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【発明の名称】 ホブ及び該ホブを使用するギア切削加工方法
【発明者】 【氏名】陳 士端

【氏名】張 洸溶

【氏名】謝 仁桂

【要約】 【課題】ホブ及び該ホブを使用するギア加工の方法を提供する。

【構成】複数の切削歯22を備え、該切削歯はさらに歯根元から先端に向けて加工形状の異なる第一歯部、第二歯部を備える。該第一歯部は、被加工ブロック上に第一一次的開放線輪郭を形成し、該第二歯部は該被加工ブロック上に曲線輪郭を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホブ本体上に複数の切削歯を形成したホブにおいて、
該複数の切削歯は、複数の切削屑排出溝を間に設けて配列され、
かつ、第一歯部とその上方に形成された第二歯部から構成され、
該第一歯部は該ホブ本体上に形成されて加工ブロックにギアの第一一次開放線輪郭を形成し、
該第二歯部は、該被加工ブロック上にギアのリリース曲線輪郭を形成する
ことを特徴とするホブ。
【請求項2】
前記第二歯部は、該第一歯部の上方に形成されたことを特徴とする請求項1記載のホブ。
【請求項3】
前記リリース曲線輪郭は、該第二歯部がギアのリリースのためより深く切削して形成する輪郭又は一次的開放線輪郭の一部であることを特徴とする請求項1記載のホブ。
【請求項4】
前記被加工ブロックは、ギアであって、該曲線輪郭が形成する区域は該ギアのリリース区域であることを特徴とする請求項1記載のホブ及び該ホブに使用するギア加工の方法。
【請求項5】
ギアの切削加工方法において、
被加工物本体上に指定位置点において相互に交差する第一一次的開放線輪郭のルートとリリース区域輪郭のルートを設定し、
複数の切削歯を備え、該切削歯はさらに第一歯部及び第二歯部を備えるホブを準備し、
該ホブにより上記切削ルートに従い該被加工物本体に対して回転削切を行い、該第一歯部によりギアの第一一次的開放線を備えた輪郭を形成し、及び該第二歯部により該リリース区域輪郭を備えたギアを形成することを特徴とするホブによるギア切削加工方法。
【請求項6】
前記第一一次的開放線輪郭のルートと該リリース区域輪郭のルート設定において、
先ず該第一一次的開放線輪郭のルートを決定し、
該第一一次的開放線輪郭のルート上に該指定位置点を設定し、
該指定位置点の歯厚及び該指定位置点圧力角を設定し、さらに指定位置点における直径、圧力角、歯厚、螺旋角により該リリース区域輪郭のルートを求めることを特徴とする請求項5記載のホブによるギア切削加工方法。
【請求項7】
前記リリース区域輪郭は、該第二歯部が過度に切削して形成する輪郭又は一次的開放線輪郭のいずれかであることを特徴とする請求項6記載のホブによるギア切削加工方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ホブ及び該ホブを使用するギア切削加工方法に関する。特に、2個の異なる輪郭構造を備える切削歯を備えるホブ及び該ホブによる切削加工によるギアの一次的開放線構造のギア歯とギア歯根部リリース区域を形成する該ホブを使用するギア切削加工方法に係る。
【背景技術】
【0002】
公知のギア切削加工は、被加工ブロックとカッターの切削運動により歯形を切削し、先ずウォーム形状のホブにより半完成加工歯を形成し、さらにギアホイール形状を備えたギアにより加工してギアホイールを完成する。
公知のギア外型を示す図1に示すように、該ギア10は円盤型本体11を備え、該本体11外周縁にはギア歯12を形成する。2個のギア歯12の間にはギア歯溝13を備え、該ギア歯溝13の成型は主にドリルによる孔開けとギア形成の2段階の工程による。
図2に示すように、先ず該本体11上の所定位置にドリルによる孔開け131を行う。該ドリルによる孔開け131の位置とサイズはギアの実際の規格に応じて定める。本体11のドリルによる孔開け工程後、ホブ(図示なし)によりドリルによる孔開け131中心両側に対称にギアの噛み合いの一次的開放線ルートL1、L2に従い歯を切削する。こうしてギア歯12の側辺121を形成し、ドリルによる孔開け131はギア歯根部123リリース効果を達成する。
リリースの主要な目的は以下の2点である。
(1)ギア上にのこぎり歯区域(serration)を製作する時、該のこぎり歯カッターがのこぎり歯区域においてギア本体に衝突することを防止する。
(2)ギアがホブを切削する時、切削屑を排除する空間を提供する。
【0003】
しかし公知の製造工程は、ドリルによる孔開けとギア歯切削の2ステップに分けて行われるため、以下のような欠点が存在する。
1.ドリルによる孔開け131の直径d1は、ギア歯12ギア歯根間隔距離d2より大きいため、ギア歯12は細い頚部122を形成するが、該頚部122の存在はギア歯12の強度を低下させ、該頚部122位置で破断し易い。
2.本体11は、ドリルによる孔開けが完了し、ギア歯切削機にセットするとき、再度位置合わせを行なわなければ正確にギア歯切削を行うことができないため、手間と時間がかかる。
3.ドリルによる孔開け機台と歯切削機台を設置する必要があるため、設備コストが高くなり、しかも場所をとる。
4.本体11の体積は大きく、重いため、ドリルによる孔開け機台と歯切削機台間における上下運搬は極めて不便で、労力と時間の浪費となり、さらに部材に衝突するなど完成体を損壊させてしまう恐れがある。
上記問題を解決するため、2個の異なる曲線輪郭141、142歯形を備えたギア14(図3参照)が設計され、曲線142が形成するリリース区域143によりギア歯根部リリースの効果を達成する。しかし、図3のギアは公知の技術において、主に2回の歯切削加工を行なって2個の異なる曲線141、142の歯形形成を達成するため、このような製造工程は加工プロセスにおいて加工時間を要し、生産コストと労力の消耗を来たす。
【特許文献1】特開2005−59163号公報
【特許文献2】特開2005−66706号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
公知構造には以下の欠点があった。
すなわち、2ステップに分けて製造が行われるため、形成される細い頚部が脆弱で断裂し易く、また再度位置合わせを行なわなければ正確に歯切削を行うことができないため、手間と時間がかかる。さらに2種類の設備が必要であるため、コストが高くなり場所をとり、本体が大きく重いため、2台の工作機械間における上下運搬が不便で労力と時間を浪費し、さらに移送時に衝突により完成体を損壊させてしまう恐れがある。
上記問題を解決する新製造工程も加工プロセスにおいて時間を浪費し、生産コストと人力の消耗を招いてしまう。
本発明は、上記構造の問題点を解決したホブ及び該ホブに使用するギア加工の方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は下記のホブ及び該ホブに使用するギア加工の方法を提供する。
ホブ及び該ホブに使用するギア加工の方法を提供し、該ホブは切削歯上に2個の異なる輪郭を備えた構造を有し、同時に1個の加工被加工ブロック上に2種の異なる曲線を備えた歯形輪郭形成を達成し、
さらに、ホブ及び該ホブに使用するギア加工の方法を提供し、2個の異なる輪郭構造を備えた切削歯が形成するホブを利用してギアを加工し、該ギアのリリース区域を1回で成型する目的を達成し、
すなわちそれはホブ本体、複数の切削歯を含み、
該ホブ本体は複数の切削屑排出溝を含み、
該複数の切削歯は該ホブ本体上に形成し、しかも該切削屑排出溝の両側に位置し、該切削歯はさらに第一歯部、第二歯部を備え、
該第一歯部は該ホブ本体上に形成し、該第一歯部は1個の被加工ブロック上にギアの第一一次的開放線輪郭を形成することができ、該第二歯部は該被加工ブロック上にギアのリリース曲線輪郭を形成可能で、
該第二歯部は該第一歯部の上に形成することが最適で、
該曲線輪郭は該第二歯部が過度に切削し形成する輪郭であることが最適で、
該曲線輪郭は一次的開放線輪郭であることが最適で、
該被加工ブロックはギアで、該曲線輪郭が形成する区域は該ギアのリリース区域であることが最適で、
さらにそれはホブ加工方法を提供し、それは以下のステップを含み、
第一歯部は該ホブ本体上に形成し、該第一歯部は1個の被加工ブロック上に第一一次的開放線輪郭を形成することができ、及び第二歯部は該被加工ブロック上に曲線輪郭を形成可能で、
該第二歯部は該第一歯部の上に形成することが最適で、
該曲線輪郭は該第二歯部が過度に切削し形成する輪郭であることが最適で、
該曲線輪郭は一次的開放線輪郭であることが最適で、
該被加工ブロックはギアで、該曲線輪郭が形成する区域は該ギアのリリース区域であることが最適で、
加えてそれはさらに一種のギアの形成方法を提供し、それは以下のステップを含み、
被加工物本体を提供し、該被加工物本体上の指定位置点において相互に交差する第一一次的開放線輪郭のルートとリリース区域輪郭のルートを設定し、
ホブを提供し、それは複数の切削歯を備え、該切削歯はさらに第一歯部及び第二歯部を備え、該ホブは切削ルートに従い該被加工物本体に対して回転削切を行い、該第一歯部により第一一次的開放線を備えた輪郭を形成し、及び該第二歯部により該リリース区域輪郭のギアを形成し、
該第一一次的開放線輪郭のルートと該リリース区域輪郭のルートの決定方式はさらに以下のステップを含むことが最適で、
先ず該第一一次的開放線輪郭のルートを決定し、該第一一次的開放線輪郭のルート上に該指定位置点を設定し、及び該指定位置点の歯厚を形成し、該指定位置点圧力角を設定し、さらに指定位置点の直径、圧力角、歯厚、螺旋角により該リリース区域輪郭を求め線を描くことが最適で、
該リリース区域輪郭は該第二歯部が過度に切削し形成する輪郭であることが最適で、
該リリース区域輪郭は一次的開放線輪郭であることが最適であることを特徴とするホブ及び該ホブに使用するギア加工の方法である。
【発明の効果】
【0006】
上記本発明の構造及び各実施例のように、本発明は特殊歯形輪郭を備えたホブを備え、一回の回転削切により2個の異なる曲線輪郭を備えたギアを製造することができ、効果において実用性に優れており、産業上極めて高い有用性を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のホブ斜視図である図4に示すように、該ホブ2はホブ本体20及び複数の切削歯22を含む。
該ホブ本体20は、複数の切削屑排出溝21を備える。
該複数の切削歯22は、該ホブ本体20上に形成され、該切削屑排出溝21の両側に位置する。
本発明ホブの切削歯形輪郭指示図である図5に示すように、該切削歯22はさらに第一歯部220及び第二歯部221を備える。
該第一歯部220は、該ホブ本体20上に形成し、該第一歯部220は1個の被加工ブロック上に第一一次的開放線輪郭を形成することができる。該第二歯部221は、該第一歯部220上方に形成され、該被加工ブロック上に曲線輪郭を形成する。
該曲線輪郭は一次的開放線輪郭、或いは該第二歯部221により該被加工ブロックを更に深く切削して形成する輪郭である。該切削屑排出溝は、該ホブ本体の軸線と交差する方向を成し、該交差方向に応じて該ホブは直辺切削屑排出溝或いは螺旋角を備えた切削屑排出溝とすることができる。
【0008】
該ホブ2を利用し、本発明はさらにギア製作の方法を提供する。本発明ギアの形成方法の最適実施例プロセス指示図である図6に示すように、該方法3は以下のステップを含む。
先ずステップ30において、被加工物本体を準備(提供)する。
次に、ステップ31により該ギアの歯形を決定し、該被加工物本体上において指定位置点において相互に交差する第一一次的開放線のルートとリリース区域輪郭のルートを設定する。該リリース区域輪郭は一次的開放線輪郭或いはより深い切削輪郭を選択することができる。
該被加工物本体上の加工ルート輪郭指示図である図7に示すように、該被加工物本体4に対して第一一次的開放線L5及び曲線輪郭L6を設定する。該曲線輪郭L6は、本実施例中では、ホブ加工時のより深い切削加工で形成される輪郭である。一次的開放線L5と曲線輪郭L6は、指定位置点Pにおいて相互に交差する。該第一一次的開放線L5の位置は、将来ギアを成型する時のギアのギア歯と被加工ブロックの噛み合う区域を表し、該曲線輪郭L6はリリース区域輪郭を表す。
【0009】
該第一一次的開放線L5及び該曲線輪郭L6の決定方式は以下の通りである。図7に示すように、先ず第一一次的開放線L5ルートの最初の切削ルートを設定し、次に該第一一次的開放線L5上に指定位置点Pを設定する。該第一一次的開放線の決定方式はギアの歯形に応じて、該被加工物本体4上に基円を決定し、続いて該基円に基づき該第一一次的開放線L5を生じる。基円が生じる一次的開放線の方法は公知技術であるため、ここでは詳述しない。
この他、該指定位置点Pの決定原則はギアのリリース区域の必要に基づき決定する。一般的には、該指定位置点Pは通常は一次的開放線スタート地点(Starting Active profile,SAP)の下方に位置する。該SAPの位置は、規格の必要に基づき決定する。これは該項技術に習熟した人が知るところであるため、詳述しないが、以下の方程式に基づく。
T=2r((T1/2R1)+invψ1-invψ)
T=指定点の歯厚
r=指定点半径
T1=ピッチサークル位置の歯厚
R1=ピッチサークル半径
invψ1=ピッチサークルベクトル角;
invψ=指定点ベクトル角;
このように、指定位置点におけるPの歯厚Tを求めることができる。次に、指定位置点Pの圧力角ψを設定し、さらに指定位置点Pの直径ODiと螺旋角HAiを設定し、以下の方程式に基づき第二歯部221の絶対値Mniを決定する。
Mni=ODiCos(HAi)/Z
Z=ギアホイール歯数
このように、圧力角ψ、歯厚T及び前記絶対値Mniを求め該曲線輪郭L6を描くことができる。
【0010】
再度図6に示すように、次にステップ32において図4のホブにより、図8の配置に基づき加工を行う。
図8中では、該ホブ2の中心軸23と被加工物本体4の中心軸40は、交差した関係にあり、もし該交差角度(すなわち、該2個の軸23、40を平面上に投影する時、該2個の軸23、40間の挟角)が90度であるなら、加工されたギアは螺旋角がない。反対に90度でないなら、該ギアは螺旋角を備える。
さらに再度図5に示すように、該ホブの切削歯22上の第一歯部220と第二歯部221は、該一次的開放線L5、曲線輪郭L6に対応して構成された歯形輪郭である。続いてステップ33により該ホブは、切削ルートに従い該被加工物本体に対して回転切削を行い、該第一と第二歯部は該2個の相互交差する第一一次的開放線外形輪郭と曲線輪郭を備えたギアを形成する。ここで、該切削ルートはあそび線ルートである。該第一一次的開放線外形輪郭は該第一歯部が加工した輪郭で、該曲線輪郭は該第二歯部が更に深く切削した該被加工物本体に形成される輪郭である。この他、該曲線輪郭も一次的開放線輪郭で、その設計の方式は前記歯厚及び絶対値の方程式により決定する。
【0011】
本発明のホブが該被加工物本体を加工する時の切削ルート図である図9に示すように、該ホブの切削歯22が形成するラック(rack)は図9に示す(図は1種を示すのみ)。さらに、図8に示すように、該ホブ2が回転する時、該ホブ2上の切削歯は図9に示す切削ルートを形成する。該ホブの回転切削の過程において、該切削歯が形成するラックの図9に示す切削ルートは、図7中の第一一次的開放線L5、曲線輪郭L6が形成するギア歯形輪郭を一回の切削工程により形成する。
また、該切削ルートはあそび線ルートで、該曲線輪郭端部においてあそび線L7の輪郭を形成する。上記加工動作により最後に図10に示すギアを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】公知技術のギア指示図である。
【図2】公知技術のギア歯形及び根部リリース区域指示図である。
【図3】異なる曲線ギア歯形及び根部リリース区域を備えた公知構造の指示図である。
【図4】本発明のホブ立体指示図である。
【図5】本発明のホブの切削歯形輪郭指示図である。
【図6】本発明のギア形成方法最適実施例プロセス指示図である。
【図7】該被加工物本体上の加工ルート輪郭指示図である。
【図8】本発明のホブと被加工物本体の相対位置指示図である。
【図9】本発明において該被加工物本体にホブ加工を行う時のルート図である。
【図10】本発明において該被加工物本体にホブ加工を行いギアを形成する指示図である。
【符号の説明】
【0013】
10 ギア
11 円盤型本体
12 ギア歯
121 側辺
122 頚部
123 ギア歯根部
13 ギア歯溝
131 ドリルによる孔開け
14 ギア
141 一次的開放線輪郭
142 曲線輪郭
143 リリース区域
d1 直径
d2 ギア歯根間隔距離
L1、L2 一次的開放線ルート
2 ホブ
20 ホブ本体
21 切削屑排出溝
22 切削歯
220 第一歯部
221 第二歯部
23 中心軸
3 ギア形成方法
30〜33 プロセス
4 被加工物本体
40 中心軸
L5 第一一次的開放線
L6 曲線輪郭
L7 あそび線
P 指定位置点
【出願人】 【識別番号】506288896
【氏名又は名称】陸聯精密股▲ふん▼有限公司
【出願日】 平成18年9月29日(2006.9.29)
【代理人】 【識別番号】100107962
【弁理士】
【氏名又は名称】入交 孝雄


【公開番号】 特開2008−49472(P2008−49472A)
【公開日】 平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願番号】 特願2006−268472(P2006−268472)