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レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法 - 特開2008−793 | j-tokkyo
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【発明の名称】 レーザ溶接装置及びレーザ溶接方法
【発明者】 【氏名】楡 孝

【氏名】児玉 康司

【氏名】倉田 忠

【要約】 【課題】複数本の線と複数の端子部材を一括で溶接接合することにより生産性及び歩留まりを向上させたレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法を提供する。

【構成】本発明に係るレーザ溶接装置は、複数の端子部材それぞれに線を一括で溶接によって接合するレーザ溶接装置であって、半導体レーザ101と、前記半導体レーザによって出力されたレーザビーム105aから平行ビーム105bを形成するコリメートレンズ102と、前記コリメートレンズによって形成された平行ビームを複数の集光ビーム105cに集光させるマイクロレンズアレイ103と、前記マイクロレンズアレイによって集光される集光ビームの位置に、前記複数の端子部材及び前記端子部材それぞれ上に配置された線が配置されるように、前記端子部材及び前記線を有する被溶接接合物104を載置する載置台と、を具備することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被溶接接合物を一括で溶接によって接合するレーザ溶接装置であって、
半導体レーザと、
前記半導体レーザによって出力されたレーザビームから平行ビームを形成するコリメートレンズと、
前記コリメートレンズによって形成された平行ビームを複数の集光ビームに集光させるマイクロレンズアレイと、
前記マイクロレンズアレイによって集光される集光ビームの位置に前記複数の被溶接接合物が配置されるように、前記複数の被溶接接合物を載置する載置台と、
を具備することを特徴とするレーザ溶接装置。
【請求項2】
請求項1において、前記複数の被溶接接合物は複数の端子部材及び複数の線を有するものであり、
前記載置台は、前記複数の端子部材及び前記端子部材それぞれ上に配置された線が、前記集光ビームの位置に配置されるように載置されるものであることを特徴とするレーザ溶接装置。
【請求項3】
請求項2において、前記複数の端子部材は、半導体パッケージのリード、コネクタの金属端子及びプリント基板のランド線のいずれかであることを特徴とするレーザ溶接装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項において、前記半導体レーザは、複数の発光部を一列に並べた半導体レーザチップが複数積み重ねられたものであることを特徴とするレーザ溶接装置。
【請求項5】
半導体レーザによって出力されたレーザビームを、マイクロレンズアレイによって複数の集光ビームに集光させ、
前記複数の集光ビームそれぞれを複数の被溶接接合物に照射することにより、前記複数の被溶接接合物を一括で溶接によって接合することを特徴とするレーザ溶接方法。
【請求項6】
請求項5において、前記複数の被溶接接合物は複数の端子部材及び複数の線を有するものであり、
前記複数の集光ビームは、前記複数の端子部材及び前記端子部材それぞれ上に配置された線に照射されることを特徴とするレーザ溶接方法。
【請求項7】
請求項6において、前記複数の集光ビームを前記線に照射する際、前記線をクランプによって保持しながら、前記端子部材の表面に対して前記線を傾斜させて配置しつつ前記線を前記端子部材に当接させることを特徴とするレーザ溶接方法。
【請求項8】
請求項6において、前記線は被覆体によって被覆されたものであり、前記複数の集光ビームを前記線に照射する際、前記被覆体から露出した前記線及び前記被覆体の少なくとも一方をクランプによって保持し、前記端子部材の表面に対して前記線を傾斜させて配置しつつ前記線を前記端子部材に当接させることを特徴とするレーザ溶接方法。
【請求項9】
請求項6において、前記複数の集光ビームを前記線に照射する際、第1の治具及び第2の治具それぞれと前記端子部材によって前記線を挟んで保持しながら前記線を前記端子部材に当接させ、前記第1の治具と前記第2の治具との間に位置する前記線に前記集光ビームを照射することを特徴とするレーザ溶接方法。
【請求項10】
請求項9において、前記第1の治具と前記端子部材によって前記線の先端側を保持した際に、前記第1の治具と前記線との間又は前記端子部材と前記線との間に隙間が形成されることを特徴とするレーザ溶接方法。
【請求項11】
請求項9又は10において、前記第1の治具及び前記第2の治具それぞれと前記端子部材によって前記線を保持した際に、前記第1の治具及び前記第2の治具の少なくとも一方における前記線との接触面は、前記線の形状に沿うように形成されていることを特徴とするレーザ溶接方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば端子部材及び電線、芯線、導線などの線のような被溶接接合物を溶接接合するためのレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図15は、従来のレーザ溶接方法を説明するための平面図である。図16は、図15に示すB部を拡大した図である。
【0003】
図15及び図16に示すように、絶縁材から作られたコネクタ1には、同軸極細線の芯線と接合するための複数の金属端子2が設けられている。同軸極細線3の中心導体の芯線4は、同軸極細線3の端部において、同軸線を形成する外部導体7と絶縁層(図示していない)及び絶縁カバー(図示していない)の被覆を所定長だけストリップして剥がされており、金属製のグランドバー5は同軸極細線3をコネクタ1に取り付けるために備えられたものである。
【0004】
ばらけ防止部6は、芯線がばらばらにならないように固定するものであって、芯線に樹脂又は紙製のフィルムが貼り付けられたものである。外部導体7は同軸極細線3の同軸を形成する金属のシールド層であり、グランドバー5と電気的に接続されている。また、この外部導体7と中心導体の芯線4との間はフッ素系樹脂からなる絶縁層を持ち、外部導体7の外側はフッ素系樹脂からなる絶縁カバーで被覆されている。
【0005】
同軸極細線3の芯線4がばらけ防止部6により固定されたまま、同軸極細線3の芯線4が金属端子2上にくるように当接され、金属端子2と密着して位置設定される。図15に示す点線で囲んだBの部分は、ばらけ防止部6で固定された芯線4と金属端子2との当接部分の一部を示している(図16参照)。芯線4はコネクタ1の金属端子2の長手方向のほぼ中心に当接される。
【0006】
このように同軸極細線3の芯線4はコネクタ1の金属端子2に当接され、図16に示すように金属端子2上の接合部8にレーザ10が照射されると、芯線4とコネクタ1の金属端子2は微細溶接により接合される。そして、この後に、不要となるばらけ防止部6がレーザ照射により切断される。図15において、二点鎖線で囲んだ部分9はレーザによる切断部を示し、同軸極細線3はレーザによる切断ステップにより切断処理さる。また図15の点線で囲んだBの部分は、レーザによる接合、切断により分離される芯線4の一部を示す(例えば特許文献1参照)。
【0007】
次に、他の従来技術としてレーザ穴開け加工装置について説明する。この他の従来技術は、本発明のレーザ溶接装置と直接関係しないが、関連する技術として説明する。このレーザ穴開け加工装置は、回折型光学部品を用いて複数のレーザビームを形成し、複数の穴を一括で加工形成するものである。
【0008】
上記レーザ穴開け加工装置では、複数のレーザビームを形成するにあたり回折型光学部品を用いるのが条件となる。回折型光学部品は、レーザ光を回折して多数のビームを発生するものである。(例えば特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】特開2006−120364号公報(0031〜0034、0037段落、図1〜6)
【特許文献2】特開2001−62578号公報(図13)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上記従来のレーザ溶接方法では、一本の芯線4と一つの金属端子2にレーザを照射して溶接接合することを繰り返すことによって複数本の芯線4と複数の金属端子2を溶接接合している。このため、複数本の芯線4と複数の金属端子2を溶接接合するには時間がかかり、生産性が低くなり、歩留まりが悪くなる要因になっている。
【0011】
また、前述したようにレーザ穴開け加工装置では、複数のレーザビームを形成する構成が似ているが、複数のレーザビームを形成するにあたり回折型光学部品を用いるのが条件となるため、本発明のレーザ溶接装置とは全く関連しないものである。つまり、本発明では、複数の集光ビームに集光させるためのマイクロレンズアレイを用いることが条件となるからである。
【0012】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、複数の被溶接接合物を一括で溶接接合することにより生産性及び歩留まりを向上させたレーザ溶接装置及びレーザ溶接方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明に係るレーザ溶接装置は、複数の被溶接接合物を一括で溶接によって接合するレーザ溶接装置であって、
半導体レーザと、
前記半導体レーザによって出力されたレーザビームから平行ビームを形成するコリメートレンズと、
前記コリメートレンズによって形成された平行ビームを複数の集光ビームに集光させるマイクロレンズアレイと、
前記マイクロレンズアレイによって集光される集光ビームの位置に前記複数の被溶接接合物が配置されるように、前記複数の被溶接接合物を載置する載置台と、
を具備することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るレーザ溶接装置において、前記複数の被溶接接合物は複数の端子部材及び複数の線を有するものであり、
前記載置台は、前記複数の端子部材及び前記端子部材それぞれ上に配置された線が、前記集光ビームの位置に配置されるように載置されるものであることも可能である。
【0015】
また、前記複数の端子部材は、前記複数の端子部材は、半導体パッケージのリード、コネクタの金属端子及びプリント基板のランド線のいずれかであることが好ましい。
また、本発明に係るレーザ溶接装置において、前記半導体レーザは、複数の発光部を一列に並べた半導体レーザチップが複数積み重ねられたものであることが好ましい。
【0016】
本発明に係るレーザ溶接方法は、半導体レーザによって出力されたレーザビームを、マイクロレンズアレイによって複数の集光ビームに集光させ、
前記複数の集光ビームそれぞれを複数の被溶接接合物に照射することにより、前記複数の被溶接接合物を一括で溶接によって接合することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係るレーザ溶接方法において、前記複数の被溶接接合物は複数の端子部材及び複数の線を有するものであり、
前記複数の集光ビームは、前記複数の端子部材及び前記端子部材それぞれ上に配置された線に照射されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係るレーザ溶接方法において、前記複数の集光ビームを前記線に照射する際、前記線をクランプによって保持しながら、前記端子部材の表面に対して前記線を傾斜させて配置しつつ前記線を前記端子部材に当接させることも可能である。
【0019】
また、本発明に係るレーザ溶接方法において、前記線は被覆体によって被覆されたものであり、前記複数の集光ビームを前記線に照射する際、前記被覆体から露出した前記線及び前記被覆体の少なくとも一方をクランプによって保持し、前記端子部材の表面に対して前記線を傾斜させて配置しつつ前記線を前記端子部材に当接させることも可能である。
【0020】
また、本発明に係るレーザ溶接方法において、前記複数の集光ビームを前記線に照射する際、第1の治具及び第2の治具それぞれと前記端子部材によって前記線を挟んで保持しながら前記線を前記端子部材に当接させ、前記第1の治具と前記第2の治具との間に位置する前記線に前記集光ビームを照射することも可能である。
また、前記第1の治具と前記端子部材によって前記線の先端側を保持した際に、前記第1の治具と前記線との間又は前記端子部材と前記線との間に隙間が形成されることが好ましい。
また、前記第1の治具及び前記第2の治具それぞれと前記端子部材によって前記線を保持した際に、前記第1の治具及び前記第2の治具の少なくとも一方における前記線との接触面は、前記線の形状に沿うように形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、複数の被溶接接合物を一括で溶接接合することにより生産性及び歩留まりを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるレーザ溶接装置を示す模式図である。図2は、図1に示す半導体レーザの構造を模式的に示す斜視図である。図3は、図2に示す半導体レーザにおける一つの半導体レーザダイオードチップの構造を模式的に示す斜視図である。
【0023】
図1に示すように、レーザ溶接装置は、レーザを出力するレーザ出力部である半導体レーザ101、コリメートレンズ102、マイクロレンズアレイ103及び被溶接接合物104を載置する載置台(図示せず)を有している。半導体レーザ101は、小型で電気−光変換効率が高く、長寿命であることが大きな特徴であり、金属同士の溶接に適している。半導体レーザ101から出力された大きく広がったレーザビーム105aはコリメートレンズ102によって広がりのない平行ビーム105bに形成される。この平行ビーム105bはマイクロレンズアレイ103によって複数本の集光ビーム105cに形成され、これら集光ビーム105cは被溶接接合物104に照射される。
【0024】
図2に示すように、半導体レーザ101は、例えば出力50Wの半導体レーザダイオードチップ(LDバー)109を縦方向に4本積み重ねて構成されている。この半導体レーザの出力は合計で200Wである。一つの半導体レーザダイオードチップ109は、図3に示すように、長さが10mm、奥行きが1mm、厚さが0.15mmの大きさを有しており、垂直方向1μm×水平方向100μmの発光部(発光面)110をピッチ200μmで横方向に一列に49個並べて配置されている。尚、図2及び図3に示す半導体レーザダイオードチップは横方向のバーの長さを縮小している。
【0025】
発光面110から発光されるレーザ光105aの広がりは、垂直方向が36〜38°であり、水平方向が10°である。また、発光面110から発光されるレーザ光の波長は、AlGaAsの場合、790〜830nmであり、InGaAsの場合、910〜980nmである。
【0026】
尚、本実施の形態では、半導体レーザダイオードチップ109を4本積み重ねているが、これに限定されるものではなく、半導体レーザダイオードチップを5本以上又は3本以下積み重ねても良いし、また、半導体レーザダイオードチップを1本で用いても良い。
【0027】
図4(A)は、図1に示す被溶接接合物の平面図であり、図4(B)は、図1に示すマイクロレンズアレイを示す平面図である。
【0028】
図4(A)に示す被溶接接合物は、複数のリード107を有する半導体パッケージ106と前記リード107に接続される複数の芯線108である。半導体パッケージ106の内部には半導体チップが封止されている。半導体パッケージ106は、その平面形状が四角形を有しており、複数のリード(端子部材)107が四方向から延びている。複数のリード107それぞれの上には芯線108が配置されている。
【0029】
図4(B)に示すマイクロレンズアレイ103は、平行ビーム105bのビームサイズに対して十分に小さいレンズ径を持つ円形レンズ103aが複数配列されたものである。これら円形レンズ103aは、それによる集光ビーム105cのピッチ及び配置が図4(A)に示すリード107と芯線108との接続部(融着部)のピッチ及び配置に一致するように配列されている。つまり、マイクロレンズアレイ103によって形成された複数本の集光ビーム105cそれぞれは、リード107と芯線108との接続部に照射されるようになっている。
【0030】
マイクロレンズアレイ103には屈折型レンズを用いても良いし、回折型レンズを用いても良い。屈折型レンズは、球面もしくは非球面形状を有するレンズであり、光の利用効率が良い特徴を持っている。回折型レンズは、デジタル的な回折溝を同心円状に作りこみ、レンズ中心方向に光の回折を起こすことにより、レンズ的作用を持たせたものであり、焦点プロファイル形状の成形自由度が高い特徴を持っている。
【0031】
次に、図1に示すレーザ溶接装置を用いて被溶接接合物に溶接接合を行う方法について説明する。
【0032】
まず、図1に示すように、被溶接接合物104を載置台に載置する。次いで、半導体レーザ101から広がりを持ったレーザビーム105aを出力する。このレーザビームの出力条件及び被溶接接合物の条件は下記のとおりである。
【0033】
(レーザビーム)
レーザパワー : 200W
レーザ光出射部サイズ : 10mm×10mm
マイクロレンズ集光率 : 25倍
集光ビーム径 : Φ200μm
照射時間 : 1秒
使用レーザ : 半導体レーザ(波長940nm)
(被溶接接合物:端子部材と線)
芯線 : 導線径Φ0.1mmすずめっき銅線
金属端子 : 0.2mm厚銅合金端子(金メッキ)
金属端子ピッチ : 1mm
金属端子幅 : 0.6mm
【0034】
前記レーザビーム105aをコリメートレンズ102によって平行ビーム105bに形成する。この平行ビーム105bをマイクロレンズアレイ103によって複数本の集光ビーム105cに形成し、これら集光ビーム105cを被溶接接合物104におけるリード107と芯線108との接続部に照射する。これにより、前記接続部のリードと芯線が一括で溶接接合される。尚、前記芯線108は、接続部以外の部分が被覆体(図示せず)によって被覆されている。
【0035】
この後、前記載置台から被溶接接合物104を取り外し、次に溶接する被溶接接合物を載置台に載置し、上述したレーザ溶接を行う。これを繰り返すことにより、複数の被溶接接合物を溶接接合する。
【0036】
上記実施の形態1によれば、半導体パッケージ106のリード107と芯線108とを一括で溶接により接合することができる。このため、一本の芯線と一つの端子部材を溶接接合することを繰り返すような従来技術に比べて、生産性と歩留まりを飛躍的に向上させることができる。
【0037】
また、今後ますますリードの多ピン化及び狭ピッチ化が進むと考えられる。これに対して、本実施の形態によるレーザ溶接装置を用いることにより、今後の多ピン化及び狭ピッチ化に十分に対応することができる。
【0038】
また、従来技術では、手によるハンダによってリードと芯線とを接続することが行われていた。これに対して、本実施の形態では、レーザ溶接によってリードと芯線を接合するため、ハンダやメッキなどを用いる必要がなく、環境に対して悪影響を与えることがないという利点がある。
【0039】
尚、上記実施の形態1では、図4(B)に示すような一つの半導体パッケージ106に対応するマイクロレンズアレイ103を用いているが、図4(B)に示すマイクロレンズアレイを複数有するようなマイクロレンズアレイを用いることも可能である。この場合、載置台を移動させること又は半導体レーザとコリメートレンズとマイクロレンズアレイを移動させることにより、複数の半導体パッケージに対して連続的に溶接接合することが可能となる。
【0040】
また、本実施の形態では、芯線が被覆体によって被覆された電線を用いているが、この電線以外の線を用いることも可能であり、例えば芯線は単芯線でも良いし、多芯線でも良く、また、エナメル線などの絶縁被覆線、同軸線、裸電線を用いることも可能である。
【0041】
(実施の形態2)
図5(A)は、本発明の実施の形態2によるレーザ溶接装置の載置台に載置される被溶接接合物の平面図であり、図5(B)は、本発明の実施の形態2によるレーザ溶接装置のマイクロレンズアレイを示す平面図である。
【0042】
本実施の形態においても図1に示すレーザ溶接装置を用いるが、被溶接接合物とマイクロレンズアレイの円形レンズの配置は実施の形態1とは異なるので、異なる部分について説明する。
【0043】
図5(A)に示す被溶接接合物は、複数の金属端子17を有するコネクタ16と前記金属端子17に接続される複数の芯線108である。複数の金属端子17それぞれの上には芯線108が配置されている。
【0044】
図5(B)に示すマイクロレンズアレイは、平行ビームのビームサイズに対して十分に小さいレンズ径を持つ円形レンズ103bが一列に配列されたものである。これら円形レンズ103bは、それによる集光ビームのピッチ及び配置が図5(A)に示す金属端子17と芯線108との接続部(融着部)のピッチ及び配置に一致するように配列されている。つまり、マイクロレンズアレイによって形成された複数本の集光ビームそれぞれは、金属端子17と芯線108との接続部に照射されるようになっている。
【0045】
上記実施の形態2においても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0046】
(実施の形態3)
図6〜図10は、本発明の実施の形態3によるレーザ溶接方法を説明する図である。
図6(A),(B)は、撚り線の先端の被覆体を剥離し、その剥離によって露出した撚り線をクランプによって保持しつつ切断する工程を示す図である。図7は、図6に示す工程によって各々の先端の被覆体が剥離された複数本の電線をコネクタの金属端子上に配置した状態を示す平面図である。図8は、図7に示す状態の一部であって、一本の電線が一つの金属端子上に配置された状態を示す斜視図である。図9(A)は図8に示す状態の平面図であり、図9(B)は図8に示す状態の側面図であり、図9(C)は図8に示す状態の正面図である。図10は、図8及び図9に示す撚り線にレーザ照射を行うことで、撚り線と金属端子が溶接によって接続された状態を示す側面図である。
【0047】
本実施の形態においても図1に示すレーザ溶接装置を用いるが、被溶接接合物とマイクロレンズアレイの円形レンズの配置は実施の形態1とは異なるので、異なる部分について説明する。
【0048】
まず、図6(A)に示すように、撚り線(芯線)11が被覆体12によって被覆された電線13を用意し、この電線13の被覆体12を剥離することにより撚り線11を露出させる。
【0049】
次いで、図6(B)に示すように、この電線13をクランプ(治具)14a,14bによって保持する。このクランプ14a,14bは、露出した撚り線11と被覆体12の両方を挟んで保持するようになっており、保持した際のクランプ14a,14bにおける撚り線11及び被覆体12それぞれとの接触面が撚り線11及び被覆体12それぞれの形状に沿うように形成されている(図8及び図9参照)。
【0050】
次いで、クランプ14a,14bで挟んで撚り線11を固定した状態で、点線で示した切断ライン15から撚り線11を切断する。これにより、撚り線11の露出長さを調整する。尚、図6では、一本の電線13をクランプ14a,14bで保持する構成を示しているが、本実施の形態では複数本の電線それぞれをクランプで保持する構成を採用する。このように複数本の電線をクランプ14a,14bで保持することにより、電線相互間の間隔を一定に保つことができる。また、被覆体12を剥離した際に撚り線11に加えられた応力によって撚り線11が広がることを、撚り線11と被覆体12の両方をクランプ14a,14bで挟むことにより抑制することができる。また、撚り線11を切断した際に撚り線11が変形しても、撚り線11の相互間の間隔のズレを小さく抑えることができる。また、クランプ14a,14bから撚り線11の先端までの距離を全て一定にすることができ、それにより全ての撚り線11を一定の圧力(適度な圧力)で金属端子の表面に当接させることができる。
【0051】
この後、図7〜図9に示すように、複数本の電線13をクランプ14a,14bで保持した状態で、複数本の撚り線11それぞれの先端をコネクタ16の金属端子17上に当接させつつ、金属端子17の表面に対して電線13を傾斜させて配置する。これが図1に示す被溶接接合物104となり、この被溶接接合物104を載置台上に載置する。この際、電線13を、被覆体から露出した撚り線11が少し撓む程度の位置に配置することが好ましい。また、金属端子17の表面に対する電線13の傾斜角度18は、5°〜60°であることが好ましく、より好ましくは15°〜45°であり、さらに好ましくは25°〜30°である。尚、ここで重要なのは、複数の撚り線11それぞれと複数の金属端子17それぞれが全て確実に接触していることである。電線をクランプ14a,14bで保持していること、上記のような傾斜角度18にすることにより、全ての金属端子17と全ての撚り線11を確実に接触させることができる。
【0052】
次に、図9(B)に示すように、金属端子17上に配置した撚り線11に集光ビーム105cを照射する。これにより、図10に示すように撚り線11を溶接部19によって金属端子17に接合することができる。この際のレーザ照射条件の一例を以下に示す。
【0053】
(レーザビーム)
レーザパワー : 200W
レーザ光出射部サイズ : 10mm×10mm
マイクロレンズ集光率 : 10倍
集光ビーム径 : Φ300μm
照射時間 : 3秒
使用レーザ : 半導体レーザ(波長940nm)
(被溶接接合物:端子部材と線)
撚り線 : 導線径Φ0.5mmすずめっき銅線
金属端子 : 0.2mm厚銅合金端子(金メッキ)
金属端子ピッチ : 1mm
金属端子幅 : 0.6mm
【0054】
また、本実施の形態のマイクロレンズアレイは、平行ビームのビームサイズに対して十分に小さいレンズ径を持つ円形レンズが一列に配列されたものである(図示せず)。これら円形レンズは、それによる集光ビームのピッチ及び配置が図7に示す金属端子17と撚り線11との接続部(融着部)のピッチ及び配置に一致するように配列されている。つまり、マイクロレンズアレイによって形成された複数本の集光ビームそれぞれは、金属端子17と撚り線11との接続部に照射されるようになっている。
【0055】
上記実施の形態3においても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、電線13をクランプ14a,14bで保持し、撚り線11の先端を金属端子17上に当接させつつ、金属端子17の表面に対して電線13を傾斜させて配置することにより、金属端子17と撚り線11を確実に接触させることができる。
【0056】
また、電線13は、撚り線11を切断する工程や被覆体12を剥離する工程などの影響で撚り線11の先端の状態が不安定になり易く、特に電線径が小さくなるとその影響が顕著になる。これに対し、本実施の形態では、電線13をクランプ14a,14bによって挟んで保持するため、撚り線11の先端の状態を安定化させることができる。
【0057】
また、端子部材に電線をレーザ溶接する際に、端子部材と電線間の隙間が大きいと、接合品質の低下やばらつきが生じるが、本実施の形態では、上述したように金属端子と撚り線を確実に接触させるため、接合品質の低下やばらつきの発生を抑制することができる。つまり、クランプ14a,14bから撚り線11の先端までの距離を全て一定にすることにより、全ての撚り線11を一定の圧力(適度な圧力)で金属端子の表面に当接させ、この状態で撚り線にレーザを照射することができる。その結果、撚り線と金属端子との接合品質の低下やばらつきの発生を抑制できる。
【0058】
尚、上記実施の形態3では、撚り線11と被覆体12の両方を挟むクランプ14a,14bを用いているが、これに限られず、撚り線のみを挟むクランプを用いても良いし、被覆体のみを挟むクランプを用いても良い。また、金属端子17上に電線13を配置する際の傾斜角度18、電線の位置、被覆体12を剥離する長さ等の具体的な条件は、撚り線の弾性変形の範囲等によって適切な条件に設定すれば良い。
【0059】
また、上記実施の形態3では、クランプ14aとクランプ14bの両方において撚り線及び被覆体それぞれとの接触面を撚り線及び被覆体それぞれに沿うように形成しているが、クランプ14a及びクランプ14bの一方において前記接触面を撚り線及び被覆体それぞれに沿うように形成することも可能である。
【0060】
また、上記実施の形態3では、撚り線11をコネクタ16の金属端子17に接続しているが、これに限られず、コネクタ以外の端子部材(例えばプリント基板のランド等)に撚り線を接続することも可能である。
【0061】
(実施の形態4)
図11〜図14は、本発明の実施の形態4によるレーザ溶接方法を説明する図である。
図11は、治具を用いて複数の金属端子上に複数本の芯線を配置した状態を示す平面図である。図12は、図11に示す状態の一部であって、一本の芯線が一つの金属端子上に配置された状態を示す斜視図である。図13(A)は図12に示す状態の平面図であり、図13(B)は図12に示す状態の側面図であり、図13(C)は図12に示す状態の正面図である。図14は、図12及び図13に示す芯線にレーザ照射を行うことで、芯線と金属端子が溶接によって接続された状態を示す側面図である。
【0062】
本実施の形態においても図1に示すレーザ溶接装置を用いるが、被溶接接合物とマイクロレンズアレイの円形レンズの配置は実施の形態1とは異なるので、異なる部分について説明する。
【0063】
まず、図11に示す芯線21を用意する。この芯線21は、被覆体(図示せず)によって被覆された電線(図示せず)のものであり、この電線の先端の被覆体を剥離することにより芯線21を露出させたものである。この露出された芯線21が図11に示されている。尚、芯線11は、実施の形態3と同様の種々のものを用いることができる。
【0064】
次に、図11に示すように、複数本の芯線21をコネクタの金属端子23上に第1の治具22a及び第2の治具22bによって保持する。これにより、複数本の芯線21それぞれの先端側は金属端子23上に当接されつつ配置される。これが図1に示す被溶接接合物104となり、この被溶接接合物104を載置台上に載置する。
【0065】
ここで、第1及び第2の治具22a,22bそれぞれは、金属端子23上の芯線21を上から押さえるものである。つまり、金属端子23と第1及び第2の治具22a,22bによって芯線21を挟むことにより、芯線21を金属端子23上に保持するものである。このように保持した際の第1及び第2の治具22a,22bそれぞれにおける芯線21との接触面は、芯線21の形状に沿うように形成されている(図13(C)参照)。これにより、芯線21は金属端子23上で動かないように保持される。
【0066】
詳細には、第1の治具22aによって芯線21の先端側を金属端子23上に押さえた部分において、第1の治具22aと芯線21との間又は金属端子23と芯線21との間に隙間が形成されるように、第1の治具22aの形状が調整されている。これにより、芯線21の先端側は第1の治具22aによって押さえられても少し動かせるようになっている。
【0067】
一方、第2の治具22bによって芯線21を金属端子23上に押さえた部分において、第2の治具22bと芯線21との間及び金属端子23と芯線21との間には共にほとんど隙間がないように、第2の治具22bの形状が調整されている。これにより、芯線21は第2の治具22bによって押さえられると動かないように保持され、金属端子23と芯線21が確実に接触される。
尚、第1の治具22aと第2の治具22bは間隔をあけて一体に形成されていても良いし、一体に形成されてなくても良い。
【0068】
次に、図13(B)に示すように、前述した金属端子23上に配置した芯線21の先端から所定の距離だけ離れた位置に集光ビームを照射する。詳細には、第1の治具12aと第2の治具12bとの間で且つ芯線11の先端から所定の距離だけ離れた位置に集光ビームの照射中心が当たるように、芯線11に集光ビームを照射する。これにより、図6に示すように、芯線11の先端部が集光ビームによって加熱されて溶融され、芯線11の先端部が収縮され表面張力によって球に近い形状に凝固された溶接部14によって金属端子13に接合される。この際のレーザ照射条件の一例を以下に示す。
【0069】
(レーザビーム)
レーザパワー : 200W
レーザ光出射部サイズ : 10mm×10mm
マイクロレンズ集光率 : 25倍
集光ビーム径 : Φ200μm
照射時間 : 1秒
使用レーザ : 半導体レーザ(波長940nm)
(被溶接接合物:端子部材と線)
撚り線 : 導線径Φ0.1mmすずめっき銅線
金属端子 : 0.2mm厚銅合金端子(金メッキ)
金属端子ピッチ : 1mm
金属端子幅 : 0.6mm
【0070】
また、本実施の形態のマイクロレンズアレイは、平行ビームのビームサイズに対して十分に小さいレンズ径を持つ円形レンズが一列に配列されたものである(図示せず)。これら円形レンズは、それによる集光ビームのピッチ及び配置が図11に示す金属端子23と撚り線21との接続部(融着部)のピッチ及び配置に一致するように配列されている。つまり、マイクロレンズアレイによって形成された複数本の集光ビームそれぞれは、金属端子23と撚り線21との接続部に照射されるようになっている。
【0071】
上記実施の形態4においても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、第1の治具22aによって芯線21の先端側を金属端子23上に押さえた際に、第1の治具22aと芯線21との間又は金属端子23と芯線21との間に隙間を形成している。このため、芯線21にレーザ光を照射した際、芯線21の先端部がスムーズに収縮されて芯線21と金属端子23を接合することができる。
【0072】
また、芯線21は、その先端の状態が不安定になり易く、特に電線径が小さくなるとより不安定になり易い。これに対し、本実施の形態では、芯線21を第1及び第2の治具22a,22bによって金属端子23に押さえて保持するため、芯線21の先端の状態を安定化させることができる。つまり、集光ビームが照射される領域(ビームスポット)の芯線21の近傍を第1及び第2の治具22a,22bによって金属端子23に押さえることにより、全ての芯線21を一定の圧力(適度な圧力)で金属端子の表面に当接させることができ、この状態で芯線に集光ビームを照射することができる。その結果、金属端子23と芯線21を安定的に溶接接合することができ、接合品質の低下やばらつきの発生を抑制することができる。
【0073】
尚、上記実施の形態4では、第1及び第2の治具22a,22bによって金属端子23上に芯線21を保持した際、第1及び第2の治具22a,22bそれぞれにおける芯線21との接触面を、芯線21の形状に沿うように形成しているが、第1の治具22a及び第2の治具22bの一方において前記接触面を芯線に沿うように形成しても良い。
【0074】
また、上記実施の形態4では、芯線21をコネクタの金属端子23に接続しているが、これに限られず、コネクタ以外の端子部材(例えばプリント基板のランド等)に芯線を接続することも可能である。
【0075】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態1によるレーザ溶接装置を示す模式図である。
【図2】図1に示す半導体レーザの構造を模式的に示す斜視図である。
【図3】図2に示す半導体レーザにおける一つの半導体レーザダイオードチップの構造を模式的に示す斜視図である。
【図4】(A)は、図1に示す被溶接接合物の平面図であり、(B)は、図1に示すマイクロレンズアレイを示す平面図である。
【図5】(A)は、本発明の実施の形態2によるレーザ溶接装置の載置台に載置される被溶接接合物の平面図であり、(B)は、本発明の実施の形態2によるレーザ溶接装置のマイクロレンズアレイを示す平面図である。
【図6】(A),(B)は、撚り線の先端の被覆体を剥離し、その剥離によって露出した撚り線をクランプによって保持しつつ切断する工程を示す図である。
【図7】図6に示す工程によって各々の先端の被覆体が剥離された複数本の電線をコネクタの金属端子上に配置した状態を示す平面図である。
【図8】図7に示す状態の一部であって、一本の電線が一つの金属端子上に配置された状態を示す斜視図である。
【図9】(A)は図8に示す状態の平面図であり、(B)は図8に示す状態の側面図であり、(C)は図8に示す状態の正面図である。
【図10】図8及び図9に示す撚り線にレーザ照射を行うことで、撚り線と金属端子が溶接によって接続された状態を示す側面図である。
【図11】治具を用いて複数の金属端子上に複数本の芯線を配置した状態を示す平面図である。
【図12】図11に示す状態の一部であって、一本の芯線が一つの金属端子上に配置された状態を示す斜視図である。
【図13】(A)は図12に示す状態の平面図であり、(B)は図12に示す状態の側面図であり、(C)は図12に示す状態の正面図である。
【図14】図12及び図13に示す芯線にレーザ照射を行うことで、芯線と金属端子が溶接によって接続された状態を示す側面図である。
【図15】従来のレーザ溶接方法を説明するための平面図である。
【図16】図15に示すB部を拡大した図である。
【符号の説明】
【0077】
1 コネクタ
2 金属端子
3 同軸極細線
4 芯線
5 グランドバー
6 ばらけ防止部
7 外部導体
8 接合部
9 二点鎖線で囲んだ部分
10 レーザ
11 撚り線
12 被覆体
13 電線
14a,14b クランプ
15 切断ライン
16 コネクタ
17 金属端子
18 傾斜角度
19 溶接部
21 芯線
22a 第1の治具
22b 第2の治具
23 金属端子
24 溶接部
101 半導体レーザ
102 コリメートレンズ
103 マイクロレンズアレイ
103a,103b 円形レンズ
104 被溶接接合物
105a レーザビーム
105b 平行ビーム
105c 集光ビーム
106 半導体パッケージ
107 リード
108 芯線
109 半導体レーザチップ
110 発光部(発光面)
【出願人】 【識別番号】303006916
【氏名又は名称】フェトン株式会社
【出願日】 平成18年6月22日(2006.6.22)
【代理人】 【識別番号】100110858
【弁理士】
【氏名又は名称】柳瀬 睦肇

【識別番号】100100413
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 温


【公開番号】 特開2008−793(P2008−793A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−172791(P2006−172791)