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【発明の名称】 バンドソー型切断装置及びバンドソー型切断装置による切断方法
【発明者】 【氏名】伊藤 二三男

【氏名】石川 祐助

【氏名】西村 圭介

【要約】 【課題】本発明は、コンクリートに一部が埋設されている発電機ステータ等の大型被切断物を効率よく解体することができるバンドソー型切断装置及びバンドソー型切断装置による切断方法を提供することを目的とする。

【解決手段】本発明によれば、まず、水平方向切断姿勢の帯鋸刃32によって、発電機ステータ200を水平方向に約半分に切断する。次に、ピン構造のピン15を基点として切断ユニット34、36を90度回動させて鉛直方向切断姿勢にその姿勢を変更する。この後、切断ユニット34、36を鋸刃移動用モータ26、26により下降移動させ、発電機ステータ200を垂直方向に切断する。1回の切断動作が終了すると、駆動ブロック12、従動ブロック14の位置を切断長分だけ水平方向にすらして切断を再開する。この動作を複数回繰り返すことにより、水平方向に切断されている発電機ステータ200を鉛直方向に切断し複数のブロックB、B…に分割できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のシーブに懸け渡した無端状の帯鋸刃をシーブ間で走行させて被切断物を切断するバンドソー型切断装置において、
前記一対のシーブと前記帯鋸刃とからなる切断手段の姿勢が、鉛直方向切断姿勢と水平方向切断姿勢との間で変更可能であることを特徴とするバンドソー型切断装置。
【請求項2】
前記鉛直方向切断姿勢とは、前記一対のシーブの回転軸が鉛直方向に向いた状態で一対のシーブが鉛直方向に移動する姿勢であり、前記水平方向切断姿勢とは、前記一対のシーブの回転軸が水平方向に向いた状態で一対のシーブが水平方向に移動する姿勢であることを特徴とする請求項1に記載のバンドソー型切断装置。
【請求項3】
前記切断手段を移動自在に支持するガイド部材と、
前記ガイド部材に沿って前記切断手段を移動させる駆動手段と、
前記ガイド部材の姿勢を鉛直方向及び水平方向に変更させる姿勢変更手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載のバンドソー型切断装置。
【請求項4】
前記ガイド部材が取り付けられた装置本体の脚部が、鉛直方向及び水平方向に回動自在に支持されることにより、ガイド部材の姿勢が鉛直方向及び水平方向に変更されることを特徴とする請求項3に記載のバンドソー型切断装置。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4のうちいずれか一つに記載のバンドソー型切断装置を用いて、
前記切断手段の姿勢を、鉛直方向切断姿勢又は水平方向切断姿勢に保持して被切断物を切断した後、前記切断手段の姿勢を、水平方向切断姿勢又は鉛直方向切断姿勢に変更して被切断物を切断することを特徴とするバンドソー型切断装置による切断方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はバンドソー型切断装置及びバンドソー型切断装置による切断方法に係り、特に火力、原子力発電所の横軸蒸気タービン発電機ステータ等の大型な被切断物を解体するためのバンドソー型切断装置及びバンドソー型切断装置による切断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
火力、原子力発電所に設置された大型の発電機ステータは、最外殻を覆うケーシング、数万枚以上にもおよぶ厚み数ミリの扇型のケイ素鋼板、銅製のコイルから構成され、直径数メートルの中空円筒形状をしており、下側の1/2程度が建屋床面のコンクリートの基台に埋設されている。また、その重量は数百トンにもおよぶ。
【0003】
従来、このような発電機ステータを解体する際には、ケーシング等をガス溶断した後、作業員がバールのような工具を使用して扇型のケイ素鋼板を1枚ずつ剥がしていくことで解体を実施していた。
【0004】
また、従来のバンドソー型切断装置として特許文献1に開示された装置は、一対のシーブを水平配置(シーブの回転軸が鉛直方向に向くように配置)するとともに、一対のシーブに無端状の帯鋸刃を懸け渡し、この帯鋸刃を一対のシーブ間で走行させる切断手段を構成し、この切断手段を昇降移動機構によって下降させ、切断手段の下方に配置した被切断物に帯鋸刃を押し付けることにより被切断物を切断する。すなわち、特許文献1のバンドソー型切断装置は、切断手段を鉛直方向のみ移動させて被切断物を切断する装置である。
【特許文献1】特許第2967800号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、発電機ステータを解体する場合は、発電機ステータが埋設されている建屋の解体も同時に行われることが多い。このため、建屋内をできるだけ早く空の状態にしなければならない。
【0006】
しかしながら、鉛直方向のみに切断手段が移動する特許文献1のバンドソー型切断装置では、発電機ステータのうちコンクリートに埋設されている部分(全体の1/2)と埋設されていない部分(全体の1/2)との水平分断作業が困難なので、解体に多大な時間を要するという問題があり、これに伴い多くの作業員が必要であった。
【0007】
この問題を解決するために、コンクリートに埋設されている部分と埋設されていない部分を先に分断した後、埋設されていない部分を建屋外に運び出して解体することが考えられる。この作業によれば、単純計算でも建屋内での作業時間は半分となる。しかし、特許文献1のバンドソー型切断装置では、発電機ステータを鉛直方向に切断することは可能であっても、水平方向の切断は不可能なので、いずれにしても前記分断作業に時間、及び人手を要していた。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、コンクリートに一部が埋設されている発電機ステータ等の大型被切断物を効率よく解体することができるバンドソー型切断装置及びバンドソー型切断装置による切断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、一対のシーブに懸け渡した無端状の帯鋸刃をシーブ間で走行させて被切断物を切断するバンドソー型切断装置において、前記一対のシーブと前記帯鋸刃とからなる切断手段の姿勢が、鉛直方向切断姿勢と水平方向切断姿勢との間で変更可能であることを特徴としている。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、一対のシーブと帯鋸刃とからなる切断手段の姿勢が、鉛直方向切断姿勢と水平方向切断姿勢との間で変更可能なので、例えば、切断手段の姿勢を鉛直方向切断姿勢にして被切断物を切断し、次に、切断手段の姿勢を水平方向切断姿勢に変更して被切断物を切断する。これにより、被切断物は、細かく分断されるので、発電機ステータ等の大型被切断物であっても効率よく解体することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記鉛直方向切断姿勢とは、前記一対のシーブの回転軸が鉛直方向に向いた状態で一対のシーブが鉛直方向に移動する姿勢であり、前記水平方向切断姿勢とは、前記一対のシーブの回転軸が水平方向に向いた状態で一対のシーブが水平方向に移動する姿勢であることを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、切断手段の鉛直方向切断姿勢とは、一対のシーブの回転軸が鉛直方向に向いた状態で一対のシーブが鉛直方向に移動する姿勢であり、水平方向切断姿勢とは、一対のシーブの回転軸が水平方向に向いた状態で一対のシーブが水平方向に移動する姿勢である。被切断物によっては、切断手段の姿勢を先に水平方向切断姿勢にして切断し、この後、切断手段の姿勢を鉛直方向切断姿勢に変更して切断するのが好適な場合がある。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記切断手段を移動自在に支持するガイド部材と、前記ガイド部材に沿って前記切断手段を移動させる駆動手段と、前記ガイド部材の姿勢を鉛直方向及び水平方向に変更させる姿勢変更手段と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、切断手段を移動自在に支持するガイド部材の姿勢を姿勢変更手段によって鉛直方向、又は水平方向に変更することにより、切断手段の姿勢を変更できる。また、切断手段は、駆動手段からの動力によってガイド部材に沿って鉛直方向、又は水平方向に移動し、被切断物を切断する。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記ガイド部材が取り付けられた装置本体の脚部が、鉛直方向及び水平方向に回動自在に支持されることにより、ガイド部材の姿勢が鉛直方向及び水平方向に変更されることを特徴としている。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、例えば、ピン構造となっている装置本体の脚部を基点として装置本体を90度の範囲で回動させることにより、その両端位置において鉛直方向の切断、及び水平方向の切断が可能になる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1、2、3又は4のうちいずれか一つに記載のバンドソー型切断装置を用いて、前記切断手段の姿勢を、鉛直方向切断姿勢又は水平方向切断姿勢に保持して被切断物を切断した後、前記切断手段の姿勢を、水平方向切断姿勢又は鉛直方向切断姿勢に変更して被切断物を切断することを特徴としている。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、切断手段の姿勢を鉛直方向切断姿勢又は水平方向切断姿勢にして被切断物を切断し、次に、切断手段の姿勢を水平方向切断姿勢又は鉛直方向切断姿勢に変更して被切断物を切断する。これにより、被切断物は、細かく分断されるので、発電機ステータ等の大型被切断物であっても効率よく解体することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係るバンドソー型切断装置及びバンドソー型切断装置による切断方法によれば、一対のシーブと帯鋸刃とからなる切断手段の姿勢が、鉛直方向切断姿勢と水平方向切断姿勢との間で変更可能なので、コンクリートに一部が埋設されている発電機ステータ等の大型被切断物であっても細かく分断することができる。これにより、大型の被切断物を効率よく解体することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下添付図面に従って、本発明に係るバンドソー型切断装置及びバンドソー型切断装置による切断方法の好ましい実施の形態について詳説する。
【0021】
図1は、実施の形態のバンドソー型切断装置10を示した斜視図である。
【0022】
このバンドソー型切断装置10は、図2(A)、(B)に示す発電機ステータ(被切断物)200の設置されている火力、原子力発電所の建屋内に運搬し使用される。この発電機ステータ200は、最外殻を覆うケーシング202、数万枚以上にもおよぶ厚み数ミリの扇型のケイ素鋼板(不図示)、銅製のコイル(不図示)から構成され、直径数メートルの中空円筒形状であって、下側の1/2程度が建屋床面のコンクリートの基台204に埋設されている。
【0023】
図1のバンドソー型切断装置10は、主として駆動ブロック12、従動ブロック14、及び一対の上部梁16、16から構成され、これらを分割して運搬することが可能なので運搬が容易である。また、発電機ステータ200を切断する場合には、図1に示すように発電機ステータ200を跨ぐように駆動ブロック12、従動ブロック14、及び上部梁16、16が跨設される。
【0024】
駆動ブロック12は、鋼材からなるブロック本体18に鋸刃走行用モータ20、一対の走行レール22、22、スクリュウジャッキ24、鋸刃移動用モータ(駆動手段)26が組み付けられて構成され、また、従動ブロック14は、鋼材からなるブロック本体28に鋸刃緊張用ジャッキ30、一対の走行レール22、22、スクリュウジャッキ24、鋸刃移動用モータ(駆動手段)26が組み付けられて構成される。このように構成された駆動ブロック12と従動ブロック14は、その上部において上部梁16、16を介して連結される。
【0025】
また、図3(A)、(B)に示すように、被切断物206A、206Bの大きさに応じて上部梁16A、16Bの形状や長さ、及び後述する帯鋸刃32の長さを変更することにより、あらゆるサイズの被切断物206A、206Bに対応することが可能である。このバンドソー型切断装置10では、被切断物に対して帯鋸刃32が長過ぎる場合、すなわち、駆動ブロック12と従動ブロック14との距離が離れている場合、帯鋸刃32が振動してしまい切断を行い難くなるという問題がある。そこで、実施の形態のバンドソー型切断装置10では、上部梁16のサイズと帯鋸刃32の長さを変更することにより、被切断物に対して最適な駆動ブロック12と従動ブロック14との距離を保つことができる。
【0026】
図1に示すように駆動ブロック12、従動ブロック14、及び一対の上部梁16、16が組み立てられると、無端状の帯鋸刃32が、図4の如く駆動ブロック12の切断ユニット(切断手段)34と従動ブロック14の切断ユニット(切断手段)36に懸け渡される。
【0027】
切断ユニット34は、走行レール22、22に沿って移動自在な枠体38を有し、この枠体38のナット部(不図示)にスクリュウジャッキ24が螺合されている。したがって、鋸刃移動用モータ26によってスクリュウジャッキ24を回転駆動すると、その送り動作により、切断ユニット34が走行レール22、22に沿って移動される。
【0028】
切断ユニット34の枠体38には、3台のシーブ40、40、40がそれぞれ回転軸42を介して一列に配設される。また、図4の最下部のシーブ40には、鋸刃走行用モータ20の回転軸が連結され、その最下部のシーブ40が駆動用シーブとして回転駆動される。
【0029】
一方、切断ユニット36は、走行レール22、22に沿って移動自在な枠体44を有し、この枠体44のナット部(不図示)にスクリュウジャッキ24が螺合されている。したがって、鋸刃移動用モータ26によってスクリュウジャッキ24を回転駆動すると、その送り動作により、切断ユニット36が走行レール22、22に沿って移動される。なお、2台の鋸刃移動用モータ26、26は、切断ユニット34、36を同時に同方向に同量分だけ移動するように不図示の制御部によって同期制御されている。
【0030】
切断ユニット36の枠体44には、3台のシーブ40、40、40がそれぞれ回転軸42を介して一列に配設される。また、図4の中央部のシーブ40の回転軸42には、スライダ46を介して緊張用ジャッキ30が連結される。したがって、緊張用ジャッキ30によりスライダ46を介してシーブ40を図4の右方向に水平方向移動させると、帯鋸刃32が緊張され、シーブ40を左右方向に水平方向移動させると、帯鋸刃32が緩められる。
【0031】
帯鋸刃32を切断ユニット34、36に懸け渡す際は、緊張用ジャッキ30を予め左方位置(緩める位置)に移動させておき、帯鋸刃19を図4の如く各シーブ40、40…に千鳥状に懸け渡す。この後、帯鋸刃32を緊張用ジャッキ30によって緊張させ、帯鋸刃32を全てのシーブ40、40…に帯鋸刃32の張力によって保持させる。これにより、帯鋸刃32が図5の如く切断ユニット34、36間において張設され、発電機ステータ200を水平方向に切断可能な姿勢となる。
【0032】
図1、図3、図4、図5の切断ユニット34、36の切断姿勢は、シーブ40の回転軸42が水平方向に向いた水平方向切断姿勢である。これに対して、図6に示す切断ユニット34、36の姿勢は、シーブ40の回転軸42が鉛直方向に向いた鉛直方向切断姿勢である。
【0033】
このような切断姿勢の変更は、図7(A)〜(B)に示すように駆動ブロック12の1本の脚部13が、ピン15による回動構造であることで達成できる。すなわち、建屋の天井クレーン208に駆動ブロック12を連結し、天井クレーン208を上下、水平に操作することにより駆動ブロック12を、ピン15を基点として90度の範囲で回動させる。その回動範囲の両端位置において水平方向切断姿勢による水平方向の切断と、鉛直方向切断姿勢(図7(D))による鉛直方向の切断とが可能になる。なお、従動ブロック14についても同様にその切断姿勢を天井クレーン208によって変更する。
【0034】
なお、図6において、符号48は帯鋸刃32の振止部材であり、これらの振止部材48、48…は、L字状のアーム50の先端に取り付けられている。また、アーム50は、切断ユニット34、36に取り付けられた一対の筒状ホルダ52に伸縮自在に取り付けられ、被切断物(発電機ステータ200)の大きさに応じて、帯鋸刃32を振れ止めする最適な位置に伸縮されて設定されている。図4、図5では振止部材48、アーム50、及びホルダ52を省略している。
【0035】
帯鋸刃32によって発電機ステータ200を切断する際は、図1の水平方向切断姿勢において、鋸刃走行用モータ20により帯鋸刃32を一対の切断ユニット34、36間で走行させる。鋸刃走行用モータ20が連結されているシーブ40以外のシーブ40、40…は従動状態となっているため、鋸刃走行用モータ20の回転に全てのシーブ40、40…は連動して帯鋸刃32を走行させる。
【0036】
駆動ブロック12、従動ブロック14のそれぞれに設置された鋸刃移動用モータ26、26を、同期をとって運転させ、鋸刃移動用モータ26、26に接続されたスクリュウジャッキ24、24を回転させることにより、駆動ブロック12、従動ブロック14のそれぞれに設置された切断ユニット34、36をガイドレール22、22に沿って自走させる。帯鋸刃32を走行させた状態で、切断ユニット34、36を自走させ、帯鋸刃32を発電機ステータ200に押し当てることにより切断を開始する。そして、発電機ステータ200を所定量水平方向に切断した時点で、図5に示すジャッキ54により、切断した発電機ステータ200の上部分の重量を受け、この後、切断を継続する。
【0037】
発電所内の建屋のほぼ全てには天井クレーン208が設置されている。この天井クレーン208の容量は大方の場合数十トンクラスであるが、発電機ステータ200の重量は数百トンである。このため、天井クレーン208を用いて発電機ステータ200を建屋外に運び出すためには、発電機ステータ200を数十トン程度のブロックに分断しなければならない。すなわち、図5に示したように、水平方向切断姿勢の帯鋸刃32によって、発電機ステータ200を水平方向に約半分に切断しただけでは、天井クレーン208により切断した上半分の発電機ステータ200を建屋外に運び出すことはできない。なお、水平方向の切断は、切断ユニット34、36の1ストローク分の移動が終了した時点でバンドソー型切断装置10全体を、その1ストローク分だけ切断方向に移動して切断を再開する。この動作を切断終了まで繰り返す。
【0038】
そこで、実施の形態のバンドソー型切断装置10では、発電機ステータ200を水平方向に約半分に切断した後、図7に示したようにピン構造のピン15を基点として切断ユニット34、36を90度回動させて図7(D)に示した鉛直方向切断姿勢にその姿勢を変更する。
【0039】
そして、切断ユニット34、36を鋸刃移動用モータ26、26によって上昇移動させ、この後、切断ユニット34、36の下方位置に発電機ステータ200が位置するように駆動ブロック12、従動ブロック14の位置を調整する。この後、切断ユニット34、36を鋸刃移動用モータ26、26によって下降移動させ、図6の如く発電機ステータ200を垂直方向に切断する。1回の切断動作が終了すると、駆動ブロック12、従動ブロック14の位置を、図8の二点鎖線の如く切断長分だけ水平方向にすらして、切断を再開する。この動作を複数回繰り返すことにより、水平方向に切断されている発電機ステータ200を鉛直方向に切断し分割できるうえ、上半分の発電機ステータ200を図9の如く数ブロックB、B…に分割できる。1ブロックBあたりの重量を数十トンクラスにすることより、解体した発電機ステータ200のブロックB、B…を天井クレーン208によって建屋外に運び出すことができる。
【0040】
したがって、実施の形態のバンドソー型切断装置10によれば、一台のバンドソー型切断装置10で水平方向切断、鉛直方向切断が可能なので、従来のバンドソー型切断装置と比較して発電機ステータ200の解体効率を50%以上向上させることができる。また、バンドソー型切断装置10による切断方法によれば、操作員と監視員の二名で行うことができるため、人員の削減にも繋がる。
【0041】
図10は、バンドソー型切断装置10を簡易な高さ調整ベース210、212上に設置し、フロア212に対する帯鋸刃32の高さを変更することによって、被切断物214の任意の位置を水平切断できるようにした例である。
【0042】
図11には、フロア212に設置されている以外の被切断物216を垂直切断する際の変形例を示している。この変形例によれば、バンドソー型切断装置10をある場所へ据え付け、被切断物216を他の場所から運搬し簡易ベース218上に載せることにより垂直切断を行う。
【0043】
なお、実施の形態では、切断ユニット34、36の各々3台のシーブ40、40…に帯鋸刃32を懸け渡して帯鋸刃32を走行させたが、切断ユニット34、36に設けた各1台のシーブによって、すなわち、一対のシーブによって帯鋸刃32を走行させるように構成してもよい。
【0044】
また、バンドソー型切断装置10による切断姿勢の変更を天井クレーン208にて行うようにしたが、バンドソー型切断装置10自体にジャッキからなる姿勢変更機構を設けて切断姿勢を変更するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施の形態のバンドソー型切断装置を示す斜視図
【図2】図1のバンドソー型切断装置によって切断される発電機ステータの正面図及び側面図
【図3】被切断物の大きさに応じてサイズ変更されたバンドソー型切断装置の正面図
【図4】バンドソー型切断装置の切断ユニットの構成を示す正面図
【図5】バンドソー型切断装置による水平方向切断の例を示した斜視図
【図6】バンドソー型切断装置による鉛直方向切断の例を示した斜視図
【図7】バンドソー型切断装置の切断姿勢変更状況を示す説明図
【図8】バンドソー型切断装置による鉛直方向連続切断の例を示した斜視図
【図9】バンドソー型切断装置によって切断された発電機ステータの斜視図
【図10】バンドソー型切断装置の他の実施の形態を示した説明図
【図11】バンドソー型切断装置の他の使用例を示した説明図
【符号の説明】
【0046】
10…バンドソー型切断装置、12…駆動ブロック、14…従動ブロック、16…上部梁、18…ブロック本体、20…鋸刃走行用モータ、22…走行レール、24…スクリュウジャッキ、26…鋸刃移動用モータ、28…ブロック本体、30…鋸刃緊張用ジャッキ、32…帯鋸刃、34…切断ユニット、36…切断ユニット、38…枠体、40…シーブ、42…回転軸、44…枠体、46…スライダ、48…振止部材、50…アーム、52…ホルダ、54…ジャッキ、200…発電機ステータ、202…ケーシング、204…基台、206A、206B…被切断物、208…炎上クレーン、210…高さ調整ベース、212…フロア、214…被切断物、216…被切断物

【出願人】 【識別番号】000005452
【氏名又は名称】株式会社日立プラントテクノロジー
【出願日】 平成18年9月22日(2006.9.22)
【代理人】 【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三


【公開番号】 特開2008−73817(P2008−73817A)
【公開日】 平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願番号】 特願2006−257729(P2006−257729)