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ブラシめっき用ブラシおよびこれを用いた超砥粒工具の製造方法 - 特開2008−30176 | j-tokkyo
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【発明の名称】 ブラシめっき用ブラシおよびこれを用いた超砥粒工具の製造方法
【発明者】 【氏名】風早 克夫

【要約】 【課題】超砥粒工具の製造に用いることが可能なブラシめっき用ブラシを提供する。

【構成】複数のカーボン繊維2の外周に、カーボン繊維2よりも長い複数の絶縁性繊維3を配置し、絶縁性繊維3は、カーボン繊維2よりも突出させる。絶縁性繊維3とカーボン繊維2の形態は、どちらも直線状の繊維を用いることが好ましい。さらに、このブラシメッキ用ブラシ1を用いたニッケルメッキを結合材とした超砥粒工具7の製造法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシめっき法に用いる、ブラシめっき用ブラシであって、
複数のカーボン繊維の外周に、前記カーボン繊維よりも長い複数の絶縁性繊維を配置し、
前記絶縁性繊維は、前記カーボン繊維よりも突出していることを特徴とする、ブラシめっき用ブラシ。
【請求項2】
前記絶縁性繊維と前記カーボン繊維の形態は、どちらも直線状の繊維であることを特徴とする、請求項1記載のブラシめっき用ブラシ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のブラシめっき用ブラシを用いる、ニッケルめっきを結合材とした超砥粒工具の製造方法。
【請求項4】
前記超砥粒工具は、反転めっき法により製造されるロータリードレッサであることを特徴とする、請求項3記載の超砥粒工具の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシめっき法に用いる、ブラシめっき用ブラシおよびこれを用いた超砥粒工具の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
超砥粒工具のひとつとして、ロータリードレッサが知られている。
ロータリードレッサとはロールの外周面に、所定の形状になる様にダイヤモンドを埋め込み固定したドレッサのことである。これを回転させながら被加工物である在来砥石や超砥粒砥石に押し当て、ドレッサの形状を転写する。このようなことからロータリードレッサは複雑な形状をしたものが多く、非常に厳しい寸法精度が求められる。
【0003】
ロータリードレッサの製法のひとつに反転法(「反転めっき法」または「電鋳法」とも呼ばれる)が知られている。一般的に、反転法は下記(1)〜(4)の工程により構成されている。
(1)型の内面に所定の形状を形成した反転型を製作し、めっき法を利用してこの内面に砥粒を付着させる工程。
(2)さらに肉盛りめっきを行い、砥粒がめっき金属により埋め込まれる様にする工程。
(3)前記反転型の中心に芯金をセットし、砥粒層と芯金との間に低融点合金等の充填物を流し込む工程。
(4)前記反転型にあらかじめ設けた基準面により芯出しを行い、軸穴、端面を仕上げた後、外側の前記反転型を取り除く工程。
ここで注目しなければならないことは、前記(2)の工程において、砥粒がめっき金属により埋め込まれる様、めっき厚が厚くなければならないことである。このようにしなければ砥粒の保持力とめっき層の剛性が維持されないばかりか、超砥粒工具の使用時に砥粒の脱落やめっき層の変形が起こる為である。従来、(2)の工程ではめっき液が入った槽に電極と被めっき物である反転型を浸漬し、それぞれに正負の電場をかけて、めっきによる砥粒の埋め込みを行っていた。
(例えば、特許文献1、2参照)
【0004】
ブラシめっき法としては以下のことが知られている。
例えば、部分めっき、または補修めっきに用いる、筆形状のブラシめっき用電極が知られている。
(例えば、特許文献3)
【0005】
別のブラシめっき法として、カーボンファイバーのブラシ状の電極が知られている。
(例えば、特許文献4)
【0006】
さらに別のブラシめっき法として、回転するローラー状の電極が知られている。
(例えば、特許文献5)
【特許文献1】特開平2−256464号公報
【特許文献2】特開2001−38630号公報
【特許文献3】実開平5−66068号公報
【特許文献4】特開昭63−297587号公報
【特許文献5】特開2002−367634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記方法で必要なめっき厚みを得るためには、長時間にわたるめっきが必要となる。一方、めっき時間を短縮するために、電流密度を上げ、めっき速度を上げることが考えられる。しかしながら、ロータリードレッサは非常に複雑な形状をしているので、電流密度を上げた場合、切削加工等をして電極をその複雑な形状を持つ工作物と同じ形状にしなければ、めっき厚みの均一性が極端に悪化し、砥粒保持の面から十分なめっき厚みを得ることができない部位が発生する問題があった。その結果、ロータリードレッサの使用時に砥粒の脱落がおこる問題があった。さらに、上記の電極を切削加工等することは不経済的であった。
本発明はこれらの問題点を解決するためになされたものである。すなわち、超砥粒工具の製造に用いることが可能なブラシめっき用ブラシを提供するためになされたものである。さらに、ブラシめっき法により、高精度で、且つ、砥粒の脱落が起こらない長寿命で高精度のロータリードレッサを短期間で製作するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ブラシめっき法に用いる、ブラシめっき用ブラシであって、複数のカーボン繊維の外周に、カーボン繊維よりも長い複数の絶縁性繊維を配置し、絶縁性繊維は、カーボン繊維よりも突出していることを特徴とする、ブラシめっき用ブラシである。
本発明では電極として弾性のあるカーボン繊維を採用しているので、被めっき面の凹凸に沿って変形させることができ、その際に上記のような構造により、カーボン繊維が被めっき面に接触することがなくなる。
さらに、本発明のブラシめっき用ブラシによれば、電極であるカーボン繊維と、被めっき面との距離を短くできるので、非常に高い電流密度を得ることができる。さらに、被めっき面には常に新しいめっき液が供給され、いわゆる拡散二重層と呼ばれるめっき成分の欠乏層を絶縁性繊維で除去できるので安定した高い電流密度を維持することができる。
以上の理由により、本発明のブラシめっき用ブラシは、めっき被膜を形成する速度が極めて速い。特に、厚みの厚いめっき層を形成するのに所要時間を著しく短縮することが出来る。
【0009】
そして、絶縁性繊維とカーボン繊維の形態は、どちらも直線状の繊維であることを特徴とするものである。
本発明のブラシめっき用ブラシを用いて砥粒をニッケルめっきで埋め込む際には、被めっき面には砥粒が固着され、おろし金のように大きな突起が形成される。本発明のブラシめっき用ブラシは、突起により引っ掻かれてもブラシ自体の形状が崩れたりぜす、しかも、引っ掻きにより繊維が抜け、抜けた繊維がめっき被膜に取り込まれてしまうこともない。特に、ブラシめっきにより高速めっきする際には、被めっき面のエッジ部にバリが発生し易いので、直線状の繊維を用いなければ繊維が抜け落ちやすいのである。
【0010】
そして、本発明のブラシめっき用ブラシを用いる、ニッケルめっきを結合材とした超砥粒工具の製造方法を提供するものである。
本発明のブラシめっき用ブラシは、めっき被膜を形成する速度が極めて速い。特に、厚みの厚いめっき層を形成する超砥粒工具の製造に適用すると製作期間を著しく短縮することが出来る。
さらに、本発明のブラシめっき法に用いるめっき液として、スルファミン酸ニッケル溶液を用いることが好ましい。ニッケルは価格的にも手頃で、めっき技術が確立されているため扱いやすい。従って、様々な分野で多用されており、本発明法の効果が大きい分野の一つである。本発明にはニッケルめっきに利用すると、高いめっき速度が得られる反面、めっき液中のニッケルイオンの消費は大きい。このようなことからめっき液中のニッケルイオン量が多いスルファミン酸ニッケル溶液を使用することにより、効率良くめっき被膜を形成することができる。
なお、ニッケルは、90%以上のニッケルを含有するニッケル基合金であることが好ましい。ニッケルを用いると効率良くめっき被膜を形成することができ、しかも砥粒保持力に優れているからである。
【0011】
そして超砥粒工具は、反転めっき法により製造されるロータリードレッサであることを特徴とする、超砥粒工具の製造方法を提供するものである。
特に、厚みの厚いめっき層を形成する必要がある、反転めっき法によるロータリードレッサの製造に適用すると製作期間を著しく短縮することが出来るので最も効果的である。
本発明のブラシめっき用ブラシにより形成されためっき層の組織は、被めっき面をこすりながらめっきを行うことにより、多数の薄い層から構成された層状組織を形成する。この層状組織は従来のめっき法を利用して形成された柱状組織とは異なり、層ごとに腐食の進行を止める働きがあるので耐食性が非常に強い特性を有する。よって、本発明により製造されたロータリードレッサは、過酷な腐食環境でもめっきが溶出するおそれが少なく、安定して使用することが出来る。
【発明の効果】
【0012】
本発明の製造方法によって製造された超砥粒工具は、高精度で、且つ砥粒の脱落が起こらないだけでなく、短期間で製作出来ることからも付加価値が非常に高い。特に、ロータリードレッサに適用すると本発明の顕著な効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
発明を実施するための最良の形態については、以下の実施例で詳しく説明する。なお、以下の実施例では、同一または相当する部分については、同一の参照符号を付し、その説明については繰り返さないこととする。
【実施例1】
【0014】
図1は本発明のブラシめっき用ブラシの断面を示す模式図である。
カーボン繊維2の束の周囲を、絶縁性繊維3で取り囲むように配置し、カーボン繊維2は、絶縁性繊維3よりも約20mm後退させた位置で、ホルダー5とカバー4によって固定した。導電性のキャップ6はめっきする際のリード線を接続するのに用いるものである。
実施例1のブラシめっき用ブラシによれば、電極であるカーボン繊維と、被めっき面との距離を短くできるので、非常に高い電流密度を得ることができる。さらに、被めっき面には常に新しいめっき液が供給され、いわゆる拡散二重層と呼ばれるめっき成分の欠乏層を絶縁性繊維で除去できるので安定した高い電流密度を維持することができる。
本発明のブラシめっき用ブラシを用いて、鋼の表面にニッケルめっき被膜を形成したところ、形成速度が極めて速く、特に、厚みの厚いめっき層を形成するのに所要時間を著しく短縮することができた。
【実施例2】
【0015】
図2の本発明の実施例2の製造工程を図3にしたがって説明する。
まず、工程(a)では、鋼製の反転型13を用意し、その内面に平均粒径800μmのダイヤモンド8をめっき槽を用いたニッケルめっき9で仮固定した。
さらに工程(b)では、実施例1のブラシめっき用ブラシ1で秘めっき面をこすりながら、ニッケルめっき10によるダイヤモンドの埋め込みを行った。ただし、図3(b)では、リード線などめっき装置に関するものは省略した。
次に工程(c)では、台金12を挿入し、低融点合金11でダイヤモンド層と台金を結合した。
次に工程(d)では、反転型13を除去した。次に、側面、穴等を機械加工で仕上げて、さらにニッケルめっきを少し除去し、ダイヤモンド先端部を突出させ、ダイヤモンドロータリードレッサを完成した。寸法は、外径160mm、幅40mmである。実施例2は、従来のめっき法に比較して約半分の期間で製作できることが確認された。
次に実施例2の性能評価のため、ドレッシングテストを実施した。ドレッシングテストは在来砥石をプランジ方式でドレッシングして行った。ドレッシングテスト条件は、砥石仕様はWA60K、寸法はΦ220−5W、ダイヤモンドロータリードレッサの周速度(Vr)と在来砥石の周速度(Vs)の周速度比(Vr/Vs)は0.16、ドレッシング方向はダウンドレッシング、在来砥石1回転当たりのダイヤモンドロータリードレッサの切り込み速度は0.54μm/revとした。テストの結果、ダイヤモンドロータリードレッサのダイヤモンドの脱落はまったく無かった。しかも、ドレッシング性能は、従来のめっき法で製造したものと同等であることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明のブラシめっき用ブラシの断面図を示す。
【図2】本発明の実施例2の断面図を示す。
【図3】本発明の実施例2の製造工程の一部を示す。
【符号の説明】
【0017】
1:ブラシめっき用ブラシ
2:カーボン繊維
3:絶縁性繊維
4:カバー
5:ホルダー
6:キャプ
7:ロータリードレッサ
8:ダイヤモンド
9:ニッケルめっき
10:ニッケルめっき(肉盛り)
11:低融点合金
12:台金
13:反転型
【出願人】 【識別番号】000220103
【氏名又は名称】株式会社アライドマテリアル
【出願日】 平成18年7月31日(2006.7.31)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−30176(P2008−30176A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−208525(P2006−208525)