トップ :: B 処理操作 運輸 :: B23 工作機械;他に分類されない金属加工

【発明の名称】 位置決め装置、及び位置決め方法、並びにヘッドユニット組立装置、及びヘッドユニット組立方法
【発明者】 【氏名】白崎 享

【氏名】櫻田 淳

【氏名】牧野 徹

【氏名】星川 英樹

【氏名】佐藤 伸一郎

【要約】 【課題】係合ピンの位置のばらつきに起因する係合ピンの調整穴への押し付け力のばらつきを抑制することができる位置決め装置、及び位置決め方法、並びにヘッドユニット組立装置、及びヘッドユニット組立方法を提供する。

【構成】部材33に形成された凹部又は穴33a、33bの縁に円錐台形状のテーパ部121aを当接させた状態で凹部又は穴33a、33bに係合する調整ピン121と、調整ピン121が固定されており、部材33に対する離接方向に移動可能に形成されたピンユニット234と、を有し、調整ピン121が凹部又は穴33a、33bに係合した状態で、調整ピン121の凹部又は穴33a、33bに対する離接方向における、調整ピンのテーパ部121aを凹部又は穴33a、33bの縁に当接させる力は、ピンユニット234の重量に依る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレートの所定の位置に部材を位置決めする位置決め装置であって、
先端側に略円錐台形状のテーパ部を有し、前記部材に形成された凹部又は穴の縁に前記テーパ部を当接させた状態で前記凹部又は前記穴に係合する調整ピンと、
当該調整ピンが固定されており、前記部材に対する離接方向に移動可能に形成されたピンユニットと、
前記ピンユニットを前記部材に対する離接方向に移動させる離接機構と、
前記ピンユニットを前記プレートの前記部材を取付ける面に平行な方向に移動させる移動機構と、を有し、
前記調整ピンが前記凹部又は前記穴に係合した状態で、前記調整ピンの前記凹部又は前記穴に対する離接方向における、前記調整ピンのテーパ部を前記凹部又は前記穴の縁に当接させる力は、前記ピンユニットの重量に依ることを特徴とする位置決め装置。
【請求項2】
前記離接機構は、
前記ピンユニットに一体に形成された第一係合部と、
離接駆動源と、
当該離接駆動源によって前記離接方向に移動可能であって、前記第一係合部の前記部材に対して近接する方向への移動を規制すると共に、前記部材から離反する方向への移動を許容するように、前記第一係合部と係合する第二係合部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項3】
前記調整ピンと前記ピンユニットと前記離接機構との組を一対備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の位置決め装置。
【請求項4】
前記移動機構は、前記調整ピンを前記プレートの前記部材を取付ける面に平行な第一の方向に移動させる第一軸移動機構と、
前記調整ピンを前記プレートの前記部材を取付ける面に平行であって、前記第一の方向とは異なる第二の方向に移動させる第二軸移動機構と、
前記調整ピンを前記第一の方向および前記第二の方向に直交する第三の方向に延在するZ軸回りに回動させる回動機構と、を有することを特徴とする、請求項3に記載の位置決め装置。
【請求項5】
前記回動機構の回動中心は、2本の前記調整ピンの軸芯の中点であることを特徴とする、請求項4に記載の位置決め装置。
【請求項6】
前記ピンユニットに着脱可能な錘をさらに有することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の位置決め装置。
【請求項7】
前記プレートの所定の位置に位置決めされた前記部材を当該所定の位置で固定する固定装置をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の位置決め装置。
【請求項8】
プレートの所定の位置に部材を位置調整して位置決めする位置決め方法であって、
先端側に略円錐台形状のテーパ部を有する調整ピンを、前記部材に形成された凹部又は穴の縁に前記テーパ部を当接させた状態で前記凹部又は前記穴に係合させる係合ステップと、
前記調整ピンが固定されたピンユニットの重量に依って前記テーパ部を前記凹部又は前記穴の縁に押し付けることで、前記調整ピンと前記凹部又は前記穴との係合状態を維持すると共に、前記調整ピンを移動させることで、前記プレートの前記部材を取付ける面に平行な方向に前記部材を移動させる移動調整ステップと、を有することを特徴とする位置決め方法。
【請求項9】
前記調整ピンを2本用い、当該2本の調整ピンのそれぞれを個別にそれぞれの前記ピンユニットに固定し、前記テーパ部を前記凹部又は前記穴の縁に押し付けるための前記ピンユニットの重量に依る力を、当該2本の調整ピンのそれぞれに個別に印加することを特徴とする請求項8に記載の位置決め方法。
【請求項10】
前記移動調整ステップにおける移動方向は、前記プレートの前記部材を取付ける面に垂直な軸回りの回動方向を含み、前記2本の調整ピンの軸芯の中点を中心に前記部材を回動させることを特徴とする請求項8又は9に記載の位置決め方法。
【請求項11】
前記プレートがヘッドプレートであり、前記部材が液滴吐出ヘッドであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の位置決め装置。
【請求項12】
前記プレートがヘッドプレートであり、前記部材が液滴吐出ヘッドであることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか一項に記載の位置決め方法。
【請求項13】
複数の液滴吐出ヘッドがユニットプレートに固定されたヘッドユニットの前記複数の液滴吐出ヘッドのそれぞれを前記ユニットプレートの所定の位置に位置決めするヘッドユニット組立装置であって、
請求項11に記載の位置決め装置を備えることを特徴とするヘッドユニット組立装置。
【請求項14】
複数の液滴吐出ヘッドがユニットプレートに固定されたヘッドユニットの前記複数の液滴吐出ヘッドのそれぞれを前記ユニットプレートの所定の位置に位置決めして前記ヘッドユニットを形成するヘッドユニット組立方法であって、
請求項12に記載の位置決め方法を用いることを特徴とするヘッドユニット組立方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、部材をプレート上の所定の位置に位置決めする位置決め装置、及び位置決め方法、並びに、液滴を吐出するヘッドを有するヘッドユニットのユニットプレートの所定の位置にヘッドを位置決めするヘッドユニット組立装置、及びヘッドユニット組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カラー液晶装置のカラーフィルタ膜や有機エレクトロルミネセンス装置の発光膜などの機能膜を形成する技術として、液体を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドを有する液滴吐出装置を用いて、機能膜の材料を含む液状材料の液滴を吐出して基板上の任意の位置に着弾させ、着弾した液状材料を乾燥させて機能膜を形成する技術が知られている。このような膜形成に用いられる液滴吐出装置の液滴吐出ヘッドは、そのノズル列から微小な液滴を精度良く且つ選択的に吐出することができるため、液晶表示装置のカラーフィルタの製造などの他にも、各種の電子デバイスや光デバイス等の製造装置への応用も期待されている。
【0003】
このような応用技術を考慮すると、液滴吐出ヘッド自体の性能に加え、液滴吐出ヘッドの液滴吐出ノズルが基板の所望の位置に対向するように液滴吐出ヘッドと基板とを相対移動させる走査機構の位置精度や、その前提となる液滴吐出装置におけるノズル(ノズル列)の位置精度(組付精度)に、高い精度が要求される。また、吐出対象となる液体等によっては、液滴吐出ヘッドの寿命が短くなり、液滴吐出ヘッドの頻繁な交換も考慮する必要がある。特許文献1および特許文献2には、複数の液滴吐出ヘッドを、単一のキャリッジに安定に且つ精度良く組み付けることができるヘッドユニット組立装置および組立方法(ヘッドユニットの組立装置および組立方法、複数IJヘッド搭載サブキャリッジ組立機)が開示されている。液滴吐出ヘッドを高精度で位置調整するための構成としては、液滴吐出ヘッドを固定したプレートの調整穴に係合ピンを係合させて、係合ピンで液滴吐出ヘッドを動かす構成が開示されている。液滴吐出ヘッドを微少量移動させて正確に位置決めするためには、係合ピンが調整穴と隙間なく正確に係合することが必要であることから、係合ピンの先端に円錐台形状のテーパを形成して、当該テーパ部が調整穴の縁に当るように構成することで係合ピンが調整穴と隙間なく係合するようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2003―127392号公報
【特許文献2】特開2005―231305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、テーパ部を設けることにより、調整穴の穴径のばらつきなどに応じてテーパ部の調整穴の穴径と合致する部分が調整穴の縁に当接することから、調整穴の穴径のばらつきに関りなく確実に隙間なく係合させることができる反面、テーパ部の調整穴の縁に当接する軸方向の位置がばらつくことに起因して、調整穴に係合した状態の係合ピンの軸方向の位置にばらつきが発生していた。特許文献1に開示された装置のように、変位させることで力を発生させるばねのような弾性部材によって係合ピンと調整穴との係合力を得る構成では、係合ピンの軸方向の位置のばらつきに起因して、係合ピンと調整穴との係合力がばらつくという課題があった。係合ピンを介して液滴吐出ヘッドを固定したプレートを精度良く動かすためには、係合ピンを充分強い力でプレートに押し付けて、係合ピンと調整穴との係合を確実にすることが必要である。一方、係合ピンをプレートに押し付ける力によってプレートがキャリッジに強く押し付けられると動き難くなり、調整に要する力が大きくなる。即ち安定して動かすことが困難になる。従って、係合ピンをプレートに押し付ける力は、係合ピンと調整穴との係合が確実に得られると共に、プレートがキャリッジに押し付けられる力が過度にならないような力であることが必要であり、変動が少ないことが好ましい。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、係合ピンの位置のばらつきに起因する係合ピンの調整穴への押し付け力のばらつきを抑制することができる位置決め装置、及び位置決め方法、並びにヘッドユニット組立装置、及びヘッドユニット組立方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による位置決め装置は、プレートの所定の位置に部材を位置決めする位置決め装置であって、先端側に略円錐台形状のテーパ部を有し、部材に形成された凹部又は穴の縁にテーパ部を当接させた状態で凹部又は穴に係合する調整ピンと、当該調整ピンが固定されており、部材に対する離接方向に移動可能に形成されたピンユニットと、ピンユニットを部材に対する離接方向に移動させる離接機構と、ピンユニットをプレートの部材を取付ける面に平行な方向に移動させる移動機構と、を有し、調整ピンが凹部又は穴に係合した状態で、調整ピンの凹部又は穴に対する離接方向における、調整ピンのテーパ部を凹部又は穴の縁に当接させる力は、ピンユニットの重量に依ることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る位置決め装置によれば、ピンユニットの重量がかかることによって、調整ピンのテーパ部が凹部又は穴の縁に押圧される。ピンユニットの重量は、ピンユニットの位置に関りなく一定であることから、調整ピンの位置に影響されることなく、一定の荷重で調整ピンを凹部又は穴に押圧することができる。また、経時変化による重量の変動は実質的にないと言ってよい程度に微少であり、経時変化による弾性力の劣化が生ずる弾性部材などの付勢手段を用いる場合のような劣化に伴う荷重変化を抑制して、安定して一定の荷重で調整ピンを凹部又は穴に押圧することができる。さらに、重量は精密に調整できることから、適切な荷重を正確に実現することができる。
【0009】
本発明において、位置決め装置は、離接機構が、ピンユニットに一体に形成された第一係合部と、離接駆動源と、当該離接駆動源によって離接方向に移動可能であって、第一係合部の部材に対して近接する方向への移動を規制すると共に、部材から離反する方向への移動を許容するように、第一係合部と係合する第二係合部と、を有することが好ましい。
【0010】
この位置決め装置によれば、離接駆動源によって離接方向に移動可能な第二係合部が、ピンユニットと一体に形成された第一係合部と、第一係合部、即ちピンユニットが部材に対して近接する方向への移動を規制するように係合することから、離接駆動源によってピンユニットを部材に対して離反する方向に移動させることができる。また、第二係合部が、部材から離反する方向への移動を許容するように第一係合部と係合することから、第二係合部を部材に対して近接する方向に移動させることによって、調整ピンを凹部又は穴に係合させて、さらに第二係合部を部材に対して近接する方向に移動させることで、第二係合部と第一係合部との係合が解除される。これにより、ピンユニットは駆動源及び第二係合部によって支持されることなく、ピンユニットの重量によって調整ピンを凹部又は穴に押圧する状態にすることができる。
【0011】
本発明において、位置決め装置は、調整ピンとピンユニットと離接機構との組を一対備えることが好ましい。
【0012】
この位置決め装置によれば、一対の調整ピンによって、プレートの部材を取付ける面に平行な方向に移動させるための力を部材の2個所に印加することができる。これにより、プレートの部材を取付ける面に垂直な軸回りに部材を回動させる方向の力を、部材に印加することができる。
【0013】
本発明において、位置決め装置は、移動機構が、調整ピンをプレートの部材を取付ける面に平行な第一の方向に移動させる第一軸移動機構と、調整ピンをプレートの部材を取付ける面に平行であって、第一の方向とは異なる第二の方向に移動させる第二軸移動機構と、調整ピンを第一の方向および第二の方向に直交する第三の方向に延在するZ軸回りに回動させる回動機構と、を有することが好ましい。
【0014】
この位置決め装置によれば、第一軸移動機構と第二軸移動機構とによって部材を移動させることで、部材をプレート上の任意の位置に移動させることができる。回動機構によって部材を回動させることで、部材の平面方向の延在方向を任意の方向に調整することができる。これにより、部材がプレート上の所定の位置に所定の向きで位置するように調整することができる。
【0015】
本発明において、位置決め装置は、回動機構の回動中心が、2本の調整ピンの軸芯の中点であることが好ましい。
【0016】
この位置決め装置によれば、部材は2本の調整ピンの中心を軸に回動させられることから、回動させられることによる部材の第一および第二の方向の移動はほとんどない。したがって、回動に伴って発生する第一および第二の方向の移動の補正が不要であるため、部材の位置調整を効率良く実行することができる。
【0017】
本発明において、位置決め装置は、ピンユニットに着脱可能な錘をさらに有することが好ましい。
【0018】
この位置決め装置によれば、錘を交換することで、ピンユニットの重量を容易に変更することができる。これにより、調整ピンを凹部又は穴に押圧する荷重を容易に調整することができることから、適切な荷重を容易に実現することができる。
【0019】
本発明において、位置決め装置は、プレートの所定の位置に位置決めされた部材を当該所定の位置で固定する固定装置をさらに備えることが好ましい。
【0020】
この位置決め装置によれば、固定装置によって、所定の位置に適切に位置決めされた部材を当該位置に固定することができる。同一の位置決め装置において、部材の位置決め及び固定が実行されることから、位置決めされた状態から固定されるまでの時間経過及び空間移動量を少なくすることができるため、位置決めされた状態が固定されるまでに変化することを抑制して、プレートの所定の位置に適切に位置決めされた部材の位置精度を維持して固定することができる。
【0021】
本発明による位置決め方法は、プレートの所定の位置に部材を位置調整して位置決めする位置決め方法であって、先端側に略円錐台形状のテーパ部を有する調整ピンを、部材に形成された凹部又は穴の縁にテーパ部を当接させた状態で凹部又は穴に係合させる係合ステップと、調整ピンが固定されたピンユニットの重量に依ってテーパ部を凹部又は穴の縁に押し付けることで、調整ピンと凹部又は穴との係合状態を維持すると共に、調整ピンを移動させることで、プレートの部材を取付ける面に平行な方向に部材を移動させる移動調整ステップと、を有することを特徴とする。
【0022】
本発明に係る位置決め方法によれば、ピンユニットの重量によって、調整ピンのテーパ部が凹部又は穴の縁に押圧される。ピンユニットの重量は、ピンユニットの位置に関りなく一定であることから、調整ピンの位置に影響されることなく、一定の荷重で調整ピンを凹部又は穴に押圧することができる。また、経時変化による重量の変動は実質的にないと言ってよい程度に微少であり、経時変化による弾性力の劣化が生ずる弾性部材などの付勢手段を用いる場合に発生する可能性がある劣化に伴う荷重変化を抑制して、安定して一定の荷重で調整ピンを凹部又は穴に押圧することができる。さらに、重量は精密に調整できることから、適切な荷重を正確に実現することができる。
【0023】
本発明において、位置決め方法は、調整ピンを2本用い、当該2本の調整ピンのそれぞれを個別にそれぞれのピンユニットに固定し、テーパ部を凹部又は穴の縁に押し付けるためのピンユニットの重量に依る力を、当該2本の調整ピンのそれぞれに個別に印加することが好ましい。
【0024】
この位置決め方法によれば、それぞれの調整ピンには、他の調整ピンに関り無くピンユニットの重量に依る力が印加される。これにより、他の調整ピンの凹部又は穴との係合状態や位置などの影響をうけることなく、一定の荷重で調整ピンを凹部又は穴に押圧することができる力を、それぞれの調整ピンに印加することができる。
【0025】
本発明において、位置決め方法は、移動調整ステップにおける移動方向が、プレートの部材を取付ける面に垂直な軸回りの回動方向を含み、2本の調整ピンの軸芯の中点を中心に部材を回動させることが好ましい。
【0026】
この位置決め方法によれば、部材は2本の調整ピンの中心を軸に回動させられることから、回動させられることによる部材の第一および第二の方向の移動はほとんどない。したがって、回動に伴って第一および第二の方向の移動が発生する場合には必要な第一および第二の方向の補正のための調整が不要であるため、部材の位置調整を効率良く実行することができる。
【0027】
本発明において、位置決め装置は、プレートがヘッドプレートであり、部材が液滴吐出ヘッドであることが好ましい。
【0028】
この位置決め装置によれば、液滴吐出ヘッドの位置決めに際して、適切な荷重を正確に実現すると共に、位置の影響や経時変化を抑制して一定の荷重で調整ピンを凹部又は穴に押圧することができる。
【0029】
本発明において、位置決め方法は、プレートがヘッドプレートであり、部材が液滴吐出ヘッドであることが好ましい。
【0030】
このヘッド位置決め方法によれば、適切な荷重を正確に実現すると共に、位置の影響や経時変化を抑制して一定の荷重で調整ピンを凹部又は穴に押圧することができる。
【0031】
本発明によるヘッドユニット組立装置は、複数の液滴吐出ヘッドがユニットプレートに固定されたヘッドユニットの複数の液滴吐出ヘッドのそれぞれをユニットプレートの所定の位置に位置決めするヘッドユニット組立装置であって、上記した位置決め装置を備えることを特徴とする。
【0032】
本発明に係るヘッドユニット組立装置によれば、位置決め装置によって、液滴吐出ヘッドをユニットプレートの所定の位置に適切に位置決めすることができる。
【0033】
本発明によるヘッドユニット組立方法は、複数の液滴吐出ヘッドがユニットプレートに固定されたヘッドユニットの複数の液滴吐出ヘッドのそれぞれをユニットプレートの所定の位置に位置決めしてヘッドユニットを形成するヘッドユニット組立方法であって、上記した位置決め方法を用いることを特徴とする。
【0034】
本発明に係るヘッドユニット組立方法によれば、液滴吐出ヘッドをユニットプレートの所定の位置に適切に位置決めすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明に係る位置決め装置、及び位置決め方法、並びにヘドユニット組立装置、及びヘドユニット組立方法について、位置決め装置の一例であるヘッドユニット組立装置におけるヘッド位置調整装置の一実施形態について図面を参照して、説明する。
【0036】
(液滴吐出装置)
最初に、ヘッドユニット組立装置100(図7参照)のヘッド位置調整装置102(図8及び図9参照)を用いて液滴吐出ヘッド40(図2参照)の位置決めを実行したヘッドユニット30(図5参照)を搭載する液滴吐出装置1の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は液滴吐出装置の概略構成を示す外観斜視図である。
【0037】
図1に示すように、液滴吐出装置1は、液状体を液滴として吐出して着弾させる対象である基板Wを載置するための基板ステージ14と、基板ステージ14を主走査方向に移動させるX軸走査機構10と、を備えている。また、複数の液滴吐出ヘッド40(図2参照)を搭載するヘッドユニット30(図5参照)を有するキャリッジ22(図6参照)を備えるキャリッジユニット20と、キャリッジユニット20を副走査方向に移動させるY軸走査機構17と、を備えている。図1に矢印で示したように、主走査方向をX軸方向、主走査方向(X軸方向)に略直交する副走査方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向、Z軸方向回りの回動方向をθ方向と表記する。
【0038】
基板ステージ14は、基板Wを真空吸着して固定する吸着テーブルであり、ステージ回動機構16を介してX軸移動プレート12に、θ方向に回動可能に固定されている。X軸走査機構10は、X軸移動プレート12と、床上に設置されてX軸方向に延在しており、X軸移動プレート12をエアスライダ(図示省略)を介してX軸方向に移動させるリニアモータ11aを備えた一対のX軸ガイドレール11,11とを有している。一対のX軸ガイドレール11,11を挟むように、収容ボックス9が2個所配設されている。収容ボックス9内には、エアスライダに圧縮空気を供給するエアー供給手段の給気パイプや、X軸走査機構10に駆動信号などを送る信号ケーブルなどが収容されている。
【0039】
キャリッジユニット20は、キャリッジプレート21を備え、キャリッジ22がキャリッジプレート21にθ方向に回動可能に取付けられている。キャリッジプレート21は、一対のY軸ガイドレール18,18に差し渡されるようにして配置されている。差し渡されたキャリッジプレート21の上には、各液状体が貯留されたタンクから配管を経由して送り込まれた液状体を所定量貯留して、各液滴吐出ヘッド40に液状体を供給する液状体供給ユニット23と、各液滴吐出ヘッド40を駆動するための電気信号を供給するヘッド用電装ユニット24とが、載置されている。
【0040】
Y軸走査機構17は、10基のキャリッジユニット20をエアスライダ(図示省略)を介してY軸方向に移動させるリニアモータ18aを備えた一対のY軸ガイドレール18,18を有している。10基のキャリッジユニット20はそれぞれ個別にY軸方向に移動可能である。一対のY軸ガイドレール18,18は、床上に間隔を置いて立脚した6本の支持スタンド19上に、X軸走査機構10を跨ぐように配設されている。
【0041】
一対のY軸ガイドレール18,18の間には、キャリッジ22(ヘッドユニット30)に搭載された複数の液滴吐出ヘッド40のノズルの目詰まりの解消、ノズル面の異物や汚れの除去などのメンテナンスを行うメンテナンスユニット26が、複数の液滴吐出ヘッド40を臨む位置に配設されている。
【0042】
(液滴吐出ヘッド)
次に、図2を参照して液滴吐出ヘッド40について説明する。図2は、液滴吐出ヘッドをノズル形成プレート側から見た外観斜視図である。この液滴吐出ヘッド40は、いわゆる2連のものであり、2本の接続針46,46を有する液体導入部45と、液体導入部45の側方に連なる2連のヘッド基板47と、液体導入部45に連なる2連のポンプ部48と、ポンプ部48に連なるノズル形成プレート41とを備えている。液体導入部45には、配管接続部材が接続され、ヘッド基板47には、フレキシブルフラットケーブルが接続される。一方、このポンプ部48とノズル形成プレート41とにより、方形のヘッド本体40Aが構成されている。
【0043】
ポンプ部48の基部側、すなわちヘッド本体40Aの基部側は、液体導入部45を受けるべく方形フランジ状にフランジ部44が形成されている。このフランジ部44には、液滴吐出ヘッド40を副ヘッド保持部材33(図3参照)に固定する小ねじ用のねじ孔(雌ねじ)49が一対形成されている。この一対のねじ孔49,49は、両長辺部分に位置し、且つノズル形成面41aの中心に対し点対称となるように配設されている。詳細は後述するが、副ヘッド保持部材33を貫通してねじ孔49に螺合したヘッド止めねじ37により、液滴吐出ヘッド40が副ヘッド保持部材33に固定される(図3参照)。
【0044】
ノズル形成プレート41のノズル形成面41aには、ノズル形成プレート41に形成されており液滴を吐出する吐出ノズル42から成る2本のノズル列43,43が形成されている。2本のノズル列43,43は相互に平行に列設されており、各ノズル列43は、等ピッチで並べた180個(図示では模式的に表している)の吐出ノズル42で構成されている。すなわち、ヘッド本体40Aのノズル形成面41aには、その中心線を挟んで2本のノズル列43,43が対称に配設されている。
【0045】
(液滴吐出ヘッドの取付)
次に、液滴吐出ヘッド40のユニットプレート51への取付構造について、図3を参照して説明する。図3は、液滴吐出ヘッドのユニットプレートへの取付構造を示す図である。図3(a)は、ユニットプレートに取付けられた液滴吐出ヘッドをノズルプレート側からみた平面図であり、図3(b)は、図3(a)にA−Aで示した断面の断面図である。
【0046】
図3(a)及び(b)に示すように、ユニットプレート51にはヘッド開口51aが形成されており、主ヘッド保持部材32がヘッド開口51aを略覆うように、ユニットプレート51に固定されている。主ヘッド保持部材32は、主ヘッド保持部材32に形成された孔を貫通してユニットプレート51に形成されたねじ孔に螺合した3本の保持部材ねじ38により、ユニットプレート51に固定されている。(以降、主ヘッド保持部材32がセットされた側を「裏面側」と表記し、反対側を「表面側」と表記する。)
【0047】
主ヘッド保持部材32にはフランジ開口32aが形成されており、副ヘッド保持部材33は、その長辺方向の両端部でフランジ開口32aを跨ぐようにして、主ヘッド保持部材32の裏面側に固定されている。副ヘッド保持部材33は、副ヘッド保持部材33に形成された孔を貫通して主ヘッド保持部材32に形成されたねじ孔に螺合した2本の保持部材ねじ38により、主ヘッド保持部材32に固定されている。
【0048】
副ヘッド保持部材33は、ステンレス等で構成されており、略長方形の平板状に形成されている。副ヘッド保持部材33には、その中央に液滴吐出ヘッド40のヘッド本体40Aが挿通する方形のヘッド本体開口33dが形成されている。上記したように、副ヘッド保持部材33は、フランジ開口32aを跨ぐようにして主ヘッド保持部材32の裏面側にセットされている。これに対し液滴吐出ヘッド40は、そのヘッド本体40Aをヘッド本体開口33dに挿通してヘッド本体40Aを副ヘッド保持部材33の裏面側に突出させるようにして、主ヘッド保持部材32の表面側からセットされている。液滴吐出ヘッド40は、副ヘッド保持部材33に形成された孔を貫通してフランジ部44に形成された一対のねじ孔49,49にそれぞれ螺合した2本のヘッド止めねじ37,37により、副ヘッド保持部材33に固定されている。
【0049】
副ヘッド保持部材33のヘッド本体開口33dの周囲には、上記した一対のねじ孔49,49に対応する2つの貫通孔、及びヘッド本体開口33dの中心線上において第一調整穴33aと第二調整穴33bとが形成されている。第一調整穴33a及び第二調整穴33bは、後述するヘッドユニット組立装置100(図7参照)における位置補正用の調整ピン121(図8又は図9参照)が係合される部位である。この場合、一対の調整ピン121,121の係合が無理なく為されるように、第一調整穴33aが円形に、第二調整穴33bが上記中心線方向に長い長円形に形成されている。
【0050】
また、ヘッド本体開口33dの中心線上において、第一調整穴33a及び第二調整穴33bのヘッド本体開口33dの反対側には2つの接着剤孔33cが、ヘッド本体開口33dに関して略対称位置に形成されている。各接着剤孔33cは副ヘッド保持部材33の横断方向に延びる長孔となっている。接着剤孔33cに接着剤を注入して、当該接着剤(図示省略)によって副ヘッド保持部材33を主ヘッド保持部材32に接着固定する。
【0051】
なお、液滴吐出ヘッド40がヘッド止めねじ37により副ヘッド保持部材33に固定されており、副ヘッド保持部材33の保持部材ねじ38および接着剤による主ヘッド保持部材32への固定がなされていない状態では、液滴吐出ヘッド40は、ユニットプレート51に対して、フランジ部44とフランジ開口32aとの隙間分、またはヘッド基板47とヘッド開口51aとの隙間分だけ移動可能に、固定された状態となる。本実施形態では、このような状態を「仮装着」状態と表記する。副ヘッド保持部材33及びヘッド基板47はフランジ開口32aの開口より大きいため、仮装着状態の液滴吐出ヘッド40(液滴吐出ヘッド40が主ヘッド保持部材32を挟んで副ヘッド保持部材33に固定された液滴吐出ヘッド40と副ヘッド保持部材33との組)が主ヘッド保持部材32から脱落することはない。液滴吐出ヘッド40のユニットプレート51への組み付けは、液滴吐出ヘッド40を仮装着し、次に仮装着状態の液滴吐出ヘッド40の位置調整を行った後に、副ヘッド保持部材33の主ヘッド保持部材32への接着剤による接着固定、及び保持部材ねじ38によるねじ固定を行うことで実行される。
【0052】
(基準ピン)
次に、液滴吐出ヘッド40のユニットプレート51上の位置を規定する際の基準となる基準ピン54について、図4を参照して説明する。一対の基準ピン54,54(図5参照)は、ヘッドユニット30が取付けられたキャリッジユニット20を液滴吐出装置1に取付ける際にθ方向に位置決め(位置認識)するための基準としても用いられる。また、ヘッドユニット30(ユニットプレート51)をヘッドユニット組立装置100(図7参照)に取付ける際にθ方向に位置決めするための基準としても用いられる。一対の基準ピン54,54のユニットプレート51上の配置位置については後述する。
【0053】
図4(a)は、基準ピンを基準マーク孔側から見た平面図であり、図4(b)は、基準ピンの側面図である。図4に示すように、各基準ピン54は、円柱状のピン本体と、ピン本体の先端面57の中央部に形成した凹状、具体的には孔状の基準マーク孔56とで構成されている。ピン本体は、ユニットプレート51に圧入するための基部圧入部54bと、基部圧入部54bに連なる胴部54aと、胴部54aの先端に突出形成したマーク形成部54cとから成り、このマーク形成部54cの先端面57に基準マーク孔56が形成されている。
【0054】
先端面57は鏡面加工されており、この先端面57の中心位置に基準マーク孔56となる小孔が穿孔されている。小孔(基準マーク孔56)は、例えば直径0.3mm程度のものであり、基部圧入部54bから胴部54aにかけてその軸心部分に形成した軸心孔に連通している。なお、基準ピン54は、断面を円形状として説明したが、楕円状でも、多角形状でも構わない。さらに、小孔の基準マーク孔56も、小孔に限定されるものではなく、充分なコントラストが得られるような溝を持つ凹形状であればよく、その凹の平面形状も円形に限定されるものではない。
【0055】
このように形成された基準ピン54は、ユニットプレート51に形成した取付用の孔部分に基部圧入部54bを打ち込むようにして圧入される。ユニットプレート51に圧入された基準ピン54は、先端面57の高さが、ユニットプレート51に取付けられた液滴吐出ヘッド40のノズル形成面41a(図2又は図3参照)と略同一高さとなるように、ユニットプレート51の裏面側から突出している。すなわち、基準ピン54の画像認識面となる先端面57と、液滴吐出ヘッド40の画像認識面となるノズル形成面41aとが、略同一平面内に位置するようになっている。
【0056】
(ヘッドユニット)
次に、図5を参照してヘッドユニット30の全体構成について説明する。図5は、ヘッドユニットの外観斜視図である。図3を参照して説明したように、ヘッドユニット30のユニットプレート51には、主ヘッド保持部材32及び副ヘッド保持部材33を介して液滴吐出ヘッド40が取付けられている。図5に示すように、1基のヘッドユニット30は、12個の液滴吐出ヘッド40を備えている。ユニットプレート51には、基準マーク孔56(図4参照)が形成された一対の基準ピン54,54が固定されており、12個の液滴吐出ヘッド40はそれぞれ基準ピン54に形成された基準マーク孔56を基準として、適切な位置に位置決めして固定されている。一対の基準マーク孔56,56は、X軸方向に延在する直線上に配置されている。
【0057】
ユニットプレート51には、また、第一位置規制孔52aと、第二位置規制孔52bと、4箇所のユニット固定孔53とが形成されている。第一位置規制孔52a及び第二位置規制孔52bは、ヘッドユニット30をキャリッジ枠62(図6参照)に取付ける際の位置決め用として用いられる。4箇所のユニット固定孔53は、ヘッドユニット30をキャリッジ枠62に固定するねじが貫通する孔である。図5に示したX軸、Y軸、Z軸は、図1に示したX軸、Y軸、Z軸と同一である。即ち、ヘッドユニット30が液滴吐出装置1に取付けられた状態では、液滴吐出ヘッド40に形成されたノズル列43(図2参照)は、Y軸方向に延在する構成になっている。
【0058】
(キャリッジ)
次に、キャリッジ22の全体構成について、図6を参照して説明する。図6は、ヘッドプレート側から見たキャリッジの外観斜視図である。図5を参照して説明したように、ヘッドユニット30のユニットプレート51には、第一位置規制孔52a及び第二位置規制孔52bと、ユニット固定孔53とが形成されている。図6に示すように、ヘッドユニット30は、キャリッジ枠62に設けられた位置規制ピン63をユニットプレート51に形成された第一位置規制孔52a及び第二位置規制孔52bに嵌入させることで、キャリッジ枠62に対して位置決めされている。位置決めされたヘッドユニット30は、ユニットプレート51に形成されたユニット固定孔53を貫通してキャリッジ枠62に形成されたねじ孔64に螺合した4本のユニット固定ねじ68,68,68,68により、キャリッジ枠62に固定されている。液状体供給ユニット23(図1参照)に貯留された液状体は、図示省略した給液管及びバルブを経由して液滴吐出ヘッド40に供給される。ヘッド用電装ユニット24(図1参照)から供給される電気信号は、IF基板69で中継されて、図示省略した配線ケーブルを経由して液滴吐出ヘッド40に供給される。
【0059】
上述したように、キャリッジ22はキャリッジプレート21(図1参照)にθ方向(Z軸回り方向)に回動可能に取付けられる。キャリッジプレート21に取付けられたキャリッジ22をθ方向に回動させて、図6に示したX軸、Y軸方向を、図1に示したX軸、Y軸方向に一致させることで、液滴吐出ヘッド40に形成されたノズル列43の延在方向をY軸方向に一致させる。
【0060】
(ヘッドユニット組立装置)
次に、ヘッドユニット30を組立てるヘッドユニット組立装置100について、図7を参照して説明する。ヘッドユニット組立装置100は、上記したヘッドユニット30を組立対象物とし、ユニットプレート51に仮装着した12個の液滴吐出ヘッド40をそれぞれ精度良く位置決めして接着(一次固定)するものである。液滴吐出ヘッド40が部材に相当し、ユニットプレート51がプレートに相当する。なお、このヘッドユニット組立装置100で、液滴吐出ヘッド40を一次固定したヘッドユニット30は、保持部材ねじ38を用いてさらに固定する二次固定工程及び洗浄工程を経て、キャリッジ枠62にセットされる。
【0061】
図7は、ヘッドユニット組立装置の構成を示す模式図である。図7に示すように、ヘッドユニット組立装置100は、ユニット移動装置101、ヘッド位置調整装置102、接着固定装置(図示省略)、及び認識装置104を備えている。ユニット移動装置101は、ヘッドユニット30を搭載し、これをX軸及びY軸に平行な平面内においてX軸方向、Y軸方向、θ方向に移動させる。ヘッド位置調整装置102は、ユニットプレート51に仮装着されている各液滴吐出ヘッド40の位置を適切な位置に合わせ込む位置補正を行う。接着固定装置は、接着剤孔33c(図3参照)に流入させるように接着剤を供給して、ユニットプレート51に対して位置補正された各液滴吐出ヘッド40を、当該位置に一次固定(接着固定)する。認識装置104は、液滴吐出ヘッド40の位置補正に先立ってユニットプレート51及び各液滴吐出ヘッド40を位置認識する。また、ヘッドユニット組立装置100は、これらユニット移動装置101、ヘッド位置調整装置102、接着固定装置、及び認識装置104を統括制御する制御装置(図示省略)を備えている。ユニット移動装置101、ヘッド位置調整装置102、接着固定装置、及び認識装置104は、機台106の上の、または機台106の上に設置された支持スタンド116に支持され設置されている。ヘッド位置調整装置102またはヘッド位置調整装置102と接着固定装置とが、位置決め装置またはヘッド位置決め装置に相当する。接着固定装置が、固定装置に相当する。
【0062】
ユニット移動装置101は、組立対象物であるヘッドユニット30を載置して保持する保持テーブル110と、保持テーブル110が固定されており、保持テーブル110をθ方向に回動することで保持テーブル110に載置されたヘッドユニット30をθ方向に回動するユニット回動機構109とを備えている。ユニット移動装置101は、また、ユニット回動機構109をX軸方向に移動することでヘッドユニット30をX軸方向に移動するX軸移動機構107と、ユニット回動機構109をY軸方向に移動することでヘッドユニット30をY軸方向に移動するY軸移動機構108とを備えている。
【0063】
Y軸移動機構108は、Y軸移動プレート117と、機台106の上にY軸方向に延在するように設けられており、Y軸移動プレート117をエアスライダ(図示省略)を介してY軸方向に移動させるリニアモータ118aをそれぞれ備えた一対のY軸レール118,118と、を有している。X軸移動機構107は、X軸移動プレート112と、Y軸移動プレート117の上にX軸方向に延在するように設けられており、X軸移動プレート112をエアスライダ(図示省略)を介してX軸方向に移動させるリニアモータ111aをそれぞれ備えた一対のX軸レール111,111と、を有している。ユニット回動機構109は、X軸移動プレート112に固定された固定プレート119aと、図示省略した回動モータを介して固定プレート119aにθ方向に回動可能に支持されている回動プレート119bとを有している。保持テーブル110は、回動プレート119bに固定されている。
【0064】
保持テーブル110には、保持テーブル110に固定されるユニットプレート51が当接する部分である略長方形のユニット受部162が2個所形成されている。2個所のユニット受部162,162は、X軸及びY軸に略平行な平面であって、Z軸方向の位置が略同一の平面である。ユニット受部162の中央付近には位置規制ピン163が立設されている。1個所のユニット受部162には、ねじ孔164が2個所形成されている。ユニット受部162の両側には、マスク受部161が形成されている。マスク受部161は、ユニット受部162より高くなっている。
【0065】
認識装置104は、ヘッドなどの画像を認識するためのカメラ143及びレンズ144と、対象物を照明するための照明装置146と、カメラ143及びレンズ144をZ軸方向に移動してピント調節を行うためのカメラ上下機構147及びカメラ上下モータ148と、を有している。認識装置104は、カメラ143、レンズ144、照明装置146、カメラ上下機構147、及びカメラ上下モータ148の組を一対備えている。認識装置104は、レンズ144が保持テーブル110上に載置されたヘッドユニット30に対向できるように、支持スタンド116に支持されている。
【0066】
(ヘッド位置調整装置)
次に、ヘッド位置調整装置102について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、ヘッド位置調整装置の調整ピンおよび調整ピン上下機構を示す斜視図である。図8に示すように、ヘッド位置調整装置102は、一対の調整ピン121,121を有している。一対の調整ピン121,121は、副ヘッド保持部材33に形成された第一調整穴33aと第二調整穴33bとに係合して、ユニットプレート51に仮装着された液滴吐出ヘッド40を適切な位置に位置決めするために微少移動させる力を副ヘッド保持部材33に印加する。
【0067】
調整ピン121は、ピンプレート221に立設されている。スライドプレート222は、Z軸方向に延在する一対のステージ取付部222a,222aが、図8のZ軸方向の下端でピン取付部222bで結合されたような略U字形状をしている。ピンプレート221は、調整ピン121がZ軸方向を向くように、スライドプレート222のZ軸方向の下端のピン取付部222bにおいてスライドプレート222のZ軸方向の下端に固定されている。ピンプレート221に立設された調整ピン121の先端は、副ヘッド保持部材33に形成された第一調整穴33aと第二調整穴33bとの穴径に対し基端側が太径に先端側が細径に形成された円錐台形状のテーパ部121aが形成されている。調整ピン121は、テーパ部121aが第一調整穴33aと第二調整穴33bとの縁に当接する状態で、第一調整穴33a又は第二調整穴33bと係合する。ステージ取付部222aには、調整ピン121を第一調整穴33a又は第二調整穴33bの縁に当接させる力を調節するための荷重錘223が、着脱可能に固定されている。ステージ取付部222aの図8のZ軸方向の上端には、略U字形状の開口側に張出したプレート係合突起222cが形成されている。
【0068】
一対のステージ取付部222a,222aのそれぞれには、固定ステージ224aとの組でスライドステージ224を構成する可動ステージ224bが、Z軸方向に延在するようにそれぞれ固定されている。一対の固定ステージ224a,224aは、それぞれステージ台226を介して支持板231に固定されている。可動ステージ224bは、支持板231に固定された固定ステージ224aに対してZ軸方向に摺動自在に係合している。固定ステージ224aと可動ステージ224bとの係合部は隙間がほとんど無いように精密に加工されており、可動ステージ224bは固定ステージ224aに対してZ軸方向以外は略固定されている。支持板231は支持アーム232に固定されており、支持アーム232は、後述する回動アーム249b(図9参照)に固定されている。
【0069】
調整ピン121と、ピンプレート221と、スライドプレート222と、荷重錘223と、一対の可動ステージ224bとの組を、スライドユニット234と表記する。スライドユニット234は、可動ステージ224bが固定ステージ224aに対してZ軸方向に摺動自在に係合していることで、支持板231にZ軸方向に摺動自在に固定されている。支持板231には、一対のスライドユニット234が、それぞれZ軸方向に摺動自在に固定されている。スライドユニット234が、ピンユニットに相当する。
【0070】
支持板231には、また、エアシリンダ228が、スライドユニット234に対応して、スライドユニット234の調整ピン121とは反対側、即ち図8のZ軸方向上側に固定されている。スライド軸229は、エアシリンダ228に嵌入しており、エアシリンダ228によって、Z軸方向に上昇端位置から下降端位置の間で摺動自在、且つ上昇端位置および下降端位置において保持可能に支持されている。スライド軸229は、エアシリンダ228からZ軸方向の下方のスライドユニット234に延びており、先端には、フランジ形状に張出した軸係合端突起229aが形成されている。軸係合端突起229aのZ軸方向上面である軸突起上面229bと、プレート係合突起222cのZ軸方向下面である係合突起下面222dと、が当接する状態で、スライドユニット234がスライド軸229に係止されることで、スライドユニット234のZ軸方向下方への移動が規制されている。軸係合端突起229aが、第二係合部に相当し、プレート係合突起222cが、第一係合部に相当する。
【0071】
エアシリンダ228と、スライド軸229と、スライドステージ224との組を、調整ピン昇降機構227と表記する。調整ピン昇降機構227とプレート係合突起222cとが、離接機構に相当する。スライドユニット234と、調整ピン昇降機構227と、ステージ台226と、支持板231と、支持アーム232と、を総称して、アームユニット230と表記する。
【0072】
図8に示したスライドユニット234は、調整ピン121が二点鎖線で示した副ヘッド保持部材33に形成された第一調整穴33a又は第二調整穴33bに係合することで、図8に示した位置に停止している。スライド軸229は、下降端位置にあり、軸突起上面229bと、係合突起下面222dとは離反している。調整ピン121が第一調整穴33a又は第二調整穴33bを押圧する荷重は、スライドユニット234の重量である。スライド軸229がエアシリンダ228によって図8に示した下降端位置から上昇端位置に移動されると、軸突起上面229bと、係合突起下面222dとが当接して、スライドユニット234は持ち上げられ、調整ピン121が第一調整穴33a又は第二調整穴33bから抜かれて、係合が解除される。
【0073】
次に、アームユニット230をX軸およびY軸に平行な平面方向に移動させるアームユニット移動機構240について説明する。ヘッド位置調整装置102は、アームユニット230と、アームユニット移動機構240と、を備えている。図9は、アームユニット移動機構の概要を示す斜視図である。図9に示すように、アームユニット移動機構240は、支持スタンド116(図7参照)に固定された補正装置台243の上に構成されており、調整X軸機構237、調整Y軸機構238、および調整回動機構239、を備えている。アームユニット移動機構240が、移動機構に相当する。
【0074】
調整回動機構239は、アームユニット230をθ方向に回動する。調整Y軸機構238は、調整回動機構239をY軸方向に移動することでアームユニット230の調整ピン121をY軸方向に移動する。調整X軸機構237は、調整回動機構239をX軸方向に移動することでアームユニット230の調整ピン121をX軸方向に移動する。調整回動機構239が、回動機構に相当し、調整Y軸機構238が、第一軸移動機構または第二軸移動機構に相当し、調整X軸機構237が、第一軸移動機構または第二軸移動機構に相当する。
【0075】
調整X軸機構237は、X軸移動プレート242と、補正装置台243の上にX軸方向に延在するように設けられており、X軸移動プレート242をエアスライダ(図示省略)を介してY軸方向に移動させるリニアモータ241aを備えた一対のX軸レール241,241とを有している。調整Y軸機構238は、Y軸移動プレート247と、X軸移動プレート242の上にY軸方向に延在するように設けられており、Y軸移動プレート247をエアスライダ(図示省略)を介してY軸方向に移動させるリニアモータ248aを備えた一対のY軸レール248,248とを有している。調整回動機構239は、Y軸移動プレート247に固定された補正用固定プレート249aと、図示省略した回動モータを介して補正用固定プレート249aにθ方向に回動可能に支持されている回動アーム249bとを有している。上述したように、アームユニット230が回動アーム249bに固定されている。回動アーム249bは、図9に一点鎖線で示した回動軸121Gを回動中心軸として回動する。回動軸121Gは、Z軸に平行な軸である。アームユニット230は、一対の調整ピン121,121のそれぞれの軸が回動軸121Gに平行であり、回動軸121Gに関して対称な位置に位置するように、回動アーム249bに固定されている。
【0076】
(ヘッドユニット組立方法)
次に、ヘッドユニット30を組立てるヘッドユニット組立装置100による組立方法について、図10を参照して詳細に説明する。図10は、ヘッドユニット組立装置によるヘッドユニットの組立過程を示すフローチャートである。
【0077】
作業の実行に先立ち、保持テーブル110にアライメントマスクを導入し、認識装置104によりアライメントマスクの基準マークを画像認識する。基準マークは、基準ピン54に形成された基準マーク孔56(図4参照)の位置、及び基準マーク孔56を基準とした各液滴吐出ヘッド40の位置すべき基準位置を、印したものである。ヘッドユニット組立装置100は、画像認識した基準位置データを記憶し、この基準位置データ(マスタデータ)に基づいて各液滴吐出ヘッド40の位置補正が行われる。なお、アライメントマスクは、新規のヘッドユニット30の導入組立時はもとより、同一のヘッドユニット30であっても、その組立個数や稼動時間に基づいて、定期的に導入される。もちろん、その際に基準位置データはリセットされる。
【0078】
ヘッドユニット組立装置100には、液滴吐出ヘッド40が仮装着されたヘッドユニット30がセットされる。ヘッドユニット30は、各液滴吐出ヘッド40のヘッド本体40Aを上向きにして保持テーブル110の上面にセットされる。ヘッドユニット30が保持テーブル110の上面にセットされて、ヘッドユニット組立装置100による液滴吐出ヘッド40の位置調整であるヘッドユニット30の組立工程を開始する。
【0079】
図10のステップS1では、認識装置104によって一対の基準ピン54,54の一方の基準ピン54に形成された基準マーク孔56を認識することで、基準マーク孔56の位置を検出する。
【0080】
次に、ステップS2では、認識装置104が一対の基準ピン54,54の他方の基準ピン54に形成された基準マーク孔56を認識できるようにするために、他方の基準ピン54が認識装置104に臨む位置になるように、X軸移動機構107によって、保持テーブル110にセットされているヘッドユニット30をX軸方向に移動させる。
【0081】
次に、ステップS3では、認識装置104が一対の基準ピン54,54の他方の基準ピン54に形成された基準マーク孔56を認識することで、もう一方の基準マーク孔56の位置を検出する。
【0082】
次に、ステップS4では、ステップS1で認識した一方の基準マーク孔56の位置と、ステップS3で認識したもう一方の基準マーク孔56の位置とのY軸方向のずれ量が規格を満たすか否かを判定する。図5を参照して説明したように、一対の基準マーク孔56,56は、X軸方向に延在する直線上に配置されている。即ち一方の基準マーク孔56の位置と、他方の基準マーク孔56の位置とのY軸方向のずれは、ヘッドユニット30がθ方向に傾いていることにより発生する。
【0083】
Y軸方向のずれ量が規格を満たさない場合(ステップS4でNO)は、ステップS5に進む。ステップS5では、ユニット回動機構109によって、保持テーブル110上のヘッドユニット30をθ方向に回動させることで、ヘッドユニット30の方向を調整する。ヘッドユニット30をθ方向に回動させることで、Y軸方向のずれを是正することができる。ステップS5の次にはステップS1に進み、ステップS1からステップS4を繰り返す。
【0084】
Y軸方向のずれ量が規格を満たす場合(ステップS4でYES)は、ステップS6に進む。ステップS6では、予め取得してある基準位置データ上の基準マーク孔56の位置に認識された基準マーク孔56の位置が合致するように、X軸移動機構107と、Y軸移動機構108と、を用いて、保持テーブル110上のヘッドユニット30をX軸方向及びY軸方向に移動する。
【0085】
次に、ステップS7では、認識装置104によって液滴吐出ヘッド40の位置を検出する。液滴吐出ヘッド40の検出は、液滴吐出ヘッド40の吐出ノズル42を、認識装置104によって認識することで行う。例えば、ノズル列43の両端の吐出ノズル42を認識する。
【0086】
次に、ステップS8では、ステップS7で認識した液滴吐出ヘッド40の位置の、予め取得してある基準位置データ上の液滴吐出ヘッド40の位置とのずれ量が、規格を満たすか否かを判定する。
【0087】
ずれ量が規格を満たさない場合(ステップS8でNO)は、ステップS9に進む。ステップS9では、ヘッド位置調整装置102により、液滴吐出ヘッド40の位置補正を行う。ヘッド位置調整装置102と認識装置104との位置関係は、認識装置104によって液滴吐出ヘッド40の吐出ノズル42を認識することができる位置に液滴吐出ヘッド40が位置する場合には、ヘッド位置調整装置102の一対の調整ピン121,121は、液滴吐出ヘッド40が固定された副ヘッド保持部材33に形成された第一調整穴33aと第二調整穴33bに臨んで位置するような位置関係になっている。
【0088】
エアシリンダ228によって上昇端位置に係止されていたスライド軸229を、エアシリンダ228によって下降端位置に下降させることで、図8に示したように、調整ピン121が副ヘッド保持部材33に形成された第一調整穴33a又は第二調整穴33bに係合する。図8を参照して説明したように、スライドユニット234は、調整ピン121が第一調整穴33a又は第二調整穴33bに係合することで、図8に示した位置に停止している。スライド軸229は、下降端位置にあり、軸突起上面229bと、係合突起下面222dとは離反している。調整ピン121は、スライドユニット234の重量によって第一調整穴33a又は第二調整穴33bの縁に押圧されている。このように調整ピン121を第一調整穴33a又は第二調整穴33bに係合させる工程が、係合ステップに相当する。
【0089】
調整ピン121が、スライドユニット234の重量によって第一調整穴33a又は第二調整穴33bの縁に押圧されている状態を保ったままで、アームユニット移動機構240の調整X軸機構237と調整Y軸機構238とによって、X軸およびY軸に平行な方向に第一調整穴33a及び第二調整穴33bに係合した一対の調整ピン121,121を同時に同方向に移動させる。また、調整回動機構239によって、一対の調整ピン121,121を回動軸121Gを中心にθ方向に回動させる。これらの調整ピン121の微少移動によって、ユニットプレート51に仮装着された液滴吐出ヘッド40を微少移動させることで、認識した液滴吐出ヘッド40を、予め取得してある基準位置データ上の液滴吐出ヘッド40の位置に移動させて、当該位置に位置決めする。アームユニット移動機構240によって液滴吐出ヘッド40を微少移動させて位置決めする工程が、移動調整ステップに相当する。
【0090】
ステップS9の次には、一対の調整ピン121,121が、それぞれ第一調整穴33aまたは第二調整穴33bに係合している状態を維持しながらステップS7に進み、ステップS7およびステップS8を繰り返す。
【0091】
ずれ量が規格を満たす場合(ステップS8でYES)は、この位置決め完了状態を維持しつつ、ステップS10に進む。位置決め完了状態を維持するためには、一対の調整ピン121,121が、それぞれ第一調整穴33aまたはと第二調整穴33bに係合している状態を維持する。ステップS10では、接着固定装置によって、接着剤孔33cに接着剤を注入することによって、接着剤孔33cの内面、及び接着剤孔33cに臨む主ヘッド保持部材32の面に接着剤を塗布することで、副ヘッド保持部材33の主ヘッド保持部材32への接着剤による接着固定を実行する。接着剤注入後、当該接着剤が略硬化するまで、一対の調整ピン121,121が、それぞれ第一調整穴33aまたは第二調整穴33bに係合している状態を維持することで、接着剤が硬化する過程で変形することによる液滴吐出ヘッド40の新たな位置ずれの発生を抑制する。
【0092】
次に、ステップS11では、ヘッドユニット30の12個の液滴吐出ヘッド40の全てについて、位置決め及び接着固定が実行されたか否かを判定する。12個の液滴吐出ヘッド40の全てについて、位置決め及び接着固定が実行されていない場合(ステップS11でNO)は、ステップS7に進み、位置決め及び接着固定が実行されていない液滴吐出ヘッド40について、ステップS7からステップS11を繰り返す。
【0093】
12個の液滴吐出ヘッド40の全てについて、位置決め及び接着固定が完了していた場合(ステップS11でYES)は、ヘッドユニット組立装置100によるヘッドユニット30の組立過程を終了する。
【0094】
さらに、手作業によって、保持部材ねじ38を用いて、副ヘッド保持部材33を、主ヘッド保持部材32に固定することで、図3を参照して説明したように、液滴吐出ヘッド40がユニットプレート51に固定される。
【0095】
以下、実施形態の効果を記載する。本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)調整ピン121は、スライドユニット234の重量によって第一調整穴33a又は第二調整穴33bの縁に押圧される。スライドユニット234の重量は、調整ピン121の位置に関りなく一定であることから、調整ピン121の位置に影響されることなく、一定の荷重で調整ピン121を第一調整穴33a又は第二調整穴33bの縁に押圧することができる。
【0096】
(2)調整ピン121は、スライドユニット234の重量によって第一調整穴33a又は第二調整穴33bの縁に押圧される。スライドユニット234の重量は、調整ピン121の位置に関りなく一定であることから、主ヘッド保持部材32や副ヘッド保持部材33の板圧や第一調整穴33aや第二調整穴33bの穴径などの寸法ばらつきがあっても影響を受けることなく、一定の荷重で調整ピン121を第一調整穴33a又は第二調整穴33bの縁に押圧することができる。
【0097】
(3)調整ピン121は、スライドユニット234の重量によって第一調整穴33a又は第二調整穴33bの縁に押圧される。スライドユニット234の経時変化による重量の変動は実質的にないと言ってよい程度に微少であり、安定して一定の荷重で調整ピン121を第一調整穴33a又は第二調整穴33bに押圧することができる。
【0098】
(4)スライドユニット234はZ軸方向に摺動自在に固定されており、軸係合端突起229aのZ軸方向上面である軸突起上面229bと、プレート係合突起222cのZ軸方向下面である係合突起下面222dと、が当接する状態で、スライドユニット234がスライド軸229に係止されることで、スライドユニット234のZ軸方向下方への移動が規制されている。当該軸係合端突起229aとプレート係合突起222cとの係合は、スライドユニット234のZ軸方向上方への移動は規制しないため、調整ピン121が第一調整穴33a又は第二調整穴33bに当接すると、軸係合端突起229aとプレート係合突起222cとの係合が解除されて、調整ピン121が、スライドユニット234の重量によって第一調整穴33a又は第二調整穴33bに押圧される状態にすることができる。
【0099】
(5)一対の調整ピン121,121のそれぞれの軸が回動軸121Gに平行であり、回動軸121Gに関して対称な位置に位置しており、回動アーム249bは、当該回動軸121Gを回動中心軸として回動する。したがって、一対の調整ピン121,121はその中点を中心に回動するため、液滴吐出ヘッド40もその略中心位置を軸に回動される。これにより、液滴吐出ヘッド40が回動されることでその方向を調整されても、X軸方向やY軸方向の移動は殆ど生じない。方向を調整することによって生ずる、X軸方向やY軸方向の位置ずれをさらに調整することが殆ど不要であり、効率良く液滴吐出ヘッド40の位置決めを実行することができる。
【0100】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明の実施形態は、前記実施形態に限らない。本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
【0101】
(変形例1)前記実施形態においては、ヘッドユニット30における液滴吐出ヘッド40のユニットプレート51への位置決め装置及び位置決め方法を例に説明したが、位置決めの対象物が液滴吐出ヘッドであることは必須ではない。位置決めの対象物は、調整ピン121が係合する凹部又は穴を一体に形成できる部材であれば、どのような部材であってもよい。
【0102】
(変形例2)前記実施形態においては、ヘッドユニット組立装置100は、ヘッドユニット30を搭載し、これをX軸方向、Y軸方向、θ方向に移動させるユニット移動装置101と、アームユニット230をX軸方向、Y軸方向、θ方向に移動させることで、アームユニット230の調整ピン121が係合した副ヘッド保持部材33(液滴吐出ヘッド40)をユニットプレート51に対して移動させるアームユニット移動機構240とを備えていたが、ユニット移動装置101とアームユニット移動機構240との双方を備えることは必須ではない。ユニット移動装置101またはアームユニット移動機構240を備え、調整ピン121を第一調整穴33aおよび第二調整穴33bに係合させた状態で、ユニット移動装置101を用いてユニットプレート51側を移動させる方法、または、アームユニット移動機構240を用いて液滴吐出ヘッド40側を移動させる方法で、液滴吐出ヘッド40の位置調整を実行することもできる。
【0103】
(変形例3)前記実施形態においては、スライドユニット234を昇降させる駆動源としてエアシリンダ228を用いていたが、駆動源がエアシリンダであることは必須ではない。スライドユニット234(調整ピン121)の駆動源としては、モータやソレノイドなどを使用してもよい。
【0104】
(変形例4)前記実施形態においては、軸係合端突起229aと、プレート係合突起222cとを係合させてスライドユニット234を上昇させ、調整ピン121が第一調整穴33a又は第二調整穴33bに当接した状態では、軸係合端突起229aと、プレート係合突起222cとの係合が解除されるようにすることで、調整ピン121が、スライドユニット234の重量によって押圧されるようにしていた。しかし、調整ピン121が、スライドユニット234の重量によって押圧されるようにするために、軸係合端突起229aと、プレート係合突起222cとを設けることは必須ではない。電圧を印加しない状態では保持力が発生しないアナログモータを用いて、スライドユニット234を上昇させる場合にのみ電圧を印加し、スライドユニット234を下降させて調整ピン121を第一調整穴33a又は第二調整穴33bに係合させる場合には、電圧を印加しないことで、自重で降下させる構成または方法であってもよい。
【0105】
(変形例5)前記実施形態においては、1基のヘッドユニット30の12個の液滴吐出ヘッド40について接着剤を用いる固定が完了した後に、保持部材ねじ38を用いる副ヘッド保持部材33の主ヘッド保持部材32への固定を実行していたが、12個の液滴吐出ヘッド40について接着固定完了後に保持部材ねじ38を用いるねじ固定を実行することは必須ではない。液滴吐出ヘッド40のそれぞれ一個所毎に、接着固定に続いてねじ固定を実行してもよい。
【0106】
(変形例6)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド40の位置を検出し、位置補正の必要がある場合に一対の調整ピン121,121を、第一調整穴33aと第二調整穴33bとに係合させていたが、位置補正の必要がある場合にのみ係合させることは必須ではない。液滴吐出ヘッド40の位置を検出するために吐出ノズル42を認識する前に一対の調整ピン121,121を、第一調整穴33aと第二調整穴33bとに係合させてもよい。位置補正が不要の場合であっても、調整ピン121,121が、第一調整穴33aと第二調整穴33bとに係合していることで、接着工程などにおいてずれが生ずることを抑制することができる。
【0107】
(変形例7)前記実施形態においては、ヘッドユニット組立装置100による組立工程は、接着固定することで終了していたが、接着固定完了後、再度液滴吐出ヘッド40の位置確認を行っても良い。組立(液滴吐出ヘッド40の位置調整)結果を検証することができることから、ヘッドユニット30の信頼性が向上する。
【0108】
(変形例8)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド40のユニットプレート51上の位置を規定する際などの基準として、基準ピン54に形成された小孔である基準マーク孔56を用いていたが、基準が孔であることは必須ではない。認識装置104によって明瞭に検出することができるものであればよい。微小経の突起の頂上を基準として用いてもよい。
【0109】
(変形例9)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド40のユニットプレート51上の位置を規定する際などの基準として、基準ピン54に形成された小孔である基準マーク孔56を用いていたが、基準マーク孔56を基準ピン54に形成することは必須ではない。ユニットプレート51に直接基準マーク孔56を形成してもよい。ユニットプレート51に直接基準マーク孔56を形成することで、基準ピン54の形状誤差の影響を排除して、より正確な位置に基準マーク孔56を形成することができる。
【0110】
(変形例10)前記実施形態においては、液滴吐出ヘッド40は、副ヘッド保持部材33および主ヘッド保持部材32を介してユニットプレート51に固定されていたが、副ヘッド保持部材33および主ヘッド保持部材32を介することは必須ではない。主ヘッド保持部材32を用いない構成や、液滴吐出ヘッド40に調整ピン121が係合する調整穴を形成して副ヘッド保持部材33および主ヘッド保持部材32を用いない構成であってもよい。副ヘッド保持部材33および主ヘッド保持部材32を用いることによる液滴吐出ヘッド40の着脱性の容易さは失われるが、部品点数を減らし、ヘッドユニットを小型化及び軽量化することができる。
【0111】
(変形例11)前記実施形態においては、調整ピン121は、位置調整のための力を印加する対象である副ヘッド保持部材33に形成された穴である第一調整穴33a及び第二調整穴33bと係合していたが、調整ピン121と係合する係合部分が穴であることは必須ではない。調整ピン121が嵌入できる溝などの凹部であってもよい。
【0112】
(変形例12)前記実施形態においては、調整ピン121を第一調整穴33a又は第二調整穴33bの縁に当接させる力を調節するための荷重錘223を設けていたが、荷重用の錘を設けることは必須ではない。調整ピン121を保持及び昇降させるための構成要素で適切な荷重が実現できる重量に調整できればよい。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】液滴吐出装置の概略構成を示す外観斜視図。
【図2】液滴吐出ヘッドをノズル形成プレート側から見た外観斜視図。
【図3】(a)ユニットプレートに取付けられた液滴吐出ヘッドをノズルプレート側からみた平面図。(b)図3(a)にA−Aで示した断面の断面図。
【図4】(a)基準ピンを基準マーク孔側から見た平面図。(b)基準ピンの側面図。
【図5】ヘッドユニットの外観斜視図。
【図6】ヘッドプレート側から見たキャリッジの外観斜視図。
【図7】ヘッドユニット組立装置の構成を示す模式図。
【図8】ヘッド位置調整装置の調整ピンおよび調整ピン上下機構を示す斜視図。
【図9】アームユニット移動機構の概要を示す斜視図。
【図10】ヘッドユニット組立装置によるヘッドユニットの組立過程を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0114】
1…液滴吐出装置、22…キャリッジ、30…ヘッドユニット、32…主ヘッド保持部材、33…副ヘッド保持部材、33a…第一調整穴、33b…第二調整穴、40…液滴吐出ヘッド、51…ユニットプレート、100…ヘッドユニット組立装置、101…ユニット移動装置、102…ヘッド位置調整装置、104…認識装置、121…調整ピン、121G…回動軸、121a…テーパ部、221…ピンプレート、222…スライドプレート、222c…プレート係合突起、224…スライドステージ、227…調整ピン昇降機構、228…エアシリンダ、229…スライド軸、229a…軸係合端突起、230…アームユニット、232…支持アーム、234…スライドユニット、237…調整X軸機構、238…調整Y軸機構、239…調整回動機構、240…アームユニット移動機構、241…X軸レール、242…X軸移動プレート、247…Y軸移動プレート、248…Y軸レール、249a…補正用固定プレート、249b…回動アーム。
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成18年8月21日(2006.8.21)
【代理人】 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉

【識別番号】100127661
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 一彦


【公開番号】 特開2008−44087(P2008−44087A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−223926(P2006−223926)