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【発明の名称】 バリ取り用ブラシ
【発明者】 【氏名】片山 達也

【氏名】糸瀬 友哉

【要約】 【課題】ブラシヘッドの着脱が容易に行なえるようにする。

【構成】ブラシ7を植設した磁性体からなるブラシヘッド8をマグネット14を介してブラシホルダー3に着脱するようにしたバリ取り用ブラシにおいて、前記ブラシホルダー3に回転可能なカム部材11を取り付け、前記ブラシヘッド8を前記マグネット14に磁着したときにその一片が前記カム部材11に当接するように装着され、前記カム部材11を回転して前記ブラシヘッド8の一片を押圧することにより、前記ブラシヘッド8を前記ブラシホルダー3から離脱するようにしたバリ取り用ブラシである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシを植設した磁性体からなるブラシヘッドをマグネットを介してブラシホルダーに着脱するようにしたバリ取り用ブラシにおいて、前記ブラシホルダーに回転可能なカム部材を取り付け、前記ブラシヘッドを前記マグネットに磁着したときにその一片が前記カム部材に当接するように装着され、前記カム部材を回転して前記ブラシヘッドの一片を押圧することにより、前記ブラシヘッドを前記ブラシホルダーから離脱するようにしたことを特徴としたバリ取り用ブラシ。
【請求項2】
前記カム部材は、前記ブラシホルダーの外周縁より取り付けられたものであることを特徴とした請求項1記載のバリ取り用ブラシ。
【請求項3】
前記ブラシヘッドの前記マグネットへの磁着は、前記マグネットの中心軸と、前記ブラシヘッドの中心軸が偏心するようになされるものであることを特徴とした請求項1または2記載のバリ取り用ブラシ。
【請求項4】
ブラシを植設した磁性体からなるブラシヘッドをマグネットを介してブラシホルダーに着脱するようにしたバリ取り用ブラシにおいて、前記ブラシホルダーは上板と下板とよりなり、前記上板には前記マグネットを固着し、前記下板には前記マグネットに対向して前記ブラシヘッドが装着可能でしかもその装着位置を規制する位置規制部材を有する装着孔を形成し、さらに前記上板と前記下板との間には緩衝部材を介在させ、前記ブラシヘッドを前記装着孔を介して前記マグネットに磁着させたときに、前記上板と前記下板とを離間させることによって、前記ブラシヘッドを前記ブラシホルダーから離脱するようにしたことを特徴としたバリ取り用ブラシ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、バリ取り用ブラシの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブラシをマグネットを介して保持するようにしたバリ取り用ブラシとしては、実公平2−30224に開示のものがある。このブラシは、図7に示すように、セグメントブラシ7を密植したブラシヘッド8をマグネット14に着脱自在に保持するように構成している。ブラシが磨耗したときは、各セグメントブラシ7を下方へ引き抜くようにして、ブラシヘッド8をマグネット14から引き離す。そして新しいブラシが密植されたブラシヘッド8を再度、マグネット14に磁着して、次のバリ取りに備えるのである。
【0003】
しかしながらこのバリ取り用ブラシには次のような問題があった。即ち、ブラシを長時間使用すると、対象ワークの研磨粉やブラシの磨耗粉がミスト状に舞い上がってブラシヘッド8とブラシホルダー3との嵌合部に入り込んで行く。磨耗粉ミストが堆積すると、ブラシヘッド8がブラシホルダー3に噛み込んでマグネット14から引き離せなくなることがあった。
【特許文献1】実公平2−30224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上より本発明が解決しようとする課題は、ブラシホルダー3とブラシヘッド8との間に磨耗粉ミストが入り込んでも、ブラシヘッド8の着脱が容易に行なえることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために請求項1の発明は、ブラシを植設した磁性体からなるブラシヘッドをマグネットを介してブラシホルダーに着脱するようにしたバリ取り用ブラシにおいて、前記ブラシホルダーに回転可能なカム部材を取り付け、前記ブラシヘッドを前記マグネットに磁着したときにその一片が前記カム部材に当接するように装着され、前記カム部材を回転して前記ブラシヘッドの一片を押圧することにより、前記ブラシヘッドを前記ブラシホルダーから離脱するようにしたことを特徴とした。次に請求項2の発明は、前記カム部材は、前記ブラシホルダーの外周縁より取り付けられたものであることを特徴とした。次に請求項3の発明は、前記ブラシヘッドの前記マグネットへの磁着は、前記マグネットの中心軸と、前記ブラシヘッドの中心軸が偏心するようになされるものであることを特徴とした。
【0006】
また、請求項4の発明は、ブラシを植設した磁性体からなるブラシヘッドをマグネットを介してブラシホルダーに着脱するようにしたバリ取り用ブラシにおいて、前記ブラシホルダーは上板と下板とよりなり、前記上板には前記マグネットを固着し、前記下板には前記マグネットに対向して前記ブラシヘッドが装着可能でしかもその装着位置を規制する位置規制部材を有する装着孔を形成し、さらに前記上板と前記下板との間には緩衝部材を介在させ、前記ブラシヘッドを前記装着孔を介して前記マグネットに磁着させたときに、前記上板と前記下板とを離間させることによって、前記ブラシヘッドを前記ブラシホルダーから離脱するようにした。
【発明の効果】
【0007】
請求項1から3の発明によれば、ブラシホルダーとブラシヘッドとの間に磨耗粉ミストが入り込んでも、ブラシホルダーに取り付けたカム部材を回転してブラシヘッドを押圧すれば、ブラシヘッドをブラシホルダーから強制的に離脱できるので、ブラシの交換を容易に行なうことができる。
【0008】
また、請求項4の発明によれば、ブラシヘッドをマグネットに磁着させると、ブラシヘッドは、位置規制部材により上方への移動が規制されるとともに、マグネットの磁着によって生じた緩衝部材のわずかな弾縮反力により下方への移動が規制されてブラシホルダーに強固に装着される。ここでブラシホルダーの上板と下板との間に棒状体などを差し込んで上板と下板とを離間させれば、ブラシヘッドをブラシホルダーから強制的に離脱できるので、ブラシの交換を容易に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態について、実施例1と2に例示して説明する。
【実施例1】
【0010】
本発明の請求項1から3に係るバリ取り用ブラシを図1〜3に沿って説明する。図1の1は、バリ取り用ブラシを進退動するための進退動軸で、この進退動軸1に取り付けた連結体2にブラシホルダー3がボルトで固定されている。ブラシホルダー3は、下板4とその上面に鍔付リング部材5が配され、さらにその上に上板6が配されたものとよりなり、ボルトによって上板6、鍔付リング部材5、下板4が連結されている。
【0011】
ブラシ7は、砥材をナイロン樹脂で結合した線材を束ねたもので、金属性のブラシヘッド8に植設されている。このブラシヘッド8は前記下板4に設けた15箇所の装着孔4aにそれぞれ装入可能となっており、ブラシヘッド8を装入すると、後述のマグネット14に磁着されるようになっている。
【0012】
前記鍔付リング部材5の外周縁には、横穴が15箇所穿設され、この横穴に鍔付ブッシュ9がそれぞれ嵌合されている。この鍔付ブッシュ9の先端外周には、その回り止めとして係止具10が取り付けられている。また鍔付ブッシュ9には、先端にカム11を有するアジャストピン12が回転可能に装入され、アジャストピン12の後端には、ナット13が取り付けられている。つまり、ナット13を廻すと、それとともにカム付アジャストピン12も回転し、先端のカム11が、下板4に装入されたブラシヘッド8を押圧してマグネット14から離脱させるようになっている。
【0013】
前記上板6には、凹部6aが15箇所形成され、マグネット14がそれぞれボルトで取り付けられている。このマグネット14は、ブラシヘッド8を下板4に装入したときに、ブラシヘッド8の中心軸とマグネット14の中心軸が偏心するように取り付けられている。つまり、両者が偏心した位置関係で磁着されるようになっている。
【0014】
前記進退動軸1の外周には、不図示のモータに接続された回転部材15が配され、ガイド棒16が4本ボルトで固定されている。このガイド棒16は、上板6と下板4の貫通孔6b、4bを通過し、その下端にはリング状の毛先保持板17がボルトで固定されている。この毛先保持板17には穴18が形成され、各穴18よりブラシ7の先端が突出するようになっている。
【0015】
次にこのバリ取り用ブラシの動作説明をする。まず、新品のブラシ7をブラシホルダー3に装着する。次に進退動軸1を一定量下降させ、毛先保持板17よりブラシ7を一定長突出させる。次に不図示のモータを起動して、回転部材15を回転させる。すると、ガイド棒16とともに毛先保持板17も回転し、さらにガイド棒16に連れ回りされてブラシホルダー3も回転してブラシ7が回転する。次にブラシ7の下方に不図示の対象ワークを置く。さらに不図示の駆動手段で、回転部材15と進退動軸1を一体下降させ、対象ワークにブラシ7を当接させてバリ取り研磨を行なう。研磨が終了したら、回転部材15と進退動軸1を一体上昇させ、ブラシ7を上方に退避させる。このようにしてバリ取り研磨を繰り返す。
【0016】
ところでブラシは、研磨を繰り返す中で磨耗する。ブラシが磨耗したら、進退動軸1を一定量下降させ、再度、毛先保持板17より一定長突出させて次の研磨に備える。こうしてブラシ7を使い続ければ交換時期になる。ブラシ7を交換するには、まず、ブラシホルダー3のナット13を廻すと、先端のカム11も回転してブラシヘッド8を押圧し、ブラシヘッド8がマグネット14から離脱する(図3b)。これを全てのブラシ7に対して行なう。ブラシヘッド8は毛先保持板17の穴18より小径なので、穴18を介してブラシ7を着脱することに何ら支障はない。次にナット13を回転してカム11の位置を元に戻し、新しいブラシ7が植設されたブラシヘッド8を装着する(図3a)。こうして次の研磨に備えるわけである。
【0017】
前記実施例では、マグネット14の中心軸とブラシヘッド8の中心軸を偏心させてあるが、図4(a)のように、マグネット14をさらに小径のものとして、両者を同心状に配することもできる。この場合、ブラシヘッド8の保持力は弱くなるが、さらに磁力の強いマグネット14に置き換えれば問題ない。また同じく同心状に配した例として、図4(b)のようにマグネット14を三角柱状にしたり、図4(c)のように立方体状のものとし、各マグネット14の一辺よりブラシヘッド8がはみ出すように構成しても、ブラシヘッド8の着脱が可能である。
【実施例2】
【0018】
次に本発明の請求項4に係るバリ取り用ブラシを図5、6に沿って説明する。図5の1は、バリ取り用ブラシの進退動軸で、この進退動軸1に取り付けた連結体2にブラシホルダー3の下板4がボルトで固定されている。ブラシホルダー3は、下板4と上板6とよりなり、下板4の上に小径緩衝部材19を介して上板6が載置されている。
【0019】
ブラシ7とブラシヘッド8は、前記実施例1と同様のもので、ブラシヘッド8は前記下板4に設けた装着孔4aに装入可能となっており、さらに、この装着孔4aには、ブラシヘッド8の装入位置を規制する段差状の位置規制部材4cが形成されている。また前記上板6には、凹部6aが形成され、実施例1と同様のマグネット14がボルトで取り付けられている。
【0020】
前記進退動軸1の外周には、実施例1と同様の回転部材15が配され、ガイド棒16がボルトで固定されている。このガイド棒16は、上板6の上に取り付けられたゴムから成る円筒状の大径緩衝部材20と、上板6と、この上板と下板の間に配されたゴムから成る円筒状の小径緩衝部材19と、下板4のそれぞれを貫通し、その下端にはリング状の毛先保持板17がボルトで固定されている。この毛先保持板17も実施例1と同様のものとなっている。
【0021】
次にこのバリ取り用ブラシの動作説明をする。まず、新品のブラシ7をブラシホルダー3の下板4に装入すると、ブラシヘッド8がマグネット14に磁着される。ブラシヘッド8はマグネット14の吸着力で上方へ移動しようとするが、位置規制部材4cにより、それ以上、上方への移動が規制される。一方、上板6と下板4の間には小径緩衝部材19が配されており、マグネット14がブラシヘッド8を吸着することで、小径緩衝部材19がわずかに弾縮し、この反力により、上板6及びマグネット14の下方への移動が規制される。こうしてブラシヘッド8がブラシホルダー3に強固に装着されるわけである。
【0022】
次に進退動軸1を下降させ、毛先保持板17よりブラシ7を一定長突出させる。次に不図示のモータを起動して、回転部材15を回転させると、ガイド棒16、ブラシホルダー3、ブラシ7が回転する。次にブラシ7の下方に不図示の対象ワークを置く。さらに不図示の駆動手段で、回転部材15と進退動軸1を一体下降させ、対象ワークにブラシ7を当接させてバリ取り研磨を行なう。研磨が終了したら、回転部材15と進退動軸1を一体上昇させ、ブラシ7を上方に退避させる。このようにしてバリ取り研磨を繰り返す。
【0023】
ブラシ7が磨耗し、ついに交換時期になったら、まず、ブラシホルダー3の上板6と下板4の隙間に図5のように棒状体Bを差し込み、上板6をテコの原理で押し上げると、上板6が離間し、これによりブラシヘッド8のマグネット14による磁着が解放されてブラシヘッド8が離脱する。この動作を各ブラシヘッド8の付近で行なって、全ての磨耗したブラシ7を離脱させる。ところで、上板6を押し上げると、上板6が回転部材15に衝突することが懸念されるが、本発明では上板6の上に大径緩衝部材20を取り付けているので、たとえ衝突しても、上板6や回転部材15が損傷することはない。この後、新しいブラシ7が植設されたブラシヘッド8を装着する。こうして次の研磨に備えるわけである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例1の正面断面図
【図2】同じく図1のA矢視の平面図
【図3】実施例1のブラシヘッドの着脱状況を示した模式図
【図4】マグネットとブラシヘッドの他の実施形態を示した図
【図5】本発明の実施例2の正面断面図
【図6】同じく図5のA矢視の平面図
【図7】従来のバリ取り用ブラシの正面断面図
【符号の説明】
【0025】
1 進退動軸
2 連結体
3 ブラシホルダー
4 下板
4a 装着孔
4b 貫通孔
4c 位置規制部材
5 鍔付リング部材
6 上板
6a 凹部
6b 貫通孔
7 ブラシ
8 ブラシヘッド
9 鍔付ブッシュ
10 係止具
11 カム
12 アジャストピン
13 ナット
14 マグネット
15 回転部材
16 ガイド棒
17 毛先保持板
18 毛先保持板の穴
19 小径緩衝部材
20 大径緩衝部材
【出願人】 【識別番号】396019631
【氏名又は名称】株式会社チップトン
【出願日】 平成18年6月22日(2006.6.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−853(P2008−853A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−173177(P2006−173177)