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【発明の名称】 ねじ切りヘッド
【発明者】 【氏名】マリオ、マカリオ

【要約】 【課題】ねじ切りヘッドを改良し、ねじ切りヘッドの耐用期間を増加するとともに、追加の調整作業なしに、個々のチップの交換が簡単かつ迅速に行えるようにする。

【解決手段】環状のねじ切りヘッド1が記載され、このねじ切りヘッド1は、その周縁部から突出し、第1平面内の凹部内に取付けられ、かつねじ切りヘッド1に直接連結されるスローアウェイチップを有している。複数のスローアウェイチップは、スローアウェイチップ面を凹部のベアリング面上に配置して横たわり、スローアウェイチップは、個別に利用可能であり、かつ締結要素により容易に組立および分解可能となっている。複数の使用されたスローアウェイチップにより、スローアウェイチップ毎に生じる削りくずが最小化され、ねじ切りヘッド1の耐用年数または性能が増加する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋盤のツールスピンドルに固定され、回転軸(5)周りに回転可能な環状のねじ切りヘッド(1)において、
内側縁(11)を有する貫通孔(10)と、
前記回転軸(5)方向に放射状に向く複数のチップとを備え、
前記チップは、少なくとも1つの切断端(31)を有する少なくとも1つのカッター(30)を有し、
前記チップは、前記内側縁(11)から前記回転軸(5)方向に放射状に突出して、少なくとも1つの前記切断端(31)がワークピース(6)に沿って材料除去するように案内されるように配置され、
ワークピーススピンドル(61)に設けられた前記ワークピースは、前記貫通孔(10)内で直線動作するように案内可能であるとともに、前記カッター(30)に沿って回転するように案内可能であり、
これにより固体材料からなる前記ワークピース(6)に様々な形状からなる外ねじ部(60)がねじ切られるようになっており、
複数の鏡面対象なスローアウェイチップ(3)が用いられ、各個別のスローアウェイチップ(3)は、直接に連結されるとともに直接ポジティブ結合および非ポジティブ結合によりねじ切りヘッド(1)に取付けられ、
個々の自由利用可能な凹部(2)のベアリング面(20)上に配置されたスローアウェイチップ面(32)を有する各スローアウェイチップ(3)は、前記ねじ切りヘッド(1)の前記回転軸(5)に垂直な第1平面(7)内に設けられ、凹部(2)の第1側壁(21)と第2側壁(22)との間に放射状に配置され、それぞれ締結要素により固定され、
ねじ切りヘッド(1)の外周に沿ったスローアウェイチップ(3)の距離は、同時に常に1つを上回る前記切断端(31)が前記ワークピース(6)に当接するように選択されることを特徴とするねじ切りヘッド。
【請求項2】
前記スローアウェイチップ(3)は、菱形であることを特徴とする請求項1に記載のねじ切りヘッド。
【請求項3】
前記スローアウェイチップ(3)は、前記切断端(31)領域内に削りくず案内段部(33)を有し、これにより削りくずの除去および取り除きを簡単にすることを特徴とする請求項1に記載のねじ切りヘッド。
【請求項4】
前記締結要素は、垂直にねじ込まれ、前記スローアウェイチップ(3)の貫通孔(34)内を横切り、前記凹部(2)のねじ穴(23)内にねじ込み可能なねじであることを特徴とする請求項1に記載のねじ切りヘッド。
【請求項5】
直接にかつ直接ポジティブ結合および非ポジティブ結合によりねじ切りヘッド(1)に取付けられた複数の鏡面対象なスローアウェイチップ(3)は、前記回転軸(5)に垂直かつ前記第1平面(7)と平行に配置された第2平面(8)内で、前記凹部(2)内に個々に取付可能であることを特徴とする請求項1に記載のねじ切りヘッド。
【請求項6】
各個々のスローアウェイチップ(3)は、個々の自由にアクセス可能な凹部(2)のベアリング面(20)上の前記スローアウェイチップ面(32)に取付可能であり、それぞれ締結要素により固定可能であることを特徴とする請求項5に記載のねじ切りヘッド。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、旋盤のツールスピンドルに固定され、回転軸周りに回転可能な環状のねじ切りヘッドにおいて、内側縁を有する貫通孔と、回転軸方向に放射状に向く複数のチップとを備え、チップは、少なくとも1つの切断端を有する少なくとも1つのカッターを有し、チップは、内側縁から回転軸方向に放射状に突出して、少なくとも1つの切断端がワークピースに沿って材料除去するように案内されるように配置され、ワークピーススピンドルに設けられたワークピースは、貫通孔内で直線動作するように案内可能であるとともに、カッターに沿って回転するように案内可能であり、これにより固体材料からなるワークピースに様々な形状からなる外ねじ部がねじ切られるようになっているねじ切りヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば医療技術のような特定の技術分野において、切削機械によるワークピース表面に対する外ねじの形成について高い要求が課せられている。移植(implants)の領域において、ねじを切る際に鋭利な端部が生じることがなく、生成されたねじにはバリがあってはならず、このため移植用ねじは、これまでかなりの期間ねじ切りによって製造されている。移植は、通常錆びないステンレス、チタン、またはチタン合金からなり、このような方法を用いて最大限正確に製造されるであろう。
【0003】
この方法において、旋盤のツールスピンドルに締められ、固定されたねじ切りヘッドが高速で回転され、またほとんどゆっくり同一方向に回転するツールスピンドルに把持されたワークピースは、ねじ切りヘッド内の貫通孔内に導かれる。この方法において、ワークピースは規定数のカッターと、ねじ切りヘッドの貫通孔内に突出する切断端とを有するチップに沿って案内され、これは、外ねじが切断端部のフライス加工により固体金属に形成され、したがって外ねじは一度の通過(作業工程)で作製されることを意味する。
【0004】
カッターの外形の選択、ねじ切りヘッドの列すなわちワークピースに対するチップの列、およびワークピースの動作のプログラミングによって、様々なねじ形状が製造される。またテーパーねじは、ワークピーススピンドルをねじ切りヘッドに対して相対的に移動することにより製造され、ねじ切りにより作製される全てのねじは、ねじ表面に鋭利な構造がないという高い品質により優れている。
【0005】
いくつかのリングにより構成されたねじ切りヘッドが、EP1,287,932A1に記載され、これはいくつかの細長いチップを有し、このチップは、ベースの貫通孔からねじ切りヘッドの回転軸を向いて配置されている。この細長いチップの利点は、最大20回までこれらを再研磨することによりこれらを再利用できることにある。
【0006】
このチップは、ねじ切りヘッドのベース上の平面内に横たわるとともに、同じくベース上にある中間リングのスロット内に導入される。外側リングのベースに対するチャック固定は、チップを堅固にベース表面上にしっかり押圧し、これによりチップをベース上で回転軸方向に固定することによる。この挿入されたチップは、外側リングを通過してベース内の小孔に係合するいくつかのねじを使用することにより固定され、ベース上に横たわるとともに中間リングのスロット内に横たわる。
【0007】
ねじ山を有するピンが、各個別のチップの半径方向の位置決め用に挿入され、このピンは中間リングの内側ねじ内に係合し、各個別のチップの各切断端の半径方向距離の設定は、各チップの切断端から離れた方の側面に接触することにより可能とされる。
【0008】
しかしながらチップは、外側リングのチャック固定によってベースに対して保持され、個々にアクセス可能でなくかつ個々にベースに固定されていないので、個々のチップを簡単かつ迅速に交換することが難しい。ねじ切りヘッドを完全に分解しなければならないので、大変な作業を伴い、また再取付けにも時間を要する。仮に個々または全てのチップが再研磨されたとすると、回転軸に対するチップの半径方向距離を各チップについて個別に再調整する必要がある。この手順もまた時間がかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、ねじ切りヘッドを改良し、ねじ切りヘッドの耐用期間を増加するとともに、追加の調整作業なしに、個々のチップの交換が簡単かつ迅速に行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は請求項1の特徴を有する装置により達成される。
【0011】
本発明によるねじ切りヘッドの更なる有利な構成態様であってねじ切りヘッドの効果を更に増加するものは、その従属項に開示されている。
【0012】
本発明は、以下に図面と組合わせて説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明による環状のねじ切りヘッド1は、貫通孔10と内側縁11とを有している。このねじ切りヘッド1は、旋盤のツールスピンドル12上の旋盤チャックにより固定されていても良い。ねじ切りの際、ねじ切りヘッド1は、ねじ切りヘッド1の円筒軸と一致する回転軸5の周囲を高回転速度で回転する。
【0014】
ワークピース6が配置されたワークピーススピンドル61は、ねじ切りによって内部で固体材料から外ねじ60を作成するものであり、ツールスピンドル12の反対側に横たわって配置されている。ワークピーススピンドル61は、ワークピース6の長軸62周りを低回転速度で回転するとともに、直線状に移動可能となっている。コンピュータ制御の旋盤により、ねじ切りの全工程において、完全に自動化されソフトウェア制御された作業が可能となり、これにより、全く中断なくかつ更なる介入作業なしに一度の通過で所望の外ねじ60を作成することができる。
【0015】
複数の鏡面対象なスローアウェイチップ3は、ねじ切りヘッド1の外面に沿って分配して配置され、凹部2内の平面7内に固定され、回転軸5から半径方向の距離が形成されている。各個別のスローアウェイチップ3は、スローアウェイチップ面32が凹部2のベアリング面20上となるように配置され、これによりカッター30および少なくとも1つの切断端31が、回転軸5方向にねじ切りヘッド1の内側縁11上に突出する。
【0016】
図1に示すように、各個別の凹部2の各個別のベアリング面20は、回転軸5に垂直な第1平面7内に配置されている。各ベアリング面20は、第1側壁21および第2側壁22によって画定され、これにより導入されたスローアウェイチップ3が横方向に変位しないように固定され、また、スローアウェイチップ3の取付方向は、第1壁および第2壁によって固定されることにより定められる。ここに例として示されるスローアウェイチップ3は平行6面体式に構成されたもので、凹部2の一部がそれと適合される必要がある。
【0017】
用いられるスローアウェイチップ3は、スローアウェイチップ3の両側部に少なくとも2つのカッター30を有し、両カッター30は少なくとも1つの切断端31を有している。しかしながら、1つのカッター30あたり1つを上回る切断端31を有するスローアウェイチップ3を用いても良い。ねじ切りの際、スローアウェイチップ3の削りくずの長さを減少させるため、図2に示すように、削りくずを取り除くための削りくず案内段部33が設けられている。
【0018】
スローアウェイチップ3は締結要素により固定され、この締結要素の可能な一例としてねじを用いることができる。また、締結要素がスローアウェイチップ3をねじ切りヘッド1の凹部2内にクランプ方式で固定することもできる。
【0019】
ここに示す実施の形態において、ねじは、それぞれ各個々のベアリング面20内のねじ穴23内へ導かれ、それぞれ各スローアウェイチップ3中央に設けられた貫通孔34内を通り、ベアリング面20に対して垂直にねじ込まれかつ皿穴に埋め込まれる。このようにして、各スローアウェイチップ3は、それぞれ1つの凹部にポジティブ結合および非ポジティブ結合(a positive and non-positive fit)により連結され、これによりねじ切りヘッド1に直接的に連結されて回転軸5に垂直な第1平面7内に横たわる。
【0020】
ツール6をワークピーススピンドル61内にチャック固定した後、ワークピース6はその回転軸62周囲を低回転速度で回転し、また長手軸62方向に直線的に前進することによりねじ切りヘッド1の貫通孔10内に導入され、かつ長手軸62に直交する方向に移動することにより、ねじ切りヘッド1の切断端31と接触する。ねじ切りにおいて、ツールスピンドル12およびワークピーススピンドル61の回転方向を同一方向または反対方向に選択することができる。個々の切断端31のツール6上面との切断接触と、プログラムされた前進動作およびねじ切りヘッド1の回転軸に直交する動作とにより、望む結果に応じて、設定可能な呼び径601、谷径602、およびピッチ603を有する外ねじ6を作製することができる。
【0021】
複数のスローアウェイチップ3が設けられているので、連続的に設けられた個々のスローアウェイチップ3はワークピース6と短時間切断接触するのみであり、これは、個々のスローアウェイチップ3毎に生じる削りくずが少ないことを意味し、また各個々のスローアウェイチップ3への負荷を低減する。1つを上回る切断端31、場合によっては所望の谷径602の選択により3つの切断端31でさえ、同時にワークピース6に接触するので、これにより旋盤の動作の円滑さを向上させることができる。本発明によるねじ切りヘッド1により、ねじ切りの際により良い性能を達成することができ、これにより外ねじ60を一度の通過で短い時間間隔で作製することができる。上述したような改良により、ねじ切りヘッド1の耐用年数をより高く実現することができる。
【0022】
スローアウェイチップ3が個々の凹部2内に容易に利用可能かつ簡単に分解可能に取付けられているので、仮に個々のスローアウェイチップ3が摩耗した場合でも、特有の構成により、スローアウェイチップ3の交換が先端技術と比較して著しく簡単になり、これにより再取付時間を低減することができる。スローアウェイチップ3は、各締結要素を取り除いた後、第1側壁21および第2側壁間のベアリング面20から単に取外すだけで良い。上述した凹部2によって、スローアウェイチップ3を割り出し(indexing)および再取付した後、スローアウェイチップ3を位置決めおよび整列する不要がない。
【0023】
その構造により、本発明の範囲を拡張し、追加的に複数のスローアウェイチップ3が、回転軸5に直交する第2平面8内に取付けられ、かつ第1平面7と平行に配置されていても良い。第1平面7内および第2平面8内に凹部2を有するねじ切りヘッド1が、図3に示されている。ねじ切りヘッド1におけるスローアウェイチップ3の方向決めおよび直接固定は、上述したように行なわれるが、さらにこの場合、スローアウェイチップ3の簡単かつ迅速な組立および分解を確実に行なうことができる。さらにまた、第1平面7および第2平面8に配置されているスローアウェイチップ3を用いることにより、ねじ切りヘッド1が1回通過することで多重の外ねじ60を作製することも可能である。旋盤の制御は、実現しようとする多重の外ねじ60またはピッチ603に、ワークピーススピンドル61の前進が適合するよう、アプリケーションによってプログラムされる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1平面内に凹部を有する、本発明によるねじ切りヘッドを示す斜視図。
【図2】スローアウェイチップを有するねじ切りヘッドを示す平面図。
【図3】第1平面内および第2平面内に凹部を有するねじ切りヘッドを示す斜視図。
【図4】ねじ切りヘッドおよびツールスピンドルの平面図であって、ねじ切りヘッドの領域を一部断面とした図。
【符号の説明】
【0025】
1 ねじ切りヘッド
10 貫通孔
11 内側縁
12 ツールスピンドル
2 凹部
20 ベアリング面
21 第1側壁
22 第2側壁
23 ねじ穴
3 スローアウェイチップ
30 カッター
31 切断端
32 スローアウェイチップ面
33 削りくず案内段部
34 貫通孔
5 (ねじ切りヘッド)の回転軸
6 ワークピース
60 外ねじ
601 呼び径
602 谷径
603 ピッチ
61 ワークピーススピンドル
62 長軸
7 第1平面
8 第2平面
【出願人】 【識別番号】507313434
【氏名又は名称】ユティリス、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】UTILIS AG
【出願日】 平成19年9月19日(2007.9.19)
【代理人】 【識別番号】100075812
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢次

【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之

【識別番号】100096895
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 淳平

【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁


【公開番号】 特開2008−73843(P2008−73843A)
【公開日】 平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願番号】 特願2007−242626(P2007−242626)