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溶接合否判定装置及び溶接合否判定方法 - 特開2008−6485 | j-tokkyo
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【発明の名称】 溶接合否判定装置及び溶接合否判定方法
【発明者】 【氏名】国守 博巳

【要約】 【課題】溶接幅を含めて溶接の良否を判定し、溶接の合否を高精度に判定することでプロセスライン中における破断を防止することが可能な溶接合否判定装置及び溶接合否判定方法を提供する。

【構成】先行鋼帯の尾端部と後行鋼帯の先端部とを溶接接続する溶接機における溶接の合否を判定する溶接合否判定装置10であって、溶接中における溶接部の温度状態の良否を判定する温度状態判定手段1と、溶接した溶接幅が適切か否かを判定する溶接幅判定手段2と、前記温度状態判定手段1及び前記溶接幅判定手段2による判定結果に基づいて溶接の合否判定を行う判定手段3とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先行鋼帯の尾端部と後行鋼帯の先端部とを溶接接続する溶接機における溶接の合否を判定する溶接合否判定装置であって、
溶接中における溶接部の温度状態の良否を判定する温度状態判定手段と、
溶接した溶接幅が適切か否かを判定する溶接幅判定手段と、
前記温度状態判定手段及び前記溶接幅判定手段による判定結果に基づいて溶接の合否判定を行う判定手段とを有することを特徴とする溶接合否判定装置。
【請求項2】
先行鋼帯の尾端部と後行鋼帯の先端部とを溶接接続する溶接機における溶接の合否を判定する溶接合否判定方法であって、
溶接中における溶接部の温度状態の良否を判定する温度状態判定ステップと、
溶接した溶接幅が適切か否かを判定する溶接幅判定ステップと、
前記温度状態判定ステップ及び前記溶接幅判定ステップの判定結果に基づいて溶接の合否判定を行う判定ステップとを有することを特徴とする溶接合否判定方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、先行鋼帯の尾端部と後行鋼帯の先端部とを溶接接続する溶接機における溶接の合否判定を行う溶接合否判定装置及び溶接合否判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先行鋼帯の尾端部と後行鋼帯の先端部とを重ね合わせて溶接接続する鋼帯製造プロセスラインにおける溶接の良否を判定する方法については、これまでに数多くの特許出願がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1では、鋼材の抵抗溶接時における溶接電流や溶接電圧、溶接速度、電極輪の加圧力等の溶接機作動数値を出力させ、予め設定された基準値と比較解析することにより溶接機の設備異常を警報出力として検知する溶接機の診断方法が提案されている。
【0004】
また、溶接温度実績に基づいて溶接の良否判定を行う方法などについて提案がなされている(例えば、引用文献2参照。)。
【特許文献1】特開平6−339778号公報
【特許文献2】特開2005−342788号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に記載の方法は、溶接機の異常を速やかに検知するという観点からは有用な方法ではあるが、鋼帯の溶接性の良否を判定することについては考慮されていない。
【0006】
また、上記特許文献2に記載の溶接温度実績に基づいて溶接の良否判定を行う方法は、溶接が行われた部分についての良否判定は可能であるが、仮に溶接温度や溶接電流値等が合格基準の範囲内であっても、溶接対象材に対して溶接幅が十分であるか否かについては判定することはできない。
【0007】
そのため、上記方法では、例えば、先行鋼帯の尾端部と後行鋼帯の先端部との重ね合わせ不良、或いは、先行鋼帯の尾端部または後行鋼帯の先端部の形状不良等により、溶接重ね合わせ部に隙間が生じ、その隙間の部分を溶接機が鋼帯側端部と認識してしまい、鋼帯の溶接部分の一部に非溶接部が生じたような場合においても、それを検知することはできない。溶接部分の一部に非溶接部が生じている鋼帯は、プロセスライン中において破断を起こす可能性があり、操業上重大な問題となり得る。
【0008】
そこで、本発明は、溶接幅を含めて溶接の良否を判定し、溶接の合否を高精度に判定することでプロセスライン中における破断を防止することが可能な溶接合否判定装置及び溶接合否判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有する。
[1]先行鋼帯の尾端部と後行鋼帯の先端部とを溶接接続する溶接機における溶接の合否を判定する溶接合否判定装置であって、
溶接中における溶接部の温度状態の良否を判定する温度状態判定手段と、
溶接した溶接幅が適切か否かを判定する溶接幅判定手段と、
前記温度状態判定手段及び前記溶接幅判定手段による判定結果に基づいて溶接の合否判定を行う判定手段とを有することを特徴とする溶接合否判定装置。
[2]先行鋼帯の尾端部と後行鋼帯の先端部とを溶接接続する溶接機における溶接の合否を判定する溶接合否判定方法であって、
溶接中における溶接部の温度状態の良否を判定する温度状態判定ステップと、
溶接した溶接幅が適切か否かを判定する溶接幅判定ステップと、
前記温度状態判定ステップ及び前記溶接幅判定ステップの判定結果に基づいて溶接の合否判定を行う判定ステップとを有することを特徴とする溶接合否判定方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、溶接幅を含めて溶接の良否を判定し、溶接の合否を高精度に判定することでプロセスライン中における破断を防止することが可能な溶接合否判定装置及び溶接合否判定方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態の一例を説明する。
【0012】
図1に、本発明に係る溶接合否判定装置の一実施形態のブロック図を示す。図1に示すように、本発明に係る溶接合否判定装置10は、先行鋼帯の尾端部と後行鋼帯の先端部とを溶接接続する溶接機における溶接の合否を判定する装置であって、溶接中における溶接部の温度状態の良否を判定する温度状態判定手段1と、溶接した溶接幅が適切か否かを判定する溶接幅判定手段2と、前記温度状態判定手段1及び前記溶接幅判定手段2による判定結果に基づいて溶接の合否判定を行う判定手段3とを有する。
【0013】
ここで、前記温度状態判定手段1において温度状態判定ステップ(S1)が行われ、前記溶接幅判定手段2において溶接幅判定ステップ(S2)が行われ、前記判定手段3において判定ステップ(S3)が行われる。
【0014】
以下、上記各ステップにおける処理の詳細を説明する。
[温度状態判定ステップ(S1)]
ここでは、溶接中における溶接部の温度状態の良否を判定する。
【0015】
図1に、本温度状態判定ステップ(S1)における処理フローの一例を示す。図1に示すように、本温度状態判定ステップ(S1)は、溶接中における溶接部の温度の取り込みを行う温度取り込みステップ(S11)と、温度取り込みステップ(S11)で取り込んだ温度計測データを解析し、溶接部の温度状態の判定を行う温度解析ステップ(S12)とを有する。以下、それぞれのステップの詳細を説明する。
【0016】
〔温度取り込みステップ(S11)〕
本ステップ(S11)では、溶接中における溶接部の温度を計測する温度計測手段4により計測された計測データを取り込み、記憶手段15、例えばハードディスクに格納する。前記温度計測手段4としては特に限定されないが、非接触の温度計測手段、例えば、放射温度計等を用いることができる。
【0017】
前記温度計測手段4を、溶接機の電極等に取り付けることで、溶接中における溶接部の温度計測を行うことができる。ここで、前記温度計測手段4による温度の計測間隔としては、溶接中の温度状態を的確に把握できる間隔とする必要があり、通常10msec程度とすることが好ましい。
【0018】
また、前記記憶手段15に格納する温度計測データは、溶接時の溶接電流または溶接部の温度が所定の閾値以上となっている間のデータとすることが好ましい。鋼帯の溶接時の温度を正確に把握するためである。
【0019】
〔温度解析ステップ(S12)〕
本ステップ(S12)では、上記ステップ(S11)で取り込んだ温度計測データを解析し、溶接部の温度状態の判定を行う。温度状態の判定は、例えば、溶接中の温度計測値、溶接中の温度の平均値、溶接中の温度の最大値と最小値の差である変動幅が所定の範囲内であるか否かで判定を行うことができる。ここで、前記溶接中の温度計測値の上下限値、前記溶接中の温度の平均値及び変動幅の所定の範囲は、溶接される鋼帯の鋼種や板厚等により予め定められた値を用いる。
【0020】
本ステップ(S12)での判定は、例えば、溶接中の温度計測値が所定の上限値及び下限値の範囲に入っており、且つ、溶接中の温度の平均値及び変動幅がそれぞれ所定の温度範囲に入っている場合に、溶接部の温度状態は良好であったと判定し、「溶接部の温度状態良」の信号を後述する判定ステップ(S3)に送信する。反対に、溶接中の温度計測値が所定の上限値及び下限値のいずれかを外れた場合、または、溶接中の温度の平均値及び変動幅のいずれかが所定の温度範囲を外れた場合には、溶接部の温度状態は異常であったと判定し、「溶接部の温度状態異常」の信号を後述する判定ステップ(S3)に送信する。なお、本ステップ(S12)は、コンピュータ等を用いて実施される。
[溶接幅判定ステップ(S2)]
ここでは、溶接した溶接幅が適切か否かを判定する。
【0021】
図1に、本溶接幅判定ステップ(S2)における処理フローの一例を示す。図1に示すように、本溶接幅判定ステップ(S2)は、溶接中の電極速度を計測する電極速度計測ステップ(S21)と、溶接中の通電時間を計測する通電時間計測ステップ(S22)と、前記電極速度計測ステップ(S21)で計測した溶接中の電極速度と、前記通電時間計測ステップ(S22)で計測した溶接中の通電時間とから溶接幅を算出し、その溶接幅が適切か否かの判定を行う溶接幅算出ステップ(S23)とを有する。以下、それぞれのステップの詳細を説明する。
【0022】
〔電極速度計測ステップ(S21)〕
本ステップ(S21)では、溶接中の電極速度を計測する。電極速度の計測は、例えば、溶接機に付属する電極速度計5の実測値を取り込み記憶手段16であるハードディスク等に格納することで行うことができる。ここで、前記記憶手段に格納する電極速度の実測値データは、溶接時の溶接電流が所定の閾値以上となっている間のデータとすることが好ましい。ここで、前記所定の閾値としては、溶接される鋼帯の鋼種や板厚等により予め定められた値を用いる。溶接中の電極速度を正確に把握するためである。また、前記電極速度計5による電極速度の計測間隔としては、溶接中の電極速度を的確に把握できる間隔とする必要があり、通常10msec程度とすることが好ましい。
【0023】
〔通電時間計測ステップ(S22)〕
本ステップ(S22)では、溶接中の通電時間を計測する。通電時間の計測は、例えば、溶接時の溶接電流が所定の閾値以上となっている間の時間をタイマー等でカウントすることで行うことができる。溶接電流が所定の閾値以上となっている間の時間をカウントすることで、実際に溶接されている時間を正確に把握できる。ここで、前記所定の閾値としては、上記ステップ(S21)同様に、溶接される鋼帯の鋼種や板厚等により予め定められた値を用いる。前記通電時間の計測値Tは記憶手段17であるハードディスク等に格納される。
【0024】
〔溶接幅算出ステップ(S23)〕
本ステップ(S23)では、上記電極速度計測ステップ(S21)で計測した溶接中の電極速度と、上記通電時間計測ステップ(S22)で計測した溶接中の通電時間とから溶接幅を算出し、その溶接幅が適切か否かの判定を行う。
【0025】
ここで、前記溶接幅を算出する際の電極速度の値としては、上記電極速度計測ステップ(S21)で記憶手段に格納された、溶接時の溶接電流が所定の閾値以上となっている間の電極速度データの平均値VAVE を用いることが好ましい。
【0026】
そして、前記溶接幅Wは、前記電極速度データの平均値VAVE と上記通電時間計測ステップ(S22)で計測した溶接中の通電時間Tを下式(1)により算出する。
【0027】
溶接幅W=電極速度データの平均値VAVE ×通電時間T ・・・(1)
次に、前記算出した溶接幅Wと、例えば操業を管理している操業管理システム(プロコン6)等から入力された目標溶接幅W とを比較して、溶接幅が適切か否かの適否判定を行う。ここで、前記目標溶接幅W の値としては、溶接する先行鋼帯と後行鋼帯の板幅の内の短い方の板幅とする。
【0028】
適否判定は、例えば、下式(2)の関係を満たす場合に溶接幅は適切と判断し、満たさない場合には不適と判断することにより行うことができる。なお、判定の基準は、下式(2)の場合に限定されるものではなく、溶接する鋼種や板幅、或いは、全体の操業状態等により変更され得るものである。
【0029】
W ≧0.9×W ・・・(2)
ここで、溶接幅は適切と判断された場合には、「溶接幅適切」の信号を後述する判定ステップ(S3)に送信し、溶接幅が不適と判断された場合には、「溶接幅不適」の信号を後述する判定ステップ(S3)に送信する。なお、本ステップ(S23)は、コンピュータ等を用いて実施される。
[判定ステップ(S3)]
本ステップ(S3)では、上記温度状態判定ステップ(S1)及び上記溶接幅判定ステップ(S2)の判定結果に基づいて溶接の合否判定を行う。
【0030】
前記溶接の合否判定は、例えば、上記温度状態判定ステップ(S1)から入力された信号が「溶接部の温度状態良」であり、且つ、上記溶接幅判定ステップ(S2)から入力された信号が「溶接幅適切」の場合に溶接合格の判定を行う。そして、それ以外の場合、つまり、上記温度状態判定ステップ(S1)から入力された信号が「溶接部の温度状態異常」の場合、もしくは、上記溶接幅判定ステップ(S2)から入力された信号が「溶接幅不適」の場合には溶接不合格の判定を行う。なお、本ステップ(S3)は、コンピュータ等を用いて実施される。
【0031】
本ステップ(S3)で溶接不合格の判定がなされた場合には、例えば、本溶接合否判定装置10に設けられる警告灯の点灯、警報装置からの警報の出力、監視画面(モニター)上への警告メッセージの表示等を行うことでオペレータ等に知らせるようにしてもよい。
【0032】
本発明においては、上述の構成とすることで、溶接幅を含めて溶接の良否が判定でき、溶接の合否を高精度に判定することが可能となる。これにより、プロセスライン中での破断等のトラブルを回避することが可能となり、操業の安定化を図ることが可能となる。
【0033】
なお、上述の実施形態においては、温度状態判定ステップ(S1)において溶接部の温度状態の良否を判定し、溶接幅判定ステップ(S2)において溶接幅が適切か否かを判定し、それぞれの判定結果に基づいて判定ステップ(S3)において溶接の合否を判定している。しかし、温度状態判定ステップ(S1)では温度状態のみを計測し、溶接幅判定ステップ(S2)では溶接幅のみを算出し、判定ステップ(S3)において溶接部の温度状態の良否及び溶接幅が適切か否かの判定を含めて溶接の合否を判定するようにしてもよい。
【0034】
さらに、本発明においては、温度状態判定ステップにおいて、溶接中における溶接部の温度を計測して溶接の良否を判断するようにしているが、溶接部の温度以外に、溶接電流や溶接電圧、溶接速度、電極輪の加圧力等の計測データに基づいて、溶接部の温度状況の良否を判断するようにしてもよい。この場合も、それぞれの計測値の平均値、最大値と最小値の差である変動幅等が所定の範囲内であるか否かで溶接部の温度状況の良否判定を行うことができる。これらの1つ以上の計測データを用いて溶接部の温度状況の良否判定を行うことで、より高精度に溶接の合否の判定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明に係る溶接合否判定装置の一実施形態のブロック図及び各ステップでの処理フローの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
1 温度状態判定手段
2 溶接幅判定手段
3 判定手段
4 温度計測手段
5 電極速度計
6 プロコン
10 溶接合否判定装置
15,16,17 ハードディスク
【出願人】 【識別番号】000001258
【氏名又は名称】JFEスチール株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100105968
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 憲一郎

【識別番号】100130834
【弁理士】
【氏名又は名称】森 和弘


【公開番号】 特開2008−6485(P2008−6485A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181288(P2006−181288)