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【発明の名称】 鋼管内面ブラスト装置、鋼管内面ブラスト方法及び内面の表面性状に優れた鋼管の製造方法
【発明者】 【氏名】黒岩 良之

【氏名】坂本 明洋

【要約】 【課題】鋼管の始端部から終端部まで鋼管の内面を十分にブラストできるとともに、ブラスト能力が向上した鋼管内面ブラスト装置及び鋼管内面ブラスト方法並びに内面の表面性状に優れた鋼管の製造方法を提供する。

【構成】水平に設置された鋼管6の一端に接続される筒状のキャリア流体導入部21と、この鋼管6の他端に接続される負圧吸引部からなる鋼管内面ブラスト装置であって、筒状のキャリア流体導入部21の端面に設けられた孔19から、研掃材又は研磨材5をキャリア流体20とともにキャリア流体導入部内に水平方向に圧入する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平に設置された鋼管の一端に接続される筒状のキャリア流体導入部と、この鋼管の他端に接続される負圧吸引部からなる鋼管内面ブラスト装置であって、筒状のキャリア流体導入部の端面に設けられた孔から、研掃材又は研磨材をキャリア流体とともにキャリア流体導入部内に水平方向に圧入することを特徴とする鋼管内面ブラスト装置。
【請求項2】
水平に設置された鋼管の一端に接続される筒状のキャリア流体導入部と、この鋼管の他端に接続される負圧吸引部からなる鋼管内面ブラスト装置であって、筒状のキャリア流体導入部の端面の中心に設けられた孔から、研掃材又は研磨材をキャリア流体とともにキャリア流体導入部内に水平方向に圧入することを特徴とする鋼管内面ブラスト装置。
【請求項3】
水平に設置された鋼管の一端と筒状のキャリア流体導入部とをダミー管を介して接続することを特徴とする、請求項1又は2に記載の鋼管内面ブラスト装置。
【請求項4】
筒状のキャリア流体導入部の内部にはキャリア流体導入部の筒と同軸の軸管が設けられていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれかに記載の鋼管内面ブラスト装置。
【請求項5】
筒状のキャリア流体導入部の筒部に、空気をキャリア流体導入部に導入するための空気導入口が1個又は2個以上設けられていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれかに記載の鋼管内面ブラスト装置。
【請求項6】
少なくとも1個の空気導入口にはホイッスル形状の空気導入装置又は空気圧入装置が設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の鋼管内面ブラスト装置。
【請求項7】
キャリア流体導入部内に研掃材又は研磨材をキャリア流体とともに水平方向に圧入することに加えて、キャリア流体導入部の空気導入口からも研掃材又は研磨材を供給することを特徴とする、請求項5又は6に記載の鋼管内面ブラスト装置。
【請求項8】
空気導入口から導入された空気が筒状のキャリア流体導入部の内壁に沿って旋回流を形成することを特徴とする、請求項5から7までのいずれかに記載の鋼管内面ブラスト装置。
【請求項9】
鋼管がマルテンサイト系ステンレス鋼管であることを特徴とする、請求項1から8までのいずれかに記載の鋼管内面ブラスト装置。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれかに記載の鋼管内面ブラスト装置を用いることを特徴とする鋼管内面ブラスト方法。
【請求項11】
請求項1から9までのいずれかに記載の鋼管内面ブラスト装置を用いて鋼管内面を研掃又は研磨することを特徴とする、内面の表面性状に優れた鋼管の製造方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、各種鋼管の内面に研掃材又は研磨材をキャリア流体に搬送させて、鋼管の内面を研掃又は研磨することができる鋼管内面ブラスト装置、鋼管内面ブラスト方法及び内面の表面性状に優れた鋼管の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼管の内面を研掃又は研磨することができるブラスト装置を用いて、従来から、鋼管の一端より鋼管内に研掃材又は研磨材をキャリア流体に搬送させ、鋼管の内面に研掃材又は研磨材を衝突させることによって、鋼管の内面のスケールを除去したり、鋼管の内面を研磨したりすることがなされている。もって、内面の表面性状に優れた鋼管を製造することがなされている。
【0003】
そして、このようなブラスト装置としては、高圧噴射ブラスト装置と負圧吸引ブラスト装置とが知られている。
【0004】
高圧噴射ブラスト装置は、高圧空気をキャリア流体として研掃材又は研磨材を搬送させ、鋼管の一端から鋼管内に噴射させ、そして、鋼管の内面に研掃材又は研磨材を衝突させることによって、鋼管の内面のスケールを除去したり、鋼管の内面を研磨したりするものである。なお、高圧空気によって鋼管内を搬送された研掃材又は研磨材は、鋼管の他端に設置されたフィルター付きの回収タンクによって回収される。
【0005】
これに対して、負圧吸引ブラスト装置は、鋼管の始端部の近傍に設けられた供給装置に蓄えられた研掃材又は研磨材を、鋼管の一端から鋼管内に投入し、鋼管の他端からブロアによって鋼管内の空気を吸引するものである。ここでは、鋼管内部を負圧にして、これによって生じた負圧空気流により研掃材又は研磨材を搬送させ、鋼管の内面に研掃材又は研磨材を衝突させることによって、鋼管の内面のスケールを除去したり、鋼管の内面を研磨するものである。なお、負圧空気流によって鋼管内を搬送された研掃材又は研磨材は、鋼管の他端からブロアに吸引されて排出されるが、鋼管の他端とブロアの間に設けられた重力沈降式のダストコレクタ、サイクロン、フィルター付きのダストコレクタのいずれか又はこれらの組み合わせによって回収され、一部はリサイクルされる。
【0006】
このような高圧噴射ブラスト装置と負圧吸引ブラスト装置に関して、次の特許文献1がある。ここでは、従来の高圧噴射ブラスト装置と負圧吸引ブラスト装置のそれぞれについて、ブラスト装置としての問題点に言及するとともに、従来の負圧吸引ブラスト装置を改良してなるブラスト装置が提案されている。すなわち、負圧吸引ブラスト装置において、鋼管の始端部の近傍に設けられた研掃材又は研磨材の供給部の形状を工夫することによって、鋼管内部の負圧に起因して鋼管内部に吸引される負圧空気流に搬送させて研掃材又は研磨材を鋼管の始端部の近傍に搬送する際に、その負圧空気流を旋回させることが提案されている。
【0007】
【特許文献1】特開平5−228842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、次に述べるとおり、高圧噴射ブラスト装置と負圧吸引ブラスト装置はいずれも、次に述べるとおり、問題点を有する。
【0009】
まず、高圧噴射ブラスト装置を用いてブラストする際の動作を図1に基づいて説明する。図1は、上記特許文献1に図12として示されている高圧噴射ブラスト装置である。
【0010】
この高圧噴射ブラスト装置では、研掃材を噴射して、搬送する高圧空気を供給するためのコンプレッサ1と、空気を高圧化する時に高圧空気内で液化した空気中の水分を取り除くエアードライヤ2と、高圧空気流に研掃材を落下させる研掃材タンク3と、高圧空気流にこの研掃材を混合する研掃材・流体混合部4をが、被ブラスト管6の一端に接続され、この被ブラスト管6の他端には、被ブラスト管6の管内面の研掃を終えた研掃材を受けて、この研掃材の一部を回収する回収タンク7と、研掃後でもまだ完全には破砕していない粒状の研掃材と噴射空気とを分離するサイクロン8と、破砕した研掃材と噴射空気とを分離するダストコレクタ9と、研掃を終えた研掃材とこの研掃材を浮遊させて搬送する高圧空気とを前記サイクロン8と前記ダストコレクタ9とを介して前記回収タンク7から吸引し、研掃材や研掃屑が除去された空気をサイレンサ11に送り排出するブロワ10が、接続されている。
【0011】
この高圧噴射ブラスト装置を用いて、高圧空気流20をキャリアとして研掃材を搬送し、研掃材5を鋼管内面6に衝突させることによって鋼管内面がブラストされる。
【0012】
図2は、高圧空気流20をキャリアとして搬送された研掃材5が鋼管内面に衝突する際の模式図である。研掃材は、入射角αでもって鋼管内壁に衝突する。
【0013】
この高圧噴射ブラスト装置を用いて、ブラストする際に、被ブラスト管6の材質、管内径、長さと、研掃の仕様に基づいて、空気流の流量と静圧力、研掃材の種類と量などの作業条件が決められる。通常、静圧力は、流量を確保するために、高圧噴射開始時で10Kg/cm以内に設定する。研掃材としては球等価直径で10μm〜5mmガーネット、アルミナ、砂等の粒状物が用いられる。
【0014】
通常、作業条件は経験的に決められて、その作業条件でテスト・ブラストを行い、この作業条件に修正を加え、実際に使用する作業条件を決定する。作業条件が決まると、この作業条件に従って、コンプレッサ1を動作させ、発生した高圧空気内の水分をエアードライヤ2で除去し、研掃材タンク3から研掃材を高圧空気内に落下させ、高圧空気に混合する研掃材・流体混合部4から、被ブラスト管6の一端から鋼管6の内面に噴射される。高圧空気に浮遊させて搬送されている研掃材は、管内面を研掃しながら、被ブラスト管6の他端に達し、回収タンク7に高圧空気と共に噴出し、ここで、速度が低下し、破砕していない一部の研掃材はここで回収される。破砕した研掃材や研掃屑を含んだ空気は、ブロワ10に吸引されて、比較的大きな破砕した研掃材や研掃屑をサイクロン8で分離し、小さく破砕した研掃材や研掃屑をダストコレクタ9で分離し、ブロワ10とサイレンサ11を経て大気中に排出される。
【0015】
以上は、研掃材を用いて鋼管内面を研掃する場合について説明したが、研磨材を用いて鋼管内面を研磨する場合も同様である。なお、研磨材としては球等価直径で0.1μm〜100μm程度のアルミナ粉、チタン粉、ダイヤモンド粉等が用いられる。
【0016】
しかしながら、高圧噴射ブラスト装置においては、研掃材又は研磨材を搬送する高圧空気を噴射孔から鋼管内に噴射するに際して、低速度で噴射すると、高圧空気は層流となり、この層流域では研掃材又は研磨材が十分に加速されず、研掃能力又は研磨能力が不足する。
【0017】
次に、鋼管の内面を円周方向の全面にわたって均一に研掃又は研磨するためには、鋼管をその軸を中心にして回転する必要がある。しかしながら、研掃能力は研掃材または研磨材の噴射口近辺の非常に局所的な位置でのみ発揮されるため、高圧空気の圧力変動、粒子流入量の変動、鋼管回転速度のムラ、粒子噴射口の移動速度のムラ、などの因子によって研掃能力にムラが発生する。この問題を解決するために、研掃能力平均化のため高圧空気を複数の噴射孔から圧入することも提案されているが、鋼管の回転は依然として必要であるとともに、ブラスト装置自体が複雑になり、作業効率が悪くなる。
【0018】
また、研掃材又は研磨材は一度の衝突で運動エネルギーを失うが、高圧噴射ブラスト装置においては衝突後の粒子を再加速するメカニズムが無いため、粒子噴射口を長手方向に移動しながら管全面にわたって研掃を実施する必要があり、大量の研掃材又は研磨材が必要になる。
【0019】
さらに、また、高圧噴射ブラスト装置では、研掃材又は研磨材の固気比(空気の単位体積当たりの研掃材又は研磨材の量)の問題がある。研掃材又は研磨材を高圧空気に混入した場合、高圧空気が研掃材又は研磨材を浮遊させて搬送できる上限量は、体積比で、(研掃材又は研磨材)/空気=1/100程度であり、この上限を上回る量の研掃材又は研磨材を高圧空気に混入しても、鋼管内に噴射された高圧空気が鋼管内で膨張減圧し体積が増加するので、鋼管内の固気比は非常に小さくなり、研掃材又は研磨材によるブラスト効果が小さくなる。
【0020】
これに対して、負圧吸引ブラスト装置を用いてブラストする際の動作を図3に基づいて説明する。図3は、上記特許文献1に図1として示されている負圧吸引ブラスト装置である。
【0021】
この負圧吸引ブラスト装置においては、被ブラスト管6の終端部に、被ブラスト管6の内面の研掃を終えた研掃材とこの研掃材を浮遊させて搬送する負圧空気流とを受けて、まだ破砕していない研掃材と空気とを分離する回収タンク7が設置され、また、回収タンク7で分離された研掃材を搬出する搬出手段14(ここで分離した研掃材は研掃材タンク3に戻される。)が設置される。
【0022】
そして、破砕した研掃材や研掃屑と負圧空気流とを分離するサイクロン8、ダストコレクタ9と、研掃を終えた研掃材とこの研掃材を浮遊させて搬送する負圧空気流とを被ブラスト管6から前記回収タンク7と前記サイクロン8と前記ダストコレクタ9とを介して吸引し、研掃材や研掃屑が除去された空気をサイレンサ11に送り排出するブロワ10を接続する。
【0023】
また、この被ブラスト管6の始端部には、研掃材とこれを浮遊させて搬送する負圧空気流とをこの被ブラスト管6の内部に供給する研掃材・空気供給部13を接続し、この研掃材・空気供給部13の中に研掃材タンク3から研掃材を落下させ、負圧吸引作用によって、研掃材・空気供給部13から、研掃材とこれを浮遊させて搬送する負圧空気流とを被ブラスト管6の内部に供給し、この負圧空気流に浮遊させて搬送される研掃材によって、被ブラスト管6の内面を研掃し、その後、研掃後の研掃材と負圧空気流とを被ブラスト管6から吸引・排出する。
【0024】
ここでは、研掃材・空気供給部13には乱流化手段(図示せず)が設けられており、研掃材は乱流状態の負圧空気流に浮遊し搬送される。したがって、研掃材は乱流状態で被ブラスト管6の内面に接触することになる。
【0025】
この負圧吸引ブラスト装置を用いて、この負圧空気流に浮遊させて搬送される負圧空気流をキャリアとして研掃材5を搬送し、研掃材を鋼管内面6に衝突させることによって鋼管内面がブラストされる。
【0026】
図4は、負圧空気流15をキャリアとして搬送された研掃材5が鋼管内面6に衝突する際の模式図である。研掃材は、入射角αでもって鋼管内壁に衝突する。
【0027】
この負圧吸引ブラスト装置を用いてブラストする際に、高圧噴射ブラスト装置を用いてブラストするのと同様に、被ブラスト管6の材質、管内径、長さと、研掃の仕様に基づいて、負圧空気流の流量と負圧、研掃材の種類と量などの作業条件が決められる。通常、負圧は、0〜−1Kg/cm以内に設定する。なお、研掃材は、高圧噴射ブラスト装置を用いてブラストするのと同様に、球等価直径で10μm〜5mm程度のガーネット、アルミナ、砂等の粒状物が用いられる。
【0028】
通常、作業条件は経験的に決められて、その作業条件でテスト・ブラストを行い、この作業条件に修正を加え、実際に使用する作業条件を決定する。作業条件が決まると、この作業条件に従って、研掃材タンク3から研掃材を研掃材・空気供給部13の中に落下させ、研掃材は負圧吸引作用によって、被ブラスト管6の内部に供給され、この負圧空気流に浮遊させて搬送されている研掃材は、管内面を研掃しながら、被ブラスト管6の終端部に達し、重力沈降式のダストコレクタ7、サイクロン8、フィルター付のダストコレクタ9のいずれかあるいはこれらを組み合わせによって回収され、極微粒子のみ含んだキャリアガスがブロワ10とサイレンサ11を経て大気中に排出される。破砕していない一部の研掃材は重力沈降式ダストコレクタ7および/またはサイクロン8で回収され、機械的および/または流体的搬送手段14によって研掃材タンク3にリサイクルされる。
【0029】
以上は、研掃材を用いて鋼管内面を研掃する場合について説明したが、研磨材を用いて鋼管内面を研磨する場合も同様である。なお、研磨材としては球等価直径で0.1μm〜100μm程度のアルミナ粉、チタン粉、ダイヤモンド粉等が用いられる。
【0030】
このように、負圧吸引ブラスト装置に関しては、ブロワによって発生した負圧吸引力が、空気補給管から研掃材又は研磨材を搬送する負圧空気流を吸引し、この状態で、研掃材又は研磨材の供給部から供給された研掃材又は研磨材が負圧空気流と混合し、そこからブロワに向かって負圧空気流によって浮遊させて搬送されるので、この負圧空気流によって浮遊させて搬送される研掃材又は研磨材の速度は、鋼管内の負圧空気流の風速の2〜5割程度にまで達することができるので、鋼管の内面を研掃又は研磨することができる。したがって、鋼管の内径が大きい場合であっても、鋼管内で風速が低下することはなく、内径が大きい鋼管の終端部であっても均一な研掃又は研磨をすることができる。この際、鋼管を回転しないですませることもできる。
【0031】
また、負圧空気流によって浮遊させて搬送される研掃材又は研磨材の速度は、鋼管内の負圧空気流の風速の2〜5割程度にまで達することができるので、研掃材又は研磨材の供給部から供給された研掃材又は研磨材が負圧空気流と混合するときの静圧力と、搬送される研掃材又は研磨材が鋼管内を通過するときの静圧力の変動は、高圧噴射ブラスト装置に比して小さいので、浮遊させて搬送できる上限量まで研掃材又は研磨材を負圧空気流に混合することができる。したがって、高圧噴射ブラスト装置にみられる、研掃材又は研磨材の固気比(空気の単位体積当たりの研掃材又は研磨材の量)の低下という問題は考慮する必要はない。
【0032】
しかしながら、負圧吸引ブラスト装置では、鋼管の始端部の近傍に設けられた供給装置に蓄えられた研掃材又は研磨材を鋼管の一端から鋼管内に投入し、鋼管の他端からブロアによって鋼管内の空気を吸引するので、鋼管の始端部の近傍では鋼管の内面をブラストするのに十分な粒子密度あるいは粒子速度が形成されないことがある。この場合、鋼管の始端部を十分に研掃又は研磨することができない。
【0033】
前記の特許文献1では、負圧吸引ブラスト装置において、鋼管の始端部の近傍に設けられた研掃材又は研磨材の供給部の形状を工夫することによって、鋼管内部の負圧に起因して鋼管内部に吸引される負圧空気流に搬送させて研掃材又は研磨材を鋼管の始端部の近傍に搬送する際に、その負圧空気流を旋回させることが提案されているが、終端部においては、空気速度の旋回成分が減衰するため、ブラスト効果が劣るという問題点がある。
【0034】
本発明は、上記の従来の問題点を解決して、鋼管の始端部から終端部まで鋼管の内面を十分にブラストできるとともにブラスト能力が向上した鋼管内面ブラスト装置及び鋼管内面ブラスト方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0035】
本発明者らは、鋼管の始端部から終端部まで鋼管の内面を十分にブラストできるとともにブラスト能力が向上した鋼管内面ブラスト装置及び鋼管内面ブラスト方法を提供すべく、種々の検討を重ねた。その結果、次の(a)〜(h)の知見を得た。
【0036】
(a) 鋼管の始端部の内面を確実にブラストできるようにするためには、高圧流体をキャリアとして研掃材又は研磨材を鋼管内に噴射するのがよい。鋼管始端部の鋼管内面をブラストできるための風速を確保するためには、鋼管を水平状態に設置し、鋼管始端部に筒状のキャリア流体導入部を設けて、この筒状のキャリア流体導入部の端面に設けられた孔から、研掃材又は研磨材をキャリア流体とともにキャリア流体導入部内に水平方向に圧入すればよい。なお、研掃材又は研磨材をキャリア流体とともにキャリア流体導入部内に水平方向に圧入するための孔は、筒状のキャリア流体導入部の端面の中心に設けるのが好ましい。
【0037】
(b) この際、水平に設置された鋼管始端部と筒状のキャリア流体導入部との間にダミー管を設置し、ダミー管の一部を含めて内面をブラストすると、研掃材又は研磨材が鋼管内面の始端部から確実にブラストできるので、鋼管始端部と筒状のキャリア流体導入部とをダミー管を介して接続し、研掃材又は研磨剤が内壁に衝突開始する位置よりも鋼管始端部を下流側に位置づけるのが好ましい。
【0038】
(c) また、筒状のキャリア流体導入部の内部にキャリア流体導入部の筒と同軸の軸管を設け、この軸管内に筒状のキャリア流体導入部の端面に設けられた孔から水平に圧入された研掃材又は研磨材を搬送するキャリア流体を通せば、このキャリア流体を噴射する際に安定した風速を確保できる。また、この軸管の長さ、出口径、出口形状およびキャリア流体の速度を調節することによって、圧入された研掃材又は研磨材を搬送するキャリア流体を、所定角度でもって鋼管始端部に衝突させることができる。したがって、キャリア流体によって搬送された研掃材又は研磨材が、ちょうど鋼管始端部の内面から衝突し始めるように調節することができる。よって、筒状のキャリア流体導入部の内部にキャリア流体導入部の筒と同軸の軸管が設けるのが好ましい。
【0039】
(d) さらに、鋼管の内面を始端部から終端部まで全面にわたって十分にブラストできるようにするためには、研掃材又は研磨材をキャリア流体とともに筒状のキャリア流体導入部内に水平方向に圧入することによって形成される水平方向の流れに加えて、鋼管内面を円周方向に回転する流れを組み合わせることによって、研掃材又は研磨材を搬送するキャリア流体が鋼管内面を旋回する旋回流を形成させ、鋼管内において研掃材又は研磨剤を上面まで巻き上げることにより、断面全体に粒子を分散させるのが好ましい。
【0040】
(e) このような鋼管内面を円周方向に回転する流れは、筒状のキャリア流体導入部の筒部に、空気をキャリア流体導入部に導入するための空気導入口を1個又は2個以上設けることによって形成される。空気導入口から導入される空気流が鋼管内面を円周方向に回転するようにするためには、空気導入口から導入される空気流を筒状のキャリア流体導入部の内壁の円周方向に誘導するのが好ましい。具体的には、空気導入口にホイッスル形状の空気導入装置を設けることによって、空気導入口から吸引又は圧入される空気流を筒状のキャリア流体導入部の内壁に沿って上方又は下方に向けて誘導するのが好ましい。
【0041】
(f) これに対して、鋼管の終端部の内面を十分にブラストできるようにするためには、鋼管の終端部から鋼管内の空気を吸引し、鋼管内部を負圧にすることによって、鋼管の終端部であっても、ブラストするのに必要な風速を確保できるようにすればよい。
【0042】
(g) このように、高圧流体をキャリアとして、研掃材又は研磨材を鋼管内に噴射するとともに、鋼管の終端部から鋼管内の空気を吸引し、鋼管内部を負圧にすることによって、鋼管の始端部から終端部まで十分にブラストすることができる。すなわち、高圧噴射ブラスト装置と負圧吸引ブラスト装置では、それぞれ、鋼管の一部でブラストが不完全であったのが、高圧噴射と負圧吸引を組み合わせたハイブリッド式ブラスト装置とすることによって、鋼管の始端部から終端部までを十分にブラストすることができるものとなる。
【0043】
(h) また、高圧噴射と負圧吸引を組み合わせたハイブリッド式ブラスト装置とすることによって、鋼管の始端部から終端部まで研掃材又は研磨材の搬送速度を増大させることができるので、研掃材又は研磨材が鋼管内面に衝突する速度を増大させることができる。したがって、研掃材又は研磨材が鋼管内面に衝突する際の運動エネルギーが増大するので、鋼管内面のブラスト能力を向上させることができる。
【0044】
さらに、キャリア流体導入部内に研掃材又は研磨材をキャリア流体とともに水平方向に圧入することに加えて、キャリア流体導入部の空気導入口からも研掃材又は研磨材を供給することによって、鋼管内面のブラスト能力を向上させることができる。
【0045】
本発明は、これらの新たな知見に基づいて完成されたものであり、本発明に係る鋼管内面ブラスト装置は、次の(1)〜(9)のいずれかを要旨とするものであり、本発明に係る鋼管内面ブラスト方法は次の(10)を要旨とするものであり、そして、本発明に係る内面の表面性状に優れた鋼管の製造方法は次の(11)を要旨とするものである。以下、それぞれ、本発明(1)〜(11)という。本発明(1)〜(11)を総称して、本発明ということがある。
【0046】
(1) 水平に設置された鋼管の一端に接続される筒状のキャリア流体導入部と、この鋼管の他端に接続される負圧吸引部からなる鋼管内面ブラスト装置であって、筒状のキャリア流体導入部の端面に設けられた孔から、研掃材又は研磨材をキャリア流体とともにキャリア流体導入部内に水平方向に圧入することを特徴とする鋼管内面ブラスト装置。
【0047】
(2) 水平に設置された鋼管の一端に接続される筒状のキャリア流体導入部と、この鋼管の他端に接続される負圧吸引部からなる鋼管内面ブラスト装置であって、筒状のキャリア流体導入部の端面の中心に設けられた孔から、研掃材又は研磨材をキャリア流体とともにキャリア流体導入部内に水平方向に圧入することを特徴とする鋼管内面ブラスト装置。
【0048】
(3) 水平に設置された鋼管の一端と筒状のキャリア流体導入部とをダミー管を介して接続することを特徴とする上記(1)又は(2)の鋼管内面ブラスト装置。
【0049】
(4) 筒状のキャリア流体導入部の内部にはキャリア流体導入部の筒と同軸の軸管が設けられていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかの鋼管内面ブラスト装置。
【0050】
(5) 筒状のキャリア流体導入部の筒部に、空気をキャリア流体導入部に導入するための空気導入口が1個又は2個以上設けられていることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかの鋼管内面ブラスト装置。
【0051】
(6) 少なくとも1個の空気導入口にはホイッスル形状の空気導入装置が設けられていることを特徴とする上記(5)の鋼管内面ブラスト装置。
【0052】
(7) キャリア流体導入部内に研掃材又は研磨材をキャリア流体とともに水平方向に圧入することに加えて、キャリア流体導入部の空気導入口からも研掃材又は研磨材を供給することを特徴とする、上記(5)又は(6)の鋼管内面ブラスト装置。
【0053】
(8) 空気導入口から導入された空気が筒状のキャリア流体導入部の内壁に沿って旋回流を形成することを特徴とする上記(5)〜(7)のいずれかの鋼管内面ブラスト装置。
【0054】
(9) 鋼管がマルテンサイト系ステンレス鋼管であることを特徴とする、上記(1)〜(8)のいずれかの鋼管内面ブラスト装置。
【0055】
(10) 上記(1)〜(9)のいずれかの鋼管内面ブラスト装置を用いることを特徴とする鋼管内面ブラスト方法。
【0056】
(11) 上記(1)〜(9)のいずれかの鋼管内面ブラスト装置を用いて鋼管内面を研掃又は研磨することを特徴とする、内面の表面性状に優れた鋼管の製造方法。
【発明の効果】
【0057】
本発明によれば、鋼管の始端部から終端部まで鋼管の内面を十分にブラストできるとともに、ブラスト能力が向上した鋼管内面ブラスト装置、鋼管内面ブラスト方法及び内面の表面性状に優れた鋼管の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下、図面に基づいて、本発明を説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。また、以下は、研掃材を用いる場合について説明するが、研磨材を用いる場合にも同様であることは言うまでもない。
【実施例1】
【0059】
図5は、本発明に係る鋼管内面ブラスト装置の一例であり、鋼管内面ブラスト装置の全体図を示す。
【0060】
この鋼管内面ブラスト装置は、高圧流体をキャリア流体20として、研掃材を被ブラスト管(鋼管)6の内部に噴射するとともに、鋼管6の終端部から鋼管内の空気を吸引し、鋼管内部を負圧にするものであり、高圧噴射と負圧吸引を組み合わせたハイブリッド式ブラスト装置である。被ブラスト管(鋼管)6の始端部から終端部の全体にわたって、キャリア流体の圧力の変動が少ないため、被ブラスト管(鋼管)6の中では鋼管の内面をブラストするために必要な流速が十分に確保されている。
【0061】
この鋼管内面ブラスト装置では、コンプレッサ(図示せず)から供給された高圧空気流20に、研掃材タンク3に蓄えられた研掃材を落下させ、高圧空気にこの研掃材を混合する研掃材・流体混合部4が、筒状のキャリア流体導入部21とダミー管23を介して、被ブラスト管(鋼管)6の始端側に設けられている。
【0062】
そして、被ブラスト管(鋼管)6の終端部には、被ブラスト管6の内面の研掃を終えた研掃材とこの研掃材を浮遊させて搬送する負圧空気流とを受けて、研掃材と空気とを分離する重力沈降式の回収タンク7が設置され、サイクロン8及びダストコレクタ9を経て、極微粒子以外の研掃材や研掃屑が除去された空気をサイレンサ11に送り排出するブロワ10が接続されている。一部の研掃材は重力沈降式ダストコレクタ7および/またはサイクロン8で回収され、機械的および/または流体的搬送手段14によって研掃材タンク3にリサイクルされる。
【0063】
図6に、図5に示される鋼管内面ブラスト装置のうち、筒状のキャリア流体導入部の拡大図(斜視図)を示す。
【0064】
筒状のキャリア流体導入部21は、キャリア流体20とともに研掃材をキャリア流体導入部21の内部に水平方向に圧入するための孔19を、筒状のキャリア流体導入部21の端面の中心に有する。
【0065】
そして、ここでは、キャリア流体導入部21は、キャリア流体導入部の筒と同軸の軸管22を有し、この軸管内に筒状のキャリア流体導入部21の端面に設けられた孔19から水平に圧入された研掃材を搬送するキャリア流体20を長手方向速度Vで圧入し、軸管内を長手方向速度Vで通過させている。そして、研掃材を水平方向に搬送するキャリア流体20は軸管内を通過した後、キャリア流体の噴流の広がりのため、半径方向速度Vが加わる。
【0066】
すなわち、軸管を通過した後、キャリア流体20によって搬送される研掃材は、長手方向速度Vに半径方向速度Vが加わって、次の(1)式で示す速度Vでもって被ブラスト管(鋼管)6に衝突することになる。
【0067】
V=(V+V1/2 ・・・・・・・ (1)式
ここでは、軸管22の長さを筒状のキャリア流体導入部21の長さと同じに設定しているが、この軸管22の長さとキャリア流体20の速度を調節することによって、圧入された研掃材を搬送するキャリア流体20を、所定角度と所定位置でもって衝突させることができるので、キャリア流体20によって搬送された研掃材が、ちょうど鋼管始端部の内面から衝突し始めるように調節するべく、軸管22の長さを設定するのがよい。 また、ここでは、ダミー管23が水平に設置された鋼管始端部と筒状のキャリア流体導入部21との間に設置されている。ダミー管23を設置することによって、ダミー管23の一部を含めて内面をブラストすることができるので、研掃材が鋼管内面の始端部から確実にブラストすることができる。
【実施例2】
【0068】
図7は、本発明に係る鋼管内面ブラスト装置の他の一例であり、鋼管内面ブラスト装置の全体図を示す。
【0069】
これは、実施例1の鋼管内面ブラスト装置と同様に、高圧流体をキャリア流体20として、研掃材を被ブラスト管(鋼管)6の内部に噴射するとともに、鋼管6の終端部から鋼管内の空気を吸引し、鋼管内部を負圧にするものであり、高圧噴射と負圧吸引を組み合わせたハイブリッド式ブラスト装置である。ただし、ここでは、高圧流体をキャリア流体20として、研掃材を被ブラスト管(鋼管)6の内部に噴射するための筒状のキャリア流体導入部21は、空気24をキャリア流体導入部21の内部に導入するための空気導入口25を有する。この空気導入口から吸引又は圧入された空気24によって、キャリア流体導入部の内壁に沿って旋回流が形成される。ここで、キャリア流体20とともに水平方向から圧入される研掃材5は、研掃材・流体混合部4でキャリア流体と混合された後、キャリア流体導入部21に水平方向から圧入される。
【0070】
なお、被ブラスト管(鋼管)6の始端部から終端部の全体にわたって、キャリア流体の圧力の変動が少ないため、被ブラスト管(鋼管)6の中では鋼管の内面をブラストするために必要な流速が十分に確保されている。
【0071】
この鋼管内面ブラスト装置では、コンプレッサ(図示せず)から供給された高圧空気流20に、研掃材タンク3に蓄えられた研掃材を落下させ、高圧空気にこの研掃材を混合する研掃材・流体混合部4が、筒状のキャリア流体導入部21とダミー管23を介して、被ブラスト管(鋼管)6の始端側に設けられている。この研掃材・流体混合部4の構造は図2に示されたものと同様であり、ノズル16を通して供給された高圧空気流20と、フィーダー17を通って供給される研掃材5が、デフューザー18において混合され、キャリア流体導入部21へと搬送される。
【0072】
そして、被ブラスト管(鋼管)6の終端部には、被ブラスト管6の内面の研掃を終えた研掃材とこの研掃材を浮遊させて搬送する負圧空気流とを受けて、まだ破砕していない研掃材と空気とを分離する回収タンク7が設置され、また、回収タンク7で分離された研掃材を搬出する搬出手段14(ここで分離した研掃材は研掃材タンク3に戻される。)が設置されている。さらに、この回収タンク7には、破砕した研掃材や研掃屑と負圧空気流とを分離するためのサイクロン8及びダストコレクタ9と、研掃を終えた研掃材とこの研掃材を浮遊させて搬送する負圧空気流とを被ブラスト管6から前記回収タンク7と前記サイクロン8と前記ダストコレクタ9とを介して吸引し、研掃材や研掃屑が除去された空気をサイレンサ11に送り排出するブロワ10が接続されている。
【0073】
図8に、本実施例2にかかる鋼管内面ブラスト装置のうち、筒状のキャリア流体導入部の拡大図(斜視図)を示す。
【0074】
筒状のキャリア流体導入部21は、キャリア流体20とともに研掃材をキャリア流体導入部21の内部に水平方向に圧入するための孔19を、筒状のキャリア流体導入部21の端面の中心に有する。そして、筒状のキャリア流体導入部21は、空気24をキャリア流体導入部21の内部に導入するための空気導入口25を有する。この空気導入口25から吸引又は圧入された空気24によって、キャリア流体導入部の内壁に沿って円周方向速度Vθの旋回流が形成される。
【0075】
そして、ここでは、キャリア流体導入部21は、キャリア流体導入部の筒と同軸の軸管22を有し、この軸管内に筒状のキャリア流体導入部21の端面に設けられた孔19から水平に圧入された研掃材を搬送するキャリア流体20を長手方向速度Vで圧入し、軸管内を長手方向速度Vで通過させている。
【0076】
したがって、研掃材を水平方向に搬送するキャリア流体20は軸管内を通過した後、空気導入口25から導入された空気24によって形成される旋回流が加わり、その速度は長手方向速度Vと円周方向速度Vθと半径方向速度Vから合成される。
【0077】
すなわち、軸管を通過した後、キャリア流体20によって搬送される研掃材は、次の(2)式で示す速度Vでもって被ブラスト管(鋼管)6に衝突することになる。
【0078】
V=(V+Vθ+V1/2 ・・・・・・・ (2)式
なお、ここでは、軸管22の長さを筒状のキャリア流体導入部21の長さと同じに設定しているが、この軸管22の長さとキャリア流体20の速度を調節することによって、圧入された研掃材を搬送するキャリア流体20を、所定角度でもって鋼管始端部に衝突させることができるので、キャリア流体20によって搬送された研掃材が、ちょうど鋼管始端部の内面から衝突し始めるように調節するべく、軸管22の長さを設定するのがよい。
【0079】
また、ここでは、ダミー管23が水平に設置された鋼管始端部と筒状のキャリア流体導入部21との間に設置されている。ダミー管23を設置することによって、ダミー管23の一部を含めて内面をブラストすることができるので、研掃材が鋼管内面の始端部から確実にブラストすることができる。
【実施例3】
【0080】
図9は、本発明に係る鋼管内面ブラスト装置の他の一例であり、鋼管内面ブラスト装置の全体図を示す。
【0081】
これは、実施例1の鋼管内面ブラスト装置と同様に、高圧流体をキャリア流体20として、研掃材を被ブラスト管(鋼管)6の内部に噴射するとともに、鋼管6の終端部から鋼管内の空気を吸引し、鋼管内部を負圧にするものであり、高圧噴射と負圧吸引を組み合わせたハイブリッド式ブラスト装置である。ただし、ここでは、高圧流体をキャリア流体20として、研掃材を被ブラスト管(鋼管)6の内部に噴射するための筒状のキャリア流体導入部21は、空気24をキャリア流体導入部21の内部に導入するためのホイッスル形状の空気導入装置26を有する。この空気導入装置26から吸引又は圧入された空気24によって、キャリア流体導入部の内壁に沿って旋回流が形成される。ここで、キャリア流体20とともに水平方向から圧入される研掃材5は、研掃材・流体混合部4でキャリア流体と混合された後、キャリア流体導入部21に水平方向から圧入される。
【0082】
なお、被ブラスト管(鋼管)6の始端部から終端部の全体にわたって、キャリア流体の圧力の変動が少ないため、被ブラスト管(鋼管)6の中では鋼管の内面をブラストするために必要な流速が十分に確保されている。
【0083】
この鋼管内面ブラスト装置では、コンプレッサ(図示せず)から供給された高圧空気流20に、研掃材タンク3に蓄えられた研掃材を落下させ、高圧空気にこの研掃材を混合する研掃材・流体混合部4が、筒状のキャリア流体導入部21とダミー管23を介して、被ブラスト管(鋼管)6の始端側に設けられている。この研掃材・流体混合部4の構造は図2に示されたものと同様であり、ノズル16を通して供給された高圧空気流20と、フィーダー17を通って供給される研掃材5が、デフューザー18において混合され、キャリア流体導入部21へと搬送される。
【0084】
そして、被ブラスト管(鋼管)6の終端部には、被ブラスト管6の内面の研掃を終えた研掃材とこの研掃材を浮遊させて搬送する負圧空気流とを受けて、まだ破砕していない研掃材と空気とを分離する回収タンク7が設置され、また、回収タンク7で分離された研掃材を搬出する搬出手段14(ここで分離した研掃材は研掃材タンク3に戻される。)が設置されている。さらに、この回収タンク7には、破砕した研掃材や研掃屑と負圧空気流とを分離するためのサイクロン8及びダストコレクタ9と、研掃を終えた研掃材とこの研掃材を浮遊させて搬送する負圧空気流とを被ブラスト管6から前記回収タンク7と前記サイクロン8と前記ダストコレクタ9とを介して吸引し、研掃材や研掃屑が除去された空気をサイレンサ11に送り排出するブロワ10が接続されている。
【0085】
図10に、本実施例3にかかる鋼管内面ブラスト装置のうち、筒状のキャリア流体導入部の拡大図(斜視図)を示す。
【0086】
筒状のキャリア流体導入部21は、キャリア流体20とともに研掃材5をキャリア流体導入部21の内部に水平方向に圧入するための孔19を、筒状のキャリア流体導入部21の端面の中心に有する。そして、筒状のキャリア流体導入部21は、空気24をキャリア流体導入部21の内部に導入するためのホイッスル形状の空気導入装置26を有する。この空気導入装置26から吸引又は圧入された空気24によって、キャリア流体導入部の内壁に沿って円周方向速度Vθと半径方向速度Vから合成される旋回流が形成される。
【0087】
そして、ここでは、キャリア流体導入部21は、キャリア流体導入部の筒と同軸の軸管22を有し、この軸管内に筒状のキャリア流体導入部21の端面に設けられた孔19から水平に圧入された研掃材を搬送するキャリア流体20を長手方向速度Vで圧入し、軸管内を長手方向速度Vで通過させている。
【0088】
したがって、研掃材を水平方向に搬送するキャリア流体20は軸管内を通過した後、空気導入装置26から吸引又は圧入された空気24によって形成される旋回流が加わり、その速度は長手方向速度Vと円周方向速度Vθと半径方向速度Vから合成される。
【0089】
すなわち、軸管を通過した後、キャリア流体20によって搬送される研掃材は、実施例と同様に、次の(2)式で示す速度Vでもって被ブラスト管(鋼管)6に衝突することになる。
【0090】
V=(V+Vθ+V1/2 ・・・・・・・ (2)式
なお、ここでは、軸管22の長さを筒状のキャリア流体導入部21の長さと同じに設定しているが、この軸管22の長さとキャリア流体20の速度を調節することによって、圧入された研掃材を搬送するキャリア流体20を、所定角度でもって鋼管始端部に衝突させることができるので、キャリア流体20によって搬送された研掃材が、ちょうど鋼管始端部の内面から衝突し始めるように調節するべく、軸管22の長さを設定するのがよい。
【0091】
また、ここでは、ダミー管23が水平に設置された鋼管始端部と筒状のキャリア流体導入部21との間に設置されている。ダミー管23を設置することによって、ダミー管23の一部を含めて内面をブラストすることができるので、研掃材が鋼管内面の始端部から確実にブラストすることができる。
【実施例4】
【0092】
図11は、本発明に係る鋼管内面ブラスト装置の他の一例であり、鋼管内面ブラスト装置の全体図を示す。
【0093】
これは、実施例1の鋼管内面ブラスト装置と同様に、高圧流体をキャリア流体20として、研掃材5を被ブラスト管(鋼管)6の内部に噴射するとともに、鋼管6の終端部から鋼管内の空気を吸引し、鋼管内部を負圧にするものであり、高圧噴射と負圧吸引を組み合わせたハイブリッド式ブラスト装置である。ただし、ここでは、高圧流体をキャリア流体20として、研掃材を被ブラスト管(鋼管)6の内部に噴射するための筒状のキャリア流体導入部21は、空気24をキャリア流体導入部21の内部に導入するためのホイッスル形状の空気導入装置26を有することに加えて、このホイッスル形状の空気導入装置26からも、研掃材タンク3に蓄えられていた研掃材をキャリア流体導入部21に供給するものである。この空気導入装置26から吸引又は圧入された空気24によって、キャリア流体導入部の内壁に沿って旋回流が形成される。ここで、キャリア流体20とともに水平方向から圧入される研掃材5は、研掃材・流体混合部4でキャリア流体と混合された後、キャリア流体導入部21に水平方向から圧入される。
【0094】
なお、被ブラスト管(鋼管)6の始端部から終端部の全体にわたって、キャリア流体の圧力の変動が少ないため、被ブラスト管(鋼管)6の中では鋼管の内面をブラストするために必要な流速が十分に確保されている。
【0095】
この鋼管内面ブラスト装置では、コンプレッサ(図示せず)から供給された高圧空気流20に、研掃材タンク3に蓄えられた研掃材を落下させ、高圧空気にこの研掃材を混合する研掃材・流体混合部4が、筒状のキャリア流体導入部21とダミー管23を介して、被ブラスト管(鋼管)6の始端側に設けられている。この研掃材・流体混合部4の構造は図2に示されたものと同様であり、ノズル16を通して供給された高圧空気流20と、フィーダー17を通って供給される研掃材5が、デフューザー18において混合され、キャリア流体導入部21へと搬送される。また、この鋼管内面ブラスト装置では、筒状のキャリア流体導入部21の側面に設けられたホイッスル形状のからも、研掃材5がキャリア流体導入部21に供給されるが、このために空気導入装置26の上方には、研掃材5を蓄えることができる研掃材タンク3が設置されている。
【0096】
そして、被ブラスト管(鋼管)6の終端部には、被ブラスト管6の内面の研掃を終えた研掃材とこの研掃材を浮遊させて搬送する負圧空気流とを受けて、まだ破砕していない研掃材と空気とを分離する回収タンク7が設置され、また、回収タンク7で分離された研掃材を搬出する搬出手段14(ここで分離した研掃材は研掃材タンク3に戻される。)が設置されている。さらに、この回収タンク7には、破砕した研掃材や研掃屑と負圧空気流とを分離するためのサイクロン8及びダストコレクタ9と、研掃を終えた研掃材とこの研掃材を浮遊させて搬送する負圧空気流とを被ブラスト管6から前記回収タンク7と前記サイクロン8と前記ダストコレクタ9とを介して吸引し、研掃材や研掃屑が除去された空気をサイレンサ11に送り排出するブロワ10が接続されている。
【0097】
図12に、本実施例4にかかる鋼管内面ブラスト装置のうち、筒状のキャリア流体導入部の拡大図(斜視図)を示す。
【0098】
筒状のキャリア流体導入部21は、キャリア流体20とともに研掃材5をキャリア流体導入部21の内部に水平方向に圧入するための孔19を、筒状のキャリア流体導入部21の端面の中心に有する。そして、筒状のキャリア流体導入部21は、研掃材5とともに空気24をキャリア流体導入部21の内部に導入するためのホイッスル形状の空気導入装置26を有する。この空気導入装置26から吸引又は圧入された空気24によって、キャリア流体導入部の内壁に沿って円周方向速度Vθと半径方向速度Vから合成される旋回流が形成される。
【0099】
そして、ここでは、キャリア流体導入部21は、キャリア流体導入部の筒と同軸の軸管22を有し、この軸管内に筒状のキャリア流体導入部21の端面に設けられた孔19から水平に圧入された研掃材を搬送するキャリア流体20を長手方向速度Vで圧入し、軸管内を長手方向速度Vで通過させている。さらに、キャリア流体導入部21に設けられたホイッスル形状の空気導入装置26から導入された空気24は、ホイッスル形状の空気導入装置26から供給された研掃材5を搬送するとともに、軸管22の外周を、筒状のキャリア流体導入部の内壁に沿って旋回する、旋回速度Vθの旋回流を形成する。
【0100】
したがって、研掃材5を水平方向に搬送するキャリア流体20が軸管内を通過した後、別途、空気導入装置26から供給された研掃材5を搬送する空気24によって形成される旋回流が加わり、その速度は長手方向速度Vと円周方向速度Vθと半径方向速度Vから合成される。
【0101】
すなわち、軸管を通過した後、キャリア流体20によって搬送される研掃材は、実施例2と同様に、次の(2)式で示す速度Vでもって被ブラスト管(鋼管)6に衝突することになる。
【0102】
V=(V+Vθ+V1/2 ・・・・・・・ (2)式
なお、ここでは、軸管22の長さを筒状のキャリア流体導入部21の長さと同じに設定しているが、この軸管22の長さとキャリア流体20の速度を調節することによって、圧入された研掃材を搬送するキャリア流体20を、所定角度でもって鋼管始端部に衝突させることができるので、キャリア流体20によって搬送された研掃材が、ちょうど鋼管始端部の内面から衝突し始めるように調節するべく、軸管22の長さを設定するのがよい。
【0103】
また、ここでは、ダミー管23が水平に設置された鋼管始端部と筒状のキャリア流体導入部21との間に設置されている。ダミー管23を設置することによって、ダミー管23の一部を含めて内面をブラストすることができるので、研掃材が鋼管内面の始端部から確実にブラストすることができる。
【0104】
比較のために、図3に示された負圧吸引ブラスト装置(前記特許文献1に図1として示されたもの)のうち、筒状のキャリア流体導入部の拡大図(斜視図)を図13に示す。
【0105】
筒状のキャリア流体導入部21は、研掃材5とともに空気24をキャリア流体導入部21の内部に導入するためのホイッスル形状の空気導入装置26を有する。この空気導入装置26から吸引又は圧入された空気24によって、キャリア流体導入部の内壁に沿って円周方向速度Vθの旋回流が形成される。さらに、負圧の空気流によって長手方向に引っ張られるから、円周方向速度Vθに加えて長手方向速度Vが発生するので、その旋回流の速度は長手方向速度Vと円周方向速度Vθから合成される。
【0106】
すなわち、負圧の空気24によって搬送される研掃材は、次の(3)式で示す速度Vでもって被ブラスト管(鋼管)6に衝突することになる。
【0107】
V=(V+Vθ1/2 ・・・・・・・ (3)式
【実施例5】
【0108】
次に、本実施例3に示された鋼管内面ブラスト装置の構成を有する実験装置を用いて、研掃材をキャリア流体によって搬送したときの被ブラスト管(鋼管)内の研掃材の挙動を把握するための実験を行った。
【0109】
図14は、本実施例3にかかる鋼管内面ブラスト装置を用いた際の被ブラスト管(鋼管)内の研掃材の挙動を把握するための実験装置を示す。管内面ブラスト装置の材料としてポリカーボネート製の透明管を用い、このポリカーボネート製の透明管内を流れる珪砂を高速度カメラでブラスト管の長手方向の数か所で撮影して、各個所での珪砂の速度とその方向を分析した。
【0110】
コンプレッサ(図示せず)から供給された空気流量Qの高圧空気流20を研掃材・流体混合部4(内径D)に供給した。そして、研掃材タンク3から研掃材5としての珪砂を供給し、両者を混合した後、キャリア流体導入部21に軸管22を通して圧入した。別途、キャリア流体導入部21に設けられたホイッスル形状の空気導入装置26から、空気流量Qの負圧で空気24をキャリア流体導入部21の内部に吸引又は圧入することで、キャリア流体導入部21の内壁に沿って旋回流を形成した。なお、実験条件は表1に示すとおりである(本発明例1及び2)。
【0111】
比較のために、図3および図13に示された負圧吸引ブラスト装置の構成を有する比較実験装置を用いて、研掃材をキャリア流体によって搬送したときの被ブラスト管(鋼管)内の研掃材の挙動を把握した。
【0112】
図15は、比較のための実験装置であり、この実験装置を用いて、負圧吸引ブラスト装置における被ブラスト管(鋼管)内の研掃材の挙動を把握した。管内面ブラスト装置の材料としてポリカーボネート製の透明管を用い、このポリカーボネート製の透明管内を流れる珪砂を高速度カメラでブラスト管の長手方向の数か所で撮影して、各個所での珪砂の速度とその方向を分析した。
【0113】
研掃材タンク3から研掃材5としての珪砂を、キャリア流体導入部21に設けられたホイッスル形状の空気導入装置26に供給するとともに、キャリア流体導入部21に設けられたホイッスル形状の空気導入装置26から、空気流量Qの負圧で空気24をキャリア流体導入部21の内部に吸引することで、キャリア流体導入部21の内壁に沿って旋回流を形成した。なお、実験条件は表1に示すとおりである(比較例1及び2)。
【0114】
【表1】


【0115】
図16〜19に、研掃材としての珪砂の各種の移動速度(合成速度V、長手方向速度V、円周方向速度Vθ)及び珪砂の入射角αを、それぞれ示す。
【0116】
本発明例1及び2と比較例1及び2を比較すると、合成速度Vは被ブラスト管の始端部においては差異はないが、被ブラスト管の中程以降は本発明例1及び2が比較例1及び2を上回る(図16)。そして、長手方向速度Vは、本発明例1及び2では、被ブラスト管の始端部から終端部までのいずれにおいても比較例1及び2を上回る(図17)。
【0117】
これに対して、旋回角θ(研掃材の速度成分VθとVのなす角度)は被ブラスト管の始端部においては比較例1及び2が本発明例1及び2を大幅に上回り、被ブラスト管の終端部においても比較例1及び2が上回っている(図18)。しかしながら、比較例1及び2のように旋回角θが大きすぎると、被ブラスト管の内面に縞模様が発生する恐れがあるし、比較例1及び2のように被ブラスト管の始端部と終端部で旋回角θに差異がありすぎると、被ブラスト管の内面のブラスト効果が長手方向で異なるという問題が生じる。
【0118】
また、研掃材の入射角αは被ブラスト管の始端部においては比較例1及び2が本発明例1及び2を大幅に上回り、被ブラスト管の終端部においても比較例1及び2が上回っている(図19)。しかしながら、比較例1及び2のように研掃材の入射角αが大きすぎると、被ブラスト管の内面のブラスト効果が得られない恐れがある。また、被ブラスト管の始端部と終端部で研掃材の入射角αに差異がありすぎると、被ブラスト管の内面のブラスト効果が長手方向で異なるという問題が生じる。これに対して、本発明例1及び2は研掃材の入射角αが10〜30°という最適の角度範囲に入っている。
【0119】
なお、被ブラスト管の始端部において合成速度Vに差異はないのは、本発明例1及び2では長手方向速度Vが大きく、比較例1及び2では円周方向速度Vθが大きいためであると考えられる。
【0120】
ここで、研掃材の入射角αは10〜30°が最適の角度範囲である理由は、次のとおりである。
【0121】
図20は、橋本建次著「粉体空気輸送における摩耗対策」p.56, NTS, (1989)の図3.13(金属の衝突角度と摩耗量の関係(Arundelら))を転載したものである。ここには、一般に金属粒子と鋼材との衝突摩耗速度は入射角αが10〜30°の範囲にピークを持つ旨の記載があることが示されており、入射角αが10〜30°の範囲になることが好ましいからである。
【実施例6】
【0122】
本実施例3にかかる鋼管内面ブラスト装置(図9及び図10参照)を実機の鋼管内面のブラストに適用した。研掃材として珪砂を用いて、13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼(API(米国石油協会)規格)からなる鋼管(外径114.3mm)のデスケーリングを行った。その実験条件は次のとおりである。
【0123】
管内断面平均流速=90〜110m/sec(長手方向位置によって異なる)
キャリア流体圧入流量=吸引流量の3%
軸管の内径=キャリア流体導入部21の内径の約1/4
軸管の外径=114.3mm
軸管の肉厚=6.88mm
軸管の長さ=12.5m
粉体の投入位置=空気導入口の終点と同じ長手方向位置
比較のために、図3および図13に示された負圧吸引ブラスト装置を実機の鋼管内面のブラストに適用した。研掃材として珪砂を用いて、13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼(API(米国石油協会)規格)からなる鋼管(外径114.3mm)のデスケーリングを行った(比較例3)。その実験条件は次のとおりである。
【0124】
管内断面平均流速=90〜110m/sec(長手方向位置によって異なる)
粉体の投入位置=空気吸引装置26から落下投入
表2に、実施例6と比較例3の実験結果を示す。これは、所定の時間で研掃終了した際の終端部内面研掃状態を目視観察したものであり、○はデスケーリングが完了したことを、そして、×はデスケーリングが未完であったことを示す。
【0125】
【表2】


【0126】
本発明に係る鋼管内面ブラスト装置を用いる実施例6では、操業時間を10%短縮してもデスケーリングを完了することができたのに対して、負圧吸引ブラスト装置を用いる比較例3では操業時間を10%短縮するとデスケーリングを完了することができなかった。すなわち、本発明に係る鋼管内面ブラスト装置の方が、負圧吸引ブラスト装置よりも高い研掃能力を有するという結果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明によれば、鋼管の始端部から終端部まで鋼管の内面を十分にブラストできるとともに、ブラスト能力が向上した鋼管内面ブラスト装置及び鋼管内面ブラスト方法を提供することができるとともに、内面の表面性状に優れた鋼管の製造法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】特許文献1に図12として示されている高圧噴射ブラスト装置である。
【図2】高圧空気流20をキャリアとして搬送された研掃材5が入射角αでもって鋼管内面に衝突する際の模式図である。
【図3】特許文献1に図1として示されている負圧吸引ブラスト装置である。
【図4】負圧空気流15をキャリアとして搬送された研掃材5が入射角αでもって鋼管内面6に衝突する際の模式図である。
【図5】本発明に係る鋼管内面ブラスト装置の一例であり、鋼管内面ブラスト装置の全体図を示す。
【図6】図5に示される鋼管内面ブラスト装置のうち、筒状のキャリア流体導入部の拡大図(斜視図)を示す。
【図7】本発明に係る鋼管内面ブラスト装置の他の一例であり、鋼管内面ブラスト装置の全体図を示す。
【図8】図7に示される鋼管内面ブラスト装置のうち、筒状のキャリア流体導入部の拡大図(斜視図)を示す。
【図9】本発明に係る鋼管内面ブラスト装置の他の一例であり、鋼管内面ブラスト装置の全体図を示す。
【図10】図9に示される鋼管内面ブラスト装置のうち、筒状のキャリア流体導入部の拡大図(斜視図)を示す。
【図11】本発明に係る鋼管内面ブラスト装置の他の一例であり、鋼管内面ブラスト装置の全体図を示す。
【図12】図11に示される鋼管内面ブラスト装置のうち、筒状のキャリア流体導入部の拡大図(斜視図)を示す。
【図13】図3に示される負圧吸引ブラスト装置のうち、筒状のキャリア流体導入部の拡大図(斜視図)を比較のために示す。
【図14】図9及び10に示される鋼管内面ブラスト装置を用いた際の被ブラスト管(鋼管)内の研掃材の挙動を把握するための実験装置を示す。
【図15】図3に示される負圧吸引ブラスト装置における被ブラスト管(鋼管)内の研掃材の挙動を把握するための実験装置を示す。
【図16】研掃材としての珪砂の移動速度(合成速度V)を示す。
【図17】研掃材としての珪砂の移動速度(長手方向速度V)を示す。
【図18】研掃材としての珪砂の旋回角θを示す。
【図19】研掃材としての珪砂の入射角αを示す。
【図20】金属粉と金属面との衝突角度と摩耗量の関係を示す例図である。
【符号の説明】
【0129】
1 コンプレッサ
2 エアードライヤ
3 研掃材タンク
4 研掃材・流体混合部
5 研掃材
6 被ブラスト管(鋼管)
7 重力沈降式回収タンク
8 サイクロン
9 フィルター付きダストコレクタ
10 吸引ブロワ
11 サイレンサ
13 研掃材・空気供給部
14 搬出手段
15 負圧空気流(キャリア流体)
16 ノズル
17 フィーダー
18 デフューザー
19 孔
20 高圧空気流(キャリア流体)
21 キャリア流体導入部
22 軸管
23 ダミー管
24 空気
25 空気導入口
26 空気導入装置
α 研掃材の入射角
θ 研掃材の速度成分VθとVのなす角度
研掃材・流体混合部の内径
負圧の空気流量
高圧空気流の空気流量
長手方向速度
θ 円周方向速度
半径方向速度
【出願人】 【識別番号】000002118
【氏名又は名称】住友金属工業株式会社
【出願日】 平成18年9月1日(2006.9.1)
【代理人】 【識別番号】100093469
【弁理士】
【氏名又は名称】杉岡 幹二

【識別番号】100083585
【弁理士】
【氏名又は名称】穂上 照忠


【公開番号】 特開2008−55572(P2008−55572A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−237467(P2006−237467)