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【発明の名称】 ショット処理装置
【発明者】 【氏名】岩田 恭一

【要約】 【課題】粒度選別手段の処理容量を抑えるとともに、安定した投射材の粒度を維持することができるショット処理装置を提供する。

【構成】被処理製品を回転自在に保持する回転処理部6と、被処理製品および回転処理部を囲う投射室本体1と、下部が二股状に分かれたホッパー10と、該ホッパーの二股の一方の分岐路に接続される投射材加速手段Aと、該分岐路に接続された投射材加速手段用接続管16と、該接続管に設置された流量調整弁17と、投射された投射材をホッパーへ輸送する輸送手段7と、循環する投射材のうち、適正粒度の投射材と粒度基準から外れた投射材および異物とを分離する粒度選別手段12と、投射室本体と粒度選別手段から輸送手段の下部位置へ連通する循環投射材用接続管15と、前記ホッパーの二股の他方の分岐路に接続される粒度選別接続管13と、該粒度選別接続管に設置される流量調整手段Bとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理製品に投射した投射材を循環するとともに分級して、該投射材の粒度を安定させ表面処理の品質を向上させるショット処理装置において、
前記被処理製品を回転自在に保持する回転処理部と、
該被処理製品および回転処理部を囲う投射室本体と、
前記投射材を貯留するための、下部が二股状に分かれたホッパーと、
前記被処理製品に投射材を投射するために該ホッパーの二股の一方の分岐路に接続される投射材加速手段と、
前記ホッパーに貯留された投射材を該ホッパーの二股の一方の分岐路から該投射材加速手段へ補給するために接続された投射材加速手段用接続管と、
該ホッパーに貯留された投射材を該ホッパーの二股の一方の分岐路から該投射材加速手段への投射材の流量を調整するため、前記投射材加速手段用接続管に設置された流量調整弁と、
投射された投射材を該ホッパーへ輸送する輸送手段と、
循環する投射材のうち、適正粒度の投射材と粒度基準から外れた投射材および異物とを分離する粒度選別手段と、
前記被処理製品に投射された投射材と該粒度選別手段から分離された適正粒度の投射材とを混入させるために、前記投射室本体と該粒度選別手段と前記輸送手段の下部位置とを連通する循環投射材用接続管と、
前記ホッパーに貯留された投射材を該ホッパーの二股の他方の分岐路から前記粒度選別手段へ送給するために接続される粒度選別接続管と、
前記ホッパーに貯留された投射材を該ホッパーの二股の他方の分岐路から前記粒度選別手段への投射材の流量を調整するため、前記粒度選別接続管に設置される流量調整手段
とを備えてなるショット処理装置。
【請求項2】
前記輸送手段の上部位置とホッパーとのあいだに、該輸送手段から輸送されてきた投射材を大き目の投射材と小さ目の投射材に分級するために接続される風選式分級装置と、
該風選式分級装置から分離される大き目の投射材を前記ホッパーへ送るホッパー接続管と、
該風選式分級装置から分離される小さ目の投射材を前記粒度選別手段へ送る第2の粒度選別接続管
とをさらに備えてなる請求項1記載のショット処理装置。
【請求項3】
前記粒度選別手段が振動ふるい機である請求項1または2記載のショット処理装置。
【請求項4】
前記流量調整手段が開閉自在で投射材の流量を制御する流量制御弁である請求項1、2または3記載のショット処理装置。
【請求項5】
前記流量調整手段がオーバーフローパイプを具備する構造である請求項1、2または3記載のショット処理装置。
【請求項6】
前記投射材加速手段が、投射材を噴射する噴射ノズルと加圧タンクからなる請求項1、2、3、4または5記載のショット処理装置。
【請求項7】
前記投射材加速手段が遠心投射装置である請求項1、2、3、4または5記載のショット処理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はショット処理装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、被処理製品に投射した投射材を循環するとともに分級して、該投射材の粒度を安定させ表面処理の品質を向上させるショット処理装置に関する。
に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被処理製品の砂落し、スケール落しまたはピーニングに用いられるショット処理装置は公知である。このショットブラスト装置には、たとえば投射材の粒度を安定させるために粒度選別手段として傾斜式ふるい網が設置されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−193015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この装置においてより大きな被処理製品を処理する場合、時間当たりに必要な投射量が多くなり、それらの投射材の粒度を一定に保つために設置される傾斜式ふるい網は大きな装置となって、設置スペースが広がってしまう。また、この傾斜式ふるい網においては、ふるい網周りのショット処理装置の換気のために通常の集塵風量以上に風量を必要としたり、分級処理量が増加すると分級性能が低下するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、粒度選別手段の処理容量を抑えるとともに、安定した投射材の粒度を維持することができるショット処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のショット処理装置は、被処理製品に投射した投射材を循環するとともに分級して、該投射材の粒度を安定させ表面処理の品質を向上させるショット処理装置において、前記被処理製品を回転自在に保持する回転処理部と、該被処理製品および回転処理部を囲う投射室本体と、前記投射材を貯留するための、下部が二股状に分かれたホッパーと、前記被処理製品に投射材を投射するために該ホッパーの二股の一方の分岐路に接続される投射材加速手段と、前記ホッパーに貯留された投射材を該ホッパーの二股の一方の分岐路から該投射材加速手段へ補給するために接続された投射材加速手段用接続管と、該ホッパーに貯留された投射材を該ホッパーの二股の一方の分岐路から該投射材加速手段への投射材の流量を調整するため、前記投射材加速手段用接続管に設置された流量調整弁と、投射された投射材を該ホッパーへ輸送する輸送手段と、循環する投射材のうち、適正粒度の投射材と粒度基準から外れた投射材および異物とを分離する粒度選別手段と、前記被処理製品に投射された投射材と該粒度選別手段から分離された適正粒度の投射材とを混入させるために、前記投射室本体と該粒度選別手段から前記輸送手段の下部位置へ連通する循環投射材用接続管と、前記ホッパーに貯留された投射材を該ホッパーの二股の他方の分岐路から前記粒度選別手段へ送給するために接続される粒度選別接続管と、前記ホッパーに貯留された投射材を該ホッパーの二股の他方の分岐路から前記粒度選別手段への投射材の流量を調整するため、前記粒度選別接続管に設置される流量調整手段とを備えてなることを特徴としている。
【0007】
また、前記ショット処理装置が、前記輸送手段の上部位置とホッパーとのあいだに、該輸送手段から輸送されてきた投射材を大き目の投射材と小さ目の投射材に分級するために接続される風選式分級装置と、該風選式分級装置から分離される大き目の投射材を前記ホッパーへ送るホッパー接続管と、該風選式分級装置から分離される小さ目の投射材を前記粒度選別手段へ送る第2の粒度選別接続管とをさらに備えているのが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ホッパーの二股の分岐路に、必要最小限の容量を持つ振動ふるい機などの粒度選別手段を接続することにより、該粒度選別手段の処理容量を小さく抑えることができるため、粒度選別手段の設置スペースを小さくできるとともに、投射材の粒度を決められた分布に近づけることができるため、投射材の粒度を安定させ表面処理の品質を向上させることができる。
【0009】
また、前記輸送手段の上部位置とホッパーとのあいだに風選式分級装置を接続させることにより、循環する投射材のうち、粒度が小さくなった粉体を粒度選別手段へ送給し、効率的に再循環または廃棄することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面に基づいて本発明のショット処理装置を説明する。本発明のショット処理装置は、被処理製品の砂落しやスケール落しなどに使用されるショットブラスト装置または被処理製品のピーニングに使用されるショットピーニング装置として適用することができ、本実施の形態にかかわるショット処理装置は、図1に示されるように、被処理製品2を回転自在に保持する回転処理部としての回転テーブル6と、該被処理製品2および回転テーブル6を囲う投射室本体3と、該投射材を貯留するための、下部が二股状に分かれたホッパー10と、該被処理製品2に投射材を投射するために該ホッパー10の二股の一方の分岐路10aに接続される投射材加速手段Aと、前記ホッパー10に貯留された投射材を該ホッパー10の二股の一方の分岐路10aから該投射材加速手段Aへ補給するために接続された投射材加速手段用接続管16と、該ホッパー10に貯留された投射材を該ホッパー10の二股の一方の分岐路10aから該投射材加速手段Aへの投射材の流量を調整するため、前記投射材加速手段用接続管16に設置された流量調整弁17と、投射された投射材を該ホッパー10へ輸送する輸送手段としてのバケットエレベータ7と、循環する投射材のうち、適正粒度の投射材と粒度基準から外れた投射材および異物とを分離する粒度選別手段としての振動ふるい機12と、前記被処理製品2に投射された投射材と該振動ふるい機12から分離された適正粒度の投射材とを混入させるために、前記投射室本体3と該振動ふるい機12から前記バケットエレベータ7の下部位置へ連通する循環投射材用接続管15と、前記ホッパー10に貯留された投射材を該ホッパー10の二股の他方の分岐路10bから前記振動ふるい機12へ送給するために接続される粒度選別接続管としての振動ふるい接続管13と、前記ホッパー10に貯留された投射材を該ホッパー10の分岐路10bから前記振動ふるい機12への投射材の流量を調整するため、前記振動ふるい接続管13に設置される流量調整手段Bと、前記バケットエレベータ7の上部位置とホッパー10とのあいだに、該バケットエレベータ7から輸送されてきた投射材を大き目の投射材と小さ目の投射材に分級するために接続される風選式分級装置8と、該風選式分級装置8から分離される大き目の投射材を前記ホッパー10へ送るホッパー接続管9と、該風選式分級装置8から分離される小さ目の投射材を振動ふるい機12へ送る第2の振動ふるい接続管11とを備えている。なお、本実施の形態では、粒度選別手段として、振動モータおよびふるい体などを有する振動ふるい機12にされているが、本発明においては、たとえば必要最小限の容量を持つ装置であれば、これに限定されるものではない。
【0011】
図1において、符号1は被処理製品2を処理するためのショットブラスト機本体であって、下部が絞られた中空の投射室本体3と、該投射室本体3の内部に投射材を投射する投射材加速手段Aとを具備している。この投射材加速手段Aは、圧縮ガス源と配管と接続され圧縮ガスとともに投射材を貯留する加圧タンク4と、該加圧タンク4と配管によって接続された噴射ノズル5とから構成されている。また、前記投射室本体3の内部に、回転機構を有する前記回転テーブル6が設置されている。この回転テーブル6には、被処理製品2を保持する機構が設けられている。本実施の形態では、回転処理部として回転テーブル6が用いられているが、本発明においては、被処理製品を所定の位置に保持していればよく、吊り下げハンガーまたは回転ドラムなども用いることができる。
【0012】
投射された投射材は、投射室本体3の下部に集められ投射室本体3と接続されたバケットエレベータ7により風選式分級装置8に運ばれる。ついで、風選式分級装置8に運ばれた投射材は、集塵機などの空気の流れ(矢印S)を利用し大き目の投射材(粉体)と小さ目の投射材(粉体)に分離され、大き目の投射材(粉体)はホッパー接続管9を通りホッパー10に貯留される。また、小さ目の投射材(粉体)は第2の振動ふるい接続管11を通り振動ふるい機12へと運ばれる。本実施の形態では、搬送手段としてバケットエレベータ7が用いられているが、本発明においては、投射材が輸送可能であれば、これに限定されるものではなく、スクリューコンベヤ、ベルトコンベヤまたは空気輸送パイプなどを用いることができる。
【0013】
ついで、前記ホッパー10に貯留された投射材の一部は該ホッパー10に接続された振動ふるい接続管13により振動ふるい機12へと運ばれる。ここで、振動ふるい接続管13には流量調整手段14が設置されており、この流量調整手段14によって前記振動ふるい接続管13を流れる投射材の流量がコントロールされるため、振動ふるい機12へ流入する投射材の量が規制される。また、この振動ふるい機12から排出された、適正な粒度の投射材は循環投射材用接続管15を通り再びバケットエレベータ7に返され、かつ規定の粒度の上限値と下限値を超えた大きいものと小さいものは廃棄される。
なお、ここで、本実施の形態では、前記循環投射材用接続管15は、投射室本体3と振動ふるい機12からバケットエレベータの下部位置へ連通するように接続されているが、本発明においては、振動ふるい機12から排出された、適正な粒度の投射材は投射室本体3へ返されてもよく、振動ふるい機12の配置や、振動ふるい機12からの投射材の排出の向きなどの機械構成により変更することができる。さらに具体的には、バケットエレベータ7と投射室本体3が密接している場合、投射材をバケットエレベータ7の下部へ投入する口は投射室本体3との接合部となり、外部から投射材を投入するスペースが取れない場合もあるため、投射室本体3へ投入し、投射された投射材の中へ混入しても良い。
また、前記流量調整手段14として、振動ふるい接続管13を流れる投射材の流量をコントロールする、開閉自在な流量制御弁またはホッパー内の貯留量に応じて流量が調整できるオーバーフローパイプを具備する構造などを適宜選定して用いることができる。
【0014】
前記ホッパー10に貯留された投射材の一部は、ホッパー10の二股の分岐路10aに接続された投射材加速手段用接続管16を通り、加圧タンク4へと運ばれる。ここで、投射材加速手段用接続管16には流量調整弁17が設置されており、加圧タンク4に貯留される投射材の量に応じてこの流量調整弁が開閉される。そして、加圧タンク4に貯留された投射材は噴射ノズル5を通り、再び被処理製品の処理を行なう。
【0015】
なお、本実施の形態では、前記投射材加速手段Aとして、エア噴射により投射材をノズル投射する装置にされているが、本発明においては、これに限定されるものではなく、インペラーを使用した遠心式投射装置などを用いることができる。遠心式投射装置を用いる場合、前記投射材加速手段用接続管16はホッパー10から直接遠心式投射装置へ接続されていれば良い。
【実施例】
【0016】
つぎに本発明の実施例を説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。本実施の形態にかかわるショット処理装置を用いて処理を行なった時の循環している投射材のピーク粒度の時間変化を図2に示す。ここで、投射材の規定のピーク粒度をφ0.6mmとし、初期ピーク粒度はφ0.45mmとした。図2は、1サイクルあたり20秒で、うち投射時間は12秒であり、噴射エア圧力は0.35MPa、全噴射量は30kg/minとし、振動ふるいへ供給される投射材は10kg/minとした時の結果である。
【0017】
上記の説明から明らかなように、本実施の形態は、振動ふるいの容量を大きくすることなく投射材の粒度を安定することが可能である。
【0018】
なお、本実施の形態では、風選式分級装置8を用いたショット処理装置を説明したが、本発明においては、これに限定されるものではなく、かかる風選式分級装置8およびこの装置8に接続されたホッパー接続管9や第2の振動ふるい接続管11を省くこともできる。
【0019】
また、本実施の形態において、投射材の消耗を補うために投入される投射材の粒径が一様であれば、規定の粒径より大きい投射材が混入する可能性が小さいため、粒度選別手段としての振動ふるい機は下限除去のものを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態にかかわるショット処理装置の概略構成図である。
【図2】本発明によるショット処理装置を用いた場合の循環している投射材のピーク粒度の時間変化の図である。
【符号の説明】
【0021】
A 投射材加速手段
B 流量調整手段
1 ショットブラスト機本体
2 被処理製品
3 投射室本体
4 加圧タンク
5 噴射ノズル
6 回転テーブル
7 バケットエレベータ
8 風選式分級装置
9 ホッパー接続管
10 ホッパー
10a、10b 分岐路
11 振動ふるい接続管
12 振動ふるい機
13 第2の振動ふるい接続管
14 流量調整手段
15 循環投射材用接続管
16 投射材加速手段用接続管
17 流量調整弁
【出願人】 【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
【出願日】 平成18年7月11日(2006.7.11)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−18476(P2008−18476A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−190030(P2006−190030)