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放電加工装置 - 特開2008−80423 | j-tokkyo
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【発明の名称】 放電加工装置
【発明者】 【氏名】岡崎 秀二

【要約】 【課題】急送タンクの急送口から加工液の液面までの高さをより高く設定する等して急送タンク内で発生した泡が加工槽に侵入することを抑制し安定した放電加工を実現する。

【解決手段】ワークWを加工液に浸漬して加工する加工槽8と、加工槽8の加工液を回収して貯留する貯留タンク10と、貯留タンク10から汲み上げられる加工液を貯留するとともに、貯留した加工液を加工槽8に急送する急送タンク20と、を備える放電加工装置1において、急送タンク20は、タンク本体21と、タンク本体21の底部22の前部隅部にタンク本体21と連通しつつ下方に向って突出する突出部23と、を有するとともに、突出部23の底部23´に加工液の急送口24を設け、かつ、急送口24を上下方向に移動して開閉する蓋体40と、該蓋体40を突出部23内で上下方向に移動させる駆動ロッド41と、を急送タンク20の内部に備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを加工液に浸漬して加工する加工槽と、前記加工槽の加工液を回収して貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクから汲み上げられる加工液を貯留するとともに、前記貯留した加工液を前記加工槽に急送する急送タンクと、を備える放電加工装置において、
前記急送タンクは、タンク本体と、前記タンク本体の底部の一部に前記タンク本体と連通しつつ下方に向って突出する突出部と、を有するとともに、前記突出部の底部に加工液の急送口を設け、かつ、
前記急送口を上下方向に移動して開閉する蓋体と、該蓋体を前記突出部内で上下方向に移動させる駆動ロッドと、を前記急送タンクの内部に備えることを特徴とする放電加工装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、加工槽に加工液を急送する急送タンクを備える放電加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放電加工装置は、一般に、所定の放電加工間隙(以下、極間と称する。)をおいて対向配置されるワークと工具電極との間に所要の加工電圧を印加して連続的に放電を発生させつつ、ワークと工具電極とを相対移動させてワークを所望の形状に加工する構成を採用しており、加工中に極間に発生する加工屑やタール化した加工液による放電エネルギーの低下(放電の発生遅れ)等を回避すべく、加工液を満たした加工槽にワークを浸漬して、加工液により極間に発生する加工屑等を連続的に除去しながら放電加工を行う。この放電加工装置においては、加工の開始に際しては空の加工槽に短時間で加工液を供給すべく、特許文献1乃至特許文献3に開示されるように加工槽の上方位置に急送タンク(特許文献1においては補助槽、特許文献2においてはフィルタンク、特許文献3においてはサブタンク)を備えることが多くなっている。
【0003】
【特許文献1】国際公開番号WO01/036139号公報
【特許文献2】特開平5−4117号公報
【特許文献3】特開平5−42424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで上述した放電加工装置においては、一般に、加工槽の加工液を回収しかつ清澄化して貯留する貯留タンクを有しており、前工程の加工時や加工の開始段取り時等に予め貯留タンクから供給ポンプを介して汲み上げた加工液を急送タンクに貯留しておき、加工の開始に際して、急送タンクの急送口と加工槽とを結ぶ急送流路を開放しヘッド差を利用して加工液を加工槽に急送する構成としていた。
【0005】
しかしながら、近年は、コストダウンの観点から急送タンクの高さを小さく設定して急送タンクの容量を必要な急送量よりも少なく計画し、加工槽に急送しながら急送タンクにも加工液を噴出させる運用がなされており、より大きな噴出圧力で急送タンクに加工液を噴出せざるを得ず、急送タンクに所定の加工液が満たされて液面の下方から加工液が噴出されるような場合にも加工液の大きな噴出圧力が作用して急送タンク内で液面が大きく跳ね上がり空気を巻き込むことがあった。
【0006】
近年は顧客からの高い加工精度の要求を満たすべく油系加工液が採用されることも多くなっており、油系加工液の加工においては加工液が空気を巻き込むと、該加工液の相対的に大きな粘性が作用して急送タンク内で大量の泡が発生し、この泡が液面に浮遊することがある。上述の如く急送タンクの高さを小さく設定すると液面レベルが相対的に下がるので、急送口付近で生ずる大きな吸い込み圧力が作用して液面で大きな渦が生じ、液面に浮遊する泡が急送口に吸い込まれて加工槽に侵入し、加工槽内を視認し辛くしたり、加工中にアーク放電を発生させる等安定した放電加工を阻害する恐れがあった。また、液面に生じる大きな渦は液面上の空気を巻き込み新たな泡の発生も引き起し、加工槽への泡の侵入量を更に増加させていた。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、急送タンクの急送口から加工液の液面までの高さをより高く設定する等して急送タンク内で発生した泡が加工槽に侵入することを抑制し安定した放電加工を実現することができる放電加工装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、ワークを加工液に浸漬して加工する加工槽と、加工槽の加工液を回収して貯留する貯留タンクと、貯留タンクから汲み上げられる加工液を貯留するとともに、貯留した加工液を加工槽に急送する急送タンクと、を備える放電加工装置において、急送タンクは、タンク本体と、タンク本体の底部の一部にタンク本体と連通しつつ下向きに突出する突出部と、を有するとともに、突出部の底部に加工液の急送口を設け、かつ、急送口を上下方向に移動して開閉する蓋体と、該蓋体を突出部内で上下方向に移動させる駆動ロッドと、を急送タンクの内部に備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、急送タンクは、タンク本体と、タンク本体の底部の一部にタンク本体と連通しつつ下向きに突出する突出部と、を有するとともに、突出部の底部に加工液の急送口を設け、かつ、急送口を上下方向に移動して開閉する蓋体と、該蓋体を突出部内で上下方向に移動させる駆動ロッドと、を急送タンクの内部に備えることとしたので、急送タンクの急送口から液面までの高さをより高く設定し、かつ、急送タンク内の加工液を蓋体および駆動ロッドに接触させつつ急送することができる。したがって、急送時に急送口付近で生ずる大きな吸い込み圧力は緩和されて液面に伝わるので、液面に浮遊する泡が急送口に吸い込まれて加工槽に侵入することを抑制することができ、液面上の空気を吸い込むことによる新たな泡の発生も抑制される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、急送タンク内で発生した泡が加工槽に侵入することを抑制し安定した放電加工を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係る放電加工装置1の概略を示す右側面図である。
図1を参照して放電加工装置1の概要を説明すると、放電加工装置1は、該装置1の基部をなすベット2と、ベット2の上面後部に立設するコラム3と、コラム3の上面に装着され前方に延出するラム4と、ラム4の前面に装着され工具電極5を備える加工ヘッド6と、ベット2の前部側に備えられワークWを配置する定盤7と、定盤7を収容しつつワークWを加工液に浸漬する加工槽8と、加工槽8を載置するワークテーブル9と、加工槽8の汚液を回収しかつ清澄化して貯留し、該貯留した加工液を加工槽8に供給する貯留タンク10を有しており、図示せぬ電源装置により極間に放電を発生させつつ放電加工を行うとともに、加工槽8と貯留タンク10との間で加工液を循環させ清澄な加工液が加工槽8に満たされるように構成されている。
【0012】
加工槽8の上方位置には、架台11を介して急送タンク20が設けられており、この急送タンク20は、図2に示すように、貯留タンク10から供給ポンプAを介して汲み上げられる加工液を貯留し、貯留した加工液をヘッド差を利用しつつ急送流路Bを介して加工槽8に急送する構成となっている。なお、急送タンク20の固設状態においては、急送タンク20の前部の下方側に一定のスペース30を形成すべく、架台11の前端から急送タンク20の前部が前方に突出している(図1)。
【0013】
急送タンク20は、図3に示すように、直方体形状のタンク本体21を有しており、このタンク本体21の底部22の前部隅部には下方のスペース30に向かって突出する突出部23が設けられている。この突出部23はタンク本体21と連通しており、突出部23の底部23´に加工液の急送口24が設けられている。
【0014】
この急送タンク20は、該急送タンク20の内部に、急送口24を開閉する蓋体40と、蓋体40を上下方向に移動させる駆動ロッド41と、を備えており、駆動ロッド41は急送タンク20の内部で上方に伸びて該駆動ロッド41の端部は急送タンク20の上面に設けられたエアシリンダ42と接続している。したがって、エアシリンダ42の駆動力が駆動ロッド41を介して蓋体40に伝達されて該蓋体40が上下方向に移動し急送口24を開閉可能な構成となっている。
【0015】
なお、突出部23の内側面には係止爪25が設けられており、蓋体40が上方向に移動する際には所定の開位置で係止可能となっている。この開位置は、急送時に液面に浮遊する泡が急送口24に吸い込まれることのないように、突出部23の高さ・幅・奥行き寸法、および急送口24の口径等に基づいて設定されている。
【0016】
図4に示すように、蓋体40の裏面側にはその端部に枠部43が設けられており、枠部43の下端には凹溝44が形成されている。凹溝44には弾性部材45が枠部43の下端から僅かに突出するように嵌め込まれており、蓋体40により急送口24を閉塞する際には蓋体40が弾性部材45を介して気密に突出部23の底部23´に当接させることができる。
【0017】
このように急送タンク20は、タンク本体21と、タンク本体21の底部22の前部隅部にタンク本体21と連通しつつ下方に向かって突出する突出部23と、を有するとともに、突出部23の底部23´に加工液の急送口24を設け、かつ、上下方向に移動して急送口24を開閉する蓋体40と、該蓋体40を上下方向に移動させる駆動ロッド41と、を急送タンク20の内部に備えることとしたので、急送タンク20の急送口24から液面までの高さをより高く設定し、かつ、急送タンク20内の加工液を蓋体40および駆動ロッド41に接触させつつ急送することができる。したがって、急送時に急送口24付近で生ずる大きな吸い込み圧力は緩和されて液面に伝わるので、液面に浮遊する泡が急送口24に吸い込まれて加工槽10に侵入することを抑制することができ、液面上の空気を吸い込むことによる新たな泡の発生も抑制される。
【0018】
次に上述した急送タンク20による加工液の急送方法について図2および図3に戻り説明する。
まず、前工程の加工時や加工の開始段取り時等に供給ポンプAを起動して貯留タンク10から急送タンク20に加工液を汲み上げて急送タンク20内に予め所定の水位まで加工液を満たしておく。
【0019】
そして、加工の開始段取りが終了すると、エアシリンダ42を駆動して蓋体40を開位置に移動させ急送口24を開放しヘッド差を利用しつつ一気に加工液を空の加工槽8に急送する。この加工液の急送は、必要な急送量に対し急送タンク20の容量が小さく設定されているので、急送量に不足のないように、急送口24の開放と同時に供給ポンプAを起動して貯留タンク10から急送タンク20に加工液を噴出させながら行う。この加工槽8への加工液の急送に際しては急送タンク20の突出部23および急送タンク20の内部に備えられた蓋体40、駆動ロッド41が作用するので液面に浮遊する泡が急送口24に吸い込まれて加工槽8に侵入することを抑制することができ、液面上の空気を吸い込むことによる新たな泡の発生も抑制される。
続いて、加工槽8に必要量の加工液が満たされると、供給ポンプAを停止するとともに急送口24を閉塞して、加工槽8への加工液の急送を終了させる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は、放電加工装置に利用できる。具体的には急送タンクを備える場合において急送タンク内で発生した泡が加工槽に侵入することを抑制する場合に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る放電加工装置の全体構成を示す右側面図である。
【図2】同放電加工装置の加工液の供給、急送の各流路を示す系統図である。
【図3】急送タンクの内部構造を示す断面図である。
【図4】急送タンクに設けた蓋体の構造を示す図であり、(a)は蓋体の側面側の断面構造を示す図、(b)は蓋体の裏面側の構造を示す図である。
【符号の説明】
【0022】
A:供給ポンプ
B:急送流路
W:ワーク
1:放電加工装置
2:ベット
3:コラム
4:ラム
5:工具電極
6:加工ヘッド
7:定盤
8:加工槽
9:ワークテーブル
10:貯留タンク
11:架台
20:急送タンク
21:タンク本体
22:底部
23:突出部
23´:底部
24:急送口
30:スペース
40:蓋体
41:駆動ロッド
42:エアシリンダ
43:枠部
44:凹溝
45:弾性部材
【出願人】 【識別番号】000132725
【氏名又は名称】株式会社ソディック
【出願日】 平成18年9月27日(2006.9.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2008−80423(P2008−80423A)
【公開日】 平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願番号】 特願2006−261683(P2006−261683)