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【発明の名称】 加工装置
【発明者】 【氏名】鈴木 孝治

【氏名】中村 英規

【氏名】金田 拓也

【要約】 【課題】測定誤差が小さく、かつコストの低い加工装置を提供する。

【構成】測長ユニット29aと測長ユニット29bから発射されたレーザの延長線と、加工ユニット39の加工位置が1点で交わるように測長ユニット29a、29bおよび加工ユニット39を設置する。また、測長ユニット29aと測長ユニット29bから分波したレーザを加工ユニット39およびワーク保持台35に入射し、加工ユニット39側に入射したレーザを基準にして加工ユニット39とワーク保持台35の相対位置を測定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステージと、
前記ステージ上を移動するワーク保持台と、
前記ワーク保持台上の被加工材を加工する加工ユニットと、
前記ワーク保持台に対して測長波を発する測長ユニットと、
を有する装置であって、
前記測長ユニットから照射された前記測長波の延長線が、前記加工ユニットの加工点と交わるように前記測長ユニット、または前記加工ユニットを設置することを特徴とする加工装置。
【請求項2】
前記測長ユニットは複数台存することを特徴とする請求項1記載の加工装置。
【請求項3】
前記加工ユニットはレーザ描画ユニット、または切削加工ユニットであることを特徴とする請求項1記載の加工装置。
【請求項4】
前記レーザ描画ユニットはレーザ照射用最終段レンズを有し、前記レーザ描画ユニット本体、もしくは前記最終段レンズに前記測長ユニットから発せられる測長波を反射する反射部を設けることを特徴とする請求項3記載の加工装置。
【請求項5】
ステージと、
前記ステージ上を移動するワーク保持台と、
前記ワーク保持台上の被加工材を加工する加工ユニットと、
前記ワーク保持台に対して測長波を発する測長ユニットと、
を有する装置であって、
前記測長ユニットは、測長波を分波させ、分波させた測長波を前記加工ユニットに照射させることを特徴とする加工装置。
【請求項6】
前記測長ユニットは複数台存することを特徴とする請求項5記載の加工装置。
【請求項7】
前記加工ユニットはレーザ描画ユニット、または切削加工ユニットであることを特徴とする請求項5記載の加工装置。
【請求項8】
前記レーザ描画ユニットはレーザ照射用最終段レンズを有し、前記レーザ描画ユニット本体、もしくは前記最終段レンズに前記測長ユニットから発せられる測長波を反射する反射部を設けることを特徴とする請求項5記載の加工装置。
【請求項9】
前記測長ユニットは、測長波を分波させ、分波させた一方を前記加工ユニットに照射させ、他方を前記ワーク保持台に照射し、おのおのの反射光の位相差を測定し、前記加工ユニットと前記ワーク保持台との相対的な距離を測長することを特徴とする請求項5から請求項8のいずれかに記載の加工装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
機械加工分野においては、古くからフライス盤等に見られるように、被加工材をセットするステージ部の2次元座標をダイヤルゲージ等で位置決めを行い、加工を行う装置がある。
【0003】
しかしながら、近年においては、エレクトロニクス及びマイクロマシン等の分野において、より高い寸法精度を要求される部品が増大している。
例えば、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタは、ガラス基板に転写シートを載置し、レーザ光を照射してガラス基板上にブラックマトリクス等のパターンを形成して作製される場合があり、このような製品の位置決めはダイヤルゲージ等では十分な寸法精度を得ることができない。
【0004】
そのため、より高い寸法精度が得られるように、レーザ、赤外線、紫外線等をステージ部等に入射して反射させ、入射波と反射波との干渉を利用して座標を測定し、位置決めを行う測長ユニットが用いられている(特許文献1)。
【特許文献1】特願2003-394790号公報
【0005】
図4は従来用いられている、レーザ干渉測長ユニットを利用した加工装置1の構成を示す図である。
ステージ3には被加工材をセットするワーク保持台5が設けられ、ワーク保持台5の上方には加工ユニット7が設けられている。ワーク保持台5は、ステージ3上を移動し、加工ユニット7は固定されている。
ワーク保持台5には反射部9が、加工ユニット7には反射部11がそれぞれ設けられている。
【0006】
レーザを発信する発信機13及び分光器13aが反射部9に対向するように設けられており、発信機13及び分光器13aは測長ユニット13bに収められている
同様に、レーザを発信する発信機15及び分光器15aが反射部11に対向するように設けられており、発信機15及び分光器15aは測長ユニット15bに収められている。
【0007】
発信機13及び発信機15は演算装置17に接続されており、演算装置17は制御装置19に接続されている。
ワーク保持台5は、制御装置19の指令に応じて、図示しないアクチュエータ等を用いて移動される。
【0008】
位置決めを行う場合、制御装置19は演算装置17を通して発信機13及び発信機15にレーザを発信するよう指令を出す。
発信機13から発信されたレーザは分光器13aを通過してワーク保持台5に設けられた反射部9に反射して発信機13に戻ってくる。測長ユニット13bはこの際の入射波と反射波の干渉からワーク保持台5の座標を算出する。
同様に発信機15から発信されたレーザは分光器15aを通過して加工ユニット7に設けられた反射部11に反射して発信機15に戻ってくる。
測長ユニット15bはこの際の入射波と反射波の干渉から加工ユニット7の座標を算出する。
【0009】
演算装置17はワーク保持台5の座標と加工ユニット7の座標の相対位置を算出する。
制御装置19は演算装置17の演算結果に基づいてワーク保持台5を移動する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、このような装置を用いる場合、加工位置と位置測定場所が一致しないことがあり、このことによる測定誤差が生じる場合がある。
また、1軸の位置決めに2セットの発信機が必要になり、2次元座標を用いるXYステージの場合は4セットの発信機が必要になるため、コストがかかるという問題がある。
更に、ワーク保持台と加工ユニットとの相対位置を演算により算出する必要があるため、高速な演算が可能な演算装置が必要であり、コストがかかるという問題がある。
【0011】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は測定誤差が小さく、かつ低コストである測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するために、本発明は、ステージと、前記ステージ上を移動するワーク保持台と、前記ワーク保持台上の被加工材を加工する加工ユニットと、前記ワーク保持台に対して測長波を発する測長ユニットと、を有する装置であって、前記測長ユニットから照射された前記測長波の延長線が、前記加工ユニットの加工点と交わるように前記測長ユニット、または前記加工ユニットを設置することを特徴とする加工装置である。
前記測長ユニットは複数台存する。前記加工ユニットは例えばレーザ描画ユニット、または切削加工ユニットである。
また、前記レーザ描画ユニットはレーザ照射用最終段レンズを有し、前記レーザ描画ユニット本体、もしくは前記最終段レンズに前記測長ユニットから発せられる測長波を反射する反射部を設けてもよい。
【0013】
第2の発明は、ステージと、前記ステージ上を移動するワーク保持台と、前記ワーク保持台上の被加工材を加工する加工ユニットと、前記ワーク保持台に対して測長波を発する測長ユニットと、を有する装置であって、前記測長ユニットは、測長波を分波させ、分波させた測長波を前記加工ユニットに照射させることを特徴とする加工装置である。
前記測長ユニットは複数台存してもよい。
前記加工ユニットはレーザ描画ユニット、または切削加工ユニットである。前記レーザ描画ユニットはレーザ照射用最終段レンズを有し、前記レーザ描画ユニット本体、もしくは前記最終段レンズに前記測長ユニットから発せられる測長波を反射する反射部を設けてもよい。
また、前記測長ユニットは、測長波を分波させ、分波させた一方を前記加工ユニットに照射させ、他方を前記ワーク保持台に照射し、おのおのの反射光の位相差を測定し、前記加工ユニットと前記ワーク保持台との相対的な距離を測長してもよい。
【0014】
第1の発明では、測長ユニットから照射された測長波の延長線が、加工ユニットの加工点と交わるように設置されている。
また、第2の発明では測長ユニットは、測長波を分波させ、分波させた測長波をそれぞれワーク保持台および加工ユニットに照射させ、2つの測長波の干渉からワーク保持台と加工ユニットの相対位置を算出している。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、測長ユニットから照射された測長波の延長線が、加工ユニットの加工点と交わるように設置されるため、加工位置と位置測定ポイントが一致し、測定誤差を小さくすることができる。
また、測長波を分波させ、分波させた測長波をそれぞれ前記ワーク保持台および前記加工ユニットに照射させているため、従来技術と比べて発信機の数が半分になり、高速な演算が可能な演算装置も不要となるため、コストを低下させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明に好適な実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る加工装置21を示す図である。
【0017】
ステージ23の下面には、ステージ23を支える脚25a、脚25b、脚25c、脚25d等が複数本取り付けられており、脚25a、脚25b、脚25c、脚25d等とステージ23の間には、地面の振動がステージ23に伝わらないようにするための除振台27a、27b、27c等が設けられている。
ステージ23側面の直交する2辺には測長波を発する測長ユニット29a、29bが1台ずつ設けられている。
【0018】
ステージ23の上面にはレール31a、31bがステージ23の一辺に平行(X方向)に設けられており、レール31a、31bをまたぐようにしてプレート33が設けられている。プレート33は図1のX方向に移動可能である。
プレート33上には図示しないレールが設けられ、レールには被加工材をセットするワーク保持台35が設けられている。ワーク保持台35は図示しないレール上をY方向に移動可能となっている。従って、ワーク保持台35はステージ23上をX方向、Y方向に移動可能である。
ワーク保持台35には測長波を反射する反射部37aが測長ユニット29aに対向するように設けられ、反射部37bが測長ユニット29bと対向するように設けられている。
【0019】
ワーク保持台35上方には図示しないチャンバ等に固定された加工ユニット39が設けられており、加工ユニット39のワーク保持台35側先端にはレーザを発信するためのレンズ41が設けられている。
レンズ41には測長波を反射する参照反射部43aが測長ユニット29aに対向するように設けられ、参照反射部43bが測長ユニット29bと対向するように設けられている。
【0020】
図2は加工装置21におけるレーザと加工位置との関係を示した図である。なお、レール31a、31b、プレート33、ワーク保持台35等の表記を省略してある。
【0021】
測長ユニット29aから発信されたレーザ45の延長線は測長ユニット29bから発信されたレーザ47の延長線と交点49で垂直に交差している。
また、レンズ41から発信されるレーザの延長線51も、交点49を通過し、レーザ45、レーザ49及びレンズ41から発せられるレーザが一点で交われるよう、測長ユニット29a、29bおよび加工ユニット39が設置される。
【0022】
図3は加工装置21の構成を示す図である。
なお、図3では測長ユニット29b、反射部37b、参照反射部43bの表記を省力してあるが、これらの構成および測長の手順も同様である。
【0023】
制御装置53には測長ユニット29aが接続されており、測長ユニット29aは発信機55、分光器57、反射部59からなっている。また、ワーク保持台35は制御装置53の指令により、移動される。
発信機55は測長波を発信し、反射された測長波を受信する装置である。分光器57は測長波を複数に分波する。反射部59は測長波を反射する。
【0024】
測長を行う場合、まず制御装置53が発信機55に対してレーザを発信する指令を出す。発信機55から発信されたレーザは分光器57で2つに分光される。
分光された一方のレーザは矢印61に示すように、分光器57で角度を90度変えられ、反射部59で再び角度を90度戻されて、加工ユニット39に設けられた参照反射部43aに反射し、入射時と同様のルートをたどって発信機55に戻ってくる。
もう一方のレーザは、矢印63に示すようにワーク保持台35に設けられた反射部37aに反射し、入射時と同様のルートをたどって発信機55に戻ってくる。
【0025】
この際、参照反射部43aに入射したレーザを基準とし、参照反射部43aに入射したレーザと反射部37aに入射したレーザとの干渉から、測長ユニット29aは加工ユニット39とワーク保持台35の相対位置を算出する。
【0026】
次に、本実施形態の動作について説明する。
ワーク保持台35上には例えば転写シートが貼られたガラス基板が搭載される。
ワーク保持台35は、制御装置53の指令により、X、Y方向に移動する。この際、測長ユニット29a、29bにより、その位置が算定され、制御装置53は図示しないアクチュエータ等を用いてワーク保持台35を移動させる。
そして、ワーク保持台35上の転写シートに対してレンズ41からレーザ光が照射され、ガラス基板上に転写が行われる。
【0027】
このように、本実施の形態によれば、測長ユニット29aから発信されたレーザ45の延長線と、測長ユニット29bから発信されたレーザ47の延長線と、レンズ41から発信されるレーザの延長線51とが1点で交差するように、測長ユニット29a、29bおよび加工ユニット39が設置されているので、測定位置と加工位置の差がなくなり、測定誤差を小さくすることができる。
【0028】
また、測長ユニット29aおよび測長ユニット29bは、測長波を分波させ、分波させた測長波をそれぞれワーク保持台35および加工ユニット39に照射させているため、発信機の数が測長ユニット1台につき1台で済み、コストを低下させることができる。
【0029】
以上、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明したが、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0030】
例えば、本実施形態では加工ユニット側に入射したレーザを基準にして相対位置を算出しているが、ワーク保持台側に入射したレーザを基準にして、相対位置を算出してもよい。
また、本実施形態では、測長波にレーザを用いているが、赤外線、紫外線などを用いてもよい
【0031】
さらに、加工ユニットは、レーザ描画ユニットに限らず、切削加工ユニットや、その他のものに本発明を応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】加工装置21を示す図
【図2】加工装置21を示す図
【図3】加工装置21を示す図
【図4】加工装置1を示す図
【符号の説明】
【0033】
1…………加工装置
3…………ステージ
5…………ワーク保持台
7…………加工ユニット
9…………反射部
11………反射部
13b……測長ユニット
15b……測長ユニット
17………演算装置
19………制御装置
21………加工装置
23………ステージ
29a……測長ユニット
29b……測長ユニット
35………ワーク保持台
37a……反射部
37b……反射部
39………加工ユニット
43a……参照反射部
43b……参照反射部
53………制御装置
【出願人】 【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
【出願日】 平成18年7月10日(2006.7.10)
【代理人】 【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一


【公開番号】 特開2008−12648(P2008−12648A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−189261(P2006−189261)