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【発明の名称】 ワークの組立装置、及びワークの組立方法
【発明者】 【氏名】桜井 秀昌

【要約】 【課題】ワークが不適正な姿勢で保持されていた場合であっても、ワークや組立装置を破損させることがないワークの組立装置を提供する。

【構成】第一のワーク11を第一のワーク保持部13の先端に真空吸着させる共に、第二のワーク12を第二のワーク保持部14に真空吸着させ、第一のワーク保持部13を第一のワーク11と第二のワーク12とが互いに近接する方向で、尚且つ第一のワーク11の吸着状態が解除される方向へ相対的に移動させ、第一のワーク11と第二のワーク12とを互いに組み付ける。もし第一のワーク11や第二のワーク12が不適正な姿勢で保持されていた場合には、第一のワーク11が第二のワーク12と噛み合わず、第一のワーク保持部13の降下に伴って第一のワーク11の吸着状態が自動的に解除されて第一のワーク保持部13から脱落し、ワークの破損、更には組み立て装置自体の破損が回避される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のワークと第二のワークとを互いに嵌合させて組み付けるワークの組立装置であって、
少なくとも、
前記第一のワークを所定の吸着力を以って吸着保持する第一のワーク保持部と、
前記第二のワークを保持する第二のワーク保持部とを備え、
前記第一のワーク保持部及び/又は前記第二のワーク保持部は、前記第一のワークと前記第二のワークとが互いに近接する方向で、尚且つ前記第一のワークの吸着状態が解除される方向へ相対的に移動し、前記第一のワークと前記第二のワークとが互いに組み付けられることを特徴とするワークの組立装置。
【請求項2】
前記第一のワーク保持部は柱状を成すと共に、当該第一のワーク保持部の先端に前記第一のワークが吸着保持され、一方で前記第二のワーク保持部は前記第一のワーク保持部を収容する開口部を有すると共に、当該開口部の上端部周縁に前記第二のワークが保持され、前記第一のワーク保持部及び/又は前記第二のワーク保持部は、前記第一のワーク保持部が前記第二のワーク保持部の開口部内に収容された状態で、前記第一のワークと前記第二のワークとが互いに近接する方向で、尚且つ前記第一のワークの吸着状態が解除される方向へ相対的に移動し、前記第一のワークと前記第二のワークとが互いに組み付けられることを特徴とする請求項1に記載のワークの組立装置。
【請求項3】
前記第一のワークは、前記第一のワーク保持部に真空吸着されることを特徴とする請求項1、又は2に記載のワークの組立装置。
【請求項4】
前記第一のワーク及び前記第二のワークは互いに径の異なる環状の部材から成り、径が小さい方のワークの外周面に径が大きい方のワークの内周面が嵌合することで互いに組み付けられることを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載のワークの組立装置。
【請求項5】
第一のワークと第二のワークとを互いに嵌合させて組み付けるワークの組立方法であって、
前記第一のワークを所定の吸着力を以って吸着保持した状態で、前記第一のワーク及び/又は前記第二のワークを前記第一のワークと前記第二のワークとが互いに近接する方向で、尚且つ前記第一のワークの吸着状態が解除される方向へ相対的に移動させ、前記第一のワークと前記第二のワークとを互いに組み付けることを特徴とするワークの組立方法。
【請求項6】
前記第一のワークは、真空吸着されることを特徴とする請求項5に記載のワークの組立方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つのワークを互いに嵌合させて組み付けるワークの組立装置、及びワークの組立方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2つの部品(ワーク)、特に精密な嵌め合い精度で加工された小部品を互いに嵌合させて組み付ける作業は手作業では困難を極めるため、一般的には専用の組立装置を用いて行われる。(例えば、特許文献1、2参照)
【0003】
図5は、従来のワークの組立装置に組み立て対象となる2つのワークを設置した状態を示す断面図で、図6は、2つのワークを互いに組み付けた状態を示す図5の要部拡大図である。まず、ここで組み立て対象となる2つのワークは、円柱状の第一のワーク1と、中心部に第一のワーク1が挿通される円形の穴部を有する環状の第二のワーク2とで構成され、第一のワーク1を第二のワーク2の穴部に挿通させることで互いに組み付けられるものである。
【0004】
第一のワーク1と第二のワーク2には共に精密な加工が施されており、第一のワーク1外周面と第二のワーク2内周面との間には極僅かな隙間(例えば2μm)しかなく、組み立て時には第一のワーク1と第二のワーク2の中心軸を互いに精確に一致させた状態、即ちワーク同士に傾きが無い状態で第一のワーク1を第二のワーク2の穴部に挿通する必要がある。もし、中心軸がほんの僅かでもずれていれば、第一のワーク1を第二のワーク2の穴部に挿通させることはできず、強引に押し込もうとすればワーク自体を傷付けることとなる。
【0005】
ここで、図5に示すようなワークの組立装置を用いれば、以上のように手作業では困難を極める2つのワークの組み付け作業を容易且つ精確に行うことができる。まず、ここに示す従来のワークの組立装置は、円柱状の第一のワーク1を保持する第一のワーク保持部3と、環状の第二のワーク2を保持する第二のワーク保持部4とを備えている。第一のワーク保持部3は、台座5上に立設された柱状の支持部6にスライド式の昇降部7を介して昇降可能に保持され、第二のワーク保持部4は、台座5上の第一のワーク保持部3と対向する位置に設置固定されている。
【0006】
第一のワーク1は、第一のワーク保持部3先端に真空吸着により吊り下げられた状態で保持され、第二のワーク2は、第二のワーク保持部4の上端面中央に設けられた位置決め凹部4aに嵌合保持されている。尚、このように第一のワーク1と第二のワーク2とがそれぞれ第一のワーク保持部3と第二のワーク保持部4に保持された状態において互いの中心軸は精確に一致している。
【0007】
2つのワークを互いに組み付ける際には、まず第一のワーク1を第一のワーク保持部3先端に真空吸着させた状態で昇降部7を駆動させ、第一のワーク保持部3を第二のワーク保持部4側へと降下させる。第一のワーク保持部3の降下が進むと、図6に示すように、第一のワーク保持部3に保持された第一のワーク1が第二のワーク保持部4に保持された第二のワーク2の穴部に挿通された状態となり、その後、第一のワーク1の真空吸着を解除すると共に第一のワーク保持部3を上昇させて初期位置へと退避させ、第二のワーク保持部4から互いに組み付けられた第一のワーク1と第二のワーク2を取り出す。
【特許文献1】特開平7−51959号公報
【特許文献2】特開平10−271777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上説明したように、ワークの組立装置ではワークをワーク保持部に保持させた時点で2つのワーク同士の位置決めが精確に成されるため、ワークの組み付けが精確に行える。しかしながら、ワークをワーク保持部に保持させる際にワークとワーク保持部との間にゴミ等の微小な異物が入り込んでワークが傾いた状態でワーク保持部に保持されたり、ワークとワーク保持部との接触部位の磨耗等によりワークの位置決め精度が低下することで、2つのワークの中心軸が互いにずれる虞があった。
【0009】
このようなワークの傾きや位置ずれは目視では確認できない程度の極僅かなものであり、それに気づかずにそのまま2つのワークの組み付けを行った場合には、当然ながらワーク同士が噛み合わずにワークが破損するだけでなく、組立装置自体にも不要な負荷が掛かることで組立装置が破損する虞があった。
【0010】
尚、このような状況は、以上のような場合だけでなくワーク自体に歪みや傷等の欠陥があった場合にも起こり得る。この場合、ワーク自体には元々欠陥があるため破損しても特に問題はないが、組立装置の破損は依然として起こり得る。
【0011】
本発明は、以上の問題点に鑑みて成されたものであり、ワークが不適正な姿勢で保持されていた場合であっても、ワーク及び組立装置自体を破損させることがないワークの組立装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第一のワークと第二のワークとを互いに嵌合させて組み付けるワークの組立装置であって、少なくとも、前記第一のワークを所定の吸着力を以って吸着保持する第一のワーク保持部と、前記第二のワークを保持する第二のワーク保持部とを備え、前記第一のワーク保持部及び/又は前記第二のワーク保持部は、前記第一のワークと前記第二のワークとが互いに近接する方向で、尚且つ前記第一のワークの吸着状態が解除される方向へ相対的に移動し、前記第一のワークと前記第二のワークとが互いに組み付けられるワークの組立装置とする。
【0013】
前記第一のワーク保持部は柱状を成すと共に、当該第一のワーク保持部の先端に前記第一のワークが吸着保持され、一方で前記第二のワーク保持部は前記第一のワーク保持部を収容する開口部を有すると共に、当該開口部の上端部周縁に前記第二のワークが保持され、前記第一のワーク保持部及び/又は前記第二のワーク保持部は、前記第一のワーク保持部が前記第二のワーク保持部の開口部内に収容された状態で、前記第一のワークと前記第二のワークとが互いに近接する方向で、尚且つ前記第一のワークの吸着状態が解除される方向へ相対的に移動し、前記第一のワークと前記第二のワークとが互いに組み付けられるワークの組立装置とする。
【0014】
前記第一のワークは、前記第一のワーク保持部に真空吸着されるワークの組立装置とする。
【0015】
前記第一のワーク及び前記第二のワークは互いに径の異なる環状の部材から成り、径が小さい方のワークの外周面に径が大きい方のワークの内周面が嵌合することで互いに組み付けられるワークの組立装置とする。
【0016】
第一のワークと第二のワークとを互いに嵌合させて組み付けるワークの組立方法であって、前記第一のワークを所定の吸着力を以って吸着保持した状態で、前記第一のワーク及び/又は前記第二のワークを前記第一のワークと前記第二のワークとが互いに近接する方向で、尚且つ前記第一のワークの吸着状態が解除される方向へ相対的に移動させ、前記第一のワークと前記第二のワークとを互いに組み付けるワークの組立方法とする。
【0017】
前記第一のワークは、真空吸着されるワークの組立方法とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明のワークの組立装置では、少なくとも一方のワークをワーク保持部に吸着保持した状態で、ワークの吸着が解除される方向へ互いのワークを相対的に近接移動させているため、ワークが傾いた状態でワーク保持部に保持されていた場合には、ワーク保持部の移動に伴ってワーク保持部に吸着保持されたワークが他方のワークに押されてその吸着状態が自動的に解除されるため、ワークの破損、更には組立装置自体の破損を防止することができる。
【0019】
また、ワークを保持する2つのワーク保持部のうち一方を他方のワーク保持部に設けた開口部内に収容するようにすれば、ワークの組立装置を小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
第一のワークを所定の吸着力を以って第一のワーク保持部に吸着保持させる共に、第二のワークを第二のワーク保持部に保持させ、第一のワーク保持部もしくは第二のワーク保持部、又はその両方を第一のワークと第二のワークとが互いに近接する方向で、尚且つ第一のワークの吸着状態が解除される方向へ相対的に移動させることで、第一のワークと第二のワークとを互いに組み付ける。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明のワークの組立装置に組み立て対象となる2つのワークを設置した状態を示す図で、(a)上面図、(b)(a)のA−A’断面図である。また、図2は、図1の要部拡大図である。まず、ここで組み立て対象となるのは、環状の部材である第一のワーク11と、中心部に第一のワーク11が嵌合される円形の穴部を有する環状の部材である第二のワーク12であり、第一のワーク11外周面が第二のワーク内周面12に嵌合されることで互いに組み付けられるものである。
【0022】
図2に示すように、本発明のワークの組立装置において、第一のワーク保持部13の先端には、第一のワーク11の径方向を位置決めするための円柱状のワーク位置決め部13aが設けられ、その周囲には第一のワーク11を吸着保持するための真空吸引孔13bが設けられ、更にその周囲には第一のワーク11を載置するためのワーク載置部13cが設けられている。
【0023】
第一のワーク11は、その内周面がワーク位置決め部13aの外周面に嵌合することで径方向の位置決めが成されると共に、真空吸引孔13bからの吸引力によりワーク載置部13c上端面に吸着保持された状態となっている。尚、ワーク位置決め部13aの上端部外周は上方へ向かってテーパー状となっており、第一のワーク11をワーク位置決め部13aに嵌合させ易いようになっている。
【0024】
一方、第二のワーク保持部14の中心部には、第一のワーク保持部13が配設される空間として開口部14aが設けられ、そこに第一のワーク保持部13が下方より挿通した状態で収容されている。このように第二のワーク保持部14の開口部14a内に第一のワーク保持部13を収容するようにすれば、従来のようにワーク保持部3を柱状の支持部6で支持する必要がないため、その分、組立装置を小型化することができる。尚、第二のワーク保持部14自体は台座15の中心部に嵌合固定されているが、第二のワーク保持部14と台座15とを一体的に形成して台座15を省略するようにしても良い。
【0025】
また、開口部14aの上端部周縁には、第二のワーク保持部14上端面より一段下がった位置に第二のワーク12を載置するためのワーク載置部14bが設けられ、更にその周囲には第二のワーク12を吸着保持するための真空吸引孔14cが設けられている。
【0026】
第二のワーク12は、ワーク載置部14bに載置されると同時にその周囲の内壁部14dに第二のワーク12外周面が嵌合した状態となり、径方向の位置決めが成されている。尚、内壁部14dの上端縁は、下方に向かってテーパー状となっており、第二のワーク12を内壁部14dへ嵌合させ易いようになっている。
【0027】
第一のワーク保持部13は、第二のワーク保持部14の中心部に設けられた開口部14aに収容された状態で任意の駆動機構16(例えば、エアシリンダー)により昇降可能となっており、その昇降動作に伴って第一のワーク保持部13先端に保持された第一のワーク11も上下方向へ移動する。尚、駆動機構16は、第一のワーク保持部13を昇降させる駆動力を発生するものであれば、どのようなものであっても構わない。
【0028】
図3は、本発明のワークの組立装置を用いたワークの組立方法を説明するための模式的な断面図で、(a)第二のワーク保持部に第二のワークが保持された状態、(b)第一のワーク保持部に第一のワークが保持された状態、(c)第一のワークと第二のワークとが互いに組み付けられた状態を示している。本発明のワークの組立装置を用いて第一のワーク11と第二のワーク12とを互いに組み付ける際には、まず図3(a)に示すように第一のワーク保持部13の先端が第二のワーク保持部14の開口部14aから上方へ突出しない位置まで第一のワーク保持部13を降下させ、その状態で第二のワーク保持部14のワーク載置部14bに第二のワーク12を載置して真空吸着させる。
【0029】
その後、図3(b)に示すように第一のワーク保持部13を上昇させて、その先端を第二のワーク12中央の開口部分を通して上方へ突出させ、その状態で第一のワーク11を第一のワーク保持部13先端のワーク載置部13cに載置して真空吸着させる。
【0030】
以上のようにして第一のワーク11と第二のワーク12の保持が完了したら、第一のワーク保持部13を降下させて第一のワーク11を第二のワーク12に近接する方向へ移動させる。第一のワーク保持部13の降下が進むと、第一のワーク11が第二のワーク12に自動的に嵌合して互いに組み付けられた状態となり、そこから更に降下が進むと、第一のワーク11は第二のワーク12内周面の突出部12aに係止されてそれ以上は降下できなくなるため、図3(c)に示すように第一のワーク11の吸着状態が自動的に解除されて第一のワーク保持部13のみが降下する。
【0031】
尚、第二のワーク12内周面に第一のワーク11を係止する突出部12aが無く、第一のワーク保持部13の降下に伴って自動的に第一のワーク11の吸着状態が解除されない場合には、第一のワーク保持部13の降下を第一のワーク11と第二のワーク12とが所望の嵌合位置に達した時点で停止させるようにすればよい。
【0032】
ここで、以上のように第一のワーク保持部13を降下させて第一のワーク11と第二のワーク12とを互いに組み付ける際に、もし第一のワーク11と第一のワーク保持部13との間、もしくは第二のワーク12と第二のワーク保持部14との間にゴミ等の異物が介在して第一のワーク11や第二のワーク12に傾きが生じていた場合には、第一のワーク11と第二のワーク12とが噛み合わず、第一のワーク保持部13の降下に伴って第一のワークと第二のワークとが接触した時点で第一のワーク11が第二のワーク12に係止された状態となってそれ以上は降下できなくなるため、第一のワーク11の吸着状態が自動的に解除されて第一のワーク保持部13から脱落する。そのため、このような場合であっても第一のワーク11と第二のワーク12、更にはワークの組立装置自体に不要な負荷が掛かることはなく、ワークや組立装置が破損することはない。尚、このようにして破損が回避されたワークは再使用が可能である。
【実施例2】
【0033】
図4は、本発明のワークの組立装置を用いたワークの組立方法を説明するための模式的な断面図で、(a)第一のワーク保持部に第一のワークが保持された状態、(b)第二のワーク保持部に第二のワークが保持された状態、(c)第一のワークと第二のワークとが互いに組み付けされた状態を示している。ここに示す実施形態では、前述の実施例1とは逆に第二のワーク12を吸着状態が解除され得る対象としている。即ち、第一のワーク11と第二のワーク12をそれぞれ第一のワーク保持部13と第二のワーク保持部14に吸着保持させたうえで、第一のワーク11を第二のワーク12の下から突き上げるようにして互いを組み付けている。尚、ここでの第一のワーク11と第二のワーク12は、実施例1に示した第一のワーク11と第二のワーク12とは形状が異なるものとしている。
【0034】
具体的には、まず図4(a)に示すように第一のワーク保持部13の先端が第二のワーク保持部14の開口部14aから上方へ突出する位置まで第一のワーク保持部13を上昇させ、その状態で第一のワーク保持部13のワーク載置部13cに第一のワーク11を載置して真空吸着させる。
【0035】
その後、図4(b)に示すように第一のワーク保持部13を降下させて、第一のワーク11の先端が第二のワーク保持部14のワーク載置部14b上端面よりも低い位置になるまで退避させ、その状態で第二のワーク12を第二のワーク保持部14のワーク載置部14bに載置して真空吸着させる。
【0036】
以上のようにして第一のワーク11と第二のワーク12の保持が完了したら、第一のワーク保持部13を再度上昇させて第一のワーク11を第二のワーク12に近接する方向へ移動させる。第一のワーク保持部13の上昇が進むと、第一のワーク11が第二のワーク12に自動的に嵌合して互いに組み付けられた状態となり、そこから更に上昇が進むと、図4(c)に示すように第二のワーク12が第一のワーク11外周面の突出部11aに係止されてその吸着状態が自動的に解除され、第一のワーク11と共に上昇する。
【0037】
ここでは、第一のワーク11と第一のワーク保持部13との間、もしくは第二のワーク12と第二のワーク保持部14との間にゴミ等の異物が介在して第一のワーク11や第二のワーク12に傾きが生じていた場合には、第一のワーク保持部13の上昇に伴って第二のワーク12の吸着状態が自動的に解除されて第二のワーク保持部14から脱落し、ワークや組立装置の破損が回避される。
【0038】
以上説明した実施形態では、第一のワーク保持部13のみを可動式として第二のワーク保持部14に対して上下方向へ移動させる構成としているが、本発明の本質は第一のワーク11と第二のワーク12とを第一のワーク11が吸着保持されている側において互いに近接する方向へ相対的に移動させること、即ち第一のワーク11と第二のワーク12とを第一のワーク11の吸着状態が解除される方向へ互いに近接移動させることであるため、例えば、第一のワーク保持部13を固定式にして第二のワーク保持部14のみを可動式としたり、第一のワーク保持部13と第二のワーク保持部14を共に可動式としてもよい。
【0039】
また、ワークをワーク保持部に吸着する手段としては真空吸着に限定されるものではなく、ワークを所定の吸着力、少なくともワーク同士が精確に噛み合わず嵌合できない場合に即座にワークがワーク保持部から脱落する程度の吸着力を以って吸着可能な手段であればどのようなものでもよく、例えばワークが金属である場合には磁石を用いるようにしてもよい。また、吸着状態が解除されて脱落し得るワークとは逆のワークは必ずしも吸着保持する必要はなく、組み立て工程中に不要に脱落する虞がないのであれば単にワーク載置部に載置しておくだけでもよい。尚、ワーク保持部の形状については、組み立て対象となるワークの形状に応じて適宜変更すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明のワークの組立装置に組み立て対象となる2つのワークを設置した状態を示す図で、(a)上面図、(b)(a)のA−A’断面図
【図2】図1のワーク保持部分周辺を示す要部拡大図
【図3】本発明のワークの組立装置を用いたワークの組立方法を説明するための模式的な断面図で、(a)第二のワーク保持部に第二のワークが保持された状態、(b)第一のワーク保持部に第一のワークが保持された状態、(c)第一のワークと第二のワークとが互いに組み付けられた状態を示している(実施例1)
【図4】本発明のワークの組立装置を用いたワークの組立方法を説明するための模式的な断面図で、(a)第一のワーク保持部に第一のワークが保持された状態、(b)第二のワーク保持部に第二のワークが保持された状態、(c)第一のワークと第二のワークとが互いに組み付けられた状態を示している(実施例2)
【図5】従来のワークの組立装置に組み立て対象となる2つのワークを設置した状態を示す断面図
【図6】2つのワークを互いに組み付けた状態を示す図5の要部拡大図
【符号の説明】
【0041】
1 第一のワーク
2 第二のワーク
3 第一のワーク保持部
4 第二のワーク保持部
4a 位置決め凹部
5 台座
6 支持部
7 昇降部
11 第一のワーク
11a 突出部
12 第二のワーク
12a 突出部
13 第一のワーク保持部
13a ワーク位置決め部
13b 真空吸引孔
13c ワーク載置部
14 第二のワーク保持部
14a 開口部
14b ワーク載置部
14c 真空吸引孔
14d 内壁部
15 台座
16 駆動機構
【出願人】 【識別番号】000166948
【氏名又は名称】シチズンミヨタ株式会社
【出願日】 平成18年8月31日(2006.8.31)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−55566(P2008−55566A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−236717(P2006−236717)