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【発明の名称】 研磨装置
【発明者】 【氏名】瀬川 達弥

【要約】 【課題】研磨布が貼り付けられた研磨プレートを回転しながら押しつけることにより、研磨台に載置された被研磨処理材の表面を研磨する研磨装置において、被研磨処理材表面のうねり等に対し、研磨プレートの研磨布が被研磨処理材表面に追従し、均一な研磨面が得られる研磨装置を提供する。

【構成】本発明の研磨装置100は、回転主軸11に取りつけられたプレート保持具10と、板バネ20と、研磨布51が貼り付けられた研磨プレート30と、被研磨処理材71が載置された研磨台61とで構成されている。板バネ20は、複数枚のステンレス等からなる板バネ材を積層したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨布が貼り付けられた研磨プレートを回転しながら押しつけることにより、研磨台に載置された被研磨処理材の表面を研磨する研磨装置において、
少なくとも回転主軸(11)に取りつけられたプレート保持具(10)と、板バネ(20)と、研磨布(51)が貼り付けられた研磨プレート(30)と、被研磨処理材(71)が載置された研磨台(61)とから構成されており、前記板バネ(20)は板バネ保持具(12)にてプレート保持具(10)に固定され、研磨布(51)が貼り付けられた研磨プレート(30)は接合部材(41)にて前記板バネ(20)に固定されていることを特徴とする研磨装置。
【請求項2】
前記板バネ(20)が板バネ材を積層した積層板バネであることを特徴とする請求項1に記載の研磨装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基板、カラーフィルタ基板等の平板状の被研磨処理材の表面を均一に研磨する研磨装置に関し、特に、被研磨処理材の表面にうねり等がある場合、うねり等に研磨布を追従させることにより、被研磨処理材の表面を均一に研磨する研磨装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高精細度や高品質表示が求められる液晶表示装置用カラーフィルタ基板にあっては、カラーフィルタの着色層の表面平滑性は、組み込まれる液晶表示装置の種類によっては表面凹凸の高低差が0.05〜0.1μmという平坦性を求められる場合があり、時として、仕上げ加工としてカラーフィルタ表面を平滑化する工程が必要とされる。この際には一般にバフ研磨法が用いられている。
【0003】
バフ研磨法は、図4に示すように、被研磨処理材上に研磨布(バフ)が貼付された研磨ヘッドを押し付けながら回転し、被研磨処理材の表面を研磨する方法である。
ここで、研磨ヘッドと被研処理材との間には、研磨剤を懸濁分散させた研磨液が供給され、研磨ヘッドと被研磨処理材との間には所望の圧力が付加されている。
【0004】
最近の液晶表示装置用カラーフィルタ基板はディスプレイ装置の大型化により、被研磨処理材の処理サイズが1mを越すものも出現し、被研磨処理材のサイズが大型化している。
研磨装置で被研磨処理材の表面を研磨する際、被研磨処理材の大型化により、被研磨処理材表面の微小なうねり、または研磨布と被研磨処理材表面との平行位置関係のずれにより、研磨布と被研磨処理材が片当たりして、被研磨処理材表面に研磨ムラ等が発生し、被研磨処理材表面に品質上の不具合が発生する。
【0005】
上記被研磨処理材表面の品質上の不具合を防止する方法として、図3に示すような、研磨ヘッドの研磨面を傾動させる機構を有する平面研磨装置の加工ヘッドが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
上記平面研磨装置の加工ヘッドは、回転主軸111、支持プレート110、ボールジョイント140、保持プレート130、板バネ120などによって構成されている。
回転主軸111は、平面研磨装置に設けられた回転駆動機構(図示せず)に接続されており、回転主軸111の下端部には支持プレート110が固定され、支持プレート110の下面側にはボールジョイント140が設けられ、回転主軸111の回転中心軸上に位置している。
【0007】
保持プレート130は、その下面側に被研磨処理材161が装着され、保持プレート130の上面側の中心部は、球面軸受141及び板バネ120を介して支持プレート110の下面に接続されている。
【0008】
球面軸受141によって、保持プレート130は、回転主軸111に対して二軸回りの傾動が可能であり、同時に、回転主軸111からの研磨加圧力が、支持プレート110を介して保持プレート130に伝達され、回転主軸111から回転トルクが、板バネ120を介して保持プレート130に伝達される。
【0009】
従って、伝達すべき回転トルクの所要値を満足する範囲で、板バネ120の剛性を調整
することによって、被研磨処理材161の研磨面に対する片当りを防止することが可能となり、その結果、被加工物の平坦度を向上させることができるとしている。
【0010】
しかしながら、上記平面研磨装置の加工ヘッドにおいて、被研磨処理材161が取り付けられた保持プレート130と支持プレート110とはそれぞれに設けられた座(ボルトによる固定部)に板バネ120を取り付けているが、座部分に集中して板バネ120の反力がかかるため、保持プレート130の研磨面全体が均一に当たらないという不具合が発生する。
また、被研磨処理材161が大型化すればするほど、バラツキが大きくなるという問題がある。
【0011】
また、板バネ120が単板であるため、被研磨処理材161が大型化してくると、被研磨処理材161の部分的な範囲で発生する微細なうねりに対して、完全に追従できないという問題を有している。
【特許文献1】特開平10−118919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑み考案されたものであり、研磨布が貼り付けられた研磨プレートを回転しながら押しつけることにより、研磨台に載置された被研磨処理材の表面を研磨する研磨装置において、被研磨処理材表面のうねり等に対し、研磨プレートの研磨布が被研磨処理材表面に追従し、均一な研磨面が得られる研磨装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず、請求項1においては、研磨布が貼り付けられた研磨プレートを回転しながら押しつけることにより、研磨台に載置された被研磨処理材の表面を研磨する研磨装置において、
少なくとも回転主軸11に取りつけられたプレート保持具10と、板バネ20と、研磨布51が貼り付けられた研磨プレート30と、被研磨処理材71が載置された研磨台61とから構成されており、前記板バネ20は板バネ保持具12にてプレート保持具10に固定され、研磨布51が貼り付けられた研磨プレート30は接合部材41にて前記板バネ20に固定されていることを特徴とする研磨装置としたものである。
【0014】
また、請求項2においては、前記板バネ20が板バネ材を積層した積層板バネであることを特徴とする請求項1に記載の研磨装置としたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の研磨装置は、接合部材を介して板バネに固定された研磨プレートの研磨布が被研磨処理材の表面と接触して研磨作業が行われるので、被研磨処理材の表面に発生するうねり等に対し、板バネの反力により、研磨プレートの研磨布が微細なうねりに追従し、被研磨処理材の均一な表面研磨が可能となる。
【0016】
また、板バネが複数枚の板バネ材で積層されているため、バネ自身の自重とバネの緩衝作用により、より広い面積にわたり均一に圧をかけることができ、特に大型の被研磨処理材を使用した場合でも、被研磨処理材の均一な表面研磨が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下本発明の実施の形態につき説明する。
図1は、本発明の研磨装置の一実施例を示す模式構成図である。
本発明の研磨装置100は、回転主軸11に取りつけられたプレート保持具10と、板バネ20と、研磨布51が貼り付けられた研磨プレート30と、被研磨処理材71が載置された研磨台61とで構成されている。
【0018】
回転主軸11は、研磨装置に設けられた回転駆動機構(図示せず)に接続されており、回転主軸11の下端部にはプレート保持具10が固定され、プレート保持具10の中心が回転主軸11の回転中心軸上に位置するように固定されている。
【0019】
プレート保持具10は、アルミ、アルミ合金等の軽量部材で作製されているが、軽くて、物理的な強度がある材料であれば、他の材料(例えば、強化プラスチック樹脂等)も使用できる。
また、プレート保持具10は回転主軸11に対し垂直に配置される。
【0020】
板バネ20は、複数枚のステンレス等からなる板バネ材を積層したものである。
板バネ20の構成例を図2に示す。これは、ステンレス等からなる板バネ材21、板バネ材22、板バネ材23、板バネ材24の4枚の板バネ材で構成されており、板バネ材21を中心バネにして、一方の面に板バネ材22、板バネ材23の2枚、他方の面に板バネ材24を積層して板バネ20を構成したものである。
【0021】
このように板バネ20は、板バネ材を積層することにより、板バネ20の剛性を自由に設定でき、板バネ20の自重と緩衝作用により、より広い面積にわたり被研磨処理材に均一に圧をかけることができ、特に大型の被研磨処理材を使用した場合でも、被研磨処理材の均一な表面研磨が可能となる。
上記板バネ20は4枚の板バネ材を積層した事例で説明したが、板バネ材の積層枚数には限定されることなく、板バネ材、被研磨処理材のサイズ等により任意に設定できるものである。
【0022】
板バネ20は、プレート保持具10の外周内側に設けられた板バネ保持具12により固定され、プレート保持具10に保持された状態になる。
【0023】
プレート保持具10に保持された板バネ20と研磨プレート30とは接着剤等の接合部材41を介して接合される。
板バネ20と研磨プレート30とはナイロン樹脂等のプラスチックフィルムを挿入した状態で、接着剤等の接合部材41で接合しても良い。
【0024】
接合部材41にて板バネ20と接合された研磨プレート30の研磨面に研磨布51を貼り付け、研磨台61との平行出しを行って、本発明の研磨装置100を得ることができる。
【0025】
1950×2250mmのガラス基板の表面にブラックマトリックス、着色フィルター等が形成された被研磨処理材71を作製し、本発明の研磨装置100を用いて表面研磨を行った結果、被研磨処理材71の研磨面に対する片当りも発生せず、被研磨処理材71の均一な表面研磨を行うことができた。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の研磨装置の一実施例を示す模式構成図である。
【図2】板バネの構成例を示す模式構成断面図である。
【図3】従来の研磨装置の一例を示す模式構成図である。
【図4】従来の研磨装置の他の例を示す模式構成図である。
【符号の説明】
【0027】
10……プレート保持具
11、111……回転主軸
12……板バネ保持具
20……板バネ
21、22、23、24……板バネ材
30……研磨プレート
41……接合部材
51……研磨布
61……研磨台
71、161……被研磨処理材
100……研磨装置
110……支持プレート
112……バランスプレート
120……板バネ
130……保持プレート
140……ボールジョイント
141……球面軸受け
151……軟質パッド
【出願人】 【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−6555(P2008−6555A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181022(P2006−181022)