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【発明の名称】 加工機の板材送り装置
【発明者】 【氏名】島村 哲也

【要約】 【課題】板材の幅の変動に左右されることなく、該板材を基準ガイドに略一定の圧力で接触させて移送できる加工機の板材送り装置を提供する。

【構成】板材35の面に接触して該板材35を一方向に送る送りローラー12を設け、該送りローラー12の軸心部に該送りローラー12を回転させる駆動軸13を設けるとともに、該駆動軸13を回転自在に支持する軸受14を設け、該軸受14を前記板材35の面に対して直交する支点ピン17を介してフレーム2に回動可能に設け、前記駆動軸13を前記支点ピン17を中心として一方向に回動付勢する弾性体25を設けるとともに、該弾性体25による駆動軸13の回動方向は、前記送りローラー12が板材35を一方向に送る際に該板材35に前記基準ガイド7方向の分力を付与する方向とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブル(6)に載置された方形の板材(35)の一側に対面する基準ガイド(7)を設け、前記板材(35)の面に接触して該板材(35)を一方向に送る送りローラー(12)を設け、該送りローラー(12)の軸心部に該送りローラー(12)を回転させる駆動軸(13)を設けるとともに、該駆動軸(13)を回転自在に支持する軸受(14)を設け、該軸受(14)を前記板材(35)の面に対して直交する支点ピン(17)を介してフレーム(2)に回動可能に設け、前記駆動軸(13)を前記支点ピン(17)を中心として一方向に回動付勢する弾性体(25)を設けるとともに、該弾性体(25)による駆動軸(13)の回動方向は、前記送りローラー(12)が板材(35)を一方向に送る際に該板材(35)に前記基準ガイド(7)方向の分力を付与する方向としたことを特徴とする加工機の板材送り装置。
【請求項2】
テーブル(6)に載置された方形の板材(35)の一側に対面する基準ガイド(7)を設け、前記板材(35)の上下面に接触して該板材(35)を一方向に送る上下一対の送りローラー(12a,12b)を設け、各送りローラー(12a,12b)の軸心部に該送りローラー(12a,12b)を回転させる駆動軸(13a,13b)を設けるとともに、各駆動軸(13a,13b)を回転自在に支持する軸受(14a,14b)を設け、該軸受(14a,14b)を前記板材(35)の面に対して直交する支点ピン(17)を介してフレーム(2)に回動可能に設け、前記各駆動軸(13a,13b)を前記支点ピン(17)を中心として一方向に回動付勢する弾性体(25)を設けるとともに、該弾性体(25)による各駆動軸(13a,13b)の回動方向は、前記送りローラー(12a,12b)が板材(35)を一方向に送る際に該板材(35)に前記基準ガイド(7)方向の分力を付与する方向としたことを特徴とする加工機の板材送り装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板等の薄い板材に分割用の溝を形成したり、あるいは該板材を所定の大きさに切断したりする際に、該板材を加工部で移動させる加工機の板材送り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
方形の板材が載置されるベルトコンベヤの両側に互いに対向するガイドを設け、該ガイドを前記ベルトコンベヤに載置された板材の両側に接近させることにより、ベルトコンベヤによつて移送される板材が幅方向に移動するのを規制するようにしたものがあった。
【0003】
一般にプリント基板等の板材の幅は、加工誤差、あるいは変形等によって変動することになる。このような幅の変動した板材を前記従来の送り装置で送ろうとすると、規定値よりも広幅となった板材は前記ガイドに衝突して円滑な移送が行なわれなくなったり、また規定値よりも小幅となった板材はガイドとの間に隙間が発生して横方向に移動し、高精度の加工ができなくなったりすることになる。
【特許文献1】実公平3−14277号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、板材の幅の変動に左右されることなく、該板材を基準ガイドに略一定の圧力で接触させながら一方向に移送する加工機の板材送り装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記目的を達成するために以下の如く構成したものである。即ち、請求項1に係る発明は、テーブルに載置された方形の板材の一側に対面する基準ガイドを設け、前記板材の面に接触して該板材を一方向に送る送りローラーを設け、該送りローラーの軸心部に該送りローラーを回転させる駆動軸を設けるとともに、該駆動軸を回転自在に支持する軸受を設け、該軸受を前記板材の面に対して直交する支点ピンを介してフレームに回動可能に設け、前記駆動軸を前記支点ピンを中心として一方向に回動付勢する弾性体を設けるとともに、該弾性体による駆動軸の回動方向は、前記送りローラーが板材を一方向に送る際に該板材に前記基準ガイド方向の分力を付与する方向としたである。
請求項2に係る発明は、テーブルに載置された方形の板材の一側に対面する基準ガイドを設け、前記板材の上下面に接触して該板材を一方向に送る上下一対の送りローラーを設け、各送りローラーの軸心部に該送りローラーを回転させる駆動軸を設けるとともに、各駆動軸を回転自在に支持する軸受を設け、該軸受を前記板材の面に対して直交する支点ピンを介してフレームに回動可能に設け、前記各駆動軸を前記支点ピンを中心として一方向に回動付勢する弾性体を設けるとともに、該弾性体による各駆動軸の回動方向は、前記送りローラーが板材を一方向に送る際に該板材に前記基準ガイド方向の分力を付与する方向としたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に係る発明は、送りローラーの回転軸心が弾性体によって板材の送り方向に対して傾斜されているので、該送りローラーが回転されると、テーブル上の板材を一方向に向けて送るとともに、該板材をテーブルの一側に向けて移動(横方向に移動)させることになる。該テーブルの一側には基準ガイドがあるので、前記板材はこの基準ガイドに接触しつつ、前記一方向に向けて送られる。また、前記板材が基準ガイドに接触すると、前記送りローラーの板材横方向移動に対する抵抗が増大し、該送りローラーは弾性体の反力に抗して基準ガイドから離れる方向に回動され、該送りローラーによる板材の横方向移動分力が小さくなる。このため、テーブル上で送られる板材は、その幅の変動に左右されることなく、一方の側面が常に基準ガイドに規定された略一定の圧力で接触し、基準ガイドの接触による板材の変形が防止され、高精度の加工が行なえることになる。
請求項2に係る発明は、上下一対の送りローラーで板材の上下面を挟持して該板材を一方向に向けて送るとともに、基準ガイドに向けて移動(横移動)させるので、板材の送り及び基準ガイドへの当接が安定することになる。また、送りローラーによる板材の基準ガイドへの接触圧力が規定された圧力に保持され、基準ガイドの接触による板材の変形が防止され、高精度の加工が行なえることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明の実施例を図面に基いて説明する。図面において、図1は本発明の実施例を示す平面図、図2は図1のII-II断面図、図3は一部断面背面図である。
【0008】
図1〜図3において、1は加工機であり、プリント基板等の板材35の上下面に分割用の溝を形成する上下一対の回転カッター5、加工される板材35が載置されるローラーコンベア形のテーブル6、該テーブル6に載置された板材35を位置決めする基準ガイド7、テーブル6上の板材35を一方向に向けて送る送り装置10等を有する。なお、前記テーブル6に載置される板材35は、前工程で外形加工され、正方形又は長方形状となっている。
【0009】
前記回転カッター5は薄い円板体の外周に断面V形の歯を所定ピッチで固着し、該歯によって板材35の上下面に互いに対向する分割用のV溝36を形成するようになっている。前記基準ガイド7は板材35の送り方向(図1において左右方向)に延長されてフレーム2の前部に固定され、送り装置10によって送られる板材35の一側端に当接して該板材35の横方向の位置決めを行なうようになっている。
【0010】
前記送り装置10は、同構造のローラーユニット11−1,11−2を板材35の送り方向(図1において左右方向)に二組配置してなり、このうち右部のローラーユニット11−1を代表して説明する。該ローラーユニット11−1は、前記板材35の上下面に接触する上下一対の送りローラー12(12a,12b)を有する。前記各送りローラー12a,12bは摩擦力を高くしたゴムローラーとし、それぞれの軸心部に駆動軸13(13a,13b)を同軸に固定し、該駆動軸13a,13bにそれぞれ軸受14(14a,14b)を挿通する。
【0011】
前記各軸受14a,14bを、上下に配置するとともに板材35の送り方向と直交する水平方向に向けた軸受ケース15(15a,15b)内に収容し(図2)、各軸受ケース15a,15bを連結ロッド16により互いに連結する。該連結ロッド16は前記各軸受ケース15a,15bの両側(図3において左右)に挿通し、その下部を下部側の軸受ケース15bにねじ止め固定する。また、上部側の軸受ケース15aは前記連結ロッド16の上部に若干の上下動を可能にして連結する。
【0012】
前記下部側の軸受ケース15bの上部に、図3に示すように、支点ピン17を上方に起立させてねじ止め固定し、該支点ピン17をフレーム2側のブラケット3に取り付けた回動軸受19に回転自在に係止する。これにより、前述した上下の送りローラー12a,12bが、前記支点ピン17を中心として回動できるようにする。
【0013】
前記下部側の軸受ケース15bとブラケット3との間に弾性体25を介装し、該弾性体25の弾性力で前記軸受ケース15b、従って上下の送りローラー12a,12bを支点ピン17を中心として一方向、即ち、板材35の送り方向(図1において左方)に向けて回動付勢する。前記弾性体はコイルばねからなり、図3に示すように、そのコイル部を軸受ケース15bの下部に支点ピン17と同軸に垂下固定したばね保持ピン26に嵌合し、その一端をブラケット3の係止孔27に係止し、その他端を前記軸受ケース15bの下側部に固定したばね受けピン28に係止する。なお、前記送りローラー12a,12bの板材35の送り方向への回動角度α(図1)は本例では約2度としている。この回動角度αの設定は、ブラケット側にストッパーピン(図示省略)を取り付け、送りローラー12a,12bが所定角度(約2度)回動した際に、前記ストッパーピンが軸受ケース15に衝突し、それ以上の回動を阻止するようにしている。
【0014】
前述したローラーユニット11−1,11−2の各送りローラー12a,12bの回転は、各駆動軸13a,13bの後端にタイミングプーリ30を取り付け、図3に示すように、前記各上下のタイミングプーリ30にタイミングベルト31をS字状に懸回し、該タイミングベルト31をモーターにより矢印A方向に回動させ、これにより、上下の各送りローラー12a,12bが板材35の上下面を挟持して該板材35を図1において、矢印B(左方)に送るようにしている。
【0015】
前記実施例によれば、送りローラー12の回転軸心が弾性体25によって板材35の送り方向に対して基準ガイド7側に傾斜されているので、該送りローラー12がテーブル6上の板材35を図1において左方に送る際に、該板材35を前記基準ガイド7方向に移動(横移動)させる分力が発生することになる。このため、前記板材35は基準ガイド7に接触されて左方に送られることになる。また、前記板材35が基準ガイド7に接触してそれ以上の横移動が阻止されると、前記送りローラー12に基準ガイド7から離れる方向の反力が作用し、該送りローラー12は弾性体25の弾性力に抗して基準ガイド7から離れる方向に回動し、該送りローラー12が板材35を基準ガイド7方向に移動(横移動)させる分力は小さくなる。
【0016】
従って、前記テーブル6上で送られる板材35は、その幅の変動に左右されることなく、一方の側面が常に基準ガイド7に接触されて左方に送られるとともに、板材35の基準ガイド7に接触する圧力は弾性体35によって略一定に保持されることになる。このため、薄い板材であっても、前記接触による板材35の変形を防止しながら円滑に送ることができ、回転カッター5によるV溝36の加工が高精度に行なえることになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例を示す平面図である。
【図2】図1のII-II断面図である。
【図3】一部断面背面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 加工機
2 フレーム
3 ブラケット
5 回転カッター
6 テーブル
7 基準ガイド
10 送り装置
11−1,11−2 ローラーユニット
12(12a,12b) 送りローラー
13(13a,13b) 駆動軸
14(14a,14b) 軸受
15(15a,15b) 軸受ケース
16 連結ロッド
17 支点ピン
19 回動軸受
25 弾性体
26 ばね保持ピン
27 係止孔
28 ばね受けピン
30 タイミングプーリ
31 タイミングベルト
35 板材
36 V溝
【出願人】 【識別番号】391040995
【氏名又は名称】ショーダテクトロン株式会社
【出願日】 平成18年7月3日(2006.7.3)
【代理人】 【識別番号】100097700
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 恒則


【公開番号】 特開2008−12602(P2008−12602A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−183149(P2006−183149)