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切削タップ - 特開2008−73774 | j-tokkyo
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【発明の名称】 切削タップ
【発明者】 【氏名】沢辺 輝雄

【氏名】山口 昭

【要約】 【課題】切屑の巻径及びピッチの調整に自由度が有って十分な切屑排出性能を得ることができると共に、切刃の寿命も高められるかつ再使用も可能な安価な切削タップを提供する。

【解決手段】シャンク部11の先端側に設けられたねじ部13が、ねじ山が先端に向けて漸次低くなる食付き部14と該食付き部に連なりねじ山の高さが略等しい完全山部15を有すると共に、ねじ部の略全長に亙って複数条の、断面が略円弧形状のねじれ溝からなる切屑排出用のガイド溝16を備えたスパイラルタップ10において、前記ガイド溝の切刃18のすくい面側に、切刃によって切削された切屑Wを強制的にカールさせる断面が略円弧形状の切刃溝17をガイド溝の略全長に亙って二段溝状に形成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャンク部の先端側に設けられたねじ部が、ねじ山が先端に向けて漸次低くなる食付き部と該食付き部に連なりねじ山の高さが略等しい完全山部を有すると共に、ねじ部の略全長に亙って複数条の切屑排出用のガイド溝を備えた切削タップにおいて、前記ガイド溝の切刃のすくい面側に、切刃によって切削された切屑を強制的にカールさせる断面が略円弧形状の切刃溝をガイド溝の略全長に亙って二段溝状に形成したことを特徴とする切削タップ。
【請求項2】
前記ねじ部の表面は、硬質金属化合物の被膜を有することを特徴とする請求項1に記載の切削タップ。
【請求項3】
前記切刃溝の切刃のすくい面側からのRの付き始めの位置は、ねじ山の高さをHとすると、H〜2Hの位置に設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の切削タップ。
【請求項4】
前記切削タップは、ガイド溝がねじれ溝で形成されたスパイラルタップであることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の切削タップ。
【請求項5】
前記切削タップは、ガイド溝が直溝で形成されたストレートタップであることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の切削タップ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、雌ねじ加工用の切削タップに関する。
【背景技術】
【0002】
切削タップは、タッピングマシン等の主軸に取り付けるシャンク部の先端側に円周数箇所に軸方向に凹溝を有する雄ねじ(ねじ部)を形成した構造で、雄ねじはねじ山が先端に向けて漸次低くなる食付き部と該食付き部に連なりねじ山の高さが略等しい完全山部を有する。一般に使用されているストレートタップは凹溝を軸方向に設けたものであるが、切屑の排出を良くするために凹溝を螺旋状に設けたスパイラルタップがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、ねじ部の先端側の食付き部における切刃のすくい面に、該切刃の稜線に沿って断面が略円弧形状を成すカーラ溝を設け、該切刃によって切削された切屑を該カーラ溝によりカールさせるようにしたチップカーラ付ねじれ溝タップが開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平1−171725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたチップカーラ付ねじれ溝タップにあっては、食付き部における切刃のすくい面にカーラ溝が設けられるため、カーラ溝のR(曲率半径)の大きさが自ずと規制され、切刃によって切削される切屑の巻径及びピッチの調整にも自ずと限度があることから、十分な切屑排出性能を得ることができないという問題点があった。
【0006】
また、加工数増大に加えて食付き部における切刃の加工に特殊な研削盤を要することからコストアップを招来すると共に、切刃のすくい角が大きく付いて切刃の寿命が短くなるという問題点もあった。加えて、カーラ溝がすくい面にのみ設けられるため、タップを再研磨して再使用することができないという不具合もあった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、切屑の巻径及びピッチの調整に自由度が有って十分な切屑排出性能を得ることができると共に、切刃の寿命も高められるかつ再使用も可能な安価な切削タップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための本発明に係る切削タップは、シャンク部の先端側に設けられたねじ部が、ねじ山が先端に向けて漸次低くなる食付き部と該食付き部に連なりねじ山の高さが略等しい完全山部を有すると共に、ねじ部の略全長に亙って複数条の切屑排出用のガイド溝を備えた切削タップにおいて、前記ガイド溝の切刃のすくい面側に、切刃によって切削された切屑を強制的にカールさせる断面が略円弧形状の切刃溝をガイド溝の略全長に亙って二段溝状に形成したことを特徴とする。
【0009】
また、前記ねじ部の表面は、硬質金属化合物の被膜を有することを特徴とする。
【0010】
また、前記切刃溝の切刃のすくい面側からのRの付き始めの位置は、ねじ山の高さをHとすると、H〜2Hの位置に設定されることを特徴とする。
【0011】
また、前記切削タップは、ガイド溝がねじれ溝で形成されたスパイラルタップであることを特徴とする。
【0012】
また、前記切削タップは、ガイド溝が直溝で形成されたストレートタップであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
前記構成の本発明によれば、適正なすくい角を保持して切刃の寿命を高めつつ切屑の巻径及びピッチの調整に自由度が有って十分な切屑排出性能を得ることができる。また、切刃溝がガイド溝の略全長に亙って形成されるのでタップを再研磨して再使用することができる。また、通常の研削盤を用いて加工することができるので安価に製作できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る切削タップを実施例により図面を用いて詳細に説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明の実施例1を示すスパイラルタップの側面図、図2は同じく正断面図、図3は切屑の比較説明図である。
【0016】
図1に示すように、スパイラルタップ10は、シャンク部11の先端側にネック部12を介してねじ部13が設けられ、このねじ部13は、ねじ山が先端に向けて漸次低くなる食付き部14と該食付き部14に連なりねじ山の高さが略等しい完全山部15を有すると共に、ねじ部13の略全長に亙って複数条(図示例では3条)の、断面が略円弧形状のねじれ溝からなる切屑排出用のガイド溝16を備える。
【0017】
前記ねじ部13には、その全長に亙って窒化チタン(TiN)等の被膜(図示せず)がイオンコーティング法等の適宜の被膜手段によって設けられている。
【0018】
そして、本実施例では、図2にも示すように、前記ガイド溝16の切刃18のすくい面側に、切刃18によって切削された切屑W(図3参照)を強制的にカールさせる、断面が略円弧形状の切刃溝17がガイド溝16の略全長に亙って二段溝状に形成される。
【0019】
また、前記切刃溝17の切刃18のすくい面側からのRの付き始めの位置は、ねじ山の高さをHとすると、H〜2Hの位置に設定される(図3参照)。
【0020】
このように構成されるため、切刃溝17のRの設定により切屑Wの巻径及びピッチの調整を自由に行え、例えば切刃溝17のRを可及的に小さく設定することで、切屑Wの巻径を小さくかつピッチを短くすることができる。
【0021】
これによって、切屑Wの絡み合いやタップへの?み込みが回避され、切刃溝17及びガイド溝16による切屑Wの排出性能が高められるので、切屑Wの排出性が損なわれて切屑詰まりが発生し、その結果としてタップ寿命,加工精度,仕上げ面粗さ,加工能率等が阻害されることが防止される。
【0022】
ところで、前述したように、ねじ部13の表面に硬質金属化合物の被膜を有する場合は、一般に、高い耐溶着性、耐摩耗性によって切削の高速化,耐久性の著しい向上が認められるものの、切屑Wの巻径が大きくかつピッチも長く延びたものとなる傾向があるが、本実施例では、前述した切刃溝17を設けたことによりこれを効果的に回避することができる。
【0023】
また、本実施例では、前記切刃溝17の切刃18のすくい面側からのRの付き始めの位置を、ねじ山の高さをHとすると、H〜2Hの位置に設定するので、切刃18の寿命を高めつつ切屑Wの排出性能が高められる。
【0024】
即ち、図3に示すように、Rの付き始めの位置がH未満であると、切屑Wの巻径を小さくかつピッチを短くすることができるが、適正なすくい角を保持することができなくなるので切刃18の寿命が短くなるのである(図3の(a)参照)。一方、Rの付き始めの位置が2Hを越えると、適正なすくい角を保持することができるが、切屑Wの巻径が大きくかつピッチが長くなるので切屑Wの排出性能が低下するのである(図3の(b)参照)。尚、図3の(c)は、切刃溝17が無い場合で、ガイド溝16のRで切屑Wの巻径及びピッチが決まり、巻径が大きくかつピッチが長くなるのである。
【0025】
また、切刃溝17がガイド溝16の略全長に亙って形成されるので、スパイラルタップ10を食付き部14のみ再研磨して再使用することができる。
【0026】
また、本スパイラルタップ10の加工にあたっては、ガイド溝16をカッターで切削(粗削り)すると共に、通常の研削盤を用いて切刃溝17のみを研削することで済むので、加工時間の短縮及び加工コストの削減が可能となる。
【実施例2】
【0027】
図4は本発明の実施例2を示すストレートタップの側面図、図5は同じく正断面図である。
【0028】
これは、実施例1におけるスパイラルタップ10の切刃溝17を、ガイド溝16が直溝で形成されたストレートタップ10Aにも同様に形成した例である。その他の構成は実施例1と同様なので、図1及び図2と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0029】
この実施例においても、実施例1と同様の作用・効果が得られる。
【0030】
尚、本発明は上記各実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、ガイド溝16(切刃溝17)の条数変更等各種変更が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施例1を示すスパイラルタップの側面図である。
【図2】同じく正断面図である。
【図3】切屑の比較説明図である。
【図4】本発明の実施例2を示すストレートタップの側面図である。
【図5】同じく正断面図である。
【符号の説明】
【0032】
10 スパイラルタップ
10A ストレートタップ
11 シャンク部
12 ネック部
13 ねじ部
14 食付き部
15 完全山部
16 切屑排出用のガイド溝
17 切刃溝
18 切刃
【出願人】 【識別番号】000151014
【氏名又は名称】株式会社田野井製作所
【出願日】 平成18年9月19日(2006.9.19)
【代理人】 【識別番号】100078499
【弁理士】
【氏名又は名称】光石 俊郎

【識別番号】100074480
【弁理士】
【氏名又は名称】光石 忠敬

【識別番号】100102945
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 康幸

【識別番号】100120673
【弁理士】
【氏名又は名称】松元 洋


【公開番号】 特開2008−73774(P2008−73774A)
【公開日】 平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願番号】 特願2006−252098(P2006−252098)