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【発明の名称】 研磨装置の研磨剤塗布装置
【発明者】 【氏名】下畑 孝一

【要約】 【課題】スペースに余裕のない箇所でも研磨剤の塗布が均一に、しかも被研磨体に対してのみ行われ、被研磨体が通過すると、研磨剤の塗布を中断させることができるような塗布装置を提供する。

【構成】研磨装置の研磨ロールの両側にはピンチロールとの間の無端ベルト上方に塗布装置が配置され、この塗布装置は、モータ11によって回転駆動されるネジ棒12と、該ネジ棒12に並設されるガイドロッド13と、ネジ棒12に螺着され、ガイドロッド13にスライド可能に装着されて回転止めされるナット14と、該ナット14に支持され、研磨剤が吹付空気と共に散布されるノズル16よりなり、モータ11によりネジ棒12を回転駆動すると、ノズル16が鋼板の搬送方向と直交する方向に直進する。散布が鋼板端に達すると、ノズル16に操作空気が送られ、これによりON−OFFが切換えられて研磨剤の散布が停止される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被研磨体を載せて搬送する搬送手段と、搬送手段上の研磨剤を塗布した被研磨体を研磨する研磨ロールとを有する研磨装置において、被研磨体の表面に研磨剤を塗布するのに用いる塗布装置であって、研磨剤を散布するノズルと、該ノズルに研磨剤を供給する供給手段と、ノズルからの研磨剤散布の断続を制御する制御手段と、前記ノズルを被研磨体の搬送方向と直交ないしほぼ直交する方向に移動させる移動手段とを有することを特徴とする研磨剤塗布装置。
【請求項2】
前記移動手段が両側に左ネジと右ネジを備え、モータにより回転駆動されるネジ棒と、該ネジ棒の左ネジ及び右ネジにそれぞれ回転止めされて螺着され、ノズルを支持するナットよりなることを特徴とする研磨剤塗布装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば鋼板等の被研磨体の表面を研磨する研磨装置において、研磨剤を被研磨体表面に塗布するのに用いる塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示す研磨装置は、被研磨体を正或いは逆方向に搬送する無端ベルト2と、該無端ベルト上の被研磨体を研磨するロール状のブラシ、砥石、バフ等からなる研磨ロール3と、研磨ロール下のベルト2を担持する多数のロール4と、研磨ロール3の両側において被研磨体をクランプする開閉可能なピンチロール5よりなっている。図中、6は無端ベルト2との間で被研磨体の受け渡しを行う搬出入ベルトである。
【0003】
被研磨体の研磨時には、被研磨体の表面に研磨剤が塗布されるが、図1に示す研磨装置において、研磨剤の塗布は従来、無端ベルト上に架設される架台1上で作業員がモップ状の塗布器7により研磨ロール3に送り込まれる被研磨体の表面に研磨剤を塗布し、研磨ロール3より送り出されて研磨された被研磨体が逆向きに搬送されて再度研磨されるときには、研磨ロール3を挟んだ反対側で図の一点鎖線で示すように、研磨ロール3に送り込まれる被研磨体の表面に研磨剤を同様にして塗布していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述するように従来手作業で行っていた研磨剤の塗布作業を自動化しようとするもので、自動化するには、複数のスプレーを被研磨体の搬送方向と直交する方向に配置して研磨剤を被研磨体上に散布する方法、ロールコータを被研磨体の搬送方向と直交する方向に配置して研磨剤を被研磨体上に塗布する方法等が考えられるが、前者のスプレーによる散布は、散布に濃淡を生じて濃度がまばらになりがちで、研磨表面に好ましくない影響を与える。
【0005】
一方、ロールコータによる方法は、研磨ロール3とピンチロール5の間のスペースが概して狭く、ロールコータを設置するだけのスペース上の余裕がないことが多いうえ、何よりもロールコータによる塗布は研磨剤がマヨネーズ状の流動物である場合、塗布を均一に行うことが困難であり、また塗布を中断することができないため被研磨体がロールコータより送り出されたあともロールコータによる塗布がベルトに対して行われるようになり、研磨剤が無駄に消費されることになる。
【0006】
本発明は、スペースに余裕のない箇所でも研磨剤の塗布が均一に、しかも被研磨体に対してのみ行われ、被研磨体が通過すると、研磨剤の塗布を中断させることができるような塗布装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係わる発明は、被研磨体を載せて搬送する搬送手段と、搬送手段上の研磨剤を塗布した被研磨体を研磨する研磨ロールとを有する研磨装置において、被研磨体の表面に研磨剤を塗布するのに用いる塗布装置であって、研磨剤を散布するノズルと、該ノズルに研磨剤を供給する供給手段と、ノズルからの研磨剤散布の断続を制御する制御手段と、前記ノズルを被研磨体の搬送方向と直交ないしほぼ直交する方向に移動させる移動手段とを有することを特徴とする。
【0008】
上述の研磨装置を構成する搬送手段としては、例えば図1に示すような無端ベルト2が挙げられるが、これ以外でも例えば油圧シリンダー、ピニオンラック機構、ネジ機構などの直線運動機構によって直線運動する剛体よりなる移動体を用いることができる。
【0009】
研磨ロールとしては、ロール状のブラシ、砥石、バフ等が例示される。
供給手段としては、例えばポンプ、以下の実施形態に示されるように研磨剤を圧縮空気によって圧送する方法などを用いることができ、制御手段は弁、好ましくはコンピュータによって制御される電磁弁で構成される。
移送手段としては、例えばエアシリンダー、ピニオンラック機構、ネジ機構などを例示することができる。
【0010】
請求項2に係わる発明は、請求項1に係わる発明の移動手段が両側に左ネジと右ネジを備え、モータにより回転駆動されるネジ棒と、該ネジ棒の左ネジ及び右ネジにそれぞれ回転止めされて螺着され、ノズルを支持するナットよりなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係わる発明によると、ノズルはスペースに余裕のある被研磨体上方に配置することができること、移動手段によるノズルの移動を一定の速度で行うことにより研磨剤の散布が均一に行われること、制御手段によりノズルからの研磨剤の散布を中断することができ、したがって研磨剤の散布を被研磨体に対してのみ行うことができ、研磨剤を必要量だけ散布して無駄な消費を省くことができること等の効果を奏する。
【0012】
請求項2に係わる発明によると、研磨剤を両方向に同時に散布することができ、一方向に散布するよりも、散布を短時間で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態の塗布装置について図面により説明する。
図2は、図1に示す研磨装置の研磨ロール3の両側において、ピンチロール5との間の無端ベルト上方に配置される塗布装置について示すもので、該塗布装置は、架台1上に取付けたモータ11によって回転駆動され、両側に左ネジ12aと右ネジ12bをそれぞれ刻設したネジ棒12と、該ネジ棒12に並設されるガイドロッド13と、ネジ棒12に螺着され、ガイドロッド13にスライド可能に装着されて回転止めされ、後述の吹付け空気、操作空気、研磨剤を供給するラインを構成するケーブルを担持するナット14と、該ナット14に横向きに位置調整可能に取付けられるロッド15a及び該ロッド15aに縦向きに位置調整可能に取付けられる縦ロッド15bよりなる支持機構15と、該支持機構15の縦ロッド15bの下端に取着され、散布パターンが変更可能なノズル16よりなり、モータ11、ネジ棒12、ガイドロッド13、ナット14及び支持機構15がノズル16の移動手段を構成している。
【0014】
図3は、前記ノズル16への研磨剤の供給手段について示すもので、該供給手段は、マヨネーズ状の研磨剤が入れられるタンク21と、フィルタ22及び圧力制御弁23から減圧弁24を介してタンク21に導入された圧縮空気によりタンク内の研磨剤をボール弁25を介してノズル16に圧送する研磨剤供給ライン26と、上記圧力制御弁23から減圧弁27、切換弁28、流量調整弁29を介してノズル16に吹付空気を供給するライン31とからなり、ノズル16に圧送された研磨剤が吹付空気によりノズル16から散布されるようになっている。図3はまた、ノズル16からの研磨剤塗布の断続を制御する制御手段についても示している。この制御手段は、前記ノズル16に設けられ、該ノズル16を開閉する図示しないON−OFF弁と、上記圧力制御弁23から切替弁33を介し、更に流量調整弁30を介してノズル16に前記ON−OFF弁操作用の操作空気を供給するライン34とからなり、切換弁33の切換えによりノズル16に操作空気を供給すると、ノズル16の前記切換弁がOFFとなり、ノズル16からの研磨剤の散布が停止される一方、切換弁33の切換により、ノズル16への操作空気の供給を開始すると、ノズル16の図示しない切換弁がONとなり、ノズル16から研磨剤の散布が行われるようになっている。
【0015】
本実施形態の塗布装置は以上のように構成され、ロール4に担持される搬送手段としてのベルト2により搬送される被研磨体の鋼板18には、研磨ロール3入側の両ノズル16より研磨剤が散布される。この散布は、切換弁33を切換操作してノズル16のON−OFF弁をON状態にして行われ、タンク21内の研磨剤がノズル16に圧送されて吹付空気と共に散布される。ノズル16の移動は、モータ11によりネジ棒12を回転駆動することにより行われ、ネジ棒12の回転により図2に示すナット14が左右に開き、各ノズル16が鋼板18の中央部より両サイドに向け、鋼板18の搬送方向と直交する方向に直進する。ノズル16が移動する間、鋼板18もベルト2により搬送されるため、鋼板18への研磨剤の散布は図4に示すように両サイドに向って後下がりに傾斜した軌跡を描いて行われるが、ノズル16の移動速度vは鋼板18の搬送速度Vに比べ、v≫Vとなるようにしてあるため傾斜角θは小さく、したがって研磨剤の塗布は鋼板18の搬送方向とほぼ直交する方向に行われる(なお、図においては理解を得易くするために傾斜角θを大きく誇張して描いている)。研磨剤の塗布を鋼板の搬送方向と直交する方向に行うには、ノズル16の移動方向を図5に示すように前上がり傾斜する方向に向けて移動させるとよい。これにより研磨剤の散布が図の点線で示すように鋼板18の搬送方向と直交する方向に行われるようになる。
【0016】
研磨剤の散布が鋼板端に達すると、作業者が切換弁33の切換操作を行い、これにより操作空気をノズル16に送ってON−OFF弁をOFF状態にし、研磨剤の散布を停止する。
【0017】
上述する例では、切換弁33は作業者の操作により切換えられるようにしているが、電磁弁にしてコンピュータからの制御信号により自動的に切換えられるようにしてもよい。研磨剤の散布が鋼板18の端部に達したとき、これをセンサーで検出できるようにすれば、センサーからの検出信号に基づくコンピュータからの制御信号により切換弁33の切換えを行って、研磨剤散布の停止を自動的に行うことができるようになる。
【0018】
研磨剤が散布された鋼板18は、研磨ロール3に送り込まれ研磨される。研磨ロール3より送り出されて該ロール3を出た鋼板18は、ベルト2の逆向きの搬送により逆送りされ、研磨ロール3を挟んだ反対側の各ノズル16により研磨剤が同様にして散布される。そして研磨ロール3に引込まれ、研磨される。以上の動作が繰返し必要回数行われて鋼板18への研磨が終了する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】研磨装置の全体構成を示す図。
【図2】塗布装置の正面図。
【図3】研磨剤の供給及びその断続を行う回路図。
【図4】研磨剤の散布軌跡を示す図。
【図5】研磨剤の散布軌跡の別の例を示す図。
【符号の説明】
【0020】
1・・架台
2・・無端ベルト
3・・研磨ロール
4・・ロール
5・・ピンチロール
6・・搬出入ベルト
7・・塗布器
11・・モータ
12・・ネジ棒
13・・ガイドロッド
14・・ナット
15・・支持機構
16・・ノズル
18・・鋼板
21・・タンク
22・・フィルタ
23・・圧力制御弁
24、27・・減圧弁
25・・ボール弁
26・・研磨剤供給ライン
28、33・・切換弁
29、30・・流量調整弁
31・・吹付け空気供給ライン
34・・操作空気供給ライン
【出願人】 【識別番号】591223149
【氏名又は名称】日新工機株式会社
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100079636
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 晃一


【公開番号】 特開2008−6510(P2008−6510A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−176110(P2006−176110)