トップ :: B 処理操作 運輸 :: B24 研削;研磨

【発明の名称】 センタレス研削盤
【発明者】 【氏名】井上 哲也

【氏名】久保 幸人

【要約】 【課題】スイベル台を備えていても、砥石車台と調整車台との相対位置を正確に検出できるセンタレス研削盤を提供する。

【構成】砥石車4の回転中心軸と直交する水平軸に沿うように、砥石車台3に固設されたスケール22と、スケール22に沿って移動可能に設けられた読取器26と、一端が読取器26に接続された連結杆28,29と、水平面内においてスケール22と直交する方向に移動可能に連結杆28,29の他方側に接続された第1の接続部材32と、一端が第1の接続部材32に軸支されて、水平面内においてこの第1の接続部材32に対し相対的に回転自在に設けられるとともに、他端が調整車台8に固設された第2の接続部材33とを備える。制御装置は、読取器26によって読みとられたスケールの位置データを基に駆動機構の作動を制御して、調整車台8の進退方向における移動位置を制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドと、
外周面が相互に対向するように配設された砥石車及び調整車と、
前記ベッド上の一端側に固設され、水平な軸中心に回転自在に前記砥石車を支持する砥石車台と、
前記ベッド上の他端側に配設され、前記砥石車台の近傍位置を中心として、前記ベッド上の水平面内で旋回移動可能に設けられたスイベル台と、
前記スイベル台上に配設され、前記砥石車台に対し進退する方向に移動可能に設けられるとともに、水平な軸中心、若しくは水平面に対し傾斜した軸中心に回転自在に前記調整車を支持する調整車台と、
前記砥石車,調整車間の前記調整車台上に固設され、前記砥石車,調整車間に導入されたワークを支持するブレードと、
前記調整車台を前記進退方向に移動させる駆動機構と、
前記スイベル台を旋回移動させる旋回角調整機構と、
少なくとも前記駆動機構の作動を制御する制御装置とを備えたセンタレス研削盤であって、
前記砥石車の回転中心軸と直交する水平軸に沿うように、前記砥石車台に固設されたスケールと、
前記スケールの近傍に、該スケールに沿って移動可能に設けられて、該スケールの目盛りを読み取る読取器と、
前記スケールと平行に配設され、その一端が前記読取器に接続された連結杆と、
水平面内において前記スケールと直交する方向に移動可能に前記連結杆の他方側に接続された第1の接続部材と、
一端が前記第1の接続部材に軸支されて、水平面内において前記第1の接続部材に対し相対的に回転自在に設けられるとともに、他端が前記調整車台に固設された第2の接続部材とを備えてなり、
前記制御装置は、読取器によって読みとられたスケールの位置データを基に前記駆動機構の作動を制御して、前記調整車台の前記進退方向における移動位置を制御するように構成されてなることを特徴とするセンタレス研削盤。
【請求項2】
前記調整車台の前記進退方向における移動量を算出するとともに、前記読取器によって読みとられたスケールの位置データを基に、前記調整車台の前記スケールに沿った方向における移動量を算出し、算出した前記調整車台の前記各方向における移動量を基に、前記砥石車の回転中心軸と直交する水平軸を基準とした前記スイベル台の旋回角を算出する旋回角算出部を更に備えてなることを特徴とする請求項1記載のセンタレス研削盤。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、外周面が相互に対向するように配設された砥石車及び調整車を備え、この砥石車,調整車間に導入されたワークを前記砥石車によって研削加工するように構成されたセンタレス研削盤に関し、更に詳しくは、前記砥石車に対する調整車の位置を高精度に位置決めすることができるセンタレス研削盤に関する。
【背景技術】
【0002】
砥石車に対する調整車の位置を高精度に位置決めすることができるセンタレス研削盤として、従来、実開平3−103149号公報に開示されるものが知られている。
【0003】
このセンタレス研削盤は、ベッドと、外周面が相互に対向するように配設された研削砥石及び調整車と、ベッドの一端側に固定されて研削砥石を回転自在に支持する研削砥石台と、ベッドの他端側に固定されたスライドベースと、このスライドベース上に設けられて調整車を回転自在に支持する調整車台と、研削砥石,調整車間の調整車台上に固設され、砥石車,調整車間に導入されたワークを支持するブレードと、調整車台を研削砥石台に対して進退させる駆動装置と、この駆動装置の作動を制御する制御装置とを備える。
【0004】
また、このセンタレス研削盤には、調整車軸の近傍に位置検出用磁気スケールが取り付けられ、この磁気スケールに沿って移動可能に検出器が設けられるとともに、研削砥石軸の近傍には、検出器に接続された連結棒の基端部が回転自在に取り付けられている。そして、この検出器によって、研削砥石台に対する調整車台の相対位置が直接、絶対値で検出され、検出された相対位置が所定の値となるように、前記制御装置によって駆動装置の作動が制御され、研削砥石台に対する調整車台の位置が位置決めされる。
【0005】
【特許文献1】実開平3−103149号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、センタレス研削盤には、上記のような、ベッド上にスライドベースが固設され、調整車台が研削砥石台に対して前記進退方向にのみ移動可能に設けられたものの他、スライドベースが、ベッド上の水平面内で旋回移動可能に設けられたものも存在する。
【0007】
このようなセンタレス研削盤では、スライドベースの旋回角を調整することで、研削砥石軸と調整車軸との角度を調整することができる。
【0008】
ところが、上記従来のセンタレス研削盤における位置検出機構では、磁気スケールが調整車台に取り付けられる一方、検出器は、研削砥石台に取り付けられた連結棒に連結されているので、スライドベースを旋回させるように構成されたセンタレス研削盤において、このような構成の位置検出機構を採用すると、スライドベースの旋回移動により、研削砥石軸に対する磁気スケールの直角度が保てなくなって、研削砥石台に対する調整車台の相対位置を正確に検出することができなくなる。このため、研削砥石台に対する調整車台の位置を正確に位置決めすることができない。また、旋回角が大きい場合には、スケールや検出器が破損するおそれもある。
【0009】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、スライドベースを旋回させるように構成されたセンタレス研削盤においても、研削砥石台と調整車台との相対位置を正確に検出することができる位置検出機構を備えたセンタレス研削盤の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明は、
ベッドと、
外周面が相互に対向するように配設された砥石車及び調整車と、
前記ベッド上の一端側に固設され、水平な軸中心に回転自在に前記砥石車を支持する砥石車台と、
前記ベッド上の他端側に配設され、前記砥石車台の近傍位置を中心として、前記ベッド上の水平面内で旋回移動可能に設けられたスイベル台と、
前記スイベル台上に配設され、前記砥石車台に対し進退する方向に移動可能に設けられるとともに、水平な軸中心、若しくは水平面に対し傾斜した軸中心に回転自在に前記調整車を支持する調整車台と、
前記砥石車,調整車間の前記調整車台上に固設され、前記砥石車,調整車間に導入されたワークを支持するブレードと、
前記調整車台を前記進退方向に移動させる駆動機構と、
前記スイベル台を旋回移動させる旋回角調整機構と、
少なくとも前記駆動機構の作動を制御する制御装置とを備えたセンタレス研削盤であって、
前記砥石車の回転中心軸と直交する水平軸に沿うように、前記砥石車台に固設されたスケールと、
前記スケールの近傍に、該スケールに沿って移動可能に設けられて、該スケールの目盛りを読み取る読取器と、
前記スケールと平行に配設され、その一端が前記読取器に接続された連結杆と、
水平面内において前記スケールと直交する方向に移動可能に前記連結杆の他方側に接続された第1の接続部材と、
一端が前記第1の接続部材に軸支されて、水平面内において前記第1の接続部材に対し相対的に回転自在に設けられるとともに、他端が前記調整車台に固設された第2の接続部材とを備えてなり、
前記制御装置は、読取器によって読みとられたスケールの位置データを基に前記駆動機構の作動を制御して、前記調整車台の前記進退方向における移動位置を制御するように構成されたセンタレス研削盤に係る。
【0011】
上記構成を備えた本発明に係るセンタレス研削盤によれば、スイベル台上で前記調整車台が前記砥石車台に対して進退方向に移動すると、この進退方向が砥石車の回転中心軸と直交するような基準状態にスイベル台がある場合には、第1の接続部材が移動することなく、第2の接続部材,第1の接続部材,及び連結杆の接続関係によって、読取器がスケールに沿って移動し、この読取器によってそのスケール上の位置(目盛り)、即ち、砥石車台に対する調整車台の位置が読み取られる。
【0012】
一方、スイベル台が上記基準状態から旋回移動して、調整車台の進退方向が砥石車の回転中心軸と非直交の状態となっている場合には、調整車台が前記砥石車台に対して前記進退方向に移動すると、これとともに移動する第2の接続部材の移動に応じて、第1の接続部材がスケールと直交する水平方向(即ち、砥石車の回転中心軸に沿った方向)に移動し、この移動によって調整車台の同方向における移動成分が吸収される。
【0013】
また、第1の接続部材は、連結杆とともにスケールに沿った方向(即ち、砥石車の回転中心軸と直交する水平方向)にも移動し、これらの移動によって、調整車台の同方向における移動成分が吸収される。したがって、読取器は、砥石車の回転中心軸と直交する水平方向における調整車台の移動成分のみを受けて同方向に移動し、この読取器によってそのスケール上の位置(目盛り)、即ち、砥石車台に対する位置であって、その回転中心軸と直交する水平方向における調整車台の位置が読み取られる。
【0014】
斯くして、制御装置は、読取器によって読み取られるスケール上の位置が所定の位置となるように駆動機構の作動を制御して調整車台の前記進退方向における移動位置を制御することで、砥石車台に対する調整車台の位置、即ち、砥石車台の回転中心軸と直交する水平方向(スケールに沿った方向)の調整車台の位置を正確に位置決めすることができる。
【0015】
また、移動前後の位置の差分値を算出することで、前記砥石車台の回転中心軸と直交する水平方向における調整車台の移動量を算出することができる。
【0016】
また、本発明に係るセンタレス研削盤は、更に、
前記調整車台の前記進退方向における移動量を算出するとともに、前記読取器によって読みとられたスケールの位置データを基に、前記調整車台の前記スケールに沿った方向における移動量を算出し、算出した前記調整車台の前記各方向における移動量を基に、前記砥石車の回転中心軸と直交する水平軸を基準とした前記スイベル台の旋回角を算出する旋回角算出部を備えていても良い。
【0017】
このセンタレス研削盤によれば、旋回角算出部によって、調整車台の前記進退方向における移動量ΔLが算出されるとともに、スケールに沿った方向(砥石車台の回転中心軸と直交する水平方向)における調整車台の移動量ΔLが算出され、算出された両移動量ΔL,ΔLを基に、砥石車の回転中心軸と直交する水平軸を基準としたスイベル台の旋回角θが、例えば、次式を用いて算出される。
θ=cos−1(ΔL/ΔL
【0018】
そして、このようにしてスイベル台の実際の旋回角を算出することで、スイベル台が予定された旋回角に旋回しているかどうかを確認することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明に係るセンタレス研削盤によれば、調整車台がベッド上で旋回移動可能に設けられていても、砥石車台の回転中心軸と直交する水平方向における、砥石車台と調整車台との相対的な位置関係を正確に検出することができ、砥石車台に対する調整車台の位置を正確に位置決めすることができる。
【0020】
また、スイベル台の実際の旋回角を算出することで、当該スイベル台が予定された旋回角に旋回しているかどうかを確認することができるため、当該スイベル台の旋回を高精度に設定することができ、高精度な研削加工を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面に基づき説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るセンタレス研削盤を示した平面図であり、図2は、その正面図である。
【0022】
図1及び図2に示すように、本例のセンタレス研削盤1は、ベッド2と、外周面が相互に対向するように配設された砥石車4及び調整車9と、ベッド2上の一端側に固設され、水平な軸中心に回転自在に砥石車4を支持する砥石車台3と、ベッド2上の他端側に配設されたスイベル台5と、スイベル台5上に配設され、砥石車台3に対し進退する方向に移動可能に設けられるとともに、水平な軸中心、若しくは水平面に対し傾斜した軸中心に回転自在に調整車9を支持する調整車台6と、砥石車4,調整車9間の調整車台6上に固設され、砥石車4,調整車9間に導入されたワークWを支持するブレード13と、砥石車台3と調整車台6との間の相対的な位置を検出する位置検出機構20と、調整車台6を前記進退方向に移動させる駆動機構(図示せず)と、スイベル台5を旋回移動させる旋回角調整機構40と、少なくとも前記駆動機構(図示せず)の作動を制御する制御装置(図示せず)とを備える。
【0023】
前記調整車台6は、スイベル台5上に配設された一対のスライド10に係合し、このスライド10に沿って砥石車台3に対し進退する方向に移動可能となった下調整車台8と、同様に、下調整車台8上に配設された一対のガイドレール11に係合し、このガイドレール11に沿って砥石車台3に対し進退する方向に移動可能となった上調整車台7とからなる。
【0024】
そして、下調整車台8上の砥石車台3側にブレード13が固設され、調整車9が上調整車台7に回転自在に支持されている。また、上調整車台7及び下調整車台8はそれぞれ前記駆動機構(図示せず)に駆動されて前記進退方向に移動し、これによって、砥石車4,調整車9間の間隔が調整され、ブレード13の位置が調整される。
【0025】
尚、ブレード13は、ホルダー12を介して下調整車台8上に固設されている。また、砥石車4及び調整車9は、それぞれ適宜駆動モータによって矢示方向に回転,駆動される。
【0026】
前記駆動機構(図示せず)は、上調整車台7を駆動する第1の駆動機構と、下調整車台8を駆動する第2の駆動機構とからなり、各駆動機構は、それぞれ公知のサーボモータ,ボールねじ及びボールナットなどから構成される。また、各サーボモータにはロータリエンコーダが付設されており、前記制御装置(図示せず)は、各ロータリエンコーダの検出データを受信して、上調整車台7及び下調整車台8の前記進退方向における位置を認識し、認識した位置データを基に、第1の駆動機構をフィードバック制御して上調整車台7の位置を制御する。尚、下調整車台8については、制御装置(図示せず)は前記位置検出器20によって検出される位置データを受信して第2の駆動機構をフィードバック制御して下調整車台8の位置を制御する。
【0027】
前記スイベル台5は、砥石車台3の近傍に設けられたピボット機構(図示せず)により、当該ピボット機構の中心軸14を中心として、ベッド2上の水平面内で旋回移動可能に設けられており、前記旋回角調整機構40により駆動されて、旋回移動する。尚、この旋回角調整機構40は、例えば、ベッド2上に立設されたブラケット41と、このブラケット41のボルト孔に挿通された調整ボルト42と、調整ボルト42をその軸方向に移動しないように前記ブラケット41に保持する一対の保持リング43,44と、保持リング43,44とブラケット41との間にそれぞれ設けられた球面座金45,46とからなる。調整ボルト42は、スイベル台5の側面に設けられたねじ孔に螺合されており、この調整ボルト42をねじ込み方向に回転させることで、スイベル台5がブラケット41側に近づく方向に旋回移動し、調整ボルト42を逆方向に回転させることで、ブラケット41から離れる方向に旋回移動する。
【0028】
また、スイベル台5は適宜クランプ装置によってベッド2上にクランプされており、このクランプ状態のまま、若しくは、アンクランプの状態で、前記旋回角調整機構40により駆動されて、旋回移動する。
【0029】
前記位置検出機構20は、前記砥石車台3の側面に、前記砥石車4の回転中心軸と直交する垂直面に対して平行になるように固設された取付プレート21と、この取付プレート21に水平に固設されたスケール22と、このスケール22の下方にこれと平行になるように取付プレート21に固設されたガイドレール23と、このガイドレール23に係合してこれに沿って移動する一対のスライダ24と、このスライダ24に固設された取付プレート25と、取付プレート25に固設された読取器26と、リンク機構27とからなる。
【0030】
読取器26は、スケール22に形成された目盛りを読み取るもので、この目盛りを読み取ることで、その位置を検出する。
【0031】
前記リンク機構27は、図3及び図4にも示すように、前記スケール22と平行になるように、その一端が取付プレート25に固設された低熱膨張率の材料からなる第1の連結杆28と、この第1の連結杆28の他端部に、その側面から前記下調整車台8に向けて直角に延出するように固設された第2の連結杆29と、この第2の連結杆29の砥石車4とは反対側の側面に、砥石車4の回転中心軸と平行に固設されたガイドレール30と、このガイドレール30に係合しこれに沿って移動するスライダ31と、このスライダ31に固設された、縦断面C字形状をしたブラケット(第1の接続部材)32と、一端がこのブラケット32の対峙片間でピン34によって軸通され、他端が前記下調整車台8の側面に固設されたアーム部材(第2の接続部材)33とからなる。
【0032】
尚、ピン34は、アーム部材33に設けられたベアリング35に挿通されており、ブラケット32とアーム部材33とは、このピン34を中心として、水平面内で相対的に回転自在となっている。
【0033】
斯くして、この位置検出機構20では、前記スケール22,ガイドレール23及び第1の連結杆28が、それぞれ砥石車4の回転中心軸と直交するように水平に配置されており、スライダ24,取付プレート25,読取器26,第1の連結杆28、第2の連結杆29及びガイドレール30は、砥石車4の回転中心軸と直交する水平方向に移動する。また、ガイドレール30は砥石車4の回転中心軸と平行な水平方向に沿って配置されており、スライダ31及びブラケット32が、同方向に移動する。
【0034】
そして、前記制御装置(図示せず)は、読取器26によって読みとられたスケール22の位置データを受信し、これを基に前記駆動機構(図示せず)の作動を制御して、前記下調整車台8の前記進退方向における移動位置を制御する。
【0035】
以上の構成を備えた本例のセンタレス研削盤1では、前記制御装置(図示せず)による制御の下、前記第1の駆動機構及び第2の駆動機構を駆動して、砥石車4に対してブレード13及び調整車9が予め定められた位置となるように、下調整車台8及び上調整車台7をそれぞれ移動させ、しかる後、砥石車4,調整車9間にワークWを導入してこれを加工する(図5参照)。
【0036】
その際、上記のように、制御装置(図示せず)は、第1の駆動機構のロータリエンコーダの検出データを受信して、上調整車台7の前記進退方向における位置を認識し、認識した位置データを基に、第1の駆動機構をフィードバック制御して上調整車台7の位置を制御し、下調整車台8については、位置検出器20によって検出される位置データを受信し、第2の駆動機構をフィードバック制御して下調整車台8の位置を制御する。
【0037】
スイベル台5が基準状態、即ち、下調整車台8の進退方向が砥石車4の回転中心軸と直交するような状態にある場合には、スライダ31及びブラケット32は砥石車4の回転中心軸に沿った方向に移動することなく、リンク機構27との接続関係によって、読取器26がガイドレール23上をスケール22に沿って移動し、この読取器26によってそのスケール22上の位置(目盛り)、即ち、砥石車台4に対する下調整車台8(調整車台6)の相対的な位置が読み取られる。
【0038】
前記制御装置(図示せず)は、この読取器26によって読み取られる砥石車台4,下調整車台8(調整車台6)間の相対位置を基に、第2の駆動機構をフィードバック制御して、下調整車台8を予定された位置に移動,位置決めする。
【0039】
一方、図6に示すように、スイベル台5が上記基準状態から角度θだけ旋回移動して、下調整車台8の進退方向が砥石車4の回転中心軸と非直交の状態になると、ブラケット32がスライダ31とともにガイドレール30上をスケール22と直交する水平方向(即ち、砥石車4の回転中心軸に沿った方向)に移動し、この移動によってアーム部材33の同方向における移動成分(ΔL)が吸収される(図7参照)。
【0040】
また、ブラケット32は、第1の連結杆28及び第2の連結杆29とともにスケール22に沿った方向(即ち、砥石車4の回転中心軸と直交する水平方向)にも移動し、これらの移動によって、アーム部材33の同方向における移動成分(ΔL)が吸収される(図7参照)。尚、図6及び図7では、角度θだけ旋回させた状態を二点鎖線で示している。
【0041】
そして、このような状態で、下調整車台8が砥石車台3に対して前記進退方向に移動すると、上記と同様にして、ブラケット32がスライダ31とともにガイドレール30上を砥石車4の回転中心軸に沿った方向に移動し、この移動によって下調整車台8の同方向における移動成分が吸収されるとともに、当該ブラケット32は、第1の連結杆28及び第2の連結杆29とともにスケール22に沿った方向にも移動し、この移動によって下調整車台8の当該方向における移動成分が吸収される。
【0042】
したがって、読取器26は、砥石車4の回転中心軸と直交する水平方向における下調整車台8の移動成分のみを受けて同方向に移動し、この読取器26によって、そのスケール22上の位置(目盛り)、即ち、砥石車台3に対する位置であって、砥石車4の回転中心軸と直交する水平方向における砥石車台4,下調整車台8(調整車台6)間の相対的な位置が読み取られる。
【0043】
斯くして、前記制御装置(図示せず)は、この読取器26によって読み取られる砥石車台4,下調整車台8(調整車台6)間の相対位置を基に、第2の駆動機構をフィードバック制御して、下調整車台8を予定された位置に移動,位置決めする。
【0044】
このように、本例のセンタレス研削盤1によれば、調整車台6がベッド2上で旋回移動可能に設けられていても、砥石車4の回転中心軸と直交する水平方向における、砥石車台3と調整車台6との相対的な位置関係を正確に検出することができるため、砥石車4に対する調整車9の相対的な位置を正確に位置決めすることができ、高精度な研削加工を行うことができる。
【0045】
また、前記制御装置(図示せず)は、図8(a)に示すように、旋回角算出部50を備えている。この旋回角算出部50は、前記第2の駆動機構を構成するサーボモータに付設されたロータリエンコーダ51の検出データを基に、下調整車台8の前記進退方向における移動量ΔLを算出する一方、前記読取器26によって読みとられたデータを基に、下調整車台8のスケール22に沿った方向における移動量ΔLを算出し、算出した両移動量ΔL,ΔLを基に、例えば、次式によってスイベル台5の旋回角θを算出する(図8(b)参照)。
θ=cos−1(ΔL/ΔL
【0046】
斯くして、このようにしてスイベル台5の実際の旋回角θを算出することで、スイベル台5が予定された旋回角に旋回しているかどうかを確認することができ、当該スイベル台5の旋回を高精度に設定することができる。そして、スイベル台5の旋回を高精度に設定することで、高精度な研削加工を行うことができる。
【0047】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明が採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。例えば、上記のリンク機構27は、図9及び図10に示した構成のリンク機構60であっても良い。このリンク機構60は、上記リンク機構27におけるブラケット32及びピン34に代えて、バックラッシュレスのユニバーサルジョイント61を設けたもので、その第1の部材62をスライダ31に固設し、第2の部材63をアーム部材33に固設したものである。このリンク機構60によっても、上例のリンク機構27と同様の作用が奏される。
【0048】
また、上例では、調整車台6を、上調整車台7と下調整車台8の二つの移動台から構成したが、これに限るものではなく、これを一つの移動台から構成したものであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上説明したように、本発明は、スイベル台を備えていても、研削砥石台と調整車台との相対位置を正確に位置決めすることができる、好適なセンタレス研削盤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態に係るセンタレス研削盤を示した平面図である。
【図2】図1に示したセンタレス研削盤の正面図である。
【図3】本実施形態に係るリンク機構の平面図である。
【図4】本実施形態に係るリンク機構の正面図である。
【図5】本実施形態に係るセンタレス研削盤の動作を説明するための説明図である。
【図6】本実施形態に係るセンタレス研削盤のスイベル台を旋回させた状態を示す平面図である。
【図7】スイベル台を旋回させた状態のリンク機構を示す平面図である。
【図8】(a)は、本実施形態に係る制御装置の構成の一部を示したブロック図であり、(b)は、その作用を説明するための説明図である。
【図9】本発明の他の形態に係るリンク機構を示した平面図である。
【図10】図9に示したリンク機構の正面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 センタレス研削盤
2 ベッド
3 砥石車台
4 砥石車
5 スイベル台
6 調整車台
7 下調整車台
8 上調整車台
9 調整車
20 位置検出機構
22 スケール
26 読取器
27 リンク機構
28 第1の連結杆
29 第2の連結杆
32 ブラケット(第1の接続部材)
33 アーム部材(第2の接続部材)
40 旋回角算出部
【出願人】 【識別番号】000167222
【氏名又は名称】光洋機械工業株式会社
【出願日】 平成18年7月5日(2006.7.5)
【代理人】 【識別番号】100104662
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智司


【公開番号】 特開2008−12616(P2008−12616A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−185114(P2006−185114)