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【発明の名称】 サンドブラスト装置
【発明者】 【氏名】藤井 宏

【要約】 【課題】ブラスト作業時に、ブラストノズルを把持するオペレータの腕の作動の自由度を向上させると共に、腕を所望姿勢にさせることができるようにして、ブラスト作業の作業性を向上させるようにすることである。

【解決手段】サンドブラスト装置1は、ワーク18およびこのワーク18に対し粒状研磨材20を噴射するブラストノズル21を、その内部に収容可能とするケーシング3と、ケーシング3の内部をその外部からオペレータ25により視認可能とさせる視認窓26と、ケーシング3に形成され、このケーシング3の外部からオペレータ25がブラストノズル21を把持できるようこのオペレータ25の腕25aをケーシング3の内部に向けて挿通可能とさせる腕挿通孔28とを備える。ケーシング3に開口32を形成する。この開口32を閉じると共に、ケーシング3に対し相対移動A可能な蓋体35を設け、この蓋体35に腕挿通孔28を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークおよびこのワークに対し粒状研磨材を噴射するブラストノズルを、その内部に収容可能とするケーシングと、このケーシングの内部をその外部からオペレータにより視認可能とさせる視認窓と、上記ケーシングに形成され、このケーシングの外部からオペレータが上記ブラストノズルを把持できるようこのオペレータの腕をケーシングの内部に向けて挿通可能とさせる腕挿通孔とを備えたサンドブラスト装置において、
上記ケーシングに開口を形成し、この開口を閉じると共に、上記ケーシングに対し相対移動可能な蓋体を設け、この蓋体に上記腕挿通孔を形成したことを特徴とするサンドブラスト装置。
【請求項2】
上記蓋体が、上記腕挿通孔を形成して上記ケーシングに対し相対移動可能とされる蓋体本体と、この蓋体本体の外縁部と上記開口の開口縁部との間の空間を覆い、上記ケーシングに対する蓋体本体の相対移動に伴い変形可能な被覆体とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のサンドブラスト装置。
【請求項3】
上記ケーシングを構成する縦向きの正面板に上記開口を形成し、上記蓋体本体が上下に相対移動可能となるようこの蓋体本体の左右各外縁部を上記開口の左右各開口縁部に係合させ、上記被覆体を側面視で縦方向にジグザグ状に延びる蛇腹構造としたことを特徴とする請求項2に記載のサンドブラスト装置。
【請求項4】
上記蓋体の相対移動後に、この蓋体を上記ケーシングに対する所望位置に固定可能とする固定装置を設けたことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1つに記載のサンドブラスト装置。
【請求項5】
上記蓋体本体を短尺のパイプ材で構成し、その内孔を上記腕挿通孔としたことを特徴とする請求項2に記載のサンドブラスト装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラスト作業用の作業空間を、その内部に有するケーシングが設けられ、このケーシングの内部に向けて、その外部からオペレータの腕を挿通可能とさせる腕挿通孔が上記ケーシングに形成されたサンドブラスト装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記サンドブラスト装置には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、ワークおよびこのワークに対し粒状研磨材(砥粒)を噴射するブラストノズルを、その内部に収容可能とするケーシングと、このケーシングの内部をその外部からオペレータにより視認可能とさせる視認窓と、上記ケーシングに形成され、このケーシングの外部からオペレータが上記ブラストノズルを把持できるようこのオペレータの腕をケーシングの内部に向けて挿通可能とさせる腕挿通孔とを備えている。
【0003】
上記サンドブラスト装置により、ブラスト作業をする場合には、まず、上記ケーシングの内部にワークを収容し、このワークを所定姿勢に保持させる。次に、オペレータが上記ケーシングの外部から、その腕を上記腕挿通孔に挿通させて上記ケーシングの内部に挿入する。そして、上記ブラストノズルを把持して、このブラストノズルにより上記ワークの表面に対し圧縮空気と共に粒状研磨材を噴射させる。これにより、上記ワークの表面が研磨され、つまり、ブラスト作業が行われる。
【特許文献1】特開2003−25226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記ブラスト作業時には、上記ワークの表面に所望の研磨状態を得ようとして、上記ワークに対するブラストノズルの位置や角度など上記ワークに対するブラストノズルの状態を変化させたい場合がある。そして、この場合には、オペレータが、上記ブラストノズルを把持している腕を自由に作動させることにより、上記ブラストノズルの状態を変化させることが考えられる。
【0005】
しかし、オペレータの腕は、上記のように、ケーシングの所定位置に形成された腕挿通孔に挿通されている。このため、腕を自由に作動させようとしても、これは、上記腕挿通孔により規制される。よって、上記ワークに対するブラストノズルの状態を変化させることは煩雑であり、これにより、ブラスト作業の作業性が阻害されるおそれがある。
【0006】
また、オペレータは、上記ブラストノズルを把持した腕の位置などの姿勢を、このオペレータの体格に合致するよう所望姿勢にさせたい場合がある。しかし、オペレータの腕は、上記したように、ケーシングの所定位置に形成された腕挿通孔に挿通されている。このため、オペレータは、その腕を所望姿勢にさせることは困難であり、これによっても、ブラスト作業の作業性が阻害されるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、ブラスト作業時に、ブラストノズルを把持するオペレータの腕の作動の自由度を向上させると共に、腕を所望姿勢にさせることができるようにして、ブラスト作業の作業性を向上させるようにすることである。
【0008】
請求項1の発明は、ワーク18およびこのワーク18に対し粒状研磨材20を噴射するブラストノズル21を、その内部に収容可能とするケーシング3と、このケーシング3の内部をその外部からオペレータ25により視認可能とさせる視
認窓26と、上記ケーシング3に形成され、このケーシング3の外部からオペレータ25が上記ブラストノズル21を把持できるようこのオペレータ25の腕25aをケーシング3の内部に向けて挿通可能とさせる腕挿通孔28とを備えたサンドブラスト装置において、
上記ケーシング3に開口32を形成し、この開口32を閉じると共に、上記ケーシング3に対し相対移動A可能な蓋体35を設け、この蓋体35に上記腕挿通孔28を形成したものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記蓋体35が、上記腕挿通孔28を形成して上記ケーシング3に対し相対移動A可能とされる蓋体本体36と、この蓋体本体36の外縁部と上記開口32の開口縁部37との間の空間38を覆い、上記ケーシング3に対する蓋体本体36の相対移動Aに伴い変形可能な被覆体39とを備えたものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2の発明に加えて、上記ケーシング3を構成する縦向きの正面板9に上記開口32を形成し、上記蓋体本体36が上下に相対移動A可能となるようこの蓋体本体36の左右各外縁部を上記開口32の左右各開口縁部37に係合させ、上記被覆体39を側面視(図3)で縦方向にジグザグ状に延びる蛇腹構造としたものである。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1から3のうちいずれか1つの発明に加えて、上記蓋体35の相対移動A後に、この蓋体35を上記ケーシング3に対する所望位置に固定可能とする固定装置47を設けたものである。
【0012】
請求項5の発明は、請求項2の発明に加えて、上記蓋体本体36を短尺のパイプ材42で構成し、その内孔を上記腕挿通孔28としたものである。
【0013】
なお、この項において、上記各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
【発明の効果】
【0014】
本発明による効果は、次の如くである。
【0015】
請求項1の発明は、ワークおよびこのワークに対し粒状研磨材を噴射するブラストノズルを、その内部に収容可能とするケーシングと、このケーシングの内部をその外部からオペレータにより視認可能とさせる視認窓と、上記ケーシングに形成され、このケーシングの外部からオペレータが上記ブラストノズルを把持できるようこのオペレータの腕をケーシングの内部に向けて挿通可能とさせる腕挿通孔とを備えたサンドブラスト装置において、
上記ケーシングに開口を形成し、この開口を閉じると共に、上記ケーシングに対し相対移動可能な蓋体を設け、この蓋体に上記腕挿通孔を形成している。
【0016】
ここで、ブラスト作業時には、オペレータはその腕を上記腕挿通孔に挿通させることによりケーシングの内部に挿入してブラストノズルを把持し、上記ブラスト作業を行う。この場合、上記したように腕挿通孔を形成した蓋体は、上記ケーシングに対し相対移動可能である。
【0017】
このため、上記したブラストノズルを把持するオペレータの腕は、上記蓋体と共にケーシングに対し相対移動可能とされる。よって、ブラストノズルを把持するオペレータの腕の作動の自由度が向上すると共に、腕を所望姿勢にさせることができる。この結果、ブラスト作業の作業性を向上させることができる。
【0018】
請求項2の発明は、上記蓋体が、上記腕挿通孔を形成して上記ケーシングに対し相対移動可能とされる蓋体本体と、この蓋体本体の外縁部と上記開口の開口縁部との間の空間を覆い、上記ケーシングに対する蓋体本体の相対移動に伴い変形可能な被覆体とを備えている。
【0019】
このため、上記蓋体の相対移動に伴い上記開口の一部を通してケーシングの内外が連通する、ということは、上記被覆体により防止される。よって、上記ケーシングの内部の研磨材が外部に飛散するなど不都合の発生が防止される。
【0020】
請求項3の発明は、上記ケーシングを構成する縦向きの正面板に上記開口を形成し、上記蓋体本体が上下に相対移動可能となるようこの蓋体本体の左右各外縁部を上記開口の左右各開口縁部に係合させ、上記被覆体を側面視で縦方向にジグザグ状に延びる蛇腹構造としている。
【0021】
このため、上記被覆体が構造簡単な蛇腹形状とされた分、サンドブラスト装置の構成を簡単にできる。
【0022】
また、上記したように被覆体は側面視で縦方向にジグザグ状に延びているため、ケーシングの内部側の被覆体の内面に研磨材が降り積もる、ということは防止される。よって、上記ケーシングの内部の保守、点検作業が容易にできる。また、上記蓋体の内面に研磨材が積層した場合には、上記蓋体の円滑な相対移動が阻害されるおそれ生じるが、これは未然に防止される。
【0023】
請求項4の発明は、上記蓋体の相対移動後に、この蓋体を上記ケーシングに対する所望位置に固定可能とする固定装置を設けている。
【0024】
このため、上記固定装置により、蓋体をケーシングに対し所望位置に固定させれば、上記腕挿通孔に挿通させたオペレータの腕に上記蓋体の負荷が与えられることは防止される。よって、この点でも、上記ブラスト作業の作業性が向上する。
【0025】
また、上記とは逆に、ケーシングに固定させた蓋体に対し上記腕の自重を担時させることができる。よって、上記ブラスト作業を軽快にすることができて、その作業性がより向上する。
【0026】
請求項5の発明は、上記蓋体本体を短尺のパイプ材で構成し、その内孔を上記腕挿通孔としている。
【0027】
このため、上記腕挿通孔に挿通させた腕と、上記腕挿通孔の開口縁部であるパイプ材の内周面との互いの接触面積が大きくなる。これにより、上記腕に対する蓋体側からの面圧を小さくできる。よって、上記ブラスト作業を軽快にすることができて、その作業性が更に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明のサンドブラスト装置に関し、ブラスト作業時に、ブラストノズルを把持するオペレータの腕の作動の自由度を向上させると共に、腕を所望姿勢にさせることができるようにして、ブラスト作業の作業性を向上させるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
【0029】
即ち、サンドブラスト装置は、ワークおよびこのワークに対し粒状研磨材を噴射するブラストノズルを、その内部に収容可能とするケーシングと、このケーシングの内部をその外部からオペレータにより視認可能とさせる視認窓と、上記ケーシングに形成され、このケーシングの外部からオペレータが上記ブラストノズルを把持できるようこのオペレータの腕をケーシングの内部に向けて挿通可能とさせる腕挿通孔とを備える。上記ケーシングに開口が形成されている。この開口を閉じると共に、上記ケーシングに対し相対移動可能な蓋体が設けられ、この蓋体に上記腕挿通孔が形成されている。
【実施例1】
【0030】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例1を添付の図1−4に従って説明する。
【0031】
図中符号1はサンドブラスト装置である。このサンドブラスト装置1は、サンドブラスト作業用の作業空間2を、その内部に有する直方体形状の板金製ケーシング3と、このケーシング3の下面に連設される倒立角錐形状のホッパー4と、これらケーシング3およびホッパー4を作業面5上に支持する架台6とを備えている。上記ホッパー4には、上記ブラスト作業に用いられた後の粒状研磨材(主にサンド砥流)が収容される。
【0032】
上記ケーシング3は、その縦向きの正面板9にドア開口10が形成され、このドア開口10を開閉可能に閉じるドア11が設けられている。このドア11は左右外縁部のうち、一方(右方)の外縁部が上記ケーシング3の側部にヒンジ12により枢支されている。そして、このヒンジ12を中心として上記ドア11の他方(左方)の外縁部側が前後に回動し、上記ドア開口10が開閉されるようになっている。また、このドア開口10を閉じたドア11を、ケーシング3に係脱可能に係止させる係合具13が設けられている。
【0033】
上記ケーシング3の左右側板15,16には、それぞれ縦方向に長いスリット17が形成されている。上記両側板15,16のスリット17のうち、一方(左方)の側板15のスリット17を通し、上記ケーシング3の内部(作業空間2)に、ガラス板であるワーク18が挿入可能とされている。そして、この挿入により、このワーク18は、上記ケーシング3の内部に収容可能とされている。また、他方(右方)の側板16の不図示のスリットを通し、上記ケーシング3の内部のワーク18が外部に取り出し可能とされている。
【0034】
上記ケーシング3の内部に収容され、一定姿勢に保持されたワーク18の表面に対し圧縮空気19と共に粒状研磨材20を噴射可能とするガンタイプのブラストノズル21が設けられている。また、このブラストノズル21の入口部にチューブ22を通し上記圧縮空気19と共にホッパー4内の研磨材20を供給するエアコンプレッサ23が設けられている。
【0035】
上記ケーシング3の正面板9の左右方向の中央部には、上記ケーシング3の内部をその外部からオペレータ25により視認可能とさせる縦長の視認窓26が設けられている。また、上記ケーシング3の正面板9には、上記視認窓26を左右から挟むように左右一対の腕挿通孔28が形成されている。これら各腕挿通孔28は、上記ケーシング3の外部からオペレータ25が上記ブラストノズル21を把持し、かつ、操作できるよう、このオペレータ25の腕25aをケーシング3の内部に向けて挿通可能とさせるものである。
【0036】
上記各腕挿通孔28からケーシング3の内部に向かって延出するゴム製の手袋30が設けられている。上記腕25aが上記腕挿通孔28に挿通されたとき、オペレータ25の手が上記手袋30に自動的に嵌入されて、装着されるようになっている。
【0037】
上記ケーシング3の正面板9には、上記視認窓26を左右から挟むように左右一対の縦長で長方形状の開口32が形成されている。この開口32の左右各開口縁部には、互いに対向し、かつ、互いに平行に延びる一対のガイド溝33が形成されている。
【0038】
上記開口32の一部分を閉じると共に、上記ケーシング3に対し上下方向で相対移動A可能な蓋体35が設けられている。この蓋体35は、上記腕挿通孔28を形成し、上記ケーシング3に対し相対移動A可能とされて剛性を有する蓋体本体36と、この蓋体本体36の外縁部と上記開口32の開口縁部37との間の空間38を覆う被覆体39とを備えている。
【0039】
上記蓋体本体36は、上下に相対移動A可能となるよう左右各外縁部が上記開口32の左右各ガイド溝33に係合(嵌入)された正面視矩形状の板金製基板41と、この基板41の中央部を貫通してこの基板41に固着される短尺の金属製円形パイプ材42とを備え、このパイプ材42の内孔が上記腕挿通孔28とされている。
【0040】
上記蓋体本体36は、上記開口32の長手方向(上下方向)の中途部に設けられている。このため、上記空間38は、上記蓋体本体36と上記開口32の上端部の開口縁部37との間と、上記蓋体本体36と上記開口32の下端部の開口縁部37との間とにそれぞれ形成されている、また、上記各空間38に対しそれぞれ被覆体39が個別に設けられている。
【0041】
上記被覆体39は、側面視(図3)で、縦方向にジグザグ状に延びる蛇腹構造とされ、上下方向で伸縮変形可能とされている。上記蓋体本体36よりも上方の空間38に対応する上側被覆体39の下端部は、上記蓋体本体36の基板41の上端部に締結具44により締結されている。また、上記上側被覆体39の上端部は、上記開口32の上端部の開口縁部37に他の締結具45により固着されている。上記上側被覆体39の左右各外縁部は、上記各ガイド溝33に対し、その長手方向で摺動可能となるようそれぞれ係合(嵌入)されている。また、上記蓋体本体36よりも下方の空間38に対応する下側被覆体39も、上記上側被覆体39と同様に構成されている。
【0042】
上記蓋体35の相対移動A後に、この蓋体35を上記ケーシング3に対する所望位置に固定可能とする固定装置47が設けられている。この固定装置47は、上下方向に延びる上記開口縁部37に等ピッチで形成される複数のボルト孔48と、これらボルト孔48のうちから任意に選択された一つのボルト孔48に挿通されて、上記蓋体35の蓋体本体36に固着されたナット49に螺合されるボルト50とを備えている。
【0043】
上記サンドブラスト装置1により、ブラスト作業をする場合には、まず、上記ケーシング3の内部にワーク18を収容し、このワーク18を所定姿勢に保持させる。次に、オペレータ25が上記ケーシング3の外部から、その腕25aを上記腕挿通孔28に挿通させて上記手袋30を介しケーシング3の内部に挿入する。そして、上記ブラストノズル21を把持して、このブラストノズル21により上記ワーク18の表面に対し圧縮空気19と共に粒状研磨材20を噴射させる。これにより、上記ワーク18の表面が研磨され、つまり、ブラスト作業が行われる。
【0044】
上記ブラスト作業時に、ワーク18を研磨した後の研磨材20は、上記ホッパー4内に戻され、再利用される。上記ブラスト作業が終了すれば、上記ドア11への操作によりドア開口10が開かれて、上記ケーシング3の内部の保守、点検が行われる。
【0045】
なお、図示しないが、上記ケーシング3の内部の空気を浮遊研磨材20と共に吸引して集塵する集塵装置が設けられている。上記ケーシング3の内部の吸引により、この内部は負圧に保たれる。このため、上記ブラスト作業時に、上記ケーシング3の内部から外部に研磨材20が飛散することは防止される。
【0046】
上記構成によれば、ケーシング3に開口32を形成し、この開口32を閉じると共に、上記ケーシング3に対し相対移動A可能な蓋体35を設け、この蓋体35に上記腕挿通孔28を形成している。
【0047】
ここで、ブラスト作業時には、オペレータ25はその腕25aを上記腕挿通孔28に挿通させることによりケーシング3の内部に挿入してブラストノズル21を把持し、上記ブラスト作業を行う。この場合、上記したように腕挿通孔28を形成した蓋体35は、上記ケーシング3に対し相対移動A可能である。
【0048】
このため、上記したブラストノズル21を把持するオペレータ25の腕25aは、上記蓋体35と共にケーシング3に対し相対移動A可能とされる。よって、ブラストノズル21を把持するオペレータ25の腕25aの作動の自由度が向上すると共に、腕25aを所望姿勢にさせることができる。この結果、ブラスト作業の作業性を向上させることができる。
【0049】
また、前記したように、蓋体35が、上記腕挿通孔28を形成して上記ケーシング3に対し相対移動A可能とされる蓋体本体36と、この蓋体本体36の外縁部と上記開口32の開口縁部37との間の空間38を覆い、上記ケーシング3に対する蓋体本体36の相対移動Aに伴い変形可能な被覆体39とを備えている。
【0050】
このため、上記蓋体35の相対移動Aに伴い上記開口32の一部を通してケーシング3の内外が連通する、ということは、上記被覆体39により防止される。よって、上記ケーシング3の内部の研磨材20が外部に飛散するなど不都合の発生が防止される。
【0051】
また、前記したように、ケーシング3を構成する縦向きの正面板9に上記開口32を形成し、上記蓋体本体36が上下に相対移動A可能となるようこの蓋体本体36の左右各外縁部を上記開口32の左右各開口縁部37に係合させ、上記被覆体39を側面視(図3)で縦方向にジグザグ状に延びる蛇腹構造としている。
【0052】
このため、上記被覆体39が構造簡単な蛇腹形状とされた分、サンドブラスト装置1の構成を簡単にできる。
【0053】
また、上記したように被覆体39は側面視(図3)で縦方向にジグザグ状に延びているため、ケーシング3の内部側の被覆体39の内面に研磨材20が降り積もる、ということは防止される。よって、上記ケーシング3の内部の保守、点検作業が容易にできる。また、上記蓋体35の内面に研磨材20が積層した場合には、上記蓋体35の円滑な相対移動Aが阻害されるおそれ生じるが、これは未然に防止される。
【0054】
また、前記したように、蓋体35の相対移動A後に、この蓋体35を上記ケーシング3に対する所望位置に固定可能とする固定装置47を設けている。
【0055】
このため、上記固定装置47により、蓋体35をケーシング3に対し所望位置に固定させれば、上記腕挿通孔28に挿通させたオペレータ25の腕25aに上記蓋体35の負荷が与えられることは防止される。よって、この点でも、上記ブラスト作業の作業性が向上する。
【0056】
また、上記とは逆に、ケーシング3に固定させた蓋体35に対し上記腕25aの自重を担時させることができる。よって、上記ブラスト作業を軽快にすることができて、その作業性がより向上する。
【0057】
また、前記したように、蓋体本体36を短尺のパイプ材42で構成し、その内孔を上記腕挿通孔28としている。
【0058】
このため、上記腕挿通孔28に挿通させた腕25aと、上記腕挿通孔28の開口縁部であるパイプ材42の内周面との互いの接触面積が大きくなる。これにより、上記腕25aに対する蓋体35側からの面圧を小さくできる。よって、上記ブラスト作業を軽快にすることができて、その作業性が更に向上する。
【0059】
なお、以上は図示の例によるが、上記視認窓26、開口32、および蓋体35は左右方向や斜めに長く延びるものであってもよい。また、上記蓋体35を全体的に剛性板で構成し、上記正面板9の表面もしくは裏面に面接触状に摺接させてもよい。また、上記被覆体39を弾性変形可能なゴム製シートとしてもよい。また、被覆体39を撓み変形可能な樹脂製シートとしてもよい。また、上記被覆体39を錐形筒形状の蛇腹構造としてもよい。また、上記開口32と蓋体35とをそれぞれ単一設け、この蓋体35に左右一対の腕挿通孔28を形成してもよい。
【0060】
以下の図5は、実施例2を示している。この実施例2は、前記実施例1と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら実施例における各部分の構成を、本発明の目的、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
【実施例2】
【0061】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例2を添付の図5に従って説明する。
【0062】
図5において、前記実施例1の蓋体本体36は、この実施例2では、次のように構成されている。
【0063】
即ち、上記蓋体本体36は、この蓋体本体36の外縁部を構成して左右方向に長く延びる矩形の枠体53と、この枠体53の長手方向に沿ってケーシング3に対し相対移動B可能となるよう上記枠体53に係合される他の蓋体本体54と、上記他の蓋体本体54の外縁部と上記枠体53の開口縁部との間の左右一対の他の空間55をそれぞれ覆う他の被覆体56とを備えている。そして、上記他の蓋体本体54に腕挿通孔28が形成されている。
【0064】
上記構成によれば、上記腕挿通孔28が形成された他の蓋体本体54は、少なくとも2次元的にあらゆる方向に相対移動A,B可能となる。よって、上記ブラスト作業の作業性が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施例1を示し、サンドブラスト装置の全体斜視図である。
【図2】実施例1を示し、左側の蓋体の正面部分破断図である。
【図3】実施例1を示し、図2で示したものの側面断面図である。
【図4】実施例1を示し、図2で示したものの平面断面図である。
【図5】実施例2を示し、図2に相当する図である。
【符号の説明】
【0066】
1 サンドブラスト装置
2 作業空間
3 ケーシング
9 正面板
18 ワーク
19 圧縮空気
20 研磨材
21 ブラストノズル
25 オペレータ
25a 腕
26 視認窓
28 腕挿通孔
32 開口
33 ガイド溝
35 蓋体
36 蓋体本体
37 開口縁部
38 空間
39 被覆体
41 基板
42 パイプ材
47 固定装置
A 相対移動
【出願人】 【識別番号】506413786
【氏名又は名称】藤▲崎▼ はつみ
【出願日】 平成18年12月13日(2006.12.13)
【代理人】 【識別番号】100084272
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 忠雄


【公開番号】 特開2008−142872(P2008−142872A)
【公開日】 平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願番号】 特願2006−335712(P2006−335712)