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【発明の名称】 ツーリング装置とともに使用される位置決め装置、ならびに、ワークピースに対する製造動作を実行するためのアセンブリおよび方法
【発明者】 【氏名】カート・エイ・バートン

【氏名】マイケル・ピィ・マトラック

【要約】 【課題】ツール取付け型構造の位置決め装置および技術を提供する。

【構成】位置決め装置は、経路を移動し、要素に対する製造動作を実行するよう構成されたツール装置に当該位置決め装置を直接取付けるための取付具を含む。当該位置決め装置に結合された係合機構は、所定の経路に揃えられており、動作が実行されるとき当該要素が所定の経路に対して一定の関係で位置決め装置によって固定および位置決めされるように当該要素にクランプ力を加えるよう構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピースに対する製造動作を実行するツーリング装置とともに用いられる位置決め装置であって、
前記ツーリング装置に結合されるよう構成され、前記ツーリング装置が経路に沿って前記ワークピースに対して移動するとき前記ツーリング装置とともに移動可能である本体部材と、
前記本体部材に結合され、前記ツーリング装置が前記製造動作を実行する前記ワークピースを係合するよう構成される複数の係合機構とを含み、
前記複数の係合機構は、前記ツーリング装置が前記経路に沿って移動するとき、前記係合機構が前記ツーリング装置および前記経路に対して一定の関係で前記ワークピースを整列させるよう協働するように前記経路と整列するよう構成される、位置決め装置。
【請求項2】
前記ワークピースは長手のストリンガであり、前記ツーリング装置は、前記ワークピースを金属薄板の外板部材に接合して航空機の胴体構成要素を形成するよう構成され、前記製造動作は、溶接、リベット締め、接着、切断、折り目付け、打抜き、クリンプ加工および曲げ加工のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項3】
前記ツーリング装置は、作業位置において前記ワークピースに対する前記製造動作を実行し、前記複数の係合機構は第1の係合機構および第2の係合機構を含み、前記第1および第2の係合機構は、間隔をあけて配置され、前記作業位置の両側において前記経路に沿って位置決めされる、請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項4】
前記第1および第2の係合機構のうちの少なくとも1つは、
前記経路の側方側に配置されたロケータ部材と、
前記経路の反対側の側方側において前記ロケータ部材近傍に位置決めされたガイド部材とを含み、前記ガイド部材は、前記製造動作中に前記ロケータ部材に対して前記ワークピースを付勢的に係合するよう前記ワークピースに対して付勢力を加えるよう構成される、請求項3に記載の位置決め装置。
【請求項5】
前記第1および第2の係合機構のうちの少なくとも1つはさらに、前記ガイド部材に作動的に結合されるアクチュエータを含み、前記アクチュエータは、前記製造動作中に前記付勢力を動的に制御するよう構成される、請求項4に記載の位置決め装置。
【請求項6】
各々の係合機構はローラの組を含み、ローラの各組は、前記ローラの組の間にクランプ領域を形成し、前記ツーリング装置の中心線に対してほぼ平行になるよう配置されたロケータローラおよびテンションローラを有し、
それぞれのクランプ領域は、前記ワークピースの軸に沿って前記ワークピースを係合し、ツール装置の移動とともに前記軸を下降して前記軸に沿った連続点においてクランプ力を加え、これにより、前記経路に対して前記ワークピースを整列させる、請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項7】
前記テンションローラは、1つ以上のテンションアジャスタを介して取付けられ、各々のテンションアジャスタは、前記ワークピースに加えられるクランプ力を変えるよう制御可能に調整できる、請求項6に記載の位置決め装置。
【請求項8】
前記ツーリング装置は、作業位置において前記ワークピースに対する前記製造動作を実行し、前記係合機構は、前記ワークピースが前記作業位置において前記経路に対してほぼ平行に位置決めされるように、前記ワークピースを整列させるよう構成される、請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項9】
前記経路は、前記ツーリング装置に結合され、前記経路に沿って前記ツーリング装置の動きを制御する制御システムによって設定される、請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項10】
ワークピースに対する製造動作を実行するためのアセンブリであって、
経路を横断し、前記経路に沿って前記製造動作を実行するよう構成されたツーリング装置と、
位置決め装置とを含み、前記位置決め装置は、前記位置決め装置が前記ツーリング装置とともに横断するように前記ツーリング装置に直接取付けられ、前記位置決め装置は少なくとも1つの係合機構を含み、前記少なくとも1つの係合機構は、前記経路が横断されるとき、前記製造動作が前記経路に沿って連続点において実行される点に対して一定の向きに前記ワークピースを位置決めするよう前記ワークピースにクランプ力を加える、アセンブリ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの位置決め装置は、前記ツーリング装置に結合され、前記ツーリング装置が前記経路に沿って移動するとき前記ツーリング装置とともに移動可能である本体部材を含み、前記少なくとも1つの係合機構は、前記本体部材に結合され、前記ワークピースを係合するよう構成される複数の係合機構を含み、前記複数の係合機構は、前記ツーリング装置が前記経路に沿って移動するとき、前記係合機構が前記ツーリング装置および前記経路に対して一定の関係で前記ワークピースを整列させるよう協働するように、前記経路と整列するよう構成される、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記ツーリング装置は、作業位置において前記ワークピースに対する前記製造動作を実行し、前記複数の係合機構は第1の係合機構および第2の係合機構を含み、前記第1および第2の係合機構は、間隔をあけて配置され、前記作業位置の両側において前記経路に沿って位置決めされる、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記第1および第2の係合機構のうちの少なくとも1つは、
前記経路の側方側に配置されたロケータ部材と、
前記経路の反対側の側方側において前記ロケータ部材近傍に位置決めされたガイド部材とを含み、前記ガイド部材は、前記製造動作中に前記ロケータ部材に対して前記ワークピースを付勢的に係合するよう前記ワークピースに対して付勢力を加えるよう構成され、前記第1および第2の係合機構のうちの少なくとも1つはさらに、
前記ガイド部材に作動的に結合されるアクチュエータを含み、前記アクチュエータは、前記製造動作中に前記クランプ力を動的に制御するよう構成される、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
各々の係合機構はさらに、
前記経路に対して平行に固定位置を規定するようツーリング装置と整列した位置決め部材と、
対応するテンション部材とを含み、前記対応するテンション部材は、クランプ領域が前記位置決め部材と前記テンション部材との間に前記経路に対してほぼ平行に形成されるように、前記位置決め部材に対向するよう配置される、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記テンション部材は、前記ワークピースに対しクランプ力をもたらすよう前記部材間に調整可能に張力を与える1つ以上のテンションアジャスタを介して前記位置決め装置に取付けられる、請求項14に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記位置決め装置は、位置調整装置を用いて前記ツーリング装置に結合され、前記位置調整装置は、前記製造動作の実行中に制御信号に応答して前記ツーリング装置に対する前
記位置決め装置の位置を調整するよう構成される、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項17】
ワークピースに対する製造動作を実行する方法であって、
ツーリング装置が前記ワークピースに対する前記製造動作を実行するとき、経路に沿って前記ワークピースに対して前記ツーリング装置を移動させるステップと、
位置決め装置が前記ワークピースに対して前記ツーリング装置とともに移動するように、前記ツーリング装置の移動と同時に、前記ツーリング装置に直接取付けられた前記位置決め装置を用いて前記経路に沿った連続点において前記ワークピースを位置決めするステップとを含み、前記ワークピースを位置決めするステップは、前記ツーリング装置および前記経路に対して前記位置決め装置によって固定された位置に前記ワークピースを調整するよう前記ワークピースに力を加えるステップを含む、方法。
【請求項18】
前記ワークピースを位置決めするステップはさらに、第1の係合機構および第2の係合機構を前記ワークピースと係合させるステップを含み、前記第1および第2の係合機構は、間隔をあけて配置され、前記ツーリング装置が前記製造動作を実行する作業位置の両側において前記経路に沿って位置決めされる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ワークピースの位置決めと同時に、前記第1および第2の係合機構のうちの少なくとも1つによって加えられる力を動的に調整するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記位置決め装置は、
前記位置決め装置を前記ツーリング装置に固定するために複数の取付具を有する本体と、
前記本体上に配置された第1の係合機構および第2の係合機構とを含み、各々の係合機構は、
前記経路に対して平行に固定位置を規定するようツール装置と整列した位置決めローラと、
対応するテンションローラとを含み、前記対応するテンションローラは、前記経路上の連続点において前記第2のワークピースに接合されるときに前記第1のワークピースを位置決めする力をもたらすようクランプ領域が部材間に形成されるように、前記位置決めローラに対向するよう配置される、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
発明の分野
この発明は、製造動作中にワークピース要素を位置決めおよび固定するための装置および技術に関し、より特定的には、たとえば、複数の要素に対して実行される溶接、接合または他の製造動作時に用いられ得るツール取付型構造の位置決め装置および技術に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
多くのさまざまな種類の製造動作中に、作動中の要素を互いに対しておよび/またはツールに対して所望の位置に固定することが必要とされる。コンピュータ制御の連続的なツーリング動作の場合、当該要素は、ツールのヘッドが経路に沿って移動するとき当該ツールの経路に沿って位置決めおよび固定される。たとえば、摩擦攪拌溶接のプロセスにおいては、高速回転スピンドルを用いて要素を係合すると、摩擦のせいで温度が高くなり、これにより要素同士が溶融される。この摩擦攪拌溶接技術は構造要素同士を接合するのに用いられてもよく、たとえば、断面がT字型、L字型および/または角度の付いた支持部(ストリンガ)をアルミニウムの薄板構造(外板)に接合するのに用いられてもよい。当該プロセスにおいては、許容可能な接合部が正しい位置に形成されるようにするために、当該要素が互いに対してかつ摩擦攪拌溶接ヘッドに対して位置決めされる。他の製造動作、たとえば、リベット締め、接合、打抜き、曲げ加工、クリンプ加工、接着剤の塗布などはまた、典型的には、それに対する動作が実行されている要素の位置決めを含む。
【0003】
要素を固定しかつ位置決めする従来の一技術では、外部のツーリング要素または保持要素(たとえば、ツール自体の外部にあるクランプおよびポジショナ)を用いて要素を適所に係止し、要素間および要素からツールまでの位置を維持する。しかしながら、これらの外部ツーリング技術では費用が高くなり、設置および取外しのためにかなりの時間が必要となる可能性があり、また、嵩高いために、使用していないときに格納するのに不都合が生じるかもしれない。さらに、ある製造動作中に引起こされる軸方向および半径方向の荷重により、外部の要素によって固定された場合に当該要素が滑ってしまう可能性がある。加えて、外部の保持要素は物理的に所望のツール経路を横切ってこれを妨害する可能性があり、このため、さまざまな間隔で当該保持要素を取外したり再度位置決めしたりするのに特定の製造動作の停止や開始を必要とするかもしれない。こうして、固定および位置決めのこれらの従来の技術では、設置が煩雑、困難で時間のかかるものとなり、最終的に、製造プロセスを遅らせ、その費用を増大させてしまうおそれがある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
製造動作中にワークピースを固定および位置決めするためのツール取付型構造の位置決め装置および技術を説明する。一実現例においては、位置決め装置は本体部材を含み、当該本体部材は、位置決め装置をツーリング装置に直接取付けるための複数の取付具を有する。当該ツーリング装置は、たとえば複数の要素を接合するために、所定の経路に沿って移動しつつ製造動作を実行するよう構成される。本体部材に結合された係合機構は当該所定の経路と整列し、ツーリング装置が動作を実行する第1のワークピースを固定するよう動作し、このため、当該ツーリング装置が所定の経路に沿って移動するとき、当該位置決め装置は当該所定の経路に対して一定の関係で第1のワークピースを整列させる。
【0005】
この発明の実施例は、添付の図面を参照し以下の詳細な説明に従っている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
詳細な説明
この発明は、製造動作中に要素を固定するためのツール取付型構造の位置決め装置および技術に関する。この発明のいくつかの実施例の多くの特定の詳細が、このような実施例を完全に理解させるために以下の説明および図1〜図7において述べられる。しかしながら、この発明が付加的な実施例を有し得るか、またはこの発明がいくつかの詳細なしに以下の説明に従って実施され得ることを当業者は理解するだろう。たとえば、いくつかの実施例では摩擦攪拌溶接(FSW)技術が参照されているが、当業者が認識し得るように、記載される構造位置決め技術がさまざまなツーリング動作に適用可能であり、そのうちのいくつかの例として、リベット締め、打抜き、接着、折り目付け、曲げ加工、切断、溶接およびクリンプ加工が挙げられる。
【0007】
図1は、この発明の実施例に従った製造システム100を示す。この実施例においては、製造システム100は、ツーリング装置104に連通的および/または物理的に結合された制御システム102を含む。当該ツーリング装置104は、さまざまな要素またはワークピースに対する製造動作を実行するよう構成される。図1はさらに、第1のワークピース106および複数の第2のワークピース108を示す。
【0008】
ツーリング装置104は、たとえば、製造部品または製品を作り出すためにいくつかのワークピースまたは要素に対する動作を実行するよう動作可能である。一実施例においては、ツーリング装置104は、摩擦攪拌溶接ヘッドなどの溶接部品である。この実施例においては、ツーリング装置104は、第1のワークピース106と第2のワークピース108とをしっかりと接合するよう1つ以上の所定の経路に沿って溶接を実行する。代替的な実施例においては、他のいかなる所望の製造動作が実行されてもよい。図1には単一のツーリング装置104が示されているが、代替的な実施例においては、システム100は、独立してまたは組合されて動作し得るさまざまなツーリング装置104を有し得ることが企図される。たとえば、当該システム100は、摩擦攪拌溶接ヘッドとして構成され、複数の第2のワークピース108を第1のワークピース106に独立してまたは同時に溶接するよう配置された複数のツーリング装置104を含み得る。
【0009】
制御システム102は、論理処理装置などを表わしており、この明細書中に記載される製造動作を制御し、特に、ツーリング装置104の動作を制御するよう動作可能である。たとえば、制御システム102は、溶接または他の動作がそれに沿って特定される経路などの所定の経路に沿って、ツーリング装置104の動きおよび動作を制御し得る。図示される実現例においては、ツーリング装置104は、特定された溶接経路などの経路に沿ったツーリング装置104の動きを容易にし得る複数の軸方向のローラ110に接続されるものとして示される。制御システム104は、ツーリング装置104の移動の速度、方向およびタイミング、ならびにその製造動作を制御するよう動作し得る。さらに、多軸システムが用いられてもよく、この場合、ツーリング装置104およびアセンブリのロール、ピッチおよびヨー運動ならびに前進/後退および上下運動が制御され得る。この開示に従って既存の制御システムおよび装置のさまざまな構成を用いることにより、ツーリング装置104に所定の経路上でワークピース(または要素)に対する動作を実行させることができる。
【0010】
図1にさらに図示のとおり、システム100はまた、少なくとも1つの位置決め装置112を含む。位置決め装置112は、第1のワークピース106および第2のワークピース108を固定し、動作中に要素とツーリング装置104との間の相対的な関係または位
置を維持するよう構成される。たとえば、位置決め装置112は、ツーリング装置104が接合のために特定された経路を横断するとき、第1のワークピース106に接合(たとえば、溶接)されている第2のワークピース108のうちの1つを固定および位置決めし得る。図1に図示のとおり、位置決め装置112は、ツーリング装置104に直接取付けられ、たとえば制御システム102によって制御される所定の経路に沿って、または製造動作中にユーザによって指向されるランダムな(または予め規定されていない)経路に沿って、ツーリング装置104とともに移動するよう構成される。
【0011】
位置決め装置112は、第1のワークピース106および第2のワークピース108とツーリング装置104との間の特定の位置関係が維持されるように、ツーリング装置104と整列させられる。言い換えれば、位置決め装置112は、たとえばボルトまたは他の好適な取付手段によって適所に保持されて、ツーリング装置104に対して固定される。したがって、第2のワークピース108などのワークピースの固定および位置決めは、第2のワークピース108に適用される他の外部のツーリング装置または保持要素(たとえば、クランプ、ポジショナ、締結具など)なしで位置決め装置112によって実現され得る。位置決め装置112はさまざまな技術を用いてワークピースを固定および位置決めし得るが、そのうちのいくつかの具体例および局面が図2〜図6の以下の説明において詳述される。
【0012】
図2は、ツーリング装置104が取外されて位置決め装置112が露出されている、図1の製造システム100の一部を表す実現例200を示す。この実施例においては、位置決め装置112は、本体202と、当該本体202上に配置された複数の取付具204とを含む。当該複数の取付具204は、図1のツーリング装置104に位置決め装置112を取外し可能にまたは固定して取付けるよう構成され得る。たとえば、位置決め装置112は、ボルトで留められ得るか、または取付具204によって同様に締結され得る。さまざまな異なるツーリング装置104を位置決め装置112と交換可能に用いて、リベット締め、打抜き、接着、折り目付け、曲げ加工、切断、溶接、クリンプ加工および他の所望の動作などのさまざまな製造動作を実行し得る。1つ以上の実現例においては、位置決め装置112は、ボルト留めまたは締結されるのではなく、たとえば、ツーリング装置104に溶接されるかまたは一体的に形成されるなどしてツーリング装置104にしっかりと固定され得る。
【0013】
位置決め装置112はまた、ツーリング装置104の移動経路に沿って当該ツーリング装置104に対してワークピースを固定および位置決めするよう構成された1つ以上の固定機構を含む(たとえば、係合および位置決めするよう構成された係合機構)。たとえば、図2は、固定機構206、208の対を有する実現例を示す。特に、固定機構206、208は、ワークピース108の長さに沿って2点において第2のワークピース108のうちの1つを固定するものとして示されている。一実施例においては、第1のワークピース106は、たとえば航空機の胴体に用いられるような成形されたアルミニウムの外板であり、複数の第2のワークピース108は、機体内での使用に適したT字型または角度の付いた梁などのアルミニウムのストリンガである。それぞれのワークピース106、108は、形成された航空機の胴体またはフレーム部材に所望の構造および特徴を与えるよう摩擦攪拌溶接動作などによって接合されてもよい。航空機のフレームまたはアセンブリを形成するのに適したさまざまな板、棒材、パネル、梁および他の所望の構成要素を含む他のさまざまなワークピースまたは要素が企図される。
【0014】
動作の際に、ツーリング装置104および取付けられた位置決め装置112は、図1の制御システム102によって制御されて所定の経路であり得る経路に沿って移動する。例示的な経路214が図2において破線で表される。位置決め装置112の固定機構206、208は、ワークピース108にクランプ力(または他の好適な力、たとえば横方向の
力、付勢力など)を加えるよう動作することにより、ツーリング装置104が経路214に沿って横断方向210に移動するときに連続点においてワークピース108を経路214と整列させる。たとえば、経路214に沿った点212においては、ワークピース108は位置決め装置112を介してクランプ留めされ、ワークピース108および経路214はほぼ(または正確に)合致している。
【0015】
経路214に沿って移動させた場合、経路214と要素108との間における誇張されたオフセットが要素108の端部215付近に示される。アセンブリが要素108の端部215に到達すると、位置決め装置112を介して加えられたクランプ力または他の好適な力によって、ワークピース108が所望のとおりに経路214と整列するよう動かされる。したがって、要素108の端部215付近の上述のオフセットが解消され、ワークピース108の適切な配置が実現され得る。こうして、位置決め装置112から加えられた力によるツーリングアセンブリ自体の位置関連の能力を用いることにより、ワークピース108が固定および位置決めされる。
【0016】
経路214は概して直線的な経路として示されているが、この明細書中に記載される技術が、複数の面などを通る直線、曲線、平面、横方向の経路に同様に適用され得ることが認識されるだろう。たとえば、代替的な実施例においては、ワークピース108は比較的可撓性のある材料(たとえば、プラスチック、ゴムまたは他の弾性材料)から構成されてもよく、経路は直線的でなくてもよい。可能な一実現例においては、ワークピース108は、動作点におけるワークピース108と移動経路214との関係が概して平行になるように、動作点(たとえば、固定機構206と208との間の溶接点)において位置決めされる。他の実現例においては、他の関係、たとえば、移動経路214とワークピース108との間の相対的な角度位置が特定され得る。
【0017】
図3は、図1および図2の位置決め装置112の実現例300をより詳細に示す図である。特に、図2の固定機構206、208の一実施例の詳細な局面が示される。この実現例においては、固定機構206、208の対は、それぞれの取付ブラケット304、310を介して位置決め装置112の本体202に取付けられるローラ302、308の組として実現される。
【0018】
より具体的には、図3に示される実施例においては、固定機構206、208の各々は、それぞれのブラケット304を介して位置決め装置112の本体202に取付けられた1組のロケータローラ302のうちの1つを含む。ロケータローラブラケット304は、本体202または他の好適な取付手段を通るボルト306によって取付けられてもよい。いくつかの実施例においては、ロケータローラブラケット304は、本体202に一体的に形成され得るかまたは溶接され得る。ロケータローラ302の各々に対応するテンションローラ308はまた、それぞれのテンションローラブラケット310を介して本体202に取付けられるものとして示されている。好ましくは、テンションローラ308はロケータローラ302に対してほぼ平行である。したがって、ワークピース108は、対応するローラ302、308の組の間に保持され得る。記載される構成においては、固定機構206、208の各々におけるローラ302と308との間にクランプ区域が形成されることが認識され得る。ローラ302、308はワークピース108を係合し、クランプ区域においてクランプ力を加え得る。ローラ302、308は、位置決め装置112がワークピース108の軸に沿って移動することを可能にし(たとえば、位置決め装置112がワークピース108を下降し)、ワークピース108を固定および位置決めするようクランプ力を同時に加え得る。
【0019】
ロケータローラ302は、動作が行なわれる点においてローラ間に保持されるワークピースのための固定位置を設定するようツーリング装置104と整列し得る。こうして、ロ
ケータローラ302は、固定されたワークピースのための固定されたバックストップ(またはポジショナもしくはガイド)として機能し得る。特に、その位置は、位置決め装置112が取付けられているツーリング装置104の移動経路に対して固定されてもよい。このことは、図5に関連して以下により十分に説明される。
【0020】
テンションローラブラケット310は張力を調整可能にもたらすよう構成され得る。各々のテンションローラブラケット310が有している1つ以上の対応するテンションアジャスタ312を用いることにより、ローラ308を介してもたらされる張力を変化させ、これに応じて、ワークピースを固定および位置決めするために加えられるクランプ力を変化させ得る。記載される実施例においては、テンションアジャスタ312は、本体202にそれぞれのブラケット310を固定するばね荷重ボルトとして実現され、張力を変化させるよう手動で調整され得る。当然、位置決め装置が経路に沿って移動する際にワークピースがどれほどしっかりと保持されるか、および、どれほどの抵抗が存在し得るかを決定するために張力が調整され得る。たとえば、異なる摩擦特性を有する異なる材料からなるローラを補償するよう張力が調整されてもよい。張力を自動的および/または動的に調整するためのさまざまな液圧式、空気圧式、機械式のテンションアジャストメント312が代替的に用いられてもよい。これらのさらなる説明が図6に関連して見出されるだろう。
【0021】
動作時に、ワークピースは、ローラの組の間に挟まれ得るかまたはクランプ締めされ得る。テンションローラ308によってもたらされる張力により、ツーリング装置104および位置決め装置112のアセンブリが経路に沿って移動するときに当該ワークピースの位置がロケータローラ302によって設定される位置に調整される。こうして、ここで説明される取付可能な位置決め装置112とともにツーリング装置104の位置関連の能力を用いて、ワークピースが製造動作(たとえば、溶接)のために経路に沿って固定および位置決めされ得る。ローラが記載されているが、ワークピースを固定および位置決めするのに適したさまざまな固定機構が用いられてもよいことに留意されたい。たとえば、以下の詳細に従った図6は、位置決め細片がロケータローラ302の代替物として用いられている実現例を示す。ワークピースを固定および位置決めするための張力およびクランプ力を与えるのにさまざまな種類、形状および材料を有する他のさまざまな装置が用いられてもよく、そのうちのいくつかの例として、ゴムパッド、棒材、細片、アクチュエータ、ばねクランプ、ラチェット式装置、および他の好適な機構が挙げられる。
【0022】
図4を参照すると、図3の位置決め装置112のアセンブリを示す分解図400が図示される。この実施例においては、位置決め装置112の本体202に配置されている複数の異なる穴が、ボルトなどの締結具によって位置決め装置112の構成要素を本体202に取付けるためにさまざまなパターンで配置され得る。この実施例においてボルトとして構成されている複数の取付部材204は、位置決め装置112をツーリング装置104に固定するのに用いられる。図示されるロケータローラ302およびテンションローラ308の2つの組は各々、対応する取付ブラケット304および310に固定され得る。ロケータローラ取付ブラケット304は、複数のボルト306および本体202における対応する穴を介して本体202に固定される。テンションローラブラケット301は、ばね荷重ボルトとして実現される複数のテンションアジャストメント312を介して本体に固定される。代替的な実施例においては、溶接、接着などの固定式締結方法を用いて、位置決め装置112をツーリング装置104に固定することもできる。
【0023】
図5は、図3に関連して記載されたとおりに実現された位置決め装置112を含む図1のシステム100の側面図を示す。図5は、位置決め装置112と、当該位置決め装置112によってツーリング装置に保持された対応するワークピース108との整列を示す。この場合、図示されたツーリング装置は摩擦攪拌溶接(FSW)ツール502として構成される。先に記載された制御システム102は、第2のワークピース108を第1のワー
クピース106に接合するためにFSWツール502に溶接動作を実行させるよう動作し得る。特に、FSWツール502は、ワークピースを可塑化する接点において摩擦エネルギを与えるよう回転する。各々のワークピース106、108の可塑化された区域が形成する流体領域は、冷却されると(たとえば、FSWツール502が通り過ぎた後)、接点においてワークピースをともに溶融(たとえば、溶接)する。FSW502の中心線は破線504で示され、さらに、溶接動作の中心線と、これによりツールの経路上の点とを示す。中心線およびプログラムされた経路上にある接点506が示されているが、そこで溶接が行なわれる。
【0024】
第2のワークピース108は、先に記載された装置および技術に従って、ロケータローラ302とテンションローラ308との間に固定されるものとして示される。第2のワークピース108のための一定の位置または固定された位置508が中心線504および接点506に対して設定および維持されるように位置決め装置112を整列させる。特に、位置508は1つ以上のロケータローラ302の位置に対応する。この位置508は、FSWツール502が溶接経路を横断する際に維持される。一実現例においては、ワークピース108は、溶接が行なわれる点506においてプログラムされた溶接経路に対して実質的に平行になるよう位置決めされる。位置決め装置112によってもたらされる張力および/またはクランプ力により、ワークピース108が、当該経路に沿った連続点における設定された位置508へと調整される。この場合、位置508は、図示のとおり角度が付いたL字型のストリンガであるワークピース108の外側の端縁に設定される。他のさまざまなワークピース、断面要素またはストリンガなどが同様に位置決めされてもよく、結果として、対応する位置508がさまざまな種類の要素のためにさまざまに設定され得ることとなる。シムおよび機械接地ブロックを用いて、ローラ302の所望の位置と、これにより位置508とを設定し、ワークピースとツールおよび/またはワークピース同士の所望の関係を維持し得る。
【0025】
図6は、この発明の代替的な実施例に従った位置決め装置112の別の実現例600を示す。先に説明したとおり、さまざまなツーリング動作は、記載された装置および技術とともに用いられてもよく、上述の溶接技術に限定されない。たとえば、図6の実現例600においては、リベット締め装置602として構成されるツーリング装置が示されるが、これは付属の位置決め装置604を備える。リベット締め装置602は、たとえば、図1の制御システム102によって制御される所定の経路でもあり得る接合部に沿ってリベットを配置することにより、ワークピース同士を接合するよう動作可能であり得る。ワークピースは、位置決め装置112の特徴を用いて、先に記載されたとおり固定および位置決めされてもよい。
【0026】
実現例600においては、設定された位置508は、先に記載されたロケータローラ302ではなく1組のロケータ細片606によってもたらされる。対応するテンションローラ608が示されており、当該対応するテンションローラ608はロケータ細片606に対してほぼ平行に配置され、これにより細片606とローラ608との間にクランプ領域が形成される。テンションローラ608が示されているが、ロケータ細片606と同様のテンション細片がまたテンションローラ606の代替物として用いられてもよいことに留意されたい。さまざまな寸法、形状および種類のテンションおよびロケータ細片606が用いられてもよい。たとえば、細片606は図6に図示のとおり概して長方形であり得るか、または、楕円形、円形または他のいかなる好適な形状であり得る。
【0027】
ローラおよび細片を説明してきたが、クランプ力をもたらすためにロケータ部材およびテンション部材のさまざまな組合せを含むよう固定機構が実現されてもよい。たとえば、ローラ、細片、棒材、パッド、クランプ等として構成されるロケータ部材およびテンション部材が用いられてもよい。固定機構のためにさまざまな組合せで用いられるさまざまな
寸法、種類および材料からなる部材を含むロケータ部材およびテンション部材のさまざまな組合せが企図される。
【0028】
図6はさらに、位置決め装置604の張力調整のための自動化構成を示す。より具体的には、この実施例においては、関連するアクチュエータ610を有するテンションローラ608が示される。アクチュエータ610は、テンションローラ608を介してもたらされる張力を自動的および/または動的に調整するのに用いられ得る。制御システム102は、アクチュエータ610の動作を制御するようアクチュエータ610に連通的および/または物理的に結合され得る。こうして、手動で張力を調整するのではなく、アクチュエータ610を用いて自動的に張力を調整し得る。したがって、ワークピースに加えられる張力および/またはクランプ力は、これにより、たとえばツーリング装置が経路を横断するときに力を変えることによって動的に制御され得る。アクチュエータ610は、たとえば、機械式ねじ、液圧装置、空気圧装置および他の好適な作動方法によってさまざまな方法で実現され得る。位置決め装置604および112の他のさまざまな調整、たとえば、ツール装置104、FSWヘッド502またはリベット締め装置602の中心線へのロケータ部材の整列などはまた、制御システム102ならびに関連する制御装置および論理によって自動化されてもよい。
【0029】
図7は、この発明の代替的な実施例に従った製造システム700の部分分解図である。製造システム700の構成要素のうちのいくつかの構造および動作は、上述の構成要素と実質的に同様(または同一)であってもよい。したがって、簡潔にするために、製造システム700の構成要素の構造および動作における有意な差だけを詳細に説明する。
【0030】
図7に図示のとおり、製造システム700は、位置調整装置720によってツールアセンブリ704に作動的に結合された位置決めアセンブリ710を含む。位置調整装置720は、位置決めアセンブリ710の位置をツールアセンブリ704に対して調整することを可能にする。位置調整装置720は、(たとえば、ねじ部材、クランプ部材などを用いる)手動作動型装置であり得るか、またはより好ましくは、制御システム702からの制御信号を用いて制御可能な1つ以上の作動装置(たとえば、サーボモータ、液圧または空気圧アクチュエータ、磁気アクチュエータなど)を用いて制御可能に調整可能であり得る。こうして、位置決めアセンブリ710の位置が、ツールアセンブリ704を用いた製造動作の実行中に制御可能に調整され得、これにより、位置決めアセンブリ710が柔軟でより適合可能な態様でワークピース(たとえば、図1の第2のワークピース108)をより良く位置決めおよび固定することが可能となり、費用のかかる製造動作の中断を必要とすることなく、手動での調整が可能となり得る。
【0031】
この発明の好ましい実施例および代替的な実施例を上述のとおり図示および説明してきたが、この発明の精神および範囲から逸脱することなく多くの変更が可能であり得る。したがって、この発明の範囲は、これらの好ましい実施例および代替的な実施例の開示によっては限定されない。むしろ、この発明は、添付の特許請求の範囲を参照することによって全体が決定されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の実施例に従って形成された溶接システムの構成要素を示す斜視図である。
【図2】ツーリング装置が取外されて位置決め装置が露出されている、図1に示される溶接システムの一部を示す図である。
【図3】図1および図2の位置決め装置の具体的な実現例を示す詳細図である。
【図4】図3の位置決め装置の分解図である。
【図5】位置決め装置の整列を示す、図1のシステムの実現例の側面図である。
【図6】位置決め装置の別の具体的な実現例を示す図である。
【図7】この発明の代替的な実施例に従った製造システムを示す部分分解図である。
【符号の説明】
【0033】
100 製造システム、102 制御システム、104 ツーリング装置、106 第1のワークピース、108 第2のワークピース、110 ローラ、112 位置決め装置。
【出願人】 【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【出願日】 平成19年5月16日(2007.5.16)
【代理人】 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎

【識別番号】100085132
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 俊雄

【識別番号】100083703
【弁理士】
【氏名又は名称】仲村 義平

【識別番号】100096781
【弁理士】
【氏名又は名称】堀井 豊

【識別番号】100098316
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 久登

【識別番号】100109162
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 將行

【識別番号】100111246
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 伸夫


【公開番号】 特開2008−6497(P2008−6497A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2007−130931(P2007−130931)