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【発明の名称】 アーク溶接装置
【発明者】 【氏名】米森 茂樹

【氏名】永野 元泰

【要約】 【課題】従来のアーク溶接装置では、電流検出器からの信号や異常温度検出器からの出力により冷却ファンモータの駆動を動作または停止させたり、出力している電流により冷却ファンモータを選択したりしているため、冷却ファンモータの駆動制御において、消費電力を低減するためにはまだ十分とは言えず、さらに消費電力を低減することが困難となっている。

【構成】溶接出力設定部からの設定値または電流検出器からの出力値または溶接出力時間によりファンモータの駆動時間を決定し、ファンモータの駆動時間を極力減少することができるため、一様にファンモータを回転させることに比べるとファンモータの冷却効率がよい状態で消費電力を低減することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極と母材との間にアークを発生させて溶接を行うアーク溶接装置において、
装置内を冷却するためのファンモータと、
前記ファンモータの回転や停止の制御を行うファン駆動回路と、
溶接出力停止後の前記ファンモータの駆動時間を決定する演算部と、
溶接出力を設定する溶接出力設定部を備え、
前記演算部は、前記溶接出力設定部により設定された設定値に基づいて溶接出力停止後のファンモータの駆動時間を決定するアーク溶接装置。
【請求項2】
演算部は、予め決められた溶接出力停止後のファンモータの第1の駆動時間と、前記第1の駆動時間よりも長い溶接出力停止後のファンモータの第2の駆動時間のうち、溶接出力設定部で設定される設定値が予め決められた基準値より低い場合には前記第1の駆動時間を選択し、高い場合には前記第2の駆動時間を選択する請求項1記載のアーク溶接装置。
【請求項3】
演算部は、アーク溶接装置の定格電流および定格使用率と、溶接出力設定部で設定される設定値をパラメータとして含む演算式に基づいて溶接出力停止後のファンモータの駆動時間を決定する請求項1記載のアーク溶接装置。
【請求項4】
電極と母材との間にアークを発生させて溶接を行うアーク溶接装置において、
装置内を冷却するためのファンモータと、
前記ファンモータの回転や停止の制御を行うファン駆動回路と、
溶接出力停止後の前記ファンモータの駆動時間を決定する演算部と、
溶接出力である出力電流を検出する電流検出部を備え、
前記演算部は、前記電流検出部により検出された出力電流値に基づいて溶接出力停止後のファンモータの駆動時間を決定するアーク溶接装置。
【請求項5】
演算部は、予め決められた溶接出力停止後のファンモータの第1の駆動時間と、前記第1の駆動時間よりも長い溶接出力停止後のファンモータの第2の駆動時間のうち、電流検出部で検出された出力電流値が予め決められた基準値より低い場合には前記第1の駆動時間を選択し、高い場合には前記第2の駆動時間を選択する請求項4記載のアーク溶接装置。
【請求項6】
演算部は、アーク溶接装置の定格電流および定格使用率と、電流検出部で検出された出力電流値をパラメータとして含む演算式に基づいて溶接出力停止後のファンモータの駆動時間を決定する請求項4記載のアーク溶接装置。
【請求項7】
電極と母材との間にアークを発生させて溶接を行うアーク溶接装置において、
装置内を冷却するためのファンモータと、
前記ファンモータの回転や停止の制御を行うファン駆動回路と、
溶接出力停止後の前記ファンモータの駆動時間を決定する演算部と、
溶接出力時間をカウントするカウンタ部を備え、
前記演算部は、前記カウンタ部のカウント結果に基づいて溶接出力停止後のファンモータの駆動時間を決定するアーク溶接装置。
【請求項8】
演算部は、予め決められた溶接出力停止後のファンモータの第1の駆動時間と、前記第1の駆動時間よりも長い溶接出力停止後のファンモータの第2の駆動時間のうち、カウンタ部でカウントしたカウント値が予め決められた基準値より低い場合には前記第1の駆動時間を選択し、高い場合には前記第2の駆動時間を選択する請求項7記載のアーク溶接装置。
【請求項9】
演算部は、アーク溶接装置の定格使用率と、カウンタ部でカウントされた溶接出力時間をパラメータとして含む演算式に基づいて溶接出力停止後のファンモータの駆動時間を決定する請求項7記載のアーク溶接装置。
【請求項10】
電極と母材との間にアークを発生させて溶接を行うアーク溶接装置において、
装置内を冷却するためのファンモータと、
前記ファンモータの回転や停止の制御を行うファン駆動回路と、
溶接出力を設定する溶接出力設定部と、
溶接出力停止後の前記ファンモータの駆動時間を決定する演算部と、
溶接出力時間をカウントするカウンタ部を備え、
前記演算部は、前記溶接出力設定部で設定される設定値と前記カウンタ部のカウント結果に基づいて溶接出力停止後のファンモータの駆動時間を決定するアーク溶接装置。
【請求項11】
演算部は、アーク溶接装置の定格出力電流および定格使用率と、溶接出力設定部で設定される設定値と、カウンタ部でカウントされた溶接出力時間をパラメータとして含む演算式に基づいて溶接出力停止後のファンモータの駆動時間を決定する請求項10記載のアーク溶接装置。
【請求項12】
電極と母材との間にアークを発生させて溶接を行うアーク溶接装置において、
装置内を冷却するためのファンモータと、
前記ファンモータの回転や停止の制御を行うファン駆動回路と、
溶接出力停止後の前記ファンモータの駆動時間を決定する演算部と、
溶接出力である出力電流を検出する電流検出部と、
溶接出力時間をカウントするカウンタ部を備え、
前記演算部は、前記電流検出部により検出された出力電流値と前記カウンタ部のカウント結果に基づいて溶接出力停止後のファンモータの駆動時間を決定するアーク溶接装置。
【請求項13】
演算部は、アーク溶接装置の定格出力電流および定格使用率と、前記電流検出部により検出された出力電流値と、カウンタ部でカウントされた溶接出力時間をパラメータとして含む演算式に基づいて溶接出力停止後のファンモータの駆動時間を決定する請求項12記載のアーク溶接装置。
【請求項14】
内部に異常温度検出器を備え、前記異常温度検出器から出力される異常検出信号に基づいて、演算部で決定される溶接出力停止後のファンモータの駆動時間を延長する請求項1から13のいずれか1項に記載のアーク溶接装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
電極と母材との間にアークを発生させて溶接を行う機器の内部温度上昇を抑制するために冷却用ファンを具備したアーク溶接装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、アーク溶接装置には、内部温度上昇を抑制するために冷却ファンモータを内部に備えたものがある。アーク溶接装置の内部にある半導体およびトランスなどで構成される溶接機出力回路は、溶接出力を行う際に電流が流れることで発熱する。この発熱を抑制するために、冷却ファンが多く使用されている。そして、アーク溶接装置の電源が投入されている間に冷却ファンモータが駆動しているものと、駆動と共にこの冷却ファンモータの駆動を制御しているものがある。その中の1つとして、溶接機内部に備えたシャント抵抗に流れる電流に基づいて冷却ファンモータを駆動または停止しているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6は、上記従来の溶接機のファン制御装置の構成を示すものである。図6において、21は電源、22はリアクタ、23はスイッチング素子、24はシャント抵抗、25はファン、26は溶接部、27は転流ダイオード、28はノイズ除去増幅部、29はファン駆動回路を表している。
【0004】
ここで、図7について、必要な部分のみその動作について説明する。スイッチング素子23が動作するとシャント抵抗24に電流が流れる。このシャント抵抗24で電流を検出し、所定の出力電流以上であればファン駆動回路29が動作してファン25が回転する。また、ファン25は、溶接終了後、一定時間が経過すると自動的に停止する。
【0005】
なお、冷却ファンを備えた別の溶接機として、異常温度検出信号を検出したときには、異常温度検出信号が解除されるまでファンの回転を継続するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
また、冷却ファンを備えた別の溶接機として、電流検出器により検出された電流により2個以上備えられた冷却ファンの駆動を選択するものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】実開平5−9764号公報
【特許文献2】特開2002−66738号公報
【特許文献3】特開平11−28569号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のアーク溶接装置では、シャント抵抗などの電流検出器の出力に基づいて冷却ファンモータの駆動や停止を行うもの、異常温度検出器からの出力に基づいて冷却ファンモータの駆動や停止を行うもの、出力している電流に基づいて駆動させる冷却ファンモータを選択するもの等があるが、ファンモータを効率良く駆動させる点や、バッテリーの消耗や溶接装置の消費電力を低減させるといった点については改善の余地がある。
【0008】
アーク溶接装置は、そのほとんどが出力電流を増減することが可能であり、かつ、機器内部の仕様として定格使用率が設定されているため、この定格使用率に基づいてさらに冷却ファンモータを効率よく駆動させ、また、停止時間を増大させれば、各々の趣旨であるバッテリーの消耗の低減やアーク溶接装置の消費電力の低減をより効率よく行うことができる。
【0009】
本発明は、冷却ファンモータを効率よく駆動させることで、溶接機の消費電力を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のアーク溶接装置は、上記課題を解決するために、電極と母材との間にアークを発生させて溶接を行うアーク溶接装置において、装置内を冷却するためのファンモータと、前記ファンモータの回転や停止の制御を行うファン駆動回路と、溶接出力停止後の前記ファンモータの駆動時間を決定する演算部と、溶接出力を設定する溶接出力設定部を備え、前記演算部は、前記溶接出力設定部により設定された設定値に基づいて溶接出力停止後のファンモータの駆動時間を決定するものである。
【0011】
また、本発明のアーク溶接装置は、電極と母材との間にアークを発生させて溶接を行うアーク溶接装置において、装置内を冷却するためのファンモータと、前記ファンモータの回転や停止の制御を行うファン駆動回路と、溶接出力停止後の前記ファンモータの駆動時間を決定する演算部と、溶接出力である出力電流を検出する電流検出部を備え、前記演算部は、前記電流検出部により検出された出力電流値に基づいて溶接出力停止後のファンモータの駆動時間を決定するものである。
【0012】
また、本発明のアーク溶接装置は、電極と母材との間にアークを発生させて溶接を行うアーク溶接装置において、装置内を冷却するためのファンモータと、前記ファンモータの回転や停止の制御を行うファン駆動回路と、溶接出力停止後の前記ファンモータの駆動時間を決定する演算部と、溶接出力時間をカウントするカウンタ部を備え、前記演算部は、前記カウンタ部のカウント結果に基づいて溶接出力停止後のファンモータの駆動時間を決定するものである。
【0013】
また、本発明のアーク溶接装置は、電極と母材との間にアークを発生させて溶接を行うアーク溶接装置において、装置内を冷却するためのファンモータと、前記ファンモータの回転や停止の制御を行うファン駆動回路と、溶接出力を設定する溶接出力設定部と、溶接出力停止後の前記ファンモータの駆動時間を決定する演算部と、溶接出力時間をカウントするカウンタ部を備え、前記演算部は、前記溶接出力設定部で設定される設定値と前記カウンタ部のカウント結果に基づいて溶接出力停止後のファンモータの駆動時間を決定するものである。
【0014】
また、本発明のアーク溶接装置は、電極と母材との間にアークを発生させて溶接を行うアーク溶接装置において、装置内を冷却するためのファンモータと、前記ファンモータの回転や停止の制御を行うファン駆動回路と、溶接出力停止後の前記ファンモータの駆動時間を決定する演算部と、溶接出力である出力電流を検出する電流検出部と、溶接出力時間をカウントするカウンタ部を備え、前記演算部は、前記電流検出部により検出された出力電流値と前記カウンタ部のカウント結果に基づいて溶接出力停止後のファンモータの駆動時間を決定するものである。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明の溶接装置によれば、溶接出力設定部からの設定値、または電流検出器からの出力値、または溶接出力時間に基づいて溶接出力停止後のファンモータの駆動時間を決定するので、ファンモータの駆動時間を極力減少することができ、一様にファンモータを回転させることに比較するとファンモータの冷却効率が良く、消費電力を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1から図6を用いて説明する。
【0017】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態におけるアーク溶接装置の概略構成を示す図である。図1において、1は溶接出力回路、2は溶接を行うためのトーチ、3は溶接を行う対象としての母材、4は溶接出力回路の内部温度上昇抑制用に設けられた冷却用のファンモータ、5はファンモータ4を駆動または停止させるためのファン駆動回路、6はファン駆動回路5の駆動または停止を決定するために用いられ、ファンモータ4の駆動時間をカウントする第1のカウンタ部、7は溶接出力である電流(電流および/または電圧)を設定するための溶接出力設定部、8は溶接出力設定部7に設定された設定値に基づいて第1のカウンタ部6がカウントする時間を決定するための演算部である。
【0018】
以上のように構成されたアーク溶接装置について、その動作を説明する。
【0019】
溶接出力回路1は溶接出力設定部7で設定された設定値(電流値)に基づいて溶接出力を行い、トーチ2と母材3との間にアークを発生させて溶接を行う。なお、設定値は、溶接対象や溶接速度等の条件に基づいて設定されるものである。また、溶接出力が行われるとファンモータ4が駆動されて冷却が開始される。演算部8は、溶接出力設定部7からの設定値を受けて、後述するように溶接出力停止後のファンモータ4の駆動時間を決定する。この駆動時間は、前記設定値が所定の基準値に対して大か小かで決定される、または、アーク溶接装置の定格使用率に基づいて決定される。
【0020】
一例として、設定値の大小に基づいて溶接出力停止後のファンモータ4の駆動時間を決定する場合について説明する。例として、溶接定格出力350A、定格使用率が10分周期で60%のアーク溶接装置について説明する。なお、このアーク溶接装置の場合、設定電流値が270A以下である場合には使用率100%で動作させることが可能であり、350Aである場合には10分間のうち6分間稼動させると4分間停止する必要があるものである。
【0021】
設定値が270A以下である場合には、演算部8の結果(溶接出力停止後のファンモータ駆動時間)を0とし、溶接出力停止後すぐにファンモータ4の駆動を停止する。また、270Aより高い設定値の場合には、演算部8の結果を240秒とし、溶接出力停止後4分間(240秒間)ファンモータ4の駆動を継続してその後停止する。なお、この240秒という時間は、定格出力である350Aで使用したときにファンモータ4を駆動する必要がある時間であり、予め求めておくものである。
【0022】
次に、駆動時間を決定する別の例として、アーク溶接装置の定格使用率に基づいて決定する場合について説明する。溶接定格出力350A、定格使用率が10分周期で60%のアーク溶接機であり、アーク溶接装置の定格使用率により設定する場合には、演算部8の計算例としては下記の式を用いる。
【0023】
【数1】


【0024】
上記のような簡単な式によって、溶接出力停止後のファンモータ4の駆動時間を決定する。なお、上式は、アーク溶接装置の許容使用率を求める式である、許容使用率(%)=(定格出力電流/電流設定値)^2×定格使用率(%)に基づくものである。
【0025】
上記の溶接出力停止後のファンモータ駆動時間を求める式において、例えば、設定値を定格出力である350Aとして溶接を行う場合には、計算結果は4分となり、溶接出力停止後4分間ファンモータ4の駆動を継続して行い、その後停止する。
【0026】
また、設定値を300Aとした場合には、計算結果は2分となり、溶接出力停止後2分間ファンモータ4の駆動を継続して行い、その後停止する。
【0027】
また、設定値を270A以下に設定している場合には、上記の溶接出力停止後のファンモータ駆動時間を求める式において計算結果はマイナスの値となり、すなわちファンモータ4を駆動させる必要がないので、溶接出力停止後すぐにファンモータ4の回転を停止する。なお、溶接出力停止後のファンモータ4の駆動時間は、第1のカウンタ部6を用いてカウントされ、カウント値が計算された駆動時間に達すると、ファン駆動回路5を介してファンモータ4を停止するものである。
【0028】
以上のように、本実施の形態によれば、溶接出力設定部7で設定された溶接出力の設定値によりファンモータ4の溶接出力停止後の駆動時間を適切に設定することができるので、ファンモータ4の駆動に伴う消費電力を抑えることができる。
【0029】
(実施の形態2)
図2は本実施の形態におけるアーク溶接装置の概略構成を示す図である。本実施の形態において、実施の形態1と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図2において、9は溶接出力回路1から出力される出力電流を検出する電流検出器である。図2のように構成されたアーク溶接装置について、その動作を説明する。
【0030】
溶接出力回路1は、溶接出力設定部7で設定された設定値に基いて溶接出力を行い、トーチ2と母材3との間にアークを発生させて溶接を行う。また、演算部8は、電流検出器9から出力電流値に関する情報を受けてファンモータ4の駆動時間を決定する。この駆動時間は、前記出力電流値が所定の基準値に対して大か小かで決定される、またはアーク溶接装置の定格使用率により決定される。
【0031】
一例として、出力電流値の大小に基づいて溶接出力停止後のファンモータ4の駆動時間を決定する場合について説明する。溶接定格出力350A、定格使用率が10分周期で60%のアーク溶接装置について説明する。なお、このアーク溶接装置の場合、電流値が270A以下である場合には使用率100%で動作させることが可能であり、350Aである場合には10分間のうち6分間稼動させると4分間停止する必要があるものである。
【0032】
電流検出器9が検出した出力電流値が270A以下である場合には、演算部8の演算結果(溶接出力停止後のファンモータ駆動時間)を0とし、これにより溶接出力停止後すぐにファンモータ4の駆動を停止する。また、270Aより高い出力電流の場合には、演算部8の結果を240秒とし、溶接出力停止後4分間(240秒間)ファンモータ4の駆動を継続してその後停止する。なお、この240秒という時間は、定格出力である350Aで使用したときにファンモータ4を駆動する必要がある時間であり、予め求めておくものである。
【0033】
次に、駆動時間を決定する別の例として、アーク溶接装置の定格使用率に基づいて決定する場合について説明する。溶接定格出力350A、定格使用率が10分周期で60%のアーク溶接装置であり、アーク溶接装置の定格使用率により駆動時間を求める場合には、演算部8の計算例としては、下記の式を用いる。
【0034】
【数2】


【0035】
上記のような簡単な式によって導くことができる値によって、駆動時間を決定する。なお、上式は、アーク溶接装置の許容使用率を求める式である、許容使用率(%)=(定格出力電流/電流値)^2×定格使用率(%)に基づくものである。
【0036】
上記の溶接出力停止後のファンモータ駆動時間を求める式において、例えば、出力電流値が定格出力である350Aで溶接を行う場合には、計算結果は4分となり、溶接出力停止後4分間ファンモータ4の駆動を継続して行いその後停止する。
【0037】
また、出力電流値が300Aの場合には、計算による溶接出力停止後のファンモータ駆動時間は約2分となり、溶接出力停止後2分間ファンモータ4の駆動を継続してその後停止する。
【0038】
また、出力電流値が270A以下の場合には、上記の溶接出力停止後のファンモータ駆動時間を求める式において計算結果はマイナスの値となり、すなわちファンモータ4を駆動させる必要がないので、溶接停止後すぐにファンモータ4の回転を停止する。なお、溶接出力停止後のファンモータ4の駆動時間は、第1のカウンタ部6を用いてカウントされ、カウント値が計算された駆動時間に達すると、ファン駆動回路5を介してファンモータ4を停止するものである。
【0039】
以上のように、本実施の形態によれば、電流検出器9により検出した電流出力値に基づいて溶接出力停止後のファンモータ4の駆動時間を適切に設定することができ、ファンモータ4の駆動に伴う消費電力を抑えることができる。
【0040】
(実施の形態3)
図3は本実施の形態におけるアーク溶接装置の概略構成を示すである。本実施の形態において、実施の形態2と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図3において、10は電流検出器9からの信号を受け、溶接出力の時間をカウントする第2のカウンタ部である。以上のように構成されたアーク溶接装置について、その動作を説明する。
【0041】
溶接出力回路1は溶接出力設定部7で設定された設定値に基づき溶接出力を行い、トーチ2と母材3との間にアークを発生させて溶接を行う。また、第2のカウンタ部10は、電流検出器9からの信号を受けて溶接出力を行っている時間をカウントする。また、演算部8は第2のカウンタ部10からのカウント値を受けてファンモータ4の溶接出力停止後の駆動時間を決定する。なお、この駆動時間は、後述するように、前記第2のカウンタ部10のカウント値の所定の値に対する大小、またはアーク溶接装置の定格使用率により決定される。
【0042】
一例として、カウント値の大小で溶接出力停止後のファンモータ4の駆動時間を決定する場合について説明する。
【0043】
溶接定格出力350A、定格使用率が10分周期で60%のアーク溶接機であり、3分以下の時間に溶接を連続して行った場合には、演算部8の結果を予め定めた120秒とし、溶接出力停止後2分間(120秒)ファンモータ4の駆動を継続してその後に駆動を停止する。また、3分より長く溶接を連続して行った場合には、演算部8の結果を予め定めた240秒とし、溶接出力停止後4分間(240秒)ファンモータ4の駆動を継続してその後ファンモータ4の駆動を停止する。
【0044】
次に、駆動時間を決定する別の例として、アーク溶接装置の定格使用率に基づいて決定する場合について説明する。溶接定格出力350A、定格使用率が10分周期で60%のアーク溶接機であり、アーク溶接装置の定格使用率により設定する場合には、演算部8の計算例としては、下記の式を用いる。
【0045】
【数3】


【0046】
上記のような簡単な式によって導くことができる値によって、駆動時間を決定する。溶接時間が3分であった場合には、溶接出力停止後2分間ファンモータ4の駆動を継続してその後停止する。また、溶接時間が5分であった場合には、溶接出力停止後3.3分間ファンモータ4の駆動を継続してその後停止する。なお、前記駆動時間のカウントには第1のカウンタ部6を用いている。
【0047】
以上のように、本実施の形態によれば、第2のカウンタ部10でカウントした溶接時間により溶接出力停止後のファンモータ4の駆動時間を適切に設定することができるので、ファンモータ4の駆動に伴う消費電力を抑えることができる。
【0048】
(実施の形態4)
図3は本実施の形態に置けるアーク溶接装置の概略構成を示すである。本実施の形態において、実施の形態1または実施の形態2と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図3のように構成されたアーク溶接装置について、その動作を説明する。
【0049】
溶接出力回路1は溶接出力設定部7で設定された設定値に基づき溶接出力を行い、トーチ2と母材3との間にアークを発生させて溶接を行う。また、第2のカウンタ部10は、電流検出器9からの信号を受けて溶接出力時間をカウントする。また、演算部8は、溶接出力設定部7で設定された設定値と第2のカウンタ部10からの信号を受けて、溶接出力停止後のファンモータ4の駆動時間を決定する。ここでは、出力電流値と溶接時間の値を同時に利用して決定する例について説明する。
【0050】
例えば、溶接定格出力350A、定格使用率が10分周期で60%のアーク溶接機であった場合には、まず、設定値によるファンモータ駆動時間を下記の式により演算する。
【0051】
【数4】


【0052】
次に、設定値による上式で求めたファンモータ駆動時間に対して、第2のカウンタ部10でカウントされる値の要素を下記のように演算式に加える。
【0053】
【数5】


【0054】
上記のような簡単な式によって導くことができる値によって、ファンモータ4の駆動時間を決定する。出力電流設定値が定格出力の350Aで溶接を4分間行う場合には、溶接出力停止後2.6分間ファンモータ4の駆動を継続してその後停止する。また、出力電流値が300Aで溶接を4分間行う場合には、溶接出力停止後1分間ファンモータ4の駆動を継続してその後停止する。
【0055】
また、出力電流270A以下に設定している場合には、上記の溶接出力停止後のファンモータ駆動時間を求める式において、計算結果はマイナスの値となり、すなわちファンモータ4を駆動させる必要がないので、溶接停止後すぐにファンモータ4の回転を停止する。なお、前記駆動時間のカウントには第1のカウンタ部6を用いている。
【0056】
以上のように、本実施の形態によれば、溶接出力設定部7と第2のカウンタ部10で決定された値により溶接出力停止後のファンモータ4の駆動時間を適切に設定することができるので、ファンモータ4の駆動に伴う消費電力を抑えることができる。
【0057】
(実施の形態5)
図4は本実施の形態におけるアーク溶接装置の概略構成を示す図である。本実施の形態において、実施の形態4と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図4のように構成されたアーク溶接装置について、その動作を説明する。
【0058】
溶接出力回路1は溶接出力設定部7で設定された設定値に基づき溶接出力を行い、トーチ2と母材3との間にアークを発生させて溶接を行う。また、第2のカウンタ部10は、電流検出器9からの信号を受けて溶接出力時間をカウントする。また、演算部8は電流検出器9からの出力電流値と第2のカウンタ部10からの信号を受けて、溶接出力停止後のファンモータ4の駆動時間を決定する。ここでは、出力電流値と溶接時間の値を同時に利用して決定する例について説明する。
【0059】
例えば、溶接定格出力350A、定格使用率が10分周期で60%のアーク溶接機であった場合、まず、出力電流値によるファンモータ駆動時間を下記の式により演算する。
【0060】
【数6】


【0061】
次に、設定値による上式で求めたファンモータ駆動時間に対して、第2のカウンタ部10でカウントされる値の要素を下記のように演算式に加える。
【0062】
【数7】


【0063】
上記のような簡単な式によって導くことができる値によって、ファンモータ4の駆動時間を決定する。例えば、出力電流値が定格出力の350Aで溶接を4分間行う場合には、上記の式による溶接出力停止後のファンモータ駆動時間の計算結果は2.6分であり、溶接出力停止後2.6分間ファンモータ4の駆動を継続してその後停止する。また、出力電流値が300Aで溶接を4分間行うの場合には、上記の式による溶接出力停止後のファンモータ駆動時間の計算結果は1分であり、溶接出力停止後1分間ファンモータ4の駆動を継続してその後停止する。
【0064】
また、出力電流が270A以下に設定されている場合には、上記の溶接出力停止後のファンモータ駆動時間を求める式において、計算結果はマイナスの値となり、すなわちファンモータ4を駆動させる必要がないので、溶接停止後すぐにファンモータ4の回転を停止する。なお、上記時間のカウントには第1のカウンタ部6を用いている。
【0065】
以上のように、本実施の形態によれば、溶接出力設定部7と第2のカウンタ部10で決定された値により溶接停止後のファンモータ4の駆動時間を適切に設定することができ、ファンモータ4の駆動に伴う消費電力を抑えることができる。
【0066】
(実施の形態6)
図5は本実施の形態におけるアーク溶接装置の概略構成を示す図である。本実施の形態において、実施の形態5と同様の箇所については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。図5において、11は溶接出力回路1内部の所定の位置に取り付けられており、一定の温度を超えた場合に異常信号を出力する温度異常検出器である。図5のように構成されたアーク溶接装置について、その動作を説明する。
【0067】
溶接出力回路1は、溶接出力設定部7で設定された設定値に基づき溶接出力を行い、トーチ2と母材3との間にアークを発生させて溶接を行う。また、第2のカウンタ部10は、電流検出器9からの信号を受けて溶接出力時間をカウントする。また、演算部8は、実施の形態5で説明したのと同様に、電流検出器9からの出力電流値と第2のカウンタ部10からの信号を受けて、溶接出力停止後のファンモータ4の駆動時間を決定する。また、温度異常検出器11は溶接出力回路1の内部温度上昇が一定温度を超えた場合に異常信号を演算部8に出力する。演算部8は異常信号を受信すると、実施の形態1から6で説明したように計算した溶接出力停止後のファンモータ4の駆動時間に対して、所定時間駆動時間を増加する。この増加する時間は、アーク溶接装置が通常の待機時の温度に復帰できる程度とし、アーク溶接装置の仕様や溶接条件等によって異なるが、例として10分程度に設定する。
【0068】
以上のように、本実施の形態によれば、温度異常検出器11からの信号によりファンモータ4の駆動時間を増加することができるので、ファンモータ4を効率よく駆動することに加えて、温度異常が発生した場合にも溶接機内部温度を異常発生前の状態に戻すことができ、ファンモータ4の駆動時間を適切に設定することができて消費電力を抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明のアーク溶接装置は、冷却ファンを効率よく運転して消費電力を抑えることができるので、建機業界、自動車業界、造船業界等で用いる冷却ファンを備えたアーク溶接装置として産業上有用である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明のアーク溶接装置の実施の形態1における概略構成を示す図
【図2】本発明のアーク溶接装置の実施の形態2における概略構成を示す図
【図3】本発明のアーク溶接装置の実施の形態3または4における概略構成を示す図
【図4】本発明のアーク溶接装置の実施の形態5における概略構成を示す図
【図5】本発明のアーク溶接装置の実施の形態6における概略構成を示す図
【図6】従来のアーク溶接機の概略構成を示す図
【符号の説明】
【0071】
1 溶接出力回路
2 トーチ
3 母材
4 ファンモータ
5 ファン駆動回路
6 第1のカウンタ部
7 溶接出力設定部
8 演算部
9 電流検出器
10 第2のカウンタ部
11 温度異常検出器
21 電源
22 リアクタ
23 スイッチング素子
24 シャント抵抗
25 ファン
26 溶接部
27 転流ダイオード
28 ノイズ除去増幅部
29 ファン駆動回路
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【識別番号】100109151
【弁理士】
【氏名又は名称】永野 大介


【公開番号】 特開2008−805(P2008−805A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−174837(P2006−174837)