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【発明の名称】 歯車の歯合わせ角度検出方法及び装置
【発明者】 【氏名】菊池 寿真

【氏名】石井 浩

【要約】 【課題】左右両歯面の累積ピッチ誤差を打ち消し、且つ、左右両歯面の何れにも研削残りが生じるのを防止し、更には左右両歯面の研削代をできるだけ少なくすることができる最適な歯合わせ角度を検出することができ、更には短時間で全歯検出とその信号処理を行って前記歯合わせ角度を求めることができる歯車の歯合わせ角度検出方法及び装置を提供する。

【解決手段】最も研削残りが生じやすいと考えられる、最大累積ピッチ誤差ALmax(右回り方向がプラス方向の場合)を有する左歯面28と、最小累積ピッチ誤差ARmin(右回り方向がプラス方向の場合)を有する右歯面29とに基づいて、これらの累積ピッチ誤差を打ち消し、研削後の累積ピッチ誤差を抑制させるための補正値δθを求め、この補正値δθによって基準歯溝角度θ0を補正することにより、ワーク歯車14の歯合わせ角度θを求める構成とする。また、変位センサと高速歯合わせ専用回路基板24を用いて短時間の全歯検出及び信号処理を実現する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワーク回転軸に取り付けられたワーク歯車の歯合わせ角度を検出する装置であって、
前記ワーク歯車の全歯に対して、前記ワーク回転軸の原点からの左歯面角度と右歯面角度とを求める第1の処理と、
前記左歯面角度と前記右歯面角度とに基づいて、全歯に対する左歯面累積ピッチ誤差と右歯面累積ピッチ誤差とを求める第2の処理と、
前記ワーク歯車の右回り方向をプラス方向として、前記左歯面累積ピッチ誤差と前記右歯面累積ピッチ誤差とから、左歯面最大累積ピッチ誤差と右歯面最小累積ピッチ誤差とを求める第3の処理と、
前記左歯面角度と前記右歯面角度とに基づいて基準歯溝の角度を求める第4の処理と、
前記左歯面最大累積ピッチ誤差と前記右歯面最小累積ピッチ誤差とを平均化して前記基準歯溝の角度の補正値を求める第5の処理と、
前記基準歯溝角度を前記補正値で補正して歯合わせ角度を求める第6の処理と、
を有してなることを特徴とする歯車の歯合わせ角度検出方法。
【請求項2】
請求項1に記載の歯車の歯合わせ角度検出方法において、
前記ワーク回転軸とともに一方向に回転してZ相パルス、A相パルス及びB相パルスを出力するインクリメンタル式のロータリーエンコーダと、
前記ワーク回転軸とともに前記ワーク歯車を前記一方向に回転させたとき、前記ワーク歯車の全歯の左歯面及び右歯面の位置を検出して左歯面位置検出信号と右歯面位置検出信号とを出力する変位センサとを用い、
前記第1の処理では、前記ロータリーエンコーダのZ相を前記ワーク回転軸の原点とし、前記ロータリーエンコーダから前記Z相パルスが出力されてから、前記ロータリーエンコーダから出力される前記A相パルス及び前記B相パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を、前記変位センサの前記左歯面位置検出信号及び前記右歯面位置検出信号でラッチすることにより、前記ワーク回転軸の原点からの前記左歯面角度と前記右歯面角度とを求めることを特徴とする歯車の歯合わせ角度検出方法。
【請求項3】
請求項1に記載の歯車の歯合わせ角度検出方法において、
前記ワーク回転軸を一方向に回転させたとき、前記ワーク回転軸の原点を検出して、原点検出信号を出力する原点検出手段と、
クロックパルスを出力するクロックと、
前記ワーク回転軸とともに前記ワーク歯車を前記一方向に回転させたとき、前記ワーク歯車の全歯の左歯面及び右歯面の位置を検出して左歯面位置検出信号と右歯面位置検出信号とを出力する変位センサとを用い、
前記第1の処理では、前記原点検出手段から前記原点検出信号が出力されてから、前記クロックから出力される前記クロックパルスのパルス数をカウントし、このカウント値を、前記変位センサの前記左歯面位置検出信号及び前記右歯面位置検出信号でラッチすることにより、前記ワーク回転軸の原点からの前記左歯面角度と前記右歯面角度とを求めることを特徴とする歯車の歯合わせ角度検出方法。
【請求項4】
ワーク回転軸に取り付けられたワーク歯車の歯合わせ角度を検出する装置であって、
前記ワーク歯車の全歯に対して、前記ワーク回転軸の原点からの左歯面角度と右歯面角度とを求める第1の手段と、
前記左歯面角度と前記右歯面角度とに基づいて、全歯に対する左歯面累積ピッチ誤差と右歯面累積ピッチ誤差とを求める第2の手段と、
前記ワーク歯車の右回り方向をプラス方向として、前記左歯面累積ピッチ誤差と前記右歯面累積ピッチ誤差とから、左歯面最大累積ピッチ誤差と右歯面最小累積ピッチ誤差とを求める第3の手段と、
前記左歯面角度と前記右歯面角度とに基づいて基準歯溝の角度を求める第4の手段と、
前記左歯面最大累積ピッチ誤差と前記右歯面最小累積ピッチ誤差とを平均化して前記基準歯溝の角度の補正値を求める第5の手段と、
前記基準歯溝角度を前記補正値で補正して歯合わせ角度を求める第6の手段と、
を有してなることを特徴とする歯車の歯合わせ角度検出装置。
【請求項5】
請求項4に記載の歯車の歯合わせ角度検出装置において、
前記ワーク回転軸とともに一方向に回転してZ相パルス、A相パルス及びB相パルスを出力するインクリメンタル式のロータリーエンコーダと、
前記ワーク回転軸とともに前記ワーク歯車を前記一方向に回転させたとき、前記ワーク歯車の全歯の左歯面及び右歯面の位置を検出して左歯面位置検出信号と右歯面位置検出信号とを出力する変位センサと備え、
前記第1の手段では、前記ロータリーエンコーダのZ相を前記ワーク回転軸の原点とし、前記ロータリーエンコーダから前記Z相パルスが出力されてから、前記ロータリーエンコーダから出力される前記A相パルス及び前記B相パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を、前記変位センサの前記左歯面位置検出信号及び前記右歯面位置検出信号でラッチすることにより、前記ワーク回転軸の原点からの前記左歯面角度と前記右歯面角度とを求めることを特徴とする歯車の歯合わせ角度検出装置。
【請求項6】
請求項4に記載の歯車の歯合わせ角度検出装置において、
前記ワーク回転軸を一方向に回転させたとき、前記ワーク回転軸の原点を検出して、原点検出信号を出力する原点検出手段と、
クロックパルスを出力するクロックと、
前記ワーク回転軸とともに前記ワーク歯車を前記一方向に回転させたとき、前記ワーク歯車の全歯の左歯面及び右歯面の位置を検出して左歯面位置検出信号と右歯面位置検出信号とを出力する変位センサとを備え、
前記第1の手段では、前記原点検出手段から前記原点検出信号が出力されてから、前記クロックから出力される前記クロックパルスのパルス数をカウントし、このカウント値を、前記変位センサの前記左歯面位置検出信号及び前記右歯面位置検出信号でラッチすることにより、前記ワーク回転軸の原点からの前記左歯面角度と前記右歯面角度とを求めることを特徴とする歯車の歯合わせ角度検出装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の歯車の歯合わせ角度検出装置において、
歯合わせ専用回路基板を備え、
前記第1の手段、前記第2の手段、前記第3の手段、前記第4の手段、前記第5の手段及び前記第6の手段は、前記歯合わせ専用回路基板に搭載されたプロセッサーで実行される計算処理プログラムであり、且つ、前記歯合わせ専用回路基板には前記変位センサの応答速度に対応し得るクロック周波数のクロックが搭載されていることを特徴とする歯車の歯合わせ角度検出装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は歯車の歯合わせ角度検出方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ボブ盤などの歯切り盤によって歯切り加工された歯車は、更に歯車研削盤などの歯車仕上げ機械によって仕上げ加工される。
【0003】
この歯車の仕上げ加工では、実際に仕上げ加工(研削)を開始する前にねじ状砥石などの研削工具の歯(山谷)と、ワーク歯車(例としてホブ切りし、焼入れした後の歯車)の歯(山谷)とが噛み合い可能な回転位相関係になるようにするための「歯合わせ」の工程が必要となる。
【0004】
そして、この歯合わせ工程ではテーブル軸に取り付けられたワーク歯車の歯合わせ角度を求める必要があるが、この歯合わせ角度を求める方法としては、従来、接触式センサであるタッチプローブ、又は、非接触式センサである近接センサによってワーク歯車の歯(山谷)の位置を検出し、この検出信号に基づいてNC装置で歯合わせ角度を求めるという方法が用いられていた。
【0005】
例えば近接センサを用いる場合には、図15に示すようにテーブル軸1に取り付けられたワーク歯車2の歯3の近傍に近接センサの検出部である近接センサヘッド4を配置した後、図示しないモータによって矢印Aの如くテーブル軸1とともにワーク歯車2を回転させながら、近接センサヘッド4によってワーク歯車2の左右両右歯面6,7を検出し、この検出信号を、近接センサの信号処理部である近接センサアンプ5を介してNC装置へ出力する。
【0006】
なお、歯車の歯合わせについて記載された先行技術文献としては次のものがある。
【特許文献1】特開2004−25333号公報
【特許文献2】特許第3132740号公報
【特許文献3】特開2000−326141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、例えば自動車用ミッションギヤなどの低騒音化・低振動化のために歯車の加工精度に対する要求がますます高まっており、この要求を満足するためには高精度な歯車の仕上げ加工を行う必要がある。そして、このような高精度な仕上げ加工を行うには、歯合わせ工程において最適な歯合わせ角度の検出、即ち、左右両歯面の累積ピッチ誤差を打ち消し、且つ、左右両歯面の何れにも研削残りが生じるのを防止し、更には左右両歯面の研削代をできるだけ少なくすることができる最適な歯合わせ角度を検出する方法が望まれている。
【0008】
また、焼入れされた歯車には熱歪が生じており、この熱歪は歯車精度における累積ピッチ誤差や歯溝の振れという数値に現れ、この値が大きいとギヤノイズなどの問題となり易い。従って、更なる高精度化のために前記熱歪の除去も可能となるように焼入れ後の歯車に対して仕上げ加工をすることが望まれている。この場合、累積ピッチ誤差を小さくするためには、ワーク歯車の限られた数の歯だけではなく、全歯(全周)の左右両歯面の位置(角度)を検出し、この検出値に基づいて上記のような最適な歯合わせ角度を求める必要がある。しかも、生産性を向上させるために、実際の加工と直接関係しないこの「歯合わせ」時間を、できるだけ短時間することも望まれている。
【0009】
これに対し、タッチプローブなどの接触式センサでは検出に時間がかかるため、短時間で全歯検出を行って高精度に歯合わせ角度を求めるという要求を満足することは困難である。また、近接センサを用いる場合でも、やはり以下のような理由から歯合わせ角度を求めるのに時間がかかるため、前記要求を満足することは困難である。
(1) 近接センサは応答速度が遅いため、ワーク歯車2を高速で回転させることができない。従って左右両歯面6,7の検出に時間がかかる。
(2) 近接センサでは応差の影響により、近寄り側の信号しか利用できない。このため、一方向の回転のみでワーク歯車2の左右両歯面6,7を検出することができず、図16(a)に示すように矢印A1の如くワーク歯車2を正転させて左歯面6の検出を行った後、図16(b)に示すように矢印A2の如くワーク歯車2を逆転させて右歯面7の検出を行う必要がある。従って左右両歯面6,7の検出に時間がかかる。
(4) センサなどからの外部信号をNC装置で処理する場合、NC装置では信号間隔(入力時間)に制限があるため、高速処理ができない。
【0010】
従って本発明は上記の事情に鑑み、左右両歯面の累積ピッチ誤差を打ち消し、且つ、左右両歯面の何れにも研削残りが生じるのを防止し、更には左右両歯面の研削代をできるだけ少なくすることができる最適な歯合わせ角度を検出することができ、更には短時間で全歯検出を行って前記歯合わせ角度を求めることができる歯車の歯合わせ角度検出方法及び装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する第1発明の歯車の歯合わせ角度検出方法は、ワーク回転軸に取り付けられたワーク歯車の歯合わせ角度を検出する装置であって、
前記ワーク歯車の全歯に対して、前記ワーク回転軸の原点からの左歯面角度と右歯面角度とを求める第1の処理と、
前記左歯面角度と前記右歯面角度とに基づいて、全歯に対する左歯面累積ピッチ誤差と右歯面累積ピッチ誤差とを求める第2の処理と、
前記ワーク歯車の右回り方向をプラス方向として、前記左歯面累積ピッチ誤差と前記右歯面累積ピッチ誤差とから、左歯面最大累積ピッチ誤差と右歯面最小累積ピッチ誤差とを求める第3の処理と、
前記左歯面角度と前記右歯面角度とに基づいて基準歯溝の角度を求める第4の処理と、
前記左歯面最大累積ピッチ誤差と前記右歯面最小累積ピッチ誤差とを平均化して前記基準歯溝の角度の補正値を求める第5の処理と、
前記基準歯溝角度を前記補正値で補正して歯合わせ角度を求める第6の処理と、
を有してなることを特徴とする。
【0012】
また、第2発明の歯車の歯合わせ角度検出方法は、第1発明の歯車の歯合わせ角度検出方法において、
前記ワーク回転軸とともに一方向に回転してZ相パルス、A相パルス及びB相パルスを出力するインクリメンタル式のロータリーエンコーダと、
前記ワーク回転軸とともに前記ワーク歯車を前記一方向に回転させたとき、前記ワーク歯車の全歯の左歯面及び右歯面の位置を検出して左歯面位置検出信号と右歯面位置検出信号とを出力する変位センサとを用い、
前記第1の処理では、前記ロータリーエンコーダのZ相を前記ワーク回転軸の原点とし、前記ロータリーエンコーダから前記Z相パルスが出力されてから、前記ロータリーエンコーダから出力される前記A相パルス及び前記B相パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を、前記変位センサの前記左歯面位置検出信号及び前記右歯面位置検出信号でラッチすることにより、前記ワーク回転軸の原点からの前記左歯面角度と前記右歯面角度とを求めることを特徴とする。
【0013】
また、第3発明の歯車の歯合わせ角度検出方法は、第1発明の歯車の歯合わせ角度検出方法において、
前記ワーク回転軸を一方向に回転させたとき、前記ワーク回転軸の原点を検出して、原点検出信号を出力する原点検出手段と、
クロックパルスを出力するクロックと、
前記ワーク回転軸とともに前記ワーク歯車を前記一方向に回転させたとき、前記ワーク歯車の全歯の左歯面及び右歯面の位置を検出して左歯面位置検出信号と右歯面位置検出信号とを出力する変位センサとを用い、
前記第1の処理では、前記原点検出手段から前記原点検出信号が出力されてから、前記クロックから出力される前記クロックパルスのパルス数をカウントし、このカウント値を、前記変位センサの前記左歯面位置検出信号及び前記右歯面位置検出信号でラッチすることにより、前記ワーク回転軸の原点からの前記左歯面角度と前記右歯面角度とを求めることを特徴とする。
【0014】
また、第4発明の歯車の歯合わせ角度検出装置は、ワーク回転軸に取り付けられたワーク歯車の歯合わせ角度を検出する装置であって、
前記ワーク歯車の全歯に対して、前記ワーク回転軸の原点からの左歯面角度と右歯面角度とを求める第1の手段と、
前記左歯面角度と前記右歯面角度とに基づいて、全歯に対する左歯面累積ピッチ誤差と右歯面累積ピッチ誤差とを求める第2の手段と、
前記ワーク歯車の右回り方向をプラス方向として、前記左歯面累積ピッチ誤差と前記右歯面累積ピッチ誤差とから、左歯面最大累積ピッチ誤差と右歯面最小累積ピッチ誤差とを求める第3の手段と、
前記左歯面角度と前記右歯面角度とに基づいて基準歯溝の角度を求める第4の手段と、
前記左歯面最大累積ピッチ誤差と前記右歯面最小累積ピッチ誤差とを平均化して前記基準歯溝の角度の補正値を求める第5の手段と、
前記基準歯溝角度を前記補正値で補正して歯合わせ角度を求める第6の手段と、
を有してなることを特徴とする。
【0015】
また、第5発明の歯車の歯合わせ角度検出装置は、第4発明の歯車の歯合わせ角度検出装置において、
前記ワーク回転軸とともに一方向に回転してZ相パルス、A相パルス及びB相パルスを出力するインクリメンタル式のロータリーエンコーダと、
前記ワーク回転軸とともに前記ワーク歯車を前記一方向に回転させたとき、前記ワーク歯車の全歯の左歯面及び右歯面の位置を検出して左歯面位置検出信号と右歯面位置検出信号とを出力する変位センサと備え、
前記第1の手段では、前記ロータリーエンコーダのZ相を前記ワーク回転軸の原点とし、前記ロータリーエンコーダから前記Z相パルスが出力されてから、前記ロータリーエンコーダから出力される前記A相パルス及び前記B相パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を、前記変位センサの前記左歯面位置検出信号及び前記右歯面位置検出信号でラッチすることにより、前記ワーク回転軸の原点からの前記左歯面角度と前記右歯面角度とを求めることを特徴とする。
【0016】
また、第6発明の歯車の歯合わせ角度検出装置は、第4発明の歯車の歯合わせ角度検出装置において、
前記ワーク回転軸を一方向に回転させたとき、前記ワーク回転軸の原点を検出して、原点検出信号を出力する原点検出手段と、
クロックパルスを出力するクロックと、
前記ワーク回転軸とともに前記ワーク歯車を前記一方向に回転させたとき、前記ワーク歯車の全歯の左歯面及び右歯面の位置を検出して左歯面位置検出信号と右歯面位置検出信号とを出力する変位センサとを備え、
前記第1の手段では、前記原点検出手段から前記原点検出信号が出力されてから、前記クロックから出力される前記クロックパルスのパルス数をカウントし、このカウント値を、前記変位センサの前記左歯面位置検出信号及び前記右歯面位置検出信号でラッチすることにより、前記ワーク回転軸の原点からの前記左歯面角度と前記右歯面角度とを求めることを特徴とする。
【0017】
また、第7発明の歯車の歯合わせ角度検出装置は、第5又は第6発明の歯車の歯合わせ角度検出装置において、
歯合わせ専用回路基板を備え、
前記第1の手段、前記第2の手段、前記第3の手段、前記第4の手段、前記第5の手段及び前記第6の手段は、前記歯合わせ専用回路基板に搭載されたプロセッサーで実行される計算処理プログラムであり、且つ、前記歯合わせ専用回路基板には前記変位センサの応答速度に対応し得るクロック周波数のクロックが搭載されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
第1発明の歯車の歯合わせ角度検出方法又は第4発明の歯車の歯合わせ角度検出装置によれば、前記ワーク歯車の全歯に対して、前記ワーク回転軸の原点からの左歯面角度と右歯面角度とを求める第1の処理(手段)と、前記左歯面角度と前記右歯面角度とに基づいて、全歯に対する左歯面累積ピッチ誤差と右歯面累積ピッチ誤差とを求める第2の処理(手段)と、前記ワーク歯車の右回り方向をプラス方向として、前記左歯面累積ピッチ誤差と前記右歯面累積ピッチ誤差とから、左歯面最大累積ピッチ誤差と右歯面最小累積ピッチ誤差とを求める第3の処理(手段)と、前記左歯面角度と前記右歯面角度とに基づいて基準歯溝の角度を求める第4の処理(手段)と、前記左歯面最大累積ピッチ誤差と前記右歯面最小累積ピッチ誤差とを平均化して前記基準歯溝の角度の補正値を求める第5の処理(手段)と、前記基準歯溝角度を前記補正値で補正して歯合わせ角度を求める第6の処理(手段)とを有してなることを特徴とするため、即ち、最も研削残りが生じやすいと考えられる、最大累積ピッチ誤差(右回り方向がプラス方向の場合)を有する左歯面と、最小累積ピッチ誤差(右回り方向がプラス方向の場合)を有する右歯面とに基づいて補正値を求め、この補正値によって基準歯溝角度を補正することにより、ワーク歯車の歯合わせ角度を求めるため、左右両歯面の累積ピッチ誤差を打ち消し、且つ、左右両歯面の何れにも研削残りが生じるのを防止し、更には左右両歯面の研削代をできるだけ少なくすることができる最適な歯合わせ角度を求めることができる。
【0019】
また、第2発明の歯車の歯合わせ角度検出方法又は第5発明の歯車の歯合わせ角度検出装置によれば、前記第1の処理(手段)では、前記ロータリーエンコーダのZ相を前記ワーク回転軸の原点とし、前記ロータリーエンコーダから前記Z相パルスが出力されてから、前記ロータリーエンコーダから出力される前記A相パルス及び前記B相パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を、前記変位センサの前記左歯面位置検出信号及び前記右歯面位置検出信号でラッチすることにより、前記ワーク回転軸の原点からの前記左歯面角度と前記右歯面角度とを求めることを特徴とするため、全歯の左歯面角度と右歯面角度とを、高精度且つ高速に検出することができる。
【0020】
また、第3発明の歯車の歯合わせ角度検出方法又は第6発明の歯車の歯合わせ角度検出装置によれば、前記第1の処理(手段)では、前記原点検出手段から前記原点検出信号が出力されてから、前記クロックから出力される前記クロックパルスのパルス数をカウントし、このカウント値を、前記変位センサの前記左歯面位置検出信号及び前記右歯面位置検出信号でラッチすることにより、前記ワーク回転軸の原点からの前記左歯面角度と前記右歯面角度とを求めることを特徴とするため、全歯の左歯面角度と右歯面角度とを、高精度且つ高速に検出することができる。
【0021】
また、第7発明の歯車の歯合わせ角度検出装置によれば、前記第1の手段、前記第2の手段、前記第3の手段、前記第4の手段、前記第5の手段及び前記第6の手段は、前記歯合わせ専用回路基板に搭載されたプロセッサーで実行される計算処理プログラムであり、且つ、前記歯合わせ専用回路基板には前記変位センサの応答速度に対応し得るクロック周波数のクロックが搭載されていることを特徴とするため、全歯の左歯面角度と右歯面角度とを、変位センサの優れた応答速度(サンプリング速度)を最大限に活用して、非常に高速に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0023】
<構成>
図1は本発明の実施の形態例に係る歯車の歯合わせ角度検出装置を搭載する歯車研削盤などの歯車仕上げ機械の要部構成を示す斜視図、図2は前記歯合わせ角度検出装置の構成を示すブロック図である。また、図3(a)はNC装置で処理できる信号間隔(入力時間)の説明図、図3(b)は変位センサアンプの応答速度(サンプリング速度)の説明図、図4は変位センサヘッドの検出信号と変位センサアンプの信号処理の概要を示す説明図である。図5及び図6は歯合わせ角度検出処理の流れを示すフローチャート、図7はロータリーエンコーダのパルス信号と変位センサのON−OFF信号の関係を例示する説明図、図8は左歯面の角度の求め方に関する説明図、図9は右歯面の角度の求め方に関する説明図、図10は基準歯溝の角度の求め方に関する説明図、図11は基準歯溝角度の補正方法に関する説明図である。
【0024】
図12(a)はクロックパルスを用いて左右両歯面の角度を求める場合の歯車の歯合わせ角度検出装置の構成を示すブロック図、図12(b)は原点検出センサの原点検出信号とクロックパルスと変位センサのON−OFF信号の関係を例示する説明図である。また、図13は高速歯合わせ専用回路基板の回路構成の概要を示すブロック図、図14は前記高速歯合わせ専用回路基板の状態遷移の概要を示す図である。
【0025】
図1に示すように、歯車研削盤などの歯車仕上げ機械は主軸11と、ワーク回転軸としてのテーブル軸12(C軸と称する)とを有している。主軸11には研削工具(図示例ではねじ状砥石)13が取り付けられており、テーブル軸12にはボブ盤などの歯切り盤によって歯切りされ、更に焼入れされた後の歯車14がワークとして取り付けられる。研削工具13は主軸用モータ15によって矢印A3の如く主軸11とともに回転駆動され、ワーク歯車14はテーブル軸用モータ16によって矢印A4の如くテーブル軸12とともに回転駆動されるようになっている。
【0026】
また、図示は省略するが、歯車仕上げ機械には研削工具13を矢印A5の如くアキシャル送りするためのZ軸駆動部、研削工具13を矢印A6の如くシフト送りするためのY軸駆動部、研削工具13を矢印A7の如くワーク歯車14に対して接近・離反させるためのX軸駆動部なども設けられている。ワーク歯車14の仕上げ加工(研削)はこれらの各軸の駆動部の作動により、研削工具13の歯17(山谷)とワーク歯車14の歯18(山谷)とを噛み合わせた状態で研削工具13と、ワーク歯車14とを回転させることによって実施される。
【0027】
そして、このような実際の仕上げ加工を開始する前には研削工具13の歯17(山谷)と、ワーク歯車14の歯18(山谷)とが噛み合い可能な回転位相関係になるようにするための「歯合わせ」の工程があり、この歯合わせ工程ではテーブル軸12に取り付けられたワーク歯車14の歯合わせ角度を検出する必要がある。この歯合わせ角度検出装置の構成を図2に基づいて説明する。
【0028】
図2に示すように、本実施の形態例の歯合わせ角度検出装置は渦電流式の変位センサ(変位センサヘッド21,変位センサアンプ22)と、インクリメンタル式のロータリーエンコーダ23と、高速歯合わせ専用回路基板24とを備えた構成となっている。
【0029】
図1及び図2に示すように、ロータリーエンコーダ23はテーブル軸用モータ16の回転軸25を介してテーブル軸12に連結されており、テーブル軸12(ワーク歯車14)とともに回転してZ相、A相及びB相のパルス信号を出力するものである。図7に示すように、Z相パルスは1回転に1パルスだけ出力され、A相パルスとB相パルスは互いに90度の位相差を有しており、1回転に所定のパルス数だけ出力されるようになっている。
【0030】
図2に示すように、変位センサ(ギャップセンサ)は検出部の変位センサヘッド21と、信号処理部の変位センサアンプ22とから構成されている。変位センサは従来の近接センサに比べてサンプリング速度や繰り返し精度に優れているため、高速且つ高精度にワーク歯車14の左右両歯面位置を検出することができ、また、応差の影響がないため、一方向の回転のみでワーク歯車14の左右両歯面位置を同時に検出することができる。
【0031】
変位センサヘッド21は例えば図示しない旋回機構などの移動機構に取り付けられており、歯合わせ角度検出するときには前記移動機構によって図2に示すようにテーブル軸12に取り付けられたワーク歯車14の歯18の近傍へと移動(アプローチ)されて歯18に対向するように配置される一方、歯合わせ角度検出が終了すると前記移動機構によって研削工具13による仕上げ加工の邪魔にならない待避位置へと移動されるようになっている。変位センサアンプ22には、変位センサヘッド21から出力されるアナログ信号(ギャップ値)とデジタル信号(しきい値に対するHigh-Lowの判定出力)とを同時に処理できるものが用いられている。
【0032】
変位センサの検出信号は、従来のようにNC装置26へ出力するのではなく、高速歯合わせ専用回路基板24に出力され、この高速歯合わせ専用回路基板24で求められる歯合わせ角度が、NC装置26へ出力されるようになっている。NC装置26は主軸11やテーブル軸12などの各軸の数値制御などを行うものである。
【0033】
図3(a)に例示するようにNC装置の連続高速スキップ機能では外部からの入力信号に対しON→OFF又はOFF→ONの信号更新に例えば24msec以上を要する。一方、図3(b)に例示するように変位センサからは最短で例えば25μsecの間隔(サンプリング速度)でON−OFF信号の出力が可能である。従って、変位センサとNC装置の組み合わせでは、NC装置側で処理できる信号間隔(入力時間)に制限があるため、ワーク歯車の回転速度を落として左右両歯面位置の検出をすることが必要となり、結果的に変位センサの優れた応答速度(サンプリング速度)を最大限に活用することができなくなってしまう。
【0034】
このため、本実施の形態例では高速で検出信号を処理して歯合わせ角度を演算することができる歯合わせ専用回路基板24を開発・製作し、この高速歯合わせ専用回路基板24に変位センサの検出信号(ON・OFF信号)を出力する構成となっている。この高速歯合わせ専用回路基板24では、変位センサの25μsecの応答速度(サンプリング速度)に対応してクロック周波数が40kHz以上のクロック(図13のクロック部57参照)を搭載して、高速歯合わせ専用回路基板24に搭載したプロセッサー(図13のプロセッサー部49参照)の演算速度を高速化することにより、変位センサ側の能力を最大限に活かせるようになっている。
【0035】
ここで図4に基づき、変位センサヘッド21の検出信号と変位センサアンプ22の信号処理について説明する。図4(a)にはワーク歯車14の歯18及び歯溝27の一部を展開した図を示している。これに対し、図2に矢印A4で示す如くテーブル軸用モータ16によってテーブル軸12(ワーク歯車14)を所定の回転速度で回転させると、変位センサヘッド21からは図4(b)に示すようなワーク歯車14の歯18及び歯溝27の形状に応じた検出信号が出力される。即ち、変位センサヘッド21は、変位センサヘッド21から歯18及び歯溝27までの距離(ギャップ)を検出する。変位センサヘッド21の検出信号(ギャップ値)は例えば−5〜+5Vのアナログ信号である。この検出信号(アナログ信号)が変位センサヘッド21から変位センサアンプ22へ出力されると、変位センサアンプ22では、図4(b)に示すように前記検出信号と、予め設定されているトリガレベル(しきい値)とを比較して、前記検出信号が前記トリガレベルをまたいだときにHigh又はLowのON−OFF信号を出力する。
【0036】
図示例の変位センサアンプ22では、前記検出信号が前記トリガレベルよりも小さい状態から大きい状態へと前記トリガレベルをまたいだときに0VのOFF信号(Low信号)を出力し、前記検出信号が前記トリガレベルよりも大きい状態から小さい状態へと前記トリガレベルをまたいだときに5VのON信号(High信号)を出力するように設定されている。即ち、図示例(図2,図4参照)では、ON信号(High信号)がワーク歯車14の左歯面28の位置検出信号であり、OFF信号(Low信号)がワーク歯車14の右歯面29の位置検出信号である。
【0037】
なお、前記トリガレベルは前記検出信号の最大値と最小値の範囲内であれば任意の値に設定することができる。また、上記とは逆に左歯面28の位置検出信号をOFF信号(Low信号)とし、左歯面29の位置検出信号をON信号(High信号)とすることもできる。
【0038】
そして、変位センサアンプ22から出力されるON−OFF信号は高速歯合わせ専用回路基板24に入力され、高速歯合わせ専用回路基板24では、このON−OFF信号などに基づいてワーク歯車14の歯合わせ角度を求める。
【0039】
高速歯合わせ専用回路基板24及びNC装置26による歯合わせ角度検出処理の流れを、図5及び図6のフローチャートに基づいて説明する。図5に記載の(*A)は図6に記載(*A)に続いている。なお、高速歯合わせ専用回路基板24の回路構成の概要及び状態遷移の概要については後述する(図13,図14参照)。
【0040】
図5に示すように、NC装置26による前記移動機構の制御によって変位センサヘッド21のワーク歯車14へのアプローチを行って図2に示す状態とし、高速歯合わせ専用回路基板24への電源供給などを行って歯合わせ角度検出処理の準備が完了すると、歯合わせ角度検出処理が開始され(ステップS1)、NC装置26によるテーブル軸用モータ16の作動開始によってテーブル軸12(ワーク歯車14)の回転を開始する(ステップS2)。
【0041】
回転開始付近や回転停止付近ではテーブル軸12(ワーク歯車14)の回転速度が一定ではないため、テーブル軸12(ワーク歯車14)は360度よりも余分に回転させる。例えばテーブル軸12(ワーク歯車14)の回転量を次のように360±50度とする(ステップS3)。
→ −50度(テーブル軸回転開始)
→ 0度(検出開始)
→ 360度(検出終了)
→ 410度(テーブル軸回転終了)
【0042】
なお、電源を切って再度電源を入れた場合、NC装置26はテーブル軸12の原点位置(ロータリーエンコーダ23のZ相位置)が分からないため、歯面位置検出のためのテーブル軸回転(ステップS2)を行う前に原点復帰のためのテーブル軸回転を行う。原点復帰のためのテーブル軸回転を行ったときにロータリーエンコーダ23から出力されるZ相パルス(原点信号)によって、ロータリーエンコーダ23のZ相位置、即ちテーブル軸12の原点位置を確認する。NC装置26においてテーブル軸12の原点位置が把握されていれば、テーブル軸12が回転開始から50度回転した時点(0度の時点)又はその近傍に達した時点でロータリーエンコーダ23からZ相パルスが出力されるようにすることができ、その結果、テーブル軸12の回転速度が安定している範囲(上記の0度〜360度の範囲)で確実に歯面位置検出を行うことができる。
【0043】
そして、高速歯合わせ専用回路基板24では、NC装置26による歯面位置検出のためのテーブル軸回転が開始されて(ステップS2,S3)、図7に例示するようにロータリーエンコーダ23からZ相パルスが出力されると、このZ相パルス(原点信号)を基準にして左右両歯面28,29の角度(C1,C2,C3,C4,・・・,C2Z-1,C2Z)を求める(ステップS4)。
【0044】
即ち、Z相パルス(原点信号)が出力されてから、変位センサ(変位センサアンプ22)のON信号(左歯面位置検出信号)及びOFF信号(右歯面位置検出信号)が出力されるまでの間にロータリーエンコーダ23から出力されるA相パルス及びB相パルスのパルス数をカウントする。そして、このカウント値を、所定のロータリーエンコーダ23のパルス数と回転角度との関係に基づいて左右両歯面28,29の角度に変換することにより、図8に例示するようなZ相(原点)からの全歯18の左歯面28の角度(C1,C3,・・・,C2Z-1)と、図9に例示するようなZ相(原点)からの全歯18の右歯面29の角度(C2,C4,・・・,C2Z)とを求める(ステップS4)。即ち、本実施の形態例ではステップS4が第1の処理(手段)である。つまり、ロータリーエンコーダ23のZ相をテーブル軸12(ワーク回転軸)の原点とし、ロータリーエンコーダ23からZ相パルスが出力されてから、ロータリーエンコーダ23から出力されるA相パルス及びB相パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を、変位センサ(変位センサヘッド21、変位センサアンプ22)のON−OFF信号(左歯面位置検出信号及び右歯面位置検出信号)でラッチ(保持)することにより、テーブル軸12(ワーク回転軸)の原点からの左歯面角度と右歯面角度とを求める。なお、A相パルス及びB相パルスのパルス数のカウント方法としては、例えば4逓倍法(図7の「測定ピッチ」参照)など用いることができる。
【0045】
そして、ここで求めた全歯18の左右両歯面角度(C1,C2,C3,C4,・・・,C2Z-1,C2Z)を記憶し、また、ワーク歯車14の歯数Zを入力し(例えばオペレータが図示しない入力装置によって入力する)、全右歯面29の累積ピッチ誤差ARiの最小値ARminの初期値(0)、及び、全左歯面28の累積ピッチ誤差ALiの最大値ALmaxの初期値(0)を設定する(ステップS4)。
【0046】
次に、累積ピッチ誤差を求めるための基準となる歯面の角度を、左歯面28についてはC1とし、右歯面29についてはC2として、i番目(i=2,3,4,・・・,Z)の歯18の左歯面28の累積ピッチ誤差ALiと、右歯面29の累積ピッチ誤差ARiとを、それぞれ下式によって求める。下式において(C2i-1−C1)は図8に例示するように左歯面28の累積ピッチ(実測値)、(C2i−C2)は図9に例示するように右歯面29の累積ピッチ(実測値)、(360/Z)(i−1)は理想の(誤差のない)累積ピッチである。そして、この演算結果から、全左歯面28の累積ピッチ誤差ALiのうちの最大値ALmaxと、全右歯面29の累積ピッチ誤差ARiのうちの最小値ARminとを求める。
ALi=(C2i-1−C1)−(360/Z)(i−1) (i=2,3,4,・・・,Z)
ARi=(C2i−C2)−(360/Z)(i−1) (i=2,3,4,・・・,Z)
【0047】
即ち、図6のフローチャートに基づいて説明すると、まず、iを2とする(ステップS5)。続いて、左歯面28に対してはC2i-1の値とC1の値とを比較して(ステップS6)、C2i-1の値がC1の値よりも大きい場合には当該C2i-1の値をそのままC2i-1の値として設定し(ステップS7)、C2i-1の値がC1の値以下の場合には(C2i-1+360)の値をC2i-1の値として設定する(ステップS8)。
【0048】
そして、C1の値とステップS7又はS8で設定したC2i-1の値とに基づき、上記のALiの演算式から、左歯面28の累積ピッチALiを演算する(ステップS9)。
【0049】
次に、ステップS9で求めたALiの値とALmaxの値とを比較し(ステップS10)、ALiの値がALmaxの値よりも小さければALmaxの値はそのままとし(ステップS12)、ALiの値がALmaxの値以上であれば当該ALiの値をALmaxの値として設定する(ステップS11)。
【0050】
右歯面29に対してはC2iの値とC2の値とを比較して(ステップS13)、C2iの値がC2の値よりも大きい場合には当該C2iの値をそのままC2iの値として設定し(ステップS14)、C2iの値がC2の値以下の場合には(C2i+360)の値をC2iの値として設定する(ステップS15)。
【0051】
そして、C2の値とステップS14又はS15で設定したC2iの値とに基づき、上記のARiの演算式から、左歯面28の累積ピッチARiを演算する(ステップS16)。
【0052】
なお、累積ピッチ誤差の考え方からすると、(C2i-1−C1)及び(C2i−C2)の値は必ず正の値となる(図8,図9参照)。従って、もし、左歯面角度C2i-1もしくは右歯面角度C2iの値が360度を越えて0度からの値になった場合には(C2i-1−C1)もしくは(C2i−C2)の値が負になってしまうため、ステップS6でC2i-1の値がC1の値以下であると判定された場合やステップS13でC2iの値がC2の値以下であると判定された場合にはステップS8,S15の処理を行なうことによって、ステップS9,S16で(C2i-1−C1)や(C2i−C2)の値が必ず正の値となるようにしている。
【0053】
次に、ステップS16で求めたARiの値とARminの値とを比較し(ステップS17)、ARiの値がARminの値以上であればALmaxの値はそのままとし(ステップS18)、ARiの値がARminの値よりも小さければ当該ARiの値をARminの値として設定する(ステップS19)。
【0054】
次に、iの値を(i+1)とし(ステップS20)、iの値が歯数Zの値に達するまで(ステップS21)、上記ステップS6〜S12及びステップS13〜S19の処理を繰り返す。かくして、全左歯面28の累積ピッチ誤差の最大値ALmaxと、全右歯面29の累積ピッチ誤差の最小値ARminとが求められる。本実施の形態例ではステップS5〜ステップS21が第2の処理(手段)及び第3の処理(手段)である。
【0055】
続いて、図8及び図9に示す基準歯溝27の位置(角度)θ0を、下式によって求める(ステップS22)。本実施の形態例ではステップS22が第4の処理(手段)である。図10に示すように歯18の頂点(幅方向の中央部)から隣りの歯18の頂点(幅方向の中央部)までの角度は360度を歯数Zで割ることによって求まり、更にその1/2が隣り合う2つの歯18の頂点と頂点の間の位置、つまり基準歯溝27の位置(歯18の頂点から基準歯溝27までの角度)となる。また、Z相(原点)から歯18の頂点までの角度は(C1+C2)/2によって求めることができる。従って、下式により、Z相(原点)から基準歯溝27までの角度θ0を求めることができる。
θ0=(C1+C2)/2+(360/Z)/2
【0056】
次に、基準歯溝角度θ0の補正値δθを、下式によって演算する(ステップS23)。本実施の形態例ではステップS23が第5の処理(手段)である。
δθ=(ARmin+ALmax)/2
【0057】
左右両歯面28,29の累積ピッチ誤差を打ち消し、且つ、左右両歯面28,29の研削残りを防止し、しかも、左右両歯面28,29の研削代をできるだけ少なくするためには、基準歯溝角度θ0を補正する必要がある。
【0058】
このような要求を満足する補正量δθは、図11に例示するように矢印A10方向、即ちワーク歯車14の右回り(各歯18において右歯面29が先行する回転方向)の方向をプラス方向とした場合、左歯面28の最大累積ピッチ誤差ALmax(プラス方向に最も大きい誤差)と、右歯面29の最小累積ピッチ誤差ARmin(矢印A10とは逆のマイナス方向に最も大きい誤差:絶対値最大)とを上式により平均化して、これらの累積ピッチ誤差ALmax,ARminを左右均等化させることにより、求めることができる。
【0059】
図11において、点線は累積ピッチ誤差のない理想的なものであると仮定した場合の基準歯溝27の左右両側の歯面28,29を表しており、実線は全歯面28,29のうちの最大累積ピッチ誤差ALmaxを有する左歯面28と、最小累積ピッチ誤差ARminを有する右歯面29とを、仮想的に前記点線の歯面28,29に重ね合わせてみたものであり、この仮想状態において左右両歯面28,29が最も離間した状態となる。このように最大累積ピッチ誤差ALmaxを有する左歯面28と、最小累積ピッチ誤差ARminを有する右歯面29とに基づいて補正量δθを求める理由は、これらの左歯面28又は右歯面29において最も研削残りが生じやすいと考えられるためである。
【0060】
そして、最終的に求める最適な歯合わせ角度θを、下式によって演算し(ステップS24)、この歯合わせ角度θをNC装置26へ出力して(ステップS25)、処理を終了する(ステップS26)。本実施の形態例ではステップS24が第5の処理(手段)である。
θ=θ0+δθ
【0061】
そして、NC装置26では、ロータリーエンコーダ23からの検出信号(パルス信号)に基づいてテーブル軸用モータ16の回転を制御することにより、互いに同期回転させている研削工具13(主軸11)とワーク歯車14(テーブル軸12)の回転位相を、図11に例示するように補正量δθだけ補正する。かくして研削工具13(主軸11)とワーク歯車14(テーブル軸12)の回転位相が最適なものとなり、この状態でワーク歯車14の歯18(山谷)に対して、従来と同様に各軸駆動部を制御することより、研削工具13の歯(山谷)を噛み合わせる。かくして歯合わせが完了し、実際の仕上げ加工が開始される。
【0062】
なお、上記ではワーク歯車14を正転(図2,図8,図9に示す矢印A4方向の回転)させて歯合わせ角度を検出する場合について説明したが、勿論、ワーク歯車14を逆転させても、詳細な説明は省略するが、上記と同様の処理により、基準歯溝角度θ0を補正値δθで補正した最適な歯合わせ角度θを求めることができる。
【0063】
また、上記ではロータリーエンコーダ23のパルス信号に基づいて左右両歯面角度(C1,C2,C3,C4,・・・,C2Z-1,C2Z)を求めたが、これに限定するものではなく、高速歯合わせ専用回路基板24に装備された内部クロックから発信されるクロックパルスに基づいて左右両歯面角度(C1,C2,C3,C4,・・・,C2Z-1,C2Z)を求めるようにしてもよい。この場合、ロータリーエンコーダ23のZ相パルスに代わって原点信号を出力する原点検出手段が必要になる。
【0064】
この場合の原点検出手段としては、テーブル軸12(ワーク回転軸)の原点を検出することができるものであればよく、例えば図12に示すような構成のものでもよい。図12(a)に示すようにテーブル軸12の外周面の一箇所にテーブル軸12の原点を表す原点突起31を設け、この原点突起31を近接センサや変位センサなどの適宜の原点検出センサ32によって検出する。原点検出センサ32では、原点突起31の検出信号を高速歯合わせ専用回路基板24へ出力する。即ち、原点検出センサ32の原点検出信号が、ロータリーエンコーダ23のZ相パルスの代わりになる。なお、原点突起31は図示例のように直接テーブル軸12に設ける場合に限らず、テーブル軸に連結された他の回転軸に設けてもよい。即ち、テーブル軸12に連結されてテーブル軸12とともに回転する他の回転軸が設けられている場合には、当該他の回転軸の外周面の一箇所にテーブル軸12の原点を表す原点突起31を設けることもできる。
【0065】
高速歯合わせ専用回路基板24では、図12(b)に示すように原点検出センサ32から原点検出信号が出力(1回転に1回出力)されると、この原点検出信号を基準にして左右両歯面28,29の角度(C1,C2,C3,C4,・・・,C2Z-1,C2Z)を求める。
【0066】
即ち、原点検出信号が出力されてから、変位センサ(変位センサアンプ22)のON信号やOFF信号が出力されるまでの間に前記クロックから出力されるクロックパルスのパルス数をカウントする。そして、このカウント値を、前記クロックパルスのパルス数と回転角度との関係(クロック周波数とテーブル軸12の回転速度との関係)に基づいて左右両歯面28,29の角度に変換することにより、図8と同様に原点からの全歯18の左歯面28の角度(C1,C3,・・・,C2Z-1)と、図9と同様に原点からの全歯18の右歯面29の角度(C2,C4,・・・,C2Z)とを求める。つまり、ワーク歯車14の回転速度が一定であることを前提とし、原点検出センサ32などの原点検出手段から原点検出信号が出力されてから、内部クロックから出力されるクロックパルス(基準パルス)のパルス数をカウントして、このカウント値を、変位センサ22のON−OFF信号(左歯面位置検出信号及び右歯面位置検出信号)でラッチ(保持)することにより、テーブル軸12(ワーク回転軸)の原点からの左歯面角度と右歯面角度とを求める。なお、クロックパルスを利用する場合、テーブル軸12(ワーク歯車14)の回転速度の設定を、例えばワーク歯車14を低速の一定回転速度で回転させる低速モードと、高速の一定回転速度で回転させる高速モードの2段階に切り替え可能にしてもよい。
【0067】
これ以降の歯合わせ角度θを求めるまでの処理内容については、上記のロータリーエンコーダ23を用いた場合の処理と同様であるため(図6参照)、ここでの説明は省略する。
【0068】
ここで、図13に基づき、高速歯合わせ専用回路基板24の回路構成の概要について説明する。
【0069】
図13に示すように、高速歯合わせ専用回路基板24は、コネクタなどからなる入力コネクタ部41,42,43,44と、作動入力トランジスタ、抵抗、コンデンサなどからなるエンコーダ信号入力IF回路部45、フォトカプラ、トランジスタ、抵抗、コンデンサなどからなるNC・原点検出信号入力IF回路部46、フォトカプラ、トランジスタ、抵抗、コンデンサなどからなる変位センサ入力IF回路部47と、ROMIC、抵抗、コンデンサなどからなるROM部48と、マイクロプロセッサー、コンデンサなどからなるプロセッサー部49と、DCDCコンバータ、コンデンサなどからなるDCDC変換部50と、D電源、コンデンサなどからなる電源24V部51と、端子台などからなる電源入力端子台部52と、スイッチなどからなるリセットスイッチ部53と、スイッチ、抵抗などからなるDIPSW部54と、LEDなどからなるLED表示部55と、トランジスタ、抵抗、コンデンサなどからなるLEDドライブ部56と、クロックICなどからなるクロック部57と、SRAMなどからなるSRAM部58と、フォトカプラ、トランジスタ、抵抗、コンデンサなどからなる出力IF部59と、コネクタなどからなる出力コネクタ部60とを有している。
【0070】
各部の概要について説明すると、入力コネクタ部41,42,43,44には外部入力配線を接続する。エンコーダ信号入力IF回路部45ではロータリーエンコーダ23からの入力信号のレベルをプロセッサー入力用の信号レベルに変換(5Vから3.3Vに変換)する。NC・原点検出信号入力IF回路部46ではNC装置26又は原点検出センサ32からの入力信号のレベルをプロセッサー入力用の信号レベルに変換(5Vから3.3Vに変換)する。変位センサ入力IF回路部47では変位センサアンプ22からの入力信号のレベルをプロセッサー入力用の信号レベルに変換(5Vから3.3Vに変換)する。ROM部48ではプログラム(歯合わせ角度の演算プログラムなど)が記憶されており、このプログラムをプロセッサーにロードする。プロセッサー部49では前記プログラムに基づいて図14に示すような処理を行う。DCDC変換部50では3.3V系トランジスタに3.3V電源供給を行う。
【0071】
電源24V部51では24V電圧を受け、5V電圧を5V系トランジスタに供給する。電源入力端子台部52では外部電源(DC24V)の配線接続を行う。リセットスイッチ部53ではプロセッサーのリセットを行う。DIPSW部54はプロセッサーの設定用である。LED表示部55では、7セグメントLED表示で高速歯合わせ専用回路基板24の動作状態を表示する。LEDドライブ部56ではプロセッサーからの表示信号をLED用にドライブする。クロック部57ではプロセッサーの基準クロックパルスを発生する。このクロックパルスは前述のように左右両歯面28,29の角度を求めるためにも利用される。SRAM部58では測定データを記憶する。出力IF部59ではプロセッサーの出力信号レベルを3.3Vから24Vに変換する。出力コネクタ部60には外部出力配線を接続する。
【0072】
続いて、図14に基づき、高速歯合わせ専用回路基板24の状態遷移の概要について説明する。
【0073】
図14において、電源ON61では外部電源から電力が供給され、NC装置26へREADY出力を行う。初期化62では内部変数をクリアする。アイドル状態63では、NC装置26からの指令を待ち、NC装置26からの指令に応じた状態に移行する。データ設定64では設定データの種類を識別して、種類に応じたデータ(歯数Zなど)を設定し、また、一部のデータ(歯数Zなど)について仕様範囲内か否かをチェックし、仕様範囲外であればエラー出力をする。NC装置へのデータ出力65ではNC装置26の要求に応じて累積ピッチ誤差の最大値及び最小値、高速歯合わせ専用回路基板24のクロック周波数などをNC装置26へ出力し、また、要求データの種類が仕様範囲内か否かのチェックをし、仕様範囲外であればエラー出力をする。計算処理66では図5及び図6に示すような計算処理などを行い、また、累積ピッチ誤差が過大か否かをチェックし、過大であればエラー出力をする。エラー出力67ではNC装置26へのエラー情報通知を行う。基準パルスカウント値取得68ではエンコーダモードが選択された場合にはロータリーエンコーダ23のA相パルス及びB相パルスをカウントし、低速/高速モードが選択された場合にはクロックパルスをカウントする。表示69では高速歯合わせ専用回路基板24のDIPSWに応じて、各データ、エラー情報を表示する。
【0074】
<作用効果>
以上のように本実施の形態例の歯車の歯合わせ角度検出装置によれば、ワーク歯車14の全歯18に対して、テーブル軸12の原点からの左歯面角度(C1,C3,・・・,C2Z-1)と右歯面角度(C2,C4,・・・,C2Z)とを求める第1の手段と、左歯面角度(C1,C3,・・・,C2Z-1)と右歯面角度(C2,C4,・・・,C2Z)とに基づいて、全歯18に対する左歯面累積ピッチ誤差ALiと右歯面累積ピッチ誤差ARiとを求める第2の手段と、ワーク歯車14の右回り方向をプラス方向として、左歯面累積ピッチ誤差ALiと右歯面累積ピッチ誤差ARiとから、左歯面最大累積ピッチ誤差ALmaxと右歯面最小累積ピッチ誤差ARminとを求める第3の手段と、左歯面角度(C1,C3,・・・,C2Z-1)と右歯面角度(C2,C4,・・・,C2Z)とに基づいて基準歯溝27の角度θ0を求める第4の手段と、左歯面最大累積ピッチ誤差ALmaxと右歯面最小累積ピッチ誤差ARminとを平均化して基準歯溝角度θ0の補正値δθを求める第5の手段と、基準歯溝角度θ0を補正値δθで補正して歯合わせ角度θを求める第6の手段とを有してなることを特徴とするため、即ち、最も研削残りが生じやすいと考えられる、最大累積ピッチ誤差ALmax(右回り方向がプラス方向の場合)を有する左歯面28と、最小累積ピッチ誤差ARmin(右回り方向がプラス方向の場合)を有する右歯面29とに基づいて補正値δθを求め、この補正値δθによって基準歯溝角度θ0を補正することにより、ワーク歯車14の歯合わせ角度θを求めるため、左右両歯面28,29の累積ピッチ誤差を打ち消し、且つ、左右両歯面28,29の何れにも研削残りが生じるのを防止し、更には左右両歯面28,29の研削代をできるだけ少なくすることができる最適な歯合わせ角度θを求めることができる。
【0075】
また、本実施の形態例の歯車の歯合わせ角度検出装置によれば、前記第1の処理(手段)では、ロータリーエンコーダ23のZ相をテーブル軸12(ワーク回転軸)の原点とし、ロータリーエンコーダ23からZ相パルスが出力されてから、ロータリーエンコーダから出力されるA相パルス及びB相パルスのパルス数をカウントし、このカウント値を、変位センサ(変位センサヘッド21、変位センサアンプ22)のON−OFF信号(左歯面位置検出信号及び右歯面位置検出信号)でラッチ(保持)することにより、テーブル軸12(ワーク回転軸)の原点からの左歯面角度(C1,C3,・・・,C2Z-1)と右歯面角度(C2,C4,・・・,C2Z)とを求めることを特徴とするため、全歯18の左右両歯面角度(C1,C2,C3,C4,・・・,C2Z-1,C2Z)を、高精度且つ高速に検出することができる。
【0076】
また、本実施の形態例の歯車の歯合わせ角度検出装置によれば、前記第1の処理(手段)では、原点検出センサ32などの原点検出手段から原点検出信号が出力されてから、内部クロックから出力されるクロックパルス(基準パルス)のパルス数をカウントして、このカウント値を、変位センサ22のON−OFF信号(左歯面位置検出信号及び右歯面位置検出信号)でラッチ(保持)することにより、テーブル軸12(ワーク回転軸)の原点からの左歯面角度(C1,C3,・・・,C2Z-1)と右歯面角度(C2,C4,・・・,C2Z)とを求めることを特徴とするため、全歯18の左右両歯面角度(C1,C2,C3,C4,・・・,C2Z-1,C2Z)を、高精度且つ高速に検出することができる。
【0077】
また、本実施の形態例の歯車の歯合わせ角度検出装置によれば、前記第1の手段、前記第2の手段、前記第3の手段、前記第4の手段、前記第5の手段及び前記第6の手段は、高速歯合わせ専用回路基板24に搭載されたプロセッサー(プロセッサー部49)で実行される計算処理プログラムであり、且つ、高速歯合わせ専用回路基板24には変位センサの応答速度に十分対応し得るクロック周波数のクロック(クロック部57)が搭載されていることを特徴とするため、全歯18の左右両歯面角度(C1,C2,C3,C4,・・・,C2Z-1,C2Z)を、変位センサの優れた応答速度(サンプリング速度)を最大限に活用して、非常に高速に検出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は歯車の歯合わせ角度検出方法及び装置に関し、例えば歯車研削盤などの歯車仕上げ機械において高速且つ高精度に歯合わせを行って高精度な歯車の仕上げ加工を行う場合に適用して有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施の形態例に係る歯車の歯合わせ角度検出装置を搭載する歯車研削盤などの歯車仕上げ機械の要部構成を示す斜視図である。
【図2】前記歯合わせ角度検出装置の構成を示すブロック図である。
【図3】(a)はNC装置で処理できる信号間隔(入力時間)の説明図、(b)は変位センサアンプの応答速度(サンプリング速度)の説明図である。
【図4】変位センサヘッドの検出信号と変位センサアンプの信号処理の概要を示す説明図である。
【図5】歯合わせ角度検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】歯合わせ角度検出処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】ロータリーエンコーダのパルス信号と変位センサのON−OFF信号の関係を例示する説明図である。
【図8】左歯面の角度の求め方に関する説明図、図9は右歯面の角度の求め方に関する説明図である。
【図9】右歯面の角度の求め方に関する説明図である。
【図10】基準歯溝の角度の求め方に関する説明図である。
【図11】基準歯溝角度の補正方法に関する説明図である。
【図12】(a)はクロックパルスを用いて左右両歯面の角度を求める場合の歯車の歯合わせ角度検出装置の構成を示すブロック図、(b)は原点検出センサの原点検出信号とクロックパルスと変位センサのON−OFF信号の関係を例示する説明図である。
【図13】高速歯合わせ専用回路基板の回路構成の概要を示すブロック図である。
【図14】前記高速歯合わせ専用回路基板の状態遷移の概要を示す図である。
【図15】近接センサを用いた場合の従来例を示す図である。
【図16】近接センサを用いた場合の従来例を示す図である。
【符号の説明】
【0080】
11 主軸
12 テーブル軸
13 研削工具
14 ワーク歯車
15 主軸用モータ
16 テーブル軸用モータ
17,18 歯
21 変位センサヘッド
22 変位センサアンプ
23 ロータリーエンコーダ
24 高速歯合わせ専用回路基板
25 回転軸
26 NC装置
27 歯溝
28 左歯面
29 右歯面
31 原点突起
32 原点検出センサ
41,42,43,44 入力コネクタ部
45 エンコーダ信号入力IF回路部
46 NC・原点検出信号入力IF回路部
47 変位センサ入力IF回路部
48 ROM部
49 プロセッサー部
50 DCDC変換部
51 電源24V部
52 電源入力端子台部
53 リセットスイッチ部
54 DIPSW部
55 LED表示部
56 LEDドライブ部
57 クロック部
58 SRAM部
59 出力IF部
60 出力コネクタ部
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成18年10月31日(2006.10.31)
【代理人】 【識別番号】100078499
【弁理士】
【氏名又は名称】光石 俊郎

【識別番号】100074480
【弁理士】
【氏名又は名称】光石 忠敬

【識別番号】100102945
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 康幸

【識別番号】100120673
【弁理士】
【氏名又は名称】松元 洋


【公開番号】 特開2008−110445(P2008−110445A)
【公開日】 平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願番号】 特願2006−295773(P2006−295773)