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レーザ加工装置、レーザ加工方法およびデバイス - 特開2008−800 | j-tokkyo
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【発明の名称】 レーザ加工装置、レーザ加工方法およびデバイス
【発明者】 【氏名】尼子 淳

【要約】 【課題】高い加工スループットを確保しつつ、レーザ照射により微細構造を形成することができるレーザ加工装置、レーザ加工方法およびデバイスを提供する。

【構成】本実施形態に係るレーザ加工装置1は、直線偏光のパルスレーザビームLを出射する光源2と、光源2から出射されたパルスレーザビームLを複数本のビームLBに分岐するビーム分岐素子6と、分岐ビームLBの配列方向に沿って、分岐ビームLBが照射されるべき被加工体10を相対的に移動させるステージ8と、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線偏光のパルスレーザビームを出射する光源と、
前記光源から出射されたパルスレーザビームを複数本のビームに分岐するビーム分岐素子と、
前記分岐ビームの配列方向に沿って、前記分岐ビームが照射される被加工体を相対的に移動させる移動手段と、
を有するレーザ加工装置。
【請求項2】
前記パルスレーザビームの偏光方位を調節する偏光方位調節素子をさらに有する、
請求項1記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記偏光方位調節素子は、前記被加工体の相対的な移動方向に対して前記パルスレーザビームの前記偏光方位が平行にまたは直交になるように、前記偏光方位を調節する、
請求項2記載のレーザ加工装置。
【請求項4】
前記パルスレーザビームの断面形状を矩形に成形するビーム成形素子をさらに有する、
請求項1記載のレーザ加工装置。
【請求項5】
直線偏光のパルスレーザビームを出射するステップと、
出射された前記パルスレーザビームを複数本のビームに分岐するステップと、
前記分岐ビームの配列方向に沿って被加工体を相対的に移動させて、前記被加工体に前記分岐ビームを複数回重ねて照射するステップと、
を有するレーザ加工方法。
【請求項6】
請求項5に記載のレーザ加工方法によって微細構造が形成された、
デバイス。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、微細構造を様々な被加工体の表面に形成するレーザ加工装置およびレーザ加工方法、並びに当該レーザ加工方法を用いて形成されたデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
超短パルスレーザを被加工体へ照射すると、その表面に微細なストライプ状の凹凸構造(微細構造)が形成されることが知られており(非特許文献1参照)、この微細構造の様々な応用が検討されている(非特許文献2参照)。しかし、その形成メカニズムには不明な点も多く、工業用途へ実用化されるに至っていない。
【0003】
最近になり、微細構造を形成するには、パルスを一発照射するだけでは足りず、少なくとも2発以上のパルスを同じ場所へ照射する必要があることが報告されている(非特許文献3参照)。
【非特許文献1】安丸尚樹他、「フェムト秒レーザーによる硬質薄膜表面のナノ構造形成と制御」、レーザ研究、第33巻、第8号、p.519-524
【非特許文献2】沢田博司、「フェムト秒レーザーにより形成した周期構造の応用」、レーザ研究、第33巻、第8号、p.525-529
【非特許文献3】飛鳥慶太他、第53回応用物理学会関係連合講演会 講演予稿集、2006, p.1209, 25p-L-14
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、広い領域において微細構造を形成するためには、被加工体を停止させた状態においてレーザパルスを2発以上照射した後に、被加工体を移動させる、という動作を繰り返す必要があり、実用性を拒む要因となっていた。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い加工スループットを確保しつつ、レーザ照射により微細構造を形成することができるレーザ加工装置、レーザ加工方法およびデバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明のレーザ加工装置は、直線偏光のパルスレーザビームを出射する光源と、前記光源から出射されたパルスレーザビームを複数本のビームに分岐するビーム分岐素子と、前記分岐ビームの配列方向に沿って、前記分岐ビームが照射される被加工体を相対的に移動させる移動手段と、を有する。
【0007】
上記の本発明では、光源から出射された直線偏光のパルスレーザビームは、ビーム分岐素子により複数本のビームに分岐され、この分岐ビームが被加工体に照射される。分岐ビームの配列方向に沿って被加工体を相対的に移動させつつ、複数本の分岐ビームを照射することにより、被加工体の同一位置に分岐ビームが複数回照射され、被加工体の表面に微細構造が形成される。微細構造は直線偏光のパルスレーザビームが複数回照射されることにより形成され、その材料に限定はない。
以上のように、1本のパルスレーザビームから複数本の分岐ビームを生成し、この分岐ビームを被加工体に照射させることにより、被加工体を相対的に移動させながら露光できるため、簡易な装置構成かつ加工スループットの高いレーザ加工装置を実現することができる。
【0008】
前記パルスレーザビームの偏光方位を調節する偏光方位調節素子をさらに有する。偏光方向に平行または直交する溝を備えた微細構造が形成されることから、偏光方位を調整することにより、微細構造の溝の向きを制御することができる。
【0009】
前記偏光方位調節素子は、前記被加工体の相対的な移動方向に対して前記パルスレーザビームの前記偏光方位が平行にまたは直交になるように、前記偏光方位を調節する。これにより、相対的な移動方向に平行な溝を備えた微細構造を形成できることから、微細構造同士を移動方向に接続することができ、より長い微細構造を得ることができる。
【0010】
前記パルスレーザビームの断面形状を矩形に成形するビーム成形素子をさらに有する。これにより、微細構造が形成される加工領域が矩形となるため、加工領域同士の接続性を向上させることができ、より広い微細構造を得ることができる。
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明のレーザ加工方法は、直線偏光のパルスレーザビームを出射するステップと、出射された前記パルスレーザビームを複数本のビームに分岐するステップと、前記分岐ビームの配列方向に沿って被加工体を相対的に移動させて、前記被加工体に前記分岐ビームを複数回重ねて照射するステップと、を有する。
【0012】
本実施形態に係るレーザ加工方法では、分岐ビームの配列方向に沿って被加工体を移動させつつ、複数本の分岐ビームを被加工体へ照射することにより、被加工体の同一に分岐ビームを複数回重ねて照射することができる。被加工体を移動させながら処理できるため、高い加工スループットで微細構造を形成することができる。
【0013】
上記の目的を達成するため、本発明のデバイスは、上記のレーザ加工方法によって微細構造が形成されたものである。上記のレーザ加工方法を用いることにより、コストを低減しつつ、微細構造をもつデバイスを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るレーザ加工装置の概略断面図である。
【0015】
本実施形態に係るレーザ加工装置1は、レーザ光源2と、ミラー3と、偏光方位調節素子4と、ビーム分岐素子6と、被加工体10を搭載するステージ8と、装置全体の動作を制御する制御部9とを有する。
【0016】
レーザ光源2は、超短パルスレーザビームLを出射する。パルスレーザビームLの偏光は、直線偏光である。パルスレーザビームLの照射強度は、被加工物の加工閾値よりも少し高い程度に設定される。超短パルスレーザビームは、例えば、パルス幅10fs(フェムト秒)以上10ps(ピコ秒)以下であり、波長800nm、直径(スポット径)10μm〜100μmである。
【0017】
ミラー3は、レーザ光源2から出射された直線偏光のパルスレーザビームLを被加工体10へ向けて反射する。
【0018】
偏光方位調節素子4は、ミラー3から反射されたパルスレーザビームLの偏光方位を調節する。偏光方位調節素子4は、例えば、回転可能な1/2波長板からなる。入射光の偏光方位に対して1/2波長板の光学軸が角度θであるとき、出射光は180°−2θだけ回転する。1/2波長板を角度αだけ回転させると、出射光の偏光方位を2αだけ回転させることができる。このように入射ビームの偏光方位に対する1/2波長板の光学軸の角度を調節することにより、出射ビームの偏光方位を調節できる。
【0019】
ビーム分岐素子6は、偏光方位が調節されたパルスレーザビームLを入射して、複数本の分岐ビームLBに分岐する。ビーム分岐素子6として、例えば回折光学素子を用いる。
【0020】
図2(a)は、ビーム分岐素子6として回折光学素子の一例を示す要部斜視図であり、図2(b)は、図2(a)に示す回折光学素子の光学特性を示す図である。ただし、図示の構造は例示であり、回折光学素子の構造に限定はない。
【0021】
図2(a)に示す回折光学素子は、ブレーズ型回折光学素子である。ブレーズ型回折光学素子とは、溝の形状を三角形状にして、特定の次数の光の回折効率を上げた回折格子である。フォトリソグラフィ等の手段により石英基板上に周期的な溝構造を形成することにより、ブレーズ型回折光学素子が形成される。
【0022】
ブレーズ型回折光学素子にレーザビームをほぼ垂直に入射させた場合、等しい強度の2本の回折ビームを発生させるように、回折光学素子の構造、形状および深さが設計されている。図2(b)に示すように、図2(a)に示すブレーズ型回折光学素子では、等しい強度の0次光と1次光の回折ビームを発生させることができる。
【0023】
ステージ8は、被加工体10を移動可能に構成されている。ステージ8は、例えば、分岐ビームLBの分岐方向(分岐ビームの配列方向)に沿って、被加工体10を移動させる。これにより、複数本の分岐ビームLBが被加工体10に重ねて照射される。ステージ8は、本発明の移動手段の一実施例である。移動手段は、被加工体10と分岐ビームLBとの相対位置を移動させるものであればよく、分岐ビームLBを出射する光学系を移動させてもよいし、双方を移動させてもよい。
【0024】
制御部9は、レーザ光源2、偏光方位調節素子4、ステージ8に駆動信号を出力し、装置全体の動作を制御する。これにより、例えばレーザ光源2から出射されるパルスレーザビームLのパルス繰り返し数、偏光方位調節素子4によるパルスレーザビームLの偏光方位D、ステージ8の移動方向および移動速度が制御される。
【0025】
被加工体10は、例えば、ガラス基板上に形成された金属薄膜である。金属薄膜の厚さは、例えば100nm以下である。金属として、例えばFe、Al、Mo、Ni、Pb、Agを用いる。なお、レーザにより加工できる被加工体10の材料に限定はなく、BaF等の誘電体、AlN、SiC、SiC−TiC−TiB等のセラミックス焼結体、ポリスチレンやポリイミド等の有機膜、ガラスを用いてもよい。
【0026】
上記のレーザ加工装置1では、レーザ光源2から出射されたパルスレーザビームLは、ミラー3により反射され、偏光方位調節素子4により偏光方位が調節された後に、ビーム分岐素子6により分岐した複数本の分岐ビームLBが被加工体10へ照射される。
【0027】
被加工体10の同一箇所に、2本以上の分岐ビームLBが照射されると、分岐ビームLBの照射スポット内における被加工体10の表面に、図3に示すような微細構造11(ストライプ状の凹凸構造)が形成される。
【0028】
微細構造11と分岐ビームLBの偏光方位Dとの関係について、図4を参照して説明する。微細構造11の溝の方向は、図4(a)に示すように偏光方位Dと平行であるか、図4(b)に示すように偏光方位Dと直交のどちらかである。どちらの場合が生じるかは、微細構造11の材料とレーザ照射強度から決まる。
【0029】
このため、図4(a)に示すように、偏光方位Dと平行に溝が形成される場合には、ステージの移動方向に対して、パルスレーザビームLの偏光方位Dが平行になるように、偏光方位調節素子4により偏光方位Dを調節する。
【0030】
または、図4(b)に示すように、偏光方位Dに直交して溝が形成される場合には、ステージの移動方向に対して、パルスレーザビームLの偏光方位Dが直交するように、偏光方位調節素子4により偏光方位Dを調節する。
【0031】
次に、上記の本実施形態に係るレーザ加工装置を用いたレーザ加工方法について、図5(a)を参照して説明する。本実施形態に係るレーザ加工方法は、被加工体10を移動させながら分岐ビームLBを照射する点に特徴がある。
【0032】
本実施形態では、1本のパルスレーザビームLから生じたN本の分岐ビームLBの分岐方向〔配列方向)に沿って被加工体10を移動させる。これにより、被加工体10上の1点(ただし、加工開始点からN番目以降)は、N発のパルスで照射されることになる。その場合、被加工物を下記式(1)に示す速さvで移動させる。
【0033】
[数1]
v=w・f ・・・・(1)
【0034】
ただし、wは被加工体10に形成される加工領域の直径(分岐ビームLBの照射スポット径に相当)、fはパルスの繰り返し周波数である。例えば、w=100μm、f=1KHzとすると、v=100mm/秒となる。
【0035】
式(1)で定められた速さで被加工体10を移動させながら、その表面に例えば2本の分岐ビームを照射すると、図5(a)に示すように、2番目以降の加工領域には、必ず分岐ビームLBが2発あたることになる。その結果、微細構造が移動方向に連なるように形成される。図5(a)では、理解の容易のため1回目〜3回目の分岐ビームLBの照射位置をステージ移動方向と直交する方向にずらしているが、実際には、1回目〜3回目の照射位置はステージ移動方向にのみずれている。このため、1回目照射における下側の分岐ビームLBの照射位置に、2回目照射における上側の分岐ビームLBが照射される。
【0036】
分岐ビーム数を3本にした場合には、図5(b)に示すように、3番目以降の加工領域には、必ず分岐ビームLBが3発あたることになる。そして、微細構造がステージ移動方向に連なるように形成される。分岐ビーム数がN本の場合には、N番目以降の加工領域には、必ずパルスがN発あたり、微細構造がステージ移動方向に連なるように形成される。
【0037】
また、微細構造が移動方向に連なるように形成されるためには、ビーム分岐ピッチΔは、下記式(2)を満たす必要がある。
【0038】
[数2]
Δ≦w・・・・(2)
【0039】
上記式(2)の関係を満たすように、回折光学素子の周期dをd=λz/Δと定める。ここで、λはレーザ波長、zは回折光学素子から被加工体までの距離を表す。
【0040】
上記式(1)を満たすステージ速度wで被加工体10を移動させながら、上記式(2)を満たすビーム分岐ピッチで配列した複数本の分岐ビームLBを照射することにより、微細構造を一方向に繋げることができる。この結果、例えば、溝パターンの線幅が100nm以下のアルミニウムからなる微細構造を数10mm以上の長さにわたりガラス基板上に形成することができる。
【0041】
微細構造は、さまざまな光学薄膜デバイスの製造へ幅広く応用できる。例えば、微細構造は、偏光素子、位相遅延素子、反射防止素子に適用できる。これらのデバイスは無機素材から成るため、耐光性および耐熱性にも優れ、例えば、液晶プロジェクタへ応用できる。また、微細構造が形成された領域の反射率が低減することから、マーキングの手段としても有効である。このため、部材や製品の一部に同構造を形成して、生産管理の手段としても利用することができる。また、非特許文献2によれば、微細構造は、摩擦磨耗部品の低減、微小物体の凝着力低減、薄膜の密着性向上に寄与することができる。なお、微細構造の用途に限定はなく、上記した以外にも様々な用途に微細構造を利用することができる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係るレーザ加工方法によれば、被加工体10を移動させながら露光できるため、高い加工スループットで微細構造を形成することができる。これにより、短時間に広い領域において微細構造を直接形成することができる。レジスト露光・現像およびパターン転写等の中間プロセスが不要であり、高いスループットが確保できる。
【0043】
本実施形態に係るレーザ加工装置は、ビーム分岐素子6を用いて1本のパルスレーザビームLを複数本の分岐ビームLBに分岐するため、複数の光源を設置するのに比べて露光系の構成もきわめて簡便となり、装置コストを低減することができる。したがって、製造ラインへの実用化が容易となる。
【0044】
本実施形態に係るデバイスは、上記のレーザ加工方法を用いて形成されたものである。上記のレーザ加工方法を用いることにより、コストを低減しつつ、レーザビームのスポット径よりも大きい微細構造をもつデバイスを提供できる。
【0045】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係るレーザ加工装置の構成を示す図である。図6に示すレーザ加工装置1は、第1実施形態の装置構成に、ビーム成形素子5およびレンズ7を追加したものである。その他の構成については、第1実施形態と同様であり、その説明は省略する。
【0046】
ビーム成形素子5は、偏光方位調節素子4とビーム分岐素子6との間に配置されておりパルスレーザビームLのビーム断面形状を矩形に成形する。ビーム成形素子5は、例えば、矩形の開口領域を有するマスクからなる。
【0047】
レンズ7は、ビーム分岐素子6により分岐された分岐ビームLBを被加工体10へ集光する。
【0048】
上記のレーザ加工装置1では、レーザ光源2から出射されたパルスレーザビームLは、ミラー3により反射され、偏光方位調節素子4により偏光方位が調節された後に、断面形状が矩形のビームに成形され、ビーム分岐素子6により分岐した複数本の分岐ビームLBが被加工体10へ照射される。矩形のパルスレーザビームLから生じた分岐ビームLBの断面形状は、矩形となる。
【0049】
次に、上記の本実施形態に係るレーザ加工装置を用いたレーザ加工方法について、図7を参照して説明する。本実施形態においても、被加工体10を移動させながら分岐ビームLBを照射する。
【0050】
上記式(1)で定められた速さで被加工体10を移動させながら、その表面に例えば2本の分岐ビームを照射すると、図7(a)に示すように、2番目以降の加工領域には、必ず分岐ビームLBが2発あたることになる。その結果、微細構造が移動方向に連なるように形成される。
【0051】
分岐ビーム数を3本にした場合には、図7(b)に示すように、3番目以降の加工領域には、必ず分岐ビームLBが3発あたることになる。そして、微細構造がステージ移動方向に連なるように形成される。分岐ビーム数がN本の場合には、N番目以降の加工領域には、必ずパルスがN発あたり、微細構造がステージ移動方向に連なるように形成される。
【0052】
本実施形態に係るレーザ加工装置およびレーザ加工方法によれば、分岐ビームLBの断面形状を矩形にすることにより、被加工体10の加工領域が矩形となるため、隣接する加工領域同士、すなわち微細構造同士の接続をさらに向上させることができる。微細構造が移動方向に連なるように形成されるためには、ビーム分岐ピッチΔが上記式(2)の関係を満たす必要があることについては、第1実施形態で説明した通りである。
【0053】
本実施形態に係るレーザ加工装置は、第1実施形態と同様に、露光系の構成がきわめて簡便となるため、装置コストを低減することができる。したがって、製造ラインへの実用化が容易となる。また、本実施形態によれば、上記のレーザ加工方法を用いることにより、コストを低減しつつ、レーザビームのスポット径よりも大きい微細構造をもつデバイスを提供できる。
【0054】
本発明は、上記の実施形態の説明に限定されない。
上記の実施例ではビーム分岐数が2本、3本の場合について述べたが、分岐数を増やすことにより、さらにスループットを向上できる。また、被加工物として金属膜を用いた例について述べたが、用途が異なれば、例えば、ポリスチレンやポリイミド等の有機膜を用いることも可能である。例えば、第1実施形態に係るレーザ加工装置の装置構成に、第2実施形態で挙げたレンズ7を追加してもよい。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、微細構造に特有の光学現象を利用したさまざまな光学薄膜デバイスの製造へ幅広く応用できる。例えば、偏光素子、位相遅延素子、反射防止素子等の製造へも適用できる。これらのデバイスは無機素材から成るため、耐光性および耐熱性にも優れ、例えば、液晶プロジェクタへ応用できる。また、微細構造が形成された領域の反射率が低減することから、マーキングの手段としても有効である。このため、部材や製品の一部に同構造を形成して、生産管理の手段としても利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】第1実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成図である。
【図2】回折光学素子を説明するための図である。
【図3】微細構造の一例を示す図である。
【図4】ステージの移動方向と偏光方位との関係を示す図である。
【図5】第1実施形態に係るレーザ加工方法を説明するための図である。
【図6】第2実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成図である。
【図7】第2実施形態に係るレーザ加工方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0057】
1…レーザ加工装置、2…レーザ光源、3…ミラー、4…偏光方位調節素子、5…ビーム成形素子、6…ビーム分岐素子、7…レンズ、8…ステージ、9…制御部、10…被加工体、11…微細構造、L…パルスレーザビーム、LB…分岐ビーム、D…偏光方位
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成18年6月23日(2006.6.23)
【代理人】 【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸

【識別番号】100080953
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 克郎

【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司


【公開番号】 特開2008−800(P2008−800A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−174258(P2006−174258)