Warning: copy(htaccessbak): failed to open stream: No such file or directory in /home/jtokkyo/public_html/header.php on line 10
液体ホーニング加工方法 - 特開2008−119806 | j-tokkyo
トップ :: B 処理操作 運輸 :: B24 研削;研磨

【発明の名称】 液体ホーニング加工方法
【発明者】 【氏名】新田 永留夢

【要約】 【課題】シリコンウェーハ等の汚染を嫌う被加工物についても、マスクによる粘着剤の残留の問題を生ずることなく、かつ、非加工領域を確実に保護した状態で処理を行うことのできる液体ホーニング加工方法を提供する。

【解決手段】被加工物20の表面に対し砥粒を含むホーニング液10を吹き付けることにより、被加工物表面を加工する液体ホーニング加工方法である。被加工物表面に非加工領域Xを設けるにあたり、非加工領域Xを、被加工物表面と非接触であるマスク部材1により覆うとともに、マスク部材1と被加工物表面との間に液体2を満たした状態で、ホーニング液の吹付けを行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物の表面に対し砥粒を含むホーニング液を吹き付けることにより、該被加工物表面を加工する液体ホーニング加工方法において、
前記被加工物表面に非加工領域を設けるにあたり、該非加工領域を、該被加工物表面と非接触であるマスク部材により覆うとともに、該マスク部材と被加工物表面との間に液体を満たした状態で、前記ホーニング液の吹付けを行うことを特徴とする液体ホーニング加工方法。
【請求項2】
前記液体を、前記マスク部材を介して、該マスク部材と前記被加工物表面との間に供給する請求項1記載の液体ホーニング加工方法。
【請求項3】
前記液体を供給し続けながら、前記ホーニング液の吹付けを行う請求項2記載の液体ホーニング加工方法。
【請求項4】
前記マスク部材と前記被加工物表面との間の距離を、0.1〜3.0mmとする請求項1〜3のうちいずれか一項記載の液体ホーニング加工方法。
【請求項5】
前記液体として純水を用いる請求項1〜4のうちいずれか一項記載の液体ホーニング加工方法。
【請求項6】
前記被加工物がシリコンウェーハである請求項1〜5のうちいずれか一項記載の液体ホーニング加工方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は液体ホーニング加工方法(以下、「加工方法」とも称する)に関し、詳しくは、汚染を嫌う被加工物に対する液体ホーニング加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被加工物表面の研磨加工や仕上げ加工の目的で、液体ホーニングによる処理が用いられている。液体ホーニングは、被加工物の処理面に対し、砥粒を含むホーニング液を吹き付けることにより表面加工を行う加工方法である。
【0003】
一般に、液体ホーニングにおいて加工を施したくない箇所がある場合には、図2(a)に示すように、粘着剤22を介して接着するテープ21等のマスク部材により被加工物20の表面の一部をマスクした状態で、吹き付け処理を行っている(例えば、特許文献1等)。これにより、マスクされた箇所については砥粒を含むホーニング液10が接触しないため、同図(b)に示すように、目的とする加工領域Aのみを、例えば梨地に加工するとともに、それ以外の非加工領域Bについては素地のまま残すことができる。
【特許文献1】特開平11−004063号公報(特許請求の範囲等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、シリコンウェーハ等の汚染を嫌う被加工物に対し液体ホーニング処理を施す場合には、粘着テープでマスクを行うと、マスクした部分に粘着剤が残留してしまう場合があった。粘着剤は、水等による洗浄では容易に除去できないため、問題となっていた。
【0005】
そこで本発明の目的は、シリコンウェーハ等の汚染を嫌う被加工物についても、マスクによる粘着剤の残留の問題を生ずることなく、かつ、非加工領域を確実に保護した状態で処理を行うことのできる液体ホーニング加工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は鋭意検討した結果、下記構成とすることにより上記問題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の液体ホーニング加工方法は、被加工物の表面に対し砥粒を含むホーニング液を吹き付けることにより、該被加工物表面を加工する液体ホーニング加工方法において、前記被加工物表面に非加工領域を設けるにあたり、該非加工領域を、該被加工物表面と非接触であるマスク部材により覆うとともに、該マスク部材と被加工物表面との間に液体を満たした状態で、前記ホーニング液の吹付けを行うことを特徴とするものである。
【0008】
本発明においては、前記液体を、前記マスク部材を介して、該マスク部材と前記被加工物表面との間に供給することが好ましく、より好適には、前記液体を供給し続けながら、前記ホーニング液の吹付けを行う。この場合、前記マスク部材と前記被加工物表面との間の距離は、好適には0.1〜3.0mmとする。また、前記液体としては、純水を好適に用いることができる。本発明は、前記被加工物がシリコンウェーハである場合に特に効果的である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、上記構成としたことにより、シリコンウェーハ等の汚染を嫌う被加工物についても、マスクによる粘着剤の残留の問題を生ずることなく、かつ、非加工領域を確実に保護した状態で処理を行うことのできる液体ホーニング加工方法を実現することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の好適実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本発明の液体ホーニング加工方法の一実施形態を示す。図示するように、本発明においては、被加工物20の表面に対し砥粒を含むホーニング液10を吹き付けることにより、被加工物表面の加工を行う。図中の符号11はホーニング液用噴射ガンのノズルを示す。
【0011】
本発明においては、被加工物20の表面に非加工領域Xを設けるにあたり、この非加工領域Xを、被加工物表面と非接触であるマスク部材1により覆うとともに、マスク部材1と被加工物表面との間に液体2を満たした状態で、ホーニング液の吹付けを行う点が重要である。本発明において被加工物表面の非加工領域Xを覆うマスク部材1は、被加工物表面との間に僅かな間隙をもって配置され、従来の粘着テープのように被加工物表面と直接接触することがないので、粘着剤の残留の問題を生ずることがない。また、単に間隙をあけるのみではホーニング液10が間隙内に浸入して、非加工領域Xの表面が砥粒により損傷する場合があるが、本発明においては、この間隙に液体2を充填しているため、これを防止することが可能である。
【0012】
液体2は、例えば、マスク部材1を介してマスク部材1−被加工物表面間に供給することができ、特には、液体2を供給し続けながらホーニング液10の吹付けを行う。これにより、マスク部材1−被加工物表面間に砥粒が入り込んだ場合でも、入り込んだ砥粒が液体2の圧力により減速され、押し戻されて、被加工物表面上に留まることがないため、より確実にマスキング機能を発揮させることができる。このマスク部材1の材質としては、特に制限されるものではないが、上面についてはホーニング液10中の砥粒と同等以上の硬度を有する材質(SiC若しくは他のセラミック、またはこれらにDLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の高硬度コーティングを施したもの等)またはホーニング液10の衝撃を吸収する軟質材(ゴム類)で形成し、下面についてはナイロン等、不意に被加工物20と接触することがあっても傷つけず、かつ金属汚染も引き起こさない材質で形成したパッド等を用いることができる。
【0013】
マスク部材1を介して液体を供給する方法としては、例えば、図示するように、マスク部材1の中心部に液体を導入するための配管3を設ければよい。供給された液体2は、図示するように、マスク部材1−被加工物表面間の間隙を通って非加工領域Xの外部に排出される。この場合、液体2の供給圧が高いと、ホーニング液10がはじかれて液体ホーニングの効果が低下するため、供給圧は上げすぎないことが好ましい。この液体2を噴射するエアーの吐出圧力は、0.3MPa前後とすることができる。
【0014】
また、マスク部材1と被加工物表面との間の距離は、好適には0.1〜3.0mmとする。マスク部材1−被加工物表面間の間隙の距離を上記範囲内とすることで、液体2の表面張力により、間隙を液体2で満たすことができる。なお、この液体2としては、被加工物20に対し悪影響を及ぼすものでなければ、いかなるものを用いてもよいが、好適には純水を用いる。
【0015】
本発明においては、上記のように、マスク部材1および液体2を用いて非加工領域を保護しつつ液体ホーニングによる加工を行う以外の点については特に制限されるものではなく、常法に従い実施することができる。被加工物の大きさや加工領域のサイズ/形状により、マスク部材1の大きさ/形状および必要な流量を決定して、加工を行えばよい。本発明は特に、汚染を嫌う被加工物20、例えば、シリコンウェーハなどの表面を、液体ホーニングにより加工する際に有用である。
【0016】
例えば、シリコンウェーハを処理する際に用いる砥粒の種類としては、SiCなどを挙げることができ、砥粒の粒径は好適には0.25〜10.0μm、特には0.25〜3.0μmである。また、砥粒を混合する液体としては、例えば、水を用いることができる。また、ホーニング液10中に混合させる砥粒の濃度は、5〜40%とすることができる。
【0017】
さらに、表面加工を効率良く実施するために、ホーニング液10をシリコンウェーハ表面に吹き付ける際の圧縮空気の圧力は、例えば、0.05〜3.0MPaとすることができる。さらにまた、吹付けノズルとシリコンウェーハ表面との間の距離は、例えば、0.5〜100mmとする。
【0018】
なお、液体ホーニングによる表面処理後には、被加工物20表面に対する砥粒等の不純物の残留を防止するために、水等により表面の洗浄を行うことが好ましい。具体的には例えば、被加工物を500rpmで回転させつつその中心部から純水を1リットル/minで垂らすスピン洗浄を行った後、同じく被加工物中心部から吐出圧力0.1MPa程度の窒素ガスを吹き付けてスピン乾燥を行う。
【実施例】
【0019】
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
(実施例)
表面に膜厚0.2μmの窒化膜を有する300mmシリコンウェーハに対し、水中に濃度17%で粒径2μmの砥粒を含むホーニング液を、吹付けノズルを用いて、エア圧0.3MPa、流量6リットル/minにて吹き付けることにより、液体ホーニング処理を行った。この際、非加工領域Xについては、図1に示すように、シリコンウェーハ表面と非接触であるマスク部材1としてのパッド(材質:SiC(上面),NCナイロン(下面))により覆い、液体ホーニング処理の間継続的に、配管3およびマスク部材1を介してマスク部材1−被加工物表面との間に純水2を供給した。純水2の流量は0.5リットル/min、マスク部材1−ワーク(シリコンウェーハ)間距離は0.5mmとした。また、ノズル−ワーク(シリコンウェーハ)間距離は40mmであった。さらに、処理時間は5分とした。
【0020】
処理後に非加工領域Xを確認したところ、この領域に砥粒による損傷はなく、結果として、加工すべき領域のみを加工することができた。すなわち、マスク部材1と被加工物表面との間に間隙があっても、純水を流通させることで純水により間隙を満たしながら排出させているため、ホーニング液10が非加工領域の中心部に入りにくく、結果として、マスク部材1と純水2とによりマスキング機能が十分に発揮されたことが確かめられた。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の液体ホーニング加工方法の一実施形態を示す概略説明図である。
【図2】従来の液体ホーニング処理を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0022】
1 マスク部材
2 液体
3 配管
10 ホーニング液
11 吹付けノズル
20 被加工物
21 マスクテープ
22 粘着剤
A 加工領域
B,X 非加工領域
【出願人】 【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
【出願日】 平成18年11月15日(2006.11.15)
【代理人】 【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎

【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子


【公開番号】 特開2008−119806(P2008−119806A)
【公開日】 平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願番号】 特願2006−309192(P2006−309192)