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【発明の名称】 切り屑除去機械加工のための切削工具および切削インサート
【発明者】 【氏名】インゲマー ヘスマン

【氏名】オーケ ヨハンソン

【要約】 【課題】切り屑を形成し、排出するためのその工具の能力を低下させることなしに、単位長さ当たりで多数の切削インサートが取り付けられることが可能な切削工具及び切削インサートを提供する。

【構成】切削工具は、基体1と、互いに前後して連続的に配置されている複数の切削インサートと2を含んでいる。各々のインサート2は、上面と、下面と、互いに反対側に位置した2つの側面と、前端および後端と、この前端に隣接した切れ刃とを含んでいる。第1の切削インサート2の後端は、第1のインサート2の後方に配置されている第2の切削インサート2の前端に面しており、および、第2の切削インサート2の切れ刃の前方の切り屑空間が、第1の切削インサート2の後端から前方方向に延びる切り屑形成表面と、第2の切削インサート2の切れ刃から下方に延びる切り屑形成表面とによって画定されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、互いに前後して配置されている多数の切削インサートとを含み、各々の前記インサートは、上面と、下面と、互いに反対側に位置した2つの側面と、前端および後端と、前記前端に隣接した切れ刃とを含み、
第1の切削インサートの前記後端は、前記第1の切削インサートの後方に配置されている第2の切削インサートの前記前端に面しており、
前記第2の切削インサートの前記切れ刃の前方の切り屑空間が、前記第1の切削インサートの前記後端から前方方向に延びる切り屑形成表面と、前記第2の切削インサートの前記切れ刃から下方に延びる切り屑形成表面と、によって画定されている切削工具。
【請求項2】
前記切り屑空間は前記2つの切り屑形成表面だけによって画定されている請求項1に記載の切削工具。
【請求項3】
それぞれの前記切削インサート上の接触表面が、互いに対して押した状態で密着している請求項1に記載の切削工具。
【請求項4】
前記切削工具は直線的に移動可能であり、それぞれの前記切削インサートの前記切れ刃は、前記切削工具の送り方向に関して連続的に増大する高さに配置されている請求項1〜3の何れかに記載の切削工具。
【請求項5】
多数の前記切削インサートは互いに同一であり、および、インサート座に対して平行である共通の基準平面に対して異なる高さに配置されている前記インサート座に取り付けられている請求項4に記載の切削工具。
【請求項6】
上面と、下面と、互いに反対側に位置した2つの側面と、前端および後端と、前記前端に隣接した切れ刃とを含み、
前記前端は、前記切れ刃が連結する第1の切り屑形成表面の下方に位置している第1の接触表面を含み、
前記第1の切り屑形成表面は、後側に位置する第2の接触表面を含む前記後端よりも高い位置にあり、
前記第2の接触表面から第2の切り屑形成表面が前記上面に沿って前方に延びている切削インサート。
【請求項7】
前記第1の切り屑形成表面および前記第2の切り屑形成表面は、少なくとも部分的に凹面の形状を有している請求項6に記載の切削インサート。
【請求項8】
少なくとも前記第1の切り屑形成表面の下側部分は凹面であり、該凹面は前記下部部分が前記第1の接触表面に遷移する下部境界線まで形成されている請求項7に記載の切削インサート。
【請求項9】
前記第2の切り屑形成表面の前記凹面の形状は円弧線によって画定されており、該円弧線は、前記第2の接触表面から前方に向かって一定の距離(A)の位置で最も低い底部ポイントを有する請求項7に記載の切削インサート。
【請求項10】
前記下面に対して垂直であり、かつ、前記底部ポイントと交差する第1の平面と、前記切れ刃を通る第2の平面との間の距離(B)が、前記第1の平面と、前記第2の接触表面と面一である第3の平面との間の前記距離(A)よりも大きい請求項9に記載の切削インサート。
【請求項11】
前記距離(B)は前記距離(A)の多くとも7倍である請求項10に記載の切削インサート。
【請求項12】
側面視で、前記下面に対して平行な平面と、前記底部ポイントと前記切れ刃との間の想像上の直線との間の角度(α)が、少なくとも18°である請求項9に記載の切削インサート。
【請求項13】
前記角度(α)は多くとも45°である請求項12に記載の切削インサート。
【請求項14】
前記第2の切り屑形成表面は、前方において、前記切れ刃の最高の高さよりも低い高さに位置している境界線を経由して逃げ面に遷移する請求項6に記載の切削インサート。
【請求項15】
締め付け固定部材のための貫通穴が、前記逃げ面と前記下面との中に開口するように前記第2の切り屑形成表面の前方に配置されている請求項14に記載の切削インサート。
【請求項16】
前記下面は、前記切削インサートを横方向に固着させる鋸歯状の連結表面を含む請求項6に記載の切削インサート。
【請求項17】
前記鋸歯状の連結表面は、縦方向ではなく横方向に前記切削インサートを固着させる縦方向の直線状の隆起部と溝だけを含む請求項16に記載の切削インサート。
【請求項18】
2つの前方および後方の前記第1の接触表面と前記第2の接触表面は互いに平行である請求項16に記載の切削インサート。
【請求項19】
前記第1の接触表面と前記第2の接触表面の一方は平面であり、他方が凹面である請求項18に記載の切削インサート。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、基体と、互いに前後して配置されている複数の切削インサートとを含むタイプの、切り屑除去機械加工のための切削工具に関する。複数の切削インサートは個々に、上面と、下面と、互いに反対側に位置した2つの側面と、前端および後端と、この前端に隣接した切れ刃とを含む。本発明は、さらに、こうした工具のための個別の切削インサートにも関する。
(関連出願に関する相互参照)
本出願は、2006年9月12日付で出願されたスェーデン特許出願番号0601871−7に対して合衆国法典第35巻第119条にしたがって優先権を主張し、この特許出願の開示内容はその全体において本明細書に引例として組み入れられている。
【背景技術】
【0002】
特に金属の被加工物の切削および切り屑除去機械加工のための様々なタイプの工具が、超硬合金、セラミック等のような硬質で耐摩耗性の材料から製造されているタイプの、互いに前後して配置されている複数の交換可能な切削インサートを伴う形に作られている。こうした工具の例が、直線動作するリーマ工具、回転するミーリングカッタおよび固定された旋削工具を含んでいる。効率的で迅速な機械加工を実現するという目的のために、できるだけ大きく、可能な限り多数の切削インサートを工具の基体に取り付ける傾向がある。例えばミーリングカッタの周縁に沿って取り付けられることが可能な切削インサートが多ければ多いほど、ミーリングカッタはより効率的なものとなる。これと同じことが、互いに前後して直線状に切削インサートが取り付けられている、例えばリーマのような直線動作工具にも当てはまる。
【0003】
従来より公知の切削工具において、切削インサートは、スチールのようなより軟質の材料で作られているその工具の基体内のいわゆるインサート座で、個別的にかつ互いに間隔を置いて取り付けられている。間隔を開けて離れている切削インサートは、必要な切り屑溝を少なくとも部分的を形成する、すなわち、工具の連続的な送りの最中に取り除かれた切り屑が、切削インサートの間に収容される。言い換えると、個別的な切り屑溝は、切削インサートの小さい部分表面(切り屑表面)と、基体内に含まれている一般的にはより大きい部分表面とによって画定されている。当然のことながら、取り付けられている切削インサートの相互間に切り屑溝を形成するために比較的広く互いに間隔が開けられているインサート座を有するその工具の基体を形成するという必要条件が、その工具内の切削インサートの数を最適化するための設計者の選択肢を制限する。公知の切削工具の別の欠点が、高温の切り屑が切削インサートの耐熱性材料に直接的に接触するだけではなく、基体の耐熱性がより低い材料にも直接的に接触するということである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来より公知の切削工具の上述の欠点を取り除くことと、改良された切削工具及び切削インサートを提供することを目的とする。したがって、本発明の目的は、切り屑を形成し、排出するためのその工具の能力を低下させることなしに、単位長さ当たりで多数の切削インサートが取り付けられることが可能な切削工具及び切削インサートを提供することである。さらに別の目的が、基体が構造的に容易な仕方で作ることが可能であると同時に切削インサートがその基体上に永続的に安定した形で固定されることが可能である、切削工具及び切削インサートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施態様では、本発明は、基体と、互いに前後して連続的に配置されている複数の切削インサートとを含む切削工具を提供する。各々のインサートは、上面と、下面と、互いに反対側に位置した2つの側面と、前端および後端と、この前端に隣接した切れ刃とを含む。第1の切削インサートの後端は、この第1のインサートの後方に配置されている第2の切削インサートの前端に面しており、第2の切削インサートの切れ刃の前方の切り屑空間が、第1の切削インサートの後端から前方方向に延びる切り屑形成表面と、第2の切削インサートの切れ刃から下方に延びる切り屑形成表面とによって画定されている。
【0006】
別の実施態様では、本発明は、上面と、下面と、互いに反対側に位置した2つの側面と、前端および後端と、この前端に隣接した切れ刃とを含む、切削工具のための切削インサートを提供する。この前端は、切れ刃が連結する第1の切り屑形成表面の下方に位置している第1の接触表面を含む。第1の切り屑形成表面は、第2の後方の接触表面を含む後端よりも高く、および、この第2の切り屑形成表面は、この後端から上面に沿って前方方向に延びている。
【0007】
ある意味では、本発明は、必要な切り屑溝を切削インサート内だけに形成し、および、基体内には切削インサートを形成せず、かつ、切削インサートに切削インサーを支持させるという着想に基づいている。前方および後方の切り屑形成表面を有する個別的な切削インサートを形成することによって、この切削インサートは、端と端とを付けて連結させられることが可能である。したがって、切削インサートが互いに前後して直線状または円弧状に連続して取り付けられるかどうかには無関係に、工具は、単位長さ当たりの最適な数の切れ刃を伴って実現されることが可能だろう。したがって、切削インサートの数の限定要因が、端から端までの切削インサートの長さである。
【0008】
本明細書に含まれておりかつ本明細書の一部分を形成する添付図面が、本発明の現時点で好ましい実施形態を図示し、および、上述の概略的な説明と、後述の詳細な説明と共に、本発明の特徴を説明する役割を果たす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明が適用可能である切削工具の一例として、リーマ工具が図1と図2とに示されている。この工具は、基体1と、互いに前後に連続して配置されている複数の切削インサート2とを含む。この場合には、基体は細長い直線状の基本形状であり、この形状は概ね定規またはTビームに類似している。この具体例では、それぞれのインサート2がインサート座3の中に各々取り付けられており、および、このインサート座3は、この場合に、それぞれに基体の長さ延長部分内を軸方向に延びる直線状かつ互いに平行な隆起部および溝を含むだけである鋸歯状の連結表面の形状である。互いに隣接しているインサート座3は、横断方向のノッチ4の形状の隙間空間によって互いに間隔を開けられている。各々のインサート座の中には、ねじ山付きの穴5が、基体に沿った所望の座内に切削インサートを締め付け固定するためのねじ6が開口する。各々の個別の切削インサートは切れ刃7を含み、この切れ刃7は、この例では、直線状であり、および、本質的に切削インサートの全幅に沿って延びる。図2に示されているように、それぞれの切削インサートの切れ刃7は、基体に比較して異なる高さに配置されている。特に、各々の後方の切削インサートの切れ刃は、それぞれの前方の切削インサートの切れ刃よりも高い高さに配置されている(高さの差Nを参照されたい)。動作時には、この工具は、送り方向Mにおいて被加工物に対して直線的に送られ、および、切削インサートが、従来通りの仕方で、連続的に増大する深さおよび/または幅を有するノッチを提供する。切削インサートの横列の後方の切削インサート(図1を参照されたい)がリップ8の形状の止め具に押し当てられるということが指摘されなければならない。
【0010】
互いに隣接する切削インサートの間に、1対をなす2つの切削インサート上の部分的表面によって画定されている、番号9で示されている切り屑溝が存在する。
【0011】
実際には、この基体1はスチールから製造されることが適切であり、一方、切削インサートは、超硬合金または他の硬質で耐摩耗性の材料から製造される。
【0012】
次に図3から図9を参照すると、これらの図は、本発明の実施形態による切削インサートの幾何学的設計を詳細に示す。この切削インサートは、上面10と、平らな下面11と、互いに反対側に位置した2つの側面12、13と、前端14および後端15とをそれぞれ含んでいる。一般的に、切れ刃7は上面10と前端14との間の移行部分の中に形成されている。
【0013】
切削インサートは、その前端において、後端よりも位置が高く、すなわち、より厚い。前端内には第1の接触表面16が含まれており、この接触表面16は、表面16、17を互いから分離させる境界線18と切れ刃7との間を延びる第1の切り屑形成表面17の下方に位置している。
【0014】
切削インサートの後端は、工具の隣接した切削インサート上の第1の接触表面と協働する第2の接触表面15で表されている。第2の接触表面15の上部部分では、第2の接触表面15が移行部分29を経由して第2の切り屑形成表面19に遷移し、この第2の切り屑表面19は切削インサートの上面に沿って前方かつ上方に延びる。図示されている実施形態では、2つの切り屑形成表面17、19の各々が部分的に凹面の形状を有する。したがって、第1の切り屑形成表面17の下部部分20は、境界線18に向かって下方方向に減少することがある曲率半径を有する凹面である。頂部においては、この凹面の部分表面は平面の部分表面21に遷移し、この平面の部分表面21は切れ刃7の形で終端する。
【0015】
同様の仕方で、後方の切り屑形成表面19は、凹面の部分表面22と平面の部分表面23とを有する形に形成されている。切り屑形成表面の部分的に凹面の形状は、後方の接触表面15から軸方向距離Aに位置している最も低い底部ポイント24を有する円弧線によって決定されている。図7では、P1、P2、P3は3つの軸方向に互いに間隔が開けられている平面を示し、および、これらの平面のすべては切削インサートの下面11に対して垂直であり、および、これらの中のP1は底部ポイント24から垂直方向に延び、P2は端縁7に沿って配置されており、および、P3は接触表面15の延長部分内に位置している。平面P1と平面P2との間の距離がBで示されている。図7に示されているように、距離Bは距離Aよりも大きい。
【0016】
さらに、底部ポイント24と端縁線7との間の想像上の直線が、下面11に対してまたはこの下面11に対して(この場合は、さらに、工具の送り方向M)平行な基準平面に対して角度αを形成する。
【0017】
前方においては、後方の切り屑形成表面19は、境界線26を経由して上部第二逃げ面25に遷移する。第二逃げ面25が平面でありかつ端縁線7から下方かつ後方に斜めに延びることが有利である。言い換えると、境界線26は、端縁線7よりも下面11に対してより低い位置に配置されている。
【0018】
図示されている実施形態では、固定ねじ6のための貫通穴27が、切り屑形成表面19の前方に、すなわち、境界線26の前方に、その全体において配置されている。したがって、この穴の上部部分は第二逃げ面25内に開口し、一方、その下部部分は下面11内に開口する。
【0019】
切削インサートの下面上には、切削インサートを横方向に固着させるための鋸歯状の連結表面28が形成されている。特に、この連結表面28は、複数の直線状でかつ互いに平行な隆起部と、この隆起部の相互間の溝とを含むタイプである。有利なことには、この鋸歯状の連結表面28は下面11全体に沿って延びる。すべての隆起部と溝とが直線状であり、かつ、切削インサートの長さ延長部分内だけを延びるので、切削インサートが縦方向にではなく横方向に係止させられる。
【0020】
切削インサートが直線状の基体に沿って互いに前後して一直線状に取り付けられている図示されている実施形態では、前方接触表面16と後方接触表面15のそれぞれが互いに平行である。実際には、この接触表面は、互いに協働する形での完全な表面接触を実現するために平面とすることができる。しかし、その2つの接触表面の一方が、最大の半径(例えば、数メートル)を有する凸面体の形状のわずかな反りを有する形に形成されることが可能であるということが想定される。
【0021】
リーマ仕上げ中に個々の切れ刃が切り屑を取り除く時に、その切り屑は、隣接した切削インサート上の前方および後方の切り屑形成表面17、19と、形成されたノッチの底部壁および側部壁とによって画定されている切り屑溝9内に収容され、および、その切り屑は、切削インサートがそのノッチの末端を通過し終わるまで分離させられない。この切り屑溝の形状は、切り屑の形成および排出に関して決定的な重要性を有する。この工具が短い切り屑を生成する材料の機械加工のために使用される場合には、切り屑形成の必要条件は普通である。このような場合には、切削インサート上の2つの切り屑形成表面は、非常に単純な幾何学的形状を与えられるだろう。例えば、切り屑形成表面の一方または両方が平面であるだろう。しかし、より長い切り屑を生成する材料を機械加工するための工具においては、切り屑の停止を確実に回避するために、より高い必要条件が切り屑形成において必要とされる。このような場合には、切り屑形成表面の少なくとも一方、および、適切には両方が、図面に示されているように、少なくとも部分的に凹面形でなければならない。丸い凹面形の形状によって、分離された切り屑が、各々の種類の材料に関して最適化されている形状を有する腕時計用ぜんまい形の螺旋形状に強制的に丸まらせられる。こうした切り屑のチップウォッチ(chip watch)の中心が、後方の切り屑形成表面の最も低い位置の概ね垂直方向の上方で、すなわち、平面P1内に位置することができる。チップウォッチの中心と端縁線7と後方接触表面15との間の距離A、Bは、凹面の曲率半径と共に、切削インサートの切り屑形成能力にとって重要である。距離Bが距離Aよりも大きくなければならない場合にさえ、距離Bは実際には多くともAの10倍であり、適切には多くとも7倍である。
【0022】
一般的な要望は、切削インサートが、特定の工具長さに関して最大数の切削インサートおよび切れ刃のための場所を与えるように、可能な限り短くかつコンパクトであるべきであるということである。しかし、互いに隣接する切削インサートの間に形成される切り屑溝が水平方向および垂直方向に特定の空間を占めるので、この要望は切り屑形成の必要条件と対立する。この理由から、距離Aは距離Bに比較して小さすぎることは不可能である。
【0023】
別の重要な要因が、切削インサートが前端から後端に向かう方向においてどのように先細になるかである。この先細の形状は、上面に対して平行な任意の基準平面と底部ポイント24と端縁線7とに交差する想像上の直線との間の角度αによって、図7に示されている。実際には、角度αは18°以上かつ45°未満であるべきである。実際には、20°から30°の範囲内の角度が好ましい。
【0024】
図7を続けて参照すると、この実施形態の切れ刃が、角度βで示されている、ポジティブの切削形状を有する。
【0025】
図10は、切削インサートが共に円弧形の形状構成を形成し、例えば、フライスのような回転工具の周囲に沿った円形のリムを形成する。このような場合には、それぞれの切削インサートの2つの互いに反対側に位置した接触表面15、16が、互いに平行であることの代わりに、互いに対して鋭角の角度を形成するだろう。切削インサートの下面は、さらに、その円弧形に適合するように、様々な形に変更されることも可能である。
【0026】
図11では、角度γで示されているネガティブの切削形状を有する別の切削インサートが図示されている。
【0027】
図示されている実施形態では、切り屑形成表面17と切削インサートの前端の接触表面16との間のターニングライン(turning line)18が、後方の接触表面15と後方の切り屑形成表面19との間のターニングラインすなわち移行部分29よりも、下面11に関してより高い位置に配置されている。このようにして、前方の切り屑形成表面17に沿って下方に移動する形成された切り屑が切り屑形成表面19上を抵抗なしにスライドすることが容易化される。
【0028】
本発明の基本的な利点が、何らかの切り屑形成表面を伴って基体が形成される必要がないので、多数の切削インサートが工具の基体に沿って特定の長さの範囲内に収容されることが可能であるということである。さらに、切削インサートが接触表面15、16を介して互いに対して密着する形で押し付けられる時に、高温の切り屑が基体の一部分に接触することがなく、切削インサートの硬質かつ比較的に耐熱性である超硬合金だけにしか接触しないという利点が得られる。
【0029】
本発明は、上述されておりかつ図面に示されている実施形態だけには限定されない。したがって、本発明は、切削工具が動作中に移動可能であるか不動であるかに係わらず、切削工具に適用できる。移動可能な切削工具は、直線動作状にまたは回転動作に加えて、様々な形で動作するだろう。さらに、本発明による切削インサートの設計は広い範囲内で様々であってよい。したがって、短い切り屑を生成する材料の機械加工のために、2つの切り屑形成表面が単純な幾何学的形状を有してよく、一方、例えば長い切り屑を生成する材料の、より複雑な機械加工が、図面に示されているように一般的には1つまたは複数の凹面を有する、各々の個別的な用途のために個別的に測定されたより精巧な特性の切り屑形成表面を有する切削インサートを必要とする。これに関連して、前方の切り屑形成表面は、浅い空洞の形状である、平面の形状の代わりに横断面が湾曲した形状を切り屑に与える、端縁線の付近に位置している中央窪みを有する形に、形成されることが可能である。このようにして、切り屑の端縁は内向きに偏向させられ、これによって、切り屑の停止の危険性をさらに減少させるように切り屑の幅が縮小させられる。本発明は、互いに直接的に接触する形にそれぞれの切削インサートを押し付ける可能性を想定しているが、さらには、切削インサートの硬質で比較的壊れやすい材料よりも柔らかい例えばスチールのような材料の短いはシム金を、互いに隣接する切削インサートの間に取り付けることが可能である。切削インサートと同様に、こうしたシム金は、その下面上に鋸歯状の連結表面を有する形に形成されることが可能である。適用可能なシムは、切削インサートの長さの多くとも20%、適切には多くとも10%の長さを有するべきである。これに関連して、ねじの形で示されている締め付け固定部材が主として個別の切削インサートを所定位置に保持するが、実質的には切削力を伝えない。したがって、発生する切削力は、安定した止め具まで連続した切削インサート(および適用可能なシム)を経由して一連の力の形で伝えられる。その次に、発生する可能性がある付属のインサート座に沿った切削インサートの間の小さな動きが、ねじがわずかに偏向する形で現れるだけである。切削インサートは、上方から締め付けられるねじ以外の手段によって所定の位置に保持されることが可能である。図1と図2に示されている工具では、切削インサートは同一の形状を有し、および、連続した切れ刃の間の必要な高さの差が、段板のようなインサート座を異なる高さに配置することによって実現されている。さらに、単一の平面のインサート座(鋸歯状の連結表面)を使用することと、異なる連続的に増大する高さを切削インサートに与えることとが可能である。(例えば、送り方向Mに対して傾斜している)工具内の切れ刃または端縁線の形状(例えば円弧状)と位置とが大きく変化することがあり、および、切削インサートの側面が第二逃げ面として機能することができる。特に、この側面は、後方方向と下方方向とにおいてクリアー(clear)する(三角形の)部分表面を含むことができる。さらに、図1に示されているインサート座は、必ずしも互いに平行でなくてもよい。したがって、これらのインサート座は、送り方向に対して傾斜していてもよい。例えば、切削工具の側面図において、これらのインサート座は概ね鋸歯状の形状を共に形成する。この場合には、個別の切削インサートの発生切削力は、付属のインサート座に対してそれが突き当たることによって完全にまたは部分的に伝えられるだろう。一般的に、切削インサートの下面と、基体に対するその位置は、本発明にとって付随的である。
【0030】
例えば、単一の連続した凹面の切り屑形成表面の形状である、切り屑溝によって互いに間隔を開けられている2つまたは複数の切り屑除去端縁を有する個別の切削インサートを形成することが可能であり、および、切削インサートは、依然として、一連の切削インサートの中の他の切削インサート上の後方および前方の切り屑形成表面と協働することが可能である後方および前方の切り屑形成表面を含む。
【0031】
本発明を特定の好ましい実施形態を参照して開示してきたが、添付されている特許請求項とこれらの等価物とに定義されている通りの本発明の範囲と領域から逸脱することなしに、上述の実施形態に対して様々な変更と変型と変形とが加えられることが可能である。したがって、本発明が上述の実施形態には限定されないことと、後述の特許請求項の記述によって定義された全範囲を本発明が含むこととが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】リーマ工具の形態である本発明の実施形態による切削工具の斜視図である。
【図2】この工具の基体内の切削インサートの位置を示す部分側面図である。
【図3】本発明の実施形態による個別の切削インサートの上面図である。
【図4】図3の切削インサートの底部側の図である。
【図5】片方の側から見た図3の切削インサートの側面図である。
【図6】前方から図3の切削インサートを示す端面図である。
【図7】図5の反対側からの側面図である。
【図8】背部から図3の切削インサートを示す端面図である。
【図9】図3の切削インサートの上面を示す平面図である。
【図10】工具の別の実施形態を示す、図2に対応する詳細な断面である。
【図11】切削インサートの別の実施形態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 基体
2 切削インサート
3 インサート座
4 ノッチ
5 ねじ山付きの穴
6 ねじ
7 端縁
8 リップ
9 切り屑溝
10 上面
11 下面
12、13 側面
14 前端
15 後端
【出願人】 【識別番号】505277521
【氏名又は名称】サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ
【出願日】 平成19年9月12日(2007.9.12)
【代理人】 【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤

【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一

【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎

【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹


【公開番号】 特開2008−68397(P2008−68397A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2007−236611(P2007−236611)