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【発明の名称】 基板の洗浄方法及び装置
【発明者】 【氏名】妙見 治彦

【氏名】小西 善久

【氏名】堀口 茂春

【要約】 【課題】研磨シートにて基板表面を研磨しながら洗浄を行う基板の洗浄方法において、研磨シートの送り機構を小型・軽量化、及び簡略化し、小型の液晶パネル等の小型基板に適し、低コストとなる基板の洗浄方法を提供する。

【構成】円形ロール状の支持部材47の外周に研磨シート49を密着して巻回したシートユニット41を、基板1の表面に研磨シート49が当接した状態で、小刻みな円運動をさせながら基板1の全面にわたって移動させながら洗浄する作業を複数の基板1に対して繰り返して行い、定期的に支持部材47を所定角度回転させて研磨シート49の基板1への接触部分を変えて作業を続ける基板の洗浄方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨シートにて基板表面を研磨しながら洗浄を行う基板の洗浄方法において、円形ロール状の支持部材の外周に研磨シートを密着して巻回したシートユニットを、基板の表面に研磨シートが当接した状態で、小刻みな円運動をさせながら基板全面にわたって移動させながら洗浄する作業を複数の基板に対して繰り返して行い、定期的に支持部材を所定角度回転させて研磨シートの基板への接触部分を変えて作業を続けることを特徴とする基板の洗浄方法。
【請求項2】
基板を吸着固定する吸着テーブルと、研磨シートを吸着テーブル上の基板表面に対して接触させながら研磨運動する駆動機構とを有する基板の洗浄装置において、研磨シートは駆動機構に対して着脱自在となったシートユニットに設けられ、通常時は固定され適宜手段にて所定角度の回転が可能な円形ロール状の支持部材の外周に密着して巻回され、駆動機構はシートユニットを小刻みな円運動をさせながら基板全面にわたって移動させることを可能としたことを特徴とする基板の洗浄装置。
【請求項3】
前記シートユニットは支持部材の回転と連動して回転するギアと、このギアに対する係合力が付勢され係合力に抗してギアから離脱が可能な固定爪とを有し、シートユニット外に前記ギアに係合するラックと、固定爪をギアから離脱させる機構とを設けて、シートユニットのギアとラックとを係合させると共に固定爪をギアから離脱させた状態で、シートユニットとラックとを相対移動させてギアを回転させることで支持部材に所定角度の回転を与えるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の基板の洗浄装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は研磨シートを用いた基板の洗浄方法及び装置に関し、更に詳しくはヘッド部分を小型化すると共に、研磨シートの送りを容易にした小型液晶パネル等の小型基板を洗浄するに適した洗浄方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネルを製造する工程においては、2枚のガラス基板を貼り合わせた後、所定のサイズにガラス基板を切断する工程が行われ、この際カレットと呼ばれるガラス屑が液晶パネルに付着する。
【0003】
その後の液晶の注入・封止作業時に封止剤が液晶パネル表面に付着すると、カレットと封止剤が固まるので、簡単に除去できなくなってしまう。
【0004】
このカレットを除去するために、シート状の研磨部材で液晶パネル表面を研磨清掃し、続いて洗浄水での水洗、乾燥工程を経て偏光板の貼り付け工程に供されることが行われている。
【0005】
このような洗浄装置の例として、ロール状の研磨シートを供給リールから供給し、巻取りリールに巻き取られる間にシートの背面側から線接触する支持部材で押圧し、供給リールと巻取りリールを一体に回転させて基板を洗浄する装置が開示されている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−66899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、最近では携帯機器が発達し、携帯電話等に用いられる液晶パネル等の基板も0.5〜6インチといった小型のものも多く生産されているため、これら小型の液晶を製造する製造装置も小型化が求められてきている。
【0007】
しかし、従来の特許文献1のようなシート洗浄機は、ロール状の研磨シートを供給リールから供給し、洗浄部分を経由した後、回収リールに巻き取られるようになっているため、2つのリール機構が必要であり、装置自体が大型化し、小型化は難しいという問題がある。
【0008】
また、洗浄ヘッド自体の重量が増し、洗浄部の駆動機構の出力を多く必要とするという問題やコストが増大するといった問題があると共に、洗浄部のヘッドが大型化するため、ヘッドの洗浄動作に制約が多くなる問題もある。
【0009】
また、供給リールと回収リールの2つのリールと共に洗浄部分では支持部材で押圧するため、シートの送り機構が複雑となり、シートの交換作業も時間がかかるという問題がある。
【0010】
また、研磨シートを基板に線接触させる目的で支持部材を使用しているが、支持部材には幅があるために研磨シートは厳密には面接触となり、研磨部分で異物を引きずって基板に傷つけたりする問題もあった。
【0011】
また、供給リール及び巻取リールで研磨シートの送り調整をしているため、送り量のバランスが狂った際にシートに弛みが発生し易く、洗浄が効率的に行われない問題がある。
【0012】
また、研磨のための研磨運動時に巻取りシート全体を回転させる必要があるため、小型の液晶パネル等、小型基板の洗浄に適さない問題がある。
【0013】
一方、装置を小型化するための別の方法として、平板状の研磨シート支持部材に研磨シートを貼付け、定期的に研磨シートを交換する方法も行われているが、研磨シートが面接触であるため、異物の噛み込み時に異物を引きずって基板を傷つけたりする問題や、研磨シートの交換頻度が多くなり大量生産には向かないという問題がある。
【0014】
そこで、この発明の課題は、上記のような課題を解決し、研磨シートの送り機構を小型・軽量化すると共に、研磨シートの送りを簡略化し、小型の液晶パネル等の小型基板に適し、低コストとなる基板の洗浄方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記のような課題を解決するため、請求項1の発明は、研磨シートにて基板表面を研磨しながら洗浄を行う基板の洗浄方法において、円形ロール状の支持部材の外周に研磨シートを密着して巻回したシートユニットを、基板の表面に研磨シートが当接した状態で、小刻みな円運動をさせながら基板全面にわたって移動させながら洗浄する作業を複数の基板に対して繰り返して行い、定期的に支持部材を所定角度回転させて研磨シートの基板への接触部分を変えて作業を続ける構成を採用したものである。
【0016】
請求項2の発明は、基板を吸着固定する吸着テーブルと、研磨シートを吸着テーブル上の基板表面に対して接触させながら研磨運動する駆動機構とを有する基板の洗浄装置において、研磨シートは駆動機構に対して着脱自在となったシートユニットに設けられ、通常時は固定され適宜手段にて所定角度の回転が可能な円形ロール状の支持部材の外周に密着して巻回され、駆動機構はシートユニットを小刻みな円運動をさせながら基板全面にわたって移動させることを可能とした構成を採用したものである。
【0017】
請求項3の発明は、上記請求項2の基板の洗浄装置において、前記シートユニットは支持部材の回転と連動して回転するギアと、このギアに対する係合力が付勢され係合力に抗してギアから離脱が可能な固定爪とを有し、シートユニット外に前記ギアに係合するラックと、固定爪をギアから離脱させる機構とを設けて、シートユニットのギアとラックとを係合させると共に固定爪をギアから離脱させた状態で、シートユニットとラックとを相対移動させてギアを回転させることで支持部材に所定角度の回転を与えるようにした構成を採用したものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、研磨シートの支持部材を円形ロール状としたので、研磨シートは線接触の状態で基板に接触すると共に、シートユニットを小刻みな円運動をさせて洗浄するようにしたので、異物を噛み込んでも引きずることがなく、基板を損傷することがない。
【0019】
また、研磨シートが支持部材に密着して固定されているので、研磨シートに弛みが発生せず、基板表面に対して効果的に洗浄が可能になる。
【0020】
更に、支持部材を定期的に回転させることで研磨シートの使用部分を変更することが可能となり、研磨シートは線接触の状態で使用されているので、研磨シート送りのための回転角度が小さくて済み、研磨シートの交換頻度も少なくでき、交換時の作業ロスを減らすことが可能となる。
【0021】
請求項2の発明によれば、研磨シートの支持部材を円形ロール状としたので、研磨シートは線接触の状態で基板に接触すると共に、シートユニットを小刻みな円運動をさせて洗浄するようにしたので、異物を噛み込んでも引きずることがなく、基板を損傷することがない。
【0022】
また、研磨シートが支持部材に密着して固定されているので、研磨シートに弛みが発生せず、基板表面に対して効果的に洗浄が可能になる。
【0023】
更に、支持部材は通常時は固定され適宜手段にて所定角度の回転が可能であるので、適宜タイミングで研磨シートの使用部分を変更することが可能となり、研磨シートは線接触の状態で使用されているので、研磨シート送りのための回転角度が小さくて済み、研磨シートの交換頻度も少なくでき、交換時の作業ロスを減らすことが可能となる。
【0024】
また、従来の装置のようなシート供給リール及びシート巻取リールを廃し、研磨シートを有するシートユニットを着脱自在としたので、洗浄ヘッド部に駆動機構を搭載することがなく小型化でき、また装置のコストも低減できる。
【0025】
更に、シートユニットが着脱自在であるので、装置が小型化してもメンテナンスがシートユニットを取り外してから容易に行なえると共に、研磨シートの交換がシートユニット内で行なえ、従来のロール状のシートを交換する際のシートの通紙に比べ、簡素にシートの交換が行なえるようになる。
【0026】
請求項3の発明によれば、シートユニット以外の部分に研磨シート送りのためのラック等の機構を設けるようにしたので、シートユニットを小型軽量化でき、洗浄動作の自由化が図れ、装置のメンテナンス性も向上する。
【0027】
また、シートユニットとラックを相対移動させることで支持部材を所定角度回転させているので、シートユニットの基板に対する移動機構をそのまま利用してその延長線上にラックとギアの離脱機構を置くことにより、低コストで簡単に研磨シートのピッチ送りを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1はこの発明の洗浄装置を適用した一実施形態を表すもので、液晶パネル1は図中左側の前工程から搬送コンベヤ2により搬送され、位置決め部3にてガイド板を押し付ける等の適宜手段にて位置決めが行われた後、機台4上を液晶パネル1を吸着して搬送する吸着搬送ライン5により吸着テーブル6に渡され、吸着テーブル6は2台1組で、180°間歇回転するアームの両端に設けられ、液晶パネル1を上面に吸着したままアームの180°の回転により、カッター刃により液晶パネル1表面のカレットを除去するカッター洗浄部7に送られる。
【0029】
カッター洗浄部7にて洗浄が行われた液晶パネル1は、吸着テーブル6を設けたアームの180°の回転により元の位置に戻り、再度、吸着搬送ライン5にて吸着テーブル8に渡され、吸着テーブル8も吸着テーブル6と同様の構造であり、液晶パネル1を上面に吸着したままアームの180°の回転により、液晶パネル1はシート洗浄部9に送られ、このシート洗浄部9において本発明装置により液晶パネル1表面のカレットが、研磨シートを用いた洗浄により除去されることになる。
【0030】
シート洗浄部9にて洗浄が行われた液晶パネル1は、吸着テーブル8のアームの180°の回転により元の位置に戻り、吸着搬送ライン5にて図示しない適宜な反転機構に送られ、反転機構により表裏が反転され、続けて液晶パネル1の裏面側に対して同様なカッター洗浄部とシート洗浄部にて洗浄が行われ、次工程に運ばれる。
【0031】
なお、吸着テーブル6と8は、それぞれ回転するアームの両端に設けられて2台1組であり、一方側がそれぞれカッター洗浄部7やシート洗浄部9にて洗浄作業を行っている間に、対となった他方側にて吸着搬送ライン5への作業後の液晶パネル1の受け渡しと作業すべき液晶パネル1の受け取りを行っており、各洗浄部での連続した洗浄作業を可能としている。
【0032】
図2乃至図4は、上記シート洗浄部9における本発明装置を示すものであり、機台4上に垂直に立ち上がった平板状の機枠10には、正面側に水平方向に設けられた上下1対のレール台11が設けられ、この各レール台11には水平方向にレール12が設けられている。
【0033】
機枠10の正面側には、前記2本のレール12に嵌合して摺動するスライダ13を背面に有しレール12に沿った横方向への移動が自在となった支持枠14が設けられ、この支持枠14の背面の両スライダ13、13間にはナット部材15が設けられ、前記機枠10のレール台11間には、レール12に沿って設けられたボールネジ16が軸支されてナット部材15に螺合しており、このボールネジ16を駆動するモータ17の正逆回転に従って支持枠14はレール12に沿った左右への横移動を行うようになっている。
【0034】
支持枠14の正面には、垂直方向に沿って設けられた2本のレール18が設けられ、支持枠14の正面側にはこのレール18に嵌合して摺動するスライダ19を背面に有しレール18に沿った上下方向への移動が自在となった昇降ベース20が設けられ、前記支持枠14の上部に設けられた昇降シリンダ21のシリンダ軸と昇降ベース20が接続されており、昇降シリンダ21の作用に従って昇降ベース20は支持枠14に対して昇降動を行うようになっている。
【0035】
昇降ベース20の正面側に突設された固定枠22の上方に駆動モータ23が設けられ、駆動モータ23の駆動軸24は固定枠22の下方に伸びてカップリング25を介して回転軸26に接続されており、この回転軸26は昇降ベース20の下端部で前方に突設された固定台27にてベアリング28により回転自在に軸支され、固定台27の下方に突出している。
【0036】
固定台27の下方にて、左右方向に延びるX軸方向スライド軸29が前記回転軸26を挟むように2本固定されており、このX軸方向スライド軸29に沿ってスライド自在なX軸方向スライドガイド30を前後両側に有し、X軸方向にスライド自在となった移動枠31が設けられ、この移動枠31の中央部に設けられた上下貫通する開孔部32に前記回転軸26が通じている。
【0037】
移動枠31の下方には、前後方向に延びるY軸方向スライド軸33が左右一対固定されており、このY軸方向スライド軸33に沿ってスライド自在なY軸方向スライドガイド34を両側部に有し、移動枠31に対してY軸方向にスライド自在となった偏心枠35が設けられている。
【0038】
前記回転軸26の最下端にはこの回転軸26と軸心の位置が相違する偏心軸36が接続されており、偏心軸36はベアリング37によって前記偏心枠35に回動自在に軸支されている。
【0039】
偏心枠35は上記のような構成であり、駆動モータ23の駆動により回転軸26が回転した時、偏心軸36は回転しつつ軌跡が円形となる小刻みな円運動を行い、この偏心軸36にベアリング37により接続された偏心枠35は、Y軸方向へはY軸方向スライド軸33に沿った移動が許容され、X軸方向へはこのY軸方向スライド軸33が設けられた移動枠31がX方向スライド軸29に沿った移動が許容されることで、X軸、Y軸方向への各運動が組み合わされて、偏心枠35全体はθ方向へ回転せずに(方位を変えることなく)軌跡が偏心軸36と同様の円形となる小刻みな円運動を行うことになる。
【0040】
偏心枠35の下部には、左右方向に伸びた1本の揺動軸38が固定されており、この揺動軸38に対して前後に揺動自在にシートユニット固定枠39が固定されて、更にシートユニット固定枠39の揺動軸38への軸支部分の両側には、このシートユニット固定枠39の水平を調整するための一対の固定ボルト40が偏心枠35との間に設けられている。
【0041】
上記シートユニット固定枠39に固定されるシートユニット41について、図5及び図6も参考にして説明すれば、平板状の固定枠42と、その上面には前記シートユニット固定枠39の前後方向に設けられた下部開放の溝に嵌り込むスライド部43を有し(図5参照)、スライド部43の一方端部にはシートユニット固定枠39に当接してシートユニット41を位置決め停止させるためのストッパ44が設けられている。
【0042】
更に、図示していないが、シートユニット固定枠39には例えば溝内に突出するレバーを設けておいて、溝内に入ったシートユニット41のスライド部43の平坦部分を押し込んで固定する等適宜手段を用いることができる。
【0043】
固定枠42の下部には両端部を固定枠42に固定されたベアリング45により回転自在に軸支された軸46が設けられ、この軸46の周囲に軸46と同心ロール状の樹脂製等からなる支持部材47と、更にその外周面にはシリコンゴム製等からなるゴムロール48が設けられ、ゴムロール48の周囲を研磨シート49が覆っている。
【0044】
なお、この研磨シート49の支持部材47への固定は、支持部材47の上部にある固定板50に設けてある断面L字型のスリット51に研磨シート49を通してから支持部材47と固定板50を固定ボルト52で締結することで行っている。
【0045】
また、研磨の際に、軸46の回転を規制し、研磨シート49の最下部となる研磨位置を固定する手段は、図5と図7を参考にして説明すれば、ベアリング45より外側の軸46の一方延長側に固定されたギア53を設け、また、支持枠42に軸54にて回動自在に軸支され、ギア53の歯車に噛み合い可能な固定爪55を設け、固定枠42の固定ピン56と固定爪55側の固定ピン57との間に張設したスプリング58により、固定爪55のギア53への噛み合い方向への力を付勢させておいて、ギア53の回転を規制することで、研磨シート49の軸46を中心とする回転を阻止している。
【0046】
このシートユニット41において研磨シート49を交換する作業について説明すると、まず、図5(a)のように、シートユニット41のスライド部43を矢印方向にスライドさせることによりシートユニット41全体をシートユニット固定枠39から取り外す。
【0047】
次に、固定爪55をスプリング58の力に抗して手で引き上げる等により固定爪55のギア53への係止を解除し、軸46の回転により研磨シート49の部分を回転させて、図5(b)のように固定板50を横向きにし、その後、固定ボルト52を緩めて、支持部材47と固定板50の締結を解き、研磨シート49を取り外す。
【0048】
新たな研磨シート49を取り付ける際は、図6(a)(b)に示すように、研磨シート49を支持部材47の外周に巻回し、固定板50の両側のスリット部51に研磨シート49の両端部をそれぞれ下方から入れて側方に出すようにして通し、研磨シート49の片方を引っ張りながら、固定板50の上から固定ボルト52を通して支持部材47に螺合する。
【0049】
すると、図6(c)(d)に示すように、固定板50と支持部材47は締結されると共に、支持部材47に巻回された研磨シート49は、固定板50と支持部材47に挟み込まれて両端が引っ張られることにより、支持部材47の外周のゴムロール48に密着固定される。
【0050】
吸着テーブル8上に吸着された液晶パネル1を研磨シート49によって研磨する際に研磨面に洗浄水を流す機構は、支持枠14の側部から下に延設された洗浄ノズル固定枠59の先端部に洗浄ノズル60が設けられ、吸着パネル8の上面の研磨シート49による研磨が行われる部分に向かって洗浄水61を吹き付けるようになっている。
【0051】
図2中二点鎖線で示す、支持枠14のレール12に沿って右側に移動した部分の直下には、研磨シート49の使用部分を変えるための研磨シート送り機構としてラック62とシリンダ63が設けられており、シリンダ63は上方向に突出するシリンダ軸64を有し、シリンダ軸64の先端部はボールが埋め込まれている。
【0052】
次に、この発明の研磨装置の作業を説明すると、搬送コンベヤ2により搬送され位置決め部3で位置決めされた液晶パネル1は、吸着搬送ライン5により吸着テーブル6上に吸着された状態でカッター洗浄部7でのカッター刃による洗浄の後、吸着テーブル8に送られ、この吸着テーブル8上に吸着されたままシート洗浄部9に送られる。
【0053】
シート洗浄部9にて、昇降シリンダ21が支持枠14を下降させるように作用し、シートユニット41の研磨シート49は図2実線位置から二点鎖線位置の吸着テーブル8上の液晶パネル1表面に当接する状態まで下降する。
【0054】
研磨シート49の下降動作と同時に駆動モータ23が駆動し、シートユニット41全体が偏心円運動を開始し、更に、洗浄ノズル60から洗浄水が噴射され、液晶パネル1の一方端部から洗浄が開始される。
【0055】
洗浄開始後、モータ17の駆動により支持枠14が右方向へ移動することで、シートユニット41も右方向へ移動し、研磨シート49が偏心円運動を行いつつ液晶パネル1の表面全体にわたって移動して液晶パネル1表面のカレット除去を行うことになる。
【0056】
図9は、液晶パネル1に対するシートユニット41の移動を上から見たものであり、回転軸26の軸心Aに対する偏心軸36の軸心Bの偏心距離aの分だけ、シートユニット41は上下左右の方向は変えずに軌跡が半径が偏心距離aの小刻みな円運動を行い、液晶パネル1に線接触状態で接している最下端部の研磨シート49も全体が半径が偏心距離aの小刻みな円運動を行い、液晶パネル1表面の研磨を行いつつ、シートユニット41は実線の研磨開始位置から右側の図示二点鎖線で示す研磨終了位置まで移動してゆく。
【0057】
この実施形態の洗浄作業における条件の一例を挙げれば、偏心半径aを0.5mm、回転数2000rpmにて偏心軸36を駆動し、液晶パネル1への加圧力は2kgf/cmで、使用する研磨シート49は粒径0.5μm程度の酸化セリウムを用い、ガラスとの化学反応と物理的研磨により表面カレット等の除去を行う。また、洗浄水61としては40〜60℃の温水を用いて行う。
【0058】
なお、この発明の洗浄条件は特に限定されるものではなく、洗浄する基板の種類や大きさ、洗浄目的を考慮して適宜変更して実施でき、例えば、研磨シート49はアルミナの砥粒による物理的研磨としても良い。
【0059】
液晶パネル1全体の研磨による洗浄を行った後、液晶パネル1を吸着している吸着テーブル8は回転して対となった吸着テーブル8が次の洗浄を行う液晶パネル1を吸着して図示の位置に臨むことになり、シートユニット41も昇降シリンダ21の作用とモータ17の駆動により上昇動と左側への移動を行い開始位置に戻り、続けて次の洗浄作業を開始する。
【0060】
所定枚数の液晶パネル1への洗浄作業を行った後、研磨シート49の研磨位置の変更作業が行われる。
【0061】
研磨シートの研磨位置の変更作業を図7を中心にして説明すると、まず、図2実線位置で示す支持枠14とそれに接続された各部品が、モータ17の駆動によるボールネジ16の回転により、レール12に沿って右側のラック62直上の二点鎖線の位置まで移動する。
【0062】
支持枠14の横移動に続いて、昇降シリンダ21の作動により昇降ベース20が下降することで、シートユニット41は、図7(a)二点鎖線の位置から実線位置まで矢印のように移動し、ラック62にギア53が当接し噛み合うことになる。
【0063】
次に、図7(b)に示すように、シリンダ63の作用によりシリンダ軸64が上昇し、固定爪55の下面部を押し上げることで、固定爪55は軸54を中心に回動してスプリング58を伸ばしつつ、ギア53との係合を解除する。
【0064】
シリンダ軸64が伸びた状態で、モータ17の回転によりボールネジ16が回転し、支持枠14が微少距離右側に移動すると、図7(c)に示すように、シートユニット41も右側に移動し、この移動に従いラック62に噛み合っているギア53は右へ回転する。
【0065】
その結果、ギア53に対して軸46により直結された支持部材47も回転することで、研磨シート49表面の最下部の液晶パネル1を研磨する部分が変わることになる。
【0066】
なお、この際、シリンダ軸64の先端部が当接している固定爪55の下面を移動するが、シリンダ軸64の先端部がボール状であるので、固定爪55の移動に伴う摺動抵抗は大きくならない。
【0067】
研磨シート49表面の移動が行われた後、シリンダ63の作用によりシリンダ軸64が下降し固定爪55がスプリング58の作用でギア53に噛み合う位置まで戻ってギア53が固定され、更にシートユニット41は昇降シリンダ21の作用による上昇とモータ17の回転による横移動により、吸着テーブル8直上の図2実線位置まで戻り、続く研磨によるシート洗浄作業を行う。
【0068】
図8の各α、α、αは、シートユニット41のギア53の回転による研磨シート49の1回の送り量の例を示すものであり、回転角度α、α、αは、ギア53の1ピッチと一致しており約8〜9°であるが、研磨シート49の液晶パネル1に接触する部分は、軸46に平行な直線状であるので、微少角度の移動で十分であり、シートユニット41に取り付けられた研磨シート49を、α、α、α・・・と、研磨シート49全体を約20回となる多数回にわたって研磨シート49を取り替えることなく使用位置を変更することができる。
【0069】
この発明の実施形態は以上のようなものであるが、この発明は上記実施形態のものに限定されること無く、この発明の目的の範囲内で適宜変更して実施することができる。
【0070】
例えば、上記実施形態では研磨シート49の使用位置を変える際、シートユニット41を移動させてラック62やシリンダ63に臨ませていたが、ラックやシリンダをシートユニット41側に移動させても良く、また、研磨シート49の使用位置の変更機構もシートユニット41のギア53とラック62の噛み合いによるもの以外であっても良く、要するにシートユニット41の支持部材47を軸46を中心として所定ピッチ移動させるような機構であれば良い。
【0071】
なお、本実施形態では研磨シート49を固定する支持部材47として同心ロール状のものを使用したが、本形状に限定されるものではなく、多種多角形の形状等の支持部材47も使用できる。但し、基板との接触を線接触とさせる意味で同心ロール状のものを使用することが好ましい。
【0072】
また、液晶パネル1全体の洗浄はシートユニット41を移動させることにより行っていたが、液晶パネル1等を保持する吸着テーブル8とシートユニット41が相対的に移動すれば良く、吸着テーブル8側のみ、又は、吸着テーブル8とシートユニット41の両者を移動させて液晶パネル1を洗浄することもできる。
【0073】
更に、この発明が適用できる基板については、実施形態の小型の液晶パネル1に限定されず、種々の基板における研磨シートを用いた洗浄方法や装置に適用することができる。
【0074】
また、本実施形態では小刻みな円運動にて洗浄を行っているが、基板の形状等に応じて、洗浄ヘッド自体を適宜全回転させる構成を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明装置を適用した一実施形態を示す平面図である。
【図2】本発明装置の正面図である。
【図3】本発明装置を表す一部切欠正面図である。
【図4】本発明装置を表す図2のIV-IV方向矢視側面図である。
【図5】(a)(b)は本発明の研磨シート交換を表す説明図である。
【図6】本発明装置の研磨シート交換を表す説明図で(a)(c)は一部切欠側面図、(b)(d)は正面断面図である。
【図7】(a)(b)(c)は本発明装置の研磨シート送りの一例を表す説明図である。
【図8】研磨シート送りを表す拡大図である。
【図9】本発明の洗浄方法を表す説明図である。
【符号の説明】
【0076】
1 液晶パネル
2 搬送コンベア
3 位置決め部
4 機台
5 吸着搬送ライン
6 吸着テーブル
7 カッター洗浄部
8 吸着テーブル
9 シート洗浄部
10 機枠
11 レール台
12 レール
13 スライダ
14 支持枠
15 ナット部材
16 ボールネジ
17 モータ
18 レール
19 スライダ
20 昇降ベース
21 昇降シリンダ
22 固定枠
23 駆動モータ
24 駆動軸
25 カップリング
26 回転軸
27 固定台
28 ベアリング
29 X方向スライド軸
30 X方向スライドガイド
31 移動枠
32 開孔部
33 Y方向スライド軸
34 Y方向スライドガイド
35 偏心枠
36 偏心軸
37 ベアリング
38 揺動軸
39 シートユニット固定枠
40 固定ボルト
41 シートユニット
42 固定枠
43 スライド部
44 ストッパ
45 ベアリング
46 軸
47 支持部材
48 ゴムロール
49 研磨シート
50 固定板
51 スリット部
52 固定ボルト
53 ギア
54 軸
55 固定爪
56 固定ピン
57 固定ピン
58 スプリング
59 洗浄ノズル固定枠
60 洗浄ノズル
61 洗浄水
62 ラック
63 シリンダ
64 シリンダ軸
A 回転軸の軸芯
B 偏心軸の軸芯
a 偏心距離
【出願人】 【識別番号】000132954
【氏名又は名称】株式会社タカトリ
【出願日】 平成18年7月14日(2006.7.14)
【代理人】 【識別番号】100077470
【弁理士】
【氏名又は名称】玉利 冨二郎

【識別番号】100067116
【弁理士】
【氏名又は名称】立川 登紀雄


【公開番号】 特開2008−18517(P2008−18517A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−194742(P2006−194742)