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【発明の名称】 放電加工装置及び方法、並びに放電発生を判別する方法
【発明者】 【氏名】米田 康治

【氏名】豊永 竜生

【要約】 【課題】所期の回数の放電が発生するよう加工間隙を制御して安定な放電加工を実現する放電加工装置及び方法を提供する。

【構成】放電加工装置1は、工具電極EとワークW間に形成された加工間隙に交流電圧を印加する電源装置5と、工具電極EをワークWに相対的に移動させるモータ7と、制御装置10とを備える。制御装置10は、加工間隙間の交流電圧がその半周期Td2内に上昇または下降へ反転した回数をカウントし計数を発生する反転カウンタ42と、その計数が設定値に到達したとき放電の発生を判定する放電判別器44と、所定期間Td1内に発生した放電の回数をカウントする放電カウンタ45と、放電の発生回数に応じてモータ7を駆動するための位置指令または速度指令を発生する間隙制御器48とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具電極を使用してワークを放電加工する放電加工装置において、放電を発生させるため工具電極とワーク間に形成された加工間隙に電圧を印加する電源装置と、工具電極をワークに相対的に移動させるモータと、第1の所定期間内に発生した放電の回数をカウントし第1の計数を発生する放電カウンタと、モータ駆動用の位置指令または速度指令を発生するため第1の計数に第1のゲインを掛ける間隙制御器とを含むことを特徴とする放電加工装置。
【請求項2】
間隙電圧を検出する間隙電圧検出器と、第2の所定期間内に間隙電圧が上昇または下降へ反転した回数をカウントし第2の計数を発生する反転カウンタと、第2の計数が設定値に到達したとき放電が発生したと判定する放電判別器とを含むことを特徴とする請求項1に記載の放電加工装置。
【請求項3】
前記間隙電圧検出器は交流電圧を検出し前記第2の所定期間は前記交流電圧の半周期であることを特徴とする請求項1に記載の放電加工装置。
【請求項4】
平均間隙電圧を検出する平均間隙電圧検出器と、モータ駆動用の位置指令または速度指令を計算するため前記平均間隙電圧とサーボ基準電圧との偏差に第2のゲインを掛ける第2の間隙制御器と、前記第1及び第2の間隙制御器のうち1つを選択的に動作させるサーボ制御パラメータ選択器とを含むことを特徴とする請求項1に記載の放電加工装置。
【請求項5】
工具電極とワーク間に形成された加工間隙中に放電を発生させてワークを加工する放電加工方法において、放電を発生させるため加工間隙に電圧を印加するステップと、所定期間内に発生した放電の回数をカウントし計数を発生するステップと、前記計数にゲインを掛けた移動量に応じて加工間隙のサイズを制御するステップとを含むことを特徴とする放電加工方法。
【請求項6】
第2の所定期間内に間隙電圧が上昇または下降へ反転した回数をカウントし第2の計数を発生するステップと、第2の計数が設定値に到達したとき放電が発生したと判定するステップとを含むことを特徴とする請求項5に記載の放電加工方法。
【請求項7】
電圧を印加するステップは交流電圧を加工間隙に印加するステップを含み、前記第2の所定期間は前記交流電圧の半周期であることを特徴とする請求項6に記載の放電加工方法。
【請求項8】
放電加工用工具電極とワーク間に形成された加工間隙中の放電発生を判別する方法において、加工間隙に交流電圧を印加するステップと、所定期間内に間隙電圧が上昇または下降へ反転した回数をカウントし計数を発生するステップと、前記計数を設定値と比較し前記計数が前記設定値に到達したとき放電が発生したと判定するステップとを含むことを特徴とする放電発生を判別する方法。
【請求項9】
前記第2の所定期間は前記交流電圧の半周期であることを特徴とする請求項8に記載の放電発生を判別する方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は工具電極と導電性ワーク間に形成された加工間隙に電圧を印加してワークを加工する放電加工装置に関する。特に、本発明は、加工間隙間の電圧のフィードバックに応答して加工間隙のサイズを制御する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、加工間隙間の電圧(「間隙電圧」)は、加工間隙のサイズまたは距離に比例するとみなされている。加工間隙のサイズまたは距離を最適値に維持するため、間隙電圧は放電加工用NC装置に帰還される。NC装置は、工具電極をワークに相対的に移動させるため間隙電圧フィードバックに応じてモータを制御する。放電加工機として、主にワイヤ放電加工機と形彫り放電加工機が知られている。形彫り放電加工機における工具電極の位置は、間隙電圧の平均値(「平均間隙電圧」)をサーボ基準電圧に維持するように制御される。このようにして、加工間隙は一定のサイズに維持され、放電加工によってワークから材料が除去され続け、工具電極は垂直なZ軸の方向にワークへ向かって進められる。
【0003】
ワイヤ放電加工におけるワイヤ電極の速度は、ほとんどの場合、平均間隙電圧をサーボ基準電圧に維持するよう制御される。このように、加工間隙のサイズは最適値に維持され、ワイヤ電極は制御速度でXY平面内をプログラム経路に沿って移動させられる。加工間隙のサイズを最適値に維持するため工具電極の位置または速度を間隙電圧のフィードバックに応じて制御することは、サーボ制御と呼ばれている。サーボ制御装置は、平均間隙電圧がサーボ基準電圧より小さければ加工間隙が狭すぎると判断し加工間隙のサイズを大きくする。反対に、平均間隙電圧がサーボ基準電圧より大きければ、加工間隙を小さくする制御が実行される。
【0004】
特許文献1は、サーボ制御パラメータとして平均間隙電圧を検出するワイヤ放電加工機を開示している。その公報のワイヤ放電加工機には平均間隙電圧を放電周波数によって除算する除算回路が設けられ、除算回路の出力と設定値との偏差に応じて加工間隙のサイズが制御されている。
【0005】
近年、1μmRmax以下の小さい面粗さ及び高い寸法精度が放電加工機に要求されている。特許文献2は、まさにそのような小さい面粗さにワークを仕上げるため高周波交流電圧を加工間隙に印加する電源装置を開示している。高周波交流電圧を印加することによって非常に短いオン時間をもつ電流パルスを加工間隙中に繰り返し発生させることができる。
【0006】
【特許文献1】特開2002−144153号公報
【特許文献2】特許第3020795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このようなμm水準の仕上げでは、ワークから加工屑がほとんど発生しない。たとえそうであっても、もし微細な加工屑が加工間隙中に漏れ電流を誘発してしまうと、電源装置から加工間隙へ印加されたエネルギーの全てが放電発生に投入されない。その結果、無負荷電圧が低下してしまい、予定したよりも小さいエネルギーの電流パルスが発生してしまう、あるいはまったく電流パルスが発生しないかもしれない。もし、無負荷電圧の低下に因り平均間隙電圧も低下すると、サーボ制御装置は、加工間隙を大きくするという不適当な制御を行ってしまう。こうして十分な量の材料がワークから除去されず、所望の水準の面粗さが得られない。
【0008】
そこで、本発明は、所期の回数の放電が発生するよう加工間隙を制御して安定な放電加工を実現する放電加工装置及び方法を提供することを目的とする。また、本発明は、交流電圧を加工間隙に印加した場合に放電の発生を正確に判別できる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面によれば、工具電極を使用してワークを放電加工する放電加工装置は、放電を発生させるため工具電極とワーク間に形成された加工間隙に電圧を印加する電源装置と、工具電極をワークに相対的に移動させるモータと、所定期間内に発生した放電の回数をカウントし計数を発生する放電カウンタと、モータ駆動用の位置指令または速度指令を発生するためその計数にゲインを掛ける間隙制御器とを含む。
【0010】
その放電加工装置は、さらに、間隙電圧を検出する間隙電圧検出器と、第2の所定期間内に間隙電圧が上昇または下降へ反転した回数をカウントし第2の計数を発生する反転カウンタと、第2の計数が設定値に到達したとき放電が発生したと判定する放電判別器を備えるようにしても良い。
【0011】
また、その放電加工装置は、平均間隙電圧を検出する平均間隙電圧検出器と、モータ駆動用の位置指令または速度指令を発生するため平均間隙電圧とサーボ基準電圧との偏差に第2のゲインを掛ける第2の間隙制御器と、第1及び第2の間隙制御器のうち一方を選択的に動作させるサーボ制御パラメータ選択器とを備えることも可能である。
【0012】
本発明の他の側面によれば、工具電極とワーク間に形成された加工間隙に放電を発生させることによってワークを加工する放電加工方法は、放電を発生させるため加工間隙に電圧を印加するステップと、所定期間内に発生した放電の回数をカウントし計数を発生するステップと、その計数にゲインを掛けた移動量に応じて加工間隙のサイズを制御するステップとを含む。
【0013】
本発明のさらに他の側面によれば、放電加工用工具電極とワーク間に形成された加工間隙中の放電発生を判別する方法は、加工間隙に交流電圧を印加するステップと、所定期間内に間隙電圧が上昇または下降へ反転した回数をカウントし計数を発生するステップと、その計数を設定値と比較し計数が設定値に到達したとき放電が発生したと判定するステップとを含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、所期の量の材料をワークから除去し所望の水準の面粗さが得られる。また、交流電圧の印加に因り発生する放電は正確に検出される。また、サーボ制御パラメータを加工段階に応じて適当に選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1、図2、図3及び図4を参照して本発明の放電加工装置を詳細に説明する。ワイヤ放電加工装置1では、工具電極であるワイヤ電極Eが上側ガイド組立体2と下側ガイド組立体3との間に連続的に供給される。テーブル4が加工槽8内に設けられ、ワークスタンド6がテーブル4へ垂直に固定されている。ワークWが適当な締付治具によってワークスタンド6へ取り付けられている。加工中、加工槽8は加工液である誘電性液で満たされている。ワイヤ電極EとワークWは適当な電力ケーブルによって電源装置5へ接続されている。電源装置5は、ワイヤ電極EとワークW間に形成された加工間隙に放電を発生させるため、加工間隙に直流電圧または交流電圧を供給することができる。電源装置5は、直流電圧パルスを印加する直流電源装置を含んでいる。電源装置5は、更に、直流電圧を交流電圧へ変換する装置、または交流電源装置を含んでいる。
【0016】
テーブル4をXY平面内で移動させるX軸モータ71とY軸モータ72が、ワイヤ放電加工装置1の適当な位置に設けられている。制御装置10が、X軸及びY軸モータ71、72、電源装置5及び加工液供給装置9を制御している。加工中、直流電圧パルスまたは交流電圧が加工間隙に印加されながら、ワイヤ電極EはXY平面内のプログラム経路に沿ってワークWに相対的に移動させられる。加工液供給装置9は加工液を加工間隙に供給し、ワークWから除去された加工屑を継続的に洗い流す。
【0017】
図2中に示されるように、制御装置10は、サーボ制御パラメータ選択器20、間隙電圧検出器22、平均間隙電圧検出器35、サーボ基準電圧記憶部36、反転カウンタ42、設定反転回数記憶部43、放電カウンタ45及び間隙制御器50を含んでいる。これら各部は協働してモータ7の移動量を制御する機能を果たしている。
【0018】
説明を単純にするため、図2中にただ1つのモータを示している。サーボ制御パラメータ選択器20は選択ボタンを備え、平均間隙電圧選択ゾーン30と放電発生回数選択ゾーン40のうち一方を選択的に動作させる。言うまでもなく、サーボ制御パラメータ選択器20は、平均間隙電圧または放電発生回数のどちらかをサーボ制御パラメータとして選択する機能を有する。もし操作者が選択ボタンをOFFにすると、平均間隙電圧が選択され平均間隙電圧選択ゾーン30が機能する。もし操作者が選択ボタンをONにすると、放電発生回数が選択され放電発生回数選択ゾーン40が機能する。通常、μm水準の精密さを要求する仕上げ(以下、単純に「仕上げ」)の場合、選択ボタンはONであり、仕上げ前の荒加工では選択ボタンはOFFである。間隙電圧検出器22は加工間隙間の電圧を検出し、平均電圧を平均間隙電圧検出器35と反転カウンタ42へ供給する。放電発生回数選択ゾーン40は、反転カウンタ42、設定反転回数記憶部43、放電判別器44、放電カウンタ45及び第1の間隙制御器48を含んでいる。
【0019】
平均間隙電圧検出器35は間隙電圧の平均を検出し、検出された平均間隙電圧を第2の間隙制御器38へ供給する。電源装置5が交流電圧を加工間隙に印加する場合、図3中に示されるように、間隙電圧の絶対値を所定期間Td0ごとに積算することによって平均間隙電圧が得られる。期間Td0は、例えば、交流電圧の一周期である。高周波の交流電圧を加工間隙に供給すれば、微小なエネルギーの放電も高頻度に繰り返し発生させて仕上げを高速かつ高精度に行うことができる。
【0020】
放電発生回数がサーボ制御パラメータとして選択されると、放電が高周波交流電圧の半周期内に発生したか否かを正確に判定する必要がある。したがって、間隙電圧の反転回数を用いて交流電圧の半周期内の放電発生を判別する。図4中に示されるように、反転カウンタ42は、間隙電圧が所定期間Td2内に上昇または下降のいずれかへ反転した回数をカウントする。期間Td2は、加工間隙への電圧印加が開始した時点t1から電圧が零になる時点t2までの期間である。特に、期間Td2は交流電圧の半周期である。反転回数は、例えば、間隙電圧を所定の閾値と比較することによって得られる。あるいは、非常に短い期間ごとに間隙電圧を検出し、検出した間隙電圧の前後の値の偏差を求め、その偏差がプラス側またはマイナス側へ反転した回数を求めることによって、間隙電圧の反転回数をカウントすることもできる。
【0021】
反転カウンタ42は計数を放電判別器44へ供給する。期間Td2内に放電が発生したか否かを判定するために必要とされる反転回数が設定され、設定値は設定反転回数記憶部43中に記憶される。放電判別器44は設定反転回数記憶部43中の設定値を読み出し、計数を設定値と比較することによって放電が発生したか否かを判定する。計数が設定値以上であれば、放電が発生したと判定される。反対に、計数が設定値未満であれば、放電は発生しなかったと判定される。放電カウンタ45は所定の期間Td1内の放電回数をカウントすると共に、第1の間隙制御器48へ計数を供給する機能を有する。期間Td1は期間Td2よりも長い。
【0022】
間隙制御器50は第1及び第2の間隙制御器48、38を有し、選択されたサーボ制御パラメータに基づいてモータ7の移動量を計算する。間隙制御器50は移動量を位置指令または速度指令の形式でモータ7の駆動部(図示されていない)に供給する。モータ7の位置は位置検出器74によって検出される。位置フィードバックは間隙制御器50へ送られ、間隙制御器50は常に位置フィードバックが位置指令に一致しているか否かを監視している。第1の間隙制御器48はモータ7の移動量を計算する数式1とゲインを予め記憶している。
【数1】



ここで、a1はモータの移動量、yは放電回数の計数、f(y)はゲインである。
【0023】
第1の間隙制御器48は数式1に基づいて放電回数の計数にゲインを掛けてモータ7の移動量を計算する。計算結果は位置指令または速度指令としてモータ7の駆動部に送られる。仕上げを行うときは、第1の間隙制御器48が所望回数の放電を引き起こすように工具電極EをワークWに相対的に移動させる。その結果、ワークWは所定水準の面粗さに仕上げられる。第2の間隙制御器38はモータ7の移動量を計算する数式2とゲインを予め記憶している。
【数2】



ここで、a2はモータの移動量、Bは平均間隙電圧とサーボ基準電圧との偏差、f(B)はゲインである。第2の間隙制御器38は、平均間隙電圧をサーボ基準電圧と比較し、もしそれらが異なれば数式2に基づいてモータ7の移動量を計算する。
【0024】
次に、図5及び図6のフローチャートを参照して制御装置10のサーボ制御を説明する。まず、加工に先立って、操作者が荒加工から仕上げに至る加工条件を設定する。サーボ基準電圧は加工条件に含まれ、サーボ基準電圧の設定値はサーボ基準電圧記憶部36中に記憶される。放電が発生したか否かを判定するために必要とされる反転回数も設定される。反転回数の設定値は設定反転回数記憶部43中に記憶される。
【0025】
図5中のステップS1で、サーボ制御パラメータ選択器20はサーボ制御パラメータとして平均間隙電圧を選択し、制御装置10は交流電圧または直流電圧の印加によってワークWの荒加工を開始する。ステップS2で、平均間隙電圧検出器35は交流電圧の1周期Td0中の平均間隙電圧を検出する。ステップS3で、第2の間隙制御器38は平均間隙電圧をサーボ基準電圧記憶部36中のサーボ基準電圧と比較する。平均間隙電圧がサーボ基準電圧と異なるときは、プロセスはステップS4へ進む。そうでなければ、プロセスはステップS2へ戻る。ステップS4では、第2の間隙制御器38はモータ7を駆動するため数式2に基づいて位置指令または速度指令を計算する。ステップS5で、モータ7は駆動部からの位置指令または速度指令に基づいて駆動される。ステップS6で、第2の間隙制御器38は、位置検出器74からの位置フィードバックを位置指令と比較する。あるいは、第2の間隙制御器38は速度フィードバックを速度指令と比較する。位置フィードバックの微分値を速度フィードバックとすることができる。位置フィードバックが位置指令に到達したときは、ステップS7で第2の間隙制御器38はモータ7を停止させる。ステップS2からS7までの動作は、ステップS8で荒加工が終了するまで繰り返される。
【0026】
次に、図6中のステップS11で、サーボ制御パラメータ選択器20はサーボ制御パラメータとして放電発生回数を選択し、制御装置10は交流電圧の印加によってワークWの仕上げを開始する。交流電圧の周波数はおよそ1MHzに設定されている。ステップS12で、反転カウンタ42と放電カウンタ45がリセットされる。ステップS13で、反転カウンタ42は間隙電圧が上昇または下降へ反転した回数をカウントする。ステップS14で期間Td2が経過したら、プロセスはステップS15へ進む。ステップS15で、反転カウンタ42は放電判別器44へ計数を供給し再びリセットされる。ステップS16で、放電判別器44は計数を設定反転回数記憶部43中の設定値と比較する。もし計数が設定値に到達すれば、プロセスはステップS17へ進む。そうでなければ、プロセスはステップS18へ飛ぶ。ステップS17で、放電判別器44は放電が発生したと判定し放電カウンタ45は計数を1つ増加する。ステップS18で期間Td1が経過すれば、プロセスはステップS19へ進む。そうでなければ、プロセスはステップS13まで戻る。ステップS19で、放電カウンタ45は計数を第1の間隙制御器48へ供給し再びリセットされる。ステップS20で、第1の間隙制御器48はモータ7を駆動するため数式1に基づいて位置指令または速度指令を計算する。ステップS21、S22及びS23は、ステップS5、S6及びS7と同じである。ステップS12からステップS23までの動作は、ステップS24で仕上げが終了するまで繰り返される。
【0027】
本発明を開示された形式に限定することを意図するものではない。上述の説明を参照して多くの改良および変形が可能であることは明らかである。例えば、サーボ制御パラメータは操作者が操作ボタンを使用して変えている。これに代えて、荒加工が終了すると自動的に、サーボ制御パラメータが平均間隙電圧から放電発生回数へ変わるようにしても良い。実施例は本発明の本質と実用化を説明するために選んだものである。当然のことながら、本発明は上述の実施例に限定されることなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定められる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の放電加工装置を示す図である。
【図2】図1の制御装置を示すブロック図である。
【図3】交流電圧を加工間隙に印加した時の間隙電圧と平均間隙電圧を示すタイミングチャートである。
【図4】交流電圧を加工間隙に印加した時の反転回数の計数を示すタイミングチャートである。
【図5】サーボ制御パラメータとして平均間隙電圧を選択した時の制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】サーボ制御パラメータとして放電発生回数を選択した時の制御装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0029】
1、ワイヤ放電加工装置
2、上側ガイド組立体
3、下側ガイド組立体
4、テーブル
5、電源装置
6、ワークスタンド
7、モータ
8、加工槽
9、加工液供給装置
10、制御装置
20、サーボ制御パラメータ選択器
22、間隙電圧検出器
30、平均間隙電圧選択ゾーン
35、平均間隙電圧検出器
36、サーボ基準電圧記憶部
38、第2の間隙制御器
40、放電発生回数選択ゾーン
42、反転カウンタ
43、設定反転回数記憶部
44、放電判別器
45、放電カウンタ
48、第1の間隙制御器
50、間隙制御器
71、X軸モータ
72、Y軸モータ
74、位置検出器
E、ワイヤ電極
W、ワーク
【出願人】 【識別番号】000132725
【氏名又は名称】株式会社ソディック
【識別番号】507201533
【氏名又は名称】ソディック アメリカ コーポレーション
【出願日】 平成19年6月18日(2007.6.18)
【代理人】 【識別番号】100145861
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 薫


【公開番号】 特開2008−23701(P2008−23701A)
【公開日】 平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願番号】 特願2007−159623(P2007−159623)