。
【0076】
3種類の複合混合物を製作した。第一の混合物(砥石7−Aの製作に用いた)は、ダイヤモンド研磨材約4体積%、樹脂結合材33−344(Durez(登録商標)Corporation、Dallas、TXから入手したビスフェノール−A変性フェノールレゾール樹脂)約20体積%、及び顆粒状の糖約76体積%を含有していた。第二の混合物(砥石7−Bの製作に用いた)は、ダイヤモンド研磨材約6体積%、樹脂結合材29−346(Durez(登録商標)Corporation、Dallas、TXから入手した緩硬性フェノールノボラック樹脂)約30体積%、及び顆粒状の糖約64体積%を含有していた。第三の混合物(砥石7−Cの製作に用いた)は、ダイヤモンド研磨材約6体積%、樹脂結合材29−108(Durez(登録商標)Corporation、Dallas、TXから入手した超緩硬性ビスフェノール−A変性レゾール)約30体積%、及び顆粒状の糖約64体積%を含有した。
【0077】
この樹脂/研磨材/糖の混合物を、円板形の鋼製鋳型中に2個1対で入れ、平らにし、理論密度約99%を有する基質が得られるまで、温度約135℃、圧力約4100psi(28MPa)で約30分間プレス加工した。冷却の後、この円板を180グリットの研磨紙で軽く磨いて鋳型スキン層を除去し、沸騰水に約2時間にわたって浸漬することにより、糖分散質を除去した。糖の除去後、円板を乾燥し、焼成して樹脂の硬化を完全なものにした。乾燥及び焼成サイクルは次の通りであった。まず円板を昇温時間約5分で60℃まで一定の割合で昇温し、そこで約25分間保持した。次いでこの円板を昇温時間約30分で90℃まで一定の割合で昇温し、そこで約5時間にわたって保持した。最後にこの円板を昇温時間約4時間で160℃まで一定の割合で昇温し、そこで約5時間にわたって保持した。焼成の後、この円板を室温まで冷却し、研削砥石の組み立てに使用するためのセグメントに加工した。
【0078】
シリコンウェハに対する精密裏面研削性能を、3種類の有機質結合型のセグメント型砥石について試験した。研削試験条件は次のとおりであった。
研削試験条件:
装置: Strasbaugh 7AF Model
砥石仕様: 粗砥石:Norton #3−R7B69
精密砥石:砥石7−A、砥石7−B及び砥石7−C
砥石サイズ: Type 2A2TSSA: 280×29×229mm(11×(1+1/8)×9インチ)
研削方式: 二段研削(粗研削とその後に続く精密研削)
【0079】
精密研削プロセス:
砥石速度: 4,350rpm
冷却液: 脱イオン水
冷却液の流量: 3ガロン/分(11L/分)
加工材料: シリコンウェハ、N型100配向、直径150mm(6インチ)、初期厚さ0.66mm(0.026インチ)(Silicon Quest社,CAから入手した)
除去される材料:工程1;10μm、工程2;5μm、工程3;5μm、リフト;2μm
送り速度: 工程1;1μm/秒、工程2;0.7μm/秒、工程3;0.5μm/秒、リフト;0.5μm/秒
加工物速度: 590rpm(一定)
ドウェル: 100回転
【0080】
粗研削プロセス:
砥石速度: 3,400rpm
冷却液: 脱イオン水
冷却液の流量: 3ガロン/分(11L/分)
加工材料: シリコンウェハ、N型100配向、直径150mm(6インチ)、初期厚さ0.66mm(0.026インチ)(Silicon Quest社,CAから入手した)
除去される材料:工程1;10μm、工程2;5μm、工程3;5μm、リフト;10μm
送り速度: 工程1;3μm/秒、工程2;2μm/秒、工程3;1μm/秒、リフト;5μm/秒
加工物速度: 590rpm(一定)
ドウェル: 50回転
【0081】
研磨工具が形直し及びドレッシングを必要とした場合、この試験用に設けた条件は次のとおりであった。
形直し及びドレッシング作業:
【0082】
粗砥石: 直径150mm(6インチ)のStrasbaugh粗ドレッシングパッドを用いた
砥石速度: 1200rpm
ドウェル: 25回転
除去される材料: 工程1;190μm、工程2;10μm、リフト;20μm
送り速度: 工程1;5μm/秒、工程2;0.2μm/秒、リフト;2μm/秒
加工物速度: 50rpm(一定)
【0083】
精密砥石: 直径150mm(6インチ)のStrasbaugh超精密ドレッシングパッドを用いた
砥石速度: 1200rpm
ドウェル: 25回転
除去される材料: 工程1;150μm、工程2;10μm、リフト;20μm
送り速度: 工程1;5μm/秒、工程2;0.2μm/秒、リフト;2μm/秒
加工物速度: 50rpm(一定)
【0084】
実施例7の研削試験の結果を下記の表6に示す。本発明の多孔質樹脂結合型砥石(7−A、7−B、7−C)を用いて、200枚のウェハを精密研削した。本発明の各砥石は、少なくともこの200枚のウェハについては、約90N(すなわち約20ポンド)の比較的安定なピーク垂直力を示した。これらの比較的小さい力及び定常状態は、加工品に対する熱的及び機械的損傷を最小限にするので、このタイプの研削性能はシリコンウェハの裏面研削においてきわめて望ましい。更に本発明の多孔質砥石は、少なくとも200枚のウェハについては砥石のドレッシングを必要とせずに、上記のきわめて望ましい研削性能を与えた。
【0085】
それに加えて樹脂タイプのものは、研削砥石の摩耗率に効果的であることが観察された。砥石7−A及び7−Cは、ウェハ1枚当たりそれぞれ2.2及び1.7μmの比較的大きい摩耗率を示し、一方砥石7−B(緩硬性フェノールノボラック樹脂を含有する)は、ウェハ1枚当たり0.5μmの比較的小さい(また望ましい)摩耗率を示した。
【0086】
要約すると実施例7は、有機結合材を含有する本発明の砥石が、シリコンウェハに対してきわめて望ましい裏面研削性能を与えることを示す。
【0087】
【表6】


【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の研磨セグメントの一実施形態の概略図である。
【図2A】16個の図1の研磨セグメントを有する研削砥石の一実施形態の一部分の概略図である。
【図2B】図2Aの線「A」−「A」に沿って取った横断面図である。
【図2C】図2Bの部分110を示す部分拡大図である。
【出願人】 【識別番号】391010770
【氏名又は名称】サンーゴバン アブレイシブズ,インコーポレイティド
【出願日】 平成19年10月3日(2007.10.3)
【代理人】 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤

【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬

【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次


【公開番号】 特開2008−30194(P2008−30194A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2007−260161(P2007−260161)