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【発明の名称】 ステージ装置
【発明者】 【氏名】吉田 達矢

【氏名】中森 靖仁

【要約】 【課題】装置の大型化を図った場合であっても、特殊車両を用いることなく輸送を可能とすると共に、基台の機械加工を容易に行うことのできるステージ装置を提供することを課題とする。

【構成】ステージ装置1において、基台2をガントリ部9の移動方向Yに分割面12を境として分割可能とする。これによって、ステージ装置1を、輸送車に搭載可能な大きさの本体部1aと分割部1bとに分割可能な構成とすると共に、本体部1aと分割部1bとに分割して機械加工を可能とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台に支持され、当該基台上を進行方向である一軸方向に移動するガントリ部を有するステージ装置において、
前記基台は、前記ガントリ部の移動方向に分割可能に構成されていることを特徴とするステージ装置。
【請求項2】
前記基台上にワークを載置する載置領域を有し、
前記基台の分割面は、前記載置領域を除く領域に形成されることを特徴とする請求項1記載のステージ装置。
【請求項3】
前記基台を下方から支持する支持架台を備え、
前記支持架台は、複数本の脚部を有すると共に、前記複数本の脚部のうち、前記基台の分割面の下に配置される脚部を有することを特徴とする請求項1又は2記載のステージ装置。
【請求項4】
前記支持架台は、各々独立な脚部のみで構成されていることを特徴とする請求項3記載のステージ装置。
【請求項5】
前記基台を下方から支持する支持架台を備え、
前記支持架台は、前記ガントリ部の移動方向に分割可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のステージ装置。
【請求項6】
基台に支持され、当該基台上を進行方向である一軸方向に移動するガントリ部を有するステージ装置の組立方法において、
前記ガントリ部の移動方向に分割された前記基台を用意し、
前記基台の分割面の下を、補助脚部材で支持した状態で、分割された前記基台を連結することを特徴とするステージ装置の組立方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、基台に支持され、当該基台上を進行方向である一軸方向に移動するガントリ部を有するステージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネルや半導体の各種基板の製造装置として用いられるステージ装置として、複数本の缶材を連結して構築された製缶構造の基台と、基台上の両側に設けられたガイドレールと、ガイドレールに沿って案内される案内スライダを有するビームとを備え、ビームがガイドレールに沿って移動するステージ装置が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−269509号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記ステージ装置にあっては、近年液晶ディスプレイの大型化などに伴い装置の大型化を図った場合、輸送用の車両などに積載することができない場合がある。ここで、特殊車両を用いて輸送することが考えられるが、コストが膨大となってしまう。また、基台を構築するための缶材も長くなるため、加工装置で機械加工を全長に渡って施すことが困難となってしまう場合がある。
【0004】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、装置の大型化を図った場合であっても、特殊車両を用いることなく輸送を可能とすると共に、基台の機械加工を容易に行うことのできるステージ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるステージ装置は、基台に支持され、当該基台上を進行方向である一軸方向に移動するガントリ部を有するステージ装置において、基台は、ガントリ部の移動方向に分割可能に構成されていることを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、ガントリ部の移動方向に基台を分割することによって、装置を分割して輸送車に積載することができる。これによって、装置の大型化を図った場合であっても特殊車両を用いることなく輸送が可能となる。また、基台を機械加工する際も、分割された部分ごとに行うことができるため、容易に機械加工を行うことができる。
【0007】
ここで、ワークの載置領域に基台の分割面が形成された場合は基台と共にワークも分割する必要があるため、基台の分割面は、載置領域を除く領域に形成されることが好ましい。これにより、ワークを分割することなく装置を分割できる。
【0008】
また、基台を下方から支持する支持架台を備え、支持架台は、複数本の脚部を有すると共に、複数本の脚部のうち、基台の分割面の下に配置される脚部を有することが好ましい。このような構成を採用した場合、例えば、分割された基台を連結する際に、脚部が分割面の下を支持することとなるため、他の支持部材を用いることなく、容易に装置の組み立てを行うことができる。
【0009】
また、支持架台は、各々独立な脚部のみで構成されていることが好ましい。このような構成を採用した場合、輸送時において、装置を、分割された基台、支持架台であるそれぞれの脚部に更に分けて積載することができる。これによって、装置を更に細かく分割することができる。
【0010】
ここで、例えば、支持架台を分割することを避けて基台を分割する場合、大きく分割できない場合があり、ガントリ部の移動方向の両端側の各々で分割しなくては輸送車に積載できない場合がある。この場合には、組立時において両端側の分割箇所で位置調整を行う必要がある。従って、基台を下方から支持する支持架台を備え、支持架台は、ガントリ部の移動方向に分割可能に構成されていることが好ましい。このように、支持架台を分割することが可能な場合、大きく分割することも可能となるので、分割箇所は一箇所で良く、この分割により、輸送が可能となると共に、組立時において、一箇所の分割箇所で位置調整を行うのみでよく、組み立てが容易となる。
【0011】
また、本発明に係るステージ装置の組み立て方法は、基台に支持され、当該基台上を進行方向である一軸方向に移動するガントリ部を有するステージ装置の組立方法において、ガントリ部の移動方向に分割された基台を用意し、基台の分割面の下を、補助脚部材で支持した状態で、分割された基台を連結することを特徴とする。
【0012】
このような方法によれば、分割された基台を連結する際に、補助脚部材が分割面の下を支持することとなるため、容易に装置の組み立てを行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
このように、本発明によれば、装置の大型化を図った場合であっても、特殊輸送車を用いることなく、輸送が可能となると共に、基台の機械加工が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明によるステージ装置の好適な実施形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、各図において、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るステージ装置1を示す斜視図、図2は、図1に示すステージ装置1にワーク定盤(ワーク)15をセットした斜視図、図3は、図1に示すステージ装置1の側面図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態のステージ装置1は、複数本の缶材を連結して構築された製缶構造のベースフレーム2(基台)2と、ベースフレーム2を下から支持する支持架台3と、ベースフレーム2上を移動するガントリ部9と、ベースフレーム2に設けられ、ガントリ部9の移動を案内するガイドフレーム4及び永久磁石6と、ガントリ部9の下部に設けられ、ガイドレール4に案内される案内スライダ7及び永久磁石6と対向する電磁石8とを備え、このガントリ部9がガイドレール4に沿って移動するものである。なお、図1において、ベースフレーム2の長手方向をY軸方向とし、それと直交する水平方向をX軸方向とする。
【0017】
ベースフレーム2は、X軸方向に延在する缶材2a,2bと、Y軸方向に延在する缶材2c,2dとを各々連結させることで形成される矩形状の枠体の内側を、複数の缶材で補強することにより構成される。
【0018】
支持架台3は、ベースフレーム2の四隅をそれぞれ支持する脚部3aと、脚部3a同士を連結して補強する連結部3bとから構成される。なお、脚部3aとベースフレーム2との間には、空気バネやバネなどの弾性材による除振機構が設けられている。
【0019】
ガイドレール4は、缶材2c,2dの上面に各々設けられ、Y軸方向に延在する。また、永久磁石6は、缶材2c,2dの上面においてガイドレール4よりも外側の位置に隣接して設けられ、Y軸方向に延在する。この永久磁石6は、Y軸方向にS極とN極の所定パターンが繰り返されているものである。
【0020】
ガイドレール4及び永久磁石6の上方には、X軸方向に延びるガントリ部9の両側の下部に連結された連結板11が配置されており、この連結板11の下面には、案内スライダ7と電磁石8が各々隣接して設けられている。電磁石8は、永久磁石6のS極とN極のパターンにあわせて磁極を変化させ、永久磁石6との間で反発力を発生させることによってガントリ部9をガイドレール4で案内しながらY軸方向に移動させることができる。
【0021】
ガントリ部9は、X軸方向に延びる支持部9a、リニアモータ部9b及び移動部9cを備える。移動部9cは、リニアモータ部9bにより当該リニアモータ部9bに沿ってX軸方向へ移動可能とされている。そして、この移動部9cに所定の処理装置を付設することで、処理装置がX軸方向に移動し所定の処理が実行される。
【0022】
図2に示すように、ステージ装置1のベースフレーム2上には、液晶パネルなどを載置するためのワーク定盤15が設置される。ベースフレーム2において、ワーク定盤15が載置される領域を載置領域2eとする。この載置領域2eは、ベースフレーム2よりX軸方向及びY軸方向において小とされている。なお、ステージ装置1が輸送車で輸送される際、このワーク定盤15が設置された状態で輸送車に積載される。
【0023】
ここで、特に本実施形態においては、図3に示すように、ベースフレーム2、ガイドレール4、永久磁石6及びワーク定盤15は、Y軸方向と直交する分割面12aで分割され、支持架台3は分割面12bで分割される。そして、分割されたベースフレーム2、支持架台3、ガイドレール4、永久磁石6及びワーク定盤15は、分割面12a,12bでボルト等によって連結される。このように、ベースフレーム2、支持架台3、ガイドレール4、永久磁石6及びワーク定盤15はY軸方向に分割可能に構成されているため、ステージ装置1は本体部1aと分割部1bに分割可能に構成されることになる。なお、分割面12a,12bは、本体部1aが輸送車に積載可能な大きさとなるような位置に形成される。なお、分割面12a,12bの周辺には、ベースフレーム2を支持する脚部が、ベースフレーム2と支持架台3との間に設けられている。
【0024】
ここで、図4を用いて分割された本体部1aと分割部1bを連結させる方法について説明をする。図4は、組立時のステージ装置1を示す側面図である。
【0025】
図4に示すように、先ず支持架台3における分割面12bの下部を補助脚部材13で支持し、支持架台3とベースフレーム2との間に補助脚部材14を配置して、ベースフレーム2における分割面12aの下部を支持する。
【0026】
次いで、補助脚部材13,14により、分割面12b,12aの下部を支持した状態で、分割されたベースフレーム2、支持架台3、ガイドレール4、永久磁石6及びワーク定盤15、すなわち、本体部1aと本体部1bをボルト等で連結する。なお、ボルトで連結する前段階では、それぞれの部材同士が分割面12a,12bでずれを生じないように位置調整を行う。
【0027】
このように、本実施形態に係るステージ装置1では、Y軸方向にベースフレーム2を分割することによって、分割して輸送車に積載することができる。これによって、ステージ装置1の大型化を図った場合であっても特殊車両を用いることなく輸送が可能となる。また、ベースフレーム2を構成する缶材を機械加工する際も、分割された部分ごとに行うことができるため、容易に機械加工を行うことができる。
【0028】
また、例えば、支持架台3を分割することを避けてステージ装置1を分割した場合、大きく分割できない場合があり、ベースフレーム2のY軸方向の両端側の2箇所で分割しなくては輸送車に積載できない場合がある。この場合には、組立時においてベースフレーム2の両側の分割箇所で位置調整を行う必要がある。しかしながら、本実施形態に係るステージ装置1では、支持架台3を分割することが可能なため、大きく分割することも可能となるので、分割箇所は一箇所で良く、この分割により、輸送が可能となると共に、組立時において、一箇所の分割箇所で位置調整を行うのみでよく、組み立てが容易となる。
【0029】
また、分割されたステージ装置1を連結する際に、補助脚部材13,14がベースフレーム2及び支持架台3における分割面12b,12aの下部を支持することとなるため、本体部1aと分割部1bを容易に連結することができ、これによって容易にステージ装置1の組み立てを行うことができる。
【0030】
なお、ここでは、ガントリ部9がY軸方向に移動し、移動部9cがX軸方向に移動する2軸タイプのステージ装置に対する適用を述べているが、ガントリ部のみが移動する1軸タイプにも適用可能である。
【0031】
また、ガントリ部や移動部の移動は、接触タイプ、非接触タイプの何れであってもよい。
【0032】
[第2の実施形態]
図5は、本発明の第2の実施形態に係るステージ装置21の側面図である。この第2の実施形態が第1の実施形態と違う点は、第1の実施形態の支持架台3と異なる支持架台23を用いた点である。
【0033】
図5に示すように、支持架台23は、連結部により連結されることなく、複数本の脚部23aのみで構成されている。また、脚部23aのうちの数本は、ベースフレーム2の隅を支持する代わりに、ベースフレーム2における分割面12aの下部を支持する構成とされている。
【0034】
このような第2の実施形態によれば、分割されたステージ装置21を連結する際に、脚部23aが、ベースフレーム2における分割面12aの下部を支持することとなるため、補助脚部材を用いることなく、容易にステージ装置21の組み立てを行うことができる。
【0035】
また、支持架台23が、各々独立な脚部23aのみで構成されているため、輸送時において、ステージ装置21を、分割されたベースフレーム2、ガイドレール4、永久磁石6及びワーク定盤15からなるユニットと、支持架台23であるそれぞれの脚部23aとに更に分けて積載することができる。これによって、ステージ装置21を更に細かく分割することができる。
【0036】
[第3の実施形態]
図6は、本発明の第3の実施形態に係るステージ装置31の側面図である。この第3の実施形態が第1の実施形態と違う点は、第1の実施形態の分割面12a,12bと異なる位置に分割面を形成した点である。
【0037】
図6に示すように、分割面42a,42b,43a,43bは、ベースフレーム2におけるワーク定盤15が載置される載置領域2eを除く領域に形成されている。すなわち、分割面42a,42b,43a,43bは、ワーク定盤15のY軸方向の両端よりも外側の位置に各々形成されている。なお、分割面42a,42b,43a,43bの周辺には、ベースフレーム2を支持する脚部が、ベースフレーム2と支持架台3との間に設けられている(図示せず)。

【0038】
このように、第3の実施形態よれば、ワーク定盤15を分割することなくステージ装置31を分割できる。
【0039】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、分割面12a,12b,42a,42b,43a,43bを、図7(a)に示すように、上下方向に沿って凹凸が並ぶインロー型の分割面50としてもよく、また、図7(b)に示すように、傾斜する分割面51としても良い。
【0040】
なお、図6の第3の実施形態では、載置領域2eを分割しないようにしているが、第1,第2の実施形態にあっても、載置領域2eを分割しないことも可能である。
【0041】
なお、図4の第1の実施形態では、脚部3aをベースフレーム2の四隅に配置しているが、分割面12aで分割する位置に一組配置してもよく、この位置に配置した脚部3aによって分割面12aを下方から支持し、補助脚部材13,14を用いない構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るステージ装置を示す斜視図である。
【図2】図1に示すステージ装置にワーク定盤をセットした斜視図である。
【図3】図1に示すステージ装置の側面図である。
【図4】組立時のステージ装置を示す側面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るステージ装置の側面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るステージ装置の側面図である。
【図7】他の分割面を示す図であり、(a)は分割面をインロー型とした場合を示し、(b)は分割面を傾斜面とした場合を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
1,21,31…ステージ装置、2…ベースフレーム(基台)、2e…載置領域、3,23…支持架台、3a,23a…脚部、9…ガントリ部、12a,12b,42a,42b,43a,43b,50,51…分割面、13,14…補助脚部材、15…ワーク定盤(ワーク)。
【出願人】 【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
【出願日】 平成19年3月27日(2007.3.27)
【代理人】 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹

【識別番号】100092657
【弁理士】
【氏名又は名称】寺崎 史朗

【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹


【公開番号】 特開2008−23699(P2008−23699A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2007−82286(P2007−82286)