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【発明の名称】 ブラスト装置
【発明者】 【氏名】清水 徳雄

【氏名】矢野 哲憲

【要約】 【課題】本発明は、段取り工数を削減できる、持ち運びの簡単なブラスト装置を提供する。

【構成】ブラスト装置10は、容器12内に貯留されたスポンジブラスト媒体32の中で吸引管14をモータ16の駆動力により所定の回転数で回転させる。そして、エアコンプレッサ22からエジェクタノズル20に圧縮エアを供給することにより生じるエジェクタ効果を利用して、吸引管14の下部吸引口38からスポンジブラスト媒体32を吸引しながら、いわば、スポンジブラスト媒体32が無くなった所へ、下部吸引口38が回転しながら進むと言う運転を行う。エジェクタ効果によって吸引されたスポンジブラスト媒体32は、吸引管14に回転継手48を介して連結されたホース18に導かれ、エジェクタノズル20の噴射口56から噴射される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラスト媒体が貯留された容器と、
前記容器に挿入されて回転自在に支持されるとともに下部吸引口が直角に折曲されて略L字状に形成された吸引管と、
前記吸引管を回転させる回転駆動部と、
前記吸引管に回転継手を介して連結されたホースと、
前記ホースに連結されたエジェクタノズルと、
前記エジェクタノズルに圧縮エアを供給するエアコンプレッサと、
を備えたことを特徴とするブラスト装置。
【請求項2】
前記吸引管内の圧力を計測する圧力センサと、
前記圧力センサによる計測値に基づいて前記回転駆動機構による前記吸引管の回転数を制御する制御部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のブラスト装置。
【請求項3】
前記吸引管の前記下部吸引口に所定量離間して配置されるとともに、下部吸引口の回転方向に対して下流側に傾斜配置された傾斜板を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のブラスト装置。
【請求項4】
前記傾斜板の傾斜角度を調整する調整部材を有することを特徴とする請求項3に記載のブラスト装置。
【請求項5】
前記傾斜板は櫛形状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のブラスト装置。
【請求項6】
前記傾斜板の櫛歯部間の開口面積を可変する開口面積可変手段が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のブラスト装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記圧力センサによる計測値が所定の値を超えると、前記エアコンプレッサからの圧縮エアを、前記エジェクタノズル以外の前記ホースの一部に補給用圧縮エアとして供給するように制御して、エジェクタ効果により前記吸引管内のブラスト媒体を吸引して前記ホースに送り出すとともに、前記圧力センサによる計測値が前記所定の値以下になると、ホースに対する前記補給用圧縮エアの供給を停止するように制御することを特徴とする請求項2〜6のうちいずれか一つに記載のブラスト装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はブラスト装置に係り、特にブラスト作業を実施するための持ち運びの簡単なブラスト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
塗装壁面を再塗装する際にその事前工事として、壁面の塗膜を研削し、塗装面を粗面化して素地調整するブラスト作業が行われる。この際に使用されるブラスト媒体は、特許文献1の如くサンド、スチールが一般的であったが、最近では、研削材を多孔質弾性体内に固着したスポンジ片状のブラスト媒体を使用した工法、いわゆるスポンジブラスト工法が作業環境改善の観点から注目されてきている。
【0003】
このスポンジブラスト工法によれば、ノズルから高速エアで噴射したスポンジブラスト媒体が塗装面に衝突するとブラスト媒体が偏平になり、混入した研削材が塗装面に直接高速で衝突するので、サンド、スチールブラスト工法と同様に、塗膜を研削し除去することができる。また、発生した粉塵がスポンジに取り込まれるので、作業環境が改善するという利点がある。
【特許文献1】特開2005−66724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来のブラスト装置の構造は、ブラスト媒体の圧送手段が本体の圧力タンク、ブロア等の大型機器で構成されるため、段取りに時間がかかるととともにその労力も大きい。大面積部分のブラスト作業であれば、その段取りに要する工数とブラスト作業効率とのバランスをとることはできるが、小面積部分のブラスト作業に対しては、段取り時間に比してブラスト作業が短時間で済むため、そのバランスは非常に悪いという欠点があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、段取り工数を削減できる、すなわち、持ち運びの簡単なブラスト装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、ブラスト媒体が貯留された容器と、前記容器に挿入されて回転自在に支持されるとともに下部吸引口が直角に折曲されて略L字状に形成された吸引管と、前記吸引管を回転させる回転駆動部と、前記吸引管に回転継手を介して連結されたホースと、前記ホースに連結されたエジェクタノズルと、前記エジェクタノズルに圧縮エアを供給するエアコンプレッサと、を備えたことを特徴としている。
【0007】
請求項1に記載の発明は、段取り工数を削減するため、従来使用していた大型ブロアに代えて、ブラスト媒体を負圧吸引し噴射させるエアコンプレッサを使用することにより、小型、簡易なブラスト装置を提供している。
【0008】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、容器内に貯留されたブラスト媒体の中で吸引管を回転駆動部からの駆動力によって回転させる。この場合、大きな回転トルクを要するため、吸引管の下部吸引口からブラスト媒体を吸引しながら、いわば、ブラスト媒体が無くなった所へ、下部吸引口が回転しながら進むという運転を行う。ブラスト媒体の吸引は、前記エアコンプレッサからの圧縮エアをエジェクタノズルに供給することにより生じるエジェクタ効果を利用して行う。これにより、吸引されたブラスト媒体は、吸引管に回転継手を介して連結されたホースに導かれ、エジェクタノズルから噴射される。かかる構成のブラスト装置によれば、前述の如く大型ブロアに代えてエアコンプレッサを使用するとともに、吸引管を容器内で回転させてブラスト媒体を負圧吸引する構造としたので、段取り工数を大幅に削減でき、持ち運びも簡単なことから、小面積部分のブラスト作業に好適である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記吸引管内の圧力を計測する圧力センサと、前記圧力センサによる計測値に基づいて前記回転駆動機構による前記吸引管の回転数を制御する制御部と、を有することを特徴としている。
【0010】
ブラスト媒体の吸引量よりも吸引管の回転速度が早い場合には、吸引管にブラスト媒体が詰まり吸引管内の負圧が過大となる。よって、適正な負圧を維持しつつ吸引管を回転させる必要がある。請求項2に記載の発明によれば、吸引管の一部に圧力センサを設けておき、この圧力センサによって計測される計測値に基づいて制御部が回転駆動機構を制御し、吸引管に詰まりを生じさせない回転数に吸引管の回転数を制御する。よって、ブラスト媒体は吸引管で詰まることなく、エジェクタノズルから良好に噴射される。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記吸引管の前記下部吸引口に所定量離間して配置されるとともに、下部吸引口の回転方向に対して下流側に傾斜配置された傾斜板を有することを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、傾斜板がブラスト媒体を押し分けて吸引管が回転する際、傾斜板の裏面と下部吸引口との間の隙間に空間が形成され、この空間ゆえに下部吸引口からのブラスト媒体の吸引が生じ易くなる。よって、傾斜板を設けることにより、ブラスト媒体を安定して吸引することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記傾斜板の傾斜角度を調整する調整部材を有することを特徴としている。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、ブラスト媒体の種類(サンド、スチール、スポンジ)に応じて、そのブラスト媒体を吸引し易い角度に傾斜板の傾斜角度を設定することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記傾斜板は櫛形状に形成されていることを特徴としている。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、傾斜板の櫛歯の隙間からブラスト媒体を前記隙間に取り入れることができる。この場合、サンド、スチールのブラスト媒体では、前記隙間が閉塞する場合があるので好ましくないが、スポンジブラスト媒体の場合には、前記隙間が完全に閉塞することはなく、また、櫛歯によってスポンジブラスト媒体がほぐされるので好適である。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項5において、前記傾斜板の櫛歯部間の開口面積を可変する開口面積可変手段が設けられていることを特徴としている。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、傾斜板の櫛歯部間の開口面積を可変とすることにより、ブラスト媒体、特にスポンジブラスト媒体の吸引量をコントロールすることができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項2〜6において、前記制御部は、前記圧力センサによる計測値が所定の値を超えると、前記エアコンプレッサからの圧縮エアを、前記エジェクタノズル以外の前記ホースの一部に補給用圧縮エアとして供給するように制御して、エジェクタ効果により前記吸引管内のブラスト媒体を吸引して前記ホースに送り出すとともに、前記圧力センサによる計測値が前記所定の値以下になると、ホースに対する前記補給用圧縮エアの供給を停止するように制御することを特徴としている。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、通常はエジェクタノズルにエアコンプレッサから圧縮エアを供給してブラスト作業を行うが、吸引管の負圧が所定値を超えて大となり、そのわりにはブラスト媒体の噴射量が少ない場合、ホースの一部にもエアコンプレッサから圧縮エアを、補給用圧縮エアとして供給する。これにより、吸引管内のブラスト媒体がエジェクタ効果により吸引されてホースに送り出される。この後、吸引管の負圧が元の良好な数値に戻り、噴射量も正常に戻ると、ホースへの補給用圧縮エアの供給を停止する。ホースの一部に補給用圧縮エアを常時供給してもよいが、必要時のみ供給することにより省エネを図ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るブラスト装置によれば、大型ブロアに代えてエアコンプレッサを使用するとともに、吸引管を容器内で回転させてブラスト装置を負圧吸引する構造としたので、段取り工数を大幅に削減でき、持ち運びも容易になる。したがって、小面積部分のブラスト作業に好適なブラスト装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下添付図面に従って、本発明に係るブラスト装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0023】
図1は、実施の形態のブラスト装置10の全体構成を示した説明図であり、図2はブラスト装置10の容器12を示した斜視図である。
【0024】
これらの図に示すようにブラスト装置10は、円筒型の容器12、吸引管14、モータ(回転駆動部)16、ホース18、エジェクタノズル20、エアコンプレッサ22、負圧センサ(圧力センサ)24、バルブ26、及び制御部28等から構成される。
【0025】
容器12は、台座30上に設置されており、その内部にはブラスト媒体であるスポンジブラスト媒体32が貯留されている。なお、台座30の3本の脚部31、31、31の下部にキャスタをそれぞれ設けることにより、容器12を所望の位置に簡単に移動することができる。また、ブラスト媒体としてスポンジブラスト媒体32を例示したが、これに限定されるものではなく、サンド、スチール等、他のブラスト媒体であってもよい。
【0026】
吸引管14は、容器12の中心軸Pに沿って容器12内に挿入され、容器12の上部開口部にねじ固定された十字形状のプレート34にベアリング36を介して回転自在に支持されている。また、吸引管14の下部には、図3に示すように下部吸引口38が直角に折曲され、吸引管14全体が略L字状に形成されている。この下部吸引口38は、容器12の底面12A(図1参照)に対して所定の隙間を持って配置されている。
【0027】
図2の如く、モータ16はプレート34に固定され、その回転軸にはギヤ40が固着されており、このギヤ40は、吸引管14に固定されたギヤ42に噛合されている。したがって、モータ16の動力がギヤ40、42を介して吸引管14に伝達されると、吸引管14は容器12の中心軸Pを中心に回転される。また、その回転を円滑にガイドするために、容器12の底面12Aの中心部には軸受部44が設けられ、この軸受部44に、吸引管14の下部突出部46が回転自在に支持されている。
【0028】
ホース18の基端部18Aは、吸引管14の上部に回転継手48を介して連結され、その先端部にエジェクタノズル20が連結されている。また、ホース18の基端部18Aは、エジェクタ構造(図1では詳細を不図示)となっており、その圧縮エア供給口50はバルブ26を介してエアコンプレッサ22に接続されている。
【0029】
エジェクタノズル20は、レバー(引き金)52を有するガンタイプのもので、エアホース54を介してエアコンプレッサ22に接続される。このレバー52が作業者によって引かれると、エジェクタノズル20に内蔵されたノズル(不図示)が開放されることにより、エアコンプレッサ22からの圧縮エアがエジェクタノズル20内に導入され、これによって生じるエジェクタ効果により、容器12内のスポンジブラスト媒体32が吸引管14、ホース18を介してエジェクタノズル20に吸引され、エジェクタノズル20の噴射口56から圧縮エアとともに噴射される。
【0030】
負圧センサ24は、回転継手48とホース18の基端部18Aとを遮蔽するシール58の近傍に設けられるとともに、吸引管14内の負圧を測定可能な位置に取り付けられている。負圧センサ24によって計測された負圧を示す情報は、制御部28に出力される。制御部は、この情報に基づいてモータ16の回転数やバルブ26の開閉を制御する。
【0031】
次に、前記の如く構成されたブラスト装置10の作用について説明する。
【0032】
まず、実施の形態のブラスト装置10は、段取り工数を削減するため、従来使用していた大型ブロアに代えて、スポンジブラスト媒体32を負圧吸引し噴射させるエアコンプレッサ22を使用することにより、小型、簡易なブラスト装置10を提供している。
【0033】
すなわち、実施の形態のブラスト装置10は、容器12内に貯留されたスポンジブラスト媒体32の中で、吸引管14をモータ16の駆動力により所定の回転数で回転させる。この場合、スポンジブラスト媒体32が抵抗となり、吸引管14の回転には大きな回転トルクを要するため、エアコンプレッサ22からエジェクタノズル20に圧縮エアを供給することにより生じるエジェクタ効果を利用して、吸引管14の下部吸引口38からスポンジブラスト媒体32を吸引しながら、いわば、スポンジブラスト媒体32が無くなった所へ、下部吸引口38が回転しながら進むと言う運転を行う。
【0034】
エジェクタ効果によって吸引されたスポンジブラスト媒体32は、吸引管14に回転継手48を介して連結されたホース18に導かれ、エジェクタノズル20の噴射口56から噴射される。
【0035】
このように構成されたブラスト装置10によれば、前述の如く大型ブロアに代えてエアコンプレッサ22を使用するとともに、吸引管14を容器12内で回転させてスポンジブラスト媒体32を負圧吸引する構造としたので、段取り工数を大幅に削減でき、持ち運びも簡単なことから、小面積部分のブラスト作業に好適となる。
【0036】
ところで、スポンジブラスト媒体32の吸引量よりも吸引管14の回転速度が速い場合には、吸引管14にスポンジブラスト媒体32が詰まり吸引管14内の負圧が過大となる。よって、適正な負圧を維持しつつ吸引管14を回転させる必要がある。
【0037】
実施の形態のブラスト装置10では、負圧センサ24によって計測される吸引管14内の負圧に基づいて制御部28がモータ16を制御し、吸引管14に詰まりを生じさせない回転数に吸引管14の回転数を制御している。すなわち、制御部28は、負圧センサ24によって計測される負圧が適正な吸引力を与える負圧となるように、吸引管14の回転数を適宜制御している。これにより、スポンジブラスト媒体32は吸引管14内で詰まることなく、エジェクタノズル20から良好に噴射される。
【0038】
また、制御部28は、負圧センサ24による計測値が一定値(吸引管14にスポンジブラスト媒体32が確実に詰まったと推測される値)より下がると、バルブ26を開放して、エアコンプレッサ22からの圧縮エアを、補給用圧縮エアとしてホース18の基端部18Aにも供給する。これにより、ホース18の基端部18Aにおいてエジェクタ効果が発生し、このエジェクタ効果によって、吸引管14内で詰まったスポンジブラスト媒体32がホース18に強制的に吸引される。これにより、吸引管14内での詰まりが解消される。そして、負圧センサ24による計測値が前記一定値に戻ると、制御部28は、詰まりが解消したと判断してバルブ26を閉鎖し、ホース18の基端部18Aに対する補給用圧縮エアの供給を停止する。
【0039】
すなわち、実施の形態のブラスト装置10は、通常はエジェクタノズル20にエアコンプレッサ22から圧縮エアを供給してブラスト作業を行うが、吸引管14の負圧が一定値より下がると、吸引管14に詰まりが発生したと判断し、ホース18の基端部18Aにもエアコンプレッサ22から圧縮エアを補給用圧縮エアとして供給する。
【0040】
これにより、吸引管14内で詰まっていたスポンジブラスト媒体32がエジェクタ効果により吸引されてホース18に送り出される。この後、吸引管14の負圧が元の良好な数値に戻ると、吸引管14への補給用圧縮エアの供給を停止する。ホース18にエアコンプレッサ22からの圧縮エアを補給用圧縮エアとして常時供給してもよいが、必要時のみ供給することにより省エネを図ることができる。
【0041】
図4は、吸引管14の下部吸引口38に傾斜板60が配置された例が示されている。
【0042】
この傾斜板60は、図5に示す傾斜角度調整機構62によって吸引管14の下部に着脱自在に取り付けられるとともに、傾斜角度θが調整自在となっている。
【0043】
傾斜角度調整機構62は図6(A)の如く、下部吸引口38の上壁面に固定されるとともに両端部に半円板状の軸受部90、90が固着された基板92と、下部両端部に半円板状のブラケット94、94が固着されるとともに図6(B)の如く傾斜板60が皿ねじ96により固定される揺動板98とを備えている。軸受部90、90にブラケット94、94が不図示のねじを介して揺動自在に連結されることにより、傾斜板62が揺動板98を介して傾動され、前記ねじに螺合された蝶ナット100を締結することにより、所定の傾斜角度で保持される。
【0044】
なお、傾斜板60の傾斜角度調整部材として、傾斜角度調整機構62を利用したが、これに限定されるものではなく、傾斜板60の傾斜角度を調整可能な部材であれば如何なるものでも適用できる。
【0045】
また、傾斜板60は、下部吸引口38に対向配置されるとともに、下部吸引口38の回転方向に対して下流側に傾斜配置されている。更に、傾斜板60は、図5の如く下部吸引口38との間で隙間64が形成されるよう下部吸引口38に対して所定量離間して配置されている。
【0046】
このように傾斜板60を下部吸引口38に配置すれば、傾斜板60がスポンジブラスト媒体32を押し分けて吸引管14が回転する際に、傾斜板60の裏面と下部吸引口38との間の隙間64にはスポンジブラスト媒体32が存在せず、その隙間64が空間となる。この空間が存在するゆえに、下部吸引口38からのスポンジブラスト媒体32の吸引が生じ易くなる。よって、傾斜板60を設けることにより、スポンジブラスト媒体32を安定して吸引することができる。この作用は、スポンジブラスト媒体32以外のブラスト媒体でも同様である。
【0047】
また、この傾斜板60は、傾斜角度調整機構62によって傾斜角度θが調整自在なので、使用するブラスト媒体の種類(サンド、スチール、スポンジ)に応じて、そのブラスト媒体を吸引し易い角度に傾斜板60の傾斜角度を設定することもできる。
【0048】
図7は、吸引管14の下部吸引口38に櫛歯形状の傾斜板70が配置された例が示されている。この形態では、傾斜板70の櫛歯の隙間72、72…からブラスト媒体を前記隙間64(図5参照)に取り入れることができる。この場合、サンド、スチールのブラスト媒体では、前記隙間64が閉塞する場合があるので好ましくないが、スポンジブラスト媒体32の場合には、前記隙間64が完全に閉塞することはなく、また、櫛歯によってスポンジブラスト媒体32がほぐされるので好適である。
【0049】
図8は、櫛歯形状の傾斜板70、70を2枚重ねてスライド自在に配置した傾斜板ユニット80の平面図である。
【0050】
同図に示す傾斜板ユニット80は、一方の傾斜板70に形成された長孔82に、他方の傾斜板70に取り付けられたボルト84を貫挿することにより、2枚の傾斜板70、70が長孔82とボルト84をガイドとしてスライド自在に接合されている。これらの傾斜板70、70を相対的にスライドさせて、図8の如く櫛歯の隙間72の大きさ(開口面積)を調整することができる。調整後、ボルト84にナット(不図示)を締結することにより、櫛歯の隙間72の大きさが保持される。このように、傾斜板70の櫛歯の隙間72の大きさを可変とすることにより、ブラスト媒体、特にスポンジブラスト媒体32の吸引量をコントロールすることができる。なお、実施の形態では、開口面積可変手段として、2枚の傾斜板70、70を使用し、これらを長孔82及びボルト84によって連結したスライド構造を例示したが、これに限定されるものではなく、傾斜板70の櫛歯の隙間72の大きさを可変できる手段であれば如何なるものでも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施の形態のブラスト装置の全体構成を示した説明図
【図2】図1に示したブラスト装置の容器の斜視図
【図3】図1に示したブラスト装置の吸引管の下部吸引口を示した斜視図
【図4】吸引管の下部吸引口に傾斜板が配置された形態を示す斜視図
【図5】図4に示した傾斜板の側面図
【図6】図5に示した傾斜角度調整機構の組立斜視
【図7】吸引管の下部吸引口に櫛歯形状の傾斜板が配置された形態を示す斜視図
【図8】櫛歯形状の傾斜板が2枚重ねてスライド自在に配置された形態を示す平面図
【符号の説明】
【0052】
10…ブラスト装置、12…容器、14…吸引管、16…モータ(回転駆動部)、18…ホース、20…エジェクタノズル、22…エアコンプレッサ、24…負圧センサ(圧力センサ)、26…バルブ、28…制御部、30…台座、32…スポンジブラスト媒体、38…下部吸引口、48…回転継手、60…傾斜板、62…傾斜角度調整機構、70…櫛歯形状の傾斜板、80…傾斜板ユニット
【出願人】 【識別番号】000005452
【氏名又は名称】株式会社日立プラントテクノロジー
【出願日】 平成18年9月14日(2006.9.14)
【代理人】 【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三


【公開番号】 特開2008−68368(P2008−68368A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−249610(P2006−249610)