トップ :: B 処理操作 運輸 :: B23 工作機械;他に分類されない金属加工

【発明の名称】 ピストン自動組付け装置
【発明者】 【氏名】橘 勝義

【氏名】木村 敏光

【氏名】森谷 仁志

【氏名】上田 雄一郎

【要約】 【課題】ピストンの自動組付けを行なえる装置を提供する。

【構成】シリンダブロックを鉛直方向及び水平方向及びクランクシャフト回りに移動させ位置決めするブロック位置決め手段、ピストンを挿入する位置に移動させて位置決めするピストン位置決め手段、ピストンをシリンダボア内に挿入するピストン挿入手段、コンロッドキャップを締結する位置に移動させて位置決めするキャップ位置決め手段、コンロッドキャップを締結する締結手段等を備え、ブロック位置決め手段が、シリンダブロックを把持すると共にシリンダボアを鉛直方向に向けるべく回転させ得るブロック把持ユニット30及びブロック把持ユニットに一体的に設けられてクランクシャフトを回転させるシャフト回転ユニット40を有する。これにより、直列型、V型等の種々のエンジンにピストンを自動的に組付けでき、生産性が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクシャフトを備えたシリンダブロックに対して、コンロッド付きのピストンをシリンダボアに挿入しコンロッドキャップを締結して、ピストンをクランクシャフトに連結するピストン自動組付け装置であって、
前記シリンダブロックを鉛直方向及び水平方向に移動させると共に前記クランクシャフト回りに回転させて所定の位置に位置決めするブロック位置決め手段と、
前記ブロック位置決め手段により位置決めされたシリンダブロックに、前記ピストンを挿入するべく移動させて位置決めするピストン位置決め手段と、
前記ピストン位置決め手段により位置決めされたピストンを前記シリンダボア内に挿入するピストン挿入手段と、
前記ピストン挿入手段により挿入されたピストンのコンロッドに、前記コンロッドキャップを締結するべく移動させて位置決めするキャップ位置決め手段と、
前記コンロッドキャップを締結する締結手段と有し、
前記ブロック位置決め手段は、シリンダブロックを把持すると共にシリンダボアを鉛直方向に向けるべく回転させ得るブロック把持ユニット、及び前記ブロック把持ユニットに一体的に設けられてクランクシャフトを回転させるシャフト回転ユニットを有する、
ことを特徴とするピストン自動組付け装置。
【請求項2】
前記ブロック位置決め手段は、搬送ラインにより搬送されてきたシリンダブロックを前記ブロック把持ユニットに把持させるべく前記搬送ラインから切り離して保持するブロック昇降ユニット、前記ブロック把持ユニットを水平方向に移動させて所定位置に位置決めするブロック移送ユニットを有する、
ことを特徴とする請求項1記載のピストン自動組付け装置。
【請求項3】
前記ピストン位置決め手段は、搬送ラインにより搬送されてきたピストンを前記搬送ラインから切り離して保持すると共に水平方向に移動させて位置決めし得る保持ユニット、前記保持ユニットに保持されたピストンを把持して鉛直方向に移動させるピストン把持ユニット、及び前記ピストン把持ユニットを水平方向に移動させて所定位置に位置決めする移送ユニットを有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のピストン自動組付け装置。
【請求項4】
前記キャップ位置決め手段は、搬送ラインにより搬送されてきたコンロッドキャップを前記搬送ラインから切り離して保持すると共に水平方向に移動させて位置決めし得る保持ユニット、前記保持ユニットに保持されたコンロッドキャップを把持して鉛直方向に移動させるキャップ把持ユニット、及び前記キャップ把持ユニットを水平方向に移動させて所定位置に位置決めする移送ユニットを有する、
ことを特徴とする請求項3記載のピストン自動組付け装置。
【請求項5】
前記キャップ把持ユニットは、前記ピストン把持ユニットに一体的に設けられ、
前記ピストン把持ユニットの移送ユニットは、前記キャップ把持ユニットの移送ユニットを兼ねる、
ことを特徴とする請求項4記載のピストン自動組付け装置。
【請求項6】
前記ピストン及び前記コンロッドキャップは、同一のパレットにより保持され、
前記ピストンの保持ユニットは、前記コンロッドキャップの保持ユニットを兼ねる、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のピストン自動組付け装置。
【請求項7】
前記締結手段は、前記移送ユニットにより移動させられたコンロッドキャップを保持すると共に締結ボルトに対して締結力を及ぼす締結ユニット、前記締結ユニットを昇降させる締結昇降ユニット、及び前記締結ユニット及び締結昇降ユニットを水平方向に移動させて所定位置に位置決めする移送ユニットを有する、
ことを特徴とする請求項4ないし6いずれかに記載のピストン自動組付け装置。
【請求項8】
前記ピストン及びコンロッドキャップを保持するパレットは、前記シリンダブロックのパレットと一緒に同一の搬送ラインで搬送される、
ことを特徴とする請求項3ないし7いずれかに記載のピストン自動組付け装置。
【請求項9】
鉛直方向に離隔して平行に配置された上部フレーム及び下部フレームを有し、
前記上部フレームには、前記ブロック位置決め手段の一部、前記ピストン位置決め手段の一部、及び前記キャップ位置決め手段の一部が支持され、
前記下部フレームには、前記ピストン挿入手段の一部及び前記締結手段の一部が支持されている、
ことを特徴とする請求項4記載のピストン自動組付け装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンのシリンダブロックに対してコンロッド付きのピストンを挿入してクランクシャフトに自動的に組付けるピストンの自動組付け装置に関し、特に、シリンダボアの配列が直列型、V型等の多気筒エンジンにおいて自動的にピストンの組付けを行なうピストン自動組付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンのシリンダブロックにピストンを挿入する装置としては、例えば、特開平2000−198030号公報に開示されたものが知られている。この公報に開示のピストン挿入装置においては、搬送ラインにより直列4気筒のエンジンを搬送して所定の位置に位置決めした後、ガイド筒を用いてピストンをシリンダボアに案内すると共に上方から押し込み部材でピストンを押し込むように構成されている(特許文献1)。
【0003】
すなわち、このピストン挿入装置は、シリンダボア内にピストンを挿入する際に、ガイド筒を用いることで、ピストンとシリンダボアとの位置決めを行ないつつ、ピストンを円滑に挿入できるようにするものである。
また、対象とするエンジンは、シリンダボアが直列に配列され上方を向くようにして搬送ラインにより搬送される直列多気筒エンジンであり、シリンダブロックの位置決めも、単に搬送の途中で停止させて位置決めするものであり、V型に配列された多気筒エンジンのように、シリンダボアの貫通方向が異なる向きに形成されたエンジンについての挿入をも考慮したものではない。
【特許文献1】特開平2000−198030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、従来の装置においては、単にピストンを挿入するだけの作業を自動的に行なうものであり、挿入後においてコンロッド(コネクティングロッド)の連結までも含め、ピストン及びコンロッドの組付けを、全て自動的に行なうものではない。
そこで、ピストンの挿入からクランクシャフト(クランクピン)への組付けまでを全て自動的に行なわせようとすると、単に搬送ラインにより搬送されてきたシリンダブロックを所定の位置に停止して位置決めするだけでは、ピストンの挿入は可能でも、コンロッドの締結が困難である。
また、直列型エンジンのシリンダブロックに対しては挿入が可能でも、V型エンジンのシリンダブロックに対しては挿入が困難である。
さらに、コンロッドの連結には、クランクピンを挟み込むためのコンロッドキャップが必要であるため、そのコンロッドキャップの供給方法を考慮しなければならない。
【0005】
したがって、自動組付けの対象となるエンジンとして、直列エンジンだけでなく、V型エンジン等も含め、又、ボア径、ボアピッチ、あるいはストロークの異なる種々のエンジンをも含めると、搬送ラインにより搬送されるシリンダブロックを単に停止させて位置決めするだけでは、全てのシリンダボアに対してピストンの組み付けを行なうことは困難である。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、エンジンのシリンダブロックに対し、ピストンの挿入からコンロッドの連結までの組付けを全て自動的に行なえ、又、単気筒エンジンは勿論のこと、直列型、V型等の多気筒エンジンに対しても、自動的にピストンを組付けできるピストン自動組付け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のピストン自動組付け装置は、クランクシャフトを備えたシリンダブロックに対して、コンロッド付きのピストンをシリンダボアに挿入しコンロッドキャップを締結して、ピストンをクランクシャフトに連結するピストン自動組付け装置であって、上記シリンダブロックを鉛直方向及び水平方向に移動させると共にクランクシャフト回りに回転させて所定の位置に位置決めするブロック位置決め手段と、上記ブロック位置決め手段により位置決めされたシリンダブロックにピストンを挿入するべく移動させて位置決めするピストン位置決め手段と、上記ピストン位置決め手段により位置決めされたピストンをシリンダボア内に挿入するピストン挿入手段と、上記ピストン挿入手段により挿入されたピストンのコンロッドにコンロッドキャップを締結するべく移動させて位置決めするキャップ位置決め手段と、上記コンロッドキャップを締結する締結手段とを有し、ブロック位置決め手段は、シリンダブロックを把持すると共にシリンダボアを鉛直方向に向けるべく回転させ得るブロック把持ユニット、ブロック把持ユニットに一体的に設けられてクランクシャフトを回転させるシャフト回転ユニットを有する、ことを特徴としている。
【0008】
この構成によれば、ブロック位置決め手段が、搬送ラインにより搬送されてきたシリンダブロックを鉛直及び水平移動あるいは回転させて所定の位置に位置決めし、ピストン位置決め手段が、搬送ラインにより搬送されてきたピストンを移動させてシリンダブロックの挿入位置に位置決めし、ピストン挿入手段が、位置決めされたピストンをシリンダボアに挿入し、キャップ位置決め手段が、搬送ラインにより搬送されてきたコンロッドキャップを締結位置に移動させて位置決めし、締結手段がコンロッドキャップを締結することで、ピストンの組付けが自動的に行なわれる。
このように、ピストンの組付けを全て自動化することにより、エンジン組み立ての際の生産性が向上し、又、直列型エンジンだけでなくV型エンジン等の種類の異なる複数のエンジンに対しても、ピストンの組付けを行なうことができる。
特に、ブロック位置決め手段が、シリンダブロックを把持すると共にシリンダボアを鉛直方向に向けるべく回転させ得るブロック把持ユニット、ブロック把持ユニットに一体的に設けられてクランクシャフトを回転させるシャフト回転ユニットを有する、すなわち、ブロック把持ユニットに一体的に設けられたシャフト回転ユニットを有するため、ブロック把持ユニットがシリンダブロックを把持して所定の向きに方向付けつつ、シャフト回転ユニットによりクランクシャフトを所定の位置に回転させることができる。このように、シリンダブロック及びクランクシャフトの方向付け及び位置決め等を同時に又は連続的に行なうことができ、一連の動作が高精度にかつ円滑に行なうことができる。
【0009】
上記構成において、ブロック位置決め手段は、搬送ラインにより搬送されてきたシリンダブロックをブロック把持ユニットに把持させるべく搬送ラインから切り離して保持するブロック昇降ユニット、ブロック昇降ユニットに保持されたブロック把持ユニットを水平方向に移動させて所定位置に位置決めするブロック移送ユニットを有する、構成を採用できる。
この構成によれば、ブロック昇降ユニットが、搬送ラインにより搬送されてきたシリンダブロックを上昇させ、ブロック把持ユニットが上昇させられたシリンダブロックを把持して所定の向きに方向付け、又、シャフト回転ユニットがクランクシャフトを所定の位置に回転させ、ブロック移送ユニットがブロック把持ユニットを水平方向に移動させてシリンダブロックを所定位置に位置決めする。このように、シリンダブロックの方向付け及び位置決め等をそれぞれのユニットにより行なうため、一連の動作が高精度にかつ円滑に行なわれる。
【0010】
上記構成において、ピストン位置決め手段は、搬送ラインにより搬送されてきたピストンを搬送ラインから切り離して保持すると共に水平方向に移動させて位置決めし得る保持ユニット、保持ユニットに保持されたピストンを把持して鉛直方向に移動させるピストン把持ユニット、及びピストン把持ユニットを水平方向に移動させて所定位置に位置決めする移送ユニットを有する、構成を採用できる。
この構成によれば、保持ユニットが、搬送ラインにより搬送されてきたピストンを搬送ラインから切り離して水平方向の所定位置に位置決めし、ピストン把持ユニットが所定位置にあるピストンを把持して鉛直方向の所定位置に位置付け、移送ユニットがピストン把持ユニットを水平方向に移動させてシリンダブロック上の挿入位置に位置決めする。このように、ピストンの保持及び位置決め等をそれぞれのユニットにより行なうため、一連の動作が高精度にかつ円滑に行なわれる。
【0011】
上記構成において、キャップ位置決め手段は、搬送ラインにより搬送されてきたコンロッドキャップを搬送ラインから切り離して保持すると共に水平方向に移動させて位置決めし得る保持ユニット、保持ユニットに保持されたコンロッドキャップを把持して鉛直方向に移動させるキャップ把持ユニット、及びキャップ把持ユニットを水平方向に移動させて所定位置に位置決めする移送ユニットを有する、構成を採用できる。
この構成によれば、保持ユニットが、搬送ラインにより搬送されてきたコンロッドキャップを搬送ラインから切り離して水平方向の所定位置に位置決めし、キャップ把持ユニットが所定位置にあるコンロッドキャップを把持して鉛直方向の所定位置に位置付け、移送ユニットがキャップ把持ユニットを水平方向に移動させてシリンダブロックより下方の所定位置に位置決めする。このように、コンロッドキャップの保持及び位置決め等をそれぞれのユニットにより行なうため、一連の動作が高精度にかつ円滑に行なわれる。
【0012】
上記構成において、キャップ把持ユニットはピストン把持ユニットに一体的に設けられ、ピストン把持ユニットの移送ユニットはキャップ把持ユニットの移送ユニットを兼ねる、構成を採用できる。
この構成によれば、キャップ把持ユニットがピストン把持ユニットに一体的に組み込まれることで、移送ユニットが一つで足り、構造が簡略化される。
【0013】
上記構成において、ピストン及びコンロッドキャップは同一のパレットにより保持され、ピストンの保持ユニットはコンロッドキャップの保持ユニットを兼ねる、構成を採用できる。
この構成によれば、保持ユニットが一つで足り、構造が簡略化される。
【0014】
上記構成において、締結手段は、移送ユニットにより移動させられたコンロッドキャップを保持すると共に締結ボルトに対して締結力を及ぼす締結ユニット、締結ユニットを昇降させる締結昇降ユニット、締結ユニット及び締結昇降ユニットを水平方向に移動させて所定位置に位置決めする移送ユニットを有する構成を採用できる。
この構成によれば、締結の際には、移送ユニットが締結ユニットを対応する締結位置に移動させて位置決めし、締結昇降ユニットが高さを調整しつつ、締結ユニットが締結ボルトをねじ込んで、コンロッドキャップを締結する。このように、コンロッドキャップの位置決め及び締結等をそれぞれのユニットにより行なうため、一連の動作が高精度にかつ円滑に行なわれる。
【0015】
上記構成において、ピストン及びコンロッドキャップを保持するパレットは、シリンダブロックのパレットと一緒に同一の搬送ラインで搬送される、構成を採用できる。
この構成によれば、ピストン及びコンロッドキャップだけを搬送するための専用の搬送ラインが不要になり、搬送システムが簡略化される。
【0016】
上記構成において、鉛直方向に離隔して平行に配置された上部フレーム及び下部フレームを有し、上部フレームには、ブロック位置決め手段の一部、ピストン位置決め手段の一部、及びキャップ位置決め手段の一部が支持され、下部フレームには、ピストン挿入手段の一部及び締結手段の一部が支持されている、構成を採用できる。
この構成によれば、上部フレーム及び下部フレームを備えたフレーム構造、すなわち、ガントリーロボットを採用することで、それぞれの手段の一部(ユニット)を最適な位置に配置すると共に、それぞれの支持及び移動スペースを最適な領域に設定することができる。これにより、それぞれの手段による作業の切り替えが円滑に行なわれ、生産性が向上し、又、装置を小型化できる。
【発明の効果】
【0017】
上記構成をなす本発明のピストン自動組付け装置によれば、ブロック位置決め手段、ピストン位置決め手段、ピストン挿入手段、キャップ位置決め手段、締結手段等を採用して、ピストン及びコンロッドキャップの組付けを全て自動的に行なえるようにしたことにより、エンジン組み立ての際の生産性を向上させることができる。また、ブロック位置決め手段により全てのシリンダボアをピストンの挿入方向に方向付けることができるため、直列型エンジンだけでなくV型エンジン等の種類の異なる複数のエンジンに対しても、自動的にピストンの組付けを行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づき説明する。
図1ないし図13は、本発明に係るピストン自動組付け装置の一実施形態を示すものである。
この装置は、図1に示すように、フレーム構造をなして種々のユニットの相対的な位置関係を設定するガントリーロボット10、搬送ラインL1(リニアコンベア等)により搬送されてきたシリンダブロックBを搬送ラインから切り離して保持するブロック昇降ユニット20、ブロック昇降ユニット20に保持されたシリンダブロックBを把持すると共に回転させ得るブロック把持ユニット30、ブロック把持ユニット30に一体的に設けられてクランクシャフトを回転させるシャフト回転ユニット40、ブロック把持ユニット30をY方向(水平方向)に移動させて所定位置に位置決めするブロック移送ユニット50等を備えている。
【0019】
また、この装置は、図1に示すように、搬送ラインL2(リニアコンベア等)により搬送されてきたピストンP及びコンロッドキャップCを搬送ラインL2から切り離して保持すると共にX方向(Y方向に直角な水平方向)に適宜移動させて位置決めし得る保持ユニット60、保持ユニット60に保持されたピストンPを把持してZ方向(鉛直方向)に移動させるピストン把持ユニット70及びコンロッドキャップCを把持してZ方向に移動させるキャップ把持ユニット80、ピストン把持ユニット70及びキャップ把持ユニット80をY方向(水平方向)に移動させて所定位置に位置決めする移送ユニット90等を備えている。
【0020】
さらに、この装置は、図1に示すように、ピストンPをシリンダボア内に案内するピストンガイドユニット100、ピストンガイドユニット100により案内されるピストンPを上方から押し込む押込みユニット110、押込みユニット110により押し込まれるピストンPのコンロッドRを下降しつつ案内するコンロッドガイドユニット120、コンロッドキャップCを保持すると共に締結ボルトCBに対して締結力を及ぼす締結ユニット130、締結ユニット130を昇降させる締結昇降ユニット140、締結ユニット130及び締結昇降ユニット140並びにコンロッドガイドユニット120を保持してY方向(水平方向)に移動させて所定位置に位置決めする移送ユニット150等を備えている。
【0021】
ガントリーロボット10は、図1及び図2(b)に示すように、Z方向(鉛直方向)に離隔して平行に配置された上部フレーム11(11a,11b)及び下部フレーム12(12a,12b)を含み、X方向に伸長する搬送ラインL1,L2の途中に配置されて、種々のユニットを支持するものである。
【0022】
上部フレーム11(11a,11b)には、図1及び図2(a)に示すように、その上面において移送ユニット90を案内するべくY方向に伸長するLMレール13が設けられ、又、その下面においてブロック移送ユニット50を案内するべくY方向に伸長するLMレール14が設けられている。すなわち、上部フレーム11の上面と下面とにそれぞれ搬送路(レール)を設けたことにより、別々のフレームに設ける場合に比べて有効利用が図れ、その分構造を簡略化できる。
上部フレーム11(11a,11b)の内部及び端面には、図2(b)に示すように、移送ユニット90の一部をなすボールネジ(リードスクリュー)93及び駆動モータ95、ブロック移送ユニット50の一部をなすボールネジ(リードスクリュー)52及び駆動モータ54が配置されている。
下部フレーム12(12a,12b)には、後述する固定ベース151を介して、図1に示すように、移送ユニット150を案内するべくY方向に伸長するLMレール15が設けられている。
【0023】
ブロック昇降ユニット20は、図1に示すように、搬送ラインL1の下方に配置されており、下部フレーム12に跨設される基板21に固定されたベース22、ベース22に対してZ方向(鉛直方向)に昇降自在に案内されてパレットP1を担持し得る昇降テーブル23、ベース22に回動自在に支持された回転軸24、回転軸24に固定された偏心カム25、昇降テーブル23に回動自在に設けられたカムフォロワ26、回転軸24に駆動力を及ぼす駆動モータ(不図示)等により形成されている。
【0024】
したがって、搬送ラインL1により、シリンダブロックBを載置したパレットP1が搬送されてきて、ストッパ機構(不図示)により所定の位置に停止すると、駆動モータが作動して昇降テーブル23が上昇することで、パレットP1を持ち上げて搬送ラインL1から切り離し、一方、駆動モータが逆向きに作動して昇降テーブル23が下降することで、パレットP1を再び搬送ラインL1上に戻すようになっている。
【0025】
ブロック把持ユニット30は、図1及び図2に示すように、輪郭が略矩形形状をなす保持プレート31、保持プレート31に固定され下方に伸びる固定垂下部32、保持プレート31に対してY方向に移動自在に支持されて下方に伸びる可動垂下部33、固定垂下部32に回動自在に支持された把持チャック34、可動垂下部33に回動自在に支持された把持チャック35、可動垂下部33に固定され把持チャック35に回転駆動力を及ぼす駆動モータ36、固定垂下部32と可動垂下部33との相対的な距離を調整するアクチュエータ37等により形成されている。
尚、可動垂下部33は、そのLMブロック33aが保持プレート31のLMレール31aに連結されたLMガイドにより、Y方向に移動自在となっている。
【0026】
したがって、アクチュエータ37が作動して可動垂下部33を引き寄せると、把持チャック34,35が協働してシリンダブロックBを把持する。この把持状態で駆動モータ36が回転すると、シリンダブロックBがクランクシャフトS回りに回転させられて、例えば、シリンダボアがZ方向(鉛直方向)を向くように方向付けられる。
【0027】
シャフト回転ユニット40は、図1及び図2に示すように、固定垂下部32に固定された駆動モータ41、駆動モータ41とクランクシャフトSとを連結する連結部42等により形成されている。
したがって、シリンダブロックBが把持チャック34,35により把持された状態で、駆動モータ41が回転すると、連結部42を介してクランクシャフトSが回転し、例えば、ピストンPを挿入するシリンダボアに対応するクランクピンが鉛直方向の下方に位置付けられる。
【0028】
ブロック移送ユニット50は、図2に示すように、保持プレート31の上面に固定されかつLMレール14に連結されるLMブロック51、上部フレーム11b内に配置されたボールネジ52、ボールネジ52に連結されてその回転によりY方向に移動させられると共に他端部が保持プレート31に連結された連結部材53、ボールネジ52を回転させる駆動モータ54等により形成されている。
【0029】
したがって、ブロック把持ユニット30すなわちシリンダブロックBは、駆動モータ54が一方向に回転すると、連結部材53を介して、図1中のY方向右向きに移動させられて所望の位置に位置決めされ、一方、駆動モータ54が他方向に回転すると、連結部材53を介して、図1中のY方向左向きに移動させられて昇降ユニット20の上方に位置決めされる。
【0030】
上記ブロック昇降ユニット20、ブロック把持ユニット30、シャフト回転ユニット40、ブロック移送ユニット50等により、シリンダブロックBを鉛直方向及び水平方向に移動させ又はクランクシャフトS回りに回転させて所定の位置に位置決めするブロック位置決め手段が構成されている。
【0031】
保持ユニット60は、図1及び図3に示すように、搬送ラインL2の下方に配置されており、下部フレーム12に固定されたベース61、空気圧あるいは油圧等により昇降する昇降コラム62、昇降コラム62に保持されX方向に伸長するレール63aをもつガイド部材63、ガイド部材63により移動自在に支持されると共にパレットP2を保持し得る可動保持部64、可動保持部64をX方向の所望の位置に適宜移動させて位置決めするアクチュエータ65等により形成されている。
【0032】
したがって、搬送ラインL2により、ピストンP及びコンロッドキャップCを載置したパレットP2が搬送されてきて、ストッパ機構(不図示)により所定の位置に停止すると、昇降コラム62が上昇して、可動保持部64がパレットP2を持ち上げて搬送ラインL2から切り離し、一方、昇降コラム62が下降することで、パレットP2を再び搬送ラインL2上に戻すようになっている。
【0033】
また、アクチュエータ65が作動することで、可動保持部64がX方向の所定位置に適宜移動させられて、組付けされるピストンP及びコンロッドキャップCが、ピストン把持ユニット70及びキャップ把持ユニット80により把持される位置に適宜位置決めされるようになっている。
尚、ピストンPには、一方の軸受メタル(不図示)を備えたコンロッドRが予め揺動自在に取り付けられており、コンロッドキャップCには、他方の軸受メタル(不図示)及び締結ボルトCBが予め取り付けられている。
【0034】
ピストン把持ユニット70は、図1、図4及び図5に示すように、Z方向に伸長する支持部71、支持部71に対してZ方向(鉛直方向)に可動に支持された可動アーム72、可動アーム72を所望の高さ位置(例えば、ピストンPの把持位置、挿入位置)に移動させて位置決めするアクチュエータ73、可動アーム72の下端部に配置された4つの把持片74、ピストンPを把持し又離脱するように把持片74を駆動するアクチュエータ75、検出器76等により形成されている。検出器76は、把持位置(閉位置)での間隔を測定するものであり、この間隔の測定結果により、リング溝からのピストンリングの脱落の有無を検出する。
尚、アクチュエータ73、75としては、駆動モータ及びリードスクリュー、空気圧あるいは油圧によるシリンダ駆動機構、電磁駆動機構等が用いられる。
【0035】
したがって、アクチュエータ73の一方向への作動により、可動アーム72が所定の高さまで下降すると、把持片74はパレットP2に載置されたピストンPの周りを取り囲むように位置決めされ、続いて、アクチュエータ75が作動して、図5(a)に示すように、把持片74がピストンリングをリング溝に押し込むようにしてピストンPを把持する。この際、検出器76がピストンリングの脱落を検出したときは、動作が一旦停止させられる。これにより、作業者は手直し作業を行なうことができる。その後、アクチュエータ73の逆向きへの作動により、可動アーム72は把持されたピストンPと共に所定の高さまで上昇する。
【0036】
キャップ把持ユニット80は、図1、図4及び図5に示すように、ピストン把持ユニット70を形成する可動アーム72の下端部において付設され、コンロッドキャップCを把持する一対の把持片81、一対の把持片81をお互いに近接及び離隔させるように駆動するアクチュエータ82等により形成されている。
尚、アクチュエータ82としては、空気圧あるいは油圧によるシリンダ機構、電磁駆動機構等が用いられる。
【0037】
したがって、ピストン把持ユニット70を形成するアクチュエータ73の一方向への作動により、可動アーム72が所定の高さまで下降すると、一対の把持片81はパレットP2に載置されたコンロッドキャップCの両側に位置決めされ、続いて、アクチュエータ82が作動することで、一対の把持片81がコンロッドキャップCを把持する。その後、アクチュエータ73の逆向きへの作動により、可動アーム72は把持されたコンロッドキャップCと共に所定の高さまで上昇する。
【0038】
移送ユニット90は、図2(b)及び図4に示すように、上部フレーム11(11a,11b)に跨設されてピストン把持ユニット70(及びキャップ把持ユニット80)を保持する可動ベース91、可動ベース91の下面に固定されLMレール13に摺動自在に連結されるLMブロック92、上部フレーム11a内に配置されたボールネジ93、ボールネジ93に連結されてその回転によりY方向に移動させられると共に他端部が可動ベース91に連結された連結部材94、ボールネジ93を回転させる駆動モータ95等により形成されている。
【0039】
したがって、ピストン把持ユニット70(及びキャップ把持ユニット80)、すなわちピストンP(コンロッドキャップC)は、駆動モータ95が一方向に回転すると、連結部材94を介して、図1中のY方向右向きに移動させられて所望の位置に位置決めされ、一方、駆動モータ95が他方向に回転すると、連結部材94を介して、図1中のY方向左向きに移動させられて保持ユニット60の上方に位置決めされる。
【0040】
上記保持ユニット60、ピストン把持ユニット70、及び移送ユニット90により、ブロック位置決め手段により位置決めされたシリンダブロックBに対してピストンPを挿入するべく、パレットP2上のピストンPを移動させて挿入位置に位置決めするピストン位置決め手段が構成されている。
【0041】
また、上記保持ユニット60、キャップ把持ユニット80、移送ユニット90により、シリンダブロックBに挿入されたピストンPのコンロッドRに対してコンロッドキャップCを締結するべく、パレットP2上のコンロッドキャップCを移動させて所定位置(後述する締結ユニット130のキャップ支持部133)に位置決めするキャップ位置決め手段が構成されている。
【0042】
押込みユニット110は、図6及び図7に示すように、上部フレーム11に跨設して固定された固定フレーム111、固定フレーム111の中央に配置されZ方向に伸長する支持部112、支持部112に対してZ方向(鉛直方向)に可動に支持されかつ下端部においてピストンPの上面に当接し得る押圧部113aを有する押込みロッド113、押込みロッド113(押圧部113a)を所望の高さ位置(例えば、押込み前の待機位置、芯合わせ時の下降停止位置)に移動させ又位置決めするアクチュエータ114等により形成されている。
尚、アクチュエータ114としては、駆動モータ及びリードスクリュー、空気圧あるいは油圧によるシリンダ駆動機構等が用いられる。
【0043】
したがって、予め、ブロック移送ユニット50及び移送ユニット90により、シリンダブロックB及びピストンPが所定位置に位置決めされた状態で、アクチュエータ114が一方向に作動すると、押込みロッド113(押圧部113a)が下降して、ピストンPをシリンダボア内に押し込むことにより挿入動作が行なわれる。
【0044】
押圧部113aは、図7に示すように、全体として略円柱状をなし、ピストンPに当接し得る拡径部113a´と、拡径部113a´の上方に位置する縮径部113a´´とにより形成されている。
そして、縮径部113a´´には、外周面から径方向外側に向かって出没自在に複数のチャック115、チャック115を出没駆動するアクチュエータ(不図示)が設けられている。この複数のチャック115は、ピストンPの押込み動作を行なう前に、後述するガイド筒104とシリンダボア(シリンダブロックB)との内周面に同時に当接して両者の芯合わせを行なうためのものである。
すなわち、上記アクチュエータ114及びアクチュエータ(不図示)により、チャック115を没入させてガイド筒104及びシリンダボアに亘る領域まで押圧部113aを下降させた後、チャック115を突出させて上記両者の芯合わせを行なう駆動機構が構成されている。
【0045】
ピストンガイドユニット100は、図7ないし図10に示すように、押込みユニット110の下方に配置されており、上部フレーム11に跨設して固定され下面においてX方向に伸長するLMレール101aをもつ固定プレート101、LMレール101aに摺動自在に連結されるLMブロック102aをもつ可動ベース102、可動ベース102をX方向の所定位置に移動させて位置決めするアクチュエータ103、可動ベース102に保持されそれぞれ異なる内径をもつ3つのガイド筒104(104a,104b,104c)、それぞれのガイド筒104に対応して上方に配置された3つのガイド片105(105a,105b,105c)、選択されたガイド筒104をシリンダブロックBの上面に押し付けるアクチュエータ106、ガイド筒104を直接保持する保持部材107等により形成されている。
【0046】
各々のガイド筒104は、図8及び図9に示すように、下方領域の内径D1が上方領域の内径D2よりも小さく絞られた略テーパ形状に、かつ、絞られた下方領域の内径D1が所定のシリンダボアの内径と同一寸法をなすように形成され、又、上端部には把持片74の進入を許容する4つの切り欠き部104´が形成されている。
【0047】
また、図8及び図9に示すように、保持部材107は、Z方向に伸長するLMガイド108(LMレール108a,LMブロック108b)を介して、Z方向に移動可能に支持されており、アクチュエータ106によりZ方向に移動させられる。さらに、各々のガイド筒104は、コイルバネ109を介して保持部材107に保持されており、シリンダブロックBの上端面に押し付けられた場合にZ方向に若干移動できるようになっている。
各々のガイド片105は、アクチュエータ(不図示)により開閉するように形成されており、ピストンPがこの領域に位置付けられた際に、図10に示すように、平行な閉位置に位置付けられてコンロッドRの揺動を規制するものである。
【0048】
上記可動ベース102、アクチュエータ103、LMガイド(LMレール101a、LMブロック102a)等により、複数のガイド筒104を適宜選択して切替えシリンダボアの上方に位置決めするガイド筒切替機構が構成されている。
また、アクチュエータ106により、ガイド筒104をシリンダブロックBの上端面に近接した非接触の位置に位置付ける第1駆動とガイド筒104をシリンダブロックBの上端面に密着させる第2駆動とを行なう二段階駆動機構が構成されている。尚、アクチュエータ106としては、空気圧あるいは油圧によるシリンダ駆動機構等が用いられる。
【0049】
上記ピストンガイドユニット100及び押込みユニット110の動作について、図11及び図12に基づき説明すると、先ず、図11(a)に示すように、アクチュエータ106の第1駆動により、ガイド筒104がシリンダブロックBの上端面に近接した非接触の位置に位置付けられる。
続いて、図11(b)に示すように、アクチュエータ114の駆動により、チャック115が没入した状態で押込みロッド113が下降し、その押圧部113aの外周面(特に、チャック115の略中央領域)が、ガイド筒104の内周面とシリンダボアの内周面との両方に亘って対向する位置に位置付けられる。
【0050】
続いて、図11(c)に示すように、アクチュエータ(不図示)の駆動により、チャック115が径方向の外側に向けて突出し、両方の内周面に当接する。これにより、ガイド筒104とシリンダボアとの芯合わせ(センタリング)が行なわれる。
【0051】
続いて、図11(d)に示すように、チャック115が当接して芯合わせを行なった状態で、アクチュエータ106の第2駆動により、保持部材107が下降して、ガイド筒104がシリンダブロックBの上端面に密着するように押し付けられる。
【0052】
その後、チャック115は没入させられ、アクチュエータ114の逆向きの駆動により、押し込みロッド113は上昇し、ガイド筒104から抜け出て待機位置に戻る。このように、アクチュエータ106が、第1駆動と第2駆動との二段階駆動を行なうことで、ガイド筒104は、円滑かつ確実に芯合わせが行なわれ、又、高精度に芯合わせされた状態で固定されることになる。
【0053】
続いて、ピストン把持ユニット70及び移送ユニット90により、ピストンPがガイド筒104の上方に位置決めされる。そして、図12(a)に示すように、アクチュエータ73の駆動により、把持片74の一部がガイド筒104に進入する所定位置まで可動アーム72が下降して停止する。
このとき、ガイド片105は、コンロッドRの揺動を一時的に規制するように作用した後、所定のタイミングで(後述するコンロッドガイドユニット120が上昇し、ガイドロッド124の先端部124aがネジ孔R1に入り込んでコンロッドRを位置決めした後)開いて後退する。その後、ピストンPは、所定の開放位置まで下降させられる。
【0054】
その後、把持片74が開いてピストンPを開放し、アクチュエータ73の逆向きの駆動により、可動アーム72は上昇して待機位置に停止する。このとき、把持片74がピストンリングを開放しても、ガイド筒104の内周面により所定以上の拡がりが規制されるため、ピストンリングはリング溝から離脱することなく、ガイド筒104の内周面に当接しつつリング溝内に保持されることになる。
【0055】
続いて、アクチュエータ114の駆動により、図12(b)に示すように、チャック115が没入した状態で押込みロッド113が再び下降して、押圧部113aがピストンPの上面に当接する。さらに続けて、押込みロッド113が下降することで、後述するコンロッドガイドユニット120の作用もあって、図12(c)に示すように、ピストンPはシリンダボア内に確実にかつ円滑に挿入されることになる。また同時に、挿入動作によって、ピストンP(コンロッドR)がクランクシャフトSに当接し停止した位置を検出することにより、コンロッドRに取り付けられている軸受メタルの有無を検出する。
【0056】
コンロッドガイドユニット120は、図1、図13及び図14に示すように、ピストンガイドユニット100及び押込みユニット110の下方領域に配置されており、下部フレーム12に跨設されてY方向に移動自在な可動ベース121、可動ベース121に固定されて鉛直方向に伸長する支持部122、支持部材122に対してLMガイド(LMブロック123a、LMレール123b)によりZ方向(鉛直方向)に昇降自在に支持された2本のガイドロッド124、ガイドロッド124と一体的に移動する可動ラック125、支持部材122に固定された固定ラック126、可動ラック125と固定ラック126の間に回動自在に配置されて両者に噛合する歯車127、歯車127を支持しZ方向に可動な可動部材128、可動部材128をZ方向の所定位置に昇降させると共に位置決めするアクチュエータ129等により形成されている。
【0057】
したがって、図13に示す状態から、アクチュエータ129の駆動により、可動部材128が上昇し始めると、歯車127が反時計回りに回転して、可動ラック125すなわちガイドロッド124が上昇し始める。そして、ガイドロッド124が所定位置まで上昇すると、その先端部124aがコンロッドRのネジ孔R1に入り込み、コンロッドRの揺動を規制することになる。
【0058】
そして、押込みユニット110によりピストンPが押し込まれる(押し下げられる)動作に追随して、ガイドロッド124はコンロッドRを案内しつつ下降する。これにより、コンロッドRの揺動が規制されてシリンダボアの内周面に接触するのを防止できる。
ピストンPの下降動作に対して、ガイドロッド124の下降動作を確実に追随させるために、アクチュエータ129は、ガイドロッド124がコンロッドRから抜け落ちるのを防止しつつも下降動作に対して抵抗力を及ぼすことなく可動部材128を下降させるように、すなわち、空気圧あるいは油圧等により駆動力が制御されるようになっている。
【0059】
締結ユニット130及び締結昇降ユニット140は、図14及び図15に示すように、コンロッドガイドユニット120の可動ベース121及び支持部材122に対して設けられている。
締結ユニット130は、LMガイド(LMレール131a,LMブロック131b)によりZ方向に移動自在となるように支持部材122に支持された可動フレーム132、可動フレーム132に保持されてコンロッドキャップCを支持するキャップ支持部133、締結ボルトCBに連結されて締結力を及ぼす2つの締結ソケット134、締結ソケット134を回転駆動するアクチュエータ135、軸受メタルの有無を検出する検出センサ136、アクチュエータ(エアシリンダ)137等により形成されている。
したがって、締結ボルトCBの締結動作前に、アクチュエータ137を上昇させてクランクシャフト(クランクピン)Sに当接させると、アクチュエータ137の上昇が停止する。
この停止した位置における検出センサ136のオン/オフによる判別で、軸受メタルの有無が検出される。そして、検出センサ136により軸受メタルが有ることを確認した後、締結ボルトCBの締結動作が行なわれる。
【0060】
締結昇降ユニット140は、一端部が支持部材122に連結され、他端部が可動フレーム132に連結されて、Z方向(鉛直方向)に可動フレーム132を移動させると共に位置決めするアクチュエータにより形成されている。尚、アクチュエータとしては、駆動モータ及びリードスクリュー、空気圧あるいは油圧によるシリンダ駆動機構、電磁駆動機構等が用いられる。
【0061】
移送ユニット150は、図1、図13及び図14に示すように、下部フレーム12に跨設して固定された固定ベース151、固定ベース151の上面に固定されてY方向に伸長するLMレール15、可動ベース121の下面に固定されLMレール15に摺動自在に連結されるLMブロック152、固定ベース151に設けられた連結部材153との間に作用して可動ベース121をY方向に移動させると共に所定の位置に位置決めするべく固定ベース151に設けられたアクチュエータ154等により形成されている。尚、アクチュエータ154としては、駆動モータ及びリードスクリュー、空気圧あるいは油圧によるシリンダ駆動機構、電磁駆動機構等が用いられる。
【0062】
したがって、アクチュエータ154の駆動により、可動ベース121がY方向に移動することで、コンロッドガイドユニット120と締結ユニット130及び締結昇降ユニット140とがY方向に一体的に移動させられ、所定の位置に位置付けられる。すなわち、コンロッドRをガイドする際には、可動ベース121が図1中のY方向左向きに移動させられてコンロッドガイドユニット120が押込みユニット110の下方に位置付けられ、一方、ピストンPの挿入完了後においてコンロッドキャップCを締結する際には、可動ベース121が図1中のY方向右向きに移動させられて締結ユニット130が押込みユニット110の下方に位置付けられる。
【0063】
このように、移送ユニット150は、コンロッドガイドユニット120をY方向(水平方向)に移動させて所定位置に位置決めする移送ユニットと、締結ユニット130及び締結昇降ユニット140をY方向(水平方向)に移動させて所定位置に位置決めする移送ユニットとの役割を兼ねるものである。このように、移送ユニットの共用化を行なうことで、構造を簡略化できる。
上記締結ユニット130、締結昇降ユニット140、移送ユニット150等により、コンロッドキャップCをコンロッドRに対して締結する締結手段が構成されている。
【0064】
次に、上記装置の全体の動作について、図16ないし図19を参照しつつ説明する。
先ず、図16(a)に示すように、搬送ラインL1により搬送されてきたパレットP1はブロック昇降ユニット20の位置にて停止させられると共に持ち上げられて、搬送ラインL1から切り離される。一方、搬送ラインL2により搬送されてきたパレットP2は保持ユニット60の位置にて停止させられると共に持ち上げられて、搬送ラインL2から切り離される。
【0065】
続いて、図16(b)に示すように、ブロック把持ユニット30がシリンダブロックBを把持し、ブロック昇降ユニット20は下降する。そして、ブロック把持ユニット30はシリンダブロックBを適宜クランクシャフトS回りに回転させて、ピストンPを挿入するシリンダボアが鉛直方向上向きとなるように方向付ける。また、これと同時に、シャフト回転ユニット40がクランクシャフトSを回転させて、ピストンPを挿入可能な待機状態にする。
【0066】
続いて、図16(c)に示すように、シリンダブロックBを把持したブロック把持ユニット30は、移送ユニット50によりY方向(右向き)移動させられて、押込みユニット110及びピストンガイドユニット100の下方領域にあるピストン挿入位置に位置決めされる。
その後、キャップ把持ユニット80は、可動アーム72の下降によりパレットP2の直上に位置付けられ、一対の把持片81が所定のコンロッドキャップCを把持する。
【0067】
続いて、図17(a)に示すように、キャップ把持ユニット80は、Z方向及びY方向に移動させられて、締結ユニット130のキャップ支持部133上にコンロッドキャップCを移載する。と同時に、ガイド筒切替機構にて予め選択されたガイド筒104が、ピストンガイドユニット100の第1駆動により、シリンダブロックBの上端面に近接した非接触の位置に位置付けられ、押込みユニット110の駆動により、チャック115がガイド筒104及びシリンダボアの内周面に亘る領域において突出し当接することで両者の芯合わせを行ない、さらに、ピストンガイドユニット100の第2駆動により、ガイド筒104がシリンダブロックBの上端面に密着させられて、芯合わせ(センタリング)が高精度に行なわれる。
【0068】
続いて、図17(b)に示すように、チャック115が没入した状態で、押込みユニット110の押込みロッド113が上昇して待機位置に戻る。また、ピストン把持ユニット70が作動して、把持片74がパレットP2上に移動し、所定のピストンPを把持する。
続いて、図17(c)に示すように、ピストンPを把持した状態で、ピストン把持ユニット70は、Z方向及びY方向(右向き)に移動して、ピストンPをガイド筒104の上方に位置決めする。
【0069】
続いて、図18(a)に示すように、押込みユニット110が作動して、押込みロッド113(押圧部113a)が、チャック115を没入させた状態でピストンPの上方近傍まで下降する。また、コンロッドガイドユニット120が作動して、ガイドロッド124がシリンダボア内の所定位置まで上昇する。続いて、ピストン把持ユニット70が作動して、ピストンPをガイド筒104内の挿入基準位置(ピストンリングがリング溝から外れない位置)まで挿入する。
このとき、コンロッドRはガイドロッド124に案内されて揺動が規制され、シリンダボア内周面への衝突が防止される。また、ピストンP及びコンロッドRが下降する際に、ガイドロッド124は抵抗することなく追随して下降する。
【0070】
続いて、図18(b)に示すように、ピストン把持ユニット70は、ピストンPを開放してY方向(左向き)に移動させられ、待機位置に戻る。続いて、押込みユニット110が作動して、ピストンPをシリンダボア内に押し込む(下降させる)と共に、ガイドロッド124はコンロッドRを案内しつつ下降する。そして、コンロッドRがクランクシャフトSのクランクピンに当接した時点で、ピストンPの挿入が完了する。
【0071】
続いて、図18(c)に示すように、コンロッドガイドユニット120は、ガイドロッド124を下降させて、コンロッドRから離脱し、待機位置に戻る。
続いて、図19(a)に示すように、移送ユニット150の駆動により、締結ユニット130がY方向(右向き)に移動させられて、コンロッドキャップCが締結する位置に位置決めされる(作業の切替動作が行なわれる)。
【0072】
そして、締結昇降ユニット140により、コンロッドキャップCがコンロッドRと対面する位置まで持ち上げられ、締結ユニット130(締結チャック134及びアクチュエータ135)により締結ボルトCBがねじ込まれて、コンロッドキャップCが締結される。これにより、シロンダブロックBへの一つのピストンPの組付けが完了する。尚、この締結動作の際に、押込みユニット110は上方からピストンPを押圧してピストンPを確実に位置決めしている。
【0073】
続いて、図19(b)に示すように、締結昇降ユニット140により、締結ユニット130は下降すると共に、移送ユニット150によりY方向(左向き)に移動させられて待機位置に戻る。また、ピストンガイドユニット100及び押込みユニット110はそれぞれ上昇して待機位置に戻る。
ここで、他のピストンPを組付ける場合は、ブロック把持ユニット30を挿入位置に位置付けた状態で、前述の図16(b)〜図19(b)に示す一連の動作が繰り返し行なわれる。
【0074】
そして、全ての組付けが完了すると、図19(b)に示すように、ブロック把持ユニット30は、移送ユニット50によりY方向(左向き)に移動させられて、ブロック昇降ユニット20上方の待機位置に戻る。続いて、図19(c)に示すように、ブロック把持ユニット30がシリンダブロックBを所定の向きに方向付けると共に、上昇したブロック昇降ユニット20にシリンダブロックBを移載し、その後、ブロック昇降ユニット20は、シリンダブロックBをパレットP1に戻す。これにより、ピストンPが組み付けられたシリンダブロックBは搬送ラインL1により下流側に搬送されることになる。
【0075】
尚、ここでは、一つのピストン組付け装置により、全てのピストンPを組付ける場合を示したが、搬送ラインL1、L2に対して、複数のピストン組付け装置を配置し、ピストンPの組付けを分担させることで、生産性を向上させることができる。
【0076】
図20及び図21は、本発明に係るピストン組付け装置の他の実施形態を示すものであり、前述の実施形態と同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。この装置は、ピストンP及びコンロッドキャップCを搬送するライン(前述の搬送ラインL2)がない搬送システムにおいて適用されるものである。
すなわち、この装置においては、図20に示すように、搬送ラインL1は、シリンダブロックBを載置するパレットP1´と、ピストンP及びコンロッドキャップCを載置した状態でパレットP1´に連結されたパレットP2´とを、一緒に搬送するようになっている。
【0077】
保持ユニット60´は、図20及び図21に示すように、搬送ラインL1に隣接した位置に配置され、前述の固定ベース151に設けられたLMレール15に摺動自在に連結されるLMブロック61a´をもつ可動ベース61´、パレットP2´を保持し得る可動保持部64´、空気圧あるいは油圧等により可動保持部64´をZ方向及びX方向に移動させて位置決めするアクチュエータ65´、前述の固定ベース151上に固定され可動ベース61´をY方向に移動させて位置決めするアクチュエータ66´等により形成されている。
【0078】
したがって、搬送ラインL1により、シリンダブロックBを載置したパレットP1´と一緒に、ピストンP及びコンロッドキャップCを載置したパレットP2´が搬送されてきて、ストッパ機構(不図示)により所定の位置に停止すると、アクチュエータ65´の作動により、可動保持部64´が上昇してパレットP2´を持ち上げてパレットP1´及び搬送ラインL1から切り離し、一方、可動保持部64´が下降することで、パレットP2´を再びパレットP1´に連結して搬送ラインL1上に戻すようになっている。
【0079】
また、アクチュエータ66´が作動することで、可動保持部64´がY方向の所定位置に移動させられて位置決めされ、又、アクチュエータ65´が可動保持部61´をX方向に適宜移動させることで、組付けされるピストンP及びコンロッドキャップCが、ピストン把持ユニット70及びキャップ把持ユニット80により把持される位置に適宜位置決めされるようになっている。
【0080】
この装置においては、ピストンP及びコンロッドキャップCを搬送するための専用の搬送ラインL2が不要であるため、搬送システムの簡略化が行なわれ、省スペース化に有利である。また、シリンダブロックBと組み付けられるピストンP及びコンロッドキャップCとの対応関係を、搬送される前の段階で予め確認できるため、誤組付け等を未然に防止することができ、生産性が向上する。
【0081】
以上述べた装置においては、ピストンP及びコンロッドキャップCの組付けを全て自動的に行なうため、作業者による手作業を省くことができ、生産コストの低減を行なえる。また、装置の稼働時間を調整するだけで、全体として生産性を向上させることができる。
さらに、ブロック把持ユニット30、ピストン把持ユニット70、キャップ把持ユニット80、ピストンガイドユニット100、押込みユニット110、コンロッドガイドユニット120、締結ユニット130等においては、全てZ方向(鉛直方向)及びY方向(水平方向)のみの二次元的な移動だけを行なわせるため、それぞれの位置決め等がより高精度になり、それ故に、ピストンP及びコンロッドキャップCを高精度に組付けることができる。
【0082】
上記実施形態においては、それぞれのユニットによる作業シーケンスとして一例を示したが、これに限定されるものではなく、その他の作業シーケンスを採用することができる。
また、上記実施形態においては、それぞれのユニットをZ方向(鉛直方向)及びY方向(水平方向)に移動可能としたが、これに限定されるものではなく、X方向に移動可能としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明に係るピストン自動組付け装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す装置を構成する一部のユニットを示すものであり、(a)はブロック把持ユニットを示す正面図、(b)はブロック移送ユニット等を示す側面図である。
【図3】ピストン及びコンロッドキャップの保持ユニットを示す斜視図である。
【図4】ピストン把持ユニット及びキャップ把持ユニットを示す正面図である。
【図5】(a)はピストン把持ユニットを示す平面図、(b)はピストン把持ユニット及びキャップ把持ユニットの一部を示す正面図である。
【図6】押込みユニットを示す側面図である。
【図7】押込みユニット及びピストンガイドユニットを示す正面図である。
【図8】ピストンガイドユニットを示す正面図である。
【図9】ガイド筒を示すものであり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図10】ガイド筒切替機構を示す平面図である。
【図11】ガイド筒の位置決め動作を示すものであり、(a),(b),(c),(d)はそれぞれの動作における状態図である。
【図12】ピストンの挿入動作を示すものであり、(a),(b),(c)はそれぞれの動作における状態図である。
【図13】コンロッドガイドユニット及び移送ユニットを示す側面図である。
【図14】コンロッドガイドユニット、締結ユニット、締結昇降ユニット、移送ユニットを示す正面図である。
【図15】(a),(b)は、それぞれ締結ユニットを示す拡大図である。
【図16】(a),(b),(c)は、ピストン組付け装置のそれぞれの動作を示す状態図である。
【図17】(a),(b),(c)は、ピストン組付け装置のそれぞれの動作を示す状態図である。
【図18】(a),(b),(c)は、ピストン組付け装置のそれぞれの動作を示す状態図である。
【図19】(a),(b),(c)は、ピストン組付け装置のそれぞれの動作を示す状態図である。
【図20】本発明に係るピストン自動組付け装置の他の実施形態を示す概略構成図である。
【図21】保持ユニットの他の実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0084】
10 ガントリーロボット
11 上部フレーム
12 下部フレーム
20 ブロック昇降ユニット(ブロック位置決め手段)
30 ブロック把持ユニット(ブロック位置決め手段)
40 シャフト回転ユニット(ブロック位置決め手段)
50 ブロック移送ユニット(ブロック位置決め手段)
60,60´ 保持ユニット(ピストン/キャップ位置決め手段)
70 ピストン把持ユニット(ピストン位置決め手段)
80 キャップ把持ユニット(キャップ位置決め手段)
90 移送ユニット(ピストン/キャップ位置決め手段)
100 ピストンガイドユニット(ピストン挿入手段)
104 ガイド筒
110 押込みユニット(ピストン挿入手段)
113a 押圧部
115 チャック
120 コンロッドガイドユニット
124 ガイドロッド
130 締結ユニット(締結手段)
140 締結昇降ユニット(締結手段)
150 移送ユニット(締結手段)
L1,L2 搬送ライン
B シリンダブロック
P ピストン
C コンロッドキャップ
R コンロッド
CB 締結ボルト

【出願人】 【識別番号】391032358
【氏名又は名称】平田機工株式会社
【出願日】 平成19年11月8日(2007.11.8)
【代理人】 【識別番号】100106312
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敬敏


【公開番号】 特開2008−49477(P2008−49477A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2007−291135(P2007−291135)