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【発明の名称】 組立装置
【発明者】 【氏名】村上 春夫

【氏名】服部 保延

【要約】 【課題】一つの組立機が故障停止した時に、隣接する組立機等の運転を停止することなく故障復旧作業を行うことが可能な、組立装置を提供する。

【構成】互いに隣接して設けた、第1〜第3組立機11a〜11c間に、被加工物Wを前記組立機11a〜11cに搬送する、第1〜第3回動型被加工物搬送手段12a〜12cを設ける。前記第1〜第3回動型被加工物搬送手段12a〜12cは、前記第1〜第3組立機11a〜11cの互いの側面における固定用安全カバーCfを開口して設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣接して設けた複数の組立機(11a,11b,11c)と、これら組立機(11a,11b,11c)間に、被加工物(W)を隣接する組立機に搬送する分断型搬送装置(12)を備え、運転時に故障下に陥った組立機(11a,11b,11c)のみの運転停止で復旧作業を可能に構成したことを特徴とする組立装置。
【請求項2】
前記分断型搬送装置(12)は、回動型被加工物搬送手段(12a,12b,12c)で構成し、この回動型被加工物搬送手段(12a,12b,12c)は、所定角度回動可能に支持すると共に、被加工物(W)を載置して搬送する回動基体(13a,13b,13c)を備え、この回動基体(13a,13b,13c)は、中央に仕切板(14a,14b,14c)を設けたことを特徴とする請求項1記載の組立装置。
【請求項3】
前記回動型被加工物搬送手段(12a,12b,12c)における回動基体(13a,13b,13c)が動作中に、組立機における保守点検用カバー(Cm)が開かれた場合は、装置全体の組立機(11a,11b,11c)を非常停止させる構成としたことを特徴とする請求項2記載の組立装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば被加工物に組み立て加工を施して部品を組み立てる組立機を複数台数連ねて構成すると共に、これら組立機間に被加工物を分断的に搬送するための搬送手段を備えた、組立装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、生産ラインにおいては、多品種少量生産に対応させるために、ベルトコンベアにおける量産ラインに、組立ロボットを搭載して組み立てを行う、いわゆるセル型組み立てシステムが採用されるに至っている。
例えば
【特許文献1】(特開2006−167854号)参照。 この文献にかかる組立システムにおいては、図示は省略するが、所定のセルフロア内に、セル内外を連通するコンベアと、1若しくは2以上の組立装置と、1若しくは2以上の部品群と、所定の可動範囲を有する組立ロボットと、組立ロボットの作業用ハンドに相当する各種のツールを収納するツールスタンドとを配置して構成している。
【0003】
他方、図3に示す組立装置1のように、それぞれ一定間隔を隔てて、配置した複数の組立機2a,2b,2cと、これら組立機2a〜2c間に被加工物Wを搬送するベルトコンベア3とから構成されたものがある。前記組立機2a〜2cには、それぞれ組立ロボット4が搭載され、前記ベルトコンベア3によって搬送された被加工物Wに対し、組立部品P1,P2を搭載している組立部品搭載部5から、前記組立ロボット4により、組立部品P1,P2を取り出して、前記被加工物Wに組み付けていく組み立て工程を実行するようにしている。
しかしながらこのような組立装置1では、前記組立機2a〜2cのうちのいずれかに故障が発生すると、運転を停止した際に、安全を期すために、ベルトコンベア3も停止させるようにしている。
また、ベルトコンベア3上を被加工物Wが移動するために、それぞれの組立機2a〜2cの周囲を囲う固定安全カバーCfおよび可動式安全カバーCmのうち、固定安全カバーCfには、貫通穴hが設けられているため、隣接する組立機の運転も停止しなければならなかった。
従って、その分、故障を直して運転再開するまでの、復旧作業手数が増加、且つ煩雑化し、時間のロスを招くという不都合があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこのような課題を改善するために提案されたものであって、一つの組立機が故障停止した時に、隣接する組立機等の運転を停止することなく故障復旧作業を可能とし、時間的なロスを抑制して、生産性の低下を抑制し得ることが可能な、組立装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明では、請求項1において、互いに隣接して設けた複数の組立機11a,11b,11cと、これら組立機11a,11b,11c間に、被加工物Wを隣接する組立機に搬送する分断型搬送装置12を備え、運転時に故障下に陥った組立機11a,11b,11cのみの運転停止で復旧作業を可能に構成したことを特徴とする組立装置を提案する。
このような請求項1によれば、ある組立機11a〜11cが故障により停止した際、分断型搬送装置12により、運転時に故障下に陥った組立機11a〜11cのみを運転停止して復旧作業を可能となる。
【0006】
また本発明では、請求項2において、前記分断型搬送装置12は、回動型被加工物搬送手段12a,12b,12cで構成し、この回動型被加工物搬送手段12a,12b,12cは、所定角度回動可能に支持すると共に、被加工物Wを載置して搬送する回動基体13a,13b,13cを備え、この回動基体13a,13b,13cは、中央に仕切板14a,14b,14cを設けた組立装置を提案する。
このような請求項2によれば、ある組立機11a〜11cが故障により停止した際、隣接する回動型被加工物搬送手段12a〜12cを停止すれば、回動基体13a〜13cを介して被加工物Wが通過する安全カバーCfの箇所は、回動基体13a〜13cにおける仕切板14a〜14cで遮断することができ、故障組立機11a〜11cは完全に前後の組立機11a〜11cと隔離されることになり、前後の組立機11a〜11cは安全のために停止させる必要はない。
【0007】
さらに本発明では、請求項3において、前記回動型被加工物搬送手段12a,12b,12cにおける回動基体13a,13b,13cが動作中に、組立機における保守点検用カバーCmが開かれた場合は、装置全体の組立機11a,11b,11cを非常停止させる構成とした組立装置を提案する。
このような請求項3によれば、前記回動型被加工物搬送手段12a〜12cにおける回動基体13a〜13cが動作中に、組立機11a〜11cにおける保守点検用カバーCmが開かれた場合は、装置全体の組立機11a〜11cを非常停止させるようにしたことにより、一層、安全な組立装置10とすることができる。
【発明の効果】
【0008】
隣接する組立機間に、分断型搬送装置である、回動型被加工物搬送手段を設けたことにより、一つの組立機が故障停止しても、隣接する組立機を停止することなく、故障復旧作業が可能であるので、生産ペースの低下を抑制して生産性向上に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明にかかる組立装置につき、一つの実施の態様を示し、添付の図面に基づいて説明する。
図1に、適宜な被加工物に対し、所定の組み立て加工を施して、目的の組立部品を得る組立装置10を示す。なお、この組立装置10において、図3で説明した組立装置1を構成する構成要素と実質的に同様な構成体には、同符号を付与してその詳細な説明は省略するものとする。
この組立装置10は、互いに隣接して設けた、第1、第2、第3の組立機11a,11b,11cと、これら第1〜第3組立機11a〜11c間に、被加工物Wを前記組立機11a〜11cに搬送する、分断型搬送装置12としての、第1〜第3の回動型被加工物搬送手段12a,12b,12cとを備えている。
また、前記第1〜第3組立機11a〜11cには、それぞれ、前記第1〜第3回動型被加工物搬送手段12a〜12cによって搬送された被加工物Wに対し、所定の手順で組み立てを行う周知の組立ロボット4を搭載している。
【0010】
前記第1〜第3組立機11a〜11cは、互いに隣接して設けられており、外周を固定用安全カバーCfおよび保守点検用の可動式安全カバーCmによって囲っている。
また、前記第1〜第3組立機11a〜11cには、それぞれの組立機11a〜11cの組立ロボット4の固設箇所から組立ロボット4の可動範囲には、前記被加工物Wをマウントする被加工物組立部15と、組立部品P1,P2を搭載している組立部品搭載部5とを設けている。
なお、前記組立ロボット4は、本発明を構成する要部ではないので、ここでは詳細な図示と説明は省略する。
【0011】
前記第1〜第3回動型被加工物搬送手段12a〜12cは、前記第1〜第3組立機11a〜11cの外周を囲う固定用安全カバーCfおよび可動式安全カバーCmのうち、前記第1〜第3組立機11a〜11cの互いの側面における固定用安全カバーCfを開口して設けている。
そして、これら第1〜第3回動型被加工物搬送手段12a〜12cは、それぞれ180度、回動可能に支持すると共に、被加工物Wを載置して搬送する回動基体13a,13b,13cを備え、これら回動基体13a〜13cには、それぞれ中央に仕切板14a,14b,14cを設けている。
以上のように、前記第1〜第3回動型被加工物搬送手段12a〜12cは、それぞれ組立機11a〜11c間に介在され、被加工物Wを一連の工程ラインの上流側から下流側へと、搬送する構成である。
【0012】
前記回動基体13a〜13cは、所定径の外形円筒形状のものであり、前記駆動手段を搭載した機構部(図示省略)によって回動可能に支持されている。この場合、回動基体13a〜13cにおける仕切板14a〜14cは、前記回動基体13を180度、回転させることで、前記第1〜第3組立機11a〜11cにおける固定用安全カバーCfの回動基体13a〜13cの設置箇所を、搬送すべき被加工物Wの通路として、開閉する構成である。
また、前記回動基体13a〜13cの上面は組み立て加工に供せされる被加工物Wを載置搬送可能とするべく平坦な面に構成されている(図2参照)。
なお、前記機構部における回動型被加工物搬送手段12の駆動手段は、組立装置10に搭載された駆動制御システム(図示せず)の制御下に駆動制御されるものとしている。
【0013】
本発明にかかる組立装置10は以上のように構成されるものであり、次に組立装置10における全体動作、並びに特徴的作用について説明する。
先ず、組立装置10の駆動制御システムに対する運転指令により行う、自動運転について説明する。
生産ライン上流側の第1回動型被加工物搬送手段12aにおける回動基体13a上に、被加工物Wを載置し、次いで、前記回動基体13aを支える機構部の駆動手段を、駆動制御システムの制御下に駆動制御して、前記回動基体13aを180度回転駆動させる。
すると、回動基体13aにおける仕切板14aが、回動基体13aと共に180度回転し、回動基体13a上の被加工物Wがラインの下流側、すなわち組立機11a,11bの被加工物組立部15側にもたらされ、組立ロボット4によって、前記被加工物Wを前記被加工物組立部15上にマウントすることができ、前記組立ロボット4を所定の組立手順に基づいて動作させ、組立部品搭載部5から組立部品P1を取り出して、前記被加工物Wに対し、組み立て加工を施すことができる。
【0014】
次に、組み立て加工後の被加工物Wを、第2回動型被加工物搬送手段12bにおける回動基体13b上に載置する。次いで、前記回動基体13bを支える機構部の駆動手段により、前記回動基体13bを180度回転駆動させる。
これにより、回動基体13bにおける仕切板14bが、回動基体13bと共に180度回転し、回動基体13b上の被加工物Wを下流側の、組立機11bの被加工物組立部15側にもたらし、組立ロボット4によって、前記被加工物Wを前記被加工物組立部15上にマウントして、前記組立ロボット4を所定の組立手順に基づいて動作させ、組立部品搭載部5から組立部品P2を取り出して、前記被加工物Wに対し、組み立て加工を施すことができる。
そして、組み立て加工がなされた被加工物Wを、第3回動型被加工物搬送手段12cにおける回動基体13c上に載置するとともに、回動基体13cを支える機構部の駆動手段を駆動することで、前記回動基体13cを180度を回転させ、前記被加工物Wを、第2組立機11bの外側に取り出すことができる。
このようにして、組立装置10の自動運転がなされ、一連の組み立て加工を行うことができる。
【0015】
ところで、このような自動運転の際に、たとえば第1組立機11aが故障した場合、一連の生産ラインは、それぞれ第1、第2回動型被加工物搬送手段12a,12bで、分断されているので、前記第1組立機11aのみを停止しても、安全に故障復旧作業を行うことができるようになる。
すなわち、前記第1組立機11aが故障により停止した際、隣接する第1、第2回動型被加工物搬送手段12a,12bを停止すれば、回動基体13a,13bを介して被加工物Wが通過する固定用安全カバーCfの箇所は、回動基体13a,13bにおける仕切板14a,14bで遮断することができ、前記第1組立機11aは完全にライン下流側の、第2、第3組立機11b,11cと隔離されることになり、これら第2、第3組立機11b,11cは、安全のために停止させる必要がなくなる。
【0016】
なお、もし、第1〜第3回動型被加工物搬送手段12a〜12cにおける回動基体13a〜13cが回転中に、たとえば可動式安全カバーCmが開かれた場合は、装置全体の組立機11a,11bを非常停止させるように制御することで、一層、安全な組立装置10とすることができる。
【0017】
以上、本発明にかかる組立装置につき、一つの実施の態様を挙げ、説明したが、勿論、本発明の組立装置は、さまざまな分野の生産ラインで使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかる組立装置の一つの実施の形態を示す、省略的、且つ模式的な全体説明図である。
【図2】図1に示す、組立装置の組立機間に介在した、回動型被加工物搬送手段の模式的な斜視説明図である。
【図3】従来の組立装置の一例を示した、省略的、且つ模式的な全体説明図である。
【符号の説明】
【0019】
1 組立装置
2a,2b,2c 組立機
3 ベルトコンベア
4 組立ロボット
5 組立部品搭載部
10 組立装置
11a 第1組立機
11b 第2組立機
11c 第3組立機
12 分断型搬送装置
12a 第1回動型被加工物搬送手段
12b 第2回動型被加工物搬送手段
12c 第3回動型被加工物搬送手段
13a,13b,13c 回動基体
14a,14b,14c 仕切板
15 被加工物組立部
P1,P2 組立部品
W 被加工物
Cf 固定式安全カバー
Cm 可動式安全カバー
h 貫通穴
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成18年7月19日(2006.7.19)
【代理人】 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤

【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一

【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎

【識別番号】100110489
【弁理士】
【氏名又は名称】篠崎 正海


【公開番号】 特開2008−23628(P2008−23628A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−196833(P2006−196833)