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【発明の名称】 基板及びその分断方法、電気光学装置及びその製造方法、電子機器
【発明者】 【氏名】黒木 泰宣

【要約】 【課題】レーザスクライブするとき、レーザ光による損傷が防止できる基板及びその分断方法、電気光学装置及びその製造方法、電子機器を提供すること。

【構成】対向マザー基板75において、TFTアレイマザー基板82側の面に遮光膜81を形成する。遮光膜81は、H対向切断面77及びV対向切断面78に対応する場所に形成する。スクライブ工程では、レーザ光88を集光レンズ28で基板76の内部に集光して照射する。レーザ光88が集光して照射される場所には、改質部89が形成され、改質部89の中央にはクラック部90が形成される。レーザ光88は、H対向切断面77及びV対向切断面78に沿って照射する。対向マザー基板75のH対向切断面77及びV対向切断面78に対応する場所には、遮光膜81が形成されている為、レーザ光88は、対向マザー基板75を透過しない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と、第2の基板とを接合して第1の基板及び前記第2の基板を分断する基板の分断方法であって、
前記第1の基板において、前記第2の基板と対向する第1の面と、前記第2の基板において、前記第1の基板と対向する第2の面との内、少なくとも一つの面に遮光膜を形成する遮光膜形成工程と、
前記第1の基板と前記第2の基板とを接合する接合工程と、
前記第1の基板及び前記第2の基板にレーザ光を照射して、前記第1の基板及び前記第2の基板の内部に改質部を形成するスクライブ工程と、
前記改質部を押圧して前記第1の基板及び前記第2の基板を分断する分断工程とを有し、
前記遮光膜形成工程では、前記スクライブ工程においてレーザ光が照射される場所に、遮光膜を形成することを特徴とする基板の分断方法。
【請求項2】
請求項1に記載の基板の分断方法であって、
前記遮光膜形成工程では、有機材料を含む材料を塗布し固化して、遮光膜を形成することを特徴とする基板の分断方法。
【請求項3】
請求項1〜2のいずれか一項に記載の基板の分断方法であって、
前記遮光膜形成工程では、液滴吐出法を用いて遮光膜を形成する材料を塗布し固化して、遮光膜を形成することを特徴とする基板の分断方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板の分断方法であって、
前記遮光膜形成工程では、前記第1の面に前記遮光膜を形成することを特徴とする基板の分断方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板の分断方法であって、
前記遮光膜形成工程では、前記第2の面に前記遮光膜を形成することを特徴とする基板の分断方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板の分断方法であって、
前記遮光膜を除去する遮光膜除去工程を含むことを特徴とする基板の分断方法。
【請求項7】
第1の基板と、第2の基板とを接合して第1の基板及び第2の基板を分断する電気光学装置の製造方法であって、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板の分断方法を用いて形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板の分断方法で分断されていることを特徴とする基板。
【請求項9】
請求項7に記載の電気光学装置の製造方法を用いて製造されていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項10】
請求項9に記載の電気光学装置を表示部に備えることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、基板及びその分断方法、電気光学装置及びその製造方法、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光透過性のある基板を品質良く切断するために、レーザ光を基板に照射して基板内部に改質領域(以下、改質部と称す。)を形成するレーザスクライブ方法が特許文献1に開示されている。それによると、パルス幅が1μs以下のレーザ光を出射し、集光レンズで基板内部に集光し、集光点におけるピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上にする。これにより、加工対象物の内部に多光子吸収による改質部を形成するものである。
【0003】
また、このレーザスクライブ方法において、加工対象物の内部に形成される改質部あるいはこれを起点として形成される改質部の大きさは、集光レンズの特性と、レーザ光のピークパワー密度に依存する。例えば、上記特許文献1に示されたガラス(厚さ700μm)に対してYAGレーザを用いて切断する実施例では、集光レンズの開口数が0.55の場合、ピークパワー密度がおよそ1×1011(W/cm2)では、改質部の大きさは、およそ100μmである。また、ピークパワー密度がおよそ5×1011(W/cm2)では、およそ250μmである。基板の内部に改質部を配列して形成し、改質部を押圧することで、基板を改質部に沿って品質良く分断することができる。
【0004】
液晶表示装置などの表示装置は、外形が矩形の1対の基板を用いて、1対の基板の間に液晶や発光素子を配置して形成されることが多い。その製造方法において、トランジスタなどのスイッチング素子の表示装置に対応するパターンを複数配列した素子マザー基板と、共通電極等の表示装置に対応するパターンを複数配列した対向マザー基板とを貼り合せて、分断する方法が広く採用されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−192371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
素子マザー基板と対向マザー基板とを貼り合せて、対向マザー基板にレーザ光を照射して改質部を形成するとき、レーザ光の一部が対向マザー基板を通過して、素子マザー基板を照射する。素子マザー基板には、配線、端子、スイッチング素子等が配置されており、レーザ光により損傷を受ける可能性があった。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、レーザスクライブするとき、レーザ光による損傷が防止できる基板及びその分断方法、電気光学装置及びその製造方法、電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の基板の分断方法は、第1の基板と、第2の基板とを接合して第1の基板及び第2の基板を分断する基板の分断方法であって、第1の基板において、第2の基板と対向する第1の面と、第2の基板において、第1の基板と対向する第2の面との内、少なくとも一つの面に遮光膜を形成する遮光膜形成工程と、第1の基板と第2の基板とを接合する接合工程と、第1の基板及び第2の基板にレーザ光を照射して、第1の基板及び第2の基板の内部に改質部を形成するスクライブ工程と、改質部を押圧して第1の基板及び第2の基板を分断する分断工程とを有し、遮光膜形成工程では、スクライブ工程においてレーザ光が照射される場所に、遮光膜を形成することを特徴とする。
【0009】
この基板の分断方法によれば、遮光膜形成工程において、遮光膜が形成される。第1の基板において、第2の基板と対向する面を第1の面とし、第2の基板において、第1の基板と対向する面を第2の面とする。遮光膜は第1の面と、第2の面との内、少なくとも一つの面において、スクライブ工程でレーザ光が照射される場所に形成される。
【0010】
スクライブ工程では、第1の基板及び第2の基板にレーザ光を照射して、第1の基板及び第2の基板の内部に改質部を配列して形成する。第1の基板にレーザ光を照射するとき、第1の基板を通過するレーザ光は、遮光膜に遮光される為、第2の基板を照射する事が無い。第2の基板に配線、端子、素子等が形成されているとき、この配線、端子、素子等は、レーザ光を照射されることによる損傷を受けることがない。従って、第2の基板に形成される配線、端子、素子等に損傷を与えずに、第1の基板をスクライブして分断することができる。
【0011】
本発明の基板の分断方法は、遮光膜形成工程では、有機材料を含む材料を塗布し固化して、遮光膜を形成することを特徴とする。
【0012】
この基板の分断方法によれば、遮光膜は有機材料を含む材料を塗布し固化して形成される。有機材料に色素材料を加えて、特定の波長の光を吸収する遮光膜や、有機材料に金属粉などを加えて、光を遮光する遮光膜を形成することができる。有機材料は、溶媒を加えて粘性を調節し、塗布性を良くすることができることから、生産性良く遮光膜を形成することができる。
【0013】
本発明の基板の分断方法は、遮光膜形成工程では、液滴吐出法を用いて遮光膜を形成する材料を塗布し固化して、遮光膜を形成することを特徴とする。
【0014】
この基板の分断方法によれば、液滴吐出法を用いて遮光膜を形成する材料を塗布し固化して、遮光膜が形成される。液滴吐出法は、遮光膜を形成する場所に限定して遮光膜の材料を塗布する。基板の全面に遮光膜の材料を塗布して、不要な部分を除去する方法に比べて、遮光膜の材料を消費する量が少なくする事ができる。その結果、省資源な方法で遮光膜を形成することができる。
【0015】
本発明の基板の分断方法は、遮光膜形成工程では、第1の面に遮光膜を形成することを特徴とする。
【0016】
この基板の分断方法によれば、第1の基板における第1の面に遮光膜が形成される。スクライブ工程で形成される改質部は第1の基板の内部に形成されることから、第1の面は、第2の基板における第2の面に比べて、改質部が形成される場所に近い場所にある。改質部を形成するときにレーザ光を集光する集光レンズは開口数の大きいレンズが用いられる為、レーザ光を集光する場所から離れる程、レーザ光は広がる。レーザ光を集光する場所に近い場所に遮光膜を配置するとき、レーザ光が広がる前に遮光することから、遮光膜は狭い面積で遮光できる。第1の面は、レーザ光を集光する場所に近いことから、第1の面に遮光膜を形成する方が、第2の面に遮光膜を形成するときに比べて、狭い面積で遮光できる。その結果、少ない遮光膜の材料で遮光膜を形成でき、省資源な分断方法とすることができる。
【0017】
本発明の基板の分断方法は、遮光膜形成工程では、第2の面に遮光膜を形成することを特徴とする。
【0018】
この基板の分断方法によれば、第2の基板において、第1の基板と対向する第2の面に遮光膜が形成される。第2の基板に配線、端子、素子等の、レーザ光を照射されて損傷を受ける物が配置されるとき、損傷を受ける物を覆う様に遮光膜を配置することで、損傷を防ぐことができる。損傷を受け易い物を直接、遮光膜で覆うことにより確実に、レーザ光による損傷を防止できる。
【0019】
本発明の基板の分断方法は、遮光膜を除去する遮光膜除去工程を含むことを特徴とする。
【0020】
この基板の分断方法によれば、遮光膜除去工程において、遮光膜が除去される。端子を遮光膜で覆った場合など、遮光膜により端子に外部の配線との接合が阻害されるとき、遮光膜を除去することで、遮光膜による不具合を解消することができる。
【0021】
上記課題を解決するために、本発明の電気光学装置の製造方法は、第1の基板と、第2の基板とを接合して第1の基板及び第2の基板を分断する電気光学装置の製造方法であって、上記のいずれか一項に記載の基板の分断方法を用いて形成することを特徴とする。
【0022】
この電気光学装置の製造方法によれば、電気光学装置は、上記の基板の分断方法を用いて形成されている。上記の基板の分断方法では、レーザ光を用いて第1の基板をスクライブして分断するとき、第2の基板には、レーザ光による損傷を与えない。従って、第2の基板に配線、端子、素子等のレーザ光により損傷を受け易い物が配置されるときにも、レーザ光により損傷を受けることがない。従って、スクライブ工程で、レーザ光により損傷を受けない第2基板を備えた電気光学装置の製造方法とすることができる。
【0023】
本発明の基板は、上記のいずれか一項に記載の基板の分断方法で分断されていることを特徴とする。
【0024】
この基板によれば、基板は、上記の基板の分断方法を用いて形成されている。上記の基板の分断方法では、レーザ光を用いて第1の基板をスクライブして分断するとき、第2の基板には、レーザ光による損傷を与えない。従って、第2の基板に配線、端子、素子等のレーザ光により損傷を受け易い物が配置されるときにも、レーザ光により損傷を受けることがない。従って、スクライブ工程で、レーザ光により損傷を受けない基板をとすることができる。
【0025】
本発明の電気光学装置は、上記に記載の電気光学装置の製造方法を用いて製造されていることを特徴とする。
【0026】
この電気光学装置によれば、電気光学装置は、上記の電気光学装置の製造方法を用いて製造されている。この電気光学装置の製造方法では、レーザ光を用いて第1の基板をスクライブして分断するとき、第2の基板には、レーザ光による損傷を与えない。従って、第2の基板に配線、端子、素子等のレーザ光により損傷を受け易い物が配置されるときにも、レーザ光により損傷を受けることがない。従って、スクライブ工程で、レーザ光により損傷を受けない第2基板を備えた電気光学装置とすることができる。
【0027】
本発明の電子機器は、上記に記載の電気光学装置を表示部に備えることを特徴とする。
【0028】
この電子機器によれば、電子機器は上記の電気光学装置を備えている。この電気光学装置は、レーザ光を用いて第1の基板をスクライブして分断するとき、第2の基板には、レーザ光による損傷を与えない。従って、第2の基板に配線、端子、素子等のレーザ光により損傷を受け易い物が配置されるときにも、レーザ光により損傷を受けることがない。従って、スクライブ工程で、レーザ光により損傷を受けない第2基板を備えた電気光学装置を有する電子機器とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明を具体化した実施例について図面に従って説明する。
尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
【0030】
(第1の実施形態)
本実施形態では、液滴吐出法によって遮光膜を形成し、レーザスクライブ法によってスクライブして分断する場合の例を説明する。ここで、本発明の特徴的な製造方法について説明する前に、液晶表示装置、レーザ照射装置、液滴吐出装置について順次説明する。
【0031】
(液晶表示装置)
まず、液晶表示装置について説明する。図1は、液晶表示装置の模式平面図であり、図2は、図1の液晶表示装置のA−A’線に沿う模式断面図である。
【0032】
図1及び図2において、本実施形態の電気光学装置としての液晶表示装置1は、対をなす基板としてのTFTアレイ基板2と基板としての対向基板3とが熱硬化性の封止材であるシール4によって貼り合わされ、このシール4によって区画される領域内に封入された液晶5からなる液晶層を備えている。シール4は、基板面内の領域において閉ざされた枠形状に形成されている。
【0033】
シール4の内側で対向基板3の液晶5側の面には、遮光性材料で配線を隠すための周辺見切り6が形成されている。シール4の外側の場所には、データ線駆動回路7及び実装端子8がTFTアレイ基板2の辺2a(図1中下側の辺)に沿って形成されており、この辺2aに隣接する辺2b及び辺2c(図1中左右の辺)に沿って走査線駆動回路9が形成されている。データ線駆動回路7、実装端子8及び走査線駆動回路9はアルミニウムを素材とする配線10aにより電気的に接続されている。TFTアレイ基板2の残る辺2d(図1中上側の辺)には、2つの走査線駆動回路9の間を接続するための配線10bが設けられている。また、対向基板3のコーナー部の4箇所においては、TFTアレイ基板2と対向基板3との間で電気的導通をとるための基板間導通材11が配設されている。
【0034】
また、液晶表示装置1はカラー表示用として構成しており、対向基板3において、赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタ12R,12G,12Bが保護膜とともに形成されている。カラーフィルタ12R,12G,12Bの各フィルタ素子の間には、遮光膜13が形成されており、カラーフィルタ12R,12G,12Bを通過しない光は遮光膜13が遮断するようになっている。さらに、カラーフィルタ12R,12G,12Bの保護膜のTFTアレイ基板2側には対向電極14と配向膜15とが配置されている。
【0035】
液晶は、該液晶を挟持する電極に電圧を印加すると液晶分子の液晶の傾き角度が変化する性質を持っており、TFTのスイッチング動作により、液晶にかける電圧をコントロールして液晶の傾き角度を制御し、画素毎に光を透過させたり遮ったりする動作を行う。それにより、透過した光は、画素毎に相対して設置される赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色フィルタを有するカラーフィルタを透過することで、画素毎に対応する各色フィルタの色を色光として透過する。なお、光が液晶により遮られた画素に対応する色フィルタには当然光は入射しないため、黒色となる。このようにTFTのスイッチング動作により、液晶をシャッタとして動作させることにより、画素毎に光の透過をコントロールし、画素を明滅させることにより、カラー映像を表示させることができる。
【0036】
このような構造を有する液晶表示装置1の画像を表示する領域には、複数の画素がm行n列のマトリクス状に構成されているとともに、これらの画素の各々には、画素信号をスイッチングするTFT(スイッチング素子)がTFTアレイ基板2に形成されている。画素信号を供給するデータ線(ソース配線)がTFTのソース電極に電気的に接続され、走査信号を供給する走査線(ゲート配線)がTFTのゲート電極に電気的に接続され、TFTのドレイン電極に画素電極16が電気的に接続されている。画素電極16はカラーフィルタ12R,12G,12Bの各フィルタ素子と対向する場所に形成されている。走査線が接続されるTFTのゲート電極には、所定のタイミングで、走査線からパルス信号の走査信号が供給される。
【0037】
画素電極16は、TFTのドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFTを一定期間だけオン状態とすることにより、データ線から供給される画素信号が各画素の画素電極16に所定のタイミングで供給される。このようにして画素電極16に供給された所定レベルの画素信号の電圧レベルは、図2に示す対向基板3の対向電極14との間で保持され、画素信号の電圧レベルに応じて、液晶5の光透過量が変化する。液晶表示装置1はカラーフィルタを備えており、カラーフィルタ12R,12G,12Bを透過する光を液晶5からなる液晶層を挟持する電極に印加する画像信号により制御することで、液晶表示装置1はカラー画像を表示することができる。
【0038】
画素電極16の対向基板3側には配向膜17が配置されている。配向膜15と配向膜17とにはその表面に溝状の凹凸が形成されており、配向膜15と配向膜17との間に充填された液晶5は、溝状の凹凸に沿って配列して形成される。
【0039】
TFTアレイ基板2及び対向基板3において、液晶5と反対側の面には、偏光シート18,19が配置され、偏光シート18,19及び液晶5の作用により、液晶表示装置1を透過する光透過量が変化するようになっている。
【0040】
(レーザ照射装置)
次にレーザ照射装置について説明する。図3は、レーザ照射装置の構成を示す概略図である。
図3に示すように、レーザ照射装置21は、レーザ光を出射するレーザ光源22と、出射されたレーザ光をワークに照射する光学経路部23と、光学経路部23に対してワークを相対的に移動させるテーブル部24と、動作を制御する制御装置25を主として構成されている。
【0041】
レーザ光源22は、出射するレーザ光を加工対象物の内部に集光して多光子吸収による改質部を形成できる光源であれば良い。例えば、レーザ光源22は、本実施形態において、LD励起Nd:YAG(Nd:Y3Al512)のレーザ媒質からなり、第3高調波(波長:355nm)のQスイッチパルス発振のレーザ光を出射する発光条件を採用している。パルス幅はおよそ14ns(ナノ秒)、パルス周期は10kHz、出力はおよそ60μJ/パルスのレーザ光を出射する発光条件を採用している。
【0042】
光学経路部23はダイクロイックミラー26を備えている。ダイクロイックミラー26は、レーザ光源22から照射されるレーザ光の光軸27上に配置されている。ダイクロイックミラー26はレーザ光源22から照射されるレーザ光を反射して、光軸27の進行方向を変更する。ダイクロイックミラー26に反射したレーザ光が通過する光軸27上に集光レンズ28が配置されている。テーブル部24にはワーク29が配置され、集光レンズ28を通過したレーザ光がワーク29に照射されるようになっている。
【0043】
集光レンズ28はレンズ支持部30により、レンズ移動機構31に支持されている。レンズ移動機構31は、図示しない直動機構を有し、集光レンズ28を光軸27方向に移動させて、集光レンズ28を通過したレーザ光が集光する位置を移動可能としている。
直動機構は、例えばZ方向に延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを供えたネジ式直動機構であって、その駆動軸が所定のパルス信号を受けて所定のステップ単位で正逆転する図示しないZ軸モータに連結されている。そして、所定のステップ数に相当する駆動信号がZ軸モータに入力されると、Z軸モータが正転又は反転して、レンズ移動機構31が同ステップ数に相当する分だけ、光軸27方向に沿って往動又は復動するようになっている。
【0044】
集光レンズ28とダイクロイックミラー26とを通過する光軸27の延長線上にあって、ダイクロイックミラー26に対して集光レンズ28と反対側には、撮像装置32を備えている。撮像装置32は、例えば、図示しない同軸落射型光源とCCD(Charge Coupled Device)が組み込まれたものである。同軸落射型光源から出射した可視光は、集光レンズ28を透過してワーク29を照射する。撮像装置32は、集光レンズ28とダイクロイックミラー26とを通してワーク29を撮像することが可能となっている。
【0045】
テーブル部24は、基台35を備えている。基台35の光学経路部23側には、レール36が凸設して配置されており、レール36上にはX軸スライド37が配置されている。X軸スライド37は、図示しない直動機構を備え、レール36上のX方向に移動可能となっている。直動機構は、レンズ移動機構31が備える直動機構と同様な機構であり、所定のステップ数に相当する駆動信号に対応してX軸スライド37が同ステップ数に相当する分だけ、X方向に沿って往動又は復動するようになっている。
【0046】
X軸スライド37の光学経路部23側にはレール38が凸設して配置されており、レール38上にはY軸スライド39が配置されている。Y軸スライド39は、X軸スライド37と同様な直動機構を備え、レール38上をY方向に移動可能となっている。
【0047】
Y軸スライド39の光学経路部23側には、ステージ40が配置され、ステージ40の上面には図示しない吸引式のチャック機構が設けられている。そして、ワーク29を載置すると、チャック機構によって、ワーク29がステージ40の上面における所定の位置に位置決めされて固定されるようになっている。
【0048】
制御装置25は、メインコンピュータ44を備えている。メインコンピュータ44は内部に図示しないCPU(Central Processing Unit)やメモリーを備えている。CPUはメモリー内に記憶されたプログラムソフトに従って、レーザ照射装置21の動作を制御するものである。
メインコンピュータ44は、図示しない入出力インターフェースを備え、入力装置45、表示装置46、レーザ制御装置47、レンズ制御装置48、画像処理装置49、ステージ制御装置50と接続されている。
【0049】
入力装置45は、レーザ加工の際に用いられる各種加工条件のデータを入力する装置であり、表示装置46はレーザ加工時の各種情報を表示する装置である。CPUは、入力される各種加工条件とプログラムソフトとに従って、レーザ加工を行い。加工状況を表示装置46に表示する。操作者が表示装置46に表示される各種情報を見て、レーザ加工状況を確認して操作するようになっている。
【0050】
レーザ制御装置47は、レーザ光源22を駆動するパルス信号のパルス幅、パルス周期、出力の開始と停止、等を制御する装置であり、メインコンピュータ44の制御信号により制御される。
レンズ制御装置48は、レンズ移動機構31の移動、停止を制御する装置である。レンズ移動機構31には、移動距離を検出可能な図示しない位置センサが内蔵されており、レンズ制御装置48は、この位置センサの出力を検出することにより、集光レンズ28の光軸27方向の位置を認識する。レンズ制御装置48は、レンズ移動機構31にパルス信号を送信し、レンズ移動機構31を所望の位置に移動することができるようになっている。
【0051】
画像処理装置49は、撮像装置32から出力される画像データを演算する機能を備えている。ステージ40にワーク29を配置し、撮像装置32で撮像した画像を観察するとき、レンズ移動機構31を操作して、集光レンズ28とワーク29との間の距離を変えることにより画像が鮮明になるときとぼやけるときが存在する。集光レンズ28を移動して、ワーク29のステージ40側の面に焦点が合うときと、ワーク29の光学経路部23側の面に焦点が合うときに、撮像される画像が鮮明になる。一方、焦点が合っていないとき、撮像される画像は、ぼやけた画像となる。
【0052】
集光レンズ28を光軸27の方向(図中上下方向)に移動して、撮像装置32が撮像するワーク29の画像が鮮明になるときの集光レンズ28の位置を、内蔵する位置センサで検出することにより、ワーク29の厚みを測定することが可能となる。
【0053】
撮像装置32で撮像するときに焦点が合う合焦点位置と、レーザ光を照射したときに、集光レンズ28により集光される集光位置との差の距離を計測することで、合焦点位置と集光位置の差の距離であるオフセット距離を知ることができる。例えば、透明な2枚の基板を重ねた物をワーク29としてステージ40に設置し、2枚の基板の接触部に撮像装置32の焦点が合うように集光レンズ28を移動する。次に、レーザ光を照射して改質部を形成する。2枚の基板の接触部と改質部との距離を計測することでオフセット距離を設定することができる。
【0054】
集光レンズ28を光軸27方向(図中上下方向)に移動して、ワーク29の光学経路部23側の面に撮像装置32の焦点を合わせる。レーザ光を照射したい位置とオフセット距離とで集光レンズ28の移動距離を演算し、演算した移動距離に対応する距離分、集光レンズ28を移動させる。この方法でワーク29における所定の深さにレーザ光を集光することが可能となる。
【0055】
ステージ制御装置50は、X軸スライド37とY軸スライド39との位置情報の取得と移動制御を行う。X軸スライド37とY軸スライド39とには図示しない位置センサが内蔵されており、ステージ制御装置50は位置センサの出力を検出することにより、X軸スライド37とY軸スライド39との位置を検出する。ステージ制御装置50は、X軸スライド37とY軸スライド39との位置情報を取得し、メインコンピュータ44から指示される位置情報とを比較し、差に相当する距離に対応して、X軸スライド37とY軸スライド39とを駆動して移動する。ステージ制御装置50はX軸スライド37とY軸スライド39とを駆動して、所望の位置にワーク29を移動することが可能となっている。
【0056】
レーザ制御装置47がレーザ光源22を制御しレーザ光を発光させる。画像処理装置49がワーク29の光学経路部23側の面に対する光軸27方向(図中上下方向)の位置を検出する。レンズ制御装置48がレーザ光を集光する集光レンズ28の光軸27方向(図中上下方向)の位置を制御する。ステージ制御装置50がワーク29をXY方向に移動して、ワーク29にレーザ光が照射される位置を制御する。上述した制御を行い所望の位置にレーザ光を集光して照射することが可能となっている。
【0057】
ここで、多光子吸収による改質部の形成について説明する。集光レンズ28によって集光されたレーザ光は、ワーク29に入射する。そして、ワーク29がレーザ光を透過する材料であっても、材料の吸収バンドギャップよりも光子のエネルギーが非常に大きいとき、ワーク29は光子エネルギーを吸収する。これを多光子吸収と呼び、レーザ光のパルス幅を極めて短くすることでエネルギーを高めて、多光子吸収をワーク29の内部に起こさせると、多光子吸収のエネルギーが熱エネルギーに転化せずに、永続的な構造変化が誘起された領域が形成される。
【0058】
本実施形態では、この構造変化領域を改質部と呼ぶ。改質部のうち、大きく構造変化した結果、クラックが形成された領域をクラック部と呼ぶ。尚、材料の種類によっては、例えば石英ガラスなどの場合には、クラック部は、空洞状のクラックが形成される場合もある。
【0059】
このような改質部を形成するためのレーザ光の照射条件は、加工対象物ごとにレーザ光の出力やパルス幅、パルス周期、レーザスキャン速度等の設定が必要になる。特に、レーザ光源22が照射するレーザ光の出力は、ダイクロイックミラー26や集光レンズ28のような光軸27上に配置される透過性物質による吸収で減衰することを考慮する必要がある。従って、実際の加工対象物を用いた予備試験を実施して、最適な照射条件を導くことが望ましい。
【0060】
(液滴吐出装置)
次に、液晶表示装置1の製造において、遮光膜を液滴吐出法にて形成する液滴吐出装置55について図4及び図5に従って説明する。図4は、液滴吐出装置の概略斜視図である。図5は、そのヘッド部の要部模式断面図である。
液滴吐出装置に関しては様々な種類の装置があるが、インクジェット法を用いた装置が好ましい。インクジェット法は微小液滴の吐出が可能であるため、微細加工に適している。本実施形態においては、例えば、インクジェット法を採用している。
【0061】
図4は、液滴吐出装置55の構成を示す斜視図である。液滴吐出装置55により、遮光膜の液状材料が吐出され塗布される。
図4に示すように、液滴吐出装置55には、直方体形状に形成される基台56が備えられている。本実施形態では、この基台56の長手方向をY方向とし、同Y方向と直交する方向をX方向とする。
【0062】
基台56の上面56aには、Y方向に延びる一対の案内レール57a,57bが同Y方向全幅にわたり凸設されている。その基台56の上側には、一対の案内レール57a,57bに対応する図示しない直動機構を備えた走査手段を構成するステージ58が取付けられている。そのステージ58の直動機構は、例えば案内レール57a,57bに沿ってY方向に延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを備えたネジ式直動機構であって、その駆動軸が、所定のパルス信号を受けてステップ単位で正逆転するY軸モータ(図示しない)に連結されている。そして、所定のステップ数に相対する駆動信号がY軸モータに入力されると、Y軸モータが正転又は逆転して、ステージ58が同ステップ数に相当する分だけ、Y軸方向に沿って所定の速度で往動又は、復動する(Y方向に走査する)ようになっている。
【0063】
さらに、基台56の上面56aには、案内レール57a,57bと平行に主走査位置検出器59が配置され、ステージ58の位置が計測できるようになっている。
【0064】
そのステージ58の上面には、載置面60が形成され、その載置面60には、図示しない吸引式の基板チャック機構が設けられている。そして、載置面60に対向基板3を載置すると、基板チャック機構によって、その対向基板3が載置面60の所定位置に位置決め固定されるようになっている。
【0065】
基台56においてX方向の両側の側面には、一対の支持台61a,61bが立設され、その一対の支持台61a,61bには、X方向に延びる案内部材62が架設されている。案内部材62は、その長手方向の幅がステージ58のX方向よりも長く形成され、その一端が支持台61a側に張り出すように配置されている。
【0066】
案内部材62の上側には、吐出する液体を供給可能に収容する収容タンク63が配設されている。一方、その案内部材62の下側には、X方向に延びる案内レール64がX方向全幅にわたり凸設されている。
【0067】
案内レール64に沿って移動可能に配置されるキャリッジ65は、略直方体形状に形成されている。そのキャリッジ65の直動機構は、例えば案内レール64に沿ってX方向に延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナットを備えたネジ式直動機構であって、その駆動軸が、所定のパルス信号を受けてステップ単位で正逆転するX軸モータ(図示しない)に連結されている。そして、所定のステップ数に相当する駆動信号をX軸モータに入力すると、X軸モータが正転又は逆転して、キャリッジ65が同ステップ数に相当する分だけX方向に沿って往動又は復動する(X方向に走査する)。案内部材62とキャリッジ65との間には、副走査位置検出装置66が配置され、キャリッジ65の位置が計測できるようになっている。
【0068】
キャリッジ65の下面(ステージ58側の面:ヘッド配設面65a)には、液滴吐出ヘッド67がX方向に凸設されている。
【0069】
図5は、液滴吐出ヘッドの構造を説明するための要部模式断面図である。
図5に示すように、液滴吐出ヘッド67はノズルプレートP1を備えている。ノズルプレートP1には、ノズルN1が配列して形成されている。ノズルプレートP1の上側であってノズルN1と相対する位置には、キャビティ68が形成されている。そして、液滴吐出ヘッド67のキャビティ68には、図4に示す収容タンク63に貯留されている遮光膜の材料液69が供給される。
【0070】
キャビティ68の上側には、上下方向に振動して、キャビティ68内の容積を拡大縮小する振動板70と、上下方向に伸縮して振動板70を振動させる圧電素子71が配設されている。圧電素子71が上下方向に伸縮して振動板70を振動し、振動板70がキャビティ68内の容積を拡大縮小する。それにより、キャビティ68内に供給された遮光膜の材料液69はノズルN1を通って吐出される。つまり、液滴吐出ヘッド67は、遮光膜の材料液69を微小液滴72にして吐出する。
【0071】
図4に示す液滴吐出装置55は、図示しないコンピュータにより制御されている。コンピュータは、ステージ58、キャリッジ65及び、液滴吐出ヘッド67を制御し、所望の場所に微小液滴72を吐出して塗布するようになっている。
【0072】
(液晶表示装置の製造方法)
次に、上述した液晶表示装置33における基板の分断方法について図6〜図15にて説明する。図6は、基板の分断方法のフローチャートであり、図7〜15は基板の分断方法を説明する図である。
【0073】
図6のフローチャートにおいて、ステップS1は遮光膜形成工程に相当し、対向マザー基板に遮光膜を形成する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は接合工程に相当し、TFTアレイマザー基板と対向マザー基板とを接合する工程である。次にステップS3に移行する。ステップS3は対向マザー基板の第1スクライブ工程に相当し、対向マザー基板の一方向にスクライブする工程である。次にステップS4に移行する。ステップS4は対向マザー基板の第2スクライブ工程に相当し、対向マザー基板において、ステップS3でスクライブした方向と直交する方向にスクライブする工程である。次にステップS5に移行する。
【0074】
ステップS5はTFTアレイマザー基板の第1スクライブ工程に相当し、TFTアレイマザー基板の一方向にスクライブする工程である。次にステップS6に移行する。ステップS6はTFTアレイマザー基板の第2スクライブ工程に相当し、TFTアレイマザー基板において、ステップS5でスクライブした方向と直交する方向にスクライブする工程である。次にステップS7に移行する。ステップS7は対向マザー基板の分断工程に相当し、対向マザー基板を分断する工程である。次にステップS8に移行する。ステップS8はTFTアレイマザー基板の分断工程に相当し、TFTアレイマザー基板を分断する工程である。以上の工程により、液晶表示装置1が形成される。
【0075】
次に、図7〜図15を用いて、図6に示したステップと対応させて、製造方法を詳細に説明する。図7(a)は、対向基板が区画形成されたマザー基板である対向マザー基板を示す模式図である。図7(b)は、図7(a)のB−B’線に沿った模式断面図である。
【0076】
図7(a)及び図7(b)に示すように、第1の基板としての対向マザー基板75は円板状に形成されている基板76の第1の面76aに周辺見切り6、カラーフィルタ12、遮光膜13が形成されている。さらに、周辺見切り6、カラーフィルタ12、遮光膜13の表面には、光透過性及び通電性のある対向電極14が形成されている。対向電極14の表面には、配向膜15が形成され、表面に凹凸を形成する配向処理が施されている。基板76は、光透過性のある材質であれば良く、例えば、本実施形態では石英ガラスを採用している。
【0077】
図1に示す液晶表示装置1を形成する為に対向マザー基板75を分断する予定の面をそれぞれ、H対向切断面77、V対向切断面78と表記する。H対向切断面77は、一点鎖線で示した対向マザー基板75の切断面であり、図7(a)のX軸方向に延在する切断面である。V対向切断面78は、一点鎖線で示した対向マザー基板75の切断面であり、図7(a)のY軸方向に延在する切断面である。図7(a)に示した、77a,77b,77c,77d,77eは、それぞれH対向切断面77であり、78a,78b,78cは、それぞれV対向切断面である。
【0078】
図8(a)及び図8(b)はステップS1に対応する図である。このステップでは、図4に示す液滴吐出装置55が用いられる。図8(a)に示すように、対向マザー基板75の基板76に液滴吐出ヘッド67から、遮光膜の材料液69を液滴79にして吐出し、第1の面76aに塗布して、液状膜80を形成する。遮光膜の材料は、溶媒で希釈して液滴吐出ヘッド67から吐出でき、レーザ光を遮光できる程度の遮光性の膜が形成できる材料であれば良く。有機材料に遮光性のある顔料又は染料を加えた物を用いることができる。例えば、本実施形態においては、ポリイミドに黒色の顔料を加え、溶媒で濃度を調整したものを採用している。
【0079】
図8(b)に示すように、液状膜80は、H対向切断面77及びV対向切断面78の切断面に沿って形成される。液状膜80を形成した後、対向マザー基板75を加熱乾燥する。液状膜80は乾燥され、固化して遮光膜81となる。
【0080】
図9〜図11はステップS2に対応する図である。図9(a)は、TFTアレイ基板が区画形成されたマザー基板であるTFTアレイマザー基板を示す模式図である。図9(b)は、図9(a)のC−C’線に沿った模式断面図である。
【0081】
図9(a)及び図9(b)に示すように、第2の基板としてのTFTアレイマザー基板82は円板状に形成されている基板83の第2の面83aに画素電極16が形成され、画素電極16の表面には配向膜17が配置されている。配向膜17には配向処理が施されている。基板83には図示しないトランジスタ素子が形成され、各画素電極16とデータ線駆動回路7及び走査線駆動回路9と電気的に接続されている。基板83には、実装端子8が形成されており、データ線駆動回路7及び走査線駆動回路9と電気的に接続されている。
【0082】
図10(a)に示すように、基板83上にシール材84を枠形状に塗布する。シール材84を塗布する方法は、シール材84を所望の形状に塗布できれば良く、例えば、本実施形態においては、スクリーン印刷法を採用している。シール材84は、固化時に接着力が得られ、液晶37に接触して劣化しない材料であれば良く、例えば、本実施形態においては、熱硬化性のエポキシ樹脂を採用している。
【0083】
図10(b)に示すように、枠形状にシール材84を塗布した後、シール材84の内側にディスペンサを用いて液晶5を塗布する。図示しない真空チャンバに基板83を配置して、真空チャンバ内を脱気して真空にする。
図10(c)に示すように、真空中で、対向マザー基板75とTFTアレイマザー基板82との相対位置を合わせて押圧する。TFTアレイマザー基板82に対向マザー基板75を押圧した後、真空チャンバ内に空気を流入する。大気圧によりTFTアレイマザー基板82に対向マザー基板75とが加圧される。
【0084】
対向マザー基板75とTFTアレイマザー基板82との相対位置を保持した状態で加熱し、シール材84を固化してシール4を形成する。
図11(a)及び図11(b)に示すように、その結果、対向マザー基板75とTFTアレイマザー基板82とがシール4を介して接合されたマザー基板85が完成し、ステップS2が終了する。
【0085】
図11(a)は、マザー基板を示す模式図であり、図11(b)は、図11(a)のD−D’線に沿った模式断面図である。ステップS2が終了したときのマザー基板85を示している。
【0086】
図1に示す液晶表示装置1を形成する為にTFTアレイマザー基板82を分断する予定の面をそれぞれ、H素子切断面86、V素子切断面87と表記する。H素子切断面86は、一点鎖線で示したTFTアレイマザー基板82の切断面であり、図11(a)のX軸方向に延在する切断面である。H素子切断面86は、H対向切断面77と対向する場所に位置し、図11(a)に示した、86a,86b,86cは、それぞれH素子切断面86である。
【0087】
V素子切断面87は、一点鎖線で示したTFTアレイマザー基板82の切断面であり、図11(a)のY軸方向に延在する切断面である。V素子切断面87は、V対向切断面78と対向する場所に位置し、図11(a)に示した、87a,87b,87cは、それぞれV素子切断面87である。
【0088】
ステップS3〜ステップS6において、マザー基板85は、図3に示すレーザ照射装置21を用いてスクライブされる。
図12(a)〜12(b)はステップS3に対応する図である。図12(a)に示すように、マザー基板85の基板76の内部に、集光レンズ28でレーザ光88を集光して照射する。レーザ光88が集光して照射される場所には、改質部89が形成され、改質部89の中央にはクラック部90が形成される。集光レンズ28と基板76とを相対的に移動してレーザ光88を照射し、改質部89を配列して形成する。まず、基板76において、TFTアレイマザー基板82側の面の近くに改質部89を配列して1段目89aを、基板76のV対向切断面78に沿って形成する。続いて、1段目と隣接する場所に改質部89を配列して2段目89bを形成する。3段目以降についても、同様の方法で、改質部89を配列して形成する。
【0089】
基板76のV対向切断面78において、TFTアレイマザー基板82側の面には、遮光膜81が塗布されていることから、レーザ光88は遮光膜81に遮光される為、レーザ光88は基板76を通過しない。
【0090】
図12(b)に示すように、その結果、基板76のV対向切断面78総てに改質部89が配列して形成され、改質部89の中央にはクラック部90が形成される。
【0091】
図12(c)〜12(d)はステップS4に対応する図である。図12(c)に示すように、マザー基板85の基板76の内部に、集光レンズ28でレーザ光88を集光して照射する。レーザ光88が集光して照射される場所には、改質部89が形成され、改質部89の中央にはクラック部90が形成される。ステップS3と同様に、集光レンズ28と基板76とを相対移動して、レーザ光88を照射し、改質部89が、基板76のH対向切断面77に沿って配列して形成される。
【0092】
基板76のH対向切断面77においても、TFTアレイマザー基板82側の面には、遮光膜81が塗布されていることから、レーザ光88は遮光膜81に遮光される為、レーザ光88は基板76を通過しない。
【0093】
図12(d)に示すように、その結果、基板76のH対向切断面77総てに改質部89が配列して形成され、改質部89の中央にはクラック部90が形成される。
【0094】
図13(a)〜13(b)はステップS5に対応する図である。図13(a)に示すように、マザー基板85の基板83の内部に、集光レンズ28でレーザ光88を集光して照射する。レーザ光88が集光して照射される場所には、改質部89が形成され、改質部89の中央にはクラック部90が形成される。ステップS3と同様に、集光レンズ28と基板83とを相対移動して、レーザ光88を照射し、改質部89が、基板83のV素子切断面87に沿って配列して形成される。
【0095】
図13(b)に示すように、その結果、基板83のV素子切断面87総てに改質部89が配列して形成され、改質部89の中央にはクラック部90が形成される。
【0096】
図13(c)〜13(d)はステップS6に対応する図である。図13(c)に示すように、マザー基板85の基板83の内部に、集光レンズ28でレーザ光88を集光して照射する。レーザ光88が集光して照射される場所には、改質部89が形成され、改質部89の中央にはクラック部90が形成される。ステップS3と同様に、集光レンズ28と基板83とを相対移動して、レーザ光88を照射し、改質部89が、基板83のH素子切断面86に沿って配列して形成される。
【0097】
図13(d)に示すように、その結果、基板83のH素子切断面86総てに改質部89が配列して形成され、改質部89の中央にはクラック部90が形成される。ステップS3〜ステップS6の工程により、H対向切断面77、V対向切断面78、H素子切断面86、V素子切断面87の総ての面に沿って改質部89が配列して形成される。
【0098】
図14(a)〜14(d)はステップS7に対応する図である。図14(a)に示すように、続いて、マザー基板85を弾性材からなる台91の上に配置する。マザー基板85の対向マザー基板75が台91と接する様に配置し、TFTアレイマザー基板82において、V対向切断面78に配列して形成されているクラック部90と対向する場所を、加圧部材92を用いて押圧する。対向マザー基板75は台91に沈み込み、クラック部90に張力が作用する。対向マザー基板75は、台91と接する面に近いクラック部90を起点として破断が進行し、分断する。
図14(b)に示すように、その結果、対向マザー基板75は、V対向切断面78で分断される。
【0099】
図14(c)に示すように、続いて、TFTアレイマザー基板82において、H対向切断面77に配列して形成されているクラック部90と対向する場所を、加圧部材92を用いて押圧する。対向マザー基板75は台91に沈み込み、クラック部90に張力が作用する。対向マザー基板75は、台91と接する面に近いクラック部90を起点として破断が進行し、分断する。
【0100】
図14(d)に示すように、その結果、対向マザー基板75は、H対向切断面77で分断され、いくつかの対向基板片76bに分割される。
【0101】
図15(a)〜15(d)はステップS8に対応する図である。図15(a)に示すように、続いて、マザー基板85のTFTアレイマザー基板82が台91と接する様に配置する。対向マザー基板75において、V素子切断面87に配列して形成されているクラック部90と対向する場所を、加圧部材92を用いて押圧する。TFTアレイマザー基板82は台91に沈み込み、クラック部90に張力が作用する。TFTアレイマザー基板82は、台91と接する面に近いクラック部90を起点として破断が進行し、分断する。
図15(b)に示すように、その結果、TFTアレイマザー基板82は、V素子切断面87で分断される。
【0102】
図15(c)に示すように、続いて、対向マザー基板75において、H素子切断面86に配列して形成されているクラック部90と対向する場所を、加圧部材92を用いて押圧する。TFTアレイマザー基板82は台91に沈み込み、クラック部90に張力が作用する。TFTアレイマザー基板82は、台91と接する面に近いクラック部90を起点として破断が進行し、分断する。
【0103】
図15(d)に示すように、その結果、TFTアレイマザー基板82は、H素子切断面86で分断され、いくつかのTFTアレイ基板片83bに分割される。以上の工程により、マザー基板85が分割されて、図1に示す液晶表示装置1の形状に形成され、図2に示す偏光シート18,19を接着して液晶表示装置1が完成する。
【0104】
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、ステップS1の遮光膜形成工程において、遮光膜81が形成されている。対向マザー基板75において、TFTアレイマザー基板82板と対向する面のH対向切断面77とV対向切断面78との面において、遮光膜81が形成されている。
【0105】
ステップS3及びステップS4では、対向マザー基板75にレーザ光88を照射して、基板76の内部に改質部89を配列して形成する。このとき、基板76を通過するレーザ光88は、遮光膜81に遮られる為、レーザ光88がTFTアレイマザー基板82を照射する事が無い。TFTアレイマザー基板82に形成されているデータ線駆動回路7、実装端子8、走査線駆動回路9、配線10等は、レーザ光88を照射されることにより損傷を受けることがない。従って、TFTアレイマザー基板82に形成されているデータ線駆動回路7、実装端子8、走査線駆動回路9、配線10等に損傷を与えずに、対向マザー基板75をスクライブして分断することができる。
【0106】
(2)本実施形態によれば、遮光膜81は有機材料を主材料としている。有機材料に色素材料を加えて、特定の波長の光を吸収する遮光膜81を形成している。有機材料は、溶媒を加えて粘性を調節し、塗布性を良くすることができることから、生産性良く遮光膜81を形成することができる。
【0107】
(3)本実施形態によれば、液滴吐出装置55を用いて遮光膜の材料液69を塗布し、乾燥して固化し、遮光膜81が形成される。液滴吐出装置55は、遮光膜81を形成する場所に限定して遮光膜81の材料を塗布する。対向マザー基板75の全面に遮光膜の材料液69を塗布して、不要な部分を除去する方法に比べて、遮光膜81の材料を消費する量が少なくする事ができる。その結果、省資源な方法で遮光膜を形成することができる。
【0108】
(4)本実施形態によれば、対向マザー基板75において、TFTアレイマザー基板82側の面に遮光膜81が形成される。ステップS3及び、ステップS4で形成される改質部89は基板76の内部に形成されることから、遮光膜81が形成される面は、TFTアレイマザー基板82より、改質部89が形成される場所に近い場所にある。改質部89を形成するときにレーザ光88を集光する集光レンズ28は開口数の大きいレンズが用いられる為、レーザ光88を集光する場所から離れる程、レーザ光88は広がる。レーザ光88を集光する場所に近い場所に遮光膜81を配置するとき、レーザ光88が広がる前に遮光することから、遮光膜81は狭い面積で遮光できる。遮光膜81が形成されている面は、レーザ光88を集光する場所に近いことから、対向マザー基板75に遮光膜を形成する方が、TFTアレイマザー基板82の面に遮光膜を形成するときに比べて、狭い面積で遮光できる。
【0109】
(5)本実施形態によれば、液晶表示装置1は、対向マザー基板75にレーザ光88を照射するとき、レーザ光88が遮光膜81により遮光されている。従って、TFTアレイマザー基板82は、レーザ光88により損傷されることがない。その結果、この液晶表示装置1は、レーザ光88により損傷されてないTFTアレイマザー基板82を備えた液晶表示装置1とすることができる。
【0110】
(6)本実施形態によれば、液晶表示装置1は、実装端子8がレーザ光88により照射されない。従って、実装端子8がレーザ光88により照射されて、大気の酸素により酸化され、酸化膜が形成されることを防止できる。実装端子8に酸化膜が形成される場合、実装端子8と外部配線とを接合するときに、酸化膜が接合を妨げる可能性がある。実装端子8に酸化膜が形成されることを防止できることから、品質良く外部配線と接合することができる。
【0111】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した液晶表示装置の製造方法の一実施形態について図16〜図19を用いて説明する。図16は、基板の分断方法のフローチャートであり、図17〜図19は基板の分断方法を説明する図である。
この実施形態が第1の実施形態と異なるところは、図8に示した遮光膜81を対向マザー基板75ではなく、TFTアレイマザー基板82に形成する点にある。
【0112】
すなわち、本実施形態では、図16に示すフローチャートにおいて、ステップS11の遮光膜形成工程で、TFTアレイマザー基板82に遮光膜81を形成する。対向マザー基板75には、遮光膜81を形成しない。ステップS12〜ステップS18は、第1の実施形態のステップS2〜ステップS8と略同じ工程であり、同じ工程については、説明を省略する。ステップS18の次にステップS19に移行する。ステップS19は遮光膜の除去工程に相当し、TFTアレイマザー基板82に形成してある遮光膜81を除去する工程である。
【0113】
次に、図17〜図19を用いて、図16に示したステップと対応させて、製造方法を詳細に説明する。図17(a)は、TFTアレイが区画形成されたマザー基板であるTFTアレイマザー基板を示す模式図である。図17(b)は、図17(a)のE−E’線に沿った模式断面図である。
【0114】
図17(a)及び17(b)はステップS11に対応する図である。図17(a)及び図17(b)に示すように、第1の実施形態と同様に、第2の基板としてのTFTアレイマザー基板82は円板状に形成されている基板83に画素電極16が形成され、画素電極16の表面には配向膜17が配置されている。配向膜17には配向処理が施されている。基板83には図示しないトランジスタ素子が形成され、各画素電極16とデータ線駆動回路7及び走査線駆動回路9と電気的に接続されている。基板83には、実装端子8が形成されており、データ線駆動回路7及び走査線駆動回路9と電気的に接続されている。
【0115】
TFTアレイマザー基板82の基板83に液滴吐出ヘッド67から、遮光膜の材料液69を液滴79にして、吐出し、塗布して液状膜80を形成する。液状膜80は、基板83に形成されているデータ線駆動回路7、実装端子8、走査線駆動回路9、配線10等を覆う様に形成される。液状膜80を形成した後、TFTアレイマザー基板82を加熱乾燥する。液状膜80は乾燥され、固化して遮光膜81となる。ステップS12については、第1の実施形態と略同様であり、説明を省略する。
【0116】
図18(a)及び図18(b)は、ステップS13に対応する図であり、第1の実施形態における図12(a)及び図12(b)に対応する図である。
図18(a)に示すように、マザー基板85の基板76の内部に、集光レンズ28でレーザ光88を集光して照射する。レーザ光88が集光して照射される場所には、改質部89が形成され、改質部89の中央にはクラック部90が形成される。集光レンズ28と基板76とを相対的に移動してレーザ光88を照射し、改質部89を配列して形成する。
【0117】
TFTアレイマザー基板82において、V対向切断面78と対向する場所には、遮光膜81が塗布されていることから、レーザ光88は遮光膜81に遮光される為、レーザ光88は基板83に形成されている走査線駆動回路9、配線10等を照射しない。従って、走査線駆動回路9、配線10等は、レーザ光88の照射により損傷を受けることがない。
図18(b)に示すように、その結果、基板76のV対向切断面78に沿って改質部89が配列して形成される。
【0118】
図18(c)及び図18(d)は、ステップS14に対応する図であり、第1の実施形態における図12(c)及び図12(d)に対応する図である。
図18(c)に示すように、マザー基板85の基板76の内部に、集光レンズ28でレーザ光88を集光して照射する。レーザ光88が集光して照射される場所には、改質部89が形成され、改質部89の中央にはクラック部90が形成される。集光レンズ28と基板76とを相対的に移動してレーザ光88を照射し、改質部89を配列して形成する。
【0119】
TFTアレイマザー基板82において、H対向切断面77と対向する場所には、遮光膜81が塗布されていることから、レーザ光88は遮光膜81に遮光される為、レーザ光88は基板83に形成されているデータ線駆動回路7、実装端子8、配線10等を照射しない。従って、データ線駆動回路7、実装端子8、配線10等は、レーザ光88の照射により損傷を受けることがない。
図18(d)に示すように、その結果、基板76のH対向切断面77に沿って改質部89が配列して形成される。この後に続くステップS15〜ステップS17は、第1の実施形態と略同様であり、説明を省略する。
【0120】
図19(a)〜図19(d)は、ステップS18に対応する図であり、第1の実施形態における図15(a)〜図15(d)に対応する図である。
図19(a)に示すように、マザー基板85のTFTアレイマザー基板82が台91と接する様に配置する。対向マザー基板75において、V素子切断面87に配列して形成されているクラック部90と対向する場所を、加圧部材92を用いて押圧する。TFTアレイマザー基板82は台91に沈み込み、クラック部90に張力が作用する。TFTアレイマザー基板82は、台91と接する面に近いクラック部90を起点として破断が進行し、分断する。
【0121】
図19(b)に示すように、その結果、TFTアレイマザー基板82は、V素子切断面87で分断される。
【0122】
図19(c)に示すように、対向マザー基板75において、H素子切断面86に配列して形成されているクラック部90と対向する場所を、加圧部材92を用いて押圧する。TFTアレイマザー基板82は台91に沈み込み、クラック部90に張力が作用する。TFTアレイマザー基板82は、台91と接する面に近いクラック部90を起点として破断が進行し、分断する。
【0123】
図19(d)に示すように、その結果、TFTアレイマザー基板82は、H素子切断面86で分断され、いくつかのTFTアレイ基板片83bに分割される。以上の工程により、マザー基板85が分割されて、図1に示す液晶表示装置1の形状に形成される。
【0124】
続いて、ステップS19において、TFTアレイマザー基板82に形成されている遮光膜81を除去する。マザー基板85をアルカリ現像液に浸漬して、遮光膜81を除去する。アルカリ現像液としては、例えば、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、コリン、珪酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いることができる。本実施形態では、TMAHを採用している。遮光膜81を除去した後、純水にてリンスし、乾燥する。乾燥した後に、図2に示す偏光シート18,19を接着して液晶表示装置1が完成する。
【0125】
上述したように、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)、(2)、(3)、(6)に加え、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、TFTアレイマザー基板82において、対向マザー基板75と対向する面に遮光膜81が形成される。TFTアレイマザー基板82にデータ線駆動回路7、実装端子8、走査線駆動回路9、配線10等の、レーザ光を照射されて損傷を受ける物が配置されるとき、損傷を受ける物を覆う様に遮光膜81を配置することで、損傷を防ぐことができる。損傷を受け易い物を直接、遮光膜81で覆うことにより確実に、レーザ光88による損傷を防止できる。
【0126】
(2)本実施形態によれば、ステップS19の遮光膜除去工程において、遮光膜81が除去される。実装端子8を遮光膜81で覆った場合など、遮光膜81により実装端子8に外部の配線との接合が阻害されるとき、遮光膜81を除去することで、遮光膜81による不具合を解消することができる。
【0127】
(3)本実施形態によれば、ステップS19の遮光膜除去工程において、遮光膜81が除去される。遮光膜81を除去すると共に、付着しているゴミ、埃等を除去できることから、洗浄を兼ねることができる。
【0128】
(4)本実施形態によれば、ステップS11では、遮光したい部分にのみ、遮光膜81を形成している。従って、レーザ光88を照射したくない場所を遮光膜81で覆っている。その結果、確実にレーザ光88の照射を防ぐ事ができ、品質の良い製造方法となっている。
(第3の実施形態)
【0129】
次に、上記の第1及び第2の実施形態の液晶表示装置1を備えた電子機器について説明する。
図20は、パーソナルコンピュータに液晶表示装置を搭載した例を示す概略斜視図である。図20に示すように、電子機器としてのパーソナルコンピュータ95の本体は情報を表示する表示装置96を表示部に備えている。この表示装置96に、第1及び第2の実施形態により製造された液晶表示装置1が配置されている。パーソナルコンピュータ95に配置されている表示装置96は上記の実施形態により製造され、表示装置96における基板は、基板に配置されている素子等がレーザ光により損傷うけずにスクライブされて分断されている。従って、パーソナルコンピュータ95は、基板に配置されている素子等がレーザ光により損傷うけずにスクライブされて分断されている液晶表示装置1を、表示部に備えた電子機器となっている。
【0130】
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
【0131】
(変形例1)
前記第1及び、第2の実施形態では、対向マザー基板75とTFTアレイマザー基板82との2枚の基板を接合して実施しているが、基板を3枚以上接合して実施するときにも、同様の方法にて実施できる。そのとき、前記第1及び第2の実施形態と同様の効果が得られる。
【0132】
(変形例2)
前記第1の実施形態では、遮光膜の材料液69にポリイミドに黒色の顔料を加え、溶媒で濃度を調整したものを採用したが、有機材料に光を反射する金属粉などの材料を加えて形成しても良い。同様の効果が得られる。
【0133】
(変形例3)
前記第1の実施形態では、対向マザー基板75に遮光膜81を形成し、第2の実施形態では、TFTアレイマザー基板82に遮光膜81を形成したが、両方の基板に遮光膜81を形成してもよい。レーザ光88の遮光を確実にできることから、実装端子8や配線10a,10b等がレーザ光88により受ける損傷を、さらに受けにくくすることができる。
【0134】
(変形例4)
前記第1及び、第2の実施形態では、対向マザー基板75とTFTアレイマザー基板82に石英ガラスを用いたが、これに限らない。光透過性があり、液晶表示装置1を構成できる脆性材料であれば良く、例えば、石英ガラスの他に、ソーダ石灰ガラス、パイレックス(登録商標)等のホウ珪酸ガラス、OA−10(日本電気硝子社製)等の無アルカリガラス、ネオセラム(登録商標)等の耐熱結晶化ガラス、光学ガラス、水晶等を挙げることができる。
【0135】
(変形例5)
前記第1及び、第2の実施形態では、液晶表示装置1に本発明の基板の分断方法を用いたが、液晶表示装置1以外の電気光学装置にも用いることができる。基板を備えた電気光学装置として、例えば、プラズマディスプレイ、有機EL(ELECTROLUMINESCENCE)ディスプレイ、真空蛍光ディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等における基板の分断手段として好適に用いることができる。いずれの場合でも、基板に形成されている配線や端子がレーザ光による損傷を受けにくい基板を備えた電気光学装置を提供することができる。
【0136】
(変形例6)前記第3の実施形態で、液晶表示装置1をパーソナルコンピュータ95の表示装置96に用いたが、これに限定されない。例えば、電子ブック、携帯電話、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネル等の電子機器の画像表示手段として好適に用いることができる。いずれの場合でも、表示装置96に、レーザ光による損傷を受けにくい配線や端子が形成されている基板を有する液晶表示装置1を備えた電子機器を提供することができる。
【0137】
(変形例7)
前記第1及び、第2の実施形態では、レーザ光源22にYAGレーザを用いたが、フェムト秒レーザを用いても良い。出射するレーザ光を加工対象物の内部に集光して多光子吸収による改質部を形成できる光源であれば良い。例えば、チタンサファイアを固体光源とするレーザ光をフェムト秒のパルス幅で出射するいわゆるフェムト秒レーザを採用しても良い。発光条件及び集光レンズの条件の例としては、パルスレーザ光は、波長分散特性を有しており、中心波長が800nmであり、その半値幅はおよそ20nmである。またパルス幅はおよそ300fs(フェムト秒)、パルス周期は1kHz、出力はおよそ700mWである。集光レンズは、この場合、倍率が100倍、開口数(NA)が0.8、WD(Working Distance)が3mmの対物レンズを採用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】第1の実施形態に係る液晶表示装置の模式平面図。
【図2】液晶表示装置の模式断面図。
【図3】レーザ照射装置の構成を示す概略図。
【図4】液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図。
【図5】液滴吐出装置のヘッド部の要部模式断面図。
【図6】基板の分断方法のフローチャート。
【図7】(a)及び(b)は、対向マザー基板を示す模式図。
【図8】(a)及び(b)は、基板の分断方法を説明する図。
【図9】(a)及び(b)は、TFTアレイマザー基板を示す模式図。
【図10】(a)〜(c)は、基板の分断方法を説明する図。
【図11】(a)及び(b)は、マザー基板を示す模式図。
【図12】(a)〜(d)は、基板の分断方法を説明する図。
【図13】(a)〜(d)は、基板の分断方法を説明する図。
【図14】(a)〜(d)は、基板の分断方法を説明する図。
【図15】(a)〜(d)は、基板の分断方法を説明する図。
【図16】第2の実施形態に係る基板の分断方法のフローチャート。
【図17】(a)及び(b)は、TFTアレイマザー基板を示す模式図。
【図18】(a)〜(d)は、基板の分断方法を説明する図。
【図19】(a)〜(d)は、基板の分断方法を説明する図。
【図20】第3の実施形態に係るパーソナルコンピュータを示す概略斜視図。
【符号の説明】
【0139】
1…電気光学装置としての液晶表示装置、2…基板としてのTFTアレイ基板、3…基板としての対向基板、75…第1の基板としての対向マザー基板、76,83…基板、76a…第1の面、81…遮光膜、82…第2の基板としてのTFTアレイマザー基板、83a…第2の面、89…改質部、95…電子機器としてのパーソナルコンピュータ。
【出願人】 【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】 【識別番号】100095728
【弁理士】
【氏名又は名称】上柳 雅誉

【識別番号】100127661
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 一彦


【公開番号】 特開2008−756(P2008−756A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−169741(P2006−169741)