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レーザ加工装置 - 特開2008−801 | j-tokkyo
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【発明の名称】 レーザ加工装置
【発明者】 【氏名】大塚 陽介

【氏名】河田 直樹

【氏名】玄地 一夫

【氏名】岩木 俊一

【要約】 【課題】レーザ溶接の精度を向上する。

【構成】レーザの光軸LS上に配置されたコリメーションレンズ11と集光レンズ12とを有する加工ヘッド3を備え、集光レンズ12によって被溶接物Wの接合予定線SS上にレーザを集光させると共に、接合予定線SSに沿って走査するように加工ヘッド3を移動させるレーザ加工装置1において、光軸LS上に配置されたウェッジ基板13と、ウェッジ基板13を光軸LSを中心に回転させる回転機構22と、加工ヘッド3の加速度を検出する加速度センサ23と、加工ヘッド3の変位に伴って生じる光軸LSのブレを補正するために、加速度センサ23によって検出された加速度に基づいてウェッジ基板13を回転させる補正制御信号を回転機構22に対して出力する補正制御部26cと、を備えることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザの光軸上に配置されたコリメーションレンズと集光レンズとを有する加工ヘッドを備え、前記集光レンズによって被溶接物の接合予定線上に前記レーザを集光させると共に、前記接合予定線に沿って走査するように前記加工ヘッドを移動させるレーザ加工装置において、
前記光軸上に配置されたウェッジ基板と、
前記ウェッジ基板を前記光軸を中心に回転させる回転機構と、
前記加工ヘッドの変位値を検出する検出部と、
前記加工ヘッドの変位に伴って生じる前記光軸のブレを補正するために、前記検出部によって検出された前記変位値に基づいて前記ウェッジ基板を回転させる補正制御信号を前記回転機構に対して出力する補正制御部と、を備えることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項2】
前記ウェッジ基板は、前記コリメーションレンズと前記集光レンズとの間に配置されていることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記加工ヘッドの前記変位値として加速度を検出する加速度センサであることを特徴とする請求項1または2記載のレーザ加工装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザを集光すると共に、そのレーザを走査して溶接を行うレーザ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載のレーザ加工装置が知られている。このレーザ加工装置では、レーザ発振器から出力されたレーザを光ファイバで加工ヘッドに伝送する。加工ヘッドには、コリメーションレンズと集光レンズとがレーザの光軸上に配置されている。レーザ加工装置は、集光レンズで集光されたレーザを被溶接物に照射しながら走査することによって連続溶接を行う。
【特許文献1】特開平11−192573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
被溶接物の連続溶接を行う場合には、接合予定線に沿って加工ヘッドを所定の速度で移動させる必要がある。しなしながら、加工ヘッドを移動させると、加工ヘッドが左右にブレてしまい、さらに、加工へッドに働く慣性力によって加工ヘッドのブレ幅が大きくなり、レーザ溶接の精度を低下させる虞れがあった。
【0004】
そこで、本発明は、レーザ溶接の精度を向上できるレーザ加工装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、レーザの光軸上に配置されたコリメーションレンズと集光レンズとを有する加工ヘッドを備え、集光レンズによって被溶接物の接合予定線上にレーザを集光させると共に、接合予定線に沿って走査するように加工ヘッドを移動させるレーザ加工装置において、光軸上に配置されたウェッジ基板と、ウェッジ基板を光軸を中心に回転させる回転機構と、加工ヘッドの変位値を検出する検出部と、加工ヘッドの変位に伴って生じる光軸のブレを補正するために、検出部によって検出された変位値に基づいてウェッジ基板を回転させる補正制御信号を回転機構に対して出力する補正制御部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
このレーザ加工装置では、レーザの光軸上にウェッジ基板が配置され、ウェッジ基板は、回転機構によって光軸を中心に回転する。ウェッジ基板を透過するレーザの光軸は、ウェッジ基板の傾斜角に応じて屈折し、ウェッジ基板の回転に伴って移動する。レーザ走査のために進行する加工ヘッドが変位してレーザの光軸がブレると、補正制御部は、検出部で検出された加工ヘッドの変位値に基づいてウェッジ基板を回転させる補正制御信号を回転機構に出力する。回転機構は、入力された補正制御信号に基づいてウェッジ基板を回転させ、レーザの光軸のブレを補正する。レーザ加工装置によれば、加工ヘッドを移動させることなく、ウェッジ基板の回転によってレーザの光軸のブレを補正できるため、レーザの光軸のブレを容易に補正でき、レーザ溶接の精度を向上できる。
【0007】
さらに、ウェッジ基板は、コリメーションレンズと集光レンズとの間に配置されていると好適である。ウェッジ基板がコリメーションレンズよりも光路の上流側に配置されていると、レンズ法線に対するレーザの入射角を大きくしなければレーザの光軸のブレを十分に補正できない。しかしながら、入射角が大きいとレンズの収差が大きくなり、所望のビームスポットサイズを得ることが難しくなって溶接精度を低下させてしまう可能性がある。また、ウェッジ基板が集光レンズよりも光路の下流側に配置されていると、ワーキングディスタンスが小さくなってしまう。そこで、ウェッジ基板を、コリメーションレンズと集光レンズとの間に配置した場合には、レーザの光軸のブレを補正しながら、ビームスポットを所望のサイズにすることが容易になり、さらに、ワーキングディスタンスを広くすることが可能になる。その結果として、レーザ溶接の精度を向上できる。
【0008】
さらに、検出部は、加工ヘッドの変位値として加速度を検出する加速度センサであると好適である。加速度センサによって検出された加速度から変位方向及び変位量を求めることができ、その変位量を相殺するようにウェッジ基板を回転させることによって精度の高い補正を可能にし、その結果として、レーザ溶接の精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0009】
レーザ溶接の精度を向上できるレーザ加工装置を提供することを目的とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明に係るレーザ加工装置の好適な実施の形態について詳細に説明をする。
【0011】
(レーザ加工装置)
図1及び図2に示すように、レーザ加工装置1は、溶接用熱源としてYAGレーザを用いる溶接装置である。レーザ加工装置1は、YAGレーザロッドに励起ランプの光を照射して発振波長が1.06μmのレーザを出力するレーザ発振部2と、ステンレス製の板材(被溶接物)Wに向けてレーザを照射する加工ヘッド3と、レーザ発振部3から加工ヘッド3にレーザを伝送する光ファイバ4と、加工ヘッド3に固定されると共に、レーザの焦点位置に向けて斜め上方からシールドガスを噴射するガス供給ノズル6とを備える。加工ヘッド3は、マニピュレータ7によって支持され、二枚の板材Wが突き合わされた箇所における直線状の接合予定線SSに沿って移動する。
【0012】
加工ヘッド3のケース3a内には、集光光学系8が設けられている。レーザ発振部2から集光光学系8へレーザを伝送する光ファイバ4は、直径0.6mmであり、光ファイバ4から出射したレーザは、NA0.2で拡散する。
【0013】
図2及び図3に示すように、集光光学系8は、レーザの光軸LS上に配置されたコリメーションレンズ11と集光レンズ12とを備え、レーザの光軸LS上においてコリメーションレンズ11と集光レンズ12との間には、ウェッジ基板13が配置されている。コリメーションレンズ11は、材質がBK7で焦点距離50mmの平凸レンズであり、光ファイバ4の先端から約50mm離れている。光ファイバ4の先端から出射されたレーザは、コリメーションレンズ11によって平行に成形され、ウェッジ基板13に入射する。
【0014】
ウェッジ基板13(図4参照)は円形であり、コリメーションレンズ11側の上面13aは、集光レンズ12側の下面13bに対して傾いており、その傾斜角θは約10度である。ウェッジ基板13の上面13aに入射したレーザは、平行のまま角度α「約5.1度」だけ屈折して集光レンズ12に入射する。
【0015】
集光レンズ12は、材質がBK7で焦点距離が50mmの凸レンズであり、ウェッジ基板13の下面13bから10mm離れている。集光レンズ12を透過したレーザは集光レンズ12から約50mm離れた位置で集光する。集光レンズ12の焦点位置は、ウェッジ基板13を配置しない場合に比べて約4.44mmずれている。このずれ量Lは、ウェッジ基板13の傾斜角θと密接に関係しており、傾斜角θが大きくなる程ずれ量Lは大きくなる(図10参照)。
【0016】
図3及び図4に示すように、ウェッジ基板13は円筒部材17の内部に固定されており、円筒部材17は軸受け14を介してブラケット16に固定され、ブラケット16はケース3aに固定されている。軸受け14によって回転自在に支持された円筒部材17の下部には、歯車17aが設けられている。この歯車17aは、減速機構18を介してモータ19の出力軸19aに連結されている。モータ19は、モータドライバ21(図2参照)によって駆動制御され、モータ19の駆動によって円筒部材17およびウェッジ基板13は所定の回転角速度で回転する。円筒部材17、減速機構18、モータ19及びモータドライバ21によってウェッジ基板13の回転機構22が構成される。
【0017】
ウェッジ基板13は入射レーザの光軸LSを中心に回転し、ウェッジ基板13が回転すると、レーザの光軸LSの屈折方向が変化し、レーザの光軸LSが移動して焦点位置が移動する。加工ヘッド3のブレに伴ってレーザの光軸LSがブレた場合には、ウェッジ基板13を回転させることによって補正することができる。なお、ウェッジ基板13の傾斜角θが大きいほど、光軸LSのブレを補正できる範囲は広がるが、傾斜角θが大きくなるに従って焦点の収差も大きくなって加工性能に影響を及ぼすため、ウェッジ基板13の傾斜角θは「10°」程度が望ましい。
【0018】
加工ヘッド3には、加速度センサ(検出部)23が固定されている(図2参照)。加速度センサ23は、半導体式の2軸センサであり、加工ヘッド3の変位値として水平面における2次元の加速度を検出する。レーザ走査を行うために、加工ヘッド3を移動させると、加工ヘッド3は、その移動に伴って左右に僅かなブレを生じる。加速度センサ23は、このブレに伴う加速度を検出する。
【0019】
図2に示すように、モータ19には、インクリメンタル方式のロータリーエンコーダ24が固定されている。ロータリーエンコーダ24は、ウェッジ基板13の回転量に応じた2相のパルスを出力する。各相のパルスは位相がずれて出力されるようになっており、パルスの出力タイミングから回転方向が特定され、さらにパルス数からウェッジ基板の回転量が検出され、ウェッジ基板の回転角度が算出できるようになっている。なお、アブソリュート方式のロータリーエンコーダにて、ウェッジ基板13の絶対的な回転角度を検出するようにしてもよい。
【0020】
レーザ加工装置1は、バスを介して接続されたCPU26、ROM27及びRAM28等によって構成される主制御処理部29を有する。CPU26は、マニピュレータ7、レーザ発振部2、モータドライバ21、加速度センサ23及びロータリーエンコーダ24に有線もしくは無線によって信号送受信可能に接続されている。
【0021】
CPU26は、レーザ加工装置1全体の動作制御を行い、特に、レーザの照射制御を行うレーザ発振制御部26aと、レーザ走査速度を制御するレーザ走査制御部26bと、加工ヘッド3のブレに伴って生じるレーザの光軸LSのブレを補正するための補正制御信号をモータドライバ21に出力する補正制御部26cとを有する。
【0022】
レーザ発振制御部26aは、レーザの照射開始と停止に関するON/OFF信号とレーザの照射強度を設定する照射強度設定信号とをレーザ発振部2に出力する。レーザ走査制御部26bは、レーザ走査速度を設定する速度設定信号をマニピュレータ7に出力する。
【0023】
補正制御部26cは、加速度センサ23から出力された加速度信号から、ローパスフィルターによって高周波のノイズを減衰させ、100Hz以下の低周波成分のみを取り出す。なお、図6は、加速度センサ23から出力された加速度信号から求められた振動波形WA1を示し、所定の低周波成分に高周波ノイズが重畳している状態を示す図である。また、図7は、ローパスフィルターによって低周波成分のみを取り出した加速度信号からなる振動波形WA2を示している。振動波形WA2の周期は0.1sec、振幅d1は5mmである。
【0024】
さらに、補正制御部26cは、低周波成分からなる加速度信号に対して移動平均処理を行い、サンプリング周期の平均加速度を算出する。さらに、補正制御部26cは、平均加速度から変位方向を求めるとともに、平均加速度を積分処理して変位速度を算出し、さらに、変位速度を積分処理してサンプリング周期での変位量を算出する。そして、この変位方向、変位量から、レーザの光軸LSのブレを補正するために必要なウェッジ基板13の回転方向及び回転角速度を求める。RAM28には、ウェッジ基板13の停止位置としての回転角度、変位方向及び変位量とウェッジ基板13の回転方向、回転角速度及び回転時間とを対応付けたテーブルが記憶されており、補正制御部26cは、ウェッジ基板13の回転角度、変位方向及び変位量をテーブルの検索キーに設定し、対応する回転方向、回転角速度及び回転時間を求める。この回転方向及び回転角速度に係る補正制御信号はモータドライバ21に入力される。モータドライバ21は、補正制御信号に基づいた回転方向及び回転角速度で、サンプリング周期の対応する時間だけウェッジ基板13を回転させる。
【0025】
なお、CPU26は、ガス供給ノズル6に供給されるシールドガスの流路を開閉する制御弁(図示省略)にも信号送信可能に接続されており、制御弁に対する開閉信号をも出力する。
【0026】
(補正制御)
次に、レーザ走査中におけるレーザの光軸LSのブレを補正するための補正制御について説明する。図8(a)に示すように、前述したレーザ加工装置1では、レーザの焦点位置を接合予定線SS上に合わせ、レーザ走査を開始する。なお、レーザ走査の開始前には、ウェッジ基板13を回転させる前の停止位置が、初期の回転角度としてRAM28に記憶されている。RAM28に記憶されるウェッジ基板13の回転角度は、ウェッジ基板13が回転する度に更新される。
【0027】
レーザ走査中は、図8(b)に示すように、加工ヘッド3が振動によってブレ易く、加工ヘッド3に働く慣性力によってそのブレ幅も大きくなり易い。図9(a)に示すように、このブレを補正しない場合には、レーザの焦点位置は接合予定線SSを挟んで左右にブレた蛇行軌跡Ftを描く。蛇行軌跡Ftはサインカーブを描き、波長d2は約10mm、周期は0.1s、蛇行幅d3は約5mmである。さらに、レーザ走査速度は6m/minに設定されており、蛇行軌跡Ftの周波数は10Hzとなる。
【0028】
図5に示すように、レーザ走査中には、加速度センサ23によって加工ヘッド3の加速度が監視されており、加速度が検出されると(S1)、加速度センサ23から加速度信号が出力されて主制御処理部29に入力される(S2)。
【0029】
補正制御部26cは、加工ヘッド3から加速度信号が入力されると、ローパスフィルタによって高周波を除去し、低周波数成分(図7参照)のみを取り出す(S3)。その後、補正制御部26cは、低周波数成分からなる加速度信号について移動平均処理を行い、サンプリング周期「1/1000sec」内での平均加速度を算出する(S4)。さらに、補正制御部26cは、平均加速度から変位方向を求め、さらに、平均加速度を積分処理して変位速度を算出し、変位速度を積分処理することでサンプリング周期内の変位量「0.003mm」を算出する(S5)。
【0030】
その後、補正制御部26cは、ウェッジ基板13の停止位置としてRAM28に記憶されている回転角度を読み出す。補正制御部26cは、その回転角度をステップ5で求めた変位方向及び変位量とともに、RAM28に記憶されたテーブルを参照し、ウェッジ基板13の回転方向と回転角速度「5πrad/sec」と回転時間「0.025sec」とを求める(S6)。
【0031】
なお、補正制御部26cがウェッジ基板13の回転角速度や回転時間を求める際に、ウェッジ基板13の停止位置としての回転角度を参照するのは、ウェッジ基板13の回転角度によって、ウェッジ基板13の角度変化量に対する焦点位置の変位幅が異なるからである。ウェッジ基板13の回転角度と焦点位置の変位幅との関係をグラフ化するとサインカーブになる。そして、例えば、振幅を「A」とし、回転角度「0°」の初期停止位置から回転角度「15°」になるように「15°」の角度変化量だけ回転させると、焦点位置の変位幅Δy1は「A×(sin(15°)−sin(0°))=0.259×A」になる。一方、回転角度「15°」から回転角度「30°」になるように「15°」の角度変化量だけ回転させると、焦点位置の変位幅Δy2は「A×(sin(30°)−sin(15°))=0.241×A」になる。このように、ウェッジ基板13の停止位置が異なれば、各停止位置から同じ角度変化量だけ回転させた場合の変位幅Δy1,Δy2が異なる。そのため、ウェッジ基板13の停止位置としての回転角度をも参照してウェッジ基板13の回転角速度や回転時間を求めている。
【0032】
その後、補正制御部26cは、ステップ7で求めたウェッジ基板13の回転方向及び回転角速度に係る補正制御信号を回転機構22のモータドライバ21に入力する(S7)。回転機構22のモータドライバ21は、補正制御信号に基づいてモータ19を駆動制御し、ウェッジ基板13を所定の回転角速度で所定の回転時間だけ回転させる(S8)。その結果として、図9(b)に示すように、加工ヘッド3のブレに伴って生じるレーザの光軸LSのブレは補正され、レーザの焦点位置の蛇行が軽減されて所望の直線に近づくようになる。
【0033】
その後、補正制御部26cは、RAM28に記憶されているウェッジ基板13の停止位置としての回転角度を、ロータリーエンコーダ24で検出されたウェッジ基板13の新たな回転角度に更新する(S9)。このように、ウェッジ基板13の回転角度は、ウェッジ基板13が回転する度に更新され、更新された新たな回転角度は、前述のステップ6においてウェッジ基板13の回転角速度及び回転時間を求める際に利用される。以上の各処理は、レーザ走査中において繰り返し実行される。
【0034】
レーザ加工装置1によれば、加工ヘッド2を移動させることなく、ウェッジ基板13の回転によってレーザの光軸LSのブレを補正できるため、レーザの光軸LSのブレを容易に補正でき、レーザ溶接の精度を向上できる。
【0035】
また、ウェッジ基板13がコリメーションレンズ11よりも光路の上流側に配置されていると、レンズ法線に対するレーザの入射角を大きくしなければレーザの光軸LSのブレを十分に補正できない。しかしながら、入射角が大きいとレンズの収差が大きくなり、所望のビームスポットサイズを得ることが難しくなって溶接精度を低下させてしまう可能性がある。また、ウェッジ基板13が集光レンズ12よりも光路の下流側に配置されていると、ワーキングディスタンスが小さくなってしまう。レーザ加工装置1では、ウェッジ基板13は、コリメーションレンズ11と集光レンズ12との間に配置されているために、レーザの光軸LSのブレを補正しながら、容易にビームスポットを所望のサイズにすることができ、さらに、ワーキングディスタンスを広くすることが可能になる。
【0036】
さらに、加工ヘッド23の変位値を検出する検出部として加速度センサ23を用いているために、変位方向及び変位量を求めることができ、変位量を相殺するようにウェッジ基板13を回転させることによって精度の高い補正を可能にし、その結果として、レーザ溶接の精度を向上できる。
【0037】
なお、本発明は、以上の実施形態に限定されず、集光レンズとしてFθレンズを用いて収差の影響を少なくしてもよい。また、ウェッジ基板を複数設け、各ウェッジ基板を回転させる回転機構を設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係るレーザ加工装置の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示すレーザ加工装置のブロック図である。
【図3】図1に示すレーザ加工装置のウェッジ基板及び回転機構を拡大して示す断面図である。
【図4】図3のIV−IVに沿った端面図である。
【図5】レーザの光軸のブレを補正する補正制御の動作手順を示すフローチャートである。
【図6】加速度センサで検出した加速度信号から求められた振動波形を示すグラフであり、ローパスフィルタによる高周波成分除去前の状態を示す図である。
【図7】加速度センサで検出した加速度信号から求められた振動波形を示すグラフであり、ローパスフィルタによる高周波成分除去後の状態を示す図である。
【図8】ウェッジ基板の回転に伴って移動するレーザの光軸を示す図であり、(a)は加工ヘッドがブレる前の状態を示す図であり、(b)は加工ヘッドがブレてしまった状態を示す図であり、(c)はウェッジ基板を回転させてレーザの光軸のブレを補正した状態を示す図である。
【図9】レーザの光軸のブレに伴って生じる焦点位置の蛇行軌跡を示し、(a)は補正を行わなかった場合を示し、(b)は補正を行った場合を示す図である。
【図10】ウェッジ基板の傾斜角とレーザの焦点位置のずれ量との関係を示す表である。
【符号の説明】
【0039】
1…レーザ加工装置、3…加工ヘッド、11…コリメーションレンズ、12…集光レンズ、13…ウェッジ基板、22…回転機構、23…加速度センサ(検出部)、W…板材(被溶接物)、接合予定線SS、LS…光軸。
【出願人】 【識別番号】000003377
【氏名又は名称】東急車輛製造株式会社
【出願日】 平成18年6月23日(2006.6.23)
【代理人】 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹

【識別番号】100092657
【弁理士】
【氏名又は名称】寺崎 史朗


【公開番号】 特開2008−801(P2008−801A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−174266(P2006−174266)