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放電加工用電極及びその製法 - 特開2008−73783 | j-tokkyo
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【発明の名称】 放電加工用電極及びその製法
【発明者】 【氏名】山中 敏樹

【氏名】角南 不二夫

【要約】 【課題】放電加工時に発生し易い放電カス(スラッジ)が発生しにくく、耐久性に優れた電極を提供することを目的とする。

【解決手段】放電加工作業時に放電加工液34を噴出する開口孔部15と、内部空洞部10とを有する殻形状である。光造形法にて製造され、表面は機械切削面である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高融点の耐熱性粉末(Z)と、該耐熱性粉末(Z)よりも融点の低い導電性粉末(4)とを、混合して、光造形テーブル(5)に敷き詰めて、レーザービーム(6)を照射して、所定形状に焼結することを特徴とする放電加工用電極の製法。
【請求項2】
高融点の耐熱性粉末(Z)の各粉体の外表面に低融点の金属被覆層(21)を被覆形成し、次に、上記耐熱性粉末(Z)よりも融点の低い導電性粉末(4)とを、混合して、光造形テーブル(5)に敷き詰めて、レーザービーム(6)を照射して、所定形状に焼結することを特徴とする放電加工用電極の製法。
【請求項3】
高融点の耐熱性粉末(Z)と、該耐熱性粉末(Z)よりも融点の低い導電性粉末(4)と、低融点の連結用金属粉末(22)とを、混合して、光造形テーブル(5)に敷き詰めて、レーザービーム(6)を照射して、所定形状に焼結することを特徴とする放電加工用電極の製法。
【請求項4】
耐熱性粉末(Z)がタングステンであり、導電性粉末(4)が銅である請求項1,2又は3記載の放電加工用電極の製法。
【請求項5】
金属被覆層(21)がニッケル又はクローム若しくは銅である請求項1,2,3又は4記載の放電加工用電極の製法。
【請求項6】
上記所定形状が、内部空洞部(10)を有する殻形状とした請求項1,2,3,4又は5記載の放電加工用電極の製法。
【請求項7】
上記所定形状に焼結した後に、外表面(13)を 0.8mm〜5mmの削り代(H13)をもって機械加工にて切削又は研削する工程が付加されている請求項1,2又は3記載の放電加工用電極の製法。
【請求項8】
高融点の耐熱性粉末(Z)と、該耐熱性粉末(Z)よりも融点の低い導電性粉末(4)の混合物から成る粉末素材(3)に、レーザービーム(6)を照射しながら積層する光造形法にて形成され、放電加工作業時に放電加工液(34)を噴出又は吸引するための開口孔部(15)と、該開口孔部(15)に連通する空洞部(10)とを有する殻形状であって、かつ、該殻形状の表面は機械切削面(14)であることを特徴とする放電加工用電極。
【請求項9】
上記空洞部(10)は内リブ壁(19)によって複数の流路(20)に区画され、各流路(20)に夫々上記開口孔部(15)が連通されている請求項8記載の放電加工用電極。
【請求項10】
上記空洞部(10)は内リブ壁(19)によって複数の流路(20)に区画されると共に、複数の該流路(20)の一部乃至全部はその横断面積が異なるように設定され、かつ、各流路(20)に夫々上記開口孔部(15)が連通されている請求項8記載の放電加工用電極。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、放電加工(EDM)に用いられる電極(工具電極)に関する。
【背景技術】
【0002】
放電加工(EDM)は、パルス状の放電で材料を加熱溶融することにより除去加工を行う手法であって、難切削材料の加工に広く用いられている。
図11は、放電加工機の要部を示し、被加工物31と電極32との間にパルス電圧を加えて、被加工物31の一部を溶融して、例えば図11のような凹窪部33を形成する。なお、放電加工液34が電極32と被加工物31との加工ギャップを満たしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−1240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来の放電加工に用いられる電極32は、中実状であって、電極機能を高める液処理・ガス処理用の逃し孔が、(加工の困難さの故に)形成されていなかった。
つまり、図10に基づいて従来の電極32の加工方法を説明すると、同図(A)に示すタングステン粉末36と銅粉末37の混合物を、短円柱(又は短角柱)状の中間品───電極素材38───として同図(B)の如く焼結形成する。次に、同図(C)のようにエンドミル39等にて切削加工して、同図(C)の破線と同図(D)に示すような形状に電極32を製作していた。
【0004】
電極32は一般的に複雑な形状(図示省略)である場合が多く、高硬度のタングステンを主成分とする複雑な形状の部品に、孔加工を行うことは困難であった。
図11に示すように、放電加工時に電極32の外表面と、被加工物31の凹窪部33との間に、放電カス(スラッジ)が滞留し易く、そのような滞留箇所で異常スパーク35(図11中に星印にて示した)を、発生するという問題があった。
このような異常スパーク35の発生があれば、電極32が早期に消耗し、また、放電加工面が不良となったり、加工時間が長く掛かる等の問題が起こる。
【0005】
さらに、図10にて示した従来の製法では、多種多様な形状・寸法の電極32を得るためには、サイズの異なる短円柱(短角柱)状の電極素材38を在庫せねばならず、高額なタングステン等の材料では大量に在庫できないといった問題、及び、図10(B)(C)(D)からも分かるように、短円柱(短角柱)状の素材38からは大量の切削屑が発生し無駄が多く、資源の有効利用度が低いという問題があった。また、再利用の際の追い込み量が大きく、2回程度の追い込みで利用できなくなるといった問題もある。
【0006】
そこで、本発明は、従来のこのような多くの問題を解決し、図11に示した異常スパーク35を発生させずに能率良く放電加工が可能な電極を提供し、かつ、寿命の長い(耐久性のある)電極を提供することを、目的とする。さらに、放電加工面を高精度に美しく放電加工可能な電極を提供することを、他の目的とする。また、高価なタングステン等の材料の使用量を節約し、再利用も可能とすることを、別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る放電加工用電極の製法は、高融点の耐熱性粉末と、該耐熱性粉末よりも融点の低い導電性粉末とを、混合して、光造形テーブルに敷き詰めて、レーザービームを照射して、所定形状に焼結する方法である。
また、高融点の耐熱性粉末の各粉体の外表面に低融点の金属被覆層を被覆形成し、次に、上記耐熱性粉末よりも融点の低い導電性粉末とを、混合して、光造形テーブルに敷き詰めて、レーザービームを照射して、所定形状に焼結する方法である。
また、高融点の耐熱性粉末と、該耐熱性粉末よりも融点の低い導電性粉末と、低融点の連結用金属粉末とを、混合して、光造形テーブルに敷き詰めて、レーザービームを照射して、所定形状に焼結する方法である。
そして、耐熱性粉末がタングステンであり、導電性粉末が銅が好ましい。また、金属被覆層がニッケル又はクローム若しくは銅である。
そして、上記所定形状が、内部空洞部を有する殻形状とするのが望ましい。また、上記所定形状に焼結した後に、外表面を 0.8mm〜5mmの削り代をもって機械加工にて切削又は研削する工程が付加されることが望ましい。
【0008】
次に、本発明に係る放電加工用電極は、高融点の耐熱性粉末と、該耐熱性粉末よりも融点の低い導電性粉末の混合物から成る粉末素材に、レーザービームを照射しながら積層する光造形法にて形成され、放電加工作業時に放電加工液を噴出又は吸引するための開口孔部と、該開口孔部に連通する空洞部とを有する殻形状であって、かつ、該殻形状の表面は機械切削面である。
また、上記空洞部は内リブ壁によって複数の流路に区画され、各流路に夫々上記開口孔部が連通されている。また、上記空洞部は内リブ壁によって複数の流路に区画されると共に、複数の該流路の一部乃至全部はその横断面積が異なるように設定され、かつ、各流路に夫々上記開口孔部が連通されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電極の製法によれば、次のような著大な効果を発揮する。
元々の素材が粉末であり、多種多様な形状・寸法の電極に対して、同一の素材が使用されるので、在庫が容易でコスト低減に貢献できる。しかも、切削又は研削による切削屑は少なくて済み、省資源に貢献する。さらに、切削屑をその後粉砕して、再利用することも可能となって、材料コストの大幅な改善も可能である。
【0010】
本発明に係る放電加工用電極によれば、空洞部及び開口孔部を介して、放電加工液の噴出(又は吸引)を行って、放電カス(スラッジ)を噴出させ(又は吸出し)、異常放電を無くして、高能率に放電加工を行い得る。しかも、空洞部及び開口孔部の存在によって、高価な粉末材料を節約できることとなる。また、放電加工される被加工物の凹窪部(孔部)の加工精度は高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1と図2と図3は、本発明に係る放電加工用電極2の製造方法を順次簡略図示したものであって、図7はその粉末素材3を拡大して示す模式的図面である。まず、高融点の耐熱性粉末Zと、この耐熱性粉末Zよりも融点の低い導電性粉末4とを、混合して、粉末素材3を作る。
耐熱性粉末Zとしては、タングステン(以下元素記号のWにて示す場合がある)、又は、その合金が好適であり、粒径は、5μm〜30μmとする。また、導電性粉末4としては、銅(以下元素記号のCuにて示す場合がある)、又は、Cu合金が好適であり、粒径は、5μm〜30μmとする。図7に於ては、導電性粉末4としてCuを用いた場合を例示している。そして、耐熱性粉末ZとしてWを用い、導電性粉末4としてCuを用いた場合の混合割合は、(65:35)〜(75:25)が望ましい(但し、重量比にて示す)。言い換えると、Wの割合は65〜75重量%とする。
このような粉末素材3を、図1(B)に示すように、光造形テーブル5に0.05mm〜 0.3mm程度の薄い層状に敷き詰めて、レーザービーム6を照射して、図1(C)に例示するような所定形状に焼結し、電極中間品(電極素材)7を作製する。
【0012】
さらに説明すれば、いわゆる3次元(金属)粉末光造形装置を使用して行う(金属)粉末造形にて電極中間品7を作製する。光造形テーブル5は昇降自在であり、この光造形テーブル5に隣設して粉末供給テーブルが昇降自在に配設され、スキージングプレートにて、薄い層に粉末素材3を敷き詰め、レーザービーム6を照射(走査)させて、所定箇所の焼結を行い、その後、光造形テーブル5を前記薄い層の厚さ寸法分だけ降下させて、同様の工程を繰り返して、積層しつつ、所定形状の電極中間品7を、図1(C)のように作製する。
特に、この電極中間品7及び(それから次工程を経て得られる)電極2は、内部空洞部10を有する殻形状(殻構造)とするのが望ましい。
図1〜図4に於て、レーザービーム6の照射は、電極の輪郭帯形状を描くように走査する。かつ、溶融時の酸化防止のため、不活性ガスの雰囲気(密封質内)にて、行う。
【0013】
ところで、この電極中間品7の拡大部分断面を模式的に示せば、図2(B)のように焼結密組織部11と、(気孔が存在する)粗い表皮組織部12から成る。そこで、上述のようにして得られた電極中間品7の外表面13を、粗い表皮組織部12を含みさらに僅かに深い所定削り代H13にて、機械加工にて切削する。
機械加工用としては、MC加工機や研削盤が用いられ、削り代H13は 0.8mm〜5mm程度、好ましくは、1mm〜3mm程度とする。図2では点線で示した位置が機械切削面(仕上げ面)14を示し、図2(A)では、右半分は機械加工前の状態を、左半分は機械加工後の状態を、示している。このようにして、図3に示すような放電加工用電極(工具電極)2が得られる。当然に機械切削面(仕上げ面)14は密組織部11から成り、十分な強度・硬度・表面粗さの平滑面となっている。
なお、外表面13を 0.8mm〜5mmの削り代H13をもって機械加工するために、電極中間品7の外形寸法は、最終の電極2よりも僅かに大きくレーザービーム6の走査にて形成される。なお、本発明に於て、「切削」とは、切削の他に研削を含むものと定義する。従って、本発明に於て、機械切削面14としては機械研削面をも包含するものと定義する。
【0014】
この図3及び図4に於て、上述の製法によって得られた電極2は、放電加工作業時に放電加工液34を矢印Fのように噴出するための開口孔部15と、この開口孔部15に連通する空洞部10とを有する殻形状(殻構造)である。そして、図4に示すように、電極2を取付けた取付部材16の流路16aから、矢印F16のように供給された放電加工液34は、電極2の上記空洞部10及び開口孔部15を矢印Fの如く流れて、噴出し、電極2の外表面と、被加工物31の凹窪部33との間隙18を、矢印Gのように流れて、その間隙18に生ずる放電カス(スラッジ)を排出することができ、放電カスの滞留を防止し、異常スパークが発生しない。
【0015】
また、図5に示す放電加工用電極2の他の実施の形態のように、空洞部10を内リブ壁19によって5個の流路20に区画形成され、各流路20に夫々開口孔部15が連通されている。なお、図5では、開口孔部15も5個に区画形成され、開口孔部15の区画壁は内リブ壁19と連続一体状に形成されている場合を示す。
さらに、図5に示した5個の流路20の一部はその横断面積が異なっている。具体的には、2個の大面積のものと、1個の中面積のものと2個の小面積のものとの3種類とした場合を示す。そして、図5では、電極2の外面形状はシンプルな形状に描いているが、実際の電極では複雑な凹凸形状の場合も多く、そのようなとき、前記放電カス(スラッジ)が蓄積され易い部位とそうでない部位が存在することとなるので、放電カス(スラッジ)が蓄積し易い部位には、大きな横断面積の流路20を対応させて、集中的に噴出流を当てて、放電カス(スラッジ)を排出させるようにしている。
【0016】
図6に示した別の実施の形態では、上述の複雑な凹凸形状の一例を示し、3つの内リブ壁19にて4つの流路20に電極2の内部空洞部10を区画形成している。この内リブ壁19の配設位置によって流路20の一部乃至全部の横断面積を異ならしめて、放電カス(スラッジ)が蓄積し易い部位をなくするようにしている。
【0017】
なお、電極の形状は図示の図3・図4及び図5と図6以外に種々変形自由であって、内リブ壁19の数の増減、及び、流路20の数の増減及びその横断面積の配分等も変更自由である。また、図4、及び、上述の説明に於て、放電加工液34を噴出させる場合について説明したが、これ以外に、矢印F16,F,Gとは逆に流すように、即ち、吸引方向に流れるように、するも好ましい場合がある。そのとき、放電カス(スラッジ)の生じ易い部分に対応する流路20の流路断面積を、他のものよりも、大きく設定して、強力に吸引するように構成する。
【0018】
本発明に係る電極2は、このように内部空洞部10を有するので、放電カス(スラッジ)を吹き飛ばし(排出し)、又は、吸引して排出し、従来の図11述べた異常スパーク35を確実に防止できる。また、内部空洞部10の形成によって、タングステン等の高価な原材料の節約が可能となり、しかも、内リブ壁19によって、内部から十分に補強され、かつ、放電加工液34の噴出(又は吸引)のための通路(流路)に利用されて好適であり、しかも、その各流路20は放電条件の悪い箇所(放電カスが滞留しやすい部分)は横断面積大とし、放電条件の良い箇所は小として、放電安定を図り得る。
【0019】
次に、図8に基づいて電極製法のさらに他の実施の形態を説明する。W若しくはその合金又はセラミックス等の高融点の耐熱性粉末Zの各粉体の外表面に、ニッケル(Ni)やクローム(Cr)又は銅(Cu)若しくはその合金等の低融点の金属被覆層21を、メッキや溶射等の方法にて、被覆形成して、これと、上記耐熱性粉末Zよりも融点の低いCu又はその合金から成る導電性粉末4とを、混合して、図8に示すような粉末素材3を作る。この粉末素材3を用いて、前述の図1〜図4の実施の形態と同様のレーザービーム6を照射して、光造形法にて、所定形状に焼結して、電極中間品7を作製し、その後に、機械加工にて外表面13を切削し、電極2を製造する。即ち、粉末素材3が、図7から図8のように、変更したものであり、それ以外は同様の構成である。
【0020】
次に、図9に基づいて電極製法の別の実施の形態を説明する。W若しくはその合金又はセラミックス等の高融点の耐熱性粉末Zと、耐熱性粉末Zよりも融点の低いCu又はその合金から成る導電性粉末4と、低融点の連結用金属粉末22とを、混合して、図9に示すような粉末素材3を作る。この粉末素材3を用いて、前述の図1〜図4の実施の形態と同様の光造形法にて所定形状の電極中間品7を作製し、その後、機械加工を施して、外表面13を切削し、電極2を製造する。即ち、粉末素材3が、図7から図9のように、変更したものであり、それ以外は同様の構成である。
【0021】
本発明は上述の如く、素材が粉末であり、製造する電極2の形状・寸法に関係なく同一の粉末素材3を利用できるため、在庫が容易となって、コストの削減も実現できる。
また、内部に空洞部10を有する形状として、粉末素材3の使用量を減らすことができ、Wやその合金等の高騰する原料の節減効果は著大であるといえる。
レーザービーム6によって僅かな削り代H13分だけの大き目(厚目)の中空薄肉電極中間品7を製造し、これから微小な削り代H13分を切削又は研削すれば、密組織部11の仕上げ面14が得られて、放電加工に好適な電極2が安価に得られる。
【0022】
さらに、使用済み電極2を粉砕することで、粉末素材として再利用でき、あるいは、切削屑も粉末素材に再利用できて省資源に貢献でき、かつ、材料コストの低減を図り得る。 そして、内部空洞部10内に内リブ壁19を形成すれば、外殻部の薄肉化を一層図ることが可能で、強度アップを図り得るのみならず、放電カスの発生し易い部位に、放電加工液34を重点的に電極2の開口孔部15から噴出させ、又は、逆に吸引して、放電カスの発生とそれに伴う異常スパーク35(従来の図11参照)を防止できて、電極消耗を低減でき、放電加工時間の短縮を図ることができる。
【0023】
本発明は、高融点の耐熱性粉末Zと、該耐熱性粉末Zよりも融点の低い導電性粉末4とを、混合して、光造形テーブル5に敷き詰めて、レーザービーム6を照射して、所定形状に焼結する放電加工用電極の製法であるので、素材が粉末として在庫し易く、多種多様な形状・寸法の電極2を短い納期で容易に製造できる。
【0024】
また、高融点の耐熱性粉末Zの各粉体の外表面に低融点の金属被覆層21を被覆形成し、次に、上記耐熱性粉末Zよりも融点の低い導電性粉末4とを、混合して、光造形テーブル5に敷き詰めて、レーザービーム6を照射して、所定形状に焼結することにより、同様の効果が奏せられると共に、低融点の金属被覆層21がレーザービーム6の照射にて溶融しつつ、溶融しない耐熱性粉末Zと溶融する導電性粉末4とを、結び合わせて、密に一体化した均一な組織が得られ、硬度及び強度が均一となり、寸法精度も耐久性も優れた特性を示す。
【0025】
また、高融点の耐熱性粉末Zと、該耐熱性粉末Zよりも融点の低い導電性粉末4と、低融点の連結用金属粉末22とを、混合して、光造形テーブル5に敷き詰めて、レーザービーム6を照射して、所定形状に焼結することにより、同様の効果が奏せられると共に、低融点の連結用金属粉末22がレーザービーム6の照射にて溶融しつつ、溶融しない耐熱性粉末Zと溶解しつつある導電性粉末4とを、結び合わせて、密に一体化した均一な組織が得られ、硬度及び強度が均一となり、寸法精度も耐久性も優れた特性を示す。
上記所定形状に焼結した後に、外表面13を 0.8mm〜5mmの削り代H13をもって機械加工にて切削又は研削する工程が付加されていることによって、放電加工精度が向上すると共に、電極表面が機械切削面14として密組織部11として、耐久性が著しく向上し、長寿命の電極2となる。
【0026】
また、本発明に係る電極は、高融点の耐熱性粉末Zと、該耐熱性粉末Zよりも融点の低い導電性粉末4の混合物から成る粉末素材3に、レーザービーム6を照射しながら積層する光造形法にて形成され、放電加工作業時に放電加工液34を噴出又は吸引するための開口孔部15と、該開口孔部15に連通する空洞部10とを有する殻形状であって、かつ、該殻形状の表面は機械切削面14であるので、高価なタングステン等が用いられる耐熱性粉末Zの使用量が低減でき、かつ、再利用も(粉砕にて)可能となり、省資源にも貢献するものといえる。さらに、放電カスを排出(又は吸引除去)して、図11の従来例で述べた異常スパーク35を有効防止し、電極寿命が延びると共に、放電加工時間を短縮できる。
また、表面が機械切削面14であることにより、焼結による粗い表皮組織部12が除去された密組織部11となり(図2参照)、放電加工の精度の向上、耐久性の向上が著しい。
【0027】
また、上記空洞部10は内リブ壁19によって複数の流路20に区画され、各流路20に夫々上記開口孔部15が連通されているので、内部から有効に補強されて、剛性と強度の大きい軽量の電極となり、かつ、光造形法にて容易に製造も可能である。
また、上記空洞部10は内リブ壁19によって複数の流路20に区画されると共に、複数の該流路20の一部乃至全部はその横断面積が異なるように設定され、かつ、各流路20に夫々上記開口孔部15が連通されている構成とすれば、複雑な凹凸表面を有する形状の電極であったとしても、放電カスが溜まり易い箇所には、多目の放電加工液を重点的に当てて(又は吸込んで)放電カスの溜まりを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る製法の実施の一形態を工程順に示す簡略説明図である。
【図2】本発明に係る製法の次の工程を示す説明図であって、(A)は全体説明図、(B)は要部拡大説明図である。
【図3】加工完了した状態を示す電極の一例を示す断面図であり、(A)は全体断面図、(B)は要部拡大図である。
【図4】使用状態を示す断面説明図である。
【図5】本発明に係る電極の他の例を示す説明図であって、(A)は平面説明図、(B)は一部断面正面図、(C)は底面図である。
【図6】電極の別の例を示す横断面図である。
【図7】粉末素材の一例を示す模式図である。
【図8】粉末素材の他の例を示す模式図である。
【図9】粉末素材の別の例を示す模式図である。
【図10】従来の電極の製法を示す説明図である。
【図11】従来例の問題点を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0029】
2 放電加工用電極
3 粉末素材
4 導電性粉末
5 光造形テーブル
6 レーザービーム
7 電極中間品
10 (内部)空洞部
13 外表面
14 機械切削面(仕上げ面)
15 開口孔部
19 内リブ壁
20 流路
21 金属被覆層
22 連結用金属粉末
34 放電加工液
Z 耐熱性粉末
13 削り代
【出願人】 【識別番号】593060849
【氏名又は名称】株式会社ヤマナカゴーキン
【出願日】 平成18年9月19日(2006.9.19)
【代理人】 【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣


【公開番号】 特開2008−73783(P2008−73783A)
【公開日】 平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願番号】 特願2006−253173(P2006−253173)