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【発明の名称】 可撓性研磨ディスクを製造する方法及び可撓性研磨ディスク
【発明者】 【氏名】ゲラン ヘグルンド

【要約】 【課題】既知の方法による問題点を排除し、均質な特性を備えた可撓性研磨ディスクを安定して、経済的に製造する方法と、その方法によって製造される研磨ディスクを提供する。

【構成】研磨ディスクは上側と下側とを備えた裏張りを含み、上側にはディスクの表面層を形成する研磨剤のコーティングを有する。可能な限り特定の模様を備えるようにされた表面層を形成するために、各研磨ディスクの裏張りは別個にコーティングされる。この製造方法において、裏張りの上側にある研磨剤のコーティングは、特別な構造とし裏張りに対して押圧されるエンボスモールドによってエンボス加工される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側(3)と下側(4)とを備えた裏張り(2)を含み、該裏張りはその周囲に前記上側と下側とを相互に結合する側縁部(5)を有し、前記上側には表面層を形成する研磨剤のコーティング(6)が設けられる可撓性研磨ディスク(1)を製造する方法において、
各研磨ディスク(1)の裏張り(2)のコーティングが個別に行われ、そのため、
前記裏張りはエンボスピストン(7)における個別の位置に配置され、
前記裏張りと対向して位置し該裏張りの前記上側に向けられている構造化したエンボスモールド(10)を有するエンボスピストン(8)を前記裏張りに向けて持ってきて、
前記エンボスピストンを相互に交互押圧して前記表面層をエンボス加工することによって、
研磨剤のコーティング(6)が前記裏張りの上側(3)に塗布されて模様をつけた表面層として形成され、
その後研磨剤のコーティングが前記表面層を最終的に形成するために硬化され、
仕上がった研磨ディスク(1)のモールドが取り外されることを特徴とする可撓性研磨ディスク(1)を製造する方法。
【請求項2】
前記裏張りを個別のエンボスピストン(7)上に配置させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記裏張り(2)をエンボスピストン(7)における個別の押圧室に配置させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記裏張り(2)を概ね球形の上側(3)を有するような形状にすることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記裏張り(2)を実質的に均等な厚さで、概ね球形の上側(3)と下側(4)とを備えるような形状とし、そのため前記エンボスピストン(7)の表面が前記裏張りの下側の曲げ半径に対応するような形状とされることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記表面層を形成するために前記裏張りの上側の上に少なくとも接着剤と砂とを交互に塗布することにより前記研磨剤のコーティング(6)を段階的に塗布することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記表面層を形成するために少なくとも接着剤と結合剤とを含むスラリーの形態で前記研磨剤のコーティング(6)を前記裏張り(2)の上側に噴射することを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記裏張り(2)と前記表面層に対して持ってこられたエンボスモールド(10)とが、共に押圧された後で、共に押圧された時に前記上面に塗布された研磨剤のコーティング(6)によって共に保持され、それによって、前記研磨剤のコーティングを前記上側に塗布した前記裏張りが前記エンボスピストン(7,8)によって形成された押圧室から取り出された後、前記研磨剤のコーティングが硬化されることを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記裏張り(2)を個別のモールドにおいて射出成形して製造することを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記裏張り(2)を個別のモールドにおいて射出成形により製造し、前記モールドにおいて前記裏張りの上側がその後コーティングされることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記裏張り(2)が延伸成形によって製造され、その後エンボスピストン(7)に配置され、該ピストンにおいてその上側(3)が次いでコーティングされることを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記裏張り(2)を延伸成形した材料の帯片から切り取ることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記裏張り(2)が材料帯片から切り取られるときに延伸成形されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
上側および下側のエンボスピストン(7,8)を真空下で共に押圧することを特徴とする請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
使い捨ての要素を構成するために高分子材料の前記エンボスモールド(10)を形成することを特徴とする請求項1から14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
上側(3)と下側(4)を備えた裏張り(2)であって、該裏張りがその周辺において前記上側と下側とを相互に結合するための側縁部(5)を有する裏張り(2)を、表面層を形成するために前記裏張りの上側に配置された研磨剤のコーティング(6)と共に含み、
前記表面層がエンボス加工した構造を備えた概ね球形の面を有していることを特徴とする可撓性研磨ディスク(1)。
【請求項17】
前記表面層が概ね凸形であることを特徴とする請求項16に記載の可撓性研磨ディスク(1)。
【請求項18】
前記表面層が概ね凹形であることを特徴とする請求項16に記載の可撓性研磨ディスク(1)。
【請求項19】
前記裏張り(2)が概ね均等な厚さの構造を有して、そのために、前記下側(4)および上側(3)が概ね平行であり、前記上側には概ね球台の形である表面層を形成するために研磨剤のコーテイング(6)が設けられることを特徴とする請求項16から18までのいずれか1項に記載の可撓性研磨ディスク(1)。
【請求項20】
前記裏張り(2)の上側(3)と下側(4)とが異なる曲げ半径を有していることを特徴とする請求項19に記載の可撓性研磨ディスク(1)。
【請求項21】
前記裏張り(2)の下側(4)が概ね平坦であることを特徴とする請求項20に記載の可撓性研磨ディスク(1)。
【請求項22】
前記裏張り(2)が高分子材料を含むことを特徴とする請求項16から21までのいずれか1項に記載の可撓性研磨ディスク(1)。
【請求項23】
前記裏張り(2)の側縁部(5)が、前記研磨ディスクが使用時に研磨ヘッドの固定プレートに配置されると、仕上がった研磨ディスクを蓋のように固定された状態に保持するように配置された固定要素を有していることを特徴とする請求項16から22までのいずれか1項に記載の可撓性研磨ディスク(1)。
【請求項24】
前記固定要素が上方へ引き抜かれた縁部(14)を含むことを特徴とする請求項23に記載の可撓性研磨ディスク(1)。
【請求項25】
前記固定要素が上方へ引き抜かれたフックを含むことを特徴とする請求項23に記載の可撓性研磨ディスク(1)。
【請求項26】
前記表面層のエンボス加工された構造が非線形で非干渉性の模様を含むことを特徴とする請求項16から25までのいずれか1項に記載の可撓性研磨ディスク(1)。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲の請求項1の前提部に記載の可撓性研磨ディスクを製造する方法に関するものである。
【0002】
本発明はまた、特許請求の範囲の請求項16の前提部に記載され、前記方法によって製造される可撓性研磨ディスクにも関するものである。
【背景技術】
【0003】
広い材料帯片(extensive material strip)に通常ピラミッド形に精密に形成された複合組成物をコーティングすることによって可撓性研磨手段を製造することは従来の技術から知られている。この方法は例えば米国特許第5,152,917号明細書(USPatent 5,152,917)に記載されている。前述の方法によって研磨ディスクを製造するために、研磨ディスクは前記の帯片材料から切り取る必要がある。しかしながら、このためには精密な打ち抜き工具(die cutting tools)が必要とされる。前記材料帯片にも研磨剤のコーティングが付いているので、打ち抜き工具の刃もまた、著しく磨耗され、そのためにそれらの刃を頻繁に交換する必要がある。このことは、製造が中断されること、および新規の刃を取得しそれを設置することの双方の理由から高価になる。
【0004】
研磨ディスクの製造は更に、打ち抜きにおいて発生する大量の廃棄物によっても負担がかかる。この廃棄物は部分的には未使用の原材料を構成し、部分的には製造ラインから取り除かれて棄却するかあるいは貯めておく必要がある。これらの双方の要因とも研磨ディスクのコストにマイナスに影響することは当然である。
【0005】
広い材料帯片からの研磨材料の製造においてはまた、技術的に有利である製造方法を利用することは殆ど不可能である。そのような有利な方法とは、例えば研磨ディスクの表面層に対して真空処理を使用することである。既知のタイプの材料帯片上に真空を発生させるコストはこの技術を使用するには余りにも高価になりすぎる。
【0006】
また、例えば米国特許第2,292,261号明細書(US patent 2,292,261)によれば、個々の研磨ディスクに結合剤と砂とのスラリーをコーティングすることは従来技術から知られている。この明細書においては、正確な粘度を有する研磨剤のスラリーの層をディスクにコーティングする方法が説明されている。硬化する前にこの層は構造化したプレート(structured plate)を用いてエンボス加工がなされる。エンボス加工によって研磨剤のスラリーに所望の模様を形成し、該スラリーはその後硬化される。この方法においては、所望の模様は極く瞬間的に押圧されるので、その結果は正確な複製ではなく、前記模様は、例えば硬化する前にある程度広がる傾向がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明によれば、既知の方法の問題点が実質的に排除できる。このように、本発明は可撓性研磨ディスクを製造する方法、並びに本発明の方法によって製造される可撓性研磨ディスクを提供し、その結果、安定した製造と均一な特性を備えた研磨ディスクをもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の問題は、本発明によってその製造方法および可撓性研磨ディスクに対して特許請求の範囲のそれぞれ請求項1および請求項16に記載の特徴を提供することにより解決される。後続の従属項は、その機能を更に改良する本発明の適当な別の実施例や実施例の変形を提供している。
【0009】
以下の説明において、「上方」、「下方」、「上側(upper side)」、「下側(lower side)」等の用語は添付図面に示す研磨ディスクおよびその構造上の細部に対しての方向を指示するものである。
【0010】
本発明において記載されている方法によって、従来技術に対していくつかの顕著な利点が得られる。従って、研磨ディスクの寸法は小さいので、1個ずつ研磨ディスクを製造することは安価なモールドの製造を可能とする。本発明の製造技術によって正の原型(positive original)に対して鋳造された使い捨てのモールドの使用が可能となる。そのような使い捨てモールドによって仕上げられた後の研磨ディスクの扱いはかなり容易となる。さらに、従来の技術によって研磨ディスクを製造する場合通常必要とされる負の原型(negative originals)を直接製造することに対し、正の原型モールドを製造してそれから必要な負のモールドを鋳造することの方がより簡単で従ってまたより安価である。
【0011】
1個の原型モールドを複数の前述した使い捨てモールドを製造するために使用することができるので、極めて複雑なモールドであっても経済的につくることも可能である。このことによって研磨ディスクの表面構造を通常のものよりも良くすることができるようにする。
【0012】
本発明による研磨ディスクの製造において、研磨ディスクは相互に対向して位置した上方および下方のエンボスピストンを備えたプレスにおいて有利に押圧される。これによって、一方のエンボスピストンにエンボスモールドが有利に設けられている。硬化工程において最終製品と共に残留しうる安価な使い捨てモールドを使用することによって、本発明による方法においては相互の押圧作業は極めて瞬間的に行われるだけである。研磨ディスクの裏張り(backing)に塗布される研磨剤のコーティングが最初の押圧の後該裏張りとエンボスモールドとを一緒に保持する。
【0013】
各研磨ディスクは上方および下方のエンボスピストンの間に形成され、容積の小さい個別の押圧室において処理されるので、例えば既知の真空鋳造技術を利用することは簡単である。この技術によって特に精密な鋳造を可能とし、従って研磨ディスクの作業特性を顕著に向上させる。
【0014】
研磨ディスクの研磨剤コーティングを使い捨てモールドによって保護することによってUVによる硬化のみならず、例えば電子ビームによる硬化の使用を実現させる。例えば、電子ビームによる硬化はビームによる硬化のために極小型の放射源を必要とするだけなので経済的に可能とされる。
【0015】
本発明の方法によって製造され、かつ本発明により球形断面を有するようになった研磨ディスクは使用時に目詰まり性(clogging properties)が更に良好となる。球形は「ケーキング(caking)」と称されるもの、すなわち研磨ディスクの面と研磨すべき面との間の塵の堆積を低減する。
【0016】
更に、球形のお陰で、通常殆どの部品に対して使用されるディスクの周辺領域のみでなく研磨ディスクの全体の研磨面が使用可能であるため、研磨ディスクの寿命がより長くなる。これは、ディスクが平担な面に粘着するのでなく、ある程度折り曲げられた製品の下方へ空気が入るためである。このことによって、外方へ吸出される空気の流れの量が増し、その結果塵の除去がより良好となる。大きな曲げ半径を有する研磨ディスクであっても有益な結果が達成できる。研磨ディスクの断面の曲げは、塵排出作用の増大が見られるように150ミリメートルの研磨ディスクにおいて、例えば単に2ミリメートル程度でよい。
【0017】
球形の研磨ディスクは従来の平坦な研磨ディスクと同じ様に粘着するとか、諸々の方向に引っ張られることがないので、本発明による研磨ディスクによって実施される研磨作業もまた促進される。更に、研磨機械を従来のように、強固に保持するとか、あるいはそれを対象物に向ける必要が無く、研磨ディスクの中間部分ですら用いて簡単に研磨することが可能で、そのためには人の手と腕自体の重みのみが必要とされるだけである。
【0018】
球形の研磨ディスクはまた、研磨領域を減らし、研磨された面と非研磨面との間の不連続な移行(discrete transition)ができるようにする。この効果は研磨機械の固定プレートにおける固定面に概ね球形の形状を設けることによっても更に強化することができる。このようにして、研磨機械が少々傾斜しても相互に対向して位置した接触面の相互の幾何学的形状を変えたりしない。従って、球形の変動を研磨機械に付与することによって、基本的には研磨機械の固定面に配置された研磨製品の斜傾位置を排除することができる。従って、研磨機械は既知の方法のように研磨領域において精密に位置決めする必要は無く、それによる作業が目立ってより簡単となる。
【0019】
球形の研磨面によって、研磨ディスクの接触面の中間部分において、より差別的でかつより高度の研磨圧力を加えることができる。このように、この形状がより正確な研磨を、あるいは現在の研磨領域における特定の欠陥だけを磨くことができるようにする。本発明のお陰で、研磨領域は減少し、研磨領域の周辺における縁部領域はより目立たなくなる。
【0020】
本発明の更なる利点および詳細は以下の説明から明らかとなる。
【0021】
添付図面を参照して本発明を以下詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
可撓性研磨ディスクを製造する方法およびそのような研磨ディスクの好適実施例について添付図面を参照して以下説明する。そのような方法は、各々を対応する参照数字によって指示する図示した構造部材を含む。これらの参照数字は以下の説明において使用している参照数字に対応する。
【0023】
本発明による可撓性研磨ディスク1は図1から図6までに示すように上側3と下側4とを備えた裏張り2を含む。該裏張りは、該裏張りの上側を下側に結合する側縁部5をその周囲において有している。更に、前記裏張りの上側には、表面層を、従って最終の研磨ディスクを形成する研磨剤のコーティング6が設けられている。
【0024】
本発明による研磨ディスク1の製造において、裏張り2は図7に示すようにエンボスピストン7に個別に配置され、各研磨ディスクの裏張りは別々にコーティングされる。このように、各裏張りは、相互に対向して位置された2個のエンボスピストン7および8によって形成された押圧室に単独で位置しうる。しかしながら、概ね相互に対向して位置した2個のエンボスピストンから形成された数個の隣接する押圧室の一つに裏張りを位置させることも可能である。また、相互に接触させることなく1個の単一の押圧室において相互に隣接させて1個以上の裏張りを位置させることも可能であるが、この場合もそれらは個別にコーティングすることができる。
【0025】
裏張り2の形状に応じて、本実施例においては上側のエンボスピストンとして言及するエンボスピストン7にはエンボスピストンの面に対して前記裏張りを支持するための交換可能なプレスヘッド9が設けられる。もしも裏張りの下面4が例えば凹型であるとすれば、エンボスピストンには従って凸型のプレスヘッドが設けられる。当然ながら、裏張りをエンボスピストンの面に対して支持するために適当な高分子材料の下側モールドを平坦なエンボスピストンに設けることも可能である。
【0026】
裏張り2が上側のエンボスピストン7に適切に配置されると、該裏張りの上側に研磨剤のコーティング6が塗布される。これによって、裏張りと対向して下側のエンボスピストン8に配置されたエンボスモールド10を研磨剤コーティングに対して持ってくることによって研磨剤のコーティングの表面層の構造が有利に形成される。このように、研磨ディスクの表面層は相互に対して対向して位置されたエンボスピストンを相互に押圧することによって所望の模様がエンボス加工される。
【0027】
このように、研磨剤のコーティング6は裏張り2の上側3に直接塗布することが可能で、あるいは代替的に、前述し、かつ図7および図8に示すようにピストンを相互に押圧することによって裏張りに転移されるようにエンボスモールド10に塗布することも可能である。
【0028】
小容積の押圧室を有するプレスによって作業を実行すれば、既知の真空鋳造技術を利用するのが簡単である。真空ポンプ(図示せず)がマウスピース11を介してプレスに接続され、その後押圧室の大気圧は著しく減圧されうる。このプレスおよびエンボス加工技術のお陰で、エンボスモールドにはエンボス加工している間に充填しうる特に微粒子の構造を設けることが可能で、模様の中に何ら空洞は発生しない。
【0029】
エンボスモールド10は図7から図10までに示すように、その周辺に囲繞する収集ポケット12を設けて有利に形成することができる。ピストンが相互に押圧されると、研磨剤のコーティングの一部は通常流出する。前記収集ポケットがエンボスモールドを囲繞できるようにすることによって、この余分の材料13が図10に示すように回収され、プレスおよびその周辺装置が汚されないようにする。
【0030】
ピストンの相互押圧が完了した後、研磨剤コーティング6が硬化され、その後仕上がった研磨ディスク1を少なくとも部分的に囲繞しているモールドを取り外すことができる。
【0031】
研磨剤のコーティング6の塗布は少なくとも接着剤と砂とを裏張りの上側に交互に供給することによって段階的に実施することができる。代替的に、研磨剤コーティングを裏張り2の上側3に滴下、噴射、射出成形、あるいは注入することが可能であり、そのために例えば少なくとも研磨剤と結合剤とを含有するスラリーが使用される。スラリーのスクリーンプリントによるコーティング(screen print coating)も可能であり、そのために上側の面には研磨剤コーティングの小さい点、すなわち接着剤の点(glue spots)ができる。
【0032】
外側の層は裏張り2の球形の上面3をコーティングすることによって概ね球形に形成される。この点に関して、球形は当然ながら凸型および凹型面の双方としてそれ自身示すことができることが注目しうる。凹型の球形面が使用されたとすれば、コーティングされるのは凹んでいる凹型面の内側の方である。
【0033】
製造において、研磨ディスク1の球形とは概括的に言えば、それが凹型面であろうと凸型面であろうと無関係にいずれか特定の面に丸みをつけたものとしうる。更に、不連続に位置させるために研磨ディスクの縁部には追加の折り曲げ部14を形成することができる。
【0034】
表面層の構造を形成する研磨剤コーティング6の配分は、エンボスピストンを相互に押圧することによって表面層をエンボス加工するために、下側のエンボスピストン8まで持ってこられたエンボスモールド10の形状に応じて諸々の形態としうる。このエンボスモールドの表面構造の形成は、特別な正の原型エンボスモールドを製造し、その後例えば簡単な高分子材からなるモールド(polymer moulds)においてそれを鋳造することによって有利に提供することができる。この後、こうして剥離高分子材(releasing polymer)の負のエンボスモールドによって形成されたエンボスモールドが下側のエンボスピストンまで持ってこられ、研磨剤のコーティングのエンボス加工を実行する。そのようなエンボスモールドは製造が簡単でかつ安価であるので、一回限りで有利に使用することができる。剥離高分子材は通常のポリオレフィン、例えばポリプロピレンあるいはポリエチレンでもよいが、また剥離性を更に高めるために高分子材を融合させることも可能である。
【0035】
原型エンボスモールドは研磨剤のコーティング6と接触するようにはならないので、それの受ける磨耗は最小である。モールドに磨耗が殆ど存在しないことおよびその寸法の小さいことはその構造は極めて微細にできることを意味する。これによって、所謂微細な複製が得られる。同時に、このことによって模様を非線形(non−linear)および非干渉性(non−interferential)としうる。従って、研磨剤のコーティングの複合組織が、もしも研磨ディスクが一次元方向の動きをするのであれば、研磨すべき面に痕跡を残しうる直線的な軌跡を形成しないようにされる。
【0036】
スクリーンプリントによるコーティングにおいては、上面に亘って研磨剤のコーティングが均一に分布されるが、これはピストンを相互に押圧する前に小さい点として前記面に亘って投与され、次いで微細な複製モールドによる圧縮成形において所望の分布を容易にもたらすことを意味する。
【0037】
同時に、図8から図10までに示すように、研磨剤のコーティング6が裏張り2の上に塗布されるにつれて、表面の層も構造化される。このように、2個のエンボスピストン7および8、すなわちその上に裏張り2を載せた上側のエンボスピストン7と、その中に配置され、エンボス模様を有するエンボスモールド10を備えている対向の下側のエンボスピストン8とが相互に合わせられる。従って、本発明による方法においては、いずれのエンボスピストンも研磨剤のコーティングと直接接触するようにはされず、ピストンは部分的にはエンボスモールドによって、そして部分的には裏張りによって保護されているので、裏張りの上側3あるいはエンボスモールドに前記コーティングが塗布される。
【0038】
エンボス加工模様を備えたエンボスモールド10を有する下側のエンボスピストン8は弾性材料でかつ凸型の端面を設けて有利に形成することができる。このように、エンボスピストンは図9に示すようにエンボスモールドの中央から押圧を開始する。この後、エンボスピストンが図10に示すように増圧され変形されるにつれてエンボスモールドの周囲に向かって波紋状(ring wave)に押圧力が徐々に進行する。上側のエンボスピストン7あるいはその中に配置されたプレスヘッド9の表面は剛性であり、裏張りに対して有利に対応する。
【0039】
裏張り2と、前記上面3に対して配置されたエンボスモールド10とは、前述の相互押圧の後、周りの大気圧および押圧の前にそれらの間に塗布された研磨剤のコーティング6とによって相互に保持される。従って、例えば押圧前に研磨剤のコーティングに既知の何らかのタイプの硬化を施すのは簡単である。
【0040】
UVで硬化される樹脂を研磨剤のコーティングの結合剤として使用し、裏張りの支持モールドとエンボスモールド10との双方をUV光線透過性の高分子材から形成することにより、研磨ディスク1を円錐形の光線(a cone of rays)を通して搬送すると、研磨ディスク1を簡単かつ有利に硬化させることができる。
【0041】
本発明はまた、一時に一個のみの研磨ディスク1を放射線に露出すればよい場合放射線源は比較的小さくてよいので電子ビームで硬化される樹脂(electron beam cured resins)を使用できるようにする。
【0042】
研磨ディスク1の裏張り2のコーティングについて前述してきた。この点に関して、裏張りは個別のモールドにおいて圧縮成形によって製造することができることを述べてもよく、その場合その上側3は裏張りがまだモールドにあるときにコーティングすることが可能である。裏張りはまた、延伸成形(stretch moulding)によって製造して、その後個別のモールドに配置され、そこでその上側が次いでコーティングされてもよい。延伸成形された裏張りは延伸成形された材料の帯片から切り取るか、あるいは平坦な裏張り材料が材料帯片から切り取られるときに延伸成形することもできる。
【0043】
研磨ディスク1の裏張り2は、一実施例においては、概ね均一な厚さの構造を有しており、そのためその下側4および上側3は概ね平行であり、概ね等しい曲げ半径を有している。しかしながら、裏張りは下側と上側とが異なる曲げ半径を有する形状を有し、そのため下側は例えば概ね平坦であり、一方上側は球形の凹型あるいは凸型とすることができる。本発明による方法によれば、裏張りの上側には概ね球台(spherical segment)の形である研磨剤のコーティング6の形態での表面層を設けることができる。
【0044】
今日の紙ベースの研磨ディスクとは異なり、本発明による高分子材の研磨ディスクの裏張り2を製造することは有益である。
【0045】
研磨ディスク1の使用を簡単にするために、裏張りの側縁部5には固定要素を設けてもよい。これらの固定要素は、研磨ディスクが使用時研磨ヘッドの固定プレート上に配置されると、仕上がった研磨ディスクを蓋のように固定状態に保つように配置される。固定要素は図5に示すように上方に引き抜かれた縁部14あるいは上方に引き抜かれたフックを備えてもよい。
【0046】
研磨ディスク1はまた、塵を抽出するとか、あるいは水を供給するための孔を設けることもできる。更に、固定プレートにおける案内用孔と協働する追従ピン(follower pins)を設けることもできる。これらの追従ピンは固定を簡単にし、そしてある場合には、前述した一体の固定要素と特に組み合わされた場合、例えば自動接着剤(self−adhesive glue)およびマジックテープ(登録商標)固定具(Velcro(登録商標)fastening)のような従来の固定要素を排除する。
【0047】
当然のことながら、研磨ディスク1には、研磨工具の研磨ヘッドにある固定プレートに研磨ディスクを固定するために、裏張り2の下側4において自動接着剤およびマジックテープ(登録商標)固定具のような既知の固定要素を設けてもよい。
【0048】
前述した説明および関連の図面は研磨ディスクの構造に対する本発明による解決方法を単に例示する意図のものである。従って、本発明による方法は前述した実施例あるいは特許請求の範囲に記載の実施例に限定されるのではなくて、特許請求の範囲に記載の概念の範囲内で複数の変更や代替実施例が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】研磨ディスクの上面図を示す。
【図2】研磨ディスクの側面図を示す。
【図3】図2に示す研磨ディスクの部分的な断面を示す。
【図4】一方の側から見た研磨ディスクの代替実施例を示す。
【図5】図4に示す研磨ディスクの部分的な断面を示す。
【図6】一方の側から見た研磨ディスクの第二の代替実施例の断面を示す。
【図7】送給のためにプレスが開放している状態の、本発明による研磨ディスクを製造するためのプレスの部分的な断面を示す。
【図8】プレスのエンボスピストンが相互にロックされている状態の、特許請求の範囲の請求項7に記載のプレスを示す。
【図9】相互のプレスの押圧が開始した状態の、特許請求の範囲の請求項7に記載のプレスを示す。
【図10】相互の押圧が完了した状態の、特許請求の範囲の請求項7に記載のプレスを示す。
【符号の説明】
【0050】
1 研磨ディスク
2 裏張り
3 裏張りの上側
4 裏張りの下側
5 裏張りの側縁部
6 研磨剤のコーティング
7 上側のエンボス用ピストン
8 下側のエンボス用ピストン
9 プレスヘッド
10 エンボスモールド
11 マウスピース
12 収集ポケット
13 コーティング材料
14 固定要素

【出願人】 【識別番号】507032306
【氏名又は名称】オイ ケーダブリューエイチ ミルカ アーベー
【出願日】 平成19年7月9日(2007.7.9)
【代理人】 【識別番号】100066692
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 皓

【識別番号】100072040
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 肇

【識別番号】100072822
【弁理士】
【氏名又は名称】森 徹

【識別番号】100087217
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 裕


【公開番号】 特開2008−18526(P2008−18526A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2007−179186(P2007−179186)