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ウォータージェット加工装置 - 特開2008−12633 | j-tokkyo
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【発明の名称】 ウォータージェット加工装置
【発明者】 【氏名】花島 聡

【氏名】立岩 聡

【氏名】松原 政幸

【氏名】山本 昌明

【氏名】金井 茂一

【要約】 【課題】ウォータージェット加工装置に設置される緩衝槽の劣化を防止して、頻繁な交換を不要とする。

【構成】保持手段2において被加工物8を保持し、噴射ノズル30から砥粒と水とが混合された加工水30aを噴射ノズル30から噴射して被加工物8を加工するウォータージェット加工装置1において、被加工物8を貫通した加工水30aを貯水する貯水槽40と貯水槽40に収容されるバスケット41とバスケット41に収容される複数の緩衝球42とから構成される緩衝槽4を噴射ノズル30の直下に設ける。緩衝球42が撹拌されることによって、加工水の勢いを弱めることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を保持する保持手段と、該保持手段に保持された被加工物に砥粒と水とが混合された加工水を噴射ノズルから噴射して該被加工物を加工する加工水噴射手段と、該噴射ノズルの直下に配設され該被加工物を貫通した加工水を受け止めて該加工水の勢いを弱める緩衝槽とを少なくとも備えたウォータージェット加工装置であって、
該緩衝槽は、該被加工物を貫通した加工水を貯水する貯水槽と、該貯水槽に収容されるバスケットと、該バスケットに収容される複数の緩衝球とから構成されるウォータージェット加工装置。
【請求項2】
前記緩衝球の直径は3mm〜8mmである請求項1に記載のウォータージェット加工装置。
【請求項3】
前記緩衝球を構成する材料には、前記加工水に含まれる砥粒を構成する材料と同一の材料が含まれる請求項1または2に記載のウォータージェット加工装置。
【請求項4】
前記緩衝球は、アルミナセラミックスにより形成される請求項3に記載のウォータージェット加工装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、砥粒と水とを混合した加工水を高圧噴射して被加工物の加工を行うウォータージェット加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
IC、LSI等の複数のデバイスが形成されたウェーハは、ダイシング装置、レーザー加工装置等の分割装置を用いて個々のデバイスに分割され、パッケージングされて各種電子機器に利用されている。
【0003】
例えば、CSP(Chip Size Package)と呼ばれる半導体チップとほぼ同じサイズのパッケージを製造する場合においては、ストリートによってマトリクス状に区画されたリードフレームにおける区画された各領域にチップが配置され、配置されたすべてのチップが樹脂封止されてCSP基板が形成された後に、当該ストリートが切断されて個々のCSPに分割される。
【0004】
ところが、リードフレームを切削ブレードで切削すると、バリが生じてリード端子が短絡するという問題がある。また、他の被加工物を切断する場合にも同様の問題がある。そこで、本出願人は、砥粒と水とを混合した加工水を50〜100MPa程の高圧で噴射ノズルから噴射して切断を行うウォータージェット加工装置を開発した。このウォータージェット加工装置においては、噴射された加工水が被加工物を貫通するため、貫通した加工水の噴射方向には、加工水の勢いを弱めるための緩衝槽が設置されている(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−230994号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、緩衝槽は、加工水の圧力によって経時的に劣化するため、頻繁に緩衝槽を交換しなければならないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、ウォータージェット加工装置に設置される緩衝槽の劣化を防止して、頻繁な交換を不要とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被加工物を保持する保持手段と、保持手段に保持された被加工物に砥粒と水とが混合された加工水を噴射ノズルから噴射して被加工物を加工する加工水噴射手段と、噴射ノズルの直下に配設され被加工物を貫通した加工水を受け止めて加工水の勢いを弱める緩衝槽とを少なくとも備えたウォータージェット加工装置に関するもので、緩衝槽は、被加工物を貫通した加工水を貯水する貯水槽と、貯水槽に収容されるバスケットと、バスケットに収容される複数の緩衝球とから構成されることを特徴とする。
【0009】
上記ウォータージェット加工装置において、緩衝球の直径は3mm〜8mmであることが望ましい。
【0010】
また、緩衝球を構成する材料には、加工水に含まれる砥粒を構成する材料と同一の材料が含まれることが望ましい。この場合において、緩衝球は、例えばアルミナセラミックスにより形成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、複数の緩衝球をバスケットに収容して緩衝槽を構成したことにより、被加工物を貫通した加工水が複数の緩衝球に衝突し、複数の緩衝球が攪拌されて加工水の勢いが弱められる。特に、緩衝球の直径を3mm〜8mmとすることによって、より効果的に加工水の勢いが弱められる。
【0012】
また、緩衝球を構成する材料に、加工水に含まれる砥粒を構成する材料と同一の材料が含まれると、加工水からの衝撃によって緩衝球が破損しても、加工水を循環させて再利用するのに支障が生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1に示すウォータージェット加工装置1は、被加工物を保持する保持手段2と、保持手段2に保持された被加工物に加工水を噴射して被加工物を加工する加工水噴射手段3と、噴射された加工水を受け止めて加工水の勢いを弱める緩衝槽4とを少なくとも備えている。
【0014】
保持手段2は、被加工物が載置される板状部材20と、被加工物の形状に対応した形状に形成され垂直方向に貫通する貫通部21と、被加工物が載置される際の位置決めの基準となる複数の位置決めピン22とから構成されている。
【0015】
保持手段2は、第一の送り手段5によって駆動されてY軸方向(図1における矢印Yの向き)に移動可能となっている。第一の送り手段5は、Y軸方向に配設されたボールネジ50と、ボールネジ50の一端に連結されボールネジ50を回動させるパルスモータ51と、ボールネジ50に平行に配設されたガイドレール52と、保持手段2を支持しガイドレール52に摺接すると共に内部のナットがボールネジ50に螺合する保持手段支持部53と、ボールネジ50とパルスモータ51とガイドレール52とを支持する基部54とから構成され、パルスモータ51に駆動されてボールネジ50が回動するのに伴い、ガイドレール52にガイドされて保持手段支持部53がY軸方向に移動する構成となっている。
【0016】
保持手段2は、第二の送り手段6によって駆動されてZ軸方向(図1における矢印Zの向き)に移動可能となっている。第二の送り手段6は、Z方向に配設され基部54の内部のナットに螺合するボールネジ60と、ボールネジ60の一端に連結されボールネジ60を回動させるパルスモータ61と、ボールネジ60に平行に配設され基部54と摺接するガイドレール62と、ボールネジ6とパルスモータ61とガイドレール62とを支持する基部63とから構成され、パルスモータ61に駆動されてボールネジ60が回動するのに伴い、ガイドレール62にガイドされて第一の送り手段5及び保持手段2がZ軸方向に移動する構成となっている。
【0017】
保持手段2は、第三の送り手段7によって駆動されてX軸方向(図1における矢印Xの向き)に移動可能となっている。第三の送り手段7は、X軸方向に配設され基部63の内部のナットに螺合するボールネジ70と、ボールネジ70の一端に連結されボールネジ70を回動させるパルスモータ71と、ボールネジ70に平行に配設され基部63と摺接するガイドレール72と、ボールネジ70とパルスモータ61とガイドレール62とを支持する基部73とから構成され、パルスモータ71に駆動されてボールネジ70が回動するのに伴い、ガイドレール72にガイドされて第二の送り手段6、第一の送り手段5及び保持手段2がX軸方向に移動する構成となっている
【0018】
加工水噴射手段3は、粒径¢30μm〜¢50μmのアルミナセラミックス(Al)製の砥粒と水とが混合した加工水を下方に噴射する噴射ノズル30を備えており、噴射ノズル30には、ポンプ31を介して加工水を貯留する加工水タンク32が連結され、加工水タンク32からポンプ31によって噴射ノズル30に加工水が供給される構成となっている。また、図示の例では、使用済みの加工水を循環させて再利用するための循環経路46が加工水タンク32に連結されており、循環経路46を通る加工水が加工水タンク32に流入する。
【0019】
緩衝槽4は、噴射ノズル30の直下に配設されている。図2に示すように、緩衝槽4は、噴射ノズル30から噴射された加工水を貯水する貯水槽40と、貯水槽40に収容される網状のバスケット41と、バスケット41に収容される複数の緩衝球42とから構成されている。貯水槽40は、例えばステンレス等で形成され、図示の例では、排水槽43の中に貯水槽40が収容された構成となっており、貯水槽40から溢れた加工水を排水槽43に移して排水することができる。
【0020】
貯水槽40には、循環経路46に加工水を流出させる流出口44を備えている。流出口44にはバルブを備えていることが望ましい。図1に示すように、循環経路46には加工水精錬部50が介在しており、使用済みの加工水を再び使用できる状態にして加工水タンク32に流す。一方、排水槽43には、排水経路47に流出させる流出口45を備えている。
【0021】
緩衝球42は、加工水に含まれる砥粒を構成するアルミナセラミックスと同種の耐摩耗性に優れたアルミナセラミックス(Al)により形成されたボールである。緩衝球42としては、例えばアズワン株式会社が提供する「アルミナボール」を使用することができる。緩衝球の直径は、例えば3mm〜8mmである。
【0022】
図3に示すCSP基板8は、被加工物の一例であり、3つのブロック8a、8b、8cによって構成されている。個々のブロックには、横方向ストリートS1及び縦方向ストリートS2によって区画されて複数のCSP80が形成されており、ストリートSを縦横に切断することによって、個々のCSP80に分割される。
【0023】
CSP基板8を個々のCSP80に分割するに際し、CSP基板8は、図4に示す第一の治具9a及び図5に示す第二の治具9bに支持される。いずれの治具も、支持板90と蓋部材91とがヒンジ92によって開閉自在に連結された構成となっており、支持板90には、図1に示した保持手段2に形成された位置決めピン22を嵌合させる嵌合孔93が位置決めピン22と同数形成されている。また、蓋部材91には、加工水を通すための貫通窓94が形成されている。支持板90の側面には係合穴95が形成され、蓋部材91には係合穴95に係合して係合片96が形成されており、支持板90にCSP基板8が載置された状態で係合片96が係合穴95に係合すると、支持版90と蓋部材91とが閉状態でロックされ、CSP基板8が支持版90と蓋部材91によって挟持される。
【0024】
図4に示す第一の治具9aは、図3に示した横方向ストリートS1を切断する際に用いる治具であり、支持版90において、CSP基板8を保持した状態におけるすべての横方向ストリートS1の下方には、加工水を通すための貫通溝97が横方向ストリートS1と同じ向きに形成されている。図示の例における貫通溝97は、連続して形成されている。
【0025】
一方、図5に示す9bは、図3に示した縦方向ストリートS2を切断する際に用いる治具であり、支持版90において、CSP基板8を保持した状態におけるすべての縦方向ストリートS2の下方には、加工水を通すための貫通溝98が縦方向ストリートS2と同じ向きに形成されている。図示の例における貫通溝98は、連続して形成されている。
【0026】
図1を参照して説明すると、CSP基板8を保持した第一の治具9aは、位置決めピン22に嵌合孔93が嵌合されて保持手段2に保持される。そして、第一の送り手段5及び第三の送り手段7による駆動により、CSP基板8に形成された横方向ストリートS1のうちの両端のいずれかを、噴射ノズルの直下に位置付ける。
【0027】
そして、噴射ノズル30から砥粒と水とが混合した加工水を下方に高圧噴射すると共に、第三の送り手段7によってCSP基板8をX軸方向に移動させながら、X軸方向に相当する横方向のストリートS1を切断する。横方向のストリートS1を1本切断した後は、第一の送り手段5によってCSP基板8を若干Y軸方向に移動させてから、再び第三の送り手段7によってCSP基板8をX軸方向に移動させ、隣の横方向のストリートS1を切断する。このような動作を連続的に繰り返し、第一の治具9aの支持版90に形成された貫通溝97に沿って加工水が噴射されるようにする。これによって、横方向ストリートS1がすべて切断される。
【0028】
次に、保持手段2から第一の治具9aを取り外すと共に、第一の治具9aからCSP基板8を取り外し、第一のストリートS1が切断されたCSP基板8を、第二の治具9bに保持させる。そして、第二の治具9bを保持手段2に保持させる。
【0029】
次に、第一の送り手段5及び第三の送り手段7による駆動により、CSP基板8に形成された縦方向ストリートS2のうちの両端のいずれかを、噴射ノズルの直下に位置付ける。そして、噴射ノズル30から砥粒と水とが混合した加工水を下方に高圧噴射すると共に、第一の送り手段5によってCSP基板8をY軸方向に移動させながら、Y軸方向に相当する縦方向ストリートS2を切断する。縦方向ストリートS2を1本切断した後は、第三の送り手段7によってCSP基板8を若干X軸方向に移動させてから、再び第一の送り手段5によってCSP基板8をY軸方向に移動させ、隣の縦方向ストリートS2を切断する。このような動作を連続的に繰り返し、第二の治具9bの支持版90に形成された貫通溝98に沿って加工水が噴射されるようにする。これによって、縦方向ストリートS2がすべて切断され、個々のCSPに分割される。
【0030】
図6に示すように、切断中は、噴射された加工水30aがCSP基板8を貫通し、高圧のまま緩衝槽4に達する。噴射ノズル30の直下に位置する緩衝槽4を構成する貯水槽40には網状のバスケット41が収容され、バスケット41には複数の緩衝球42が収容されているため、高圧の加工水は、緩衝球42に衝突する。そして、加工水が衝突した緩衝球42は回転し、加工水が衝突しなかったものも含めて複数の緩衝球42が撹拌されるため、加工水の勢いは弱められる。また、勢いが弱まった加工水は、網状のバスケット41を通って落下して貯水槽40に溜まっていく。このように、加工水は、緩衝球42によって噴射時の勢いが弱められた後に、貯水槽40に溜まっていくため、貯水槽40が劣化することがない。
【0031】
なお、緩衝球42の直径が10mm以上になると、撹拌が停滞して噴射ノズル30の直下に緩衝球42に穴が開き、緩衝槽4としての機能が損なわれることが確認された。一方、緩衝球42の直径が2mm以下になると、撹拌が激しくなりすぎて加工水の勢いを吸収できなくなり、バスケット41及び貯水槽40を損傷させることも確認された。緩衝球42の直径を3mm〜8mm、好ましくは6mmとすることで、加工水の勢いによって緩衝球42が撹拌され、より効果的に加工水の勢いを弱めることができる。
【0032】
貯水槽40に溜まった使用済みの加工水は、排水経路47から排水されるか、循環経路46の加工水精錬部50によって浄化されて加工水タンク32に戻されて再利用される。緩衝球42を構成する材料に、加工水に含まれる砥粒を構成する材料と同一の材料が含まれると、加工水からの衝撃によって緩衝球が破損しても、その破損したものを砥粒として循環させて再利用することができる。例えば、緩衝球42がアルミナセラミックスにより形成され、砥粒にアルミナセラミックスが含まれると、緩衝球42が破損しても、加工水を循環させて再利用するのに支障が生じない
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】ウォータージェット加工装置の一例を示す斜視図である。
【図2】緩衝槽の一例を示す分解斜視図である。
【図3】被加工物の一例を示す平面図である。
【図4】治具の第一の例を示す斜視図である。
【図5】治具の第二の例を示す斜視図である。
【図6】被加工物を切断する状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0034】
1:ウォータージェット加工装置
2:保持手段
20:板状部材 21:貫通部 22:位置決めピン
3:加工水噴射手段
30:噴射ノズル 31:ポンプ 32:加工水タンク
4:緩衝槽
40:貯水槽 41:バスケット 42:緩衝球 43:排水槽
44、45:流出口 46:循環経路 47:排水経路
5:第一の送り手段
50:ボールネジ 51:パルスモータ 52:ガイドレール
53:保持部材支持部 54:基部
6:第二の送り手段
60:ボールネジ 61:パルスモータ 62:ガイドレール 63:基部
7:第三の送り手段
70:ボールネジ 71:パルスモータ 72:ガイドレール 73:基部
8:CSP基板
80:CSP S:ストリート
9a:第一の治具、9b:第二の治具
90:支持板 91:蓋部材 92:ヒンジ 93:嵌合孔 94:貫通窓
95:係合穴 96:係合片 97、98:貫通溝
【出願人】 【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
【出願日】 平成18年7月7日(2006.7.7)
【代理人】 【識別番号】100063174
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 功

【識別番号】100087099
【弁理士】
【氏名又は名称】川村 恭子


【公開番号】 特開2008−12633(P2008−12633A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−187676(P2006−187676)