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【発明の名称】 金属部品の表面加工方法
【発明者】 【氏名】小林 祐次

【氏名】宇治橋 論

【要約】 【課題】バイトまたは砥石の送り速度を早くしても表面粗さの小さい加工面を得ることができる金属部品の表面加工方法を提供する。

【構成】旋盤または研磨機で加工した金属部品の加工面に、粒径0.1〜1.0mmのショットを噴射圧0.1〜0.4MPaで投射して、当該加工面における前記旋盤のバイトまたは前記研磨機の砥石の送り方向の表面粗さを極小に改善するようにしたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋盤または研磨機で加工した金属部品の加工面の表面粗さを極小にする金属部品の表面加工方法であって、
旋盤または研磨機で加工した金属部品の加工面に、粒径0.1〜1.0mmのショットを噴射圧0.1〜0.4MPaで投射して、当該加工面における前記旋盤のバイトまたは前記研磨機の砥石の送り方向の表面粗さを極小に改善するようにしたことを特徴とする金属部品の表面加工方法。
【請求項2】
請求項1に記載の金属部品の表面加工方法において、
前記金属部品は、旋盤または研磨機で加工する前に浸炭焼入れを行ったことを特徴とする金属部品の表面加工方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、金属部品の表面加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、金属部品を例えば旋盤で加工すると、加工面にはバイトによる螺旋状の微細な溝が形成され、その結果、その加工面は必然的に粗くなる。そのため、滑らかな加工面を要求する場合には、従来は、バイトの送り速度を極力遅くして螺旋状の溝の間隔をできるだけ狭くし、表面粗さが小さくなるようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このような従来の金属部品の表面加工方法では、バイトの送り速度が遅いため生産性が極めて悪いなどの問題があった。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、バイトまたは砥石の送り速度を早くしても表面粗さの小さい加工面を得ることができる金属部品の表面加工方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために本発明における金属部品の表面加工方法は、旋盤または研磨機で加工した金属部品の加工面の表面粗さを極小にする金属部品の表面加工方法であって、旋盤または研磨機で加工した金属部品の加工面に、粒径0.1〜1.0mmのショットを噴射圧0.1〜0.4MPaで投射して、当該加工面における前記旋盤のバイトまたは前記研磨機の砥石の送り方向の表面粗さを極小に改善するようにしたことを特徴とする。
【0006】
なお、本発明においてショットの粒径を0.1mm未満にすると、表面粗さの改善効果が得がたく、また1.0mmを超えると、表面粗さが大きくなる。
またなお、本発明においてショットの噴射圧を0.1MPa未満にすると、表面粗さの改善効果が得がたく、また0.4MPaを超えると、表面粗さが大きくなる。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明からも明らかなように本発明は、旋盤または研磨機で加工した金属部品の加工面の表面粗さを極小にする金属部品の表面加工方法であって、旋盤または研磨機で加工した金属部品の加工面に、粒径0.1〜1.0mmのショットを噴射圧0.1〜0.4MPaで投射して、当該加工面における前記旋盤のバイトまたは前記研磨機の砥石の送り方向の表面粗さを極小に改善するようにしたから、バイトまたは砥石の送り速度を早くしても表面粗さの小さい加工面を得ることができ、しかも、加工面の硬度を向上させることも可能になるなどの優れた実用的効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を適用した金属部品の表面加工方法の最良の形態について図面に基づき詳細に説明する。浸炭焼入れした硬度750HVの材質SCM420Hの丸棒を加工して所望の部品を製造すべく、この丸棒を旋盤で加工すると、丸棒の加工面には図1に示すように、バイトによって螺旋状の溝が生じる。次に、この加工面に粒径0.2および1.0mmのショットを、噴射圧0.1MPa、0.25MPa、0.4MPaでそれぞれ投射してカバレージ100または500%の処理面とし、加工面における前記旋盤のバイトの送り方向の表面粗さが極小になるようにし、 その後、この加工面の表面粗さを測定すると、図2に示すような結果になった。
【0009】
なお、図2において、カバレージとは、単位面積に対してショットを投射したときの打痕がほぼ全面に亘る場合には、カバレージ100%という。したがって、カバレージ200%とは、単位面積に対するショットの打痕がほぼ全面に亘りかつその密度が二重の場合であり、カバレージ500%とは、その密度が五重の場合である。
【0010】
この図2からは、ショットの投射前の加工面におけるバイトの送り方向の表面粗さは、約1.08μmであったが、ショットの投射により、最小0.93μmに改善されたことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明を適用する前に棒材を旋盤によって切削した時のその加工面の斜視図と、本発明について説明するに当たり関係事項を表示するものである。
【図2】本発明を適用して表面の粗さを改善したときのデータを表示するグラフである。
【出願人】 【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
【出願日】 平成18年8月25日(2006.8.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−49444(P2008−49444A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−228659(P2006−228659)