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【発明の名称】 サンドブラスト装置およびプラズマディスプレイパネルの製造方法
【発明者】 【氏名】石川 隆司

【要約】 【課題】サンドブラスト装置を停止させることなくフィルタに堆積した異物を除去することができるサンドブラスト装置を提供する。このようなサンドブラスト装置を用いたプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供する。

【解決手段】基板上に形成された積層体または基板自体をサンドブラスト加工により所定の形状に加工するサンドブラスト装置であって、サンドブラスト加工を実施するサンドブラスト加工部から排出される使用済みの切削材Kである排出材が供給される分離機である遠心分離機350と、分離機で排出材から分離される回収材から切削材Kを分離するフィルタ372と、フィルタ372により切削材Kと分離された異物Cを検知する異物検知手段382と、異物Cを排出する異物排出手段380と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された積層体または基板自体をサンドブラスト加工により所定の形状に加工するサンドブラスト装置であって、
前記サンドブラスト加工を実施するサンドブラスト加工部から排出される使用済みの切削材である排出材が供給される分離機と、
前記分離機で前記排出材から分離される回収材から前記切削材を分離するフィルタと、
前記フィルタにより前記切削材と分離された異物を検知する異物検知手段と、
前記異物を排出する異物排出手段と、を備えた
ことを特徴としたサンドブラスト装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサンドブラスト装置であって、
前記フィルタは、水平方向に対して傾斜して設けられ、
前記異物排出手段は、前記フィルタの下端部と連続し下り傾斜する傾斜部を備えた
ことを特徴としたサンドブラスト装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のサンドブラスト装置であって、
前記異物排出手段は、前記異物の排出時に振動する振動手段を備えた
ことを特徴としたサンドブラスト装置。
【請求項4】
請求項3に記載のサンドブラスト装置であって、
前記異物排出手段は、前記異物検知手段により前記異物が所定量以上になったと判断すると、前記振動手段により前記異物を排出させる
ことを特徴としたサンドブラスト装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のサンドブラスト装置であって、
前記異物排出手段は、前記異物排出手段を外部から遮断する開閉手段を備えた
ことを特徴としたサンドブラスト装置。
【請求項6】
請求項5に記載のサンドブラスト装置であって、
前記異物排出手段は、前記異物検知手段により前記異物が所定量以上になったと判断すると、前記開閉手段により前記異物排出手段を外部と連通させ、前記異物を排出させる
ことを特徴としたサンドブラスト装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のサンドブラスト装置であって、
前記異物排出手段の外部が負圧となるよう構成された
ことを特徴としたサンドブラスト装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のサンドブラスト装置であって、
前記異物検知手段は、静電容量センサである
ことを特徴としたサンドブラスト装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のサンドブラスト装置であって、
前記分離機は、遠心分離機である
ことを特徴としたサンドブラスト装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のサンドブラスト装置を、表示セルに区画する隔壁を有するプラズマディスプレイパネルの前記隔壁を形成する隔壁形成工程に用いる
ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に形成された積層体または基板自体をサンドブラスト加工により所定
の形状に加工するサンドブラスト装置、および、プラズマディスプレイパネルの製造方法
に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスプレイパネルとして、例えば、プラズマディスプレイパネルや液晶表示パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル、FED(Field Emission Display)、電気泳動ディスプレイパネルなどがある。
これらディスプレイパネルは、表示面を構成する前面基板、および、この背面側に設けられた背面基板を備えており、これら基板上には発光領域を構成する様々な構造物が適宜設けられている。このような構造物としては、例えば、プラズマディスプレイパネルにおいては、発光領域を複数の単位発光領域に区画する隔壁や、各単位発光領域において放電発光させるためのアドレス電極およびバス電極等、これら電極等を被覆する誘電体層等が挙げられる。
ここで、プラズマディスプレイパネルの背面板となる基板上に隔壁を形成する際に用いられるサンドブラスト装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図1は、一般的なサンドブラスト装置の概略構成を示す模式図である。
一般的なサンドブラスト装置100は、図1に示すように、プラズマディスプレイパネルの背面板となる基板Pに設けられた図示しない積層体としてのガラスペーストをサンドブラスト加工することにより図示しない隔壁を形成する。そして、このサンドブラスト装置100は、サンドブラスト加工を実施するサンドブラスト加工部200と、このサンドブラスト加工部200にサンドブラスト加工に用いられる切削材Kを供給する切削材供給部300と、などを備えている。
【0004】
サンドブラスト加工部200は、サンドブラスト加工が実施されるブラストキャビネット210と、このブラストキャビネット210内で基板Pを所定方向に搬送する基板搬送手段220と、この基板搬送手段220にて搬送される基板Pに向けて切削材Kを噴射するサンドブラスト手段としてのブラストガン230と、などを備えている。ブラストキャビネット210は、サンドブラスト加工に用いられた切削材Kや、サンドブラスト加工による図示しない加工屑などを切削材供給部300に排出するキャビネット排出口211を備えている。ブラストガン230は、基板Pの搬送方向と略直交する方向に移動しながら切削材供給部300から供給される切削材Kを噴射する。
【0005】
切削材供給部300は、ブラストガン230に所定量の切削材Kを供給する定量供給装置310と、切削材Kを保管するとともにこの保管された切削材Kを定量供給装置310に供給する切削材タンク360と、サンドブラスト加工部200から排出される切削材Kや所定の大きさ以下の加工屑などを通過させる分離フィルタ320と、この分離フィルタ320に切削材Kを適宜供給する材料供給タンク330と、再利用不可能な切削材Kや加工屑などを回収する集塵機340と、再利用可能な切削材Kを切削材タンク360に供給し再利用不可能な切削材Kや加工屑などを集塵機340に排出する遠心分離機350と、などを備えている。
【0006】
ところで、図1に示すような構成のサンドブラスト装置100において、例えば、分離フィルタ320以降の配管中で異物が形成されることがある。そして、このような異物が切削材Kに混入し、その比重が重い場合、遠心分離機350で除去することができない。遠心分離機350で分離されず、切削材タンク360内の切削材Kに混入した異物は、定量供給装置310によってブラストガン230に供給される。ここで、例えば、異物によってブラストガン230が破損したり、ブラストガン230から切削材Kと共に異物が噴射され、良好な隔壁形成に支障を生じるという問題が一例として挙げられる。
【0007】
このような問題を解消するため、従来のサンドブラスト装置100においては、例えば、図1および図2に示すように、遠心分離機350と切削材タンク360との間に、異物分離手段370が設けられる。
図2は、サンドブラスト装置100の異物分離手段370の断面図である。
図2(A)に示すように、異物分離手段370は、遠心分離機350の下端に設けられた開口部と切削材タンク360の上面に設けられた開口部とを連通させる筒状のホルダ371と、ホルダ371内に水平方向に対して傾斜して設けられ切削材Kと異物Cとを分離するフィルタ372と、を備える。
ホルダ371の側面には、フィルタ372の下端部と連続した開口部371Aが設けられ、この開口部371Aは蓋373により閉鎖されている。
遠心分離機350から流下された切削材Kは、フィルタ372を通過し、切削材タンク360内に堆積される。一方、遠心分離機350から流下された異物Cは、フィルタ372を透過することができず、フィルタ372上に堆積される。よって、切削材タンク360内の切削材Kに異物が混入することを防止することができる。
【0008】
ここで、フィルタ372上に異物Cが堆積されていくと、次第にフィルタ372が詰まって、切削材Kもまたフィルタ372を通過できなくなる。すると、切削材タンク360への切削材Kの供給量が減少する一方、切削材タンク360中の切削材Kは通常と同じように定量供給装置310に供給されるので、切削材タンク360に保管された切削材Kの量は減少していく。
このため、異物Cによってフィルタ372が詰まる前に、定期的に異物Cを開口部371Aを介して除去する必要がある。そこで、フィルタ372への異物Cの堆積を検知することが必要となるが、図1に白抜き矢印Aで示す遠心分離機350から定量供給装置310までの切削材Kの移動は、切削材Kの自重による落下によるので、フィルタ372には負圧も静圧も掛かっておらず、フィルタ372上の異物Cを通常の検知手段により検知することができない。
このような問題を解消するため、従来は、例えば、図2に示すように、切削材タンク360側面の所定の高さ位置に設けられ、その高さ位置における切削材Kの有無を検知するセンサ361により、切削材タンク360中の切削材Kの減少、すなわちフィルタ372への異物Cの堆積を検知していた。
【0009】
【特許文献1】特開2005−193355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、従来のサンドブラスト装置100においては、フィルタ372に堆積した異物Cを開口部371Aを介して除去するにあたって、作業の安全性のためサンドブラスト装置100全体を停止させる必要があり、生産効率が低下するという問題が一例として挙げられる。
【0011】
本発明は、このような点に鑑みて、サンドブラスト装置を停止させることなくフィルタに堆積した異物を除去することができるサンドブラスト装置を提供することを1つの目的とする。また、このようなサンドブラスト装置を用いたプラズマディスプレイパネルの製造方法を提供することを1つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明は、基板上に形成された積層体または基板自体をサンドブラスト加工により所定の形状に加工するサンドブラスト装置であって、前記サンドブラスト加工を実施するサンドブラスト加工部から排出される使用済みの切削材である排出材が供給される分離機と、前記分離機で前記排出材から分離される回収材から前記切削材を分離するフィルタと、前記フィルタにより前記切削材と分離された異物を検知する異物検知手段と、前記異物を排出する異物排出手段と、を備えたことを特徴としたサンドブラスト装置である。
【0013】
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のサンドブラスト装置を、表示セルに区画する隔壁を有するプラズマディスプレイパネルの前記隔壁を形成する隔壁形成工程に用いることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態では、サンドブラスト加工にてプラズマディスプレイパネルの背面板となる基板に隔壁を形成するサンドブラスト装置を例示して説明するがこれに限られない。
【0015】
[サンドブラスト装置の構成]
まず、実施の形態のサンドブラスト装置の構成について、図面に基づいて説明する。図3は、実施の形態に係るサンドブラスト装置の概略構成を示す模式図である。
図3において、100はサンドブラスト装置である。このサンドブラスト装置100は、プラズマディスプレイパネルの背面板となる基板Pに形成された図示しない積層体としてのガラスペーストをサンドブラスト加工することにより図示しない隔壁を形成する。すなわち、サンドブラスト装置100は、表示セルに区画する隔壁を有するプラズマディスプレイパネルの隔壁を形成する隔壁形成工程に用いられる。
このサンドブラスト装置100は、サンドブラスト加工を実施するサンドブラスト加工部200と、このサンドブラスト加工部200にサンドブラスト加工に用いられる切削材Kを供給する切削材供給部300と、などを備えている。
【0016】
サンドブラスト加工部200は、サンドブラスト加工が実施されるブラストキャビネット210と、このブラストキャビネット210内で基板Pを所定方向に搬送する基板搬送手段220と、この基板搬送手段220にて搬送される基板Pに向けて切削材Kを噴射するサンドブラスト手段としてのブラストガン230と、などを備えている。ブラストキャビネット210は、サンドブラスト加工に用いられた切削材Kや、サンドブラスト加工による図示しない加工屑などを切削材供給部300に排出するキャビネット排出口211を備えている。ブラストガン230は、基板Pの搬送方向と略直交する方向に移動しながら切削材供給部300から供給される切削材Kを噴射する。
【0017】
切削材供給部300は、ブラストガン230に所定量の切削材Kを供給する定量供給装置310と、切削材Kを保管するとともにこの保管された切削材Kを定量供給装置310に供給する切削材タンク360と、サンドブラスト加工部200から排出される切削材Kや所定の大きさ以下の加工屑などを通過させる分離フィルタ320と、この分離フィルタ320に切削材Kを適宜供給する材料供給タンク330と、再利用不可能な切削材Kや加工屑などを回収する集塵機340と、再利用可能な切削材Kを切削材タンク360に供給し再利用不可能な切削材Kや加工屑などを集塵機340に排出する遠心分離機350と、などを備えている。
すなわち、サンドブラスト装置100は、サンドブラスト加工を実施するサンドブラスト加工部200から排出される使用済みの切削材Kである排出材が供給される分離機である遠心分離機350を備えている。
【0018】
また、サンドブラスト装置100は、遠心分離機350と切削材タンク360との間に異物分離手段370を備え、この異物分離手段370の側面に異物排出手段380を備える。
図4は、サンドブラスト装置100の異物分離手段370近傍の断面図である。
図4に示すように、異物分離手段370は、遠心分離機350の下端に設けられた開口部と切削材タンク360の上面に設けられた開口部とを連通させる筒状のホルダ371と、ホルダ371内に水平方向に対して傾斜して設けられ、遠心分離機350で排出材から分離され流下される回収材から切削材Kを分離するフィルタ372と、を備える。
ホルダ371は、その側面に、フィルタ372の下端部と連続した略円形の開口部371Aを有する。
【0019】
異物排出手段380は、ホルダ371の開口部371Aに連接して設けられた配管381と、フィルタ372により切削材Kと分離された異物Cを検知する異物検知手段382と、異物排出手段380を外部から遮断する開閉手段383と、を備える。
配管381は、フィルタ372の下端部と連続した下り傾斜を有する傾斜部を構成する。配管381のホルダ371と逆側の端部には、開閉手段383が設けられ、配管381上部の開閉手段383寄りには、異物検知手段382が設けられている。
異物検知手段382は、配管381内の異物検知手段382が設けられた位置における、異物Cの存在を検知する静電容量センサである。
【0020】
開閉手段383は、異物排出手段380の配管381のホルダ371と逆側の端部に設けられ、配管381(すなわち異物排出手段380)を外部から遮断するバタフライバルブである。
なお、ここで言う「外部」とは、異物排出手段380の配管381内の空間および配管381に連通するホルダ371内の空間に対する外部であり、必ずしもサンドブラスト装置100の外部である必要はない。
開閉手段383であるバタフライバルブの一端は、配管381に、他端は、配管301に接続されている。したがって、本実施の形態における「外部」とは、配管301内の空間を示す。
【0021】
ここで、配管301は、図3に示すように、ブラストキャビネット210のキャビネット排出口211と分離フィルタ320とを結ぶ配管302に接続されている。よって、配管301は、配管302,303,304および分離フィルタ320、遠心分離機350を介して集塵機340に連通している。集塵機340は、黒矢印Bに示すように、各配管301,302,303,304内の空気を吸引している。一方、図1に白抜き矢印Aで示す遠心分離機350から定量供給装置310までの経路には負圧も静圧も掛かっていない。このため、開閉手段383で遮断された、配管381内の空気と配管301内の空気との間には圧力差が生じており、「外部」である配管301内の空気が負圧となっている。
【0022】
また、異物排出手段380は、図4に示すように、切削材タンク360上面のホルダ371を挟んで配管381と反対側に、振動手段384であるバイブレータを備える。
振動手段384であるバイブレータは、異物の排出時に、切削材タンク360およびホルダ371を介してフィルタ372を振動させる。
切削材タンク360側面の所定の高さ位置には、その高さ位置における切削材Kの有無を検知するセンサ361が設けられている。センサ361は、例えば、上述の異物検知手段382と同様の静電容量センサである。
【0023】
[異物排出手段の動作]
次に、異物排出手段380の動作について、図面に基づいて説明する。
図4および図5は、サンドブラスト装置100の異物分離手段370近傍の断面図である。すでにサンドブラスト装置100の説明において言及した図4は、開閉手段383であるバタフライバルブの弁383Aが閉じた状態を示す。一方、図5は、弁383Aが開いた状態を示す。
【0024】
サンドブラスト装置100の運転を開始した当初は、図4に示すように、開閉手段383であるバタフライバルブの弁383Aは閉じられている。
サンドブラスト装置100の運転を開始すると、サンドブラスト加工部200から使用済みの切削材Kである排出材が排出され、遠心分離機350に供給される。遠心分離機350は、排出材に含まれる再利用不可能な切削材Kや加工屑などを集塵機340に排出し、その他の回収材を、異物分離手段370に流下する。
遠心分離機350から流下された回収材に含まれる切削材Kは、フィルタ372を通過し、切削材タンク360内に堆積される。一方、遠心分離機350から流下された異物Cは、フィルタ372を透過することができず、フィルタ372上に堆積される。すなわち、フィルタ372よって異物Cが切削材Kと分離される。
【0025】
ここで、フィルタ372上に異物Cが堆積されていくが、フィルタ372が傾斜しており、フィルタ372の下端部と連続した下り傾斜を有する配管381が設けられていることにより、多量に堆積した異物Cは自重により傾斜部を構成する配管381内を落下し、配管381内の開閉手段383側の端部に堆積される。
このようにして堆積された異物Cが、配管381内の異物検知手段382が設けられた位置に達すると、異物検知手段382である静電容量センサが、静電容量の変化、すなわち異物Cの存在を検知して、異物Cが所定量以上になったと判断する。
【0026】
この判断を受けて、異物排出手段380は、開閉手段383であるバタフライバルブの弁383Aを操作して配管381(すなわち異物排出手段380)を配管301(すなわち外部)と連通させるとともに、振動手段384であるバイブレータによりフィルタ372を振動させて、フィルタ372および配管381内に堆積された異物Cを配管301内に排出する。所定時間の後、開閉手段383であるバタフライバルブの弁383Aは閉じられ、振動手段384であるバイブレータは停止される。
なお、配管301内に排出された異物Cは、分離フィルタ320により除去される。
【0027】
[実施の形態の作用効果]
上記実施の形態では、例えば、以下に示す作用効果を奏することができる。
【0028】
(1)サンドブラスト装置100が、サンドブラスト加工を実施するサンドブラスト加工部200から排出される使用済みの切削材Kである排出材が供給される分離機である遠心分離機350と、分離機で排出材から分離される回収材から切削材Kを分離するフィルタ372と、フィルタ372により切削材Kと分離された異物Cを検知する異物検知手段382と、異物Cを排出する異物排出手段380と、を備えるので、切削材タンク側面に設けられたセンサによって、間接的にフィルタへの異物の堆積を検知する従来のサンドブラスト装置と異なり、異物検知手段382によってフィルタ372が詰まる前に異物Cの堆積を検出することができる。
【0029】
従来のサンドブラスト装置において、間接的にフィルタへの異物Cの堆積が検知されたときには、すでにフィルタには異物が詰まっており、早急に異物を除去する必要があった。何らかの理由により異物の除去が行われないと切削材タンク内の切削材がなくなり、サンドブラスト装置が停止する等の問題が発生していた。
本実施の形態のサンドブラスト装置100では、異物検知手段382によってフィルタ372が詰まる前に異物Cの堆積を検出することができるので、作業者が早めに異物C除去の必要を認識することができ、上述のような問題が発生しにくい。
【0030】
(2)フィルタ372は、水平方向に対して傾斜して設けられ、異物排出手段380は、フィルタ372の下端部と連続し下り傾斜する傾斜部を構成する配管381を備えるので、フィルタ372上に多量に堆積した異物Cは自重により配管381内を落下する。したがって、異物Cによるフィルタ372の詰まりが発生しにくい。
(3)異物排出手段380は、異物Cの排出時に振動する振動手段384であるバイブレータを備えるので、切削材タンク360およびホルダ371を介してフィルタ372を振動させてフィルタ372上に堆積した異物を配管381に振り落とすことができ、異物Cを確実に排出することができる。
(4)異物排出手段380は、異物検知手段382により異物Cが所定量以上になったと判断すると、振動手段384により異物Cを排出させるので、異物Cを自動的に排出させ、異物Cによるフィルタ372の詰まりを防止することができる。これにより、作業者が常時異物検知手段382を監視する必要がなくなる。
【0031】
(5)異物排出手段380は、配管381(すなわち異物排出手段380)を配管301(すなわち外部)から遮断する開閉手段383であるバタフライバルブを備えるので、開閉手段383の閉鎖時には、フィルタ372上から落下した異物Cを配管381内に堆積させることができ、開放時には、配管381内に堆積した異物Cを配管301内に排出することができる。
フィルタ上の異物を直接除去する従来の異物除去方法では、回収材が外部に漏れることを防止し、作業の安全性を確保するため、サンドブラスト装置全体を停止させる必要があった。
しかし、本実施の形態のサンドブラスト装置100では、フィルタ372上の異物Cではなく、異物排出手段380の配管381内に堆積した異物Cを除去すればよいので、サンドブラスト装置100が動作中に異物Cの除去作業を行っても、回収材が外部に漏れる可能性は低い。
したがって、本実施の形態のサンドブラスト装置100は、サンドブラスト装置100を停止させることなくフィルタ372に堆積した異物Cを除去することができる。
【0032】
(6)異物排出手段380は、異物検知手段382により異物Cが所定量以上になったと判断すると、開閉手段383により配管381(すなわち異物排出手段380)を配管301(すなわち外部)と連通させ、異物Cを排出させるので、配管381内に堆積された異物Cを自動的に排出させることができ、異物Cによるフィルタ372の詰まりをより確実に防止することができる。これにより、作業者が異物検知手段382を監視する必要がなくなる。
(7)異物排出手段380の外部である配管301が負圧となるよう構成されているので、開閉手段383であるバタフライバルブの開放により、フィルタ372および配管381内に堆積された異物Cを吸引することができ、より確実に異物Cを除去することができる。
【0033】
(8)異物検知手段382は、静電容量センサであるので、配管381内への異物Cの堆積を、静電容量の変化により適切に検出することができる。また、静電容量センサの感度を適宜調節して、静電容量センサの前を通過するだけの異物Cには反応しないように設定したり、配管381の静電容量センサの設けられた位置に多少の異物Cが存在しても検出信号を出力せず、配管381の静電容量センサの設けられた位置が異物Cで埋もれる程度になった場合に検出信号を出力するように設定することもできる。
(9)サンドブラスト装置100の分離機は、遠心分離機350であるので、再利用不可能な切削材Kや加工屑などを排出材から適切に除去することができる。また、配管381内の空気と配管301内の空気との間に圧力差を発生させることができる。
【0034】
(10)本実施の形態のサンドブラスト装置100を、表示セルに区画する隔壁を有するプラズマディスプレイパネルの隔壁を形成する隔壁形成工程に用いるので、サンドブラスト装置100全体を停止させることなくフィルタ372に堆積した異物Cを除去することができ、隔壁形成工程を効率的に実施することができる。
(11)異物排出手段380に対する外部である配管301が、ブラストキャビネット210のキャビネット排出口211と分離フィルタ320とを結ぶ配管302に接続され、集塵機340が、各配管301,302,303,304内の空気を吸引しているので、異物排出手段380に対する外部を負圧にするための手段を別途設ける必要がない。
しかも、配管301内に排出された異物Cは、分離フィルタ320により除去されるので、作業者が排出した異物Cを処理する必要がない。
したがって、異物Cの排出を完全に自動化することができる。
【0035】
(12)切削材タンク360側面の所定の高さ位置に、その高さ位置における切削材Kの有無を検知するセンサ361が設けられているので、なんらかの原因によりフィルタ372上の異物が除去されず、フィルタ372が詰まった場合にも、切削材タンク360内の切削材Kの減少により、そのことを検知することができる。これにより、サンドブラスト装置100の停止等の問題の発生を防止することができる。
【0036】
[実施の形態の変形]
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0037】
上述の実施の形態において、異物排出手段380の開閉手段383に接続された配管301が、ブラストキャビネット210のキャビネット排出口211と分離フィルタ320とを結ぶ配管302に接続される構成を例示したが、これに限定されない。
例えば、配管301が設けられておらず、開閉手段383の配管381と逆側の端部に、異物Cを回収する適宜の回収手段を備えた吸引ポンプ等を接続し、その吸引力により異物Cを除去する構成としてもよい。このような場合でも、上述の実施の形態と同様の優れた作用効果を得ることができる。
また、例えば、吸引ポンプ等を設けることもなく、異物Cの回収手段を直接、開閉手段383の配管381と逆側の端部に接続し、自重によって落下した異物Cを回収する構成としてもよい。このような場合、異物Cが吸引されないため、除去の確実性が多少劣るものの、本発明の効果を達成することに大きな支障はなく、上述の実施の形態と同様の優れた作用効果を得ることができる。
【0038】
また、上述の実施の形態において、振動手段384であるバイブレータが、切削材タンク360上面のホルダ371を挟んで配管381と反対側に設けられる構成を例示したが、これに限定されない。
振動手段384は、フィルタ372を振動させることができるものであればよく、例えば、ホルダ371の側面または内側面、フィルタ372の上面または下面等に設けられてもよい。
このような場合でも、上述の実施の形態と同様に、フィルタ372を振動させてフィルタ372上に堆積した異物を配管381に振り落とすことができ、異物Cを確実に排出することができる。しかも、このような場合、切削材タンク360を介さず、より直接的にフィルタ372を振動させることができるので、振動手段384により発生する振動が小さくても、フィルタ372上に堆積した異物を配管381に振り落とすことができる。これにより、例えば、装置サイズや消費電力の小さい振動手段384を適用することができ、装置の省スペース化や省電力化等を図ることができる。
なお、振動手段384は、振動を発生させることができるものであればよく、上述の実施の形態において例示したバイブレータに限定されない。例えば、振動手段384は、ノッカ等であってもよく、この場合でも、上述の実施の形態と同様の優れた作用効果を得ることができる。
【0039】
さらに、上述の実施の形態において、異物排出手段380の開閉手段383として、バタフライバルブを例示したが、これに限定されない。
開閉手段383は、その開閉により異物排出手段380と外部とを連通および遮断できるものであればよく、例えば、開閉手段383は、ボールバルブ等であってもよい。
このような場合でも、開閉手段383の閉鎖時には、フィルタ372上から落下した異物Cを配管381内に堆積させることができ、開放時には、配管381内に堆積した異物Cを配管301内に排出することができる。したがって、上述の実施の形態と同様の優れた作用効果を得ることができる。
【0040】
上述の実施の形態において、異物検知手段382として、静電容量センサを例示したが、これに限定されない。
異物検知手段382は、異物排出手段380の配管381内に堆積された異物Cの存在を検知できるものであればよく、例えば、異物検知手段382は、堆積した異物Cの重量を検知する圧力センサや、レーザーの照射および受光により異物Cの存在を検知するレーザーセンサ等であってもよい。
このような場合でも、堆積された異物Cが、配管381内の異物検知手段382が設けられた位置に達すると、異物検知手段382が、異物Cの存在を検知して、異物Cが所定量以上になったと判断することができる。したがって、上述の実施の形態と同様の優れた作用効果を得ることができる。
【0041】
[実施形態の作用効果]
上記実施の形態では、サンドブラスト装置100が、サンドブラスト加工を実施するサンドブラスト加工部200から排出される使用済みの切削材Kである排出材が供給される分離機である遠心分離機350と、分離機で排出材から分離される回収材から切削材Kを分離するフィルタ372と、フィルタ372により切削材Kと分離された異物Cを検知する異物検知手段382と、異物Cを排出する異物排出手段380と、を備えるので、切削材タンク側面に設けられたセンサによって、間接的にフィルタへの異物の堆積を検知する従来のサンドブラスト装置と異なり、異物検知手段382によってフィルタ372が詰まる前に異物Cの堆積を検出することができる。
サンドブラスト装置100においては、フィルタ372上の異物Cではなく、異物排出手段380の配管381内に堆積した異物Cを除去すればよいので、サンドブラスト装置100が動作中に異物Cの除去作業を行っても、回収材が外部に漏れる可能性が低い。 したがって、本実施の形態のサンドブラスト装置100は、サンドブラスト装置100を停止させることなくフィルタ372に堆積した異物Cを除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】一般的なサンドブラスト装置の概略構成を示す模式図。
【図2】一般的なサンドブラスト装置の異物分離手段の断面図。
【図3】本発明の実施の形態に係るサンドブラスト装置の概略構成を示す模式図。
【図4】本発明の実施の形態に係るサンドブラスト装置の異物排出手段近傍の断面図。
【図5】本発明の実施の形態に係るサンドブラスト装置の異物排出手段近傍の断面図。
【符号の説明】
【0043】
100 サンドブラスト装置
200 サンドブラスト加工部
350 遠心分離機
372 フィルタ
380 異物排出手段
381 配管(傾斜部)
382 異物検知手段
383 開閉手段
384 振動手段
C 異物
K 切削材
P 基板
【出願人】 【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
【出願日】 平成18年12月6日(2006.12.6)
【代理人】 【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所

【識別番号】100079083
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 實三

【識別番号】100094075
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 寛二

【識別番号】100106390
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 剛


【公開番号】 特開2008−142804(P2008−142804A)
【公開日】 平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願番号】 特願2006−329881(P2006−329881)