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【発明の名称】 ねじ締付け装置
【発明者】 【氏名】坂野 亘

【要約】 【課題】部品保持部の取り付け取り外しが容易で、ねじ単品であっても高速締め付けが可能なねじ締付け装置を提供することを目的とする。

【構成】このねじ締付け装置31は、部品保持機構38は、ねじ保持部33に設けられた部品保持機構本体39と、この部品保持機構本体39に回動可能に設けられたクランプ体47と、このクランプ体47をねじ保持部33に押圧する第1のスプリング57と、部品保持機構本体39に軸方向移動可能に装着された部品チャック65と、このチャック65を被締結部品に向かって押圧する第2のスプリング69とを有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじを保持するねじ保持部(33)と、
前記ねじ保持部(33)に保持されたねじを被締結物に押圧するとともに回転駆動するねじ締付け部(35)と、
前記ねじによって締結される被締結部品を保持する部品保持機構(38)と、
とを備え、
前記部品保持機構(38)は、
前記ねじ保持部に設けられた部品保持機構本体(39)と、
この部品保持機構本体(39)に回動可能に設けられたクランプ体(47)と、
このクランプ体(47)を前記ねじ保持部(33)に押圧する第1の押圧手段(57)と、
前記部品保持機構本体(39)に軸方向移動可能に装着された部品チャック(65)と、
この部品チャック(65)を前記被締結部品に向かって押圧する第2の押圧手段(69)と、
を有することを特徴とするねじ締付け装置。
【請求項2】
前記ねじ保持部(33)には係合凹部(55)が形成され、前記クランプ体(47)は、前記係合凹部(55)に係合する係合突起(53)を有することを特徴とする請求項1に記載のねじ締付け装置。
【請求項3】
前記クランプ体(47)は、前記係合突起(53)を前記係合凹部(55)から係止解除するためのレバー(51)を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のねじ締め付け装置。
【請求項4】
前記ねじ保持部(33)は筒状に形成され、前記ねじ締付け部(35)は前記ねじ保持部(33)に回転可能に挿入され、前記部品保持機構本体(39)は、前記ねじ保持部(33)に軸方向移動可能に外挿されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のねじ締付け装置。
【請求項5】
前記ねじ保持部(33)は磁性体により前記ねじを保持するようになされ、前記部品チャック(65)は磁性体により前記被締結部品を保持するようになされていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のねじ締付け装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、単なるねじの締付けと部品を保持しつつ行うねじの締付けとを簡単な操作で切り替えることができるねじ締付け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のねじ締付け装置としては、図3に示すようなものが知られている。このねじ締め付け装置11は、筒状のねじ保持部13を有し、このねじ保持部13の下端には磁性体等によって吸着されたねじTが保持されている。このねじ保持部13の内側にねじ締付け部15が回転可能に挿入されている。ねじ保持部13の中程にはフランジ状の部品保持部本体15が一体に設けられており、この部品保持部本体15には、スプリング17によって下方に押圧された部品チャック19が上下動可能に装着されている。この部品チャック19には、磁性体21等によって吸着された被締結部品Pが保持されている。そして、この被締付け部品Pを締結対象物に押圧しつつねじ締付け部15を駆動してねじ締め作業行うようになっている。
【0003】
しかしながら、上記ねじ締付け装置11にあっては、被締結部品Pがあらかじめ締結対象物に載置されているような場合、すなわち、ねじ締付け装置11側で被締結部品Pを保持する必要がない場合でも、ねじ締付け装置11は部品保持部本体15と部品チャック19とを有している。このため、装置全体が重くなり動作が遅くなりがちである。また、かかる場合、部品チャック19が締結対象物と干渉してしまうという問題点もあった。
【0004】
さらに、部品保持部本体15、部品チャック19を取り外し可能な場合であっても、作業者による手作業で行われるため、取付け、取外しが面倒であり時間がかかるという問題点があった。
【0005】
なお、ねじ締付け装置についての従来の文献としては、特許文献1および特許文献2が知られている。
【0006】
【特許文献1】特開昭59−129674号公報
【特許文献2】特開昭60−6384号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点を解決することをその課題とし、部品保持部の取り付け取り外しが容易で、ねじ単品であっても高速締め付けが可能なねじ締付け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、ねじを保持するねじ保持部(33)と、ねじ保持部(33)に保持されたねじを被締結物に押圧するとともに回転駆動するねじ締付け部(35)と、ねじによって締結される被締結部品を保持する部品保持機構(38)とを備え、部品保持機構(38)は、ねじ保持部に設けられた部品保持機構本体(39)と、この部品保持機構本体(39)に回動可能に設けられたクランプ体(47)と、このクランプ体(47)を前記ねじ保持部(33)に押圧する第1の押圧手段(57)と、部品保持機構本体(39)に軸方向移動可能に装着された部品チャック(65)と、この部品チャック(65)を被締結部品に向かって押圧する第2の押圧手段(69)とを有する手段を採用することができる。
【0009】
この手段によると、部品保持機構(38)をねじ保持部(33)に対して自由に着脱できるから、部品保持機構(38)を取り外すことによって回転質量を削減することができ、したがって高速回転によるねじの締め付けが可能となるとともにエネルギ消費の削減を図ることができる。また、部品保持機構(38)が締め付け対象に干渉することを防止することができる。
【0010】
上記課題を解決するため、ねじ保持部(33)には係合凹部(55)が形成され、クランプ体(47)は、係合凹部(55)に係合する係合突起(53)を有する手段を提供することができる。また、クランプ体(47)は、係合突起(53)を係合凹部(55)から係止解除するためのレバー(51)を有する手段を採用することができる。したがって、人手によらずロボットアーム等であっても部品保持機構の固定、着脱を容易に行うことができる。
【0011】
上記課題を解決するため、ねじ保持部(33)は筒状に形成され、ねじ締付け部(35)はねじ保持部(33)に回転可能に挿入され、部品保持機構本体(39)は、ねじ保持部(33)に軸方向移動可能に外挿されている手段を採用することができる。したがって、軸対称形状でコンパクトな締め付け装置を提供することができる。
【0012】
また、上記課題を解決するため、ねじ保持部(33)は磁性体によりねじを保持するようになされ、部品チャック(65)は磁性体により被締結部品を保持するようになされている手段を採用することができる。したがって、ねじ及び被締結部品を容易に保持することができ、作業効率を向上させることができる。
【0013】
なお、上記各手段に付した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図1および図2を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態であるねじ締付け装置31を示すものである。このねじ締付け装置31は、筒状のねじ保持部33を有している。このねじ保持部33の下端にはねじを吸着するための磁性体が設けられており、ねじTが吸着保持されている。このねじ保持部33の内側には、ねじ締付け部35が図示しない駆動装置によって回転自在に挿入されている。このねじ締付け部35の下端には、ねじ頭部の溝に嵌合するねじ頭嵌合部37が形成されており、この部分もねじを吸着するため磁性体になされている。
【0016】
このねじ保持部33の外周には、部品保持機構38が装着されている。この部品保持機構38は、ねじ保持部33に上下動可能に外挿された部品保持機構本体39を有している。この部品保持機構本体39は、ねじ保持部33に外挿された筒状部41とこの筒状部の下端部から半径方向外方に張り出したフランジ部43とを有している。筒状部41の上端部にはピン45が設けられており、このピン45にはクランプ体47が装着されている。そして、クランプ体47は、ねじ保持部33の軸線を含む面内で揺動可能に装着されている。このクランプ体47は、ピン45から略半径方向外方に突出して設けられた操作レバー49とピン45からねじ保持部33に沿って上方に延出した係止レバー51とを有している。
【0017】
係止レバー51の先端には、ねじ保持部33に向かって突出する係合突起53が設けられており、一方ねじ保持部33には、この係止突起53が嵌入する係合凹部55が形成されている。そして、これら両者が係合することによって、部品保持機構本体39をねじ保持部33に対して上下方向移動不能に固定するようになっている。
【0018】
操作レバー49と部品保持機構本体39のフランジ部43との間には第1のスプリング57が介装されている。この第1のスプリング57は、操作レバー49を上方に回動するように押圧するとともに、係止レバー51の係止突起53がねじ保持部33に向かって回動するように押圧する。操作レバー49の外端部には、後述するロボットハンド等で操作レバーを押圧するための操作部59が設けられている。
【0019】
一方、フランジ部43の外周部には、周方向に離間して複数の軸受部61が形成されている。この軸受部61には、シャフト63が上下動可能に貫通して配設されており、このシャフト63の下端には、部品チャック65が設けられている。一方、シャフト63の上端には、拡径されたストッパ67が設けられており、これらシャフト63が下方へ抜け落ちるのを防止するようになっている。また、シャフト63のフランジ部43と部品チャック61との間には、第2のスプリング69が介装されており、フランジ43に対して部品チャック65を下方に押圧するようになっている。
【0020】
部品チャック65の中央部には、上下方向に貫通する貫通孔71が形成されており、ねじ保持部33の先端部を挿入できるようになっている。また、部品チャック65の下面は、保持されるパイプクランプCの形状に沿うようように2つの凹部73が形成されている。そして、部品チャック65の内部には磁性体75が埋め込まれており、パイプクランプCを保持するようになっている。
【0021】
このように構成されたねじ締付け装置31の動作について、図2を参照して説明する。
【0022】
まず、図2中(A)に示すように、ロボットアーム(図示せず)に保持されたねじ保持部33を移動させ、磁性を有するねじ保持部33及びねじ締付け部35の下端部で、ねじ供給部Xに配置されたねじTを保持する。
【0023】
次に、図2中(B)に示すように、被組付け物であるハウジングAにハウジングBを載置し、さらにハウジングBの溝部GにパイプPを載置して冶具等で位置決めする。そして、ハウジングBのねじ穴Hbを通してハウジングAのねじ穴HaにねじTを挿入し、ねじ締付け部35を回転駆動してねじTによってハウジングBをハウジングAに締結する。
【0024】
ついで、図2中(A)に示すように、ねじ保持部33とねじ締付け部35でねじTを保持する。
【0025】
この状態で、図2中(C)に示すように、ロボットアーム(図示せず)に保持されたねじ保持部33に他のロボットアーム(図示せず)に保持された部品保持機構38を装着する。この際、ロボットアーム等でクランプ体43の操作部59を押圧してクランプ体43の係合突起53を開状態として、ねじ保持部33を挿入し、その後係合突起53を閉状態として係合凹部55に係合させる。
【0026】
次に、図2中(D)に示すように、部品保持機構38が装着されたねじ保持部33をパイプクランプ置き場のパイプクランプCの上方に移動させ、部品チャック65の下面にパイプクランプCを係合させて磁性体75で保持する(図1参照)。
【0027】
次いで、このパイプクランプCが装着されたねじ締付け装置31をハウジングBの上方に位置せしめて下降させ、パイプクランプCをパイプPが載置されたハウジングBに係合させる。そして、ねじ保持部33と部品チャック65をさらに下降させて、第2のスプリング69でパイプクランプCをパイプPおよびハウジングB上面に押圧する。この状態で、ねじ締付け部35を回転駆動させてねじ締めを行い、パイプクランプCをウジングBに装着する。
【0028】
装着後、装着されたパイプクランプCを残して、ねじ締付け装置31を引き揚げ、部品保持機構置き場に移動させる。そして、図2中(C)に示すように、ロボットアーム等で操作部59を押圧してクランプ体43の係合突起53を開状態として、ねじ保持部33を引き抜く。
【0029】
このように、このねじ締付け装置31は、ねじTを保持するねじ保持部33と、ねじ保持部33に保持されたねじTを被締結物に押圧するとともに回転駆動するねじ締付け部35と、ねじTによって締結される被締結部品を保持する部品保持機構38とを備え、部品保持機構38は、ねじ保持部33に設けられた部品保持機構本体39と、この部品保持機構本体39に回動可能に設けられたクランプ体47と、このクランプ体47をねじ保持部33に押圧する第1のスプリング57と、部品保持機構本体39に軸方向移動可能に装着された部品チャック65と、このチャック65を被締結部品に向かって押圧する第2のスプリング69とを有しているから、部品保持機構38をねじ保持部33に対して自由に着脱できる。したがって、ねじ単品を締付ける場合には部品保持機構38を取り外すことによって回転質量を削減することができ、高速回転によるねじの締め付けが可能となるとともにエネルギ消費の削減を図ることができる。また、部品保持機構38が締め付け対象に干渉することを防止することができる。また、クランプ体47を操作することにより部品保持機構38を容易に着脱するができるから、作業工数を削減することができる。
【0030】
さらに、このねじ締付け装置31は、ねじ保持部33に係合凹部55が形成され、クランプ体47は、係合凹部55に係合する係合突起53を有し、クランプ体47は、係合突起53を係合凹部55から係止解除するための操作レバー49を有しているから、人手によらずロボットアーム等であっても部品保持機構38の固定、着脱を容易に行うことができる。
【0031】
また、このねじ締付け装置31にあっては、ねじ保持部33は筒状に形成され、ねじ締付け部35はねじ保持部33に回転可能に挿入され、部品保持機構本体39はねじ保持部33に軸方向移動可能に外挿されているから、軸対称形状でコンパクトな締め付け装置を提供することができる。
【0032】
また、このねじ締付け装置31にあっては、ねじ保持部33は磁性体によりねじTを保持するようになされ、部品チャック65は磁性体により被締結部品を保持するようになされているから、ねじ及び被締結部品を容易に保持することができ、作業効率を向上させることができる。
【0033】
なお、上記実施の形態にあっては、部品チャックが保持する被締結部品として、パイプクランプを採用しているが、これに限る必要はなく、ねじによって締結される部品であればどのようなものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施の形態であるねじ締付け装置を示す縦断面図。
【図2】図1に示すねじ締付け装置の動作を示す図。
【図3】従来のねじ締付け装置を示す縦断面図。
【符号の説明】
【0035】
31 ねじ締付け装置
33 ねじ保持部
35 ねじ締付け部
38 部品保持機構
39 部品保持機構本体
47 クランプ体
53 係合突起
55 係合凹部
57 第1のスプリング
65 部品チャック
69 第2のスプリング
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成18年7月18日(2006.7.18)
【代理人】 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤

【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一

【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎

【識別番号】100103713
【弁理士】
【氏名又は名称】武林 茂


【公開番号】 特開2008−23610(P2008−23610A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2006−195620(P2006−195620)