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線材のショットブラスト方法 - 特開2008−49414 | j-tokkyo
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【発明の名称】 線材のショットブラスト方法
【発明者】 【氏名】梅村 貢

【要約】 【課題】金属線材にショットを投射してこの線材をショットブラストするに当たり、線材に対するショットの投射率を可及的に高めることができる上に、線材の損傷を未然に防止することができる線材のショットブラスト方法を提供する。

【構成】線材のほぼ中心に向けて弾性支持されかつ任意の方向に回転可能に構成され直径が線材のそれより大きいとともに硬度が線材のそれとほぼ同一または線材のそれより硬いほぼ球状の3個以上の支持部材によって構成された複数の揺れ止め装置により線材を挟持してショットの投射による線材の振れを小さく抑えながら、先細り状を成すブレードを備えかつこのブレードの長手方向の中心線のほぼ延長上に線材の中心が位置するショット遠心投射装置またはショット噴射ノズルの指向方向のほぼ延長上に線材の中心が位置するショット圧力噴射装置により、ショットを線材に投射することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面がほぼ円形状を成しかつ柔軟性を有する張架状態の金属線材にショットを投射してこの線材をショットブラストする方法であって、
前記張架状態の線材の張架方向へ所要の間隔をおいて固定配設され、線材のほぼ中心に向けて弾性支持されかつ任意の方向に回転可能に構成され直径が線材のそれより大きいとともに硬度が線材のそれとほぼ同一または線材のそれより硬いほぼ球状の3個以上の支持部材によって構成された複数の揺れ止め装置により前記線材を挟持してショットの投射による線材の振れを小さく抑えながら、
先細り状を成すブレードを備えかつこのブレードの長手方向の中心線のほぼ延長上に前記線材の中心が位置するショット遠心投射装置またはショット噴射ノズルの指向方向のほぼ延長上に前記線材の中心が位置するショット圧力噴射装置により、ショットを前記線材に投射することを特徴とする線材のショットブラスト方法。
【請求項2】
請求項1に記載の線材のショットブラスト方法において、
前記ショット遠心投射装置または前記ショット圧力噴射装置によるショットの投射幅が前記線材の直径の1.5〜4.0倍であることを特徴とする線材のショットブラスト方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の線材のショットブラスト方法において、
前記ショット遠心投射装置のショット投射端と前記線材の通過中心の間の距離が線材の直径の4〜10倍であることを特徴とする線材のショットブラスト方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載の線材のショットブラスト方法において、
前記ショット圧力噴射装置のショット噴射ノズルの先端と前記線材の通過中心の間の距離が線材の直径の2〜5倍であることを特徴とする線材のショットブラスト方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、断面がほぼ円形状を成しかつ柔軟性を有する張架状態の金属線材にショットを投射してこの線材をショットブラストする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属線材をショットブラストする装置の一つとして、線材に向けて互いに異なる方向からショットを投射する複数のインペラを内蔵するとともに水平方向のガイドユニット収容部を有しかつこのガイドユニット収容部の少なくとも一端側にガイドユット出し入れ口を備えた装置本体と、上記ガイドユニット収容部の上部にこの収容部の長さ方向に沿って水平方向に設けられた互いに平行な一対のレールと、上記レールの長さ方向にスライド自在に支持されかつ上記ガイドユニット出し入れ口を通じてガイドユニット収容部に出し入れ可能な複数のガイドユニットを有し、上記ガイドユニットは、上記レールにその長さ方向にスライド自在に嵌合させられるスライダと、これらスライダに固定されかつ上記線材を挿入させる線材挿入孔を有した一対の端板と、これら端板に固定されかつ上記インペラによって加速されたショットが線材に向かって投射されるようにショットを制御する一対の投射ライナと、上記端板に固定されかつ上記インペラから投射されたショットを受ける直射ライナとを備えて構成された線材のデスケーリング装置がある。
【特許文献1】実公平4−45813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このように構成された従来の金属線材をショットブラストする装置では、ショットの投射を受けた線材が、大きく揺れて、投射されるショットを制御する一対の投射ライナに接触するため損傷し、しかも、ショットを投射するインペラと線材との間に投射ライナが位置するため、インペラと線材との間の距離が長くなり、それに伴ってショットの投射効率が低下するなどの問題があった。
【0004】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、断面がほぼ円形状を成しかつ柔軟性を有する張架状態の金属線材にショットを投射してこの線材をショットブラストするに当たり、線材の損傷の発生を未然に回避することができる上に、線材に対するショットの投射率を可及的に高めることができる線材のショットブラスト方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために本発明における線材のショットブラスト方法は、断面がほぼ円形状を成しかつ柔軟性を有する張架状態の金属線材にショットを投射してこの線材をショットブラストする方法であって、前記張架状態の線材の張架方向へ所要の間隔をおいて固定配設され、線材のほぼ中心に向けて弾性支持されかつ任意の方向に回転可能に構成され直径が線材のそれより大きいとともに硬度が線材のそれとほぼ同一または線材のそれより硬いほぼ球状の3個以上の支持部材によって構成された複数の揺れ止め装置により前記線材を挟持してショットの投射による線材の振れを小さく抑えながら、先細り状を成すブレードを備えかつこのブレードの長手方向の中心線のほぼ延長上に前記線材の中心が位置するショット遠心投射装置またはショット噴射ノズルの指向方向のほぼ延長上に前記線材の中心が位置するショット圧力噴射装置により、ショットを前記線材に投射することを特徴とする。
【0006】
なお、本発明においては、前記ショット遠心投射装置または前記ショット圧力噴射装置によるショットの投射幅が前記線材の直径の1.5〜4.0倍であることが望ましく、この範囲以外では、所望の作用効果を得ることができない。
またなお、本発明においては、前記ショット遠心投射装置のショット投射端(インペラの先端)と前記線材の通過中心の間の距離が線材の直径の4〜10倍であることが望ましく、また、前記ショット圧力噴射装置のショット噴射ノズルの先端と前記線材の通過中心の間の距離が線材の直径の2〜5倍であることが望ましい。この範囲以外では、所望の作用効果を得ることができない。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように本発明は、断面がほぼ円形状を成しかつ柔軟性を有する張架状態の金属線材にショットを投射してこの線材をショットブラストする方法であって、前記張架状態の線材の張架方向へ所要の間隔をおいて固定配設され、線材のほぼ中心に向けて弾性支持されかつ任意の方向に回転可能に構成され直径が線材のそれより大きいとともに硬度が線材のそれとほぼ同一または線材のそれより硬いほぼ球状の3個以上の支持部材によって構成された複数の揺れ止め装置により前記線材を挟持してショットの投射による線材の振れを小さく抑えながら、先細り状を成すブレードを備えかつこのブレードの長手方向の中心線のほぼ延長上に前記線材の中心が位置するショット遠心投射装置またはショット噴射ノズルの指向方向のほぼ延長上に前記線材の中心が位置するショット圧力噴射装置により、ショットを前記線材に投射するから、従来のこの種の装置のような、投射されるショットを制御する一対の投射ライナを不要にすることができるため、投射ライナの接触による線材の損傷の発生を未然に回避することができる上に、ショット遠心投射装置またはショット噴射ノズルと線材との間の距離の短縮により、線材に対するショットの投射率を可及的に高めることができるなどの優れた実用的効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明を適用した線材のショットブラスト装置の実施形態について、図1〜図7に基づき詳細に説明する。図5および図6に示すように、本ショットブラスト装置は、研掃室を構成するキャビネット1と、このキャビネット1における線材Wの搬入口および搬出口、およびキャビネット1内に左右方向へ所要の間隔をおいて固定配設されかつ先細り状の貫通孔2を有する複数の案内部材3・3と、これら複数の案内部材3・3のうち中央部の案内部材3に固着されて、前記キャビネット1を左右方向に貫通して延びる線材Wを保持する第1揺れ止め装置4と、前記複数の案内部材3・3のうち前記キャビネット1の線材Wの搬入口および搬出口のものにそれぞれ固着された2組の第2揺れ止め装置5・5と、前記キャビネット1内を貫通する線材Wに向けてショットを投射する4基のショット遠心投射装置のインペラ6・6と、前記キャビネット1内を貫通する線材Wに所要大きさの張力を付与した状態で線材Wを左から右方向へ牽引する牽引手段(図示せず)とで構成してある。
【0009】
そして、前記第1揺れ止め装置4は、図1に示すように、張架状態の線材Wのほぼ中心に向けて弾性支持されかつ任意の方向に回転可能に構成され、材質が特殊合金鋼、直径が4〜25mmおよび硬度がHV400〜1400であるほぼ球状の4個の支持部材7・7と、嵩上げ部材8を介して設けられ前記4個の支持部材7・7のそれぞれを前記線材Wのほぼ中心に向けて弾性支持する4個の弾性支持手段としての板ばね9・9と、前記4個の支持部材7・7および前記4個の板ばね9・9を内装させた支持手段としての横置箱状の有蓋箱体10と、で構成してあり、さらに、前記第1揺れ止め装置4においては、図2に示すように、前記4個の支持部材7・7で成る支持部材群7A・7Aが張架状態の線材Wの延びる方向へ3組連なっていて、1個の前記板ばね9は、前記3組の支持部材群7A・7Aにおける各1個の支持部材7、すなわち3個の支持部材7・7を同時に弾性支持するようになっている。また、前記4個の支持部材7・7間に前記線材Wが貫通した時、前記4個の支持部材7・7および前記4個の板ばね9・9が図3に示すような状態になって、前記4個の支持部材7・7は前記線材Wをこれの中心に向けて押圧するようになっている。
【0010】
また、前記有蓋箱体10における左・右側壁には、前記4個の支持部材7・7が画成する空間のほぼ中心位置を前記線材Wが貫通可能な2個の開口11・11が、また下側壁にはショットの排出孔12がそれぞれ設けてある。また前記有蓋箱体10の左側壁の外周部にはフランジ13が形成してあって、前記有蓋箱体10はフランジ13を介して前記案内部材3に取り付けてある。
なお、前記支持部材7は、直径が線材Wのそれより大きいため、前記有蓋箱体10の開口11・11から出ることはない。
【0011】
また、前記第2揺れ止め装置5における支持部材7も、図2に示す前記第1揺れ止め装置4と同様に、前記線材Wを挟持する4個の支持部材7・7で成る支持部材群7A・7Aを前記線材Wの延びる方向である左右方向へ三重に連ねて設けてあり、しかも、二段目の支持部材群7Aは、1個の支持部材7が一段目または三段目の支持部材群7Aにおける2個の前記支持部材7・7の間にほぼ位置するように前記線材Wを中心に所要角度回転させて配置した構造になっていて、前記線材Wを保持するとともに投射されたショットが前記キャビネット1外へ飛び出すのを阻止することができるようになっている。
なお、制作上の観点から、前記嵩上げ部材8、前記板ばね9、および前記有蓋箱体10は、それぞれ前記線材Wが延びる方向へ3分割された構造になっている。
【0012】
また、前記インペラ6のブレードが先細り状を成しかつこのブレードの長手方向の中心線のほぼ延長上に前記線材Wの中心が位置し、かつ前記インペラ6のショットの投射幅が前記線材Wの直径の1.5〜4.0倍になっている。
また、前記インペラ6のブレードの先端であるショット投射端と前記線材Wの通過中心の間の距離が線材Wの直径の4〜10倍になっている。
さらに、前記4基のインペラ6・6は、前記線材Wが延びる方向へ所要の間隔をおいて設けてあって、線材Wに対して前・後方向および上・下方向からショットを投射するようになっている。そして、前記4基のインペラ6・6から投射されたショットは、前記キャビネットの底部に装着されたスクリュコンベヤ14およびバケットエレベータ15によって回収され、続いて図示しない慣用の分離装置によって不純物を除去されたのち再び前記4基のインペラ6・6にそれぞれ供給されるようになっている。
【0013】
このように構成したものは、図7に示すように、ショットブラストすべき線材Wを、線材搬入側の第2揺れ止め装置5、複数の案内部材3・3、第1揺れ止め装置4および線材搬出側の第2揺れ止め装置5を貫通させたのち、この線材Wに張力を付与した状態で線材Wを牽引して移動させる。なお、線材Wは案内部材3における先細り状の貫通孔2によって案内されたのち球状の支持部材7・7間に挿入されるようにして第2揺れ止め装置5および第1揺れ止め装置4を貫通されるため、この線材Wの貫通作業を容易に行うことができる。
【0014】
こうして第2揺れ止め装置5、第1揺れ止め装置4等を貫通した線材Wを牽引いて移動させながら、インペラ6・6によって線材Wにショットを投射する。すると、ショットの投射を受けて線材Wが揺れを起こそうとするが、特に、2個の第2揺れ止め装置5・5および第1揺れ止め装置4において板ばね9・9の変形による押圧力を受けた支持部材7・7が線材Wを狭持し、これに伴って、線材Wは揺れの発生を抑制あるいは防止される。
この結果、インペラ6・6によって投射されたショットは線材Wに効率良く当たることになる。また、線材Wと支持部材7・7とはいわゆる点接触をしているとともに、支持部材7・7は回転可能であるため、線材Wと支持部材7・7との間にはショットは入り込まず、仮に入り込んでも直ちに排出される。したがって、線材は損傷されることはない。そして、第1揺れ止め装置4および線材第2揺れ止め装置5の各有蓋箱体10内に進入したショットは、排出孔12から排出される。
【0015】
なお、支持部材7・7がほぼ球状である上に弾性支持されかつ回転可能に構成されているため、支持部材7・7と線材Wとの間に進入したショットは、線材Wの表面に害を与えることなくこれらの間から直ぐに出て落下し、しかも、線材Wが局部的に曲がり、張架状態で第1揺れ止め装置4内に入っても、第1揺れ止め装置4によって抵抗が増加したり損傷されたりすることなく、線材Wは第1揺れ止め装置4を容易に通過することができる。
【0016】
以上の現象を、例えば、直径7.5mmの鋼製の線材Wを、50〜70kgの張力を付与して送り速度60m/minで送るとともに、この線材Wに、粒径0.3mmのショットを投射速度65m/secで投射して、上述の第1揺れ止め装置4および第2揺れ止め装置5・5がない場合と比較したところ、第1揺れ止め装置4および第2揺れ止め装置5・5がある場合の線材Wの揺れは直径7.5mm+5mmであったが、第1揺れ止め装置4および第2揺れ止め装置5・5がない場合には、直径7.5mm+25mmであった。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に適用した第1揺れ止め装置の一実施例の左側面断面図である。
【図2】図1の縦断面図である。
【図3】図1において線材が貫通した状態を示す説明図である。
【図4】本発明に適用した線材のショットブラスト装置に係る第2揺れ止め装置の一実施例の左側面断面図である。
【図5】本発明を適用した線材のショットブラスト装置の一部断面正面図である。
【図6】図5のA−A断面図である。
【図7】図5に示す線材のショットブラスト装置の実施状況を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
【0018】
4 第1揺れ止め装置
5 第2揺れ止め装置
6 ショット遠心投射装置のインペラ
【出願人】 【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
【出願日】 平成18年8月23日(2006.8.23)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−49414(P2008−49414A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−225950(P2006−225950)