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砥石車の着脱構造 - 特開2008−6570 | j-tokkyo
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【発明の名称】 砥石車の着脱構造
【発明者】 【氏名】古畑 鉄朗

【氏名】杉山 和久

【要約】 【課題】自動工具交換装置による砥石車の交換に適用が可能で、砥石車が軸方向に変位しにくい構成の砥石車の着脱構造を提供することにある。

【構成】外周部に砥石を保持し、第1の端面側に開口を有すると共に、第2の端面側に開口に通じるテーパ穴部を有した砥石ホイールと、第1の端面側から第2の端面側に対して押圧力を加えるためのセンターバーと、砥石ホイールのテーパ穴部に挿入されるテーパ部、及びテーパ部に対して階段状に形成されて砥石ホイールの第2の端面側に所定の外径で接触する段部を有する砥石軸と、センターバーに挿通され、砥石ホイールの第2の端面側と砥石軸と段部との間、及びテーパ穴部とテーパ部との間に所定の接触圧が発生するようにセンターバーに軸方向の引張力を与える着脱可能なクランプユニットと、を備えたことを特徴とする砥石車の着脱構造とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周部に砥石を保持し、第1の端面側に開口を有すると共に、第2の端面側に前記開口に通じるテーパ穴部を有した砥石ホイールと、
前記第1の端面側から前記第2の端面側に対して押圧力を加えるためのセンターバーと、
前記砥石ホイールの前記テーパ穴部に挿入されるテーパ部、及び前記テーパ部に対して階段状に形成されて前記砥石ホイールの前記第2の端面側に前記所定の外径で接触する段部を有する砥石軸と、
前記センターバーに挿通され、前記砥石ホイールの前記第2の端面側と前記砥石軸と前記段部との間、及び前記テーパ穴部と前記テーパ部との間に所定の接触圧が発生するように前記センターバーに軸方向の引張力を与える着脱可能なクランプユニットと、
を備えたことを特徴とする砥石車の着脱構造。
【請求項2】
前記砥石ホイールは、前記砥石軸に嵌合するテーパ穴部と前記砥石ホイールの第2の端面側に前記砥石軸の端面が接する接触面との2面により拘束されることを特徴とする請求項1に記載の砥石車の着脱構造。
【請求項3】
前記センターバーは、前記砥石軸に備えられた第1ドローバーにより前記第1の端面側から前記第2の端面側に対して押圧力を加えるための引込み力を付与されると共に、
前記クランプユニットは、前記砥石軸に備えられた第2ドローバーによりコレットチャックをクランプ状態とし、前記砥石ホイールの前記第2の端面側と前記砥石軸と前記段部との間、及び前記テーパ穴部と前記テーパ部との間に所定の接触圧を付与することを特徴とする請求項1に記載の砥石車の着脱構造。
【請求項4】
前記クランプユニットは、外部からの力により前記コレットチャックを閉じさせ、前記砥石ホイールの前記第2の端面側と前記砥石軸と前記段部との間、及び前記テーパ穴部と前記テーパ部との間の所定の接触圧を解除してアンクランプ状態にするプッシャーを備えたことを特徴とする請求項1に記載の砥石車の着脱構造。
【請求項5】
前記プッシャーは、前記アンクランプ状態にするときに前記砥石ホイールを保持する工具保持装置に備えられたピストン機構により駆動されることを特徴とする請求項4に記載の砥石車の着脱構造。
【請求項6】
前記砥石ホイールが外周部に保持する前記砥石は、前記砥石ホイールに形成されたテーパ穴部の軸線方向の幅内に位置することを特徴とする請求項1に記載の砥石車の着脱構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、砥石車の着脱構造に関し、特に、自動工具交換に適した砥石車の着脱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
研削盤等に用いられる砥石車の砥石軸への保持機構としては、テーパ孔を有する砥石ホイールが砥石車を回転駆動する砥石軸に嵌合し、締付けナットにより固定されているものがある(例えば、特許文献1)。この構成によれば、締付けナット等の簡単な構成で砥石軸にテーパ孔で密着して嵌合でき、砥石車を砥石軸により回転させた場合の砥石外周の振れを小さくすることができ、振れ修正のために高価な砥石層を無駄にツルーイングする必要がない。
【0003】
また、砥石を保持した砥石スリーブに砥石軸と嵌合するテーパ穴と、このテーパ穴の中心に位置するプルスタッドとを設けてなる砥石車がある(例えば、特許文献2)。この構成によれば、砥石軸側に装着したドローバによりプルスタッドを引き込むことで、砥石スリーブと砥石軸がテーパ穴で密着嵌合し、また、ドローバにより押出し力をプルスタッドに与えることで、砥石スリーブと砥石軸との密着嵌合を解除して、砥石車の着脱が行なえる。よって、自動工具交換装置による砥石車の交換にも適用できるものである。
【特許文献1】特開昭61−182767号公報
【特許文献2】実開昭61−137457号公報
【0004】
しかし、特許文献1に示された砥石車によれば、砥石車の砥石軸への着脱に時間を要し、検索作業時間の短縮が図れない。また、砥石車を砥石軸にネジ等で固定するので、自動工具交換装置による砥石車の交換には適用が困難である。
【0005】
また、特許文献2に示された砥石車によれば、砥石車と砥石軸との嵌合がテーパ部のみで行なわれているので、プルスタッドによる引き込み力による軸方向の変位と、砥石車の回転に伴う遠心力でテーパ部が拡大して軸方向の変位が生じ、食い付きが発生するという問題がある。特に、砥石車を高速回転により駆動して研削する場合には大きな問題となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、自動工具交換装置による砥石車の交換に適用が可能で、砥石車が軸方向に変位しにくい構成の砥石車の着脱構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明の実施の形態によれば、外周部に砥石を保持し、第1の端面側に開口を有すると共に、第2の端面側に前記開口に通じるテーパ穴部を有した砥石ホイールと、前記第1の端面側から前記第2の端面側に対して押圧力を加えるためのセンターバーと、前記砥石ホイールの前記テーパ穴部に挿入されるテーパ部、及び前記テーパ部に対して階段状に形成されて前記砥石ホイールの前記第2の端面側に前記所定の外径で接触する段部を有する砥石軸と、前記センターバーに挿通され、前記砥石ホイールの前記第2の端面側と前記砥石軸と前記段部との間、及び前記テーパ穴部と前記テーパ部との間に所定の接触圧が発生するように前記センターバーに軸方向の引張力を与える着脱可能なクランプユニットと、を備えたことを特徴とする砥石車の着脱構造を提供する。
【0008】
[2]前記砥石ホイールは、前記砥石軸に嵌合するテーパ穴部と前記砥石ホイールの第2の端面側に前記砥石軸の端面が接する接触面との2面により拘束されることを特徴とする前記[1]に記載の砥石車の着脱構造であってもよい。
【0009】
[3]前記センターバーは、前記砥石軸に備えられた第1ドローバーにより前記第1の端面側から前記第2の端面側に対して押圧力を加えるための引込み力を付与されると共に、前記クランプユニットは、前記砥石軸に備えられた第2ドローバーによりコレットチャックをクランプ状態とし、前記砥石ホイールの前記第2の端面側と前記砥石軸と前記段部との間、及び前記テーパ穴部と前記テーパ部との間に所定の接触圧を付与することを特徴とする前記[1]に記載の砥石車の着脱構造であってもよい。
【0010】
[4]前記クランプユニットは、外部からの力により前記コレットチャックを閉じさせ、前記砥石ホイールの前記第2の端面側と前記砥石軸と前記段部との間、及び前記テーパ穴部と前記テーパ部との間の所定の接触圧を解除してアンクランプ状態にするプッシャーを備えたことを特徴とする前記[1]に記載の砥石車の着脱構造であってもよい。
【0011】
[5]前記プッシャーは、前記アンクランプ状態にするときに前記砥石ホイールを保持する工具保持装置に備えられたピストン機構により駆動されることを特徴とする前記[4]に記載の砥石車の着脱構造であってもよい。
【0012】
[6]前記砥石ホイールが外周部に保持する前記砥石は、前記砥石ホイールに形成されたテーパ穴部の軸線方向の幅内に位置することを特徴とする前記[1]に記載の砥石車の着脱構造であってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、自動工具交換装置による砥石車の交換に適用が可能で、砥石車が軸方向に変位しにくい構成の砥石車の着脱構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(本発明の実施の形態)
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る砥石車の構造を示す断面図、(b)は、左側面図、(c)は、右側面図である。砥石車600は、砥石ホイール610、センターバー620、及び、クランプユニット630を有して構成されている。
【0015】
砥石ホイール610は、その円筒外周部に砥石ホイール610と共に回転するよう砥石611の層が固定して形成されている。砥石ホイール610には、中心軸CLに垂直な第1の端面610aとその反対側に第2の端面610bが形成されている。また、中心軸CLと同軸状に所定のテーパ角度でテーパ穴部610cが形成されている。
【0016】
センターバー620は、スタッド部620aと砥石ホイール610の第1の端面610aに取付けるためのフランジ部620bとを有している。スタッド部620aには、後述する砥石軸側の第1ドローバー711の先端部に形成されたカギ状係合部711aに挿入して90度捩じることにより第1ドローバー711と係合するカギ状係合部620cが形成されている。また、フランジ部620bには、後述するプッシャー640の突出部642が挿通可能な穴部620dが形成されている。
【0017】
クランプユニット630は、センターバー620のスタッド部aに挿通され、軸方向に摺動可能に支持されたコーン631と、このコーン631の外周部に形成するコレットチャックとで構成されている。このコレットチャックは、複数のコレットチャックセグメント632が砥石ホイール610の溝部610dに組み込まれたもので、コーン631の摺動により先端部632aが開閉可能とされている。
【0018】
プッシャー640は、円盤状に形成されたプッシャーフランジ部641の一方の端面に、2つの突出部642が形成され、この突出部642は、センターバー620のフランジ部620bに形成された穴部620dを貫通して、クランプユニット630を構成するコーン631の一端と接合可能とされている。
【0019】
尚、上記した構成では、砥石ホイール610とセンターバー620、また、プッシャー640のプッシャーフランジ部641と突出部642は、各々別部品で形成されて組み立てられていてもよく、また、各々においていずれか2つの部品またはすべての部品を一体に形成したものでもよい。
【0020】
図2(a)は、砥石駆動主軸700を示す断面図、(b)は、その左側面図である。
【0021】
砥石駆動主軸700は、砥石軸710、第1ドローバー711、第2ドローバー712、圧力壁713、ピストン部714から構成されている。砥石駆動主軸700は、図示しないモータ、エアスピンドル等の回転駆動装置により回転駆動される。
【0022】
砥石軸710は、先端外周部に砥石ホイール610のテーパ穴部610cに嵌合するテーパ部710aが形成され、砥石軸710の中心軸CLに垂直で砥石ホイール610の第2の端面610bに当接する砥石軸端面710bが段部710cに形成されている。
【0023】
テーパ部710aは、内径部が中空に形成され、コレットチャックセグメント632の先端部632aが係合するための凹部710dが形成されている。
【0024】
また、砥石軸710の内部には、第2ドローバー712が移動可能に嵌合するための砥石軸ガイド穴710e及び710fが形成されている。
【0025】
この砥石軸ガイド穴710e及び710fに、第2ドローバー712が移動可能に嵌合すると共に、第2ドローバー712の内径部712aには、第1ドローバー711がスライド可能な状態で嵌合されている。また、ピストン部714、第2ドローバー712の内径部712b、及び圧力壁713とにより、第1ドローバー711及び第2ドローバー712を軸方向に駆動可能なドローバ駆動機構が構成されている。尚、ピストン部714により仕切られた第2ドローバー712の内径部712bの圧力室A750及び圧力室B751は、エアーあるいは油圧によりピストン部714に圧力を作用させる構成とされ、この圧力を制御することにより、第1ドローバー711及び第2ドローバー712を軸方向に所定の駆動動作が行なえるようになっている。
【0026】
第1ドローバー711の先端部には、センターバー620のセンターバー620に挿入して90度捩じることにより係合する、カギ状係合部711aが形成されている。
【0027】
図3は、工具保持装置800を示す断面図である。工具保持装置800は、結合部810、ピストン機構820から構成されている。
【0028】
結合部810は、砥石ホイール610を他の工具に交換するときに、砥石ホイール610を保持し、クランプユニット630によるクランプあるいはアンクランプ動作を協働して行なうためのものである。結合部810の内径部810aは、砥石ホイール610の円筒部外径610eが所定の間隙を有して嵌合する大きさであり、結合部810の周囲には、クリック部811が設けられている。クリック部811は、砥石ホイール610の円筒部外径610eに形成されたV溝部610fに、所定のクリック力で嵌合し、砥石ホイール610を保持する。
【0029】
結合部810の内径部には、ピストン筐体821が装着され、ピストン筐体821の中心にプッシャー640に押圧力を付与するためのピストン部822がスライド可能に貫挿され、圧力壁823とを有してピストン機構820が構成されている。ピストン部822により仕切られた圧力室C850及び圧力室D851は、エアーあるいは油圧によりピストン部822に圧力を作用させる構成とされ、この圧力を制御することにより、プッシャー640に押圧力を付与するようになっている。
【0030】
(本発明の実施の形態に係る着脱構造を有する砥石車の着脱作用)
図4は、砥石ホイール610が工具保持装置800に保持され、砥石軸710のテーパ部710aが砥石ホイール610のテーパ穴部610cに嵌合せず離脱している状態、すなわち、アンクランプ状態を示す断面図である。
【0031】
図5は、砥石ホイール610が工具保持装置800に保持され、砥石軸710のテーパ部710aは砥石ホイール610のテーパ穴部610cに嵌合しているが、コレットチャックセグメント632の先端部632aが砥石軸710の凹部710dに係合していない状態、すなわち、アンクランプ状態を示す断面図である。
【0032】
図6は、砥石ホイール610が工具保持装置800に保持され、砥石軸710のテーパ部710aは砥石ホイール610のテーパ穴部610cに嵌合し、コレットチャックセグメント632の先端部632aが砥石軸710の凹部710dに係合している状態、すなわち、クランプ状態を示す断面図である。
【0033】
図7は、砥石軸710のテーパ部710aが砥石ホイール610のテーパ穴部610cに嵌合し、コレットチャックセグメント632の先端部632aが砥石軸710の凹部710dに係合している状態、すなわち、クランプ状態であって、工具保持装置800が砥石ホイール610から離脱して、砥石ホイール610が砥石軸710により回転駆動されてワークの加工が可能となっている状態を示す断面図である。
【0034】
以下、図4から図7に至るまでの、本発明の実施の形態に係る着脱構造を有する砥石車の着脱作用を説明する。
【0035】
[アンクランプ状態]図4で示すアンクランプ状態において、工具保持装置800の圧力室C850に圧力を作用させて、ピストン部822により砥石ホイール610側のプッシャー640に押圧力を付与することにより、コーン631を押してコーン631の凹部631aにコレットチャックセグメント632が嵌まり込み、コレットチャックセグメント632の先端部632aが閉じた状態としておく。
【0036】
一方、砥石駆動主軸700側では、砥石軸710の圧力室A750に一度圧力を作用させ、第1ドローバー711を砥石ホイール610側へ移動させた後、圧力の作用を停止する。以上により、工具保持装置800に保持された砥石ホイール610を砥石軸710が移動して取りに行くための、アンクランプ初期状態にセットされる。
【0037】
[テーパ部710aとテーパ穴部610cとの嵌合]上記のアンクランプ初期状態から、砥石軸710を砥石ホイール610側へ移動させ、砥石ホイール610のテーパ穴部610cへ砥石軸710のテーパ部710aを挿入して嵌合させる。センターバー620のスタッド部620aに形成されたカギ状係合部620cと第1ドローバー711の先端部に形成されたカギ状係合部711aを挿入した後に砥石軸710を90度回転させ、センターバー620と第1ドローバー711をロックする。上記の操作により、図5に示すように、アンクランプ状態からクランプ状態へ移行する準備が整う。
【0038】
[クランプ動作]上記の状態において、図6に示すように、圧力室D851に圧力を作用させ、プッシャー640を押しているピストン部822を砥石軸710側と反対方向へ移動させる。これにより、次の動作であるコーン631の移動が可能となる。次に、圧力室B751に圧力を作用させることにより、第1ドローバー711でセンターバー620を引張り、砥石軸710のテーパ部710aと砥石ホイール610のテーパ穴部610cとが密着すると共に、砥石ホイール610の第2の端面610bと砥石軸710の段部710cに形成された砥石軸端面710bとが密着し、いわゆる2面拘束される。
【0039】
また、第2ドローバー712がコーン631を押すことで、コレットチャックセグメント632がコーン631の傾斜部631bに押されて外側に向って開き、コレットチャックセグメント632の先端部632aがテーパ部710aの内径部に形成された凹部710dに結合されて、砥石ホイール610と砥石軸710がクランプ状態となる。
【0040】
[加工動作]図6の状態から、クリック部811とV溝部610fの係合を解除して、工具保持装置800を砥石ホイール610から離脱させて、図7の状態にする。すなわち、砥石ホイール610は、砥石軸710と2面拘束されてクランプされた状態で、砥石軸710により回転駆動され得る状態となっている。砥石軸710は、図示しないモータ、エアスピンドル等の回転駆動装置により回転駆動され、砥石ホイール610を所定の位置に移動させることにより研削加工が可能な状態となる。
【0041】
クランプ状態からアンクランプ状態にする動作は、上記示した動作と逆の動作をすることにより可能である。尚、クランプ状態からアンクランプ状態にする動作では、工具保持装置800と砥石ホイール610との位相決めを行って主軸の位置決め運転をするため、オリエント停止した状態で、アンクランプ動作を行なう。
【0042】
(本発明の実施の形態の効果)
本発明の実施の形態によれば、次のような効果を有する。
(1)砥石ホイール610のテーパ穴部610cと砥石軸710のテーパ部710a、及び、砥石ホイール610の第2の端面610bと砥石軸710の砥石軸端面710bが共に圧接され、いわゆる2面拘束により砥石車600が保持されているので、振れが小さく、かつ、軸方向の変位が小さい砥石車の着脱構造が可能となる。
(2)センターバー620を有する砥石ホイール610を、砥石駆動主軸700側の第1ドローバー711で引込んでクランプするので、砥石車の着脱において自動交換が可能となり、自動工具交換ツールにより工具を交換して加工を行なう複合加工機に適用が可能となる。
(3)砥石ホイールと砥石軸との結合が砥石ホイールの内径部分に形成されたテーパ穴部で行なわれているので、研削加工点がテーパ形状の範囲内に位置することになり、研削負荷に対する研削加工点の変位を小さくでき、砥石車600のラジアル方向の剛性を向上させることが可能となる。
(4)砥石駆動主軸700の砥石軸ガイド穴710e及び710fに対応可能な規格化されたクランプユニットを使用することで、研削負荷に応じた砥石ホイールのクランプ力の変更対応が比較的容易にできる。クランプ部に規格化されたユニットとして、例えば、HSKクランピングユニット等を適用できる。
【0043】
(本発明の実施の形態の複合加工機への適用例)
以下に、本発明の実施の形態に係る砥石車の着脱構造を複合加工機に適用した場合について説明する。
【0044】
図8は、本発明の実施の形態に係る砥石車の着脱構造を適用した複合加工機の平面図である。尚、図8において、上下にX方向及び左右にZ方向を規定する。
【0045】
この複合加工機1は、図示しないコンピュータ数値制御装置(CNC)により全体の駆動が制御されるものであり、複合加工機本体と図示しない付属装置からなる。主な付属装置は、オイル供給装置、冷却装置、エア供給機器、クーラント供給装置、切屑収集装置及びこれらの装置を複合加工機本体と接続するダクト装置等からなっている。
【0046】
複合加工機1は、ベッド10上に載置され、軸物あるいは長尺状のワークWを回転駆動可能に支持するワーク支持駆動ユニット100と、ベッド10上に装架されてX及びZ方向の移動及び位置決めを行なうXステージ301及びZステージ302と、Zステージ302上に載置され各種の加工ツールを着脱可能に搭載するワーク加工ユニット200と、加工ツールをワーク加工ユニット200の所定位置に着脱するツール装着ユニット400とを有する。尚、ワーク加工ユニット200は、Xステージ301及びZステージ302によりX及びZ方向の移動を行うだけでなく、例えば、閉リンク機構を並列に配置した所謂パラレル機構等によりXZ平面内で移動するものであってもよい。
【0047】
ワーク支持駆動ユニット100は、ベッド10上に載置された主軸台ベース101に、左右の主軸台スライドガイド102を介してスライド可能に移動可能な左右の主軸台103を有し、主軸台103には、主軸105を所定の回転数で回転駆動する主軸駆動モータ104が搭載されている。各々左右の主軸台103は、左右独立にZ方向にスライドして、ワークWを所定の心間で挟持して、その位置を固定できる構成となっている。ワークWは、主軸105の回転を図示しない回し金を介して回転駆動される。
【0048】
ワーク加工ユニット200は、ユニットハウジング201により回転可能に支持されたツール回転主軸202と、このツール回転主軸202を所定の回転速度で回転駆動するためのツール駆動モータ203を有して構成されている。ここで、ツール回転主軸202は、上記説明した本発明の実施の形態に係る砥石車の着脱構造を有する砥石駆動主軸700が適用可能である。図8には、加工ツールとして、本発明の実施の形態に係る砥石車600をツール回転主軸202に装着した図が示されている。
【0049】
尚、ツール回転主軸202は、ツール駆動モータ201に直結して回転させる以外に、ギアやベルトによる回転駆動方式等であってもよい。
【0050】
ツール装着ユニット400は、ベッド10上の所定の位置に載置され、種々の加工ツール501を保持可能な複数のツールポッド402を有したツールタレット403と、X軸回りに割出し制御をするサーボモータ404により構成されている。ツールポッド402には、加工ツール501の結合部に形成されたV溝部を保持するためのクリック部が形成され、また、加工ツール501とツール回転主軸202とのクランプ及びアンクランプ動作の一部を行なう機構が組み込まれている。ここで、ツールポッド402には本発明の実施の形態に係る工具保持装置800が適用できる。
【0051】
また、ここで、加工ツール501のテーパ穴部510には本発明の実施の形態に係る砥石車600のテーパ穴部610cが適用できる。
【0052】
加工ツール501は、本発明の実施の形態に係る砥石車600以外に、旋削加工に使用される旋削用電着ホイール等の旋削工具、穴あけ、溝加工等に使用されるドリル、エンドミル等の切削工具、レーザ焼入れヘッド等の熱処理加工ツールとしての熱処理工具、超仕上げ、ELID研削等に使用される表面仕上げ工具がある。尚、熱処理加工ツール等の回転駆動せずにワークWを加工する場合は、ツール駆動モータ201を停止させて加工を行なう。
【0053】
図8において、ツール回転主軸202に装着された砥石車600を、他の加工ツール501に交換する場合について説明する。Xステージ301及びZステージ302により、加工ツールが交換可能な所定の位置まで移動させ、図8に図示された加工ツール501が装着されていないツールポッド402に砥石車600を把持させる。この後、ツール回転主軸202と加工ツール501とのクランプ状態を解除してアンクランプ状態にして、砥石車600をツール装着ユニット400側へ回収する。
【0054】
サーボモータ404により割出し制御をして、加工ツール501をツール回転主軸202に装着可能な位置にセットする。Zステージ302によりツール回転主軸202を移動させて、加工ツール501のテーパ穴部にツール回転主軸202を装着し、クランプ状態にすることで加工ツール501をツール回転主軸202に装着する。
【0055】
上記の一連の操作により、所望の加工ツール501をツール回転主軸202に容易に着脱可能となる。この加工ツールの交換は、コンピュータ数値制御装置によりプログラムされて行なうことができるので、ワークWに種々の加工を施す間に自動工具交換を行うことが可能となる。従って、本発明の実施の形態に係る砥石車の着脱構造を適用することにより、自動工具交換装置を備えた複合加工機が容易に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】(a)は、本発明の実施の形態に係る砥石車の構造を示す断面図、(b)は、左側面図、(c)は、右側面図である。
【図2】(a)は、砥石駆動主軸700を示す断面図、(b)は、その左側面図である。
【図3】工具保持装置800を示す断面図である。
【図4】砥石ホイール610が工具保持装置800に保持され、砥石軸710のテーパ部710aが砥石ホイール610のテーパ穴部610cに嵌合せず離脱している状態、すなわち、アンクランプ状態を示す断面図である。
【図5】砥石ホイール610が工具保持装置800に保持され、砥石軸710のテーパ部710aは砥石ホイール610のテーパ穴部610cに嵌合しているが、コレットチャックセグメント632の先端部632aが砥石軸710の凹部710dに係合していない状態、すなわち、アンクランプ状態を示す断面図である。
【図6】砥石ホイール610が工具保持装置800に保持され、砥石軸710のテーパ部710aは砥石ホイール610のテーパ穴部610cに嵌合し、コレットチャックセグメント632の先端部632aが砥石軸710の凹部710dに係合している状態、すなわち、クランプ状態を示す断面図である。
【図7】砥石軸710のテーパ部710aが砥石ホイール610のテーパ穴部610cに嵌合し、コレットチャックセグメント632の先端部632aが砥石軸710の凹部710dに係合している状態、すなわち、クランプ状態であって、工具保持装置800が砥石ホイール610から離脱して、砥石ホイール610が砥石軸710により回転駆動されてワークの加工が可能となっている状態を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る砥石車の着脱構造を適用した複合加工機の平面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 複合加工機 10 ベッド
100 ワーク支持駆動ユニット 101 主軸台ベース
102 主軸台スライドガイド 103 主軸台
104 主軸駆動モータ 105 主軸
200 ワーク加工ユニット 201 ユニットハウジング
202 ツール回転主軸 203 ツール駆動モータ
301 Xステージ 302 Zステージ
400 ツール装着ユニット 402 ツールポッド
403 ツールタレット 404 サーボモータ
501 加工ツール
600 砥石車 610 砥石ホイール
611 砥石 620 センターバー
630 クランプユニット
631 コーン
632 コレットチャックセグメント 640 プッシャー
700 砥石駆動主軸 710 砥石軸
711 第1ドローバー 712 第2ドローバー
713 圧力壁 714 ピストン部
800 工具保持装置
810 結合部 820 ピストン部
【出願人】 【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄


【公開番号】 特開2008−6570(P2008−6570A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−182375(P2006−182375)