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【発明の名称】 組立ライン制御システム
【発明者】 【氏名】リック・マッデン

【氏名】ジェフ・フレンチ

【要約】 【課題】組立ライン制御システム、特に自動車組立ラインの保管・ロット制御システムを提供する。

【構成】組立ライン制御システム、より具体的には、車両組立ラインの保管・ロット制御システムが開示されている。製造組立ラインに通信ネットワークが重ねられる。この組立ラインは、いくつかのリーダと処理ステーション104を組込んで、リーダと処理ステーションのすぐ近くを通過する車両のID、および車両のビルド・インストラクション、ステータス、位置、条件、欠陥と修理の履歴などを決定し、確認する。この情報は、コンピュータデータベースに格納される。これらの車両、在庫ステータス、生産スケジュールなどに関して格納された情報に基づいて、製造プロセスを通る車両のルーティングが決定され、実施される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアセンブリを処理する組み立てラインであって、前記複数のアセンブリは複数のロットに形成されており、各ロットは製造優先順位を有しており、前記組み立てラインは、
前記複数のアセンブリを第1の地点から第2の地点まで移動させる複数のコンベヤと、
前記第1の地点から前記第2の地点までの複数の経路を形成するために前記複数のコンベヤを相互連結する複数の切換え点と、
複数のアセンブリのロットが前記優先順位に従って前記第2の地点まで到達し、且つ、前記ロットにおける前記複数のアセンブリが前記第2の地点に到達した際に実質的に連続して並んでいるように、前記複数の切換え点を制御するコントローラと、
から成ることを特徴とする組み立てライン。
【請求項2】
前記コントローラは、前記複数のコンベヤも制御することを特徴とする請求項1に記載の組み立てライン。
【請求項3】
前記コントローラは、前記複数のコンベヤ及び前記複数の切換え点と通信し、前記コントローラは、前記第1の地点と前記第2の地点との間にある前記複数の経路のうちの1つの経路に沿って前記ロットにおける前記複数のアセンブリを案内するために、ルーティングパスを決定するようになっている請求項2に記載の組み立てライン。
【請求項4】
前記組み立てラインは、更に、アセンブリ識別子から成り、前記アセンブリ識別子は、前記複数のコンベヤのうちの第1のコンベヤ上の所定のアセンブリのアセンブリID情報を得て、前記所定のアセンブリが前記アセンブリ識別子を通過した際に前記アセンブリID情報を前記コントローラに伝送することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の組み立てライン。
【請求項5】
前記アセンブリ識別子は光学式読み取り装置から成ることを特徴とする請求項4に記載の組み立てライン。
【請求項6】
前記光学式読み取り装置はバーコードリーダから成ることを特徴とする請求項5に記載の組み立てライン。
【請求項7】
前記第1のコンベヤは、前記第1のコンベヤの速度に関する情報を前記コントローラに伝送するように動作可能であることを特徴と請求項4〜6のいずれかに記載の組み立てライン。
【請求項8】
前記コントローラは、前記アセンブリのID情報と前記第1のコンベヤの速度に関する情報とを受け取った際に、前記所定のアセンブリの場所を追跡するように動作可能であることを特徴とする請求項7に記載の組み立てライン。
【請求項9】
前記コントローラは、第2のロットにおけるアセンブリよりも低い優先順位を有する第1のロットにおける複数のアセンブリが前記第2のロットにおける複数のアセンブリに対して遅れるような制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の組み立てライン。
【請求項10】
前記第2のロットにおける複数のアセンブリと、前記第2のロットにおける複数のアセンブリから離された前記第2のロットにおけるアセンブリと、の間には他の複数のロットにおける複数のアセンブリが介在しており、前記コントローラは、前記離されたアセンブリが前記他の複数のロットにおける複数のアセンブリを迂回して前記第2のロットにおける複数のアセンブリと再結合するような制御を行うことを特徴とする請求項9に記載の組み立てライン。
【請求項11】
前記複数のアセンブリは自動車用アセンブリであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の組み立てライン。
【請求項12】
組み立てラインを動作させる方法であって、前記組み立てラインは、第1の地点から第2の地点まで複数のアセンブリを移動させる複数のコンベヤと、前記第1の地点から前記第2の地点までの複数の経路を形成するために前記複数のコンベヤを相互連結する複数の切換え点と、を備えており、前記方法は、
複数のアセンブリからなるロットの製造優先順位を決定することと、
前記ロットにおける複数のアセンブリが前記製造優先順位に従って前記第2の地点に到達し、且つ、前記ロットにおける複数のアセンブリが前記第2の地点に到達した際に実質的に連続して並んでいるように、前記切換え点を制御することと、
から成ることを特徴とする方法。
【請求項13】
前記方法は、前記複数のコンベヤを制御すること、を更に含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ロットは第1のロットであり、前記第1のロットは第2のロットよりも低い優先順位を有しており、前記方法は、更に、前記第1のロットが前記第2のロットに対して遅れるような制御を行うことから成ることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第2のロットにおけるアセンブリと、前記第2のロットにおけるアセンブリから離された前記第2のロットにおけるアセンブリと、の間には他の複数のロットにおける複数のアセンブリが介在しており、前記方法は、更に、前記離されたアセンブリが前記他の複数のロットにおける複数のアセンブリを迂回して前記第2のロットにおけるアセンブリと再結合するような制御を行うことから成る請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のアセンブリは自動車用アセンブリであることを特徴とする請求項12〜15のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、組立ライン制御システムに関し、特に、車両組立ラインの保管・ロット制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の組立ライン、特に車両組立ラインでは、一部完成した自動車等のアセンブリ(組立体)が連続して供給され、通常、多数の組立ステーションを通過する。各アセンブリ、あるいは場合により車両は、一般に、特定のアセンブリと関係のあるインストラクションシートすなわちビルドシートを有している。ビルドシートは、実行する必要のある処理に関するインストラクションと、アセンブリが搬送されるべき場所と、を記載している。ビルドシートは、一般に、特定の車両に関するコンピュータ記録をプリントアウトしたものであり、直接または間接的に車両に付けられる。さらに、車両には、その車両に関連する組立シートも付けられている。組立シートは、この組立シートが付けられた特定の車両に取付ける必要のある様々な部品または構成部品を特定する。その結果、組立シートは、取付けられる部品を特定し、またビルドシートには、組立シートで特定される部品を組立てるときに、どこで、どのような処理を使用すべきであるかというインストラクションが記載されている。
【0003】
最近、自動車産業は、2つの異種の製造技法、すなわちジャストインタイム(JIT)生産と大量受注生産を採用してきた。
【0004】
JIT生産は、製造工場への部品供給と、「ラインの側部」(すなわち、製造組立ラインに物理的に近くて、部品がアセンブリ上/アセンブリ内に取付けられる状態でいる場所)への部品供給と、を調整して、在庫の部品数を削減し、それゆえにコストも減らす。技術的に公知のものとして、JIT生産の場合、供給者(サプライヤー)から同一の部品、構成部品、またはアセンブリを数回出荷する必要がある(この供給者とは、例えば、アセンブリ製造業者の別の工場、同じ製造工場内の別の組立ライン、あるいはHonda(商標)のような大手自動車製造業者に対するティア1(TierI)サプライヤーなどのような別の供給者即ち外部の供給者である)。これらの部品を出荷する際、製造障害または配送障害のために、製造工場への到着が遅れることがしばしばある。このような遅れと、関連する在庫の部品が少ないという問題の結果、1日の部品出荷の遅れ、もしくはたった1回の部品出荷の遅れが、工場製造・生産スケジュールに重大な影響を与えるのは珍しいことではない。
【0005】
大量受注生産とは、同一のプラットフォームまたは基本車両シャシを有するHonda(商標)Civic(商標)などの同一の車両銘柄において多数の変形種を同一の組立ライン上で行うプロセスを表わす多くの用語の1つである。さらに、Acura(商標)1.6EL(商標)のような他の別の複数の車両銘柄は、別の車両と同じプラットフォームを共用するが、互いに著しく異なるビルドシートとインストラクションを必要とする。これらの車両銘柄は、また、Honda(商標)Civic(商標)と同一のアセンブリ上でも製造できるので、その製造コストは減る。大量受注生産の結果として、単一のプラットフォームが、いくつかの異なる車両銘柄の間で何千もの変形種を生むのは、珍しいことではない。これらの変形種の場合、ビルドシートのインストラクションを実行するために、対応する数の互いに異なる部品が組立ラインで使えるようにすることが必要である。「parts(部品)」という語は、固定されるか、付けられるか、またはそれ以外に、製造される特定の車両に強い影響を与える任意タイプの構成部品を含めるのに、きわめて一般的に使用されることに留意されたい。「part(要素)」という語は、例えば、流体、塗料の種類、塗料の色、ハンドルのサイズ、排気システム、エンジンのサイズと形態、トランスミッション、ドアの数、シートの選択(1つまたは複数)などを含む場合がある。
【0006】
JITと大量受注生産を同時に可能にするには、一般に、多数の部品を、単一の作業ステーション(例えば、音響システム(ラジオ)設置ステーション)で使えるようにすることが必要である。とはいえ、ライン側部のスペースの物理的な限界があるために、部品交換の回数を制限するために、多数の製造法が試みられてきた。すなわち、部品交換は、経済的な音響システムなどの一組の部品をライン側部から除去して、グレードアップした(または豪華な)音響システムなどの別の組の部品への交換をライン側部で行うことである。部品交換の回数を制限するために、類似する形態を有する類似する車両銘柄は、従来、ロット単位またはグループ単位で製造されるように計画されてきた。すなわち、類似する車両銘柄を有し、かつ、顧客が類似の手法で構成する即ち「オプションを付ける」複数の車両をグループ化する生産スケジュールが作成されて実施されている。このようにして、ライン側部において、特定ロットの車両を製造するのに必要な異なる部品の数は著しく減らされる。にもかかわらず、あるロットから別のロットへの切換えがあるときはいつでも、ライン側部の部品を交換して、次の車両ロット用のビルドシートのインストラクションを実行しなければならない。例えば、特定のステーションが、第1のロットの最後の車両に対する作業を完了し、第2のロットの最初の車両に対する作業を開始しようとしたときに、車両ロットの切換えを可能にするために、このステーションのすぐ近くにあるライン側部の部品を、通常は、変更しなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
車両が検査で不合格となって修理しなければならないとき、部品不足のとき、または、製造の変更を実施しなければならないときはいつでも、上述の組立ラインおよび方法は、しばしば、障害に遭遇する。技術的に公知であるように、一部完成した車両または車両アセンブリは、一般に、製造中に、欠陥を特定するために、1つまたは複数の地点で検査される。これらの検査の結果、検査で不合格となった車両アセンブリは、一般に、組立ラインから除去されて、その欠陥が修理される。修理された車両は、その後、車両組立ラインに再挿入される。様々な検査、組立ラインからの除去、修理、再挿入を行った結果、車両ロットの構成要素は、一般に「ごた混ぜ」になってしまう。すなわち、修理された車両が挿入される組立ラインの位置は、その修理された車両とはきわめて異なるビルドシートのインストラクションで製造される別の車両ロットの中央になる場合もある。従って、修理された車両のビルドシートのインストラクションに基づいて該修理された車両の組立を完了させるためには、残りの作業ステーション(すなわち、その修理された車両が挿入された地点よりも下流側にある作業ステーション)のラインの側部で部品が入手できるようにしなければならない。このため、この修理された車両に応じている様々な作業ステーションに適正な部品および構成部品を部品制御システムが供給できるようにするために、組立ラインは減速するかまたは停止することが多い。さらに、塗料の色や種類などのいくつかのpart(要素)を使用する場合、以前に使用された色又は種類の塗料を塗装システムから洗い流す必要があるために、その要素の使用前に著しい遅延が生じる場合がある。例えば、白色に塗装される予定の修理済み車両を赤色に塗装される予定の車両ロットに挿入する場合には、修理された白塗り予定の車両を塗装する前に、塗装システム(塗装ライン、塗装室、ノズルなど)に残留した赤色塗料を洗浄して落とさなければならない。このような洗浄処理は、まったく時間の浪費である。
【0008】
従来の組立ラインが直面する障害としては、他に、部品不足が原因で起こる障害がある。万一、JITによる部品の配送システムに何か障害(この障害は、前述の通り、部品のただ1回の出荷の遅れから発生する場合もある)があれば、特定のビルドシートのインストラクションを実行する能力に重大な影響を与える場合がある。この結果、部品が工場そして最後にはライン側部に搬送されるまで、組立ラインは停止するか、あるいは、組立ラインから車両は除去される。
【0009】
従来の組立ラインが直面する障害としては、更に、ビルドシートのインストラクションの所望の変更から起こる障害がある。例えば、特定の種類の車両の生産目標が達成されていない場合には、生産ライン上の車両ロットの順序を変更することが望ましい場合がある。生産目標が達成されていない場合、代わりの処置としては、可能であれば個々の車両のビルドシートのインストラクションを変更することである。
【0010】
従来の組立ラインは、(部品不足、供給者の交代、車両または部品の仕様の変更などで)特定の部品または構成部品を取替えているときに更なる障害に直面する。この場合には、車両のビルドシートにおける組立に関するインストラクションを変更する必要があることもある。しかしながら、従来の組立ラインと紙上のビルドシートのインストラクションの場合、この変更処理には適時に間違いが起こりやすい。
【0011】
それゆえに、これらの欠点に対応する組立システムが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一の概念により、複数のアセンブリを製作する方法が提供され、該方法は、該複数のアセンブリから複数のアセンブリロットを形成する工程と、該複数のアセンブリロットを第1の場所から第2の場所に移す工程と、該複数のアセンブリロットのうちの第1のロットにおける各アセンブリが前記第1の場所と第2の場所との間で移動するときに、該各アセンブリの位置を追跡する工程と、該第1のロットの或るアセンブリが第1のロットの他のアセンブリとは離れているアセンブリであると判定する工程と、代替経路に沿って、該複数のアセンブリの少なくとも1つを送って、離されたアセンブリが該第1のロットの他のアセンブリと再合流するようにしている工程と、を含む。
【0013】
本発明の他の概念により、第1の場所と第2の場所との間で行われる製造プロセスにアセンブリを送る方法が提供され、前記方法は、(a)該アセンブリの製造優先順位を決定する工程と、(b)該製造優先順位の決定に基づいて、該アセンブリが送られるルートを決定する工程と、(c)該ルートに従って該アセンブリを送る工程と、を含む。
【0014】
本発明の他の概念により、アセンブリを第1の地点から第2の地点に移す複数のコンベヤと、該複数のコンベヤを相互連結して、該第1の地点から該第2の地点への複数の経路を形成する複数の切換え地点と、該複数の切換え地点と該複数のコンベヤとを制御して、該第1の地点と第2の地点との間に位置付けられた第2のアセンブリを迂回する経路に沿って、第1のアセンブリを、該第1の地点から該第2の地点に移すコントローラ と、を備えた組立ラインが提供される。
【0015】
本発明の他の概念により、第1のステーションと、該第1のステーションの下流側にある第2のステーションと、該第1と第2のステーションの下流側にある第3のステーションと、ルータと、を備えた組立ラインが提供されており、該第1のステーションは第1のアセンブリを有しており、該第1のアセンブリは、第1のステーションのすぐ近くに位置付けられた第1のアセンブリグループの構成要素であり、該第2のステーションは第2のアセンブリを有しており、該第2のアセンブリは、第2のステーションのすぐ近くに位置付けられた第2のアセンブリグループの構成要素であり、該第3のステーションは第3のアセンブリを有しており、該第3のアセンブリは、第3のステーションのすぐ近くに位置付けられた第1のアセンブリグループの構成要素であり、該ルータは、該第1のアセンブリを該第1のステーションから、該第2のアセンブリと該第2のステーションを迂回して、該第3のステーションに移すようにしている。
【0016】
本発明の他の概念により、製造ライン上でアセンブリを製造する方法が提供され、該方法は、該製造ライン上で第2のアセンブリに先行する第1のアセンブリの製造優先順位を決定する工程と、該第2のアセンブリの製造優先順位を決定する工程と、該第2のアセンブリの製造優先順位が、該第1のアセンブリの製造優先順位よりも高い場合には、該第2のアセンブリが該製造ライン上で前記第1のアセンブリに先行するように、該第1のアセンブリと該第2のアセンブリの順序を付け直す工程と、を含む。
【0017】
本発明の他の概念により、複数の組立レーンを備えた組立プロセスを通じて、アセンブリを送るシステムが提供され、該システムは、受信機と、該受信機の出力に応じて該アセンブリ用の現在ルートを決定するプロセッサと、該プロセッサの出力に応じて、該ルートを示す信号を該複数の組立レーンに送る送信機と、を備えており、
該受信機は、該アセンブリに固有のアセンブリ識別子を含む信号をアセンブリ識別器から受取ることと、該組立プロセスにおける該アセンブリの現在位置を示す信号を受取ることと、該アセンブリの現在製造優先順位に関する信号を受取ることと、を行う。
【0018】
本発明の他の概念により、コンピュータソフトウェア媒体が提供されており、該コンピュータソフトウェアがプロセッサにロードされると、該プロセッサは、該コンピュータソフトウェアによって、アセンブリに固有のアセンブリ識別子を含む信号をアセンブリ識別器子から受取ることと、該組立プロセスにおける該アセンブリの現在位置に関する信号を受取ることと、該アセンブリの現在製造優先順位に関する信号を受取ることと、該受取られた信号に応じて、前記アセンブリ用の現在ルートを決定することと、該現在ルートを示す信号を複数の組立レーンに送ることと、を行うようになっている。
【0019】
本発明の他の概念により、組立プロセスにおいて、第1と第2のアセンブリを製造する方法が提供され、該方法は、該組立プロセスを通じて、該第1と第2のアセンブリを追跡する工程と、該第1のアセンブリの製造優先順位を決定する工程と、該第2のアセンブリの製造優先順位を決定する工程と、該第2のアセンブリの優先順位が該第1のアセンブリの優先順位よりも高い場合には、該組立プロセスにおいて、該第1のアセンブリの下流側に該第2のアセンブリを位置付ける工程と、を含む。
【0020】
本発明の他の概念により、複数のアセンブリを製造するシステムが提供され、該システムは、第1の位置と第2の位置との間に置いた複数の経路を有しており、該複数のアセンブリを該第1の位置から該第2の位置へ移すコンベヤシステムと、該複数のアセンブリを複数のロットに割当てるようにし、該複数のロットのうちの第1のロットの各構成要素が該第1の場所と第2の場所との間で移るときに、該各構成要素の位置を追跡するようにするコンピュータと、備え、該コンピュータは、さらに、該第1のロットのアセンブリが、前記第1のロットからいつ離されたか決定するとともに、該コンベヤシステムの代替経路に沿って該複数のアセンブリの少なくとも1つを送って、該第1のロットから離されたアセンブリが、そのロットと再合流して、該第1のロットの他のアセンブリと連続して1グループを形成できるようにしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本明細書の以降の説明において、以下の用語が使用される。これらの用語の意味は以下のとおり定義される。
PBS 塗装車体保管。このPBSは、要素100Aとして図1Aに示される。この用語は、塗装済みの一部完成車両用の領域をさす。ここに述べる実施例では、PBS領域はABS領域よりも下位の段階に位置する。
ABS 組立車体保管。このABSは、要素100Bとして図1Bに示される。このABS領域は、ここに述べられる実施例において、PBS領域よりも上位に位置付けられ、PBS領域と「最終組立(AF)」領域とから、一部完成車両を受取り、これらの一部完成車両を車両のステータス(状態)及び条件に応じて「最終組立(AF)」領域とPBS領域に移す。
PBSステータス 車両は、PASS(合格)かFAIL(不合格)のいずれかに設定された関連PBSステータス標識を有している。合格PBSステータスは、特定の車両が様々な品質基準を満たしており、その後は最終組立に移せることを示している。不合格PBSステータスは、車両が、「最終組立」の前に修理する必要のある欠陥があることを示している。特定車両用のPBSステータス標識は、任意の検査領域および/または修理領域(図1Bの領域148、150、154)で変化できる。これらの検査領域は、様々な検査のための試験を行う。これらの試験のどれか1つが不合格であると、車両のPBSステータスが不合格に変更される場合がある。車両がどの品質検査においても不合格にならなかったか、または、示された欠陥がすべて修理された場合、その車両のPBSステータスは合格に設定される。PBSステータス標識は、製造ネットワーク200のデータベース208(図2)に格納される。
生産ステータス 各車両は、対応する「生産ステータス」標識を有している。「生産ステータス」標識は、SCRAP(スクラップ)、HOLD(保留)、またはRELEASED(解放)のうちの1つに設定される。スクラップの「生産ステータス」を有する車両は、大きな欠陥が確認されて、該車両がスクラップされる必要があることを示している。保留の「生産ステータス」標識は、少なくとも一時的に、製造プロセスを継続すべきでないことを表わしている。車両は、一時保管レーン(例えば、図1のレーン110)にオフラインまたはオンラインの状態で保管される。「生産ステータス」が解放であるときは、車両が、製造プロセスの次の段階に進めることを示している。この生産ステータスは、組立プロセスを通じて更新できる。「生産ステータス」標識は、製造ネットワーク200のデータベース208(図2)に格納される。この生産ステータスは、スクラップの場合、任意の車両検査領域で設定される。保留または解放の「生産ステータス」は、車両の生産目標、実際の車両生産統計、車両のロット(即ち車両のグループ)内の他の車両の場所に応じて、製造ネットワーク200(図2)で決定される。この「生産ステータス」標識はまた、製造ネットワーク200のデータベース208(図2)にも格納される。
AF 最終組立。AF領域は、塗装した車体上または車体中に、例えば、計器盤、サスペンション・サブアセンブリ、ガラス、ドア、エンジン/トランスミッション・アセンブリなどの様々な構成部品が取付けられる領域である。
ロット条件 各車両は、ロット(即ちグループ)と関連し、またロット(またはグループ)の一構成要素である。各車両は、DELAYED(遅延)、CURRENT(現在)、またはFUTURE(将来)に設定される関連「ロット条件」標識を有している(以後、「ロット条件」標識と「ロット条件」とを互換的に使用することとする)。特定の車両の「ロット条件」は、その車両が属するロットにおける他の構成要素(即ち他の車両)の位置と、製造障害が起きなかった場合における該特定の車両のあるべき位置と、に関連して設定される。あるロットにおける車両に例えば欠陥が確認され、そのために、該車両が該ロットにおける他の車両と接触していない場合、その欠陥が確認された車両は該ロットより遅れる。すなわち、この車両は「遅延した」ことになるので、この車両のロット条件は「遅延」に設定される。ある特定の車両が製造プロセスにあり、該車両が属するロットにおける他の車両もその製造プロセスを受けている場合、その特定車両のロット条件は「現在」に設定される。車両が、後で処理される予定のロットの構成要素である場合には、この車両のロット条件は、「将来」に設定される。この「ロット条件」標識はまた、製造ネットワーク200のデータベース208(図2)にも格納される。
【0022】
例えば、車両のPBSステータス、ロット条件の標識、ロットナンバー、生産ステータスを含む多数の要因に基づいて、車両の製造優先順位(すなわち、組立ライン10(図1C)内の他の車両と比較した特定車両の優先順位)を決定できる。車両の製造優先順位に基づいて、組立ライン10を通じて、車両が送られる。
【0023】
図1Cを参照して、本発明の一の概念を具現化した自動車組立ライン10が例示される。一般に、自動車組立ライン10は、白塗り車体領域12と、塗装領域14と、保管組立ライン100と、最終組立領域16と、から成っている。塗装されてないか、モノコック構造であるか、またはボディーとフレームとからなる様式の車両フレームである白塗り車体は、白塗り車体生産領域12内で製造される。白塗り車体生産領域12は、これらの白塗り車体を塗装領域14に送って、そこで、様々なコーティング(例えば、プライマー、カラーコート、金属コート、クリアコートなど)を、白塗り車体に施す。これらの塗装された車両は、次いで、塗装車体保管(PBS)領域100A(図1Aに示される)と組立車体保管領域100B(図1Bに示される)とから成る保管組立領域100に移される。車両は、保管組立領域100で処理された後で、最終組立領域16に移される。最終組立領域16では、例えば、内装、カーペット、計器盤、シート、ドライブトレイン、流体機器などの取付けを含め、様々な作業を行う。
【0024】
組立ライン10上で生産される車両は、少なくとも1つの一意の識別子を有している。この一意の識別子は、一般的には、「車両識別番号(VIN)」である。上述の通り、製造される各車両は、該車両に対して行われる処理とこれらの処理が行われる場所とを記載したビルドシートと、車両に取付けられる部品を示す組立シートと、を備えている。この情報は、コンピュータのデータベース(図2のデータベース208A、208B)に格納される。
【0025】
(顧客の注文に基づいて)製造される必要のある車両を詳述した情報から、生産スケジュールが設定される。この生産スケジュールは、コンピュータ(例えば、サーバー206)に顧客の注文を入力することによって、決定される。次に、コンピュータは、注文を受けた車両を製作するのに必要な部品を決定し、部品がこれらの車両に使えるかどうか判定し、(必要であれば)さらに多くの部品を注文することなどを行う場合がある。コンピュータのデータベースに格納されたこの情報に基づいて、生産スケジュールを設定する。この生産スケジュールは、同様な車両(すなわち、類似した組立シートとビルドシートとを有する車両)をまとめて、グループ即ちロットにする。生産スケジュールにおける車両のそれぞれには、一意の識別子(例えば、車両識別番号など)とロットナンバーとが割当てられる。同一のロットを構成する各車両には、同一のロットナンバーが割当てられる。この情報は、データベースに格納される(例えば、図2のデータベース208)。さらに、各車両には、他の3つのデータ、すなわちPBSステータス標識と、ロット条件標識と、生産ステータス標識と、が割当てられている(これらの3つのデータもすべて、データベース208に格納される)。上述の通り、PBSステータス標識は、「合格」か「不合格」のいずれかに設定される。下記の通り、PBSステータスは、情報をコンピュータ端末に入力することによって設定されるか、あるいは、データベース208と通じている自動検査装置(例えば、ロボットパネルギャップ測定装置)によって設定される。「ロット条件標識」は、「遅延」、「現在」、又は「将来」に設定される。車両のロット条件標識(以後、「ロット条件」と呼ぶ)は、生産スケジュールに基づいて、あるいは、該車両が属するロットと同じロット内の他の車両のステータスに基づいて、中央コンピュータ(例えば、図2のサーバー206)により設定される。さらに、各車両には、生産ステータス標識(以後、「生産ステータス」と呼ぶ)も関係している。車両の生産ステータスの条件は、「スクラップ」、「保留」、又は「解放」に設定される。上記の通り、生産ステータスは、車両が次の製造プロセスに進むことができるか(すなわち、車両を「解放」できるか)、車両が現時点では以後の生産プロセスには使えないか(すなわち、車両を「保留」するか)か、あるいは、車両が大きな欠陥を有するので「スクラップ」すべきかどうかを示す。
【0026】
一般に、図1Aと図1Bは、二段階保管組立領域100を示している。車両は、塗装領域14(図1C)から保管組立領域100のレーン142(図1B)上に受取られる。二段階保管組立領域100は、検査用の領域を備え、できれば、受取られた車両の欠陥の修理と、最終組立領域16(図1C)に移す前に、車両の並べ替えと、を行う。
【0027】
保管組立領域100(図1A、図1B、図1C)の目標は、塗装領域14(図1C)から受取られた複数の車両を、合格した車両が高い割合を占めているロットとして、最終組立領域16(図1C)に移すことである(すなわち、保管領域100から最終組立領域16に移すことになっている複数の車両において、PBSステータスが「合格」となっている車両が占める割合が高いということである。)。さらに、保管組立領域100は、最終組立領域16に移す前に、車両の順序を並べ替えて、同じロットナンバーを有する車両が、できれば、連続して並べられてグループを形成するように設計されている。このようにして、「最終組立」領域16で求められる部品交換の回数が減らされる。しかしながら、最終組立領域16が、保管組立領域100からの車両の不足を蒙ることがないことを確実にするため、同じロット番号の車両が連続的に並べられていない特定のロットを時折最終組立領域16に移す必要があることに注意しなければならない。
【0028】
保管組立領域100内の車両の並べ替えは、2地点間における互いに異なる多数のルートと車両を保留する能力とを有することと、様々な切換え場所で車両に与えられる優先順位と、これらの特徴を総合的に調整することと、によって達成される。例示される通り、保管組立領域100は、複数のレーンから構成されている。これらの複数のレーン、および、車両組立ライン10に備えられたその他のレーンは、車両(すなわち、塗装済みの車体)を保管組立領域100内で運搬する運搬機構を備えている。この運搬機構は、例えばコンベヤ(例えば、オーバヘッドコンベヤ、アンダーボディーコンベヤ、半自動ロボット車両キャリア、手動運搬車両キャリア等)であり、以後、まとめて「コンベヤ」と呼ぶ。これらのコンベヤはそれぞれ、互いに、独立して動作することもできる。さらに、これらの独立した運搬装置(例えば、コンベヤ)を、同一速度で動作させる必要はない。実際、以下で明らかとなるように、いくつかのコンベヤを、他のコンベヤよりも速い速度で動作させることが望ましい場合がある。最後に、これらのレーンを独立して動作させると、車両がレーンに入ることと、レーンから離れることと、を防ぐことが可能である。例えば、レーン110Eを永久の保管領域に変えて、車両を該レーン110Eに入れさせることはできても離脱できないようにすることもできる。同様に、必要であれば(例えば、保守目的で)、複数あるレーン110の1つを、完全に停止させることもできよう。さらに、コンベヤは、下記の通り、各車両が組立ライン10を通っているとき、さらに具体的に言えば保管組立領域100において移動しているとき、その車両の位置を(リアルタイムで)追跡できるようにしている。この追跡情報は、製造ネットワーク200(図2)のデータベース208に格納される。この車両の追跡は、各車両が「車両識別器(VID)」134を通過する際に、該車両を識別して(さらに、コンピュータデータベースを更新する)ことによって支援されている。車両が車両識別器134のすぐ近くのレーン上を通ると、車両識別器134は、車両のIDを得て、この車両のID情報(例えば、車両識別番号で特定されるID情報)を、通信リンクを通じて、データベース208に送る。
【0029】
一般に、製造される車両は、製造プロセスの開始から、車両をその最終目的地に引渡すときまで追跡される。車両の追跡は、特定の車両に対して構成部品または部品が製造される第1の過程から開始する。この追跡は、白塗り車体生産領域12(図1)内での白塗り車体の製造中に開始してもよい。領域12では、特定の車両と、その関連する一意の識別子(例えば、その車両の車両識別番号)と、に対応して、該車両の白塗り車体の特定部分(例えば、白塗り車体のフロントエンジンルーム構成部品)を溶接するための構成部品が選択される。この時点以降、車両は、コンベヤ216(図2)によって移動することによって、追跡される。PLC214に対応しているコンベヤ216はデータベース208とやり取りし、該データベースを更新しているので、データベース208は、車両が組立ライン10を通るときに、該車両の位置に関する記録を保存できる。車両識別器134は、バックアップと確認装置の働きをする。組立ライン10内の車両の位置に関する記録をデータベース208で確実に保存できるようにするために、車両識別器134は、車両が該車両識別器134の位置のすぐ近くを通ると、該車両を識別し、次いで、その車両の位置をデータベース208に送って、車両の位置に関する記録を更新できるようにしている。さらに、車両識別器134は、様々なレーン上に車両を載せる順番を確認する働きもする。これは、特に、2つ以上のレーンが単一レーンに車両を送る場合に、非常に役立つ。
【0030】
組立ライン10での車両の位置は、直接的又は間接的に決定できることに留意されたい。車両の位置を直接的に決定することは、SmartEye(商標)リーダ、バーコードリーダ、または特定の車両(例えば該車両の車両識別番号)を識別できるその他のリーダがSmartEye(商標)ラベルを読み取るように、車両識別器134が読み取り動作を行うことによって行われる。また、組立ライン10での車両の位置は、車両の一意の識別子(例えば、車両識別番号など)と、一意の車両運搬器識別子と、を対応させることによって間接的に決定することもできる。該車両運搬器識別子は、コンベヤなどの搬送装置によって移動して組立ライン10を通り抜ける。上記車両運搬器は、例えば、オーバヘッドキャリア、アンダーボディーキャリア等である。車両に関連している車両の識別子と車両運搬器識別子とは、該車両が或る車両運搬器から他の車両運搬器に移されたときに、変わることがある。一意の車両識別子と車両運搬器識別子との対応付けは、データベース208(図2)に格納される。コンベヤなどの組立ライン10のコンベヤは、該コンベヤによって移動する車両運搬器の位置に関する情報でデータベース208を更新する。車両運搬器の位置情報は、例えばトグルスイッチまたはバーコードリーダなどの複数のチェックポイントをコンベヤのルートに沿って配置することによって、収集される。車両運搬器が各チェックポイントを通ると、信号は、コンベヤから、PLC214を経て、データベース208に送られる。車両運搬器が通ったチェックポイントと、データベース208が以前に受取った信号から得られた車両位置データに対応してデータベース208に格納されている情報と、特定の車両が特定の車両運搬器と関連しているという事実と、に基づいて、特定のコンベヤ上の車両の位置を決定できる。他の一実施例では、コンベヤは、トグルスイッチ情報ではなくて、他のオペレーション情報をデータベース208に送ることができ、その情報から、車両の位置を決定できる。例えば、コンベヤなどの搬送装置は、コンベヤの運転速度に対応する情報をデータベース208に送れる。このコンベアの運転速度に対応する情報と、最後の更新から経過した時間と、に基づいて、各車両運搬器の位置を決定でき、従って、運搬される車両の位置も決定される。
【0031】
保管組立領域100のレーンは、いくつかの切換え(または、交差)点で、互いに交差するように配置されている。車両の総合ステータス(これは、例えば、その車両のPBSステータス、ロット条件、および生産ステータスを含む)に基づいて、特定のルートに従って車両を送り出す指示を生成して切換え地点に送ることによって、該車両は、決定されたルートに従って輸送される。これらの切換え地点(図1Aと図1B上で、点または円で示される)は、例えば、レールコンベヤ・スイッチであり、該スイッチに送られた指示は、半自動ロボット車両キャリア、レーンからレーンへと車両を移すロボットハンドラ等により実行される。本実施例において、これらの切換え地点は、追跡される車両が切換え地点のすぐ近くの或る地点に到達するようなイベントが発生したときに、オペレーションを実施するコンピュータアプリケーションまたはサブルーチンなどのコントローラ(「処理ステーション」と呼ぶ)により制御される。これらの切換え地点のコントローラは、切換え地点のすぐ近くのコンピュータで実行するコンピュータアプリケーションであるか、あるいは、下記の通り、このコントローラは、例えばサーバー206(図2)などの集中型の単一マシンである。単一の処理ステーションは、いくつかの切換え地点を制御することで、車両の移動を調整する場合がある。例えば、処理ステーション108は、レーン102から、5つのレーン(レーン110A、レーン110B、レーン110C、レーン110D、レーン110E)のうちの1つのレーンに移される車両を調整する。同様に、処理ステーション112は、レーン110A〜110Eのレーンから供給される車両の移動を制御する。このコントローラは、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)等の協力を得てレーンのコンベアを、直接的に、または間接的に稼働させる場合がある。
【0032】
一般に、コンベヤと、切換え地点と、コントローラ(例えば、下記の処理ステーション)とによってルータが形成され、該ルータは、車両を送り出して特定のルートに従って組立ライン10を通るようにする。ルータは、組立ライン10と該組立ライン上の車両とに関する情報(例えば、機器の可用性、車両製造の優先順位、コンベヤの可用性、生産スケジュール、そして、「最終組立領域」、「塗装領域」などの様々な生産領域の状況)に基づいて、個々の車両が取る経路を決定して、これらの車両を該決定された経路に従って移動するように送り出す。
【0033】
前述の通り、保管組立領域100の目標は、車両の順序を並べ替えて、同一ロットナンバーを有する車両のグループが、最終組立領域16(図1C)に移されるようにすることである。車両のPBSステータスと、ロット条件と、生産ステータスとに基づいて、車両を、(処理ステーション108により制御される)レーン102から複数の保管レーン110のうちの1つへ移す。同様に、車両は、同一標識に基づいて、処理ステーション112により、保管レーン110から外に移される。
【0034】
一般に、保管組立領域100に送られた車両は、検査プロセスを受け、その結果は、コンピュータ端末を通じて、あるいは、ロボット検査装置または自動検査装置を経て、データベース208に入力される。車両が検査で不合格となれば、そのPBSステータス標識が「不合格」に設定される。その結果、この車両は修理する必要がある場合もある。さらに、車両ロットにおいて、検査で不合格となる車両は1つしかない可能性がある。このような場合、不合格となった車両は修理してから、「最終組立」領域16(図1C)に送られる。さらに、この不合格となった車両は、修理されると、その車両が属するロットの他の車両に再合流することが望ましい。これは、例えば、不合格となった車両を、保管レーン110を介して、検査・修理領域154内に急送することで達成される。可能であれば、必要な修理はどんなものも実行し、不合格だった車両のPBSステータスは「合格」に変更される。次に、修理された車両は、すばやく移動し、最終的にはレーン174に行く。一方、修理された車両の属するロットの他の車両は、保管レーン110に一時的に保管されるか、あるいは、通常のやり方でレーン118に移され、最終的にレーン174に移される。レーン110から出されて修理された車両を直ぐに送ることによって、この修理された車両は、自身が属するロットの他の車両に「追いつく」可能性がある。修理された車両が、その車両のロットの他の車両より、まだ後ろにあるか、すなわち「遅れて」いる場合には、その修理された車両は、転換レーン180を使用することによって、保管組立領域100内を再び急いで移動することができる。その修理された車両が属するロットの他の車両は、コンベヤ・コントローラ、処理ステーション178により、レーン182に向かっている。このようにして、修理された車両のレーン186(そして最終的には、最終組立領域16)へのルートは、その修理された車両のロットの他の車両と比べて一段と短くなる。次に、修理された車両は、適切な時間にコンピュータにレーン180内のコンベヤを作動させることで、適切な位置にて、その修理された車両のロットの他の車両と適切な位置にて再合流することができる。最終組立領域186の前に、多数の車両を再合流させて同じロットナンバーの車両のグループを形成する際、多くの場合、上記の2つのプロセス(「不合格」の車両を保管レーン110から急送することと、転換レーン180を使用すること)のいずれかのプロセスを用いれば十分である。
【0035】
図1A及び図1Bは、本発明を具体化した保管組立ライン100を示している。図1Aでは、塗装車体保管領域100Aは、二段階保管組立ライン100の下位段階を示している。図1Bは、保管組立ライン100の上位段階(塗装検査、修理、およびABSの領域100B)を示している。
【0036】
図1Aを参照して、部分組立車両(以後、「車両」という語を部分組立車両と完全組立車両とを含めた意味で使用する)は、上位段階100B(図1B)のレーン142のすぐ近くの第2の修理・検査領域150から、レーン102上に受取られる。レーン102は、製造ネットワーク200(図2−以下で詳しく説明)とやり取りしているコンベヤを含む。レーン102のコンベヤは、例えば、オーバヘッドコンベヤ、アンダーボディー車両コンベヤ、他のロボット運搬装置には無関係に制御可能なロボット車両運搬装置、手動運搬等である。レーン102のすぐ近くには、処理ステーション104が位置付けられている。レーン102のコンベヤに直接、または、製造ネットワーク200を介して接続されている処理ステーション104は、レーン102上の車両の位置と及びレーン132上の車両の位置とを同時に決定する。処理ステーション104は、論理的にのみ存在し得ることに留意されたい。すなわち、処理ステーション104と下記の他の処理ステーションとは、物理的な場所を持たなくてもよく、論理的、即ち、仮想的に存在しているだけでもよく、例えば、コンピュータサーバー206、またはホストコンピュータ204(図2)上で実行するコンピュータ・アプリケーション、またはサブルーチンでもよい。さらに、求められる場合に、かつ処理ステーションが論理的にのみ存在する場合には、それらのコンピュータアプリケーションが、異なるコンピュータで実行されるであろう。レーン102(または、他のレーン)のコンベヤ上の車両の位置(この車両の位置は、コンベヤ上の車両運搬器または車両自体の位置のデータをデータベース208に送ってそのデータベース内でデータを更新すれば、該コンベヤ上の車両運搬器または車両自体の位置から決定できる)に基づいて、製造ネットワーク200(図2)は、処理ステーション104などの処理ステーションが定めた物理的場所に到達する車両が取るべき経路を決定する。以後、下記の物理的場所と、ここに述べられる処理ステーションのオペレーションは、或る車両が処理ステーションの位置で特定される物理的領域に到達することなど、いくつかのイベントが発生したときに、製造ネットワークで行われるオペレーションにすぎない。レーン102上の車両及びレーン132上の車両の状態に基づいて、処理ステーション104は、オペレーション300(図3−以下で詳しく説明される)を実行して、レーン102かレーン132のいずれか一方から特定した車両をレーン106に移す。
【0037】
レーン106は、レーン102かレーン132のいずれかから受取られた車両を、保管レーン110A〜110E(まとめて、保管レーン110と記す)に送る。レーン106のすぐ近くには、処理ステーション108と車両識別器(VID)134Aがある。処理ステーション108は、オペレーション400(図4)を実行することにより、レーン106からレーン110に車両を送る。車両識別器134Aは、例えばSmartEye(商標)か、バーコードリーダであり、或る領域に入る特定の車両のIDを決定する。車両識別器134Aは、特定の車両に固有の「車両識別番号(VIN)」または他の識別子を読取るか、または走査するために、文字、バーコードまたはSmartEye(商標)のコード認識、もしくは、それらに類するものを使用する。 車両がレーン102または132から送られて車両識別器134Aを通過すると、それらの車両のIDが特定されて、サーバー206のデータベース208上に格納された記録、データ、および他の情報は、製造ネットワーク200(図2)における通信によって更新される。次に、これらの車両は、保管レーン110のうちの1つに送られる。車両の位置はまた、コンベヤ216からPLC214(図2)を経て受取られた位置情報で製造ネットワーク200のデータベース208を絶えず更新することにより、追跡される。
【0038】
保管レーン110A〜110Eは、さらなる処理が求められるか又は可能となるまで、一時的に車両を保管する。以下でさらに詳しく説明されるように、(製造ネットワーク200と、該製造ネットワーク200と協働しかつ製造ネットワーク200で制御される保管組立ライン100と、の組合せである)製造システムの多数の車両を並べ替える能力の一部、すなわち、或る車両が別のロットの車両の前にある、かつ/または、別のロットの車両の後にある場合、該車両を移動させて元の適切なロットに戻して該ロットにおける他の車両に合流させる能力の一部は、保管レーン110A〜110Eが担っている。
【0039】
保管レーン110A〜110Eの先端には、処理ステーション112がある。処理ステーション112は、図5のオペレーション500の実行に基づいて(また、製造ネットワーク200と共同して)、車両が保管レーン110A〜110Eからレーン114上に移される順序を決定する。
【0040】
レーン114は、レーン118とレーン122とに分かれる。レーン114の先端のすぐ近く(すなわち、もっとも下流の位置)には、処理ステーション116がある。レーン114に搬送された車両は、処理ステーション116で下された決定に基づいて、レーン114から、レーン118かループレーン122のいずれかに送られる。処理ステーション116は、製造ネットワーク200と共同して、オペレーション600(図6)の実行と、処理ステーション116に入る車両の状態と、に基づいて、車両の搬送先のレーンを決定する。
【0041】
レーン118の端には、コンベヤシフタ120が付いており、このコンベヤシフタ120により、車両が、塗装車体保管領域100A(保管組立ライン100の下位段階)から、ABS領域100B(保管組立ライン100の上位段階)に移される。コンベヤシフタ120の下位段階部分のすぐ近くには、処理ステーション188と車両識別器134Bとがある。車両識別器134Bは、コンベヤシフタ120に送られる車両のIDを決定する。処理ステーション188は、オペレーション1200(図12)を通じて、コンベヤシフタ120への車両の流れを制御する。
【0042】
ループレーン122は、車両を、レーン114からレーン126に搬送する。レーン124からの車両もレーン126に送られる。レーン124からの車両は、ABS領域100B(図1B)の第1の車両修理・検査領域148(図1B)を通っってレーン124に受け渡された車両である。レーン122のすぐ近くに車両識別器134Cがある。車両識別器134Cで収集された情報を用いて、処理ステーション136は、製造ネットワーク200と共同してオペレーション700(図7−以下でさらに詳しく説明される)を行うことによって、車両の移動を制御し、レーン126に送られる車両同士の衝突を確実に回避できるようにしている。さらに、レーン126上の各車両のID、場所、相対的位置を決定し、サーバー206上に格納されたデータベース208を必要に応じて更新する。
【0043】
レーン126は、処理ステーション128の所で、スプールレーン130とレーン132とに分かれる。処理ステーション128は、製造ネットワーク200と共同して、オペレーション800(以下でさらに詳しく説明する図8を参照)を実行する。スプールレーン130は、PBSステータスがスクラップである車両などの車両を保管組立ライン100から除去する目的で使用される。
【0044】
レーン132自体、2つに分かれて、一方の部分が、レーン152に至り、また他方の部分が転換レーン140を経てレーン102に戻る。レーン132上の車両が取る経路は、オペレーション300(図3−以下で詳しく説明される)の間、処理ステーション104により決定される。
【0045】
図1Bを参照して、塗装検査、修理、ABS領域100B(保管組立ライン100の上位段階)が示されている。「上塗り塗装室(図には示されていない)」から移された車両は、末端レーン142で受取られる。レーン142の末端のすぐ近くには、車両識別器134Dがあり、この車両識別器134Dは、前に説明された通り、個々の車両が所定の経路で車両識別器134Dを通過したときに、該個々の車両を識別する働きをする。車両識別器134Dの下流側のレーン142上には、検査・修理領域148がある。検査領域148は、後でさらに徹底的に説明される通り、オペレーション1500を実行することによって、検査領域148に入る車両に関する記録にアクセスし、検査を通じて、これらの車両のどんな欠陥も、またはどんな障害も識別する。インラインまたはオフラインで実行される検査は、手動で(すなわち、従業員による手作業)、または、自動化により、行われる場合がある。次に、特定の車両用の検査情報は、サーバー206が中心的役割を果たすデータベース208に送られて、格納される。次に、検査領域148で識別された欠陥は、下流側のステーションで修理される場合がある。検査・修理領域148の下流側には、交差点があり、そこで、レーン172がレーン142と合流する。この合流点のすぐ近くには、車両識別器134Eがある。レーン158、162、170だけでなく、レーン172も、手動移送レーン(すなわち、自動化されていないが、従業員により制御されるレーン)であり、これらのレーンは、図1Bにおいて太い線で示されている。ただし、望ましい場合には、レーン172、162、158、170は、自動化される場合がある。さらに、車両識別器134Eの下流側のレーン142上には、第2の検査・修理領域150もある。前と同じように、領域150は、車両が通過するたびに、いかなる欠陥も識別し、識別された欠陥に対応するデータをコンピュータサーバー206に送り、特定の車両用に識別された欠陥について、コンピュータサーバー206が蓄積した記録を入手し、可能な修理を実行し、このような修理に対応する情報をコンピュータサーバー206に送って、その記録を更新することを目的としている。修理領域154のような修理領域150は、特定の車両用の特定の欠陥を修理できない場合があることに留意されたい。次に、第2の検査・修理領域150を出た車両は、最後にレーン102(図1A)に搬送される。
【0046】
さらに、車両は、レーン138(図1A)からレーン152(図1B)に搬送されることにより、保管組立ライン100のABS領域100Bでも受取られる。レーン152は、車両を第3の検査・修理領域154を介して処理ステーション188に搬送する。さらに、検査・修理領域154は、該領域154に受取られた車両のどんな欠陥も手動で、かつ/または、自動化により識別し、それらの識別された欠陥をコンピュータサーバー206で記録し、(使用できる時間、欠陥の性質、使える道具などを考慮しながら)できれば修理を行い、その実行された修理をコンピュータサーバー206で記録する。第3の検査・修理領域154の下流側のレーン152上には、車両識別器134Fがある。車両識別器134Fは、該車両識別器134Fの位置を通って搬送された車両を識別する。さらに、車両識別器134Fの下流側のレーン152上には、処理ステーション156がある。車両は、処理ステーション156に到達したときの状態に基づいて(処理ステーション156の動作は図9を参照して以下で説明)、レーン158かレーン162のいずれかに搬送される。レーン162は、車両を移送レーン172を経由させ、最終的には、レーン142の車両識別器134Eのすぐ近くにあるレーン142とレーン172との合流点まで該車両を戻す。レーン158に搬送された車両は、レーン158の先端のすぐ近くにある処理ステーション160に搬送される。処理ステーション160(その動作は図10を参照して以下で詳しく説明)は、とりわけ車両の総合的な状態と位置とに基づいて、車両をレーン172に移すべきかレーン164に移すべきかどうか決定する。レーン172に移された車両は、最終的に、レーン142と合流する。レーン164に移された車両は、レーン164の先端のすぐ近くにある処理ステーション166に搬送される。処理ステーション166は、(図11のオペレーション1100を実行することにより)、該ステーション166に到達した車両をレーン170かレーン168のいずれかに搬送するようにコンベヤに指示する。レーン170に搬送された車両は、レーン146と合流して、レーン124(図1A)に搬送される。レーン168に搬送された車両は、処理ステーション188に移る。処理ステーション188は、「塗装車体保管」領域100A(図1A)からの車両及びレーン168からの車両のABSレーン174への移動を(図12に示されたオペレーション1200を実行することによって)制御する。
【0047】
レーン174に搬送された車両は、車両識別器134Hを通過する。この車両識別器134は、上述の通り、車両のIDと場所とを含む情報をコンピュータサーバー206(図2)に送る。車両識別器134Hの下流側のレーン174上には、EcoWrap領域176があり、ここでは、塗装された車体の一部に保護フィルムを付ける。EcoWrap領域176を出ると、車両は、レーン174の先端及びレーン180、182の末端のすぐ近くにある処理ステーション178に搬送される。処理ステーション178は、(図13に示されており、以下で詳しく説明される)オペレーション1300を実行することによって、レーン174とレーン186との間の車両の移動を制御する。レーン180は、車両をレーン174からレーン186に移す。さらに、レーン182が、レーン174とレーン186との間に接続されるが、該レーン182は、回り道となるルートであることから、一時的な車両管理を行い、さらに車両を並べ替えてロット制御ができるようにしている。レーン182から分かれたスプールレーン190は、車両運搬器を用いるようなコンベヤシステムが使用される場合、空の車両運搬器を手動で除去できるようにするためのレーンである。レーン180、182の先端とレーン186の末端とのすぐ近くには、処理ステーション184と車両識別器134Iとがある。以下で説明される通り、処理ステーション184は、オペレーション(図14のオペレーション1400)を実行して、レーン180、182からレーン186への車両の移動を制御する。ここで、明らかであるように、レーン184のすぐ近くの車両識別器134Iは、レーン186上で搬送される車両のIDと順序とを識別して、適宜に、コンピュータサーバー206上のデータベース208の記録を更新する。レーン186は、車両を最終組立領域16に搬送する。
【0048】
図2を参照して、製造ネットワーク200は、ネットワークバックボーン202から成っている。このネットワークバックボーン202は、通信できるようにするもので、例えば、10BaseT、100BaseT等の公知の物理的な有線技術、または無線通信サービス、および、例えばイーサネット、トークンリング、またはTCP/IPネットワークなどの公知のネットワーク通信標準により提供される。図に示される通り、ネットワークバックボーン202に接続されるものは、ホストコンピュータ204、ネットワークまたはコンピュータサーバー206、工場標識207、プリンタ210、端末212、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)214である。PLC214に接続されるものは、製造機器216であり、この製造機器は、リーダ(例えば、車両識別器134A〜134I、以後、まとめて車両識別器134と呼ぶ)、ロボット(溶接ロボット、車両識別器のの型打ちロボット、塗装ロボット、シーラロボット、サーフェイサロボット、流体充填ロボット、エンジン設置ロボット、品質試験機器、ガラス取付けロボットなど)、コンベヤ、車両運搬器、トルクガン、データ入出力用のコンピュータ端末、修理・検査ロボット、などを含むが、それらに限定されることはない。PLC214には、一般に、IPアドレス、もしくはそれに類するものなどの一意のアドレスが割当てられている。その結果、新規の複数の機器を追加する際は、新規PLC214をネットワーク200に入れて、それらの新規の機器をこの新規のPLCに接続することで、新規の機器の追加を容易に行うことができる。
【0049】
サーバー206用のインストラクションが入っているコンピュータ媒体205は、サーバー206で読取り可能である。コンピュータ媒体205には、例えば、データベース・ソフトウェア、コンピュータ・アプリケーション(例えば、処理ステーション104、108、112、116、188、136、128、156、160、166、178、184、および、検査領域148、150、154に対応するサブルーチンを含む)、コンピュータデータ、ネットワークソフトウェア、組立ライン10(図1C)のレイアウトに対応するデータ、もしくは、それらに類するものが入っている。コンピュータ媒体205が、コンピュータ・ディスケットとして例示されているが、このコンピュータ媒体は、テープ、メモリチップ、あるいは、他の取外し可能または取外し不能なコンピュータで読取り可能な媒体であってもよい。さらに、このソフトウェア媒体は、リモートコンピュータのメモリなどのリモート媒体であり、ネットワーク、インターネット、イントラネット、専用データリンク、もしくは、それらに類するものなどの適切なリンクを使って、ダウンロードされる。
【0050】
SmartEye(商標)リーダなどの車両識別器134から収集されたデータは、車両ID(車両識別番号)と車両の場所とを含み、ネットワークバックボーン202を使ってPLC214に接続できるリーダから送られて、サーバー206上で実行するデータベース208Aに格納される。冗長データベースであるデータベース208Bは、コンピュータサーバー206で格納されている。データベース208Aは、従来のビルドシートのインストラクションデータに対応する特定の車両に関するデータだけでなく、各車両の製造プロセスにおける進行に対応する拡張データをも格納している。この拡張データは、車両の確認された欠陥と、車両のPBSステータスと、車両のロットナンバーと、車両に対して行われた修理と、車両に対して求められる修理と、時間に応じた測定値としての保管組立ライン100上の車両の物理的位置と、工場の至る所に車両を運搬させるための依拠となる車両運搬器識別子(この識別子は徐々に変わる場合がある)と、車両に取付けられる個々の構成部品の識別子と、組立中に実行される設置のインストラクション(例えば、ラグナット、ボルトなどの取付けに使用されるトルク設定値)などを含んでいる。事実上、すべての部分、すべてのプロセス、すべての修理・検査の詳細は、製造プロセスおよび製造される車両と関係があり、データベース208A、208Bに格納される。特定の車両に合わされた上記データに加えて、全体として組立プロセスに対応する一般データも、ホスト206上のデータベース208Aに格納される。この一般的な組立プロセスのデータには、在庫データ、生産スケジュール、ツール(ロボットを含む)の可用性、品質の結果などを含んでいる。本発明の一実施例において、データベース208Aは、生産データの収集に用いられて、製造プロセスにおける車両を特定のルートに従って送ることを決定するが、一方、データベース208Bは、非生産調査(例えば、生産ステータスに関して管理者と供給者が行った調査)とバックアップの目的で使用されるデータベース208Bの複製である。もっぱら製造目的でデータベース208Aを用いれば、非生産調査に関するアクセスが冗長データベース208Bに限定されるので、データベース・アクセスへのシステムの応答時間が向上する。データベース208Bは、必要に応じて、数秒ごとに、または数分ごとに更新される。データベース208Aが障害を起こす場合には、データベース208Aが正常に動作する時間まで、生産アクセスが、自動的にデータベース208Bに移されることになる。データベース208A、208Bは、IBM(商標) Universal Database(商標)(UDB)、Oracle(商標)データベース、もしくは、それらに類するものなどの市販のソフトウェアである。以後、データベース208A、208Bは、互換的に、かつまとめて、データベース208と呼ぶこととする。
【0051】
Yaskawa(商標)、Mitsubishi(商標)、Allen Bradley(商標)などの供給者からの市販品であるPLC214により、様々な製造機器216間での通信が可能となり、またデータを機器216からネットワークバックボーン202を介してサーバー206に(また、その逆方向に)送ることができる。その結果、PLC214により、電子インストラクションを含むデータの双方向伝送、即ち、機器216からホストコンピュータ204へ、またホストコンピュータ204から機器216への該データの伝送ができる。その結果、この生産プロセスを調整する対策、例えば、新規ロボットビルド・インストラクション(ラダー論理命令の形式を取る場合がある)を、コンピュータサーバー206から、様々な製造機器216に送ることができる。同様に、実行されるオペレーション、機器の可用性などの機器216の性能に関するデータを、ネットワークバックボーン202を使って、機器216から、PLC214を経てコンピュータサーバー206に送ることができる。
【0052】
端末212により、(従業員とも呼ばれる)ラインワーカ、管理者、他の関係者からのデータをリアルタイムで入力及び出力することができる。例えば、特定の車両に対して従業員が実行した修理または特定した欠陥に対応するデータは、キーボード、タッチスクリーン、バーコードリーダ等の入力装置を使用することで、端末212に入力される。次に、この情報は、データとして表示されるために、他の任意の端末またはネットワーク化された装置(例えば、工場標識207)に使用可能となる。このように表示されたデータは、公知の様々なやり方で、コンピュータサーバー206により要約されるか、または照合される。ネットワーク202などのネットワークは、1箇所に物理的に位置する必要はない。すなわち、ネットワーク202は、「ローカルエリアネットワーク(LAN)」として例示されるが、「広域ネットワーク(WAN)」の一部でもよい。本発明の一実施例において、端末212は、製造工場内における多数の物理的場所、他の製造工場、製造業者の事務所、供給者の工場や事務所、及び、その他の場所(例えば、販売業者、卸売店など)で使える。これらの端末212は、(例えば、専用接続、仮想専用接続によって、あるいは、「公衆交換電話網(PSTN)」などの公衆回線またはインターネットによって提供される)広域ネットワークを介してデータベース208と通信することになる。端末212は、カスタム・ソフトウェアを介して、あるいは、Internet Explorer(商標)またはNetscape(商標) Navigator(商標)などのウェブブラウザのような市販ソフトウェアを介して、データベース208上のデータにアクセスできる。
【0053】
サーバー206は、製造ネットワーク200を監視し、制御する。さらに、前に示されたように、サーバー206は、データベース208Aの中心的役割を果たす。サーバー206は、AIX(商標)を実行するIBM(商標) RS/6000(商標)などの従来のワークステーションである場合もある。さらに、サーバー206は、万一サーバー206に障害が起きたときに備えてデータを保管でき、冗長容量を備えており、逆もまた同じである。求められる場合には、サーバー206は、ここに述べられた機能を提供するいくつかの個別コンピュータであってもよい。
【0054】
プリンタ210は、製造工場の至る所に分散され、またIDカード、追跡シート、車体、フレーム、計器盤、エンジン、ナックル用の組立シートと検査カード、および、在庫プリントアウトなどを印刷できるようにする場合がある。
【0055】
図1A、図2、図3を参照して、車両が、レーン102、138のすぐ近くの処理ステーション104に到達したときに、オペレーション300を実行する。車両が処理ステーション104に到達したかどうかの決定は、概して言えば組立ライン10内、詳しくは、保管組立ライン100内のすべての車両の位置を追跡したデータを、前述の通り、受取って保存しているデータベース208の記録にサーバー206がアクセスすることによって、行われる。この位置決定は、オペレーション300と他のオペレーション400〜1500とが実行されるために、サーバー206により絶えず行われる。以後、オペレーション300〜1500と位置決定(すなわち、車両が処理ステーションのすぐ近くにくるときを決定すること)は、双方ともサーバー206上で行われるから、理解しやすくするために、この位置決定は処理ステーションによって行われるものとして、以降、該処理ステーションを説明する。オペレーション300は、レーン132からレーン152(図1B)を介しての修理領域154への車両の移動、または、レーン132から(転換レーン140を介しての)レーン106への車両の移動を管理する。また、オペレーション300は、レーン102からレーン106への車両の移動を管理する。処理ステーション104は、レーン102からレーン106に移動する車両とレーン132からレーン106に移動する車両との衝突を回避することを保証している。さらに、処理ステーション104により、レーン132からレーン138への車両の移送と、レーン102からレーン106への車両の移送と、を同時に行えるようにしている。
【0056】
PBSステータスが「不合格」である車両がレーン132の先端にある(S302及びS304)ことが、処理ステーション104により判定される場合には、その車両は、レーン138に送られて(S306)、修理ステーション154(図1B)で修理されるようにしている。ステップS302、S304において処理ステーション104で行われる判定は、コンピュータサーバー206に格納されたデータベース208にアクセスして、処理ステーション104のすぐ近くに車両運搬器があるかどうか判定し、もしあれば、その運搬器が運搬する車両のIDとPBSステータスとを決定することによって、行われる。この問い合わせは、処理ステーション104(この処理ステーション104は、上述の通り、仮想的にのみ存在し、例えば、コンピュータサーバー206またはホストコンピュータ204上で実行するコンピュータ・アプリケーションである場合もある)から、ネットワークバックボーン202を通って、コンピュータサーバー206に送られる。この問い合わせに対する応答は、例えば、構造化問合せ言語(SQL)または他のデータベース208にアクセスするインストラクションに基づくものであって、処理ステーション104に送り戻される。この問い合わせに対する応答に基づいて、処理ステーション104は、再度、ネットワークバックボーン202を使って、かつ、コンベヤ(1つまたは複数)216に接続したPLC214を介して、インストラクションをコンベヤ(1つまたは複数)216に送る。
【0057】
車両がレーン132の先端にあり、「不合格」のPBSステータスを有することが、処理ステーション104により判定される場合には、その車両は、レーン138に送られる(S306)。レーン132の先端にある車両が別のPBSステータス(すなわち、「合格」のPBSステータス)を有する場合には、コンベヤと、レーン132とレーン140との間のスイッチと、レーン140とレーン102と間のスイッチとは、車両をレーン132から転換レーン140を経てレーン106に移す(S308)ように指示される。レーン132の先端に車両がないか、あるいは、ステップS306またはS308で処理された車両があった場合には、処理ステーション104は、S310において、レーン102の先端に車両があるかどうか判定する。車両運搬器の位置、及び、その運搬器の状態(すなわち、その運搬器は車両を運搬している状態なのか、もし、車両を運搬している状態であれば、どの車両が運搬されているのか)に再び基づいて判定された結果、レーン102の先端に車両がない場合には、車両がレーン132または102の先端にあると処理ステーション104で判定されるまで、オペレーション300が中止する。処理ステーション104により、車両がレーン102の先端にあると判定された場合(S310)、再度、処理ステーション104からネットワークバックボーン202を通ってPLC214を経て送られたインストラクションによって、コンベヤ216(および、レーン102とレーン106間のスイッチ)は、該車両をレーン106に移す(S312)。
【0058】
図4に流れ図形式で示されているオペレーション400は、保管レーン110に車両を積込みむために、処理ステーション108で実行されるオペレーションである。(上述のやり方で、すなわち、処理ステーションと、コンピュータサーバー206と、ネットワークバックボーン202と、および、コンベヤ(1つまたは複数)216と通信しているPLC214と、が相互作用を行うことによって)レーン106上の車両が「保留」または「スクラップ」の生産ステータスを有するものと判定される(S402)場合には、車両は、コンベヤ(1つまたは複数)が稼働することにより、「保留」または「スクラップ」の車両を最も多く有するレーン110、あるいは、もっとも空いているのレーン110に移される(S404)。リンクの場合(すなわち、空のレーンと、「保留」または「スクラップ」の車両を有するレーンと、がそれぞれ少なくとも1つ存在している場合、あるいは、空のレーンが多数存在している場合、あるいは、多数のレーンが「保留」または「スクラップ」の車両を同じ数だけ備えている場合)、処理ステーション108が優先してすべきことは、もっとも大きい英数字番号を付けたレーン(すなわち、レーン110Dよりもレーン110E)に車両を積込むことである。レーン106に送られた車両が「保留」または「スクラップ」とは異なる生産ステータスを有し(S406)(すなわち、該車両の生産ステータスが「解放」であり)、「不合格」のPBSステータスを有する場合には、車両は、もっとも空いている保管レーン110に移される(S408)。もっとも空いている保管レーンに関してリンクがある場合(すなわち、レーン110のうち2つ以上のレーンが空である場合)、この場合も、優先して車両が移されるレーンは、もっとも大きい英数字番号のレーンとなる。車両のPBSステータスが「合格」である(S406)場合には、レーン110に移される予定の車両と同一ロットの車両がレーン110にあるかどうか判定する(S410)。この決定は、サーバ206上のデータベース208にアクセスし、移される予定の車両のロットナンバーを決定し、データベース208にアクセスして保管レーン110に車両があるかどうか判定して、もしあれば、それらの車両のロットナンバーを決定することで、行われる。移される予定の車両と同じロットナンバーを有する他の車両が保管レーン110にあると判定される(S410)場合には、その車両は、移される予定の車両と同じロットナンバーの車両を最大数有するレーン110に移される(S412)。リンクの場合、この車両は、できる限り小さい英数字のレーンに移される。移される予定の車両と同じロットナンバーを有する車両が保管レーン110にない場合には、この車両は、もっとも空いている保管レーン110に移される。また、空のレーンが2つ以上ある場合には、車両は、もっとも小さい英数字のレーンに移される。この後者の決定(すなわち、レーン110に保管される予定の車両と同じロットナンバーを有する車両がレーン110に保管されているかどうか判定すること)は、処理ステーション112が、S412において、データベース208にアクセスして、現在保管レーン110に保管されている車両のロットナンバーを決定し、それらのロットナンバーと保管レーン110に移される予定の車両のロットナンバーとを比較することで達成できる。レーン106内の車両と同じロットナンバーを有する車両が保管レーン110内にある場合には、レーン106内の車両は、できれば、該車両と同じロットナンバーを有する車両がある保管レーン110に移される。ここで、明らかであるように、保管レーン110を備え、かつ上述のオペレーション400を行えば、レーン106により保管レーン110に送られた車両の並べ替えができる。
【0059】
車両は、保管レーン110に一時的に保管されるだけである。図3〜図14に示されるオペレーションの実行と同時に、オペレーション500(図5)が、保管レーン110の先端のすぐ近くの処理ステーション112で実行されている。オペレーション500は、保管レーン110内の車両を分類して、これらの車両を、様々な組立プロセスに戻すことを目的としている。保管レーン110のうちの1つのレーンの先端に「スクラップ」または「保留」の車両があり、該「スクラップ」又は「保留」の車両の後には「解放」の車両が少なくとも1つある場合、オペレーション500は、該「解放」の車両を最終的にはレーン118に移せるように、「スクラップ」又は「保留」の車両をレーン114に移すことを目的としている。次に、これらの「保留」または「スクラップ」の車両は、自動的に脇に反れる、即ち、レーン122、126、132、140、106を経て保管レーン110に戻される。さらに、オペレーション500は、「合格」のPBSステータスを有する車両を、高いロット合格率(すなわち、「合格」のPBSステータスを有する多くの車両が最終組立領域16(図C)に移されるような状態)を保ちながらできるだけ速くABS領域100B(図1B)に引渡すように設計されている。図5に示される通り、処理ステーション112は、「不合格」のPBSステータスを有する「解放」(すなわち、「保留」でも「スクラップ」でもない)車両が、保管レーン110のうちの1つのレーンの先端にあるかどうか判定する(S502)。「解放」車両が保管レーン110のうちの1つのレーンの先端にある場合には、その「解放」車両は、レーン114に移される(S504)。リンクがある場合(すなわち、「解放」車両を先端に有するレーンが2つ以上ある場合)には、優先されるレーンは、ロット条件が「遅延」の車両を備えるレーン、および/または、もっとも小さい英数字番号を有する車両のレーンとなる。このような車両がない場合、保管レーン110のうちの1つのレーンが「解放」の車両を少なくとも1つ備えており、該レーンの先端に「解放」ではない車両があるかどうか判定するためのさらなる決定が処理ステーション112により行われる(S506)。このような条件が存在する(「解放」ではない車両がレーン110の先端にあり、且つ、そのレーン110に「解放」された車両がある)場合には、「解放」ではない車両がレーン114に送られる(S504)。S502、S506の条件のいずれも満たされなければ、処理ステーション112は、「合格」PBSステータスを有する「解放」車両が保管レーン110のうちの1つのレーンの先端にあるかどうか判定する(S508、S514、S516)。このような車両が保管レーン110のうちの1つのレーンの先端にある場合には、この車両をレーン114に移すかどうかは、車両のロット条件によって決まる。「合格」PBSステータスを有し、かつ「遅延」のロット条件を有する車両が複数ある場合、処理ステーション112は、「遅延」ロット条件を有するもっとも古い車両(すなわち、同じロットの他の車両からはるか後方にある車両)(S510)をレーン114に移す(S504)。このように、同じロットにおいて、他の車両と同期していない程度がもっとも大きい車両には、該他の車両に再合流することを要望する優先権が与えられる。「遅延」のロット条件と、「合格」のPBSステータスと、「解放」の生産ステータスと、を有する車両が目下のところ保管レーンの先端にない場合には、保管レーンの先端にある「現在」のロット条件を有する「解放」「合格」車両がレーン114に移される(S504)。最後に、PBS「合格」ステータスを有し、「解放」され、「将来」のロット条件を有し、また保管レーン110の先端にある(S516)どんな車両もレーン114に移される(S512)。万一、このような車両が複数、保管レーン110の先端にあるとしたら、これらの「将来の」ロット条件の車両のもっとも古いものに優先権が与えられる(S518)。
【0060】
従って、オペレーション400及びオペレーション500により、「遅延」ロット条件と「合格」PBSステータスとを有する車両或いは「遅延」ロット条件と別のPBSステータスとを有する車両を、「現在」ロット条件または「将来」ロット条件を有する他の車両の前に素早く回り込ませることができる。その結果、保管レーン110は、同一のロットナンバーを有する複数の車両が「最終組立」の間に行われる処理のような残り処理に向かって他の車両よりも速く進むことを可能にする。それゆえ、保管レーン110は、処理ステーション108によるオペレーション400と処理ステーション112のオペレーション500とを含む様々な処理ステーションによって行われる様々なオペレーションによって、欠陥が判明されてその後修理された車両を、その車両と同じロットの他の車両に再合流させることができるのに充分なレーンである。
【0061】
図6、図1A、図2を参照して、オペレーション600は、処理ステーション116で実行される。オペレーション600は、レーン114から、レーン118かレーン122のいずれか一方のレーンへの車両の移動を制御することを目的としている。(ネットワークバックボーン202及びPLC214を介して処理ステーション116と、コンピュータサーバー206と、コンベヤ216との間で行われる製造ネットワーク200の通信によって判定される)レーン114の先端にある車両が「合格」PBSステータスを有する(S602)場合に、該車両はコンベヤ216によりレーン118に移される(S604)。レーン118に送られた車両は、コンベヤシフタ120のすぐ近くの車両識別器134Bにより識別される。上述の通り、車両識別器134Bは、該車両識別器134Bのすぐ近くを通る車両のIDを得て、この情報を送って、サーバ206が中心的役割を果たすデータベース208に格納する(S608)。しかし、レーン114の先端にある、「合格」以外のPBSステータスを有する車両は、代わりに、ループレーン122に移される。ループレーン122に送られる車両は、最後に、スプールレーン130を経て製造プロセスから除去されるか、(レーン126、132、140、106を経て)保管レーン110に戻されるか、あるいは、(レーン126、132、138、152によって搬送されて)修理・検査領域154に向けて移される。
【0062】
図7に示されるオペレーション700は、レーン122とレーン124の先端のすぐ近くの処理ステーション136で実行される。処理ステーション136は、オペレーション700を実行することにより、ループレーン122からの車両と(図1Bのレーン146から移された)レーン124からの車両の移動を制御する。車両がレーン122の先端にあると判定される(S702)場合には、その車両は、レーン126に移される(S704)。レーン124の先端に車両があると判定される(S706)場合には、この車両も、上述のものと同様なやり方(製造ネットワーク200における処理ステーション136と、PLC214と、コンベヤ216との間で行われる通信)でレーン126に搬送される(S708)。オペレーションS702とS706を順番に実行することで、レーン122からの車両とレーン124からの車両との衝突が起こることのないようにする。レーン126に搬送される車両は、車両識別器134Cを通過し、それにより、車両のID、車両の位置などを含むデータがホスト202に送られる(S710)。
【0063】
図8に示されるオペレーション800は、レーン126の先端にあって、かつスプールレーン130の前にある処理ステーション128で実行される。処理ステーション128のすぐ近くにある車両または車両運搬器が、処理ステーション128の決定通り、製造システムから除去される必要がある(S802)場合には、その車両を、スプールレーン130に移す(S804)。その必要がなければ、自動的に、その車両をレーン132に移す(S806)。
【0064】
上述の通り、「上塗り塗装室」からの車両はレーン142に移される。これらの車両は、レーン142のすぐ近くの車両識別器134Dにより識別されて、通常のやり方で追跡される。レーン142に入る車両は検査領域148を通る。検査領域148では、上述の通り、車両は、(手動、および/または、自動化により)欠陥について検査され、車両のPBSステータスが該検査の結果に従って設定される。検査領域148にて、車両が検査で不合格となり、またこの車両が「現在」または「将来」のロットの車両であれば、その車両は、レーン146に移され、最後に、レーン110に移されて、一時保管される。車両が検査で不合格となり、またこの車両が「遅延」ロット条件のステータスを有する場合には、その車両は、レーン142を経て検査・修理領域150に移されて、車両が修理され、最後に、そのロットの他の車両と再合流されるようにしている。検査・修理領域150にて、特定の車両に対して特定のあらゆる修理を行った場合には、その車両のPBSステータスを「合格」に設定する。あらゆる修理が、検査・修理領域150にて行われるかどうかに関係なく、「遅延」のロット車両を、レーン142を介してレーン102に送る。
【0065】
図9と図1Bを参照して、オペレーション900は、レーン152の先端のすぐ近くの処理ステーション156で行われる。第3の検査・修理領域154で検査された車両のPBSステータスは、自動化検査により、または、製造ネットワーク200の端末212に入力されたデータの受取りにより、「合格」か「不合格」のいずれかにセットされる(S902)。処理ステーション156において、車両のPBSステータスが「不合格」に設定されている(S904)場合には、その車両は、レーン158、164、170と146を介して最終的には、修理領域に移されることになる。しかしながら、万一、車両が、「合格」PBSステータスを有するとすれば、処理ステーション156は、この処理ステーションのすぐ近くの車両が、レーン168、174、182の車両と比較して、「遅延」しているロットを有するかどうか判定する(S908)。処理ステーション156の車両が、比較的に遅れたロットを有する(すなわち、車両が、レーン168、174、または182の車両よりも遅れる)と判定される場合には、この車両をレーン168に移す(S910)ことで、その車両を優先させる。このようにして、この遅延ロット車両は、処理ステーション178で制御されるレーン180と182の支援を受けて、より速く保管組立ライン100のレーンを通って、そのロットの他の車両に再合流しようとする。
【0066】
万一、処理ステーション156の車両が、現在ロットの1構成要素であるとすれば(S912)、その車両は、レーン172に移される(S914)。同様に、将来のロットの1構成要素である車両(S916)は、レーン162に移される(S918)。「現在」または「将来」のロット条件を有する車両は、レーン162または172に移されて、最後には、保管レーン110に移されるようにすることで、(「合格」のPBSステータスを有する)「遅延」車両は、レーン174の前に、「現在」又は「将来」のロット条件の車両よりも先に進むことができる。
【0067】
レーン158の先端のすぐ近くの処理ステーション160は、オペレーション1000を実行して、単に、車両の移動を検知し、必要に応じてホストコンピュータ202上でデータベース208を更新する監視ステーションの働きをする(S1002)だけである。
【0068】
同様に、レーン164の先端のすぐ近くの処理ステーション166は、オペレーション1100を実行して、単に、車両の移動を検知し、必要に応じてホストコンピュータ202上でデータベース208を更新する監視ステーションの働きをする(S1102)だけである。処理ステーション166はまた、万一、「不合格」PBSステータスを有する車両をレーン168に移そうとする誤った試みが為されるとすれば、警告音を出すことで、ゲートキーパーの働きもする。
【0069】
処理ステーション188は、オペレーション1200(図12)を実行して、レーン118(図1A)とレーン168(図1B)から(「Paint Off」処理領域としても周知である)レーン174への車両の移動を制御する。処理ステーション188は、ロットの高合格率を保とうとする。レーン118かレーン168のいずれかから到着した車両が、遅延したロット、現在のロット、または将来のロットの1構成要素であると処理ステーションにより判定される場合には、これらの車両の1つがレーン174に移される。レーン118とレーン168との間で発生する優先権は、比較的に古いロットを有する車両を備えたレーンに与えられる。すなわち、(レーン118とレーン168において、)遅延ロットの1構成要素である車両を備えるレーンが、現在のロットまたは将来のロットの1構成要素である車両を備える他方のレーンに優先する。同様に、処理ステーション188により、将来のロットを有する車両よりも、現在のロットを有する車両に優先権が与えられる(S1202)。レーン118から処理ステーション188に到着した車両と、レーン168から到着した車両と、の間にロット条件の違いがなければ(S12064)、レーン168からの車両に優先権を与えて(S1204)、検査・修理領域148、150、154に車両が蓄えられないようにしている。
【0070】
レーン174の先端と、レーン180とレーン182の末端のすぐ近くの処理ステーション178は、レーン174と、転換レーン180または保管レーン182と、の間の車両の移動を制御する。正規の順序は、現在ロットの車両をレーン174からレーン182に移すものである。しかしながら、レーン174から到着した車両が、レーン182の末端の車両と比較して遅れるものと処理ステーション178で判定される(S1302)場合には、レーン174の車両は、転換レーン180に移される(それにより、レーン182内の車両の列を飛び越す)(S1304)。このようにして、遅延車両を優先させ、下流側の車両をさらに速く移して、遅延車両を、その遅延車両に割当てられたロットの他の車両に再合流するようにしている。レーン174から処理ステーション178に到着した車両が、レーン182の末端の車両と比較して将来または現在のロット車両である場合には、この車両は、転換レーン180を経て移動する(S1304)。そうでなければ、前述の通り、他の車両(「現在」または「将来」のロットの車両)を保管レーン182に移す(S1306)。最後に、処理ステーション178は、レーン190への空の車両運搬器の移動も制御する(S1308)。
【0071】
処理ステーション184で実行されるオペレーション1400は、レーン186への車両の移動(最後に、最終組立領域に至る)を制御することを目的としており、したがって、最終組立の前に、車両の順序を変える最後のチャンスであろう。処理ステーション114は、遅延ロット、現在のロット、次に将来のロットの順に、車両をレーン180とレーン182からレーン186上に移す(S1402)。
【0072】
図15に示されるオペレーション1500は、修理領域148で行われる。前と同じように、オペレーション1500は、イベントが発生した(すなわち、修理領域148から車両が出る)ときに、サーバー206(図2)により行われる。(「Paint」領域14から)修理領域148に入る車両は、欠陥について検査される。識別された欠陥はどんなものも、サーバー206に送られて、適宜にデータベース208を更新する。これらの欠陥は、コンピュータ端末212を通じて、あるいは、パネルギャップ・レーザ測定装置などの自動検査装置により入力される。車両が検査で合格すれば(S1502)、この車両は、レーン142に移される(S1504)。車両が検査で不合格となれば(S1502)、その車両のPBSステータスは、「不合格」に設定される(1506)。次に、車両の優先権(すなわち、この車両が「遅延」または「現在」のロット条件を有する「解放」された車両であること)と、修理領域150、154でのスペースの可用性と、に基づいて、車両のルートについて決定を下す(S1506)。車両が優先権を持たなくて、スペースが使えない場合には、車両は、レーン146に移される(S1508)。スペースが使え、かつ車両が優先権を有する場合には、車両は、レーン142に移すことで、修理領域に急送される(S1504)。
【0073】
すでに明白なごとく、車両ロットの一部の車両を修理する必要があるため、或いは、そのロットに別ロットの車両が修理された後で挿入されたことにより、該一部の車両を様々なオペレーションによりルート変更されて再配列される。これにより、同一ロットの車両が「最終組立」および他のプロセスで連続して処理される可能性が高まる。このように連続処理の可能性が高まると、下流側の様々なワークステーションで必要な切換の回数が制限される。
【0074】
さらに、各車両用のビルドシートのインストラクションが電子的に格納されているから、車両が組立ライン上にある間に、必要に応じて、このインストラクションを変えることができる。例えば、コンピュータサーバー206により、あるいは、製造システムのオペレータにより、特定タイプの車両(例えば、豪華な、またはグレードアップした音響システムを有する車両)の生産目標が満たされていないと判定される場合には、上流(製造プロセスの初めの方)のロット用のビルド・インストラクションが「オンザフライ」式で、またはリアルタイムで変更される。例えば、グレードアップした音響システムを有する車両のロットの後方にあるロットの車両には、経済的な音響システムを取付けるビルドシートのインストラクションが、当初、含まれていた可能性がある。この後方にある車両におけるコンピュータサーバー206に格納されているビルドシートのインストラクション記録を変更することで、その後方の車両ロットに豪華な音響システムを取付けるような変更を途中で行ってもよい。同様に、いくつかの部品が遅れる(すなわち、保管組立ライン100が、部品不足を蒙っている)と判定される場合には、目下保管組立ライン100上にある車両の一部からのビルドシートのインストラクションを変更して、生産ロスが減らされるようにしている。同様に、目下保管組立ライン100上にあって、遅延している部品を絶対に必要としている車両は、一時保管(レーン110上)に置いて、当面の部品在庫で完成できる他の車両を優先させるようにしている。この情報は、工場フロア上で、管理オフィス内でアクセスできるデータベース208に格納されていて、供給者(社内または社外の供給者)が利用できるから、単一車両へのビルドシートのインストラクションが変更されると、この情報は、製造プロセス全体を通じて(すなわち、素材の供給者から、工場フロアを介して、部品の供給者及び他の工場まで)利用できる。さらに、ここで述べられるシステムは、要求されれば、このようなビルドシートのインストラクションの変更を、様々な関係者(例えば、供給者)に伝えることによって、車両を様々な製造ステーションに移すときに、該ビルドシートのインストラクションの変更を満たすのに必要な在庫が製造フロア上に用意された状態になる。
【0075】
上の説明から、ここに述べられる実施例と本発明は、作業効率を高め、車両などのアセンブリの生産をスムースに行うことは、当業者には明らかとなる。すなわち、本発明を組立ラインに用いると、部品切換の回数、塗装洗浄要件による運転停止時間、部品不足による組立ラインの停止などが減らされる。
【0076】
さらに、上述のシステム、特に多数のレーン(保管レーン、転換レーン、従来のレーン)、および、サーバー206で制御されるコンベヤ間の多数の交換と合流点により、2地点間において車両が通る特定のルートを複数作ることができる。このような2地点間の複数のルートにより、遅延車両とその遅延車両と同一のロットまたはグループの他の車両との間に他のロットの車両が挟まれている場合、該遅延車両は、その他のロットの車両を迂回することができる。
【0077】
ここに述べられる本発明の実施例は、最終組立に先行する塗装車体保管領域と組立車体保管領域に適用されるものとして説明されているが、一方、本発明は、例えば、塗装領域14、最終組立領域16、および白塗り車体製造領域12(図1C)のように、本組立プロセスの他の部分にも適用できる。さらに、本発明は、ライン側で部品を提供する在庫管理システムにも適用できよう。
【0078】
本発明の1つ(または複数)の実施例が、添付図面に例示され、かつ上で説明されてきたが、そこでの変形や変更は、本発明の本質から逸脱することなく行われることが当業者には明白である。このような変更や変形はすべて、添付のクレームによって定められている本発明の範囲内にあるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1A】本発明の一実施例に基づいて構築された車両組立ラインの第1の段階の平面図である。
【図1B】本発明の一実施例に基づいて構築された車両組立ラインの第2の段階の平面図である。
【図1C】図1Aと図1Bの組立ラインを取入れた、本発明の一実施例に基づいて構築されたアセンブリの模式図である。
【図2】図1Aと図1Bの組立ラインと一緒に使用されるコンピュータネットワークの模式図である。
【図3】図1Aと図1Bの組立ライン上で実施される作業を例示した流れ図である。
【図4】図1Aと図1Bの組立ライン上で実施される作業を例示した流れ図である。
【図5】図1Aと図1Bの組立ライン上で実施される作業を例示した流れ図である。
【図6】図1Aと図1Bの組立ライン上で実施される作業を例示した流れ図である。
【図7】図1Aと図1Bの組立ライン上で実施される作業を例示した流れ図である。
【図8】図1Aと図1Bの組立ライン上で実施される作業を例示した流れ図である。
【図9】図1Aと図1Bの組立ライン上で実施される作業を例示した流れ図である。
【図10】図1Aと図1Bの組立ライン上で実施される作業を例示した流れ図である。
【図11】図1Aと図1Bの組立ライン上で実施される作業を例示した流れ図である。
【図12】図1Aと図1Bの組立ライン上で実施される作業を例示した流れ図である。
【図13】図1Aと図1Bの組立ライン上で実施される作業を例示した流れ図である。
【図14】図1Aと図1Bの組立ライン上で実施される作業を例示した流れ図である。
【図15】図1Aと図1Bの組立ライン上で実施される作業を例示した流れ図である。
【符号の説明】
【0080】
14 塗装
100A 塗装車体保管
100B 組立車体保管
16 最終組立
【出願人】 【識別番号】500019812
【氏名又は名称】ホンダ・カナダ・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】HONDA CANADA INC.
【住所又は居所原語表記】715 Milner Avenue,Scarborough,Ontario M1B 2K8 Canada
【出願日】 平成19年7月12日(2007.7.12)
【代理人】 【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎

【識別番号】100094020
【弁理士】
【氏名又は名称】田宮 寛祉


【公開番号】 特開2008−892(P2008−892A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2007−183157(P2007−183157)