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【発明の名称】 ショットブラスト装置
【発明者】 【氏名】萩原 春男

【氏名】楯岡 康夫

【要約】 【課題】前部ローラーが上下移動可能に設けられた所謂エプロン式ショットブラスト装置において、前部ローラーが下位置にある被研掃部品の排出時に、被研掃部品を被研掃部品載置部からの排出する際に、サイドドラムと離反した無端ベルトの幅方向からの被研掃部品の落下を防止することを目的とする。

【解決手段】少なくとも駆動ローラー、テンションローラー及び前部ローラーを備えた複数本のローラー間に張架されて回転走行する無端ベルトと、該無端ベルトと所定の周長で当接しつつ回転するように設けられて無端ベルト上に被研掃部品載置部を形成する一対のサイドドラムとを備えた所謂エプロン式ショットブラスト装置であって、前記サイドドラム下方に設けられて無端ベルトを載置するとともに、前記前部ローラーと、可動可能な連結アームにより連結される補助ローラーを設け、前記連結アームに前記前部ローラーおよび前記補助ローラーの両側に対向させてガイド板を設けたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも駆動ローラー、テンションローラー及び前部ローラーを備えた複数本のローラー間に張架されて回転走行する無端ベルトと、該無端ベルトと所定の周長で当接しつつ回転するように設けられて無端ベルト上に、駆動ローラーと前部ローラーとの間に被研掃部品載置部を形成する一対のサイドドラムとを備え、前記被研掃部品載置部に投入された被研掃部品を正転方向に回転走行する無端ベルトによって撹拌しつつ研掃するとともに、該無端ベルトを逆転方向に回転させ、研掃された被研掃部品を、前部ローラーに張架された無端ベルトの前縁部側より排出可能に構成されたショットブラスト装置であって、
(a)前記前部ローラーは、上位置と下位置とに上下移動可能に設けられ、上位置では無端ベルトとサイドドラムとの当接開始地点が攪拌される被研掃部品の落下地点よりも上方となる位置に無端ベルトの前縁部を持ち上げ、下位置では無端ベルトの前記前縁部を降下させるように構成され、
(b)前記サイドドラム下方に設けられて無端ベルトを載置するとともに、前記前部ローラーと、可動可能な連結アームにより連結される補助ローラーを備えており、
(c)前記連結アームには、前記前部ローラーおよび前記補助ローラーの両側に対向させてガイド板が設けられている、
ことを特徴とするショットブラスト装置。
【請求項2】
前記ガイド板は、ガイド板取り付け部材を介して連結アームに設けられ、前部ローラーの上下移動に追従して移動することを特徴とする請求項1記載のショットブラスト装置、
【請求項3】
無端ベルト上には前記被研掃部品載置部側に、無端ベルトの走行方向と交叉する方向に延びる複数本の凸条突起が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のショットブラスト装置。
【請求項4】
前記凸条突起は、その横断面形状が、回転走行する無端ベルトの正転方向に対し前方側がスロープ状に傾斜しており、後方側がより急峻なスロープ状または無端ベルト面に対して垂直に形成されていることを特徴とする請求項3記載のショットブラスト装置。
【請求項5】
前記前部ローラーと前記テンションローラーとの間であって、前記補助ローラーと対向する位置に、無端ベルトを挟んで補助テンションローラーが、走行する無端ベルトと当接するように設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のショットブラスト装置。
【請求項6】
前記補助テンションローラーは、無端ベルトと接触する大径の両端部と、無端ベルトに設けられた前記凸条突起と接触しない小径の中間部とを備えていることを特徴とする請求項5記載のショットブラスト装置。
【請求項7】
前記駆動ローラー、テンションローラーまたは前部ローラーの少なくともいずれかには、その外周面に溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のショットブラスト装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、小物製品や薄物製品などの被研掃部品の研掃に適用されるショットブラスト装置であって、いわゆるエプロン式ショットブラスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも駆動ローラー、テンションローラー及び前部ローラーを備えた複数本のローラー間に張架されて回転走行する無端ベルトと、無端ベルトと所定の周長で当接しつつ回転するように設けられて無端ベルト上に被研掃部品載置部を形成する一対のサイドドラムとを備え、前記被研掃部品載置部に投入された被研掃部品を正転方向に回転走行する無端ベルトによって撹拌しつつ研掃するとともに、研掃された被研掃部品を、無端ベルトを逆転方向に回転させ、無端ベルトの前縁部側より排出可能に構成されたエプロン式ショットブラスト装置は従来から広く知られている。
【0003】
例えば、研掃キャビネットの内部に、研掃キャビネットの両側壁に配置された側板と該側板と渡し板とで構成されるフレームの空間に側板に支軸を介して対向配置させた回転板と、該回転板を包囲する位置に3本のローラーを回転自在に設け、このローラー間に無端ベルトを張架し、無端ベルトと2枚の回転板で構成される被研掃物受入部を、前記フレームとともに回転させて被研掃物受入部から被研掃物の排出を完全にするようにした装置が提案された(特許文献1)。しかしながら、この装置はフレーム全体を回転させるもので装置が大がかりになる。
【0004】
上記特許文献1記載の装置を改善するものとして、サイドドラムが連結軸により相互に連結されるとともに駆動プーリーを中心に回動可能に設け、テンションプーリーが移動可能に設けられ、テンションプーリーが上方に回動移動することにより被研掃物受入部を形成し、他方テンションプーリーが下方に回動移動することにより、サイドドラムと無端ベルトの接地点が前部プーリーより上方に位置し被研掃物受入部から被研掃物を排出するようにした装置が提案された(特許文献2)。この装置ではサイドドラムと無端ベルトとが接地した状態で、テンションローラーを回動移動させて無端ベルトの位置を変化させるもので相当の荷重がかかった状態で無端ベルトの位置を移動させるので無端ベルトの損傷が起こり易い。
【0005】
本出願人は、無端ベルトとサイドドラムとの当接開始地点が無端ベルトの回転に伴って落下する被研掃部品の落下地点よりも上方に位置するように前部ローラーを配設するとともに、前部ローラーを上下移動可能に設け、被研掃部品排出時に前部ローラーを下位に移動させるように構成したエプロン式ショットブラスト装置を提案した(特許文献3)。
【0006】
【特許文献1】特開平6−769号公報
【特許文献2】特開平9−29643号公報
【特許文献3】特公平4−60788号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記、特許文献3に記載の装置において、研掃後、前部ローラーを下位置に移動させ、無端ベルトを逆回転させて被研掃部品を被研掃部品載置部から排出する際に、サイドドラムと離反した無端ベルトの幅方向に被研掃部品が漏れ落下することがあり、被研掃部品の排出、回収作業に手間がかかり、速やかな排出を妨げており、速やかな排出が行い得るようにすることが求められている。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑み為されたもので、前部ローラーが下位置にある被研掃部品の排出時において、被研掃部品を被研掃部品載置部から排出する際に、サイドドラムと離反した無端ベルトの幅方向に被研掃部品の落下を防止するようにしたエプロン式ショットブラスト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明は、
(1)少なくとも駆動ローラー、テンションローラー及び前部ローラーを備えた複数本のローラー間に張架されて回転走行する無端ベルトと、該無端ベルトと所定の周長で当接しつつ回転するように設けられて無端ベルト上に、駆動ローラーと前部ローラーとの間に被研掃部品載置部を形成する一対のサイドドラムとを備え、前記被研掃部品載置部に投入された被研掃部品を正転方向に回転走行する無端ベルトによって撹拌しつつ研掃するとともに、該無端ベルトを逆転方向に回転させ、研掃された被研掃部品を、前部ローラーに張架された無端ベルトの前縁部側より排出可能に構成されたショットブラスト装置であって、
(a)前記前部ローラーは、上位置と下位置とに上下移動可能に設けられ、上位置では無端ベルトとサイドドラムとの当接開始地点が攪拌される被研掃部品の落下地点よりも上方となる位置に無端ベルトの前縁部を持ち上げ、下位置では無端ベルトの前記前縁部を降下させるように構成され、
(b)前記サイドドラム下方に設けられて無端ベルトを載置するとともに、前記前部ローラーと、可動可能な連結アームにより連結される補助ローラーを備えており、
(c)前記連結アームには、前記前部ローラーおよび前記補助ローラーの両側に対向させてガイド板が設けられている、
ことを特徴とするショットブラスト装置であり、
【0010】
(2)前記ガイド板は、ガイド板取り付け部材を介して連結アームに設けられ、前部ローラーの上下移動に追従して移動することを特徴とする前記(1)記載のショットブラスト装置、
【0011】
(3)無端ベルト上には前記被研掃部品載置部側に、無端ベルトの走行方向と交叉する方向に延びる複数本の凸条突起が設けられていることを特徴とする前記(1)または(2)記載のショットブラスト装置、
【0012】
(4)前記凸条突起は、その横断面形状が、回転走行する無端ベルトの正転方向に対し前方側がスロープ状に傾斜しており、後方側がより急峻なスロープ状または無端ベルト面に対して垂直に形成されていることを特徴とする前記(3)記載のショットブラスト装置、
【0013】
(5)前記前部ローラーと前記テンションローラーとの間であって、前記補助ローラーと対向する位置に、無端ベルトを挟んで補助テンションローラーが走行する無端ベルトと当接するように設けられていることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のショットブラスト装置、
【0014】
(6)前記補助テンションローラーは、無端ベルトと接触する大径の両端部と、無端ベルト上に設けられた前記凸条突起と接触しない小径の中間部とを備えていることを特徴とする前記(5)記載のショットブラスト装置、
【0015】
(7)前記駆動ローラー、テンションローラーまたは前部ローラーの少なくともいずれかには、その外周面に凹溝が形成されていることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載のショットブラスト装置、
を要旨とする。
【0016】
本発明の装置には、さらに、無端ベルト両端縁部に対し、その走行方向と交叉する方向に当接する一対のサイドローラーを、前記前部ローラーと前記テンションローラーとの間に備えることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の装置においては、サイドドラム下方に設けられて無端ベルトを載置するとともに、前記前部ローラーと可動可能な連結アームにより連結される補助ローラーを備えており、前記連結アームには、前記前部ローラーおよび前記補助ローラーの両側に対向させてガイド板が設けられており、前部ローラーを下位置に位置させて無端ベルトの被研掃部品載置部から被研掃部品を、前部ローラーの前縁部から排出する際に、被研掃部品が無端ベルトの幅方向の側に漏れ、落下することを防止することができ、作業性が改善される。
【0018】
無端ベルト上には被研掃部品載置部側に、無端ベルトの走行方向と交叉する方向に延びる複数本の凸条突起が設けられており、該凸条突起の横断面形状が、回転走行する無端ベルトの正転方向に対し前方側がスロープ状に傾斜しており、後方側が急峻なスロープ状または無端ベルト面に対して垂直に形成されているので、無端ベルトの走行に伴って投射研掃時には被研掃部品を掻き揚げ撹拌が効率よく行われ、均一な研掃を速やかに行うことができ、一方、無端ベルトの走行が逆転方向に回転する排出時には被研掃部品の排出を速やかに行うことができる。
【0019】
また、前記前部ローラーと前記テンションローラーとの間の補助ローラーに対向する位置に、無端ベルトを挟んで、補助テンションローラーを走行する無端ベルトと当接するように設けて、前部ローラーが下位置に位置する排出時に走行する無端ベルトを前記補助テンションローラーに当接させて走行させることにより、無端ベルトの経路長を、前部ローラーが上位置に位置するときと実質的に等しくすることができるので、無端ベルトの撓みを無くし、排出時に無端ベルトの走行がスムースに行われ、被研掃部品の排出を速やかに行うことができる。
【0020】
また、前記駆動ローラー、テンションローラーまたは前部ローラーの少なくともいずれかには、その外周面に凹溝を形成することにより、投射研掃時に無端ベルトに設けられた排出穴に一部残留した研掃材が走行中に前記ローラーの凹溝に落下排出され、無端ベルトに研掃材が残留することによる無端ベルトの損傷、ローラーの損傷を防ぐことができる等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明のショットブラスト装置の一部切欠き斜視図である。ショットブラスト装置は、研掃キャビネット1、研掃材搬送部2、研掃材輸送管3および研掃材投射部4を備えている。
【0022】
図2は、前部ローラー12が上位置に位置された投射研掃時の実施態様の一例を示す研掃キャビネット内部のショットブラスト装置の側視図である。図3は、前部ローラー12が下位置に位置された被研掃部品の排出時の実施態様の一例を示す研掃キャビネット内部のショットブラスト装置の側視図である。図4、図5は、本発明の前部ローラー12と補助ローラー13とを連結する連結アーム120に設けられるガイド板121の一例を示し、図4は斜視図を示す。図5はガイド板の説明図で、図5(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は上面図をそれぞれ示す。図6は、前部ローラー12に凹溝23を設けた実施態様の一例を示す要部拡大図(部分図)を示す。また図7は無端ベルトの経路長の説明図を示す。
【0023】
本発明のショットブラスト装置は、駆動ローラー10、テンションローラー11および前部ローラー12間に無端ベルト20が張架されて回転走行する無端ベルトと、該無端ベルト20と所定の周長で当接しつつ回転するように設けられて無端ベルト上に、駆動ローラーと前部ローラーとの間に被研掃部品載置部201を形成する一対のサイドドラム15、15とを備えており、駆動装置(図示せず)により前記駆動ローラー10は正回転および逆回転し無端ベルト20を正転方向または逆転方向に走行させることができるようになっている。前記サイドドラム15、15は研掃キャビネット1の側板に回転可能に設けられている。またサイドドラム15、15と当接する無端ベルト20の下側に当接する送りローラー17が設けられている。
【0024】
前記サイドドラムの下方で、サイドドラム15、15と駆動ローラー10および前部ローラー12とで形成される被研掃部品載置部の最下位部より前記前部ローラー12側に、無端ベルト20に当接して無端ベルトを載置し、前記前部ローラー12と、連結アーム120により連結される補助ローラー13を備えている。
【0025】
前記連結アーム120は、前記前部ローラー12と前記補助ローラー13の回転軸に回動可能に連結されている。前記補助ローラー13は、エアシリンダー等の駆動装置(アーム駆動装置)140により作動する駆動杆141と連結されて回動可能に作動するアーム130と連結されており、駆動杆141の作動によってアーム130を作動させることにより、前記連結アーム120を介して前記前部ローラー12の上下移動が行なわれるように構成されている。これにより、被研掃部品の投射研掃時には図2に示すように、前部ローラー12を上位置に移動させ、また排出時には図3に示すように前部ローラー12を下位置に移動させることができる。
【0026】
前記連結アーム120により前記前部ローラー12と可動可能に連結された前記補助ローラー13を上下移動させるアーム130を作動させるエアシリンダー等の駆動装置(アーム駆動装置)140は、研掃キャビネット1の底部に設けられた固定部142にボルトナットなどの固定具により固定されている。この固定部142における固定具の挿入穴は長穴とし、必要に応じて、前記駆動装置140の固定位置を調整することができ、これにより前部ローラーの上位置および下位置の高さを適宜調節することが可能である。
【0027】
前記連結アーム120には、ガイド板121が、ガイド板取り付け部材122を介して設けられており、ガイド板121は、その先端部分が前記前部ローラーの前縁部に位置し、後方部がサイドドラムの外側部分に位置するように設けられており、上下移動する連結アームと共に移動し、前記前部ローラー12が上位置にある場合には、無端ベルト20の前記補助ローラー13との当接部から前部ローラー12の前縁部との間に前記ガイド板121が存在し(図2参照)、被研掃部品の排出時には、無端ベルト20のサイドドラム15、15との接地点の離反部位と前部ローラー12の前縁部との間に前記ガイド板121が存在する(図3参照)。
【0028】
前記ガイド板121は、図4、図5に示すように、ガイド板取り付け部材122のガイド板固定部123を介してボルトナット等の固定具124によりガイド板取り付け部材122に固定されている。前記ガイド板固定部123は長穴形状に設けてガイド板の高さを調整するようにすることが好ましい。
ガイド板121とガイド板取り付け部材122とは、前記連結アーム120の厚み分の間隔(図5(b)aで示す)を設けてガイド板121が被研掃部品載置部側(装置内側)となるように配置して取付けられる(図5(c)参照)。
【0029】
前記ガイド板121の形状は長方形で、長辺の一方は前部ローラー12の前縁部に位置し、他方は少なくとも補助ローラー13の回転軸の中心部付近に位置する長さであり、ガイド板121の高さは、排出時にサイドドラム15、15と無端ベルト20との接地点と前部ローラー12の無端ベルト上面がほぼ平行ないし無端ベルトとの接地点より下方になったときに、無端ベルトの幅方向の両側から被研掃部品の落下を防ぐことができる高さであればよく、任意に決めることができる。
また、前記ガイド板121の前方部分(前部ローラーの前縁部)は、その下部が前部ローラーに沿うように円弧状に形成されている(図4、図5(a)参照)ことが望ましい。ガイド板121は、金属、合成樹脂板、積層板等を使用することができ、また前記ガイド板取り付け部材122も金属、合成樹脂板、積層板等を使用することができ、ガイド板とガイド板取り付け部材とは同一であっても異なってもよい。また、ガイド板およびガイド板取り付け部材の厚さは余りに厚いと重量が重くなり前部ローラーの上下移動に大きな負荷がかかり好ましくなく、薄過ぎると強度不足となり好ましくなく、使用する材質にもよるが、一般的には数mmから10mm程度の範囲で選択され、通常は3mm〜5mm程度の範囲で適宜選択される。
【0030】
前記無端ベルト20には研掃材を排出するための複数の排出穴21が設けられており、投射研掃時に投射される研掃材は、被研掃部品載置部(研掃部)201で被研掃部品を研掃し無端ベルトに設けられた前記排出穴21から落下し排出されるようにされておりその殆どは落下し排出されるが、研掃材の一部が無端ベルト20に設けられた前記排出穴21から完全に落下せず前記排出穴21に引っかかり残留することがある。研掃材が無端ベルト20に残留すると回転走行する無端ベルト20あるいはローラー表面を損傷する虞がある。
【0031】
本発明においては、無端ベルト20が張架される駆動ローラー10、テンションローラー11あるいは前部ローラー12のいずれかのローラー、一般には前記前部ローラー、の表面に複数の凹溝23を設けて無端ベルト20の排出穴21に引っかかり残留した研掃材を排出回収しローラーの回転に伴って落下させるようにすることができる。図6に実施態様の一例として前部ローラー12に凹溝23を設けた一部切欠き要部拡大図(部分図)を示す。前記溝23はローラーの長手方向に延びて設けてもよく、長手方向に対し交叉する方向、すなわち、ローラーの円周方向に設けてもよい。該溝の幅、深さは無端ベルトの走行に支障のない程度であればよく、通常、溝の幅は30〜50mmの範囲で、深さは10〜40mmの範囲であればよい。
【0032】
また、本発明においては、前記無端ベルト20の被研掃部品載置部201側には、無端ベルト20の走行方向に対して交叉する方向に延びる凸条突起22が配設されていることが好ましい。前記凸条突起22は、その横断面の形状が回転走行する正転方向に対し前方側がスロープ状に傾斜しており、後方側は急峻なスロープまたは無端ベルト面に垂直に形成されていることが好ましい。前記凸条突起22を被研掃部品載置部201側に配設したことにより、投射研掃時には無端ベルト20の走行に伴って被研掃部品を掻き揚げ撹拌が容易となり、均一な研掃を速やかに行うことができ、一方、排出時には無端ベルト20の走行方向が投射研掃時とは逆方向に回転されるので、被研掃部品の排出を速やかに行うことができる。
【0033】
本発明のショットブラスト装置において、前記テンションローラー11は、回転走行する無端ベルトの張り具合を一定に調節する調節手段110を備えており、これにより無端ベルトの張り具合を適宜調整できるようになっている。
【0034】
前記前部ローラー12を下位置に移動させた被研掃部品の排出時に、前部ローラー12が上位置に位置する投射研掃時と無端ベルト20の経路長がいくらか変化し無端ベルト20が撓むことがあり、無端ベルト20の回転走行に支障を来たし、被研掃部品の排出がスムースに行えない等の不都合が生じる虞がある。
【0035】
本発明の装置においては、前記前部ローラー12と前記テンションローラー11との間であって、無端ベルトを挟んで前記補助ローラー13と対向する位置に無端ベルトと当接する補助テンションローラー14を設け、無端ベルト20の経路長が、前記前部ローラー12が上位置に位置するとき(投射研掃時)と、前記前部ローラー12が下位置に位置するとき(排出時)とで実質的に変わらず、常に実質的に等しい経路長となるように無端ベルトの撓みを防止しするように構成することが好ましい。図7により無端ベルトの経路長を実質的に等しくする方法についてその概要を説明する。
【0036】
図7(a)は前部ローラーが上位置に位置したときの状態(投射研掃時)で、無端ベルト20は、サイドドラム(図示せず)側、すなわち補助ローラー13の当接面とは反対側の被研掃部品載置部側に湾曲し、補助テンションローラー14側は緊張した状態の経路を形成している。図7(b)は前部ローラー12が下位置に位置したときの状態(排出時)で、前部ローラー12の軸芯が補助ローラー13の軸芯よりやや下方にあり、無端ベルト20は、補助ローラー13と前部ローラー12との面がほぼ平行ないし前部ローラー側が下方にあって緊張した状態にあり、一方前部ローラー12とテンションローラー11との間に設けられた前部ローラー後方に位置する補助テンションローラー14に無端ベルト20を当接させて前記補助テンションローラー14側に湾曲した状態の経路を形成して、無端ベルト20の経路長が、前記前部ローラー12が上位置に位置するとき(投射研掃時)と、前記前部ローラー12が下位置に位置するとき(排出時)とで実質的に変わらず、常に実質的に等しい経路長をとり、無端ベルトの撓みを防止することができる。
【0037】
なお、通常、前部ローラー12が上位置に位置するときには無端ベルト20の撓みは生じないが、無端ベルト20に撓みが生じるような場合には、前記駆動装置140により作動する駆動杆を介して、前記補助ローラーに連結する回動可能なアーム130を作動させ前記補助ローラー13に連結された連結アーム120を介して前記前部ローラー12を移動させて無端ベルトの撓みを調節することができる。また前記テンションローラー11を無端ベルト20の張り状態を調節する調整部110により調節することもできる。
【0038】
また例えば図1に示すように、前記テンションローラー11と前記前部ローラー12との間に、回転走行する無端ベルト20の両端縁部に当接するように一対のサイドローラー16を設けて、無端ベルト20の両端縁部に対しその走行方向と交叉する方向に押圧力を与えて、前記サイドローラー16に当接して走行する無端ベルト20の両端縁部を規制し無端ベルト20の蛇行を防止するようにすることが好ましい。
【0039】
本発明の装置において、無端ベルト20の排出穴21を通って落下する研掃材は、回転走行する無端ベルト20の下方に配置された回収部に集められ、研掃材搬送部2内に設けられた下部から上部方向に回転移動するバケット18により、研掃キャビネット1に備えられた研掃材搬送部2の上部に揚上され研掃材輸送管3を径由して研掃材投射部4に送られ投射に供される。
【0040】
以上、本発明のショットブラスト装置は、前部ローラーと補助ローラーとを連結する連結アームにガイド板を設けることにより、前部ローラーが下位置に位置する排出時において、無端ベルトの幅方向の両側から被研掃部品の漏れ、落下を防止することができ、被研掃部品の排出を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明のショットブラスト装置の一部切欠き斜視図。
【図2】前部ローラーが上位置に位置された投射研掃時の実施態様の一例を示す。
【図3】前部ローラーが下位置に位置された被研掃部品の排出時の実施態様の一例を示す。
【図4】本発明におけるガイド板の斜視図。
【図5】ガイド板の説明図。(a)正面図、(b)側面図、(c)上面図。
【図6】前部ローラーに設けられた凹溝の実施態様の一例を示す要部拡大図。
【図7】無端ベルト経路長の説明図(部分図)。(a)投射研掃時、(b)被研掃部品排出時。
【符号の説明】
【0042】
1 研掃キャビネット
2 研掃材搬送部
3 研掃材輸送管
4 研掃材投射部
10 駆動ローラー
11 テンションローラー
12 前部ローラー
13 補助ローラー
14 補助テンションローラー
15 サイドドラム
20 無端ベルト
21 排出穴
22 凸条突起
23 凹溝
201 被研掃部品載置部
120 連結アーム
121 ガイド板
122 ガイド板取り付け部材
130 アーム
140 アーム駆動装置
【出願人】 【識別番号】390037648
【氏名又は名称】株式会社ニッチュー
【出願日】 平成18年12月4日(2006.12.4)
【代理人】 【識別番号】100077573
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 勇

【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介


【公開番号】 特開2008−137128(P2008−137128A)
【公開日】 平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願番号】 特願2006−327445(P2006−327445)