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【発明の名称】 蛇腹
【発明者】 【氏名】永井 規夫

【氏名】山下 将史

【要約】 【課題】破損したり異音等が発生したりする等の現象がなく、駆動スピードに十分対応することができる新規な蛇腹を提供する。

【構成】山部2aと谷部2bとが交互に形成され伸縮自在とされてなる蛇腹本体2と、各山部2aから下方に垂下するよう固定された蛇腹支持板3・・・8と、上記蛇腹本体2を構成する各山部2a近傍にそれぞれ基端が固定された固定板部9a・・・14aと、蛇腹本体2の上部に位置する保護板部9b・・・14bとを有する複数の保護板9・・・14とを備えてなり、蛇腹支持板3に隣り合う蛇腹支持板4との間、及び蛇腹支持板8に隣り合う蛇腹支持板7との間には、該蛇腹本体2が伸張した際に少なくとも上記蛇腹支持板3,8と蛇腹支持板4,7とが接近する方向に各蛇腹支持板3,4,7,8を付勢する弾性体15・・・19がそれぞれ配置されてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
山部と谷部とが交互に形成され該山部及び谷部の長さ方向と直行する方向に伸縮自在とされてなる蛇腹本体と、
上記各山部から下方に垂下するよう固定された蛇腹支持板と、
上記蛇腹本体を構成する各山部近傍にそれぞれ基端が固定された固定板部と、この固定板部から折曲されてなり該蛇腹本体の上部に位置する保護板部とを有する複数の保護板と、を備えてなり、
上記蛇腹本体の一端の蛇腹支持板とこの蛇腹支持板に隣り合う蛇腹支持板との間、及び蛇腹本体の他端の蛇腹支持板とこの蛇腹支持板に隣り合う蛇腹支持板との間には、該蛇腹本体が伸張した際に少なくとも上記蛇腹支持板と蛇腹支持板とが接近する方向に各蛇腹支持板を付勢する弾性体がそれぞれ配置されてなることを特徴とする蛇腹。
【請求項2】
前記弾性体は、前記蛇腹本体の中途部に固定された蛇腹支持板とこの蛇腹支持板に隣り合う蛇腹支持板との間にも配置されてなることを特徴とする請求項1記載の蛇腹。
【請求項3】
前記弾性体は、前記蛇腹支持板と蛇腹支持板との間の全てに配置されてなることを特徴とする請求項1記載の蛇腹。
【請求項4】
前記弾性体は、山部と谷部とが交互に形成され、前記蛇腹支持板と蛇腹支持板との間で伸縮自在とされてなる小型蛇腹であることを特徴とする請求項1,2又は3記載の蛇腹。
【請求項5】
前記弾性体である小型蛇腹には、該小型蛇腹の伸張長さを規制する制限シートが設けられていることを特徴とする請求項4記載の蛇腹。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば工作機械又は三次元測定機などの機械や装置の案内面を覆い、内部の機械構造を切子や塵埃等から保護するために使用される蛇腹に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工作機械や三次元測定機には、直線的に駆動する加工ヘッドや測定部等が設けられ、こうした加工ヘッド等の移動範囲にはレール状又は軸状の案内面が形成され、この案内面に沿って上記加工ヘッドが駆動する構造とされている。しかし、加工の際に排出される切子や塵埃等が上記案内面に付着すると、上記加工ヘッド等の精度に支障を来たし、或いは故障の原因となる場合がある。そこで、従来、こうした加工ヘッド等案内面を塵埃等から保護するために、蛇腹が使用されている。この蛇腹は、例えば山部と谷部とが交互に形成されるようシートを折曲した蛇腹本体と、上記各山部近傍に上端が固定された蛇腹支持板とから概略構成されている。しかし、こうした蛇腹本体では、高温の切子が付着した場合には、溶融し穴が形成され、該穴から内部に切子や塵埃が侵入する危険性があることから、従来ではさらに、金属製の保護板を上記各山部に固定したものが使用されている。こうした保護板を構成要素とすることにより、高温の切子が付着した場合であっても、蛇腹本体に穴が開くことがない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述した蛇腹は、一端が工作機械本体等の固定側に固定され、他端は上記加工ヘッド等の駆動側に固定された状態で使用されるが、近年、こうした加工ヘッド等の駆動スピードは大幅に高速化し、こうした駆動スピードに対応して、上記蛇腹も高速に伸縮することが要求される。しかしながら、このように加工ヘッド等が高速で駆動した場合、蛇腹は必ずしも該蛇腹の全長が均等に伸縮するわけではない。例えば、蛇腹が縮小している状態から加工ヘッドが急速に駆動した場合、先ず最も加工ヘッドに近い部位が伸張される。この瞬間では、上記伸張された部位以外は、縮小した状態のままであり、その後伸張された部位に引っ張られることにより徐々にそれまで縮小されていた部位も伸張される。そして、この場合、特に上記保護板が構成要素とされている場合においては、中途部が加工ヘッド側に移動し、最終的には最も加工ヘッドから離れた部位(工作機械本体側に固定された部位)が慣性の法則により最も伸張される。逆に、蛇腹が伸張されている状態において、加工ヘッドが所定位置まで急速に駆動し停止すると、先ず加工ヘッドに近い部位殻加工ヘッドに押されながら徐々に蛇腹が縮小するとともに、縮小した部位は、加工ヘッドが停止しても、(特に上記保護板が構成要素とされている場合においては、)やはり慣性の法則により、該縮小した部位は加工ヘッドの移動方向へそのまま移動する。この結果、停止した加工ヘッドの最も近い部位が伸張される。
このように、加工ヘッドが急速に駆動されると、それぞれ固定された両端に最も近い部位が過剰に引っ張られ、且つそれが頻繁に繰り返されることにより当該部位に大きなストレスが発生し、その結果破損する場合が多い。ちなみに、蛇腹には、個々の隣会う山部と山部との離間長さを規制する制限テープが設けられているタイプのものも存在するが、こうしたタイプの蛇腹では、両端側の部位が切断される場合が多く、切断された場合には、支持板と蛇腹本体とが外れたり、保護板が固定された部位が破壊されたりする。また、上記慣性の法則により、加工ヘッドの急速な駆動(移動)により、個々の保護板が擦れ合ったり、制限テープの切断により衝突したりすることにより、雑音や異音が発生することもある。
【0004】
そこで、本発明は、上述した従来の蛇腹が有する課題を解決するために提案されたものであって、加工ヘッド等のような蛇腹の一端が固定された駆動側の部材が高速に移動する装置に取り付けられた場合であっても、破損したり異音等が発生したりする等の現象がなく、ひいては、上記加工ヘッド等の駆動スピードに十分対応することができる新規な蛇腹を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するため、本発明(請求項1記載の発明)は、山部と谷部とが交互に形成され該山部及び谷部の長さ方向と直行する方向に伸縮自在とされてなる蛇腹本体と、上記各山部から下方に垂下するよう固定された蛇腹支持板と、上記蛇腹本体を構成する各山部近傍にそれぞれ基端が固定された固定板部と、この固定板部から折曲されてなり該蛇腹本体の上部に位置する保護板部とを有する複数の保護板と、を備えてなり、上記蛇腹本体の一端の蛇腹支持板とこの蛇腹支持板に隣り合う蛇腹支持板との間、及び蛇腹本体の他端の蛇腹支持板とこの蛇腹支持板に隣り合う蛇腹支持板との間には、該蛇腹本体が伸張した際に少なくとも上記蛇腹支持板と蛇腹支持板とが接近する方向に各蛇腹支持板を付勢する弾性体がそれぞれ配置されてなることを特徴とするものである。
【0006】
上記第1の発明に係る蛇腹では、一端が加工ヘッド等に固定され、他端が工作機械本体等に固定された状態において、上記加工ヘッド等が急速に駆動し、蛇腹本体の一端が急速に引っ張られた場合であっても、弾性部材により該蛇腹本体の一端のみが大きく伸張されることがなく(蛇腹本体に対する伸張作用が一時的に偏在ることがなく)、該蛇腹本体の一端側から他端側に対して、従来の蛇腹に比べ該伸張する力が急速に伝播される。また、最も蛇腹本体が伸張された状態では、上記各弾性材も伸張しているとともに収縮する力が作用していることから、加工ヘッド等が工作機械本体側に駆動した場合には、蛇腹本体の縮小動作も早くなる。すなわち、この蛇腹によれば、上記各弾性部材の弾性力により、加工ヘッド等が高速で駆動した場合においても高速追従性に優れたものとなる。
【0007】
なお、上記弾性部材は、蛇腹本体が少なくとも該蛇腹本体が伸張した際に縮小する方向に付勢するものであれば良く、請求項4記載の弾性部材ばかりではなく、金属製又は樹脂製の板体(板バネ)を使用することもできる。また、この弾性体は、このように、蛇腹本体が伸張された際に縮小する方向に付勢するものばかりではなく、同時に蛇腹本体が縮小した際に伸張する方向に付勢するものであっても良い。このように弾性部材が、伸張及び縮小の両方に弾性機能を備えている場合には、さらに高速追従性を向上させることができる。
【0008】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、上記第1の発明において、前記弾性体は、前記蛇腹本体の中途部に固定された蛇腹支持板とこの蛇腹支持板に隣り合う蛇腹支持板との間にも配置されてなることを特徴とするものである。
【0009】
なお、この蛇腹本体の中途部とは、例えば、蛇腹本体の中央に形成された蛇腹支持板とこの蛇腹支持板に隣り合う蛇腹支持板との間、或いはこの中央を境に左側に固定された蛇腹支持板とこの蛇腹支持板の左側に固定された蛇腹支持板との間、及び中央の右側に固定された蛇腹支持板とこの蛇腹支持板の右側に固定された蛇腹支持板との間、さらには、蛇腹本体の一端側から他端側にかけて一つ置き又は複数置きに間隔を隔てて配置することを言う。このように蛇腹本体の中途部に固定された蛇腹支持板とこの蛇腹支持板に隣り合う蛇腹支持板との間に弾性部材を配置した場合には、上述したように、駆動部側が急速に移動することによる蛇腹本体に受ける伸張作用が一時的に偏在することをさらに防止することができ、より高速追従性を向上することができる。
【0010】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、上記第1の発明において、前記弾性体は、前記蛇腹支持板と蛇腹支持板との間の全てに配置されてなることを特徴とするものである。
【0011】
このように、弾性部材が全ての蛇腹支持板と蛇腹支持板との間に配置された場合には、急速な駆動側の駆動に伴う伸張作用又は収縮作用が一時的に偏在することをより一層防止することができる。すなわち、一端が工作機械本体等に固定され、他端は加工ヘッド等に固定されている状態において、蛇腹本体が伸張されている状態から急激に該加工ヘッドが工作機械本体側に駆動したり、加工ヘッドが工作機械本体側から離間するよう急激に駆動したりした場合、この発明によれば、ほぼ蛇腹本体の一部が一時的に偏って伸張されたり縮小されたりすることが抑制され、該蛇腹本体全体がほぼ均等に伸縮することとなる。したがって、この第3の発明に係る蛇腹によれば、さらに一層高速追従性を高めることができる。
【0012】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、上記第1,第2又は第3の何れかの発明において、前記弾性体は、山部と谷部とが交互に形成され、前記蛇腹支持板と蛇腹支持板との間で伸縮自在とされてなる小型蛇腹であることを特徴とするものである。
【0013】
弾性体を、上記小型蛇腹とすることにより、蛇腹本体を構成する谷部と、蛇腹支持板と蛇腹支持板との間に配置される弾性体とが互いに干渉することがなく、納まりが良い。
【0014】
また、第5の発明(請求項5記載の発明)は、上記第4の発明において、前記弾性体である小型蛇腹には、該小型蛇腹の伸張長さを規制する制限シートが設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0015】
上記第1の発明(請求項1記載の発明)に係る蛇腹によれば、加工ヘッド等のような蛇腹の一端が固定された駆動側の部材が高速に移動する装置に取り付けられた場合であっても、蛇腹本体が破損したり、異音等が発生したりする等の現象がなく、ひいては、上記加工ヘッド等の駆動スピードに十分対応した高速追従性に優れた蛇腹とすることができる。
【0016】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)では、弾性体は、前記蛇腹本体の中途部に固定された蛇腹支持板とこの蛇腹支持板に隣り合う蛇腹支持板との間にも配置されてなることから、さらに高速追従性に優れた蛇腹とすることができる。
【0017】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)では、前記弾性体は、前記蛇腹支持板と蛇腹支持板との間の全てに配置されてなることから、加工ヘッド等の駆動側の部材が高速で移動した場合には、蛇腹本体全体がほぼ均等に収縮し、高速追従性に優れたものとすることができるばかりではなく、部分的な破損や騒音,異音の発生を防止することができる。
【0018】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)では、弾性体は、山部と谷部とが交互に形成され、前記蛇腹支持板と蛇腹支持板との間で伸縮自在とされてなる小型蛇腹であることから、蛇腹本体を構成する谷部と、蛇腹支持板と蛇腹支持板との間に配置される弾性体とが互いに干渉することがなく、従来の蛇腹への納まりが良く、大きな設計変更を要しない。
【0019】
また、第5の発明(請求項5記載の発明)では、弾性体である小型蛇腹には、該小型蛇腹の伸張長さを規制する制限シートが設けられていることから、許容量以上に小型蛇腹が伸張されることを有効に防止することができる。特に、この小型蛇腹が全ての蛇腹支持板と蛇腹支持板との間に配置された場合には、蛇腹本体全体の伸張長さを規制する機能を果たすこととなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態に係る蛇腹1を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この実施の形態に係る蛇腹1は、図示しない加工ヘッドを備えた工作機械に固定されるものである。
【0021】
この蛇腹1は、図1に示すように、蛇腹本体2と、この蛇腹本体2に固定された第1ないし第6の蛇腹支持板3・・・8と、上記蛇腹本体2を間に介して上記第1ないし第6の蛇腹支持板3・・・8の上端に固定されてなる第1ないし第6の保護板9・・・14と、上記第1ないし第6の蛇腹支持板3・・・8間に配置された第1ないし第5の(弾性体としての)小型蛇腹15・・・19とを備えている。
【0022】
上記蛇腹本体2は、単一の樹脂製シート又は複数の難燃性の樹脂製シートを貼付してなる複層シートからなるものであり、図1及びズ2に示すように、このシートを山部2aと谷部2bとが交互に形成されるように折曲してなるものである。また、上記第1ないし第6の蛇腹支持板3・・・8は、上記蛇腹本体2に形成された各山部2a(の裏面)に上端が当接した状態で固定されてなるものであり、樹脂によりそれぞれ略長方形状に成形されてなるものである。なお、図1及び図2中、最も左側に固定された第1の蛇腹支持板3は、図示しない工作機械本体に固定される一方のエンドプレートであり、最も右側に規定された第6の蛇腹支持板8は、図示しない加工ヘッドに固定される他方のエンドプレートである。
【0023】
また、上記第1ないし第6の保護板9・・・14は、鉄又はステンレススチールを素材とするものであり、それぞれ同一形状に成形されている。すなわち、これらの保護板9・・・14は、上記各蛇腹支持板3・・・8の(上端側一側面図2中左側面)に、間に上記蛇腹本体2を挟んだ状態で固定されてなる長方形状の固定板部9a・・・14aと、この固定板部9a・・・14aの上端から93度から97度程度に折曲されてなる保護板部9b・・・14bとから構成されている。なお、これら各保護板部9b・・・14bの幅は、後述するように蛇腹本体2が最も伸張された幅よりも短い幅に成形されている。また、上記各保護板部9b・・・14bには、基端側中途部に、上記固定板部9a・・・14aとの間の角度が約90度となるよう折曲された一方の折曲部(符号は省略する。)が形成され、また、先端側中途部において、上記固定板部9a・・・14aとの間の角度がやや鋭角となるよう折曲された他方の折曲部(符号は省略する。)が形成されている。したがって、この実施の形態に係る蛇腹1が後述するように、伸縮動作する場合には、上記他方の折曲部を介して折曲された先端は、(上記第1の保護板部9を除いて)図1中必ず左側に配置された保護板部9・・・13の上面を摺接する。
【0024】
そして、上述したように、この実施の形態に係る蛇腹1では、上記第1の蛇腹支持板(一方のエンドプレート)3と第2の蛇腹支持板4との間には、第1の小型蛇腹15が配置され、第2の蛇腹支持板4と第3の蛇腹支持板5との間には、第2の小型蛇腹16が配置され、第3の蛇腹支持板5と第4の支持蛇腹支持板6との間には、第3の小型蛇腹17が配置され、第4の蛇腹支持板6と第5の蛇腹支持板7との間には、第4の小型蛇腹18が配置され、第5の蛇腹支持板7と第6の蛇腹支持板(他方のエンドプレート)8との間には、第5の小型蛇腹19が配置されている。これら第1ないし第5の小型蛇腹15・・・19は、本発明を構成する弾性体であり、図4に示す第1の小型蛇腹15のように、単一の樹脂製シートを山部と谷部とが交互に形成されるよう折曲されてなるものである。特に、この実施の形態に係る(第1の)小型蛇腹15では、下端が第1の谷部15aとなるよう折曲された一方の固定シート部15bが一側に形成され、他側には、第3の谷部15cとなるよう折曲された他方の固定シート部15dを備え、全部で2つの山部15e,15fと、3つの谷部15a,15g,15cとが形成されている。そして、上記第1の小型蛇腹15は、図2に示すように、上記一方の固定シート部15bが固定板20を介して上記第1の蛇腹支持板(一方のエンドプレート)3に固定され、上記他方の固定シート部15dが固定板21を介して上記第2の蛇腹支持板4に固定されている。すなわち、上記第1ないし第5の小型蛇腹15・・・19は、ぞれぞれの各蛇腹支持板(符号は省略する。)に対して上記固定板20,21により固定されている。そして、この実施の形態に係る蛇腹1では、各小型蛇腹15・・・19をこのように構成することにより、該第1ないし第5の小型蛇腹15・・・19に形成された2つの山部と山部(何れも符号は省略する。)との間に、蛇腹本体2に形成された谷部2bが位置するようにしている。またさらに、これら各小型蛇腹15(・・・19)では、上記2つの山部15e,15fの頂部より僅かに下方位置において素材である樹脂製シートが密着するよう該山部15e,15fに沿って図示しない糸により縫合されている。
【0025】
そしてさらに、この実施の形態に係る蛇腹1では、上記第1の小型蛇腹15には第1の制限テープ24が、第2の小型蛇腹16には第2の制限テープ25が、第3の小型蛇腹17には第3の制限テープ26が、第4の小型蛇腹18には第4の制限テープ27が、第5の小型蛇腹19に第5の制限テープ28が、それぞれ固定されている。これら第1ないし第5の制限テープ24・・・28は、単一の樹脂製シートから構成され、図2に示すように、上記各第1ないし第5の小型蛇腹15・・・19と同じようにそれぞれ固定板20,21により各蛇腹支持板(符号は省略する。)に固定されている。なお、これら第1ないし第5の制限テープ24・・・28は、上記弾性体である各小型蛇腹15・・・19が、所定の長さ(上記第1ないし第6の保護板9・・・14を構成する保護板部9b・・・14bの長さ)以上に伸長されることを規制・制限するものであり、同時に蛇腹本体2の最大伸張長さを規制・制限するものである。また、これら各第1ないし第5の制限テープ24(・・・28)は、図2に示すように、各小型蛇腹15(・・・19)の各谷部15a,15g,15cの下端よりも僅か上方位置において該小型蛇腹15(・・・19)の素材である樹脂製シートが密着するよう該谷部15a,15g,15cに沿って図示しない糸により縫合されている。なお、上記各小型蛇腹15・・・19の下側に配置された各制限テープ24・・・28の中途部は、特に折曲されず、図2に示すように小型蛇腹の各山部の下方に納まっている。
【0026】
このように、上記第1ないし第5の小型蛇腹15・・・19は、各山部(符号は省略する。)及び谷部の各近傍において、該小型蛇腹15・・・19の素材である樹脂製シートが密着するように縫合されていることから、該小型蛇腹15・・・19を伸張する力が、該小型蛇腹15・・・19に作用した場合には、元の状態に戻る弾性力(収縮する力)が作用するとともに、縮小する力が作用した場合には、上記折曲されていない制限テープ24・・・28が折曲されることにより元の状態に復帰する弾性力(伸張する方法の力)が作用する。
【0027】
したがって、上述した実施の形態に係る蛇腹1によれば、図示しない加工ヘッドが高速で駆動した場合であっても、一時的に伸張又は縮小する力が偏ることがなく、全体として伸縮することとなり、高速追従性が向上される。例えば、図3に示すように、蛇腹1が最も縮小されている状態においては、個々の蛇腹支持板3・・・8間は、伸張する方向に力が作用している。したがって、図示しない加工ヘッドが高速で駆動すると、第6の蛇腹支持板(他のエンドプレート)8が移動させられるが、上記伸張する力により第5の小型蛇腹19のみ或いは該位置の蛇腹本体2のみが伸張されることはなく、他の部分も同じように伸張される。一方、蛇腹1が伸張されている状態においては、第1ないし第5の小型蛇腹15・・・19は、全て均等に縮小する方向の力が作用している。したがって、この状態において、図示しない駆動ヘッドが高速で工作機械本体側に駆動した場合には、第5の小型蛇腹19又はこれに対応した蛇腹本体2の一部のみが縮小させられることはなく、全体が均等に縮小する。そしてさらに、このように急速に駆動した加工ヘッドが、その駆動範囲の中途部において停止した場合、従来の蛇腹では、各保護板の荷重も作用して、加工ヘッドに押された部分が、該加工ヘッドが停止してもそのまま慣性の法則により、加工装置本体側に移動し、この結果、上記第5の蛇腹支持板7と第6の蛇腹支持板8との間の部位のみが偏って伸張させられるが、この実施の形態に係る蛇腹1では、上記第1ないし第6の蛇腹支持板3・・・8の間の全てに小型蛇腹(符号は省略する。)が配置されており、各小型蛇腹は、伸張方向及び収縮方向の何れにも弾性力が作用することから、こうした場合においても蛇腹本体2が部分的に伸張されることがない。
【0028】
このように、本実施の形態に係る蛇腹1では、図示しない加工ヘッドが高速で駆動した場合において、部分的に偏って伸張する力が作用することを有効に防止でき、高速追従性を確保したものとされていることから、制限テープが切断したり、保護板の固定位置が破壊されたり、さらには異音や騒音が発生したりすることを有効に防止することができる。
【0029】
なお、上記実施の形態に係る蛇腹1では、蛇腹支持板と蛇腹支持板との間の全てに弾性体である小型蛇腹を配置したが、本発明は、少なくとも両端に弾性体が配置されていれば良い。すなわち、図5に示す蛇腹30のように、第1の蛇腹支持板3と第2の蛇腹支持板4との間に第1の弾性体である小型蛇腹31を配置し、第5の蛇腹支持板7と第6の蛇腹支持板8との間に第2の弾性体である小型蛇腹32を配置したものであっても良い。なお、これら第1及び第2の小型蛇腹31,32に固定された各制限テープ33,37の取付構造は、前述した実施の形態に係る蛇腹1と同じであることから説明を省略するが、この蛇腹30では、上記第2の蛇腹支持板4と第3の蛇腹支持板5との間、上記第3の蛇腹支持板5と第4の蛇腹支持板6との間、上記第4の蛇腹支持板6と第5の蛇腹支持板7との間には、それぞれ制限テープ34,35,36が固定されている。
【0030】
このように構成された蛇腹30による場合であっても、図示しない加工ヘッドが高速で移動することにより、第1の蛇腹支持板3と第2の蛇腹支持板4との間や、第5の蛇腹支持板7と第6の蛇腹支持板8との間の(蛇腹本体2の)部位のみが偏って伸張されることによる破損等を十分緩和することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施の形態に係る蛇腹の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す蛇腹を示す側面図である。
【図3】図2に示す蛇腹が最も縮小した状態を示す側面図である。
【図4】図1に示す蛇腹の一端側の構成を分解して示す分解斜視図である。
【図5】蛇腹の他の実施の形態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0032】
1 蛇腹
2 蛇腹本体
2a 山部
2b 谷部
3・・・8 第1ないし第6の蛇腹支持板
9・・・14 第1ないし第6の保護板
9a・・・14a 固定板部
9b・・・14b 保護板部
15・・・19 第1ないし第5の小型蛇腹(弾性体)
24・・・28 第1ないし第5の制限テープ
30 蛇腹
31 第1の小型蛇腹(弾性体)
32 第2の小型蛇腹(弾性体)
34・・・37 制限テープ

【出願人】 【識別番号】593208751
【氏名又は名称】株式会社ナベル
【出願日】 平成18年7月7日(2006.7.7)
【代理人】 【識別番号】100094156
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 民安


【公開番号】 特開2008−12639(P2008−12639A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−188324(P2006−188324)