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被加工物の固定方法 - 特開2008−18483 | j-tokkyo
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【発明の名称】 被加工物の固定方法
【発明者】 【氏名】東 和彦

【要約】 【課題】固定用治具の固定面に接着用ワックスを均一かつ薄膜状に付着させ、被加工物の高さのばらつきを抑制するとともに、固定用治具に接着用ワックスで接着、固定する際に被加工物に作用する無理な応力を抑制することにより、被加工物を高精度で加工可能な被加工物の固定方法を提供する。

【構成】有機溶剤を溶媒として接着用ワックス5を溶解したワックス溶液を、被加工物固定用治具1の固定面2に付着させる工程; 付着したワックス溶液が液体状態にあるときに、被加工物固定用治具1の固定面2上のワックス溶液付着面に被加工物4の固定面を接着する工程;接着用ワックス5の軟化点以下の温度で溶媒を蒸発させ、残留する接着用ワックス5により被加工物4を被加工物固定用治具1に固定する工程;からなる被加工物4の固定方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の工程(a)〜(c)からなることを特徴とする被加工物の固定方法。
(a) 有機溶剤を溶媒として接着用ワックスを溶解したワックス溶液を、被加工物固定用治具の固定面に付着させる工程。
(b) 付着した前記ワックス溶液が液体状態にあるときに、被加工物固定用治具の固定面上のワックス溶液付着面に被加工物の固定面を接着する工程。
(c) 前記接着用ワックスの軟化点以下の温度で溶媒を蒸発させ、残留する接着用ワックスにより被加工物を被加工物固定用治具に固定する工程。
【請求項2】
工程(a)におけるワックス溶液の固定面に対する付着を、スプレーによる噴霧によって行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の被加工物の固定方法。
【請求項3】
工程(a)におけるワックス溶液の固定面に対する付着を、塗布具による塗布、又は固定用治具をワックス溶液内に浸漬することによって行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の被加工物の固定方法。
【請求項4】
被加工物固定用治具が、その固定面に固定した被加工物を切断するための回転切断刃の通路用溝を有している、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の被加工物の固定方法。
【請求項5】
上記被加工物固定用治具の通路用溝が、その内部に付着した接着用ワックスに上記切断刃が接触しない状態で被加工物を切断できる幅及び深さを有している、
ことを特徴とする請求項4に記載の被加工物の固定方法。
【請求項6】
溶媒と接着用ワックスの混合体積比を、3:1〜100:1の範囲内に設定する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の被加工物の固定方法。
【請求項7】
工程(c)において、溶媒の揮発によって残留するところの、被加工物の接着固定に供する接着用ワックスの残留厚さが50μm以下である、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の被加工物の固定方法。
【請求項8】
接着用ワックスを、炭水化水素系溶剤、塩素系溶剤、ケトン系溶剤、あるいはエステル系溶剤に対して溶解性のある熱可塑性のエステル系樹脂からなるものとした、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の被加工物の固定方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、切断、研磨等の加工をするための被加工物を、被加工物固定用治具に固定する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種電子機器の部品の精密な部材について切断、研磨等の加工をするために、被加工物を被加工物固定用治具に固定することが行われている。例えば、磁気ヘッドの部材の加工工程で、接着用ワックス(固形接着用ワックス)を用いて被加工物を被加工物固定用治具に固定して前記部材を切断したり、あるいは半導体基板を接着用ワックスを用いて被加工物固定用治具(研磨治具)に固定して前記基板を研磨することが行われている。
ハードディスクの磁気ヘッドとして使用される被加工物を加工する場合の例について説明すると、接着用ワックスの付着方法として、市販の接着用ワックスを加熱し軟化させて被加工物固定用治具の固定面に直接塗布し、被加工物固定用治具の固定面上の接着用ワックス塗布面に被加工物を接着させ、それらを冷却して固定させる方法がある。また、市販の固体接着用ワックスを加熱し軟化させてシート状に加工し、シート状の接着用ワックスを被加工物固定用治具の固定面に載せ、再度加熱軟化させてから被加工物を接着させ、冷却することにより固定させる方法もある。
【0003】
一方、ハードディスクの磁気ヘッドとして加工された前記部材は、ハードディスク内では磁気ディスクから10nm程度の距離を保ちつつ、浮上した構造となっている。従って、切断刃等により切断される磁気ヘッドの前記部材の形状及び寸法については、安定して浮上できるように非常に厳しい公差が決められている。このため、接着用ワックスを均一かつ薄膜状に被加工物固定用治具の固定面に付着させ、被加工物の高さのばらつきを極力抑えるように、被加工物を被加工物固定用治具の固定面に固定することが、磁気ヘッドの前記部材の形状寸法を公差の範囲内に維持する上で重要視されている。
【0004】
しかし、従来の塗布方法では、軟化した接着用ワックスを均一かつ薄膜状に調節して塗布することが難しく、さらに被加工物を被加工物固定用治具の固定面により強固に接着し固定するために、軟化したときの粘性が高い接着用ワックスを使用するようになり、塗布の調節が更に困難となっている。そして、高強度・高粘性の接着用ワックスはその軟化点の温度も高くなり、高温下で被加工物を接着し、冷却して固定することになる。このように軟化点の温度と固定点の温度との差が大きくなると、接着用ワックスに応力が生じ、こうした状態で被加工物を加工すると、被加工物に無理な応力が作用するおそれがある。
【0005】
また、一般に磁気ヘッドの部材製造の切断工程で使用される被加工物固定用治具には、加工中に切断刃を被加工物の下側に抜けさせるための切断刃の通路用溝が形成されており、この通路用溝は一つ一つの磁気ヘッドの部材の切断のピッチに対応している。従来の接着用ワックス塗布方法では、この通路用溝の中に接着用ワックスが入り込んでしまうのが通例であり、その場合は、切断工程において被加工物を切断すると同時に通路用溝の中に溜まった接着用ワックスを切断刃により除去する結果になっていた。切断刃が接着用ワックスに接触すると、接着用ワックスが切断刃の表面にこびりつき、切断刃による切断加工中の研削抵抗が上昇し、円滑な切断加工が妨げられ、切削面の面精度を低下させるので好ましくなかった。特に、#2000以上の細粒仕様の砥石製の切断刃を使用する場合は、切断刃に接着用ワックスがこびりつくことの悪影響が大きい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の技術的課題は、被加工物固定用治具の固定面に接着用ワックスを均一かつ薄膜状に付着させることにより、該固定面に接着した被加工物の高さのばらつきを抑制するとともに、被加工物固定用治具に被加工物を接着用ワックスで接着、固定する際の温度差によって被加工物に作用する無理な応力を抑制することにより、被加工物を高精度で加工することを可能とした被加工物の固定方法を提供することにある。
また、本発明の他の技術的課題は、被加工物固定用治具が回転切断刃の通路用溝を有する場合に、該通路用溝の内部に付着した接着用ワックスに切断刃が接触せず、該切断刃表面への接着用ワックスのこびり付きや加工中の研削抵抗の上昇を抑制することが可能な被加工物の固定方向を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る被加工物の固定方法は、次の工程(a)〜(c)からなることを特徴とするものである。
(a) 有機溶剤を溶媒として接着用ワックスを溶解したワックス溶液を、被加工物固定用治具の固定面に付着させる工程。
(b) 付着した前記ワックス溶液が液体状態にあるときに、被加工物固定用治具の固定面上のワックス溶液付着面に被加工物の固定面を接着する工程。
(c) 前記接着用ワックスの軟化点以下の温度で溶媒を蒸発させ、残留する接着用ワックスにより被加工物を被加工物固定用治具に固定する工程。
【0008】
本発明に係る被加工物の固定方法においては、工程(a)におけるワックス溶液の固定面に対する付着を、スプレーによる噴霧によって行うことができ、あるいは塗布具による塗布、又は固定用治具をワックス溶液内に浸漬することによって行うことができる。
また、本発明においては、被加工物固定用治具が、その固定面に固定した被加工物を切断するための回転切断刃の通路用溝を有するものとすることができ、その場合に、該通路用溝が、その内部に付着した接着用ワックスに上記切断刃が接触しない状態で被加工物を切断できる幅及び深さを有している構成とするのが有効である。
【0009】
さらに、溶媒と接着用ワックスの混合体積比は、3:1〜100:1の範囲内に設定することができ、この範囲内であれば有機溶剤を媒体として接着用ワックスを溶解したワックス溶液は、前記混合体積比が変化してもその粘度はほとんど変化しない。なお、最も好ましい前記配合割合は4:1〜20:1程度である。また、上記工程(c)において、溶媒の揮発によって残留するところの、被加工物の接着固定に供する接着用ワックスの残留厚さを50μm以下とするのが有効である。
さらに、本発明で使用する接着用ワックスを、炭水化水素系溶剤、塩素系溶剤、ケトン系溶剤、あるいはエステル系溶剤の溶媒に対して溶解性のある熱可塑性のエステル系樹脂からなるものとし、且つ混合体積比を3:1〜100:1に設定すれば、その粘度が溶媒とほとんど変わらないので、ワックス溶液を固定用治具に付着させた場合、ワックス溶液の流れ性がよく、厚く堆積することなくワックス溶液を均一に付着させることができる。
【発明の効果】
【0010】
以上に詳述した本発明の被加工物の固定方法によれば、被加工物固定用治具の固定面に、接着用ワックスを溶媒によりそれに近い液体状態としたワックス溶液として均一かつ薄膜状に付着させることにより、該固定面に接着した被加工物の高さのばらつきを抑制するとともに、被加工物固定用治具に被加工物を接着用ワックスで接着、固定する際の温度差によって被加工物に作用する無理な応力を抑制することにより、被加工物を高精度で加工することが可能となる。
また、被加工物固定用治具が回転切断刃の通路用溝を有するものとすることができるが、その場合に、溝形状の選択により、該通路用溝の内部に付着した接着用ワックスに切断刃が接触せず、該切断刃表面への接着用ワックスのこびり付きや加工中の研削抵抗の上昇を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明するに、図1は、本発明に係る被加工物の固定方法を用いて、被加工物固定用治具の固定面に被加工物を接着固定した態様の一例を示している。
この例における被加工物固定用治具1は、その上面の固定面2に固定した長い被加工物4を、多数の回転切断刃をスペーサを介して一定間隔で回転軸に取り付けたマルチ切断刃(図示省略)によって切断するためのもので、該固定面2には、被加工物の切断時に回転切断刃が挿入される多数の通路用溝3が設けられている。
【0012】
一方、上記固定用治具1の固定面2上に被加工物4の接着のために付着させるワックス溶液は、炭水化水素系溶剤、塩素系溶剤、ケトン系溶剤、あるいはエステル系溶剤等からなる有機溶剤を溶媒として、該溶媒に接着用ワックスを溶解することにより作製したもので、該接着用ワックスとしては、例えば、上記溶媒に対して溶解性のある熱可塑性のエステル系樹脂とするのが好ましい。
【0013】
上記ワックス溶液は、溶媒と接着用ワックスの混合体積比を3:1〜100:1の範囲内に設定するのが適切であり、最も好ましい混合体積比は4:1〜20:1程度である。溶媒と接着用ワックスの混合体積比が上記の範囲内であれば、前記混合体積比が変化してもワックス溶液の粘度はほとんど変化しない。
なお、この混合体積比が3:1以上では、ワックス溶液の粘度が過度に高くなり、すなわち固定用治具の固定面上に残留する接着用ワックスの量(厚み)が多く(厚く)なり、被加工物を固定及び加工するときに被加工物に無理な応力を与えてしまいかねない。一方、100:1以下では、ワックス溶液の粘度が過度に低くなり、すなわち残留する接着用ワックスの量が少なく(薄く)なりすぎて、かえって固定用治具全体に均一な膜厚を形成することが難しくなるばかりでなく、被加工物を固定できるだけの接着力を確保することができない。
【0014】
上記ワックス溶液を固定用治具1の固定面2に対して付着させる手段としては、スプレーによる噴霧によって行うのが有効であるが、刷子等の塗布具による塗布、又は固定用治具1を直接ワックス溶液内に浸漬することによって行うこともできる。
而して、上記いずれのワックス溶液の付着手段を使用しても、上記固定用治具1の固定面2上ばかりでなく、該固定面2上に設けた通路用溝3の内部等にもワックス溶液が付着するが、該通路用溝3の内面に付着する接着用ワックス5の量が無視できる場合、あるいは、それが後述するマルチ切断刃の切断刃間のピッチ公差の範囲内である場合等には、固定用治具1における切断刃の通路用溝3の形状に、その接着用ワックスの付着を考慮する必要はない。
【0015】
しかしながら、上記通路用溝3にある程度の接着用ワックスが付着する場合には、該通路用溝3は、その内部に付着した接着用ワックス5に上記切断刃が接触しない状態で被加工物4を切断できる溝幅w及び溝深さHを有するものとして形成される。
このとき、溶媒の揮発によって残留するところの、被加工物の接着固定に供する接着用ワックス5の残留厚さは、約50μm以下となるように設定するのが有効であり、それにより、通路用溝上の被切断物の被固定部分を格別大きくすることなく、通路用溝3の内部に付着した接着用ワックス5に切断刃が接触せず、該切断刃表面への接着用ワックス5のこびり付きや加工中の研削抵抗の上昇を抑制することができる。
【0016】
なお、上記固定用治具1は、通常、多数の回転切断刃をスペーサを介して一定間隔で回転軸に取り付けたマルチ切断刃による被切断物の切断に際して、該被切断物の固定に供するものであり、そのため、マルチ切断刃における切断刃間のある程度のピッチ公差等を考慮してその溝幅w等が設計されるものである。その場合に、被切断物の固定剛性という観点からすれば、溝幅wは極力切断刃の刃厚に近い方が有利であり、逆に、被切断物の上記溝幅上に位置する非固定部分が多いと、被切断物の切断精度やチッピングについて悪影響を及ぼす可能性がある。そのため、上記溝幅wは極力狭くしたいが、上記公差を考慮して一般的には切断刃の刃厚よりも100〜150μmほど広く設計される。
【0017】
上記構成の被加工物固定用治具1とワックス溶液を用いて、本発明に係る被加工物の固定方法により被加工物固定用治具1の固定面2上に被加工物4を接着し、回転切断刃で切断する場合には、先ず、(a)有機溶剤を溶媒として接着用ワックスを溶解したワックス溶液を、スプレーによる噴霧等の手段により被加工物固定用治具1の固定面2に付着させる。次いで、(b)該固定面2上に付着したワックス溶液が液体状態にあるときに、固定用治具1の固定面2上のワックス溶液付着面に被加工物4の固定面(図1では裏面側)を接着する。そして、(c)固定用治具1を加熱し、上記接着用ワックスの軟化点以下の温度でワックス溶液中の溶媒を蒸発させ、残留する接着用ワックス5により被加工物4を固定用治具1に強固に結合させ固定する。
【0018】
このとき、溶媒と接着用ワックスの混合体積比を3:1〜100:1の範囲内に設定すれば、溶媒とほとんど変わらない粘度での取り扱いが可能となり、ワックス溶液を固定用治具1の固定面2に付着させた際の流れ性が良好なので、結果的に接着用ワックス5が厚く堆積することなく、均一かつ薄膜状で高平坦度で付着させることができ、延いては、該固定面2に接着した被加工物4の高さのばらつきを抑制するとともに、上記固定用治具1に被加工物4を接着用ワックス5で接着、固定する際の温度差によって被加工物4に作用する無理な応力を抑制することにより、被加工物4を高精度で加工することが可能となる。
【0019】
しかる後に、固定用治具1に被加工物4が完全に固定された状態で、回転切断刃により固定面2上の被加工物4を切断するが、該固定面2上に設けた通路用溝3が、その内部に付着した接着用ワックス5に上記切断刃が接触しない状態で被加工物4を切断できる幅w及び深さHを有し、しかも、溶媒の揮発によって残留するところの、被加工物4の接着固定に供する接着用ワックス5の残留厚さが50μm以下に設定されているので、固定面2上に設けた通路用溝3の内部に付着した接着用ワックス5に切断刃が接触せず、該切断刃表面への接着用ワックス5のこびり付きや加工中の研削抵抗の上昇を抑制することができる。
以上の工程により切断された被加工物4は、固定用治具1から外されてその固定面に付着した接着用ワックスが除去され、且つ洗浄される。
【0020】
なお、上述した例では被加工物4を切断刃で切断する場合について記載したが、本発明に係る被加工物の固定方法は、半導体基板を研磨装置で研磨する場合にも適用することができ、その場合、被加工物を通路用溝を設けていない平面状の固定面を有する固定用治具に固定し、上記研磨装置で研磨することになる。
【実施例】
【0021】
日化精工製のエステル系の接着用ワックス(商標名:フタリックグルーST)と溶媒のアセトンを、体積比で1対5となるように計測し、上記ワックスをアセトンに完全に溶解させ、ワックス溶液として、スプレーを用いて、図1に示す形状のアルミナ製の固定用治具1の固定面2上に噴霧した。上記固定用治具は、接着代の長さLが5mm、接着代の幅Wが0.9mm、切断刃の通路用溝幅wが0.3mm、切断刃の通路用溝深さHが0.8mmのものである。噴霧後の固定用治具1の固定面2上に付着した溶液ワックスは、アセトンに溶解した状態であるので、液体状態であり流動性がある。
【0022】
ワックス溶液が液体状態であるときに、被加工物4として、アルミナチタンカーバイト製で厚み0.3mm、幅1.2mm、長さ75mmのものの固定面を固定用治具1の固定面2上のワックス溶液付着面に接着させた。そして、被加工物4が接着された固定用治具1を、上記ワックスの軟化点以下の温度である40℃のホットプレート上に放置して、アセトンを蒸発させた。アセトンを十分に蒸発させた後に、被加工物4が接着された固定用治具1を、冷却して残留する上記ワックスにより被加工物4を固定用治具1に固定させた。次に、固定された被加工物4の平坦度を、東京精密製のサーフコムという測定器を用いて測定した。
【0023】
上記、固定用治具1に固定された被加工物4を、#2000のダイヤモンドで集中度が50となるように設計されたブロンズ系ボンドからなるφ100×0.1t×50Hのサイズの砥石の切断刃を用い、回転数10000rpm、送り速度70mm/min、被加工物4への切り込み量0.7mmの加工条件で切断した。そして、切断したときの垂線方向への研削抵抗を測定した。上記平坦度と研削抵抗の測定結果を表1,2に示す。
【0024】
〈比較例1〉
120℃のホットプレート上に放置した、前記実施例の場合と同じアルミナ製の被加工物固定用治具の上面に、実施例において用いた上記接着用ワックスを溶媒で薄めることなく直接塗布した。このとき、固定用治具の切断刃の通路用溝中へ接着用ワックスができるだけ入り込まないように注意した。上面に接着用ワックスが塗布された固定用治具に、実施例の場合と同じアルミナチタンカーバイト製の被加工物を接着した。固定された被加工物の平坦度を、東京精密製の測定器(サーフコム)を用いて測定した。
【0025】
そして、固定用治具に固定された被加工物を、実施例の場合と同じ切断刃を用い、同じ加工条件で切断した。そして、切断したときの垂線方向への研削抵抗を測定した。平坦度測定の結果と研削抵抗測定の結果を表1,2に示す。
【0026】
【表1】


【表2】


【0027】
表1の平坦度に関しては、付着された接着用ワックスの平坦度の違いが顕著に確認された。
表2においては、本発明実施例の場合には切断刃の通路用溝内に接着用ワックスがあってもそれが薄いために研削抵抗に影響がないか僅少であり、これに対して比較例の場合には接着用ワックスの切断刃表面への付着による研削抵抗の上昇が確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施に用いる治具の一例(スケールは無視)を示す要部斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
1 被加工物固定用治具
2 固定面
3 切断刃の通路用溝
4 被加工物
5 接着用ワックス
【出願人】 【識別番号】591107403
【氏名又は名称】株式会社リード
【出願日】 平成18年7月11日(2006.7.11)
【代理人】 【識別番号】100072453
【弁理士】
【氏名又は名称】林 宏

【識別番号】100119404
【弁理士】
【氏名又は名称】林 直生樹

【識別番号】100100804
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 宏太郎

【識別番号】100141438
【弁理士】
【氏名又は名称】吉迫 大祐


【公開番号】 特開2008−18483(P2008−18483A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−190885(P2006−190885)