トップ :: B 処理操作 運輸 :: B23 工作機械;他に分類されない金属加工

【発明の名称】 総ころ軸受機構の組立装置
【発明者】 【氏名】松下 茂樹

【要約】 【課題】総ころ軸受機構の組立装置を単純かつコンパクトにしつつ、定数の円筒ころを効率よく整列させる。

【構成】総ころ軸受機構の組立装置を、水平な中心軸1及び円環状空間3により円筒ころwが水平軸回りに速やかに連れ回されるようにし、シャッター、ガイドを不要にすると共に、後続の円筒ころwが先の円筒ころwの直後に落下し、大きく離間することなく連れ回されるようにした。先頭の円筒ころwは、落下する後続の円筒ころwの手前でストッパ2aにより停止させられ、後続の円筒ころwも順次に連れ回りを停止させられる。シュート口4aは、中心軸1の中心線cの直上から軸回転方向にオフセットされており、中心軸1の回転開始時点で定数の約半数の円筒ころが円環状空間3に供給される。このため、定数の円筒ころは、効率よく円環状に整列させられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸とハウジングとで円環状空間を形成し、その円環状空間に供給された円筒ころを前記中心軸の回転で軸回りに連れ回すことにより定数の円筒ころを円環状に整列させるようにした総ころ軸受機構の組立装置において、
前記中心軸を水平軸とし、前記ハウジングに、前記中心軸の上方から前記円筒ころを軸方向に平行な向きで落下させるシュート口を開放させ、先に落下した円筒ころが前記シュート口の下方から軸回転方向に移動すると後続の円筒ころが前記中心軸に落下するようにし、連れ回される先頭の円筒ころを前記シュート口から落下する後続の円筒ころの手前で停止させるストッパを備えたことを特徴とする総ころ軸受機構の組立装置。
【請求項2】
前記シュート口から落下した円筒ころが前記中心軸の中心線直上から軸回転方向側に外れた位置に接触するようにし、前記中心軸が停止する状態で前記シュート口に先の円筒ころが停止するまで後続の円筒ころが供給されるようにした請求項1に記載の総ころ軸受機構の組立装置。
【請求項3】
外側の軌道面を有する外方部材の内方に前記中心軸を前進させてころ挿入空間を形成し、そのころ挿入空間に前記定数の円筒ころを一斉挿入するプッシャーを設け、一斉挿入された円筒ころの後退が前記プッシャーにより規制された状態で、前記中心軸を後退させると共に、内側の軌道面を有する内方部材を挿入するようにした請求項1又は2に記載の総ころ軸受機構の組立装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、ニードル軸受、ピニオンギヤ等の総ころ入れ軸受機構の組立に際し、定数の円筒ころを予め円環状に整列させた状態で内外の軌道面間に挿入するために利用される総ころ入れ軸受機構の組立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の総ころ軸受機構の組立装置として、中心軸とハウジングとで円環状空間を形成し、その円環状空間に供給された円筒ころを前記中心軸の回転で軸回りに連れ回すことにより定数の円筒ころを円環状に整列させ、その定数の円筒ころを前記円環状空間と軸方向に連通するころ挿入空間に対して一斉挿入するプッシャーを設けたものが利用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
中心軸は、縦軸になっている。円環状空間の下方にころ挿入空間が形成され、定数の円筒ころを整列させ終えるまでの間、円環状空間ところ挿入空間の間は、シャッターで閉塞されている。円筒ころは、概ね縦向きでシュート口から1つずつ漏斗状のガイドに落下させられ、円環状空間に導かれるようになっている。円環状空間の径方向隙間は、円筒ころの外径より僅かに大きくなっている。このため、円環状空間に落ち込んだ円筒ころは、殆ど傾かず、中心軸に連れ回される。順次に供給される後続の円筒ころは、円環状空間において既に連れ回されている円筒ころ間の間隙に落ち込み、やがて定数の円筒ころが円環状に整列させられる。
【0004】
【特許文献1】特開平5−329721号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前掲の特許文献1に開示されたように中心軸が縦軸の総ころ軸受機構の組立装置では、円筒ころを円環状空間に導入する漏斗状のガイドがあり、ハウジングが大きくなってしまう。また、各円筒ころは、定数に近づく程、円環状空間に入り難くなる問題がある。
また、上下に連通する円環状空間ところ挿入空間の間を開閉するシャッターが必要であり、装置が複雑な点で改良の余地がある。
【0006】
上述の事情に鑑み、この発明は、中心軸とハウジングとで円環状空間を形成し、その円環状空間に供給された円筒ころを前記中心軸の回転で軸回りに連れ回す総ころ軸受機構の組立装置において、装置を単純かつコンパクトにしつつ、定数の円筒ころを効率よく整列させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を達成するため、この発明は、中心軸とハウジングとで円環状空間を形成し、その円環状空間に供給された円筒ころを前記中心軸の回転で軸回りに連れ回すことにより定数の円筒ころを円環状に整列させるようにした総ころ軸受機構の組立装置において、前記中心軸を水平軸とし、前記ハウジングに、前記中心軸の上方から前記円筒ころを軸方向に平行な向きで落下させるシュート口を開放させ、先に落下した円筒ころが前記シュート口の下方から軸回転方向に移動すると後続の円筒ころが前記中心軸に落下するようにし、連れ回される先頭の円筒ころを前記シュート口から落下する後続の円筒ころの手前で停止させるストッパを備えたことを特徴とする構成を採用したものである。
【0008】
具体的には、中心軸を水平軸としたため、円環状空間も水平になり、円筒ころが水平軸回りに連れ回されるようになる。このため、円環状空間を閉じるシャッターが不要になる。
また、水平に向いた中心軸と円環状空間にすれば、前記ハウジングに、前記中心軸の上方から前記円筒ころを軸方向に平行な向きで落下させるシュート口を開放させることが可能になる。これにより、シュート口から落下した円筒ころは、概ね円筒ころの外径寸法を落下すると、その転動面が軸方向に平行な向きで前記中心軸の外周に接触し、速やかに中心軸で連れ回されるようになる。すなわち、ハウジングに漏斗状のガイドを設ける必要がない。
ここで、先に落下した円筒ころが前記シュート口の下方から軸回転方向に移動すると後続の円筒ころが中心軸に落下するため、後続の円筒ころが先の円筒ころの直後に落下し、大きく離間することなく連れ回される。
連れ回される先頭の円筒ころは、落下する後続の円筒ころの手前でストッパにより停止させられ、その場で自転する。後続の円筒ころも先の円筒ころとの接触で順次に連れ回りを停止させられ、その場で自転する。このため、定数の円筒ころは、効率よく円環状に整列させられる。
【0009】
上記構成においては、前記シュート口から落下した円筒ころが前記中心軸の中心線直上から軸回転方向側に外れた位置に接触するようにし、前記中心軸が停止する状態で前記シュート口に先の円筒ころが停止するまで後続の円筒ころが供給されるようにした構成を採用することが好ましい。
中心軸が停止する状態でシュート口から落下した円筒ころは、軸回転方向側に転がり落ちる。後続の円筒ころは、同様に転がって先の円筒ころに接触することになる。このため、前記中心軸が停止する状態で前記シュート口に先の円筒ころが停止するまで後続の円筒ころが供給されるように構成することができる。この構成の採用により、シュート口の下方から円環状空間の底を過ぎた範囲に亘って隣り合う円筒ころ同士が接触し、互いに周方向に押し合った状態で停止する。
ここで、円環状空間の径方向寸法が円筒ころの外径より僅かに大きいため、円筒ころは、円環状空間で僅かに傾くことができる。円筒ころは、傾き状態で中心軸側からの摩擦を受けて回転すると、中心軸の回りを螺旋様に回ろうとする。すなわち、連れ回される円筒ころは、軸方向に移動しようとする。この構成によれば、上述のように、隣り合う円筒ころ同士が接触し、互いに周方向に押し合った状態となり、その結果、各円筒ころの傾きが抑制される条件を予め作り出した状態で中心軸の回転を開始させることが可能になる。したがって、この構成によれば、整列中に円筒ころが円環状空間から抜け出ることを防止することができる。
また、この構成によれば、先頭の円筒ころが円環状空間の底を過ぎた位置に停止するため、その先走りが防止される。先走りした先頭の円筒ころは、傾いて螺旋様に回り易くなるため、その防止は円滑な整列に有利である。
また、この構成によれば、定数の円筒ころの一部が予め円環状空間に整列された状態で中心軸の回転が開始されるため、中心軸の回転時間が短縮される。その結果、省エネルギ化を図ることができる。
【0010】
また、上記構成においては、外側の軌道面を有する外方部材の内方に前記中心軸を前進させてころ挿入空間を形成し、そのころ挿入空間に前記定数の円筒ころを一斉挿入するプッシャーを設け、一斉挿入された円筒ころの後退が前記プッシャーにより規制された状態で、前記中心軸を後退させると共に、内側の軌道面を有する内方部材を挿入するようにした構成を採用することが好ましい。
外側の軌道面を有する外方部材の内方に前記中心軸を前進させてころ挿入空間を形成する構成により、円環状空間ところ挿入空間が軸方向に平行かつ水平に連通することになる。そのころ挿入空間には、プッシャーにより前記定数の円筒ころが一斉挿入される。
一斉挿入された円筒ころの後退が前記プッシャーにより規制された状態で、前記中心軸を後退させると共に、内側の軌道面を有する内方部材を挿入するため、一斉挿入された円筒ころが中心軸の後退に引き摺られてころ挿入空間から抜け落ちることを防止することができる。
【発明の効果】
【0011】
上述のように、この発明は、中心軸とハウジングとで円環状空間を形成し、その円環状空間に供給された円筒ころを前記中心軸の回転で軸回りに連れ回す総ころ軸受機構の組立装置において、上述の特徴的構成を採用することにより、円環状空間を閉じるシャッターや漏斗状のガイドが不要になり、装置を単純かつコンパクトにしつつ、定数の円筒ころが効率よく円環状に整列させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
この発明の第1実施形態に係る総ころ軸受機構の組立装置を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係る総ころ軸受機構の組立装置は、中心軸1とハウジング2とで円環状空間3を形成し、その円環状空間3に供給された円筒ころw、w、w・・・を中心軸1の回転で軸回りに連れ回すことにより定数の円筒ころを円環状に整列させるようにしたものである。
【0013】
この第1実施形態に係る円筒ころwは、ニードルからなる。この第1実施形態に係る総ころ軸受機構の組立装置は、総ころ入れのニードル軸受の組立用に構成されている。
【0014】
上記中心軸1は水平軸とされている。上記ハウジング2は、固定側に嵌合支持されたスリーブで構成されている。中心軸1の先端部外周が、円筒面となっており、ハウジング2の円筒状内壁と同心に挿通されている。これにより、円環状空間3が水平に形成される。
【0015】
上記中心軸1は、軸方向に進退可能に設けられている。中心軸1が後退位置にある状態で上記円環状空間3が形成されるようになっている。
【0016】
上記ハウジング2には、中心軸1の上方から1つの円筒ころwを軸方向に平行な向きで落下させるシュート口4aが開放させられている。シュート口4aは、重力シュート4の出口となっている。重力シュート4は、少なくとも定数の円筒ころwを各円筒ころwが軸方向に平行な向きに揃った状態で一列に収納可能なものが利用されている。なお、重力シュート4の供給口4bは、図示省略のフィーダに接続されている。
【0017】
先に落下した円筒ころwがシュート口4aの下方から軸回転方向に移動すると、重力シュート4に予め収納された後続の円筒ころwがシュート口4aから中心軸1に落下するようになっている。より詳細には、先に落下した円筒ころwが軸方向回転側に移動するに連れて後続の円筒ころwが徐々に落ち始め、先に落下した円筒ころwが完全にシュート口4aの下方から外れると略同時に後続の円筒ころwが中心軸1に接触するようになっている。
【0018】
なお、重力シュート4を用いたものに限定されず、先の円筒ころwがシュート口4aの下方から移動するまでに後続の円筒ころwがシュート口4aに準備される限り、適宜の供給装置をシュート口4aに接続することができる。
【0019】
この第1実施形態においては、上記のシュート口4aが中心軸1の中心線cの直上から軸回転方向側にオフセットされた位置にある。これにより、シュート口4aから落下した円筒ころwの転動面は、前記の中心線cの直上から軸回転方向側に水平距離lだけ外れた位置の外周上に接触するようになっている。このため、中心軸1が回転を停止している状態で落下した円筒ころwは、自然と軸回転方向側に転がり落ちる。
【0020】
上記円環状空間3の径方向寸法は、円筒ころwの外径寸法精度を見越してこれよりも僅かに大きく設けられている。このため、円筒ころwは、円環状空間3において中心軸1の回転により軸回りに円滑に連れ回される。
【0021】
上記ハウジング2は、連れ回される先頭の円筒ころwをシュート口4aから落下する後続の円筒ころwの手前で停止させるストッパ2aを備えている。
【0022】
ストッパ2aは、シュート口4aの直前で円環状空間3に入り込んで楔空間を形成している。
【0023】
先頭の円筒ころwは、ストッパ2aに受けられることでその連れ回りをシュート口4aの直前で停止させられ、その場で自転する。先頭の円筒ころwの連れ回りが停止させられると、後続の円筒ころwが先の円筒ころwに接触することで連れ回りを順次に停止させられる。このため、定数の円筒ころw、w、w・・・は、効率よく円環状に整列させられる。なお、ストッパ2aは、円環状空間3に定数の円筒ころw、w、w・・・を円環状に整列させることができる限り、その配置、構成等を任意に変更することができる。
【0024】
上記ハウジング2の軸方向前側に、外側の軌道面を有する外方部材5が搬送されるようになっている。この第1実施形態における外方部材5は、外輪からなり、中心軸1の中心線cと同心に、かつその内径がハウジング2の円筒状内壁と概ね隙間なく連続するように配置される。中心軸1が前進位置にある状態で、その先端部外周と外方部材5の内径とにより、円環状空間3と軸方向に平行かつ水平に連通するころ挿入空間が形成されるようになっている。
【0025】
上記中心軸1と独立に円環状空間3に対して軸方向に進退可能なプッシャー6が設けられている。円環状に整列させられた定数の円筒ころw、w、w・・・は、上記ころ挿入空間に一斉挿入されるようになっている。この第1実施形態では、プッシャー6が円筒状に設けられており、その内方に中心軸1が挿通されている。これにより、装置のコンパクト化が図られている。
【0026】
搬送された外方部材5の内方には、内側の軌道面を有する内方部材7が中心軸1と反対側から挿入されるようになっている。この第1実施形態における内方部材7は、内輪からなり、その内周に受け治具8の先端部が嵌合されるようになっている。受け治具8は、軸方向に進退可能になっている。受け治具8は、中心軸1の中心線cと同心に、かつ内方部材7の外径が中心軸1の先端部外周と概ね隙間なく連続する状態を保つように前進させられる。その結果、内方部材7が外方部材5の内方に同心に挿入され、両部材5、7の軌道面間に定数の円筒ころが挿入されるようになっている。
【0027】
次に、この第1実施形態の動作を述べる。
図1は、動作の一サイクルの初期段階を示している。この初期段階では、中心軸1が、回転を停止した状態で後退位置にあり、円環状空間3が形成される。このとき、プッシャー6は、シュート口4aよりも後方に退避させられており、シュート口4aが円環状空間3に開放される。このシュート口4aが開放したとき、重力シュート4に予め定数以上の円筒ころw、w、w・・・が収納されている。シュート口4aから落下した先頭の円筒ころwは、中心線cの直上から軸回転方向側に水平距離lだけ外れて中心軸1に接触するため、軸回転方向側に転がり落ち、後続の円筒ころwがシュート口4aから順次に落下していく。
【0028】
各円筒ころwは、シュート口4aから軸方向に平行な向きでその外径程度を落下するだけであり、しかも停止する水平な中心軸1やハウジング2の円筒状内壁に接触しながら転がり落ちるため、円環状空間3から外れる恐れはない。
【0029】
ここで、後続の円筒ころwは、シュート口4aから落下して同様に転がり、やがて先の円筒ころwに接触することになる。先頭の円筒ころwは、後続の円筒ころw、w、w・・・から軸回転方向に押されて自重とバランスする位置で停止する。すなわち、先頭の円筒ころwは、円環状空間3の底を過ぎたところに停止し、中心軸1が停止する状態では、シュート口4aに先の円筒ころwが停止するまで後続の円筒ころwが供給される。その結果、シュート口4aの下方から円環状空間3の底を過ぎた範囲に亘って隣り合う円筒ころw、w同士が接触し、互いに周方向に押し合った状態で停止する。したがって、円筒ころw、wの傾きが抑制される条件を予め作り出した状態で中心軸1の回転を開始させられる。これにより、整列中に、各円筒ころwが傾き難くなり、円環状空間3から抜け出ることを防止することができる。
【0030】
この第1実施形態においては、円筒ころwの円環状空間3からの抜け出しを確実に防止するため、定数の円筒ころwの約半分が予め円環状空間3に供給される。これら予備供給ころ群w、w、w・・・が停止した状態で、中心軸1の回転が開始させられるので、中心軸1の回転時間が短縮される。その結果、省エネルギ化を図ることができる。また、先頭の円筒ころwが単独で連れ回されることもなく、その螺旋様の連れ回しも防止される。
【0031】
なお、上記予備供給ころ群の停止を検知するセンサ(図示省略)の出力に基づいて中心軸1の回転が開始されるようになっている。なお、上記予備供給ころ群w、w、w・・・の停止は先頭の円筒ころwの落下から概ね一定時間で生じるため、先頭の円筒ころwの落下検知、シュート口4aの開放検知等に基づく制御で中心軸1の回転を開始させるようにすることもできる。
【0032】
図2に示すように、中心軸1が回転を開始すると、予備供給ころ群w、w、w・・・が互いに周方向に押し合った状態で連れ回される。シュート口4aの下方から円筒ころwが軸回転方向に移動し、重力シュート4に残る後続の円筒ころwが順次に中心軸1に落下していく。シュート口4aから落下した円筒ころwは、その転動面が軸方向に平行な向きで中心軸1の外周に接触し、速やかに中心軸1で連れ回される。
【0033】
ここで、先に落下した円筒ころwがシュート口4aの下方から軸回転方向に移動すると後続の円筒ころwが中心軸1に落下するため、後続の円筒ころwが先の円筒ころwの直後に落下し、大きく離間することなく連れ回される。
【0034】
先頭の円筒ころwの連れ回りは、ストッパ2aによりシュート口4aの直前で停止させられ、その場で先頭の円筒ころwが自転する。後続の円筒ころwも先の円筒ころwとの接触で連れ回りを停止させられ、その場で自転する。このため、定数の円筒ころは、効率よく円環状に整列させられる。
【0035】
通常、円筒ころwは、水平な軸回りに速やかに連れ回されるので、円環状空間3の外側に抜け出ることはないが、整列中、何らの原因で円筒ころwの一つが抜け出たとしても、ストッパ2aがあるため、抜け出た円筒ころwに後続する円筒ころwが間を詰めて整列させられる。重力シュート4には、予め定数以上の円筒ころw、w、w・・・が収納されており、円筒ころwが抜け出たとしても円筒ころの員数割れが防止される。要は、中心軸1の回転開始中に重力シュート4の円筒ころwが途切れないようにすればよい。
【0036】
定数の円筒ころw、w、w・・・が円環状に整列させられた後、中心軸1の回転が停止させられ、図3に示すように、予め定位置に搬送された外方部材5の内方に向けて中心軸1とプッシャー6とが並行に前進する。これにより、ころ挿入空間が形成されつつ、その既形成部分にはプッシャー6の筒先端部に押された定数の円筒ころw、w、w・・・が一斉挿入されていく。シュート口4aに残った円筒ころwは、上記プッシャー6があるため、落下することができない。これを利用して、次サイクル用の円筒ころwが重力シュート4に補給され始める。
【0037】
なお、シュート口4aにおける円筒ころwの詰りを検知するセンサの出力に基づいて中心軸1の回転停止と上記の一斉挿入が開始されるようになっている。整列完了の検知は、他の検知手段に基づくものでもよい。
【0038】
また、上記ころ挿入空間が完全に形成された後にプッシャー6を前進させて一斉挿入を実施することも可能であるが、この第1実施形態のように並行することでサイクル時間を短縮することができる。
【0039】
中心軸1とプッシャー6の前進位置は、外方部材5の軌道面と中心軸1の先端部外周の間に定数の円筒ころw、w、w・・・が位置するように調整されている。中心軸1は、前進位置に達した後、後退を開始する。この後退の間、プッシャー6は前進位置に停止しており、一斉挿入された円筒ころw、w、w・・・の後退がプッシャー6により規制された状態にある。
【0040】
そして、中心軸1の後退と共に、受け治具8が、中心軸1の先端部外周と内方部材7の外径とが概ね隙間なく連続する状態を保つように前進する。これにより、内方部材7が中心軸1と反対側から外方部材5の内方に挿入され、両部材5、7の軌道面間に定数の円筒ころが円環状に整列された状態で挿入される。この挿入の間、プッシャー6が停止しているため、一斉挿入された円筒ころw、w、w、は、中心軸1の後退に引き摺られてころ挿入空間から抜け落ちることがない。
【0041】
上記の一斉挿入後、図5に示すように、プッシャー6が後退する。このとき、先行して後退する中心軸1とハウジング2間に円環状空間3が既に形成されている。プッシャー6の後退により、シュート口4aが円環状空間3に開放され、既に補給を終えている次サイクルの円筒ころwの落下が始まり、図1の状態になる。また、受け治具8が後退し、組立体が後流側に搬送される。
【0042】
なお、この第1実施形態においては、ストッパ2aがハウジング2に固定されており、プッシャー6は回転しないようになっている。図6に示すように、プッシャー6の筒壁に、その進退を可能にするため、ストッパ2aを通過させる空間6aが形成されている。空間6aは、溝状、スリット状など一斉挿入に支障がない限り適宜の形状にすることができる。また、ストッパ2aを昇降式にしてプッシャー6の進退時に上昇させるように構成することもできるが、装置の単純化を考慮すると固定式がよい。
【0043】
上述のように、この第1実施形態においては、各円筒ころwが水平軸回りに連れ回されるため、円環状空間3を閉じるシャッターが不要になる。
また、この第1実施形態においては、シュート口4aから落下した円筒ころwは、その転動面が軸方向に平行な向きで中心軸1の外周に接触し、速やかに中心軸で連れ回されるので、ハウジング2に漏斗状のガイドを設ける必要がない。
また、この第1実施形態においては、後続の円筒ころwが先の円筒ころwの直後に落下し、速やかに連れ回されるため、中心軸1をみそすり運動させなくとも、定数の円筒ころw、w、w・・・は、効率よく円環状に整列させられる。
【0044】
したがって、この第1実施形態においては、シャッターやガイドが不要になり、装置を単純かつコンパクトにしつつ、定数の円筒ころを効率よく整列させることができる。
【0045】
上述の第1実施形態において装置の単純化を優先する場合、中心軸1とプッシャー6とを一体に設けることができる。例えば、第2実施形態として図7、図8に示すように、中心軸1の先端部外周に連続するように形成された肩部をプッシャー6とした構成を採用することができる。
【0046】
この第2実施形態においては、プッシャー6が中心軸1と一体に進退及び回転することになる。このため、中心軸1の進退時にプッシャー6がストッパ2aと干渉しないようにする必要がある。この第2実施形態においては、プッシャー6の外径を第1実施形態より小径にすることで干渉が回避されている。
【0047】
中心軸1の後退速度は、挿入された円筒ころw、w、wが勢いよく引き摺られて抜け落ちないようにするため、第1実施形態より遅めに調整される。
【0048】
また、上述の第1実施形態及び第2実施形態においては、シュート口4aから落下した円筒ころwが中心軸1の中心線cの直上から軸回転方向側に外れた位置に接触するようにしたが、中心線cの直上に接触するように構成することも可能である。
【0049】
係る構成の採用した例を第3実施形態として図9、図10に示す。この第3実施形態においては、シュート口4aから落下した円筒ころwが中心線cの直上に接触する。このため、サイクル初期段階において、先頭の円筒ころwは、予め重力シュート4に収納された円筒ころw、w、w・・・に押されて中心軸1と後続の円筒ころwとの間に挟まれ、転がり落ちることなく停止するようになっている。このため、重力シュート4における円筒ころwの収納数の管理を容易に行うことができる。
【0050】
中心軸1の回転が開始させられると、先頭の円筒ころwが勢いよく走り、後続の円筒ころwと離れる先走り現象が起こり、円環状空間3から抜け出ることがあり得るが、ストッパ2aがあり、また、抜け出た分の円筒ころwを供給可能なため、定数の円筒ころw、w、w・・・を支障なく整列させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】aは第1実施形態の全体構成を一サイクルの初期段階の状態で示す縦断側面図、bはそのaに示したb−b線の断面図
【図2】aは図1の状態から中心軸を回転させて円筒ころを整列させた状態を示す縦断面図、bはそのaに示したb−b線の断面図
【図3】aは図2の状態から整列させた円筒ころをころ挿入空間に挿入した状態を示す縦断面図、bはそのaに示したb−b線の断面図
【図4】aは図3の状態から外方部材の内方に内方部材を挿入した状態を示す縦断面図、bはそのaに示したb−b線の断面図
【図5】aは図4の状態からプッシャーを後退させた状態を示す縦断面図、bはそのaに示したb−b線の断面図
【図6】aは図3のストッパを拡大して部分縦断面図、bはそのaに示したb−b線の断面図
【図7】aは第2実施形態の全体構成を整列させた円筒ころがころ挿入空間に挿入された状態で示す縦断面図、bはそのaに示したb−b線の断面図
【図8】aは図7の状態から中心軸を後退させた状態を示す縦断面図、bはそのaに示したb−b線の断面図
【図9】aは第3実施形態の全体構成を一サイクルの初期段階の状態で示す縦断面図、bはそのaに示したb−b線の断面図
【図10】aは図9の状態から中心軸を回転させて円筒ころを整列させた状態を示す縦断面図、bはそのaに示したb−b線の断面図
【符号の説明】
【0052】
1 中心軸
2 ハウジング
2a ストッパ
3 円環状空間
4 重力シュート
4a シュート口
4b 供給口
5 外方部材
6 プッシャー
7 内方部材
8 受け治具
w 円筒ころ
【出願人】 【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
【出願日】 平成18年9月15日(2006.9.15)
【代理人】 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二

【識別番号】100087538
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 和久

【識別番号】100112575
【弁理士】
【氏名又は名称】田川 孝由

【識別番号】100127340
【弁理士】
【氏名又は名称】飛永 充啓


【公開番号】 特開2008−68374(P2008−68374A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−250674(P2006−250674)