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【発明の名称】 加工機テーブル用表示装置
【発明者】 【氏名】森下 茂生

【要約】 【課題】ワークを載置するための加工機のテーブル上における当該ワークの適切な固定位置の特定を容易に行わせることができる加工機テーブル用表示装置を提供する。

【構成】加工機1にて加工が施されるワークWを載置するためのテーブル5上に、当該ワークWの加工形状又は当該加工形状に基づいたワークWの固定位置(例えば、ワークWをテーブル5上で固定する固定治具の位置など)を投影して表示し得るプロジェクタ6を具備した加工機テーブル用表示装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工機にて加工が施されるワークを載置するためのテーブル上に、当該ワークの加工形状又は当該加工形状に基づいたワークの固定位置を投影して表示し得るプロジェクタを具備したことを特徴とする加工機テーブル用表示装置。
【請求項2】
前記プロジェクタにて投影される前記ワークの固定位置は、ワークを前記テーブル上で固定する固定治具の位置であることを特徴とする請求項1記載の加工機テーブル用表示装置。
【請求項3】
前記テーブル上のワークを吸着して固定し得る吸着区域を任意特定し得るとともに、前記プロジェクタにて投影される前記ワークの固定位置は、当該吸着区域の位置であることを特徴とする請求項1記載の加工機テーブル用表示装置。
【請求項4】
前記ワークの加工形状又はワークの固定位置を予め設定する設定手段を具備するとともに、該設定手段による設定を前記プロジェクタにて投影して表示させることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の加工機テーブル用表示装置。
【請求項5】
前記テーブルに対するプロジェクタによる表示の相対位置又は縮尺を補正し得る補正手段を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の加工機テーブル用表示装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを加工するための加工機のテーブル上における当該ワークの適切な固定位置の特定を容易に行わせることができる加工機テーブル用表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、切削加工機等には、ワークを固定しつつ載置するためのテーブルが配設されており、当該テーブルと加工機のヘッドとを相対的に移動させつつテーブル上のワークに対して所定の加工を施し得るよう構成されている。然るに、テーブル上に載置したワークを所定位置にて固定すべく、吸引力をワーク裏面側に付与させて当該ワークの所定部位を吸着し得る固定治具が普及するに至っている。
【0003】
例えば、上部に吸引パットを有した固定治具にあっては、テーブル上の任意位置に当該固定治具を複数配設し、加工すべきワークを各固定治具の吸引パット上に載置させた後、吸引力を付与させて吸着することにより、ワークの位置決め固定を可能としたものが提案されている。尚、かかる先行技術は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術においては、以下の如き問題があった。
即ち、テーブル上に載置されたワークは、加工機にて所定の加工が施されるため、加工時における加工機(バイトやルータ等)との干渉等を回避すべくワークの加工形状に基づいた位置にて固定治具を配設する必要があるが、例えば加工形状が複雑である場合には、適切なワークの固定位置を特定するのが困難であった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ワークを載置するための加工機のテーブル上における当該ワークの適切な固定位置の特定を容易に行わせることができる加工機テーブル用表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、加工機にて加工が施されるワークを載置するためのテーブル上に、当該ワークの加工形状又は当該加工形状に基づいたワークの固定位置を投影して表示し得るプロジェクタを具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の加工機テーブル用表示装置において、前記プロジェクタにて投影される前記ワークの固定位置は、ワークを前記テーブル上で固定する固定治具の位置であることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の加工機テーブル用表示装置において、前記テーブル上のワークを吸着して固定し得る吸着区域を任意特定し得るとともに、前記プロジェクタにて投影される前記ワークの固定位置は、当該吸着区域の位置であることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の加工機テーブル用表示装置において、前記ワークの加工形状又はワークの固定位置を予め設定する設定手段を具備するとともに、該設定手段による設定を前記プロジェクタにて投影して表示させることを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の加工機テーブル用表示装置において、前記テーブルに対するプロジェクタによる表示の相対位置又は縮尺を補正し得る補正手段を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、加工機にて加工が施されるワークを載置するためのテーブル上に、当該ワークの加工形状又は当該加工形状に基づいたワークの固定位置を投影して表示し得るプロジェクタを具備したので、適切なワークの固定位置の特定を容易に行わせることができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、プロジェクタにて投影されるワークの固定位置は、ワークをテーブル上で固定する固定治具の位置であるので、適切な固定治具の配設位置の特定を容易に行わせることができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、テーブル上のワークを吸着して固定し得る吸着区域を任意特定し得るとともに、プロジェクタにて投影されるワークの固定位置は、当該吸着区域特定手段の位置であるので、適切な吸着区域の特定を容易に行わせることができる。
【0014】
請求項4の発明によれば、ワークの加工形状又はワークの固定位置を予め設定する設定手段を具備するとともに、該設定手段による設定をプロジェクタにて投影して表示させるので、より適切なワークの固定位置の特定を行うことができる。
【0015】
請求項5の発明によれば、テーブルに対するプロジェクタによる表示の相対位置又は縮尺を補正し得る補正手段を具備したので、より精度よく適切なワークの固定位置の特定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る加工機テーブル用表示装置は、ワークを加工するための加工機のテーブル上における当該ワークの適切な固定位置の特定を容易に行わせ得るもので、図1に示すように、プロジェクタ6と、パソコン9とから主に構成されるとともに、当該プロジェクタ6から投影した表示を切削加工機1におけるテーブル5上に行わせるよう構成されたものである。
【0017】
切削加工機1は、床面に固定されたテーブル5と、該テーブル5に対して幅方向及び垂直方向に移動し得るとともに刃具3(バイトやドリル等)が接続された加工ヘッド2と、該加工ヘッド2が配設されるとともにテーブル5の長手方向に移動可能な門型のコラム1aとを有しており、制御盤4からの制御信号により、加工形状に応じて加工ヘッド2及びコラム1aを移動させ、ワークWに対して所定の加工を施し得るよう構成されている。尚、本発明が適用される加工機は、かかる切削加工機1に限定されず、ワークWを載置して種々加工を施すものとすることができる。
【0018】
パソコン9は、設定手段としてのパソコン本体9と、該パソコン本体9で設定された内容を表示するための一対のディスプレイ8とから構成されている。パソコン本体9は、ワークWの加工形状(即ち、製品形状)又はワークWの固定位置を予め設定するためのものであり、図2及び図3に示すように、制御盤4や別個の記憶媒体等からCADデータなど製品の加工データを読み込み、該加工データに基づいてディスプレイ8の画面8aに加工形状に沿った輪郭線Waを表示させる。
【0019】
画面8aには、種々の固定治具が表示Kにて表示されており、所望の固定治具を選択してマウス等にて輪郭線Wa内にドラッグすることにより、固定治具の配設位置を任意設定する(図3参照)。このとき、加工データから把握されるバイト等の軌跡を考慮して当該バイト等との干渉を回避するとともに、加工時に確実に固定し得る適切な固定治具の配設位置を設定することができる。尚、画面8a上の設定は、パソコン本体9にて認識される。
【0020】
上記の如くパソコン本体9にて設定された設定データは、所定の形式に変換された後、デュアルモニタボードDに送られるとともに、一対のRGB分配器10及びRGBケーブルCを介してプロジェクタ6に送られる。そして、送られたデータに基づいた表示(ディスプレイ8の画面8aで設定されたと同様の表示)がプロジェクタ6により投影され、図4に示すように、テーブル5上に表示される。
【0021】
ここで、プロジェクタ6は、テーブル5の上方に一対(2つ)配設されており、それぞれの投影領域A、Bを合わせて一つの表示(加工形状の輪郭L1及び固定治具の配設位置L2)がなされるよう構成されている。これにより、作業者が固定治具の配設位置L2に順次所定の固定治具を配設することができ、適切なワークWの固定位置(固定治具の配設位置L2)の特定を容易に行わせることができる。
【0022】
また、プロジェクタ6により投影された表示には、補正手段としてのマークH(例えば十字状の目印)が含まれているとともに、テーブル5上にも同様なマーク5a(図5参照)が予め印字されている。そして、投影されたマークHと予め印字されたマーク5aとの向き及び大きさが合致するように、プロジェクタ6の投影調整(投影方向やピント調整等)を行えば、テーブル5に対するプロジェクタ6による表示の相対位置又は縮尺等を補正し得るようになっている。
【0023】
テーブル5上に配設される固定治具は、例えば図6に示すように、上面に形成された吸引パット11aと、該吸引パット11aの略中央に形成された吸引孔11bと、該吸引孔11bに連通するとともに図示しない負圧発生手段に接続された吸引ホース11cとを具備したものとされ、任意位置に独立して配設されるものである。かかる固定治具11を配設位置L2にそれぞれ配設した後、当該固定治具11上にワークWを載置させつつ負圧発生手段を駆動させれば、吸引孔11bにて空気が吸引されて吸引パット11a内が負圧となる。これにより、ワークWをテーブル5上で吸着固定することができる。
【0024】
また、吸引孔11bに弁を配設しておき、ワークWが吸引パット11a上に載置されたときに当該弁が開いて吸着可能とした固定治具を用いてもよく、或いは固定治具の底面側にも吸引孔を設け、テーブル上に固定治具を吸着固定させ得るものを適用してもよい。尚、吸着による固定に加え、図7に示すように、本体部12bに対して上下動可能な挟持板12aを具備し、当該本体部12bと挟持板12aとでワークWを挟持させてることによりテーブル5上で固定するものとしてもよい。
【0025】
更に、ワークWを吸引固定可能な固定治具をテーブル5の長手方向及び幅方向に摺動自在に構成し、プロジェクタ6により投影表示された固定治具の配設位置L2に合わせて当該固定治具を個々に摺動させて配設するよう構成してもよい。また更に、図8に示すように、溝aにて区画された複数の吸引区域Rのそれぞれに負圧発生手段(不図示)と連結された吸引孔bを形成しておき、プロジェクタ6により投影表示された固定治具の配設位置L2に対応した吸引区域Rの周囲の溝bにゴム材等のシール材を嵌入させ、ワークEを吸着させて固定し得る吸着区域Rを特定するようにしてもよい。但し、シール材にて区画された吸引区画R以外においては、吸引孔bが閉塞され吸引作用がなされないようになっている。これにより、適切な吸着区域Rの特定を容易に行わせることができる。
【0026】
上記本実施形態によれば、ワークの加工形状L1及びワークの固定位置L2を予め設定するパソコン本体7(設定手段)を具備するとともに、該パソコン本体7による設定をプロジェクタ6にて投影して表示させるので、より適切なワークの固定位置(固定治具の配設位置、吸引区域)の特定を行うことができる。然るに、図9に示すように、プロジェクタ6により、ワークの加工形状L1(マークHも含む)のみ投影してテーブル5上に表示するよう構成してもよく、この場合、表示された加工形状L1に対応させて作業者が固定位置の特定を行うこととなる。
【0027】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばプロジェクタを単一としてワークの加工形状L1及びワークの固定位置L2を投影し、テーブル5上に表示するよう構成してもよい。この場合、単一のディスプレイで足り、デュアルモニターボードD及びRGB分配器10を不要とすることができるとともに、複数の投影領域の位置合わせを行う必要がないことから、更に簡易にワークの固定位置(固定治具の配設位置、吸引区域)の特定を行うことができる。
【0028】
また、テーブル5上に投影された表示に対して所定の指示(テーブル5に対して所定の器具を操作して指し示す等)を与えることにより、当該指示をプロジェクタ6側で認識し、表示に反映させるよう構成してもよく、その場合、プロジェクタ6による投影のピント合わせや位置合わせ等を簡易に行わせることができる。更に、プロジェクタ6は、テーブル5上に配設される必要がなく、例えばテーブル5の上方に鏡面を有する反射体を配設しておき、側方から投影された表示を鏡面にて反射させ、テーブル5上に表示させるよう構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
加工機にて加工が施されるワークを載置するためのテーブル上に、当該ワークの加工形状又は当該加工形状に基づいたワークの固定位置を投影して表示し得るプロジェクタを具備した加工機テーブル用表示装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態に係る加工機テーブル用表示装置、及びそれが適用される加工機を示す全体模式図
【図2】本発明の実施形態に係る加工機テーブル用表示装置におけるディスプレイにて加工形状を表示させた画面を示す模式図
【図3】同ディスプレイにて加工形状に対するワークの固定位置を設定した状態を表示させた画面を示す模式図
【図4】本加工機テーブル用表示装置におけるプロジェクタにて加工形状及びワークの固定位置が投影され、テーブル上に表示された状態を示す模式図
【図5】同加工機用テーブル装置におけるテーブル上に予め表示されたマークを示す模式図
【図6】同加工機用テーブル表示装置に適用される固定治具を示す斜視図
【図7】同加工機用テーブル表示装置に適用される固定治具を示す正面図
【図8】同加工機用テーブル表示装置に適用される吸着区域が形成されたテーブルの一部を示す拡大模式図
【図9】本発明の他の実施形態に係る加工機テーブル用表示装置におけるプロジェクタにて加工形状(固定位置は非表示)が投影され、テーブル上に表示された状態を示す模式図
【符号の説明】
【0031】
1 加工機
2 加工ヘッド
3 刃具
4 制御盤
5 テーブル
6 プロジェクタ
7 パソコン本体
8 ディスプレイ
9 パソコン
10 RGB分配器
11、12 固定治具
L1 加工形状
L2 ワークの固定位置
D デュアルモニタボード
C RGBケーブル
W ワーク
H マーク(補正手段)
【出願人】 【識別番号】593162213
【氏名又は名称】庄田鉄工株式会社
【出願日】 平成18年7月10日(2006.7.10)
【代理人】 【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫


【公開番号】 特開2008−18473(P2008−18473A)
【公開日】 平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願番号】 特願2006−189674(P2006−189674)