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【発明の名称】 組立装置、及び組立製造方法、並びに組立ライン
【発明者】 【氏名】巻島 豊

【氏名】石井 和紀

【氏名】岩舘 光男

【要約】 【課題】装置を大型化せず、かつ製造コストを抑えつつ、更なる高速化と高精度化が可能な組立装置及び組立製造方法、並びに組立ラインを提供する。

【構成】部品供給装置2から部品を受け取って組付対象物Wに組付ける組立装置3を、部品供給装置2から部品Pを受け取る第一部品保持部11と、第一部品保持部11を部品供給装置2による部品受け渡し位置から組付対象物Wの部品組付位置に対向する位置とを結ぶ直線または円周上で移動させる第一移動装置12と、第一部品保持部11から部品Pを受け取る第二部品保持部13と、第二部品保持部13を部品Pの組付方向に沿って移動させる第二移動装置14とを有する構成とする。第一移動装置12と第二移動装置14とは、それぞれ独立した装置とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品供給装置から部品を受け取って組付対象物に組付ける組立装置であって、
前記部品供給装置から部品を受け取る第一部品保持部と、
該第一部品保持部を前記部品供給装置による部品受け渡し位置から前記組付対象物の部品組付位置に対向する位置とを結ぶ直線または円周上で移動させる第一移動装置と、
前記第一部品保持部から前記部品を受け取る第二部品保持部と、
該第二部品保持部を前記部品の組付方向に沿って移動させる第二移動装置とを有しており、
前記第一移動装置と前記第二移動装置とは、それぞれ独立した装置とされている組立装置。
【請求項2】
前記組付対象物または組付対象物を保持する組立治具を位置決めする位置決め装置を有している請求項1記載の組立装置。
【請求項3】
部品供給装置と該部品供給装置から供給された部品を組付対象物に組付ける組立装置との組を複数設けた組立ラインであって、
前記組立装置として、請求項1または2に記載の組立装置が用いられている組立ライン。
【請求項4】
部品供給装置から部品を受け取って組付対象物に組付けて製品または該製品の中間体を製造する組立製造方法であって、
第一部品保持部によって前記部品供給装置から部品を受け取る第一受取工程と、
該第一部品保持部を前記部品供給装置による部品受け渡し位置から前記組付対象物の部品組付位置に対向する位置とを結ぶ直線または円周上で移動させる第一移動工程と、
第二部品保持部によって前記第一部品保持部から前記部品を受け取る第二受取工程と、
該第二部品保持部を前記部品の組付方向に沿って移動させる第二移動工程とを有しており、
前記第一移動工程と前記第二移動工程とは、それぞれ独立した移動装置によって個別に行う組立製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、部品供給装置から部品を受け取って組付対象物に組付ける組立装置、及び組立製造方法、並びに組立ラインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記の組立装置としては、例えば後記の特許文献1に記載のピックアンドプレース装置が知られている。
このピックアンドプレース装置は、ベースプレートにX軸方向(前後方向)に移動可能にしてX軸スライド部材を取り付け、X軸スライド部材にZ軸方向(上下方向)に移動可能にしてZ軸スライド部材を取り付け、Z軸スライド部材にピックアンドプレース用のチャックを装着するヘッドを設けたものである。
このピックアンドプレース装置では、X軸スライド部材をX軸方向に移動させることで、Z軸スライド部材及びヘッドが前後方向に移動させられ、Z軸スライド部材をZ軸方向に移動させることで、ヘッドの昇降が行われるようになっている。すなわち、このピックアンドプレース装置では、直交する2軸(X軸とZ軸)に沿って部品の搬送が行われるようになっている。
【0003】
【特許文献1】特開平2001−347427号公報(段落[0010]、段落[0011]、図1、及び図2参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このピックアンドプレース装置では、X軸スライド部材に対して、Z軸スライド部材及びヘッドを設けているので、X軸スライド部材とともにX軸方向に移動させられる部材の質量が大きく、高速動作させることは困難である。
ピックアンドプレース装置を高速で動作させるためには、X軸スライド部材を駆動する機構として、より出力の大きい大型の装置を用いる必要があり、ピックアンドプレース装置が大型化してしまう。
【0005】
一方、このようにX軸方向に移動させられる部材の質量が大きいと、X軸スライド部材を移動させた際に生じる慣性力も大きくなる。この慣性力を受けてピックアンドプレース装置にたわみや振動が生じてしまうと、組付精度が低下してしまう。このため、ピックアンドプレース装置には十分な剛性を持たせる必要があり、結果的に、ピックアンドプレース装置が大型化してしまう。
このようにピックアンドプレース装置が大型化することで、ピックアンドプレース装置の製造コストも増加してしまう。
【0006】
また、このピックアンドプレース装置では、Z軸スライド部材がX軸スライド部材上に設けられているので、Z軸スライド部材の移動に伴うX軸スライド部材の剛性によるたわみが生じる。このX軸スライド部材のたわみ自体がヘッドの位置決め精度に影響するとともに、X軸スライド部材とZ軸スライド部材のたわみとが相乗してヘッドの位置決め精度に影響する。このため、ヘッドの位置決め精度(部品の組付精度)を向上させることは非常に困難であった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、装置を大型化せず、かつ製造コストを抑えつつ、更なる高速化と高精度化が可能な組立装置及び組立製造方法、並びに組立ラインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明は、部品供給装置から部品を受け取って組付対象物に組付ける組立装置であって、前記部品供給装置から部品を受け取る第一部品保持部と、該第一部品保持部を前記部品供給装置による部品受け渡し位置から前記組付対象物の部品組付位置に対向する位置とを結ぶ直線または円周上で移動させる第一移動装置と、前記第一部品保持部から前記部品を受け取る第二部品保持部と、該第二部品保持部を前記部品の組付方向に沿って移動させる第二移動装置とを有しており、前記第一移動装置と前記第二移動装置とは、それぞれ独立した装置とされている組立装置を提供する。
【0009】
このように構成される組立装置では、第一移動装置は、第一部品保持部のみを移動させる構成とされており、第二移動装置は、第二部品保持部のみを移動させる構成とされている。
すなわち、第一移動装置及び第二移動装置が移動させる部材の質量が小さいので、これら部材を移動させた際に生じる慣性力も小さく、第一移動装置及び第二移動装置に加わる負荷が少なくて済む。
これにより、第一移動装置及び第二移動装置を高速動作させて、組立装置のスループットを向上させることが可能である。
また、組立装置に要求される剛性も小さくて済むとともに、第一移動装置及び第二移動装置を駆動する駆動機構として、小型のものを用いることができるので、組立装置を小型化することができる。
【0010】
さらに、第一移動装置及び第二移動装置は、それぞれ対応する部品保持部を一方向(例えば直線方向、または円周方向)にのみ移動させる構成とされているので、これら移動装置の構造を単純化することができる。
また、第一移動装置と第二移動装置とは、それぞれ独立した装置とされているので、一方の移動装置の動作精度が他方の装置の動作精度に影響を与えない。
これらにより、組立装置の組立精度をさらに向上させることができるとともに、メンテナンスも容易となる。
【0011】
ここで、部品の向きが、部品供給装置から第一部品保持部への受け渡し時と組付対象物への組付け時の向きが異なる場合には、第二移動装置に対して、第二部品保持部の、部品の組付け方向回りの向きを調整する向き調整装置を設けてもよい。この場合には、第二移動装置の動作に悪影響を及ぼすことなく、部品の向きを調整することができる。
【0012】
また、前記組付対象物または組付対象物を保持する組立治具を位置決めする位置決め装置を有していてもよい。
このように構成される組立装置では、単独で組付対象物の位置決め動作と部品組付け動作とを行うことができるので、複数の部品の組付けを行う組立ラインに対して組み込み及び取り外しが容易な、部品組立モジュールとして利用することができる。
この組立装置を用いた組立ラインでは、部品組立モジュールを、組立ラインから取り外した状態で各種調整やメンテナンスを行うことができるので、組立ラインの立ち上げや保守が容易である。
【0013】
また、本発明は、部品供給装置と該部品供給装置から供給された部品を組付対象物に組付ける組立装置との組を複数設けた組立ラインであって、前記組立装置として、上記本発明の組立装置が用いられている組立ラインを提供する。
このように構成される組立ラインでは、組立装置として、本発明の組立装置を用いているので、スループット及び部品の組立精度を高めることができ、メンテナンスも容易である。
また、この組立ラインでは、小型化が可能な本発明の組立装置を用いているので、組立ライン全体を小型化して、設置スペースを低減することができる。
【0014】
また、本発明は、部品供給装置から部品を受け取って組付対象物に組付けて製品または該製品の中間体を製造する組立製造方法であって、第一部品保持部によって前記部品供給装置から部品を受け取る第一受取工程と、該第一部品保持部を前記部品供給装置による部品受け渡し位置から前記組付対象物の部品組付位置に対向する位置とを結ぶ直線または円周上で移動させる第一移動工程と、第二部品保持部によって前記第一部品保持部から前記部品を受け取る第二受取工程と、該第二部品保持部を前記部品の組付方向に沿って移動させる第二移動工程とを有しており、前記第一移動工程と前記第二移動工程とは、それぞれ独立した移動装置によって個別に行う組立製造方法を提供する。
【0015】
この組立製造方法では、第一部品保持部と第二部品保持部とは、それぞれ独立した移動装置によって個別に移動される。
すなわち、第一部品保持部を移動させる移動装置、及び第二部品保持部を移動させる移動装置は、それぞれ移動させる部材の質量が小さいので、これら部材を移動させた際に生じる慣性力も小さく、これら移動装置に加わる負荷が少なくて済む。
これにより、これら移動装置を高速動作させて、製品または製品の中間体の組立のスループットを向上させることが可能である。
また、製品または製品の中間体の製造に用いる組立装置に要求される剛性も小さくて済むとともに、各移動装置を駆動する駆動機構として、小型のものを用いることができるので、組立装置を小型化することができる。
【0016】
さらに、各移動装置は、それぞれ対応する部品保持部を一方向(例えば直線方向、または円周方向)にのみ移動させる構成とされているので、これら移動装置の構造を単純化することができる。
また、各移動装置は、それぞれ独立した装置とされているので、一方の移動装置の動作精度が他方の装置の動作精度に影響を与えない。
これらにより、組立装置の組立精度をさらに向上させることができるとともに、メンテナンスも容易となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る組立装置、及び組立製造方法、並びに組立ラインによれば、装置を大型化せず、かつ製造コストを抑えつつ、更なる高速化と高精度化が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、本発明に係る組立ラインの一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る組立ライン及び組立装置の構成を示す斜視図である。図2は、本発明の一実施形態に係る組立ラインの構成を概略的に示す側面図である。図3(a)及び図3(b)は、それぞれ本発明の一実施形態に係る組立ラインの他の構成例を示す平面図である。図4は、本発明の一実施形態に係る組立装置の位置決め装置の構成を概略的に示す縦断面図である。図5は、本発明の一実施形態に係る組立装置の動作の流れを説明するフローチャートである。図6は、本発明の一実施形態に係る組立装置の部品搬送動作を示す斜視図である。図7は、本発明の一実施形態に係る組立装置の部品組付動作を示す斜視図である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係る組立ライン1は、部品供給装置2と部品供給装置2から供給された部品Pを組付対象物Wに組付ける組立装置3との組とを有している。部品供給装置2と組立装置3とは、組立ライン1における組付対象物Wの搬送経路を挟んで対向配置されている。
ここで、本実施形態における組付対象物Wは、例えば、流体軸受けを備える小型のHDD用スピンドルモータのベースであり、部品Pはロータである。
【0020】
ここで、図2に示すように、組立ライン1には、組付対象物Wを搬送するワーク搬送装置4が設けられている。本実施形態では、ワーク搬送装置4として、爪付きコンベアベルト4aと、この爪付きコンベアベルト4を駆動するベルト駆動装置4bとが設けられている。
部品供給装置2と組立装置3との組は、ワーク搬送装置4による組付対象物Wの搬送方向に沿って直列にして複数組配置されており、これによって、組付対象物Wに複数の部品が順次組付けられるようになっている。
ここで、図3(a),(b)に、本実施形態に係る部品供給装置2と組立装置3との組を複数配置した組立ラインの他の配置例を示す。図3(a)は、部品供給装置2と部品組立装置3との組をワーク搬送装置4による組付対象物Wの搬送方向に沿って直列に配置した例を模式的に示す平面図である。図3(b)は、部品供給装置2と部品組立装置3との組をワーク搬送装置4による組付対象物Wの搬送方向に沿って直列に、かつ一部並列に配置した例を模式的に示す平面図である。このように、部品供給装置2と部品組立装置3との組は、図3(a),(b)に示す配置等、任意の配置とすることができる。
【0021】
図1に示すように、本実施形態では、組付対象物Wは、組立治具Jによって所定の姿勢で保持されており、ワーク搬送装置は、組立治具Jごと組付対象物Wを搬送する構成とされている。
ここで、組立治具Jの上面には、位置決め穴Hが設けられている。
【0022】
図1に示すように、部品供給装置2は、部品Pを整列状態にして順次組立装置3に間欠的に供給するものである。本実施形態では、部品供給装置2は、部品Pが組立装置3への受け渡しに適した所定の姿勢で整列状態にして搬送される部品供給路2aと、この部品供給路2aに対して部品Pを間欠的に供給する供給部(図示せず)とを有している。
【0023】
組立装置3は、部品供給装置2から部品Pを受け取って組付対象物Wに組付けるものであって、部品供給装置2から部品Pを受け取る第一部品保持部11と、第一部品保持部11を部品供給装置2による部品受け渡し位置から組付対象物Wの部品組付位置に対向する位置とを結ぶ直線または円周上で移動させる第一移動装置12と、第一部品保持部11から部品Pを受け取る第二部品保持部13と、第二部品保持部13を部品Pの組付方向に沿って移動させる第二移動装置14とを有している。
ここで、第一移動装置12と第二移動装置14とは、それぞれ独立した装置とされている。
【0024】
本実施形態では、第一部品保持部11は、部品供給装置2の部品供給路2aに対向する位置にポケットが設けられたブロック状の部材、例えばパーツフィーダのシュートやベルトコンベア等であって、十分な強度が確保される範囲で極力小さく形成されている。
第一移動装置12は、第一部品保持部11を略水平方向に直線的に移動させる構成とされている。第一移動装置12としては、油圧シリンダや空圧シリンダ、パルスモータ、サーボモータ、リニアモータ装置等、任意の移動装置を用いることができる。本実施形態では、第一移動装置12は、第一部品保持部11を保持するアーム12aと、アーム12aを直線的に移動させるアーム駆動装置(図示せず)とを有している。
【0025】
第二部品保持部13は、部品Pを保持するチャックによって構成されている。
第二移動装置14は、第二部品保持部13を略垂直方向に直線的に移動させる構成とされている。第二移動装置14としては、油圧シリンダや空圧シリンダ、サーボモータ、リニアモータ装置等、任意の移動装置を用いることができる。本実施形態では、第二移動装置14は、略垂直に立設されるガイドポスト14aと、ガイドポスト14aに対して上下方向に移動可能にして設けられるとともに第二部品保持部13が取り付けられる昇降部14bと、昇降部14bをガイドポスト14aに沿って移動させる摺動部材14cとを有している。摺動部材14cは、例えば直動案内ベアリングなどである。ここで、昇降部14bを上昇下降させる第1の昇降駆動装置としてはリニアモータ装置が用いられている。具体的には、ガイドポスト14aには、リニアモータのマグネット(図示しない)が設けられており、また、昇降部14bには、リニアモータのコイル(図示しない)が設けられている。
【0026】
本実施形態では、昇降部14bには、第二部品保持部13の、部品Pの組付け方向回り(昇降部14bの移動方向に平行な一軸回り)の向きを調整する向き調整装置16が設けられている。向き調整装置16は、部品Pの組付け方向に平行にして設けられて第二部品保持部13が取り付けられる軸部16aと、軸部16aを軸線回りに回転させる軸部駆動装置16bとを有している。軸部駆動装置16bは、DCモータ、パルスモータ、サーボモータ、超音波モータ、空圧式旋回シリンダ等任意な回転駆動装置を用いることができる。
【0027】
また、組立装置3には、組立治具Jを部品組付けに適した位置に位置決めする位置決め装置17が設けられている。
図4は、本実施形態に係る位置決め装置の概略構造を示す断面図である。
図4に示すように、位置決め装置17は、上面に組立治具Jが摺動可能にして載置される台座部17aと、台座部17a上の組立治具Jの位置決め穴Hに係合する位置決めピン17bと、位置決めピン17bを昇降させることで位置決め穴Hに対して抜き差しするピンガイド部17cとを有している。位置決めピン17bとピンガイド部17cは、図示しない第2の昇降駆動装置により略垂直に上下移動する。第2の昇降駆動装置は、空圧シリンダ、リニアモータ、DCモータ等、任意の移動装置を用いることができる。
【0028】
台座部17aは、組立治具Jの載置される上面に、ワーク搬送装置4の爪付きコンベアベルト4aのベルト部分を収納する凹部17dを有している。これによって、組立治具Jは、台座部17aの上面に載置された状態で、爪付きコンベアベルト4aの爪によって、搬送方向に押圧されて、台座部17aの上面を搬送方向に摺動しながら移動させられるようになっている。
本実施形態では、爪付きコンベアベルト4aは二本設けられており、これら爪付きコンベアベルト4aは、それぞれ組立治具Jの搬送方向に直交する方向の端部を支持するようになっている。また、台座部17aには、組立治具Jの搬送方向に直交する方向の端部の上方に張り出す鍔部17eが設けられている。これによって、組立治具Jが台座部17aの上面から浮き上がった際にはこの鍔部17eによって組立治具Jが受けられて、組立治具Jの浮き上がりが抑えられるようになっている。本実施形態では、爪付きコンベアベルト4aを二本としたが、これに限定することはなく、例えば組立治具Jの略中央に1本で構成してもよい。さらに、例えば組立治具Jの搬送速度が比較的遅くてよい場合等は、ベルト4aは片側1本としてもよく、また、鍔部17eが無くてもよい。
【0029】
このように構成される組立ライン1では、ワーク搬送装置4によるワークWの搬送に合わせて、各部品供給装置2及び各組立装置3が動作させられる。
以下、各部品供給装置2及び組立装置3の動作について、詳細に説明する。なお、各部品供給装置2及び組立装置3の動作の流れは、図5のフローチャートに示した。
[部品受取動作](第一受取工程)
組立装置3による部品Pの組付けを行うにあたって、まず、図1に示すように、第一移動装置12が第一部品保持部11を、部品供給装置2による部品受け渡し位置に移動させる。具体的には、第一移動装置12は、第一部品保持部11を、部品供給装置2の部品供給路2aの終端に当接させる。
これに合わせて、部品供給装置2は、部品供給路2aの終端に位置する部品Pを部品供給路2aから押し出し、第一部品保持部11のポケット内に送り込む(ステップS1)。
【0030】
[部品搬送動作](第一搬送工程)
次に、図6に示すように、第二移動装置14が、第二部品保持部13を、第一部品保持部11の移動経路の上方に退避させ、この状態で、第一移動装置12が、第一部品保持部11を、組付対象物Wの部品組付位置に対向する位置(本実施形態では部品組付位置の直上)に移動させる(ステップS2)。
【0031】
[部品受け渡し動作](第二受取工程)
次に、第二移動装置14が、第二部品保持部13を下降させて、第一部品保持部11に保持されている部品Pを、第二部品保持部13に部品Pを保持させる。その際、略同時に第一部品保持部11は、部品Pの保持を解除する(ステップS3)。
その後、第二移動装置14が、第二部品保持部13を一旦上方に退避させ、この間に第一移動装置12が、第一部品保持部11を、第二部品保持部13の移動経路上から退避させる。
【0032】
[向き調整動作]
次に、向き調整装置16によって、治具J上の組付対象物Wに組付けるための所要の角度に部品Pの向きが調整される(ステップS4)。
[部品組付動作](第二移動工程)
次に、図7に示すように、第二移動装置14が第二部品保持部13を下降させて、第二部品保持部13に保持されている部品Pを、組付対象物Wの組付位置に当接させて、組付けを行う(ステップS5)。
部品組付が完了すると、第二部品保持部13による部品Pの保持が解除されるとともに、第二移動装置14が第二部員保持部13を上昇させて、組付対象物Wから離間させる。
なお、少なくとも部品組付動作中は、位置決め装置17によって組立治具Jが位置決め固定されるようになっている。
その後、位置決め装置17による組立治具Jの位置決めが解除されたのち、以上の動作が、組付けを行う組付対象物Wの残数と同じ回数、順次繰り返される。
【0033】
以上述べたように、組立装置3では、第一移動装置12は、第一部品保持部11のみを移動させる構成とされており、第二移動装置14は、第二部品保持部13のみを移動させる構成とされている。
すなわち、第一移動装置12及び第二移動装置14が移動させる部材の質量が小さいので、これら部材を移動させた際に生じる慣性力も小さく、第一移動装置12及び第二移動装置14に加わる負荷が少なくて済む。
これにより、第一移動装置12及び第二移動装置14を高速動作させて、組立装置3のスループットを向上させることが可能である。
また、組立装置3に要求される剛性も小さくて済むとともに、第一移動装置12及び第二移動装置14を駆動する駆動機構として、小型のものを用いることができるので、組立装置3を小型化することができる。
【0034】
さらに、第一移動装置12及び第二移動装置14は、それぞれ対応する部品保持部を一方向にのみ移動させる構成とされているので、これら移動装置の構造を単純化することができる。
また、第一移動装置12と第二移動装置14とは、それぞれ独立した装置とされているので、一方の移動装置の動作精度が他方の装置の動作精度に影響を与えない。
これらにより、組立装置3の組立精度をさらに向上させることができるとともに、メンテナンスも容易となる。
【0035】
ここで、本実施形態では、部品Pの組付け方向回りの向きを調整する向き調整装置16が、第二移動装置14に対して設けられている。この向き調整装置16は、第二移動装置14の移動方向と平行な軸線回りに部品Pを回転させる構成であるため、第二移動装置14の動作に悪影響を及ぼすことなく、部品Pの向きを調整することができる。
【0036】
また、本実施形態では、組立装置3には、組立治具Jを位置決めする位置決め装置17が設けられている。
これにより、組立装置3単独で、組付対象物Wの位置決め動作と部品組付け動作とを行うことができるので、組立装置3を、組立ライン1に対して組み込み及び取り外しが容易な、部品組立モジュールとして利用することができる。
これにより、組立装置3を、組立ライン1から取り外した状態で各種調整やメンテナンスを行うことができるので、組立ライン1の立ち上げや保守が容易である。
【0037】
以上述べたように、本実施形態に係る組立ライン1によれば、装置を大型化せず、かつ製造コストを抑えつつ、更なる高速化と高精度化が可能である。
ここで、本発明は、上記の実施形態に記載された例に限ることなく、各種部品並びに製品、及び製品の中間体の組立に適用できる。例えば、組付対象物Wがカメラボディーであり、部品Pがレンズという場合にも適用できる。また、組付対象物Wが携帯電話本体であり、部品Pがカメラモジュールといった場合にも適用できる。これらの光学系の組立にあたっては、本組立装置3の動作によって塵埃が発生しないよう、特に移動装置などの可動部に非接触式のマグネットカップリングなどを用いた係合構造を使用することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態に係る組立ライン及び組立装置の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る組立ラインの構成を概略的に示す側面図である。
【図3】(a)及び(b)は、それぞれ本発明の一実施形態に係る組立ラインの他の構成例を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る組立装置の位置決め装置の構成を概略的に示す縦断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る組立装置の動作の流れを説明するフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る組立装置の部品搬送動作を示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る組立装置の部品組付動作を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0039】
1 組立ライン
2 部品供給装置
3 組立装置
11 第一部品保持部
12 第一移動装置
13 第二部品保持部
14 第二移動装置
17 位置決め装置
J 組立治具
P 部品
W 組付対象物
【出願人】 【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
【出願日】 平成18年8月8日(2006.8.8)
【代理人】 【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生

【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴


【公開番号】 特開2008−36785(P2008−36785A)
【公開日】 平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願番号】 特願2006−215421(P2006−215421)