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【発明の名称】 フラッシュパネルの製造装置
【発明者】 【氏名】田中 修司

【要約】 【課題】比較的狭いスペースでラインを構成できることから、生産性を向上できるフラッシュパネルの製造装置を提供する。

【構成】表面を下にして位置合わせされた表板材を載置する起点の搬送台7と、この起点の搬送台7から送られた表板材を載置して、表板材の裏面に上方から接着剤を塗布する塗布作業台8と、この塗布作業台8から送られた表板材を載置して、表板材の裏面に接着剤の塗布面に沿ってパネル枠を供給するとともに、表板材にパネル枠を固着する部品固着台9とを含み、起点の搬送台7、塗布作業台8、及び部品固着台9は環状に配置され、起点の搬送台7は、表板材の戻りを受けて、再度塗布作業台8へ向けて送り出し、塗布作業台8は、パネル枠の上面に接着剤を塗布するとともに、部品固着台9へ向けて再度送り出し、部品固着台9では、裏板材をパネル枠に固着する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形平板状の表板材と、この表板材の外縁に沿った矩形状をなす外周枠を含んだパネル枠と、このパネル枠を挟んで前記表板材と向き合う裏板材とからなるフラッシュパネルの製造装置であって、
表面を下にして位置合わせされた表板材を載置する起点の搬送台と、この起点の搬送台から送られた表板材を載置して、表板材の裏面に上方から接着剤を塗布する塗布作業台と、この塗布作業台から送られた表板材を載置して、表板材の裏面に接着剤の塗布面に沿ってパネル枠を供給するとともに、表板材にパネル枠を固着する部品固着台とを含み、
起点の搬送台、塗布作業台、及び部品固着台は環状に配置され、
前記起点の搬送台は、部品固着台においてパネル枠が固着された表板材の戻りを受けて、再度塗布作業台へ向けて送り出し、
前記塗布作業台は、パネル枠が固着された表板材を載置して、パネル枠の上面に接着剤を塗布するとともに、部品固着台へ向けて再度送り出し、
前記部品固着台では、接着剤が塗布されたパネル枠上に裏板材を供給するとともに、この裏板材をパネル枠に固着することを特徴とするフラッシュパネルの製造装置。
【請求項2】
前記起点の搬送台に隣接して、表板材を位置決めしうる位置決め台が配置され、
前記位置決め台は、一方のコーナーを基準として表板材を位置決めするために、そのコーナーに向かって下がる緩勾配面に沿って配置されるとともに、任意方向に回転自在な支持球体を多数有することを特徴とする請求項1記載のフラッシュパネルの製造装置。
【請求項3】
前記起点の搬送台に隣接して搬出台が配置されるとともに、この搬出台と、起点の搬送台と、位置決め台とに囲まれた領域に移送用のアームロボットが設けられ、
この移送用のアームロボットは、位置決め台上で位置決めされた表板材を起点の搬送台へ移送し、かつ前記部品固着台において、表板材、パネル枠及び裏板材が一体に固着されて構成されるとともに、起点の搬送台へ搬送されたフラッシュパネルを、搬出台へ移送することを特徴とする請求項2記載のフラッシュパネルの製造装置。
【請求項4】
前記起点の搬送台は、塗布作業台と一列に配置され、
前記部品固着台は、搬送方向の前、後に、前記列の方向と平行に並ぶ前補助台、後補助台が設けられ、
前記塗布作業台と前補助台との間、及び後補助台と起点の搬送台との間に、各々トラバーサが設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のフラッシュパネルの製造装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、フラッシュパネルを効率的に製造できるフラッシュパネルの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パネル枠の表裏両面に板材を貼着して形成される所謂フラッシュパネルは、建築方式の工業化、乾式化に伴い壁、床、屋根など各種の建築構造部材として多用されている。更には建築用途以外にも、広告用、掲示用の表示パネル、フェンスなどの外構部材、道路防音壁などの土木資材などにも用途が広がり、標準化された構築部品として、現場での工数が省力化できる上に品質が安定することから採用される分野が益々増えることが予想される。
【0003】
しかしながら、このフラッシュパネルの生産工程は、表板材の位置決め工程、この表板材に対するパネル枠材の供給及び固着の工程、及びパネル枠材に対する裏板材の固着工程が最小限必要となるため、生産ラインはこれらの各工程を縦に長く並べて構成しているのが現状である。そのため、この生産ラインを設置する工場は、表、裏板材の供給工程、完成品のストック工程など付帯する工程を含め、非常に広い面積が必要となり、同時に装置オペレーターなどの作業者は、長い生産ラインを先端から後端まで移動して、作業することが必要となり、作業効率が悪いという問題があった。
【0004】
そこで、建築物の構築に用いるプレハブ用パネルを、建物の組立順にしたがい複数組みに分けてブロック化し、それらパネルを各ブロックごとにまとめて、製造ラインに流して製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平5−261634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この製造方法を用いると、製造されたフラッシュパネルを出荷待ちのために、一時ストックする工程の面積を減らすことができるものの、前記の如く縦に長いラインを敷設してその中で、直線状に製品を搬送しながら加工製造をする従来の製造方式が採用される。従って、製造工程ラインは依然長く構成されることから、生産工場として広い面積を必要とし、作業効率が悪いという課題を抱えている。
【0007】
本発明は、表板材を載置する起点の搬送台と、表板材の裏面に上方から接着剤を塗布する塗布作業台と、表板材にパネル枠を固着する部品固着台とを環状に配置することを基本とし、比較的狭いスペースでラインを構成できることから、生産性を向上できるフラッシュパネルの製造装置の提供を課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、請求項1に係る発明では、矩形平板状の表板材と、この表板材の外縁に沿った矩形状をなす外周枠を含んだパネル枠と、このパネル枠を挟んで前記表板材と向き合う裏板材とからなるフラッシュパネルの製造装置であって、表面を下にして位置合わせされた表板材を載置する起点の搬送台と、この起点の搬送台から送られた表板材を載置して、表板材の裏面に上方から接着剤を塗布する塗布作業台と、この塗布作業台から送られた表板材を載置して、表板材の裏面に接着剤の塗布面に沿ってパネル枠を供給するとともに、表板材にパネル枠を固着する部品固着台とを含み、起点の搬送台、塗布作業台、及び部品固着台は環状に配置され、前記起点の搬送台は、部品固着台においてパネル枠が固着された表板材の戻りを受けて、再度塗布作業台へ向けて送り出し、前記塗布作業台は、パネル枠が固着された表板材を載置して、パネル枠の上面に接着剤を塗布するとともに、部品固着台へ向けて再度送り出し、前記部品固着台では、接着剤が塗布されたパネル枠上に裏板材を供給するとともに、この裏板材をパネル枠に固着することを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明では、前記起点の搬送台に隣接して、表板材を位置決めしうる位置決め台が配置され、前記位置決め台は、一方のコーナーを基準として表板材を位置決めするために、そのコーナーに向かって下がる緩勾配面に沿って配置されるとともに、任意方向に回転自在な支持球体を多数有することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明では、前記起点の搬送台に隣接して搬出台が配置されるとともに、この搬出台と、起点の搬送台と、位置決め台とに囲まれた領域に移送用のアームロボットが設けられ、この移送用のアームロボットは、位置決め台上で位置決めされた表板材を起点の搬送台へ移送し、かつ前記部品固着台において、表板材、パネル枠及び裏板材が一体に固着されて構成されるとともに、起点の搬送台へ搬送されたフラッシュパネルを、搬出台へ移送することを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明において、前記起点の搬送台は、塗布作業台と一列に配置され、前記部品固着台は、搬送方向の前、後に、前記列の方向と平行に並ぶ前補助台、後補助台が設けられ、前記塗布作業台と前補助台との間、及び後補助台と起点の搬送台との間に、各々トラバーサが設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明においては、起点の搬送台、塗布作業台、及び部品固着台が環状に配置されることから、製造工程が直線状に長くなることがなく、比較的小面積で構成できる。そのため、オペレーターなどの作業者が移動する動線が短くなり、作業性が向上するとともに、作業疲労を低減できる。更には、部品資材の搬送経路も短縮できることから、生産性が向上する。また前記起点の搬送台は、部品固着台においてパネル枠が固着された表板材の戻りを受けて、再度塗布作業台へ向けて送り出す。塗布作業台では表板材の裏面に上方から接着剤を塗布した後、再度その表板材の上に固着されたパネル枠の上面に再度接着剤を塗布して、再度部品固着台へ送り出す。部品固着台では、表板材の裏面にパネル枠を供給固着した後、再度そのパネル枠の上に裏板材を供給固着する。しかして、起点の搬送台、塗布作業台、及び部品固着台は、被加工体に対して少なくとも異なる二つの工程において、加工するよう構成されるため、各製造設備の稼動率が向上するとともに、これら各加工工程において製造設備を操作する作業者も少ない人数で行なうことができることから、生産性が向上する。
【0013】
請求項2に係る発明では、一方のコーナーに向かって下がる緩勾配面に沿って配置されるとともに、任意方向に回転自在な支持球体を多数有する位置決め台を、起点の搬送台に隣接して配置すると、動力を用いることなく、表板材を正確に位置決めできることから、生産性が向上するとともに、高い寸法精度のフラッシュパネルを製造できる。
【0014】
請求項3に係る発明では、搬出台と、起点の搬送台と、位置決め台とに囲まれた領域に移送用のアームロボットを設けると、位置決め台上で位置決めされた表板材を起点の搬送台へ搬入するとともに、部品固着台で完成して起点の搬送台へ搬送されたフラッシュパネルを、搬出台へ移送することができることから、生産のスタートにあたる表板材の搬入と、完成品の搬出とを一台の移送用のアームロボットを用いて行なうことができることから、生産性を向上することができる。
【0015】
しかも、生産のスタートにあたる表板材の搬入と、生産の完了にあたるフラッシュパネルの搬出とを、起点の搬送台及び移送用のアームロボットを用いて行なうことから、資材の流れが一箇所に集約できるため、無駄な搬送を省いて生産性を向上しうる。
【0016】
請求項4に係る発明では、起点の搬送台と、塗布作業台とを一列に配置するとともに、塗布作業台と前補助台との間、及び後補助台と起点の搬送台との間に、各々トラバーサを設けると、起点の搬送台から、塗布作業台を経て、部品固着台へ移送される加工品がスムースに搬送できるため、生産タクトが短縮されて生産性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。本発明の装置により製造されるフラッシュパネル6は、矩形平板状の表板材2と、この表板材2の外縁に沿った矩形状をなす外周枠3を含んだパネル枠4と、このパネル枠4を挟んで前記表板材2と平行に向き合う裏板材5とからなり、相互に固着して一体化されたパネルをいう。なお表板材2、及び裏板材5は、パネル枠4を挟んで向き合う一対の板材を各々区別するために表、裏を付したものであり、必ずしも表側、裏側に配置されるものではない。
【0018】
更に本形態のフラッシュパネル6は、図8に示すように、本体パネル22の屋外側に積層一体化されて外壁パネル21を構成する外装ハーフパネル21Bの場合が例示される。この外装ハーフパネル21Bは、図7(A)に示すように、表面を下に向けた外装板2Aからなる表板材2の裏面に、図7(B)に示すように、矩形状の外周枠3及びこの内側の中央部の胴縁40を一体化したパネル枠4を接着し、更に図7(C)に示すように、このパネル枠4の上に裏板材5を接着することにより製造される。そして図8に示すように、本体パネル22の上に、裏板材5を下に反転した外装ハーフパネル21Bを積層するとともに、接着一体化して外壁パネル21が製造される。なお本体パネル22は、外装ハーフパネル21Bとは別工程で、内装板22Aと本体パネル枠22Bとを一体化するとともに、断熱材22Dを充填して製造される。
【0019】
前記外装板2Aとしては、ケイ酸カルシウム板、フレキシブルボードなどの窯業系、発泡樹脂層を鋼板、アルミ板でサンドイッチした金属系、合板、木毛セメント板、木片セメント板に防水被覆した木質系の各種サイディングボード、或いはALCパネル、軽量押出セメント板などのセメント系ボードが用いられるが用いられ、本形態の裏板材5は外壁パネル21の内部に通気性能を付与するため、通気性に富むケナフボードを用いたものが例示される。
【0020】
なお本形態のフラッシュパネルの製造装置1は、前記外装ハーフパネル21Bの製造装置として採用した場合を例示しているが、他のフラッシュパネルの製造に採用できることは勿論である。
【0021】
図1に示すように、本発明のフラッシュパネルの製造装置1は、起点の搬送台7と、塗布作業台8と、部品固着台9とを具えて構成される。
【0022】
前記起点の搬送台7は、図2、3に示すように、矩形状枠に脚を設けた架台23に、図示されない駆動器によって横送りできるローラコンベア24と、ローラコンベア24のローラ間で昇降して、縦送りできるクロスコンベア25とを設けて構成される。このクロスコンベア25は、電動シリンダによって昇降するリンク機構に支持されたチェーンコンベアを用いて構成される。更に図3、6に示すように、前記ローラコンベア24の間隙から同期して昇降する4本のシリンダ39Aを有する持上げ手段39を設けている。なお本明細書において横とは、図1において左右に向く方向をいい、更に図1における左、右の方向を各々左、右とする。また本明細書において縦とは、図1において上下に向く方向をいい、更に図1における上側を奥、下側を手前とする。
【0023】
前記塗布作業台8は、図3、5に示すように、起点の搬送台7と略同様に構成され、起点の搬送台7と同高さの架台23に、図示されない駆動器によって横送りできるローラコンベア24と、ローラコンベア24のローラ間で昇降して、縦送りできるクロスコンベア25とを具える。また塗布作業台8の前側には、塗布アームロボット26が設けられる。この塗布アームロボット26は、塗布作業台8に載置されたワークWの全領域を移動しうるアームの先端に、接着剤供給装置に接続されて接着剤を自動塗布する塗布ガン27を取り付けている。そして、塗布アームロボット26が動作して塗布ガン27がワークW上を移動することにより、ワークWの接着位置に接着剤が自動塗布される。なお本明細書において、ハーフパネルを構成する部品、及び部品相互を組み合わせた半製品、及び完成したハーフパネルを含んだ被加工体をワークWという。
【0024】
前記塗布作業台8は、起点の搬送台7の右側に一列に並んで配置され、更に起点の搬送台7と塗布作業台8との間には、中補助台28が設けられる。前記中補助台28は、図3に示すように、駆動器によって横送りできるローラコンベア24を有し、起点の搬送台7から右に送り出されるワークWを支持するとともに搬送して、塗布作業台8へ送り込むように構成される。
【0025】
図1、3に示すように前記部品固着台9は、架台23に、図示されない駆動器によって横送りできるローラコンベア24を設けて構成され、前記中補助台28の奥側で、中補助台28から間隔D(例えば、2〜7m程度)を隔てて配置される。この部品固着台9は、駆動を停止したローラコンベア24上に載置されたワークWに対して、本形態では、作業者Mが新たな部品を供給するとともに、タッカー、ネイラーなどの駆動工具を用いて、ワークWにその部品を固着する作業台として使用される。
【0026】
前記部品固着台9の搬送方向の前、後となる右側、左側に、各々前補助台15、後補助台16が設けられる。この前補助台15、及び後補助台16は、各々架台23に、図示されない駆動器によって横送りできるローラコンベア24と、ローラコンベア24のローラ間で昇降して、縦送りできるクロスコンベア25とを設けて構成される。
【0027】
図3に示すように、前補助台15、部品固着台9、及び後補助台16は、前記起点の搬送台7、中補助台28、及び塗布作業台8の配列と平行に横一列に並んで配置される。また前記塗布作業台8と前補助台15、及び後補助台16と後補助台16とは、各々縦に並び、前記間隔Dを隔てて配置される。更に塗布作業台8と前補助台15との間、及び後補助台16と起点の搬送台7との間には、縦に移動して、各々塗布作業台8から前補助台15へ、後補助台16から起点の搬送台7へワークWを、移送するトラバーサ17が設けられる。図6に、後補助台16と、起点の搬送台7との間を往復移動してワークWを移送するトラバーサ17が例示される。この構成を、図6に示された後補助台16と起点の搬送台7との間に設けられたトラバーサ17に基づいて説明する。
【0028】
前記トラバーサ17は、起点の搬送台7寄りの基台29によって縦にスライド可能に支持された走行基枠30上に、架台23及びこの架台23に装備された駆動器によって縦送りできるチェーンコンベア31を設けることにより構成される。また前記走行基枠30先端には、下を向いて傾斜する下傾斜面32が形成されるとともに、前記後補助台16の架台23に、この下傾斜面32と向き合い、上を向いて傾斜する上傾斜面33が形成される。そして、走行基枠30が奥に移動することによってトラバーサ17が後補助台16に連続する際(図6において、二点鎖線で示される)、上傾斜面33と下傾斜面32とが当接して、片持ち状に奥にスライドした走行基枠30の先端部が支持され、その結果トラバーサ17が水平状態を維持できて、後補助台16との間に段差を生じることがないため、ワークWがスムースに移送しうる点で好ましい。なお塗布作業台8と、前補助台15との間のトラバーサ17も同様に構成され、塗布作業台8、前補助台15間を縦に移動することにより、ワークWを塗布作業台8から、前補助台15へ移送できる。
【0029】
このように、起点の搬送台7、塗布作業台8、及び部品固着台9は、中補助台28、前補助台15、及び後補助台16を含んで環状に配置されるため、ワークWは製造工程を循環して搬送されながら加工されることから、前記従来のように、製造工程が直線状に長く連続することがない。そのため製造ラインを比較的小さな面積で構成することができる。従って、オペレーターなどの作業者Mが移動する動線も短くなることから、作業疲労が低減できて、作業性が向上する。また、部品、資材などの搬送経路も短縮できることから、生産性が一層向上する。
【0030】
しかも起点の搬送台7と、塗布作業台8とを一列に配置し、塗布作業台8と部品固着台9の前に配置された前補助台15との間、及び部品固着台9の後に配置された後補助台16と起点の搬送台7との間に、各々載り移り用のトラバーサ17を設けると、起点の搬送台7から、塗布作業台8を経て、部品固着台9へワークWをスムースに搬送できるため、生産タクトを短縮することができ、その結果生産性を向上しうる点で好ましい。
【0031】
図2に示すように、起点の搬送台7の手前には、起点の搬送台7に隣接する右側に表板材2を位置決めする位置決め台11が配置され、起点の搬送台7に隣接する左側に搬出台13が配置される。そして、起点の搬送台7と、位置決め台11と、搬出台13とに囲まれた領域に移送用のアームロボット14が設けられ、更にこの移送用のアームロボット14の手前に、搬入台34が設けられる。
【0032】
前記移送用のアームロボット14は、図6に示すように、アームの先端にワークWを真空吸着しうる吸着パット35及び、間隔が拡縮可能に構成された一対の向き合うチャック片を有し、ワークWを両側から挟着しうる挟着手段(図示せず)を装着している。
【0033】
前記位置決め台11は、図4に示すように、任意方向に回転自在な支持球体12が架台上に多数配置された、所謂ボールコンベア11Aを用いて構成している。そしてこのボールコンベアを11Aの支持球体12は、奥左のコーナーに向かって下がる仮想の緩勾配面に沿って配置されている。更に奥左コーナー部にL字ストッパ36を立設するとともに、奥右部、及び手前左部に各々平ストッパ37、37を立設し、右側中央部、手前側中央部にシリンダに駆動されて進退可能な押圧片38が設けられる。しかして、前記搬入台34において、パレット上で表面を下にして多数枚が積層された最上段の表板材2を、前記移送用のアームロボット14が吸着パット35により吸着して、位置決め台11に移送すると、緩勾配を設けて設置されたボールコンベア11A上で表板材2が傾斜下方に向かって移動するとともに、前記L字ストッパ36及び一対の平ストッパ37、37で受け止められて位置決めできる。このように本形態では、ラインの始点にある位置決め台11上で、表板材2が正確に位置決めできて、次工程へ移送されることから、寸法精度の高いフラッシュパネルを製造できる。しかも重力を利用することから動力を用いることなく正確に位置決めできるとともに、生産性を向上できる。更に本形態では、右側中央部、手前側中央部に内向きに進退可能な押圧片38、38を設けていることから、位置決めの信頼性を一層向上できる点で好ましい。
【0034】
前記位置決め台11において、位置決めされた表板材2は表面を下にしたまま、再度移送用のアームロボット14の吸着パット35に吸着されて、前記起点の搬送台7の上に移送される。このとき表板材2は、位置決め台11によって位置合わせされたポジションが維持されることから、起点の搬送台7上で所定の位置に載置される。そして起点の搬送台7のローラコンベア24が駆動して表板材2は、中補助台28を通過して、塗布作業台8へ移動する。
【0035】
図5に示すように、塗布作業台8において、裏面を上にして載置される表板材2の裏面に対して、前記塗布アームロボット26が上方から接着剤を塗布する。本形態では、表板材2の四周縁部及び中央部に対して接着剤が塗布される。接着剤は、例えば酢酸ビニルエマルジョン、水性ビニルウレタンなどを用いる。
【0036】
塗布作業台8は、クロスコンベア25が上昇し、接着剤が塗布された表板材2をトラバーサ17へ向けて送り出す。表板材2を載置したトラバーサ17は、前記走行基枠30のスライドによって、前補助台15まで移動し、表板材2を前補助台15へ送り込む。表板材2を受けた前補助台15は、クロスコンベア25が下降することにより、ローラコンベア24に載置された表板材2を部品固着台9へ向けて送り出す。
【0037】
部品固着台9において、上に向く裏面に接着剤が塗布された表板材2が載置される。そして、作業者Mが部品固着台9の周囲から、前記接着剤の塗布面に沿って、パネル枠4を構成する外周枠3、胴縁40用の部品を供給するとともに、タッカー或いはネイラーなどの駆動工具を用いて表板材2に固着する。なおこのとき、外周枠3、胴縁40用の部品は、部品固着台9の近傍にパレット上に積載されている。
【0038】
部品固着台9は、表板材2とパネル枠4の固着作業が完了したワークWをローラコンベア24の駆動により、後補助台16へ向けて横送りする。そして、ワークWを受け取った後補助台16は、クロスコンベア25が上昇してワークWをトラバーサ17に向けて縦送りし、トラバーサ17は前記と同様の搬送動作によって、受け取ったワークWをスムースに起点の搬送台7へ移送する。
【0039】
このように起点の搬送台7は、上昇したクロスコンベア25で、表板材2にパネル枠4が固着された半完成のワークWの戻りを受け取り、クロスコンベア25を下降させて、ローラコンベア24が支持するワークWを中補助台28を介し、塗布作業台8へ向けて再度送り出す。塗布作業台8は、搬入されてローラコンベア24上で載置する半完成のワークWのパネル枠4の上面に対し、再度前記塗布アームロボット26によって接着剤が塗布される。塗布作業台8は接着剤を塗布したワークWを、上昇したクロスコンベア25によって、トラバーサ17を介し、前補助台15ヘ向けて搬出する。トラバーサ17からワークWの移送を受けた前補助台15は、クロスコンベア25を下降させるとともに、ローラコンベア24の駆動により、ワークWを部品固着台9へ向けて横方向に搬出する。
【0040】
部品固着台9は、搬入されたワークWの接着剤を塗布したパネル枠4の上に、前記と同じ作業者Mが部品固着台9の周囲から、裏板材5を供給するとともに、タッカー或いはネイラーなどの駆動工具を用いてパネル枠4に固着する。
【0041】
部品固着台9は、表板材2、パネル枠4及び裏板材5が固着されて外装ハーフパネル21Bとして完成したワークWをローラコンベア24の駆動により、後補助台16へ向けて横送りする。そして、ワークWを受け取った後補助台16は、クロスコンベア25が上昇してワークWをトラバーサ17に向けて縦送りし、トラバーサ17は受け取ったワークWを、再度起点の搬送台7へと移送する。
【0042】
このように本形態では外装ハーフパネル21Bからなるフラッシュパネル6の製造において、環状に配置された起点の搬送台7、塗布作業台8、及び部品固着台9は、二度循環するワークWに対し、異なる二種類の製造工程において、製造加工するように構成されることから、製造設備の稼動率が向上するとともに、これら各々の工程において生産加工を行ない、或いは設備を操作する作業者の人数を少なくすることができるため、生産性を高めることができる。なお、起点の搬送台7、塗布作業台8、及び部品固着台9が環状に並ぶ製造工程で、ワークWを三度以上循環させてフラッシュパネル6を製造することもできる。
【0043】
部品固着台9において、裏板材5が固着され外装ハーフパネル21Bとしての製造が完了して戻ったワークWを載置する起点の搬送台7では、図6に示すように、前記持上げ手段39の4本のシリンダ39Aが同時に上昇して、外装ハーフパネル21Bが押し上げられる。そして、起点の搬送台7のローラコンベア24との間に形成される隙間に前記移送用のアームロボット14のアームが入り込み、このアームに先端に装着された吸着パット35が、外装ハーフパネル21Bの表板材2に対して下側から吸着することにより外装ハーフパネル21Bを保持する。このように、移送用のアームロボット14のアームに保持された外装ハーフパネル21Bは、上下を反転されるとともに前記搬出台13に移送される。この搬出台13では、製品パレットの上に外装ハーフパネル21Bが表板材2を上にして積層され、所定枚数ごとパレット単位でストックヤードへと移送される。また持上げ手段39によって、外装ハーフパネル21Bを起点の搬送台7の上方に持上げると、通気性に富むケナフボードを用いた裏板材5が上側に位置する姿勢のままで、移送用のアームロボット14が外装ハーフパネル21Bを下から吸着できる点で好ましい。
【0044】
前記の如く位置決め台11と、起点の搬送台7と、搬出台13とに囲まれた領域に移送用のアームロボット14を設けると、位置決め台11の上で位置決めされた表板材2を起点の搬送台7へ搬入する作業、および部品固着台9で完成して起点の搬送台7へ搬送されたフラッシュパネル6を搬出台13へ移送する作業に兼用できることから、生産の開始と終了における両工程を合理的、かつ効率的に操作でき、生産性を高めることができる。しかも、生産のスタートである表板材2の搬入と、生産の完了にあたるフラッシュパネル6の搬出とを、起点の搬送台7及び移送用のアームロボット14を用いて行なうことから、ワークWの流れを一箇所に集約して管理できることから、生産性を低下させる搬送の待機時間を低減して生産を効率化しうる。
【0045】
尚、叙上の説明は本発明の実施の形態を例示したものである。従って本発明の技術的範囲はこれに何ら限定されるものではなく、前記した実施の形態の他にも、各種の変形例が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施の形態を例示する平面図である。
【図2】その要部拡大図である。
【図3】ことなる要部拡大図である。
【図4】位置決め台の平面図である。
【図5】塗布作業台の平面図である。
【図6】起点の搬送台及びトラバーサを例示する正面図である。
【図7】(A)(B)(C)は、外装ハーフパネルの各製造過程を順次例示する斜視図である。
【図8】外装ハーフパネルを用いた外壁パネルの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
1 フラッシュパネルの製造装置
2 表板材
3 外周枠
4 パネル枠
5 裏板材
6 フラッシュパネル
7 起点の搬送台
8 塗布作業台
9 部品固着台
11 位置決め台
12 支持球体
13 搬出台
14 移送用のアームロボット
15 前補助台
16 後補助台
17 トラバーサ
【出願人】 【識別番号】000004673
【氏名又は名称】パナホーム株式会社
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100082968
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 正

【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎


【公開番号】 特開2008−6544(P2008−6544A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−180122(P2006−180122)